JP2016063168A - ワークの非接触保持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワークを振動板の上方で位置決めするために要する時間を短くすることが可能なワークの非接触保持装置を提供する。
【解決手段】ワークの非接触保持装置1は、超音波浮揚装置10と、ワーク80よりも下方に吸気口21を配置し、吸気口21から吸気を行うことで、吸気口21の真上を覆うワーク80に対して吸気口21に引き付ける吸引力を作用させる吸引装置20と、を備え、ワーク80が目標位置Pに保持されたときのワーク80の振動板対向面80aと一致する領域をワーク保持領域とし、吸気口21は、複数設けられ、かつ、上方から見て、当該ワーク保持領域の外周縁に沿って所定の間隔d1・d2・・・を空けて配列される。
【選択図】図3

Description

本発明は、ワークの非接触保持装置に関する。
振動子の振動が伝達されて振動する振動板の上方に、板状のワークを浮かせて非接触で保持するワークの非接触保持装置は公知である(例えば、特許文献1)。
特許文献1には、振動板の外形寸法とウェハの外形寸法とを一致させる技術が開示されている。
本件発明者は、特許文献1に開示されるように、振動板の外形寸法とウェハの外形寸法とを一致させ、振動子の振動が伝達されて振動する振動板の上方に、板状のワークを浮かせて非接触で保持するワークの非接触保持装置を試作し、その性能評価を行った。
特許文献1に記載の装置においては、ワークが振動板の上方に配置されると、ワークは振動板に対して平行に揺動し続けた。その後、ワークの揺動が収まり、ワークが振動板に対して位置決めされた。しかし、ワークの揺動が収まるまでに約3分もかかることが確認された。これにより、例えば、半導体ウェハの非接触式のアライナーなどに適用するにあたり、満足のいく性能が得られなかった。
特開2004−63984号公報
本発明は、ワークを振動板の上方で位置決めするために要する時間を短くすることが可能なワークの非接触保持装置を提供する。
第1の発明は、
振動子の振動が伝達されて振動する振動板の上方に、板状のワークを目標位置に浮かせて非接触で保持する超音波浮揚装置と、
前記ワークよりも下方に吸気口を配置し、前記吸気口から吸気を行うことで、前記吸気口の真上を覆う前記ワークに対して前記吸気口に引き付ける吸引力を作用させる吸引装置と、を備え、
前記ワークが目標位置に保持されたときの前記ワークの振動板対向面と一致する領域をワーク保持領域とし、
前記吸気口は、複数設けられ、かつ、上方から見て、当該ワーク保持領域の外周縁に沿って所定の間隔を空けて配列される。
第2の発明においては、
前記ワークの振動板対向面は、前記振動板の上面に一致もしくは略一致し、又は、前記振動板の上面に包含される形状を有する。
第3の発明においては、
前記振動板は、その上面が真円形状であり、前記振動子の振動が前記振動板の中心に伝達されてその上面に同心円状の振動の腹節が生じるものであり、
上方から見たときの前記ワークの外周縁は、前記振動板の上面に生じる節のうちのいずれか一つの節に略一致する形状を有する。
第4の発明においては、
前記吸気口は、その内壁面が上方から見て前記ワーク保持領域の外周縁に内接又は略外接し、かつ、ワークと接触しない所定の距離を隔てた位置に設置される。
第5の発明においては、
前記吸気口は、八個又は十六個設けられ、上方から見て、前記ワーク保持領域の外周縁に沿って等しい間隔を空けて配列される。
第6の発明においては、
前記吸気口は、その径が1.2mmである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
第1の発明によれば、上方から見て、全ての吸気口を囲む環状の境界線を画定し、ワークが境界線の外側へ逃げようとしたときに、吸引力によりワークを振動板に対して傾けることによって、ワークを境界線の内側に戻すことができる。これにより、ワークが境界線の外側へ逃げることを防止でき、ワークの揺動範囲を制限できる。その結果、ワークを振動板の上方で位置決めするために要する時間を短くすることができる。
第2の発明によれば、振動板の上面の上方でワークを浮かせて非接触で位置決めすることが可能となる。
第3発明によれば、上方から見て、ワークは、その外周縁が、振動板に生じる節(外周縁と同形状の節)と重なる位置で、非接触で保持される。
第4の発明によれば、ワークが、ワーク保持領域において吸気口に接触しないで保持される。
第5発明によれば、ワークを振動板の上方で位置決めするために要する時間を短くすることができ、かつ、ワークの位置決め精度を向上させることができる。
第6発明によれば、ワークを振動板の上方で位置決めするために要する時間を短くすることができ、かつ、ワークの位置決め精度を向上させることができる。
ワークの非接触保持装置を示す概略構成図。 (a)図1のワークと振動板を上方から見た図、(b)ワークの外周縁と振動板に生じる節との形状を比較した上面図。 (a)〜(c)吸気口の配置箇所の一例を示す上面図。 (a)〜(c)ワークの揺動範囲が規制される原理を示す側面断面図。 (a)〜(c)ワークの揺動範囲が規制される原理を示す側面断面図。 (a)〜(c)ワークの揺動範囲が規制される原理を示す側面断面図。 吸気口を囲む境界線を示す上面図。 吸気口を囲む境界線を示す上面図。 吸気口を囲む境界線を示す上面図。 吸気口の間隔を示す上面図。 吸気口の変形例を示す上面図。 (a)〜(d)実験結果を示す図。 (a)〜(c)実験に用いられるワークと振動板を示す側面断面図。
図1に示すように、ワークの非接触保持装置1は、超音波浮揚装置10と、吸引装置20とを備えている。
まず、超音波浮揚装置10について説明する。
図1に示すように、超音波浮揚装置10は、積層された複数(本実施形態では3枚)のリング状の圧電素子(ピエゾ素子)11と、該圧電素子11の両側からボルト締めされた円筒状の金属製のブロック12とを有して構成される、所謂ボルト締めランジュバンタイプの超音波振動子13と、を有している。また、各圧電素子11には、高周波電源が接続されており、該高周波電源から高周波電圧が印加されることにより、圧電素子11が、超音波振動を発生する。すなわち、振動子13は、特許請求の範囲に記載の振動子として機能する。
振動子13の一端には、該振動子13が発生した超音波振動を増幅して伝達する金属性の部材である段付複合ホーン(以下、単に「ホーン」という)16が接続されている。ホーン16は、その一端が振動子13と接合される円柱部14と、該円柱部14と一体的に形成され、超音波振動を増幅する中実の略円錐状(指数形)の増幅部15とを含んで構成されている。ホーン16の増幅部15の先端には、ホーン16と連動して振動する金属性の円盤状の振動板17が溶接あるいは螺子などで連結されている。なお、振動子13、ホーン16、及び振動板17は、それぞれの中心軸が一致するように接続されている。
超音波浮揚装置10は、超音波振動により振動板17の上面17aの上方に板状のワーク80を浮かせて非接触で保持する装置である。振動板17の上面17aは、超音波浮揚装置10によりワーク80が振動板17の上方に浮かされるときに、ワーク80と対向する面である。
ワーク80は、円盤状の板であり、一方の盤面(振動板対向面)80aが振動板17の上面17aに対向しており、その他方の盤面80bが上方を向いている。ワーク80は、例えば、半導体のウェハ、太陽電池のウェハ等である。なお、本実施形態のワーク80は、円盤状の板であるが、本発明はこれに限定されず、多角形状の板や、R形状を含む板であってもよい。ここで、ワーク80が目標位置Pで静止したときにその盤面(振動板対向面)80aが存在している領域をワーク保持領域として定義する。
図1及び図2(a)に示すように、ワーク80の振動板対向面80aは、振動板17の上面17aよりも小さく、振動板17の上面17aに包含される形状を有する。
図2(b)に示すように、振動板17は、その上面17aが真円形状であり、振動子13の振動が振動板17の中心に伝達されてその上面17aに同心円状の振動の腹節が生じる。なお、図2(b)において、実線の太線の円が腹であり、点線の太線の円が節である。
上方から見たときのワーク80の外周縁81は、振動板17の上面17aに生じる節のうちのいずれか一つの節Nに一致する形状を有する(ワーク=節)。
なお、ワーク80の振動板対向面80aは、振動板17の上面17aに一致(略一致も含む)する形状を有するように構成してもよい(ワーク=振動板の外形)。この場合、ワーク80の振動板対向面80aが、振動板17の上面17aに一致しているか否かを判断するときには、後述する吸気口21の存在は考慮されない。従って、ワーク80の振動板対向面80aと、振動板17の上面17aとを比較して、吸気口21の箇所(吸気口21を設置するために加工された箇所)のみが異なっており、他は一致(又は略一致)しているときには、ワーク80の振動板対向面80aが、振動板17の上面17aに一致していることとなる。
超音波浮揚装置10の動作について説明する。
図1に示すように、振動子13を構成する圧電素子11に高周波電圧が印加されると、印加電圧の周波数に応じた周波数の超音波振動が発生する。この超音波振動は、ホーン16に入力されてホーン16中を軸方向に伝播されるとともに、増幅部15で増幅される。増幅された超音波振動は、振動板17に入力され、振動板17に超音波振動を生じさせる。このとき、振動板17の上面17aには、同心円状の振動の腹節が生じる。振動板17が超音波振動することにより、ワーク80との間にスクイーズ空気膜が生成される。その結果、超音波スクイーズ効果が生じ、ワーク80に対する浮揚力(ワーク80を振動板17の上面17aから離間させる力)が発生する。これにより、ワーク80は、振動板17の上面17aの上方に浮いた状態になる。
そして、ワーク80は、振動板17に対して浮いている状態で、振動板17の上面17aに対して平行に揺動する。そして、ワーク80は、揺動範囲を徐々に狭めていき、最終的に所定位置P(又は所定位置Pから多少ずれた位置)で停止する。その結果、ワーク80が、振動板17に対して非接触で保持された状態(位置決めされた状態)になる。
ワーク80の形状に関して、上記したワーク=節である場合、前記所定位置(前記目標位置)Pは、上方から見て、ワーク80の外周縁81が、外周縁81と同形状の節Nと重なる位置である(図2(b)参照)。
また、ワーク80の形状に関して、上記したワーク=振動板の外形である場合、前記所定位置Pは、上方から見て、ワーク80の振動板対向面80aが振動板17の上面17aと一致するように重なる位置である。
次に、吸引装置20について説明する。
図1に示すように、吸引装置20は、吸気口21と、本体部22と、を有している。
振動板17には板厚方向(上下方向)に貫通する貫通孔23が形成されている。貫通孔23は、振動板17の上面17aで開口して、吸気口21を形成している。すなわち、吸気口21が、振動板17の上面17aに形成されている。
吸気口21は、超音波浮揚装置10により非接触で保持されたワーク80よりも下方に配置される。
本実施形態の吸気口21は、上方から見て円形状であるが、本発明はこれに限定されず、例えば、四角形等の多角形状であってもよい。また、ワーク80の外形に沿った円弧状の長穴であってもよい。
吸気口21は、貫通孔23及びホース24を介して本体部22に接続されている。本体部22は、吸気口21から上方の空気を貫通孔23及びホース24を介して吸引し、外部に排気する。
吸気口21は、上向きに設けられており、その真上の空気を吸引する。これにより、ワーク80が吸気口21の真上を覆うとき、ワーク80に対して吸気口21に引き付ける吸引力Xが作用する。詳細には、ワーク80における吸気口21の真上に存在する部分に対して、吸気口21に引き付ける吸引力Xが作用する。
吸気口21は、ワーク80と接触しない所定の距離を隔てた位置に設置される。前記所定の距離は、ワーク80の振動板対向面80aが、前記ワーク保持領域に存在しているときに吸気口21に接触しないような距離である。
吸気口21は、上方から見て、所定位置Pに存在するワーク80の縁部(前記ワーク保持領域の縁部)に配置される。
ワーク80の縁部とは、上方から見て、(i)吸気口21が、ワーク80の外周縁81(前記ワーク保持領域の外周縁)で分割される位置(図3(a)参照)、(ii)吸気口21の内壁面が、ワーク80の外周縁81(前記ワーク保持領域の外周縁)に外接する位置(図3(b)参照)、及び(iii)吸気口21の内壁面が、ワーク80の外周縁81(前記ワーク保持領域の外周縁)に内接する位置(図3(c)参照)のことである。
なお、(i)吸気口21がワーク80の外周縁81で分割されている状態とは、上方から見て、吸気口21の一部が所定位置Pにあるワーク80の外周縁81の外側に存在し、吸気口21の残部が所定位置Pにあるワーク80の外周縁81の内側に存在している状態である(図3(a)参照)。また、本実施形態では、上方から見たとき、所定位置Pに存在するワーク80の外周縁81と、前記ワーク保持領域の外周縁とが一致していることとする。
以下では、ワーク80の揺動範囲が規制される原理について説明する。
まず、(i)吸気口21がワーク80の外周縁81で分割されている場合について説明する。
図4(a)に示すように、ワーク80が左右両側の吸気口21・21の中央に配置されている場合は、ワーク80が安定した状態になり、ワーク80が振動板17の上面17aに対して平行な状態になる。
図4(a)の状態から、ワーク80が、左方に移動し、左側の吸気口21の真上がワーク80で覆われた状態になった場合は、ワーク80の左端部が吸引力Xにより左側の吸気口21に引き付けられて、ワーク80が振動板17の上面17aに対して傾いた状態になる(図4(b)参照)。その結果、左側の吸気口21と、ワーク80の左端部との間の空気の圧力が高くなり、ワーク80と振動板17との間で左右に圧力差が生じる。
これにより、ワーク80は圧力の低い方(右方)へ力Yを受け、右方へ戻される(図4(b)参照)。ワーク80は、右方へ戻されて、前記圧力差が解消されると、振動板17に対して平行な状態に戻る(図4(c)参照)。
図4(a)の状態からワーク80が右方に移動する場合についても、同様の原理が成り立つ。従って、ワーク80は、右方に移動して、左側の吸気口21の真上を覆うと、左側の吸気口21からの吸引力により振動板17に対して傾いた状態になり、左方へ戻される。ワーク80は、左方へ戻されて、前記圧力差が解消されると、振動板17に対して平行な状態に戻る。
以上のように、ワーク80は、左右両側の吸気口21・21の外側に逃げようとしたときに、吸気口21・21からの吸引力により振動板17に対して傾けられることによって吸気口21・21の内側に戻される。これにより、ワーク80の左右方向の揺動範囲が、左右両側の吸気口21・21の両端部の間の範囲S1に画定される(図4(c)参照)。
(ii)吸気口21の内壁面がワーク80の外周縁81に外接する場合についても、上記(i)のときと同様の原理が成り立つ(図5(a)〜図5(c)参照)。従って、ワーク80の左右方向の揺動範囲が、左右両側の吸気口21・21の両端部の間の範囲S2に画定される(図5(c)参照)。
(iii)吸気口21の内壁面がワーク80の外周縁81に内接する場合についても、上記(i)のときと同様の原理が成り立つ(図6(a)〜図6(c)参照)。従って、ワーク80の左右方向の揺動範囲が、左右両側の吸気口21・21の両端部の間の範囲S3に画定される(図6(c)参照)。
なお、上記(iii)の場合は、ワーク80が少しでも左右にずれると、振動板17に対して傾いて元の位置に戻される。これにより、上記(i)及び(ii)の場合に比べて、ワーク80の揺動範囲がより狭くなる(図4(c)、図5(c)、及び図6(c)参照)。
以下では、吸気口21の配置について説明する。
吸気口21は、複数(好ましくは、三個以上)設けられる。本実施形態では、八個の吸気口21が設けられている。
図7は、(i)吸気口21がワーク80の外周縁81で分割される位置に設けられるときの、吸気口21の配置を示している。
図8は、(ii)吸気口21の内壁面(内周面)がワーク80の外周縁81に外接する位置に設けられるときの、吸気口21の配置を示している。
図9は、(iii)吸気口21の内壁面(内周面)がワーク80の外周縁81に内接する位置に設けられるときの、吸気口21の配置を示している。
図7〜図9には、上方から見て、全ての吸気口21を囲む環状の境界線L1・L2・L3が記載されている。境界線L1・L2・L3には、上方から見て、全ての吸気口21の内壁面が内接している。また、境界線L1・L2・L3は、振動板17の上面17aの上方に仮想的に設定される。吸引装置20は、ワーク80が揺動して境界線L1・L2・L3の外側に逃げようとしたとき、前記吸引力によりワーク80を振動板17に対して傾けることによって、ワーク80と振動板17との間で圧力差を生じさせて、ワーク80を境界線L1・L2・L3の内側へ戻す。このとき、図4(a)〜図6(c)に示した原理に基づいて、ワーク80が境界線L1・L2・L3の内側へ戻される。これにより、ワーク80が境界線L1・L2・L3の外側へ逃げることを防止でき、ワーク80の揺動範囲を制限できる。
図10に示すように、吸気口21・21・・・は、上方から見て、所定位置Pに存在するワーク80の外周縁81に沿って(前記ワーク保持領域の外周縁に沿って)、所定の間隔d1・d2・・・を空けて配列される。
所定の間隔d1・d2・・・は、境界線L1・L2・L3を画定して、ワーク80の揺動範囲を制限する観点から設定される。
また、所定の間隔d1・d2・・・は、ワーク80を所定位置Pで安定的に保持する観点からも設定される。これは、例えば、吸気口21・21・・・が一箇所にかたまって配置されたとすると、ワーク80の下方では、吸気口21・21・・・に向かう空気流が偏った箇所で発生してしまう。これにより、ワーク80が不安定な状態になってしまうからである。
従って、吸気口21・21・・・が、上方から見て前記ワーク保持領域の外周縁に沿ってバランスよく配置されるように、吸気口21・21・・・の間隔d1・d2・・・が設定される。
本実施形態では、各間隔d1・d2・・・が互いに等しい。これにより、吸気口21・21・・・が、上方から見て、前記ワーク保持領域の外周縁に沿って等しい間隔を空けて配列される(d1=d2=d3・・・)。
以上のように、吸気口21・21・・・が、上方から見て、前記ワーク保持領域の外周縁に沿って所定の間隔d1・d2・・・を空けて配列される。
これにより、吸引装置20は、上方から見て、全ての吸気口21・21・・・を囲む環状の境界線L1・L2・L3を画定し、ワーク80が境界線L1・L2・L3の外側へ逃げようとしたときに、前記吸引力によりワーク80を振動板17に対して傾けることによって、ワーク80を境界線L1・L2・L3の内側に戻すことができる(図7〜図9参照)。これにより、ワーク80が境界線L1・L2・L3の外側へ逃げることを防止でき、ワーク80の揺動範囲を制限できる。その結果、ワーク80を振動板17の上方で位置決めするために要する時間を短くすることができる。
なお、本実施形態では、振動板17に貫通孔23を形成して、振動板17の上面17aに吸気口21を形成したが、本発明はこれに限定されず、振動板17の外周部を内側に陥没させて、陥没させた箇所にノズル25を配置し、ノズル25の先端に吸気口21を形成してもよい(図11参照)。すなわち、吸気口21を、振動板17とは別部材で構成してもよい。
以下では、非接触保持装置1の実機を用いた実験結果について説明する。
本件発明者は、非接触保持装置1を用いてワーク80の位置決めを行い、(α)位置決め精度と、(β)整定時間と、を測定した。
(α)は、ワーク80が非接触保持装置1により振動板17に対して非接触で位置決めされたときの、所定位置Pに対するワーク80の位置ずれ量である。この位置ずれ量は、振動板17の上面17aに平行な方向(水平方向)の目標位置Pからのずれ量である。
(β)は、ワーク80が位置決め開始からほぼ静止して前記位置ずれ量に収まるまでに要した時間(整定時間)である。ここで、位置決め開始位置は、目標位置Pから5mm離れた位置とした。
まず、本件発明者は、吸引装置20を用いず、超音波浮揚装置10のみを用いて実験を行った。すなわち、本件発明者は、吸気口21及び貫通孔23が形成されていない振動板17を用いて実験を行った。従って、この実験では、ワーク80が、超音波浮揚装置10の超音波振動のみによって位置決めされることになる。
本件発明者は、(a)ワーク80の振動板対向面80aが振動板17の上面17aに一致する構成(ワーク=振動板の外形)と、(b)上方から見たときのワーク80の外周縁81が、振動板17の上面17aに生じる節のうちのいずれか一つの節に一致する構成(ワーク=節)と、についてそれぞれ実験を行った。
図12(a)に示すように、(a)の構成(ワーク=振動板の外形)の場合、(α)が±0.5mmであり、(β)が約3分であった。
図12(a)に示すように、(b)の構成(ワーク=節)の場合、超音波振動によるワーク80の保持力が弱かったため、ワーク80が揺動し続けた。その結果、ワーク80がなかなか位置決めされなかったので、(α)、及び(β)の測定が中止された。
次に、本件発明者は、超音波浮揚装置10と、吸引装置20と、を用いて、ワーク80を位置決めする実験を行った。なお、ワーク80については、上記(b)の構成のものが用いられた。
まず、本件発明者は、吸気口21の位置の最適化を図るための実験を行った。この実験では、吸気口21の位置を変更する代わりに、ワーク80の径を変更した。
本件発明者は、上方から見て、(c)吸気口21がワーク80の外周縁81で分割される構成と(図3(a)及び図13(a)参照)、(d)吸気口21の内壁面がワーク80の外周縁81に内接する構成と(図3(c)及び図13(b)参照)、(e)(d)の構成よりも吸気口21がさらに内側に存在する構成と(図13(c)参照)、について実験を行った。
なお、吸気口21は、八個設けられており、上方から見て前記ワーク保持領域の外周縁に沿って等しい間隔を空けて配列されている。また、吸気口21の径は1.2mmである。
図12(b)に示すように、(c)の構成(ワーク径=139mm)の場合で、ワーク80の表面を振動板17に対向させたとき、(α)が±2.0mmであり、(β)が0.5秒であった。また、ワーク80の裏面を振動板17に対向させたとき、(α)が±2.8mmであり、(β)が0.2秒であった。
図12(b)に示すように、(d)の構成(ワーク径=141mm)の場合で、ワーク80の表面を振動板17に対向させたとき、(α)が±0.8mmであり、(β)が0.4秒であった。また、ワーク80の裏面を振動板17に対向させたとき、(α)が±1.1mmであり、(β)が0.3秒であった。
図12(b)に示すように、(e)の構成(ワーク径=141.5mm)の場合、ワーク80が振動板17に近接して全ての吸気口21を塞いでしまった。これにより、(α)、及び(β)を測定できなかった。
以上の実験結果によると、ワーク80の表と裏とで位置決め精度に差が見られた。また、(d)の構成が最も位置決め精度がよかった。
また、(c)及び(d)の構成の方が、(a)の構成に比べて、整定時間を大幅に短縮できることが確認された。
次に、本件発明者は、吸気口21の数の最適化を図るための実験を行った。
本件発明者は、上記(d)の構成と、(f)(d)の吸気口21の数を十六個に変更した構成と、について実験を行った。なお、実験は、ワーク80の表面を振動板17に対向させた場合についてのみ行われた。
図12(c)に示すように、(d)の構成(ワーク径=141mm、吸気口:八個)の場合、(α)が±0.8mmであり、(β)が0.4秒であった。
図12(c)に示すように、(f)の構成(ワーク径=141mm、吸気口:十六個)の場合、(α)が±0.07mmであり、(β)が0.4秒であった。
以上の実験結果より、吸気口21の数を十六個に増やすことで、位置決め精度がさらに向上することが確認された。
次に、本件発明者は、吸気口21の径の最適化を図るための実験を行った。
本件発明者は、上記(f)の構成と、(g)(f)の吸気口21の径を0.5mmに変更した構成と、について実験を行った。
図12(d)に示すように、(f)の構成(吸気口径=1.2mm)の場合、(α)が±0.07mmであり、(β)が0.4秒であった。
図12(d)に示すように、(g)の構成(吸気口径=0.5mm)の場合、(α)が±0.37mmであり、(β)が0.6秒であった。
以上の実験結果より、吸気口21の径を1.2mmにしたほうが、位置決め精度、及び整定時間について良好な結果を得られることが確認された。
1 ワークの非接触保持装置
10 超音波浮揚装置
13 振動子
20 吸引装置
21 吸気口
80 ワーク
81 外周縁

Claims (6)

  1. 振動子の振動が伝達されて振動する振動板の上方に、板状のワークを目標位置に浮かせて非接触で保持する超音波浮揚装置と、
    前記ワークよりも下方に吸気口を配置し、前記吸気口から吸気を行うことで、前記吸気口の真上を覆う前記ワークに対して前記吸気口に引き付ける吸引力を作用させる吸引装置と、を備え、
    前記ワークが目標位置に保持されたときの前記ワークの振動板対向面と一致する領域をワーク保持領域とし、
    前記吸気口は、複数設けられ、かつ、上方から見て、当該ワーク保持領域の外周縁に沿って所定の間隔を空けて配列されることを特徴とする、
    ワークの非接触保持装置。
  2. 前記ワークの振動板対向面は、前記振動板の上面に一致もしくは略一致し、又は、前記振動板の上面に包含される形状を有することを特徴とする、
    請求項1に記載のワークの非接触保持装置。
  3. 前記振動板は、その上面が真円形状であり、前記振動子の振動が前記振動板の中心に伝達されてその上面に同心円状の振動の腹節が生じるものであり、
    上方から見たときの前記ワークの外周縁は、前記振動板の上面に生じる節のうちのいずれか一つの節に略一致する形状を有することを特徴とする、
    請求項1又は請求項2に記載のワークの非接触保持装置。
  4. 前記吸気口は、その内壁面が上方から見て前記ワーク保持領域の外周縁に内接又は略外接し、かつ、ワークと接触しない所定の距離を隔てた位置に設置されることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれか一項に記載のワークの非接触保持装置。
  5. 前記吸気口は、八個又は十六個設けられ、上方から見て、前記ワーク保持領域の外周縁に沿って等しい間隔を空けて配列されることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のワークの非接触保持装置。
  6. 前記吸気口は、その径が1.2mmであることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載のワークの非接触保持装置。
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