JP2004519346A - 対象物を無接触式に把持し、保持するための装置 - Google Patents

対象物を無接触式に把持し、保持するための装置 Download PDF

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Abstract

重力(F)の方向に少なくとも部分的に向けられた1つの方向(z)から対象物(1,14)を無接触式に把持し、保持するための装置であって、重力(f)の方向(z)に反して少なくとも部分的に対象物(1,14)の上方に、対象物(1,14)から間隔をおいて配置されている保持エレメント(3,13,17)を有していて、場合により存在するパーティクルの撒布もしくは移動をほぼ回避する形式のものが提案されている。これは本発明によれば、保持エレメント(3)が、浮揚波を発生させるための振動する保持エレメント(3)として形成されていることにより達成される。

Description

【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に記載の形式の、重力の方向に向けられた方向から対象物を無接触式に把持し、保持するための装置に関する。
【0002】
背景技術
例えば半導体製造およびマイクロシステム技術においては、多数の構成素子の表面に、接触感応式の構造が設けられている。相応の構成素子は、とりわけ、可動の繊細なエッチング構造、例えば、圧力又は加速度センサ用の構成部分としてのダイアフラム、舌片、ブリッジを有している。このような構成部分は、破損を防止するために、無接触式に把持し、保持することが必用となる。
【0003】
さらには、把持体と構成部分表面との機械的な接触により、パーティクルが擦り落とされたり、発生させられ、場合によっては構成部分表面に撒布されてしまう。このことは製造の産出量に関して不都合な影響を与える。
【0004】
さらに例えば塗装したばかりの構成部分又は殆ど全ての技術分野におけるこれに類似するもののような敏感な表面を備えた構成部分を無接触式に把持し、保持することもできる。
【0005】
例えば、支承面もしくは搬送装置上に載置された構成部分を把持する際には、または所定の対象物若しくは載置部に構成部分を取り付け、嵌合するためには、所定の使用例では、構成部分は、上方からしか、即ち重力の方向に向けられた方向からしか、把持し、保持することはできない。この使用例は、例えば半導体プレートを接着する場合、もしくはいわゆるウェーハボンディングの際などである。この場合、相応の構造もしくは表面を損傷させることなく、相応の構成部分が正確かつ所定の押圧力で構成エレメント上に取り付けられなければならない。このような使用例のために、保持すべき構成部分を、反対に位置する2つの面から保持する又は把持するための把持体もしくは保持体を使用することはできない。
【0006】
相応の片側で無接触式の把持体もしくは保持体は、例えばDE19806306号明細書により公知である。この明細書には、ニューマチック式の引張・押圧力によって、相応の対象物が重力の方向で見て保持エレメントの下側に無接触式に配置されている装置が開示されている。
【0007】
しかしながらこの場合、ニューマチック式の引張・押圧力を生ぜしめるためにガスが相応の流出開口から流出する、もしくは流入開口へと吸い込まれるので不都合である。このことはパーティクルの散乱につながり、従って製造量の減少につながる恐れがある。
【0008】
発明の課題および効果
これに対して本発明の課題は、1つの方向、有利には重力の方向に向けられた方向から対象物を無接触式に把持し、保持するための装置であって、場合によっては存在するパーティクルの散乱もしくは移動をほぼ回避するような装置を提供することである。
【0009】
この課題は、冒頭で述べた形式の装置から出発して請求項1の特徴により解決された。
【0010】
請求項2以下に記載された手段により、本発明の有利な構成および別の構成が得られる。
【0011】
即ち、本発明による装置は、保持エレメントが、浮揚波を発生させるための振動する保持エレメントとして形成されていることを特徴としている。
【0012】
実際には驚くべきことに、重力の方向に反して対象物の上側に、即ち、音伝播方向に反して配置された、特に音響的な浮揚波を生ぜしめる保持エレメントが、対象物を有利な間隔をおいて把持し、もしくは保持することができることが示されている。この場合、例えば、2つの保持エレメントの間に定在波を生ぜしめるためのリフレクタまたは第2の振動する保持エレメントのような第2の保持エレメントを、対象物の、振動する保持エレメントの反対側に配置する必用はない。
【0013】
さらに示されているように、保持すべきもしくは把持すべき対象物は、任意の、特に3次元的な形状もしくはジオメトリを有していてもよい。本発明による装置によれば、さらにシート、ダイアフラム、紙、布またはこれに類するもののような曲げ弾性的な部分、ガラスエレメント、比較的肉薄の半導体構成素子、またはこれに類似のもの並びに表面被覆された対象物もしくは表面に接触感応式の構造体を備えた構成素子を、無接触式に把持し、保持し、位置決めすることができる。
【0014】
これまでには既に、対象物をいわゆる近距離音場浮揚の物理的な原理によって無接触式に保持し、もしくは搬送する装置が公知である。(例えば米国特許第5810155号明細書またはDE19916922号明細書参照)。しかしながらこのような装置および比較可能な装置は、保持すべき対象物もしくは搬送すべき対象物が、振動する保持エレメントの上方に配置されていることで共通している。即ち振動する保持エレメントは、重力の方向で対象物の下方に配置されている。
【0015】
当業者は、これまでとりわけ、対象物が、浮揚波の音圧に基づいて、振動する支持エレメントから単に押し離されることから出発していた。従って、近距離音場浮揚の原理を使用する既に公知の装置は、対象物を下方から把持することのできる使用例でしか設けることができない。
【0016】
把持すべき対象物もしくは保持すべき対象物を下方から把持する可能性は、本発明による装置によっては必用ではない。従って、本発明によれば、対象物を、無接触式に1つの受容個所で、専ら一方の側から、もしくは上方から把持し、持ち上げることができ、場合によっては所定の距離に亘って搬送し、次いで、任意に形成された載置個所に位置決めすることができる。本発明の公開は、当業者に必用な正確な説明を追記することを前提としている。
【0017】
有利には、振動する保持エレメントは、16kHz〜1GHzの、特に20kHz〜40kHzの周波数の超音波を遮断するように形成されている。このような手段により、対象物を把持し、保持するための、有利な保持出力もしくは保持力が実現される。有利には、周波数は、把持すべき、もしくは保持すべき対象物に応じて適合される。これによりとりわけ、その都度の使用例、たとえばいわゆる「ピック&プレース(Pick & Place)」課題のために必用な移動力に有利に適合させることができる。
【0018】
本発明の有利な別の構成では、保持エレメントの、対象物に向き合って配置された保持面が、対象物の表面に適合されている。この場合、対象物の表面区分は、特に3次元的な任意の形状を有していてよく、この形状に、保持エレメントの保持面が適合されている。
【0019】
場合によっては、重力に対してほぼ垂直に向けられた平面上への対象物の投影図は、相応の平面の保持エレメントの保持面の投影図に相応する。これにより有利には、とりわけ、有利な縁部効果に基づき、対象物をとりわけ回動防止し、センタリングすることができる。これに対して選択的には、保持エレメントの保持面の投影図が、対象物の、これに対して向かい合って配置された表面区分の投影図よりも小さく形成されていてもよい。
【0020】
本発明のこのような構成によりとりわけ、対象物の対応する投影図にその面がほぼ相応する空隙から対象物を有利に把持することができ、かつ/又はこの空隙に対象物を位置決めすることができる。例えば、電気的なまたはマイクロメカニック的な構成部分を、基板上の別の構成部分の間の空隙に位置決めすることができる。この場合、空隙が構成部分の寸法にほぼ相応している。これにより場合によっては、相応する基板上で比較的高い構成部分密度が実現できる。これにより、相応の製品を有利に小型化することができる。
【0021】
例えば、表面区分に対する保持面の3次元的な適合は、対象物に対する相応の間隔も含んで保持面が、殆ど表面区分の下型として形成されているように行われる。従って、保持部材の保持面は例えば、保持すべき対象物が球である場合には、球直径よりも幾分大きな直径を備えた球状の半割シェルとして形成されている。
【0022】
さらに、複雑な3次元的に形成された対象物、例えば自動車産業における塗装されたばかりの車体部分またはこれに類似するもののような対象物も、相応に適合された複雑な3次元的な保持面を備えた保持エレメントによって本発明によれば無接触式に把持され、もしくは保持され、場合によって収容個所から載置個所へと搬送され、位置決めされ、もしくは載置部へと押し付けられる。
【0023】
有利には、表面区分の領域は、保持エレメントの振動方向に対して横方向にこの領域に配置されている。これにより、浮揚波の進行方向は対象物の領域に対して垂直に向けられていることが保証される。これにより保持出力の消費が有利であり、従って比較的重たい対象物が保持されもしくは把持される。
【0024】
本発明の有利な構成では、保持エレメントの保持面が、保持エレメントの少なくとも1つの切欠の少なくとも1つの開口を有している。この場合、開口及び/又は切欠は、任意の横断面もしくは任意の形状を有していてよい。
【0025】
この手段の別の構成では、対象物を無接触式に把持し、保持するための比較的大きな保持力が実現可能である。この考察は次のような仮定に基づくものである。即ち、この場合、切欠内に位置するガス容積が、とりわけ、対象物と保持エレメントとの間の隙間内に吸い込まれる。これにより、切欠内に負圧が生じ、対象物を保持エレメントに向かって、もしくは重力とは反対の方向に引っ張る。これにより特に、保持された対象物を備えた装置の良好な移動力が実現される。例えば、保持エレメントは、移動の際に、比較的大きな加速度もしくは移動速度を実現することができる。
【0026】
基本的には切欠の深さは、開口の幅よりも大きく形成することができ、これにより切欠は比較的大きな容積を有することができ、同時に比較的大きな保持面が実現される。切欠は、保持面の開口とは反対側に位置する端部で場合によっては開かれているように形成することができる。
【0027】
有利には切欠は孔として、特に袋孔として形成されている。相応の孔は、有利には大きな手間なく保持エレメントに加工成形することができるので、単数又は複数の切欠を備えた保持エレメントのための製造の手間は減じられる。
【0028】
本発明の特に有利な構成では、重力に反して向けられた付加的な力を生ぜしめるための少なくとも1つの付加的な力発生ユニットが設けられている。例えばこのために、磁気的な、または静電的な、または電気動力学的な、またはニューマチック的な、またはこのようなものと比較可能な力が、相応の力発生ユニットから得られる。この場合、有利には力発生ユニットも、重力の方向に反して対象物の上側に配置されている。
【0029】
有利には、力発生ユニットは圧力発生ユニットとして、とりわけ負圧発生ユニットとして形成されていて、特に、対象物を吸い付けるための少なくとも1つのサクションエレメントを有している。このような手段により、重力に反した方向の引張力による対象物の無接触式の把持および保持が実現可能である。これにより、本発明によれば、対象物が保持された状態での装置の移動力がさらに改良される。所定の使用例のためには有利には複数のサクションエレメントが引張力の増大のために使用される。
【0030】
対象物を吸いつけるためのサクションエレメントは、例えば保持エレメントの回りに配置された環状ノズルとして、及び/又は、保持エレメントに単に配置されたサクションノズルとして、及び/又は保持エレメントから間隔をおいて配置されたサクションノズルとして形成することができる。最後の例の場合、対象物の表面区分が、保持エレメントの保持面よりも極めて大きいならば特に有利である。
【0031】
さらにサクションエレメントは保持エレメントに組み込まれていてもよい。有利には、保持面の開口の反対側に位置する、切欠の開かれた端部に、圧力発生ユニットが配置されている。これにより、比較的簡単に、サクションエレメントの保持エレメントへの組み込みが実現可能である。何故ならば切欠が同時にサクションエレメントとして使用されるからである。
【0032】
有利には圧力発生ユニットは、実証されている振動絶縁性の接続部によって、振動する保持エレメントに接続される。例えば切欠の開かれた端部に、または保持エレメントと一緒に振動する特別に設けられたサクションエレメントに接続される。
【0033】
本発明の有利な構成では、対象物を位置固定するための位置固定ユニットは、重力の方向に対して横方向に設けられている。これにより、浮揚する対象物の横方向のセンタリングおよび回動防止が実現される。これにより例えば、対象物の側方での滑動が、例えば傾斜力又は加速度力によって効果的に防止される。横方向のセンタリング及び/又は回動防止は、既に公知の複数の手段によって行われる。例えば定置のストッパまたは可動のストッパまたはこれに類似のものが使用される。
【0034】
有利には位置固定ユニットが使用される。この位置固定ユニットは、対象物を無接触式に位置固定するために形成されている。本発明のこのような構成では、例えば、サクションノズル及び/又は圧力ノズルまたはこれに類似ものとして形成されている単数または複数の位置固定エレメントが使用される。
【0035】
有利には位置固定ユニットの振動する位置固定エレメントが、浮揚波を生ぜしめるために設けられている。この場合、位置固定エレメントを、保持エレメントに相応して、浮揚波を生ぜしめるために場合によっては、近距離音場浮揚の原理に従って形成することができる。さらに、位置固定は振動する位置固定エレメントによって実現することができる。この位置固定エレメントにより、位置固定エレメントの間に定在波を形成することができる。
【0036】
有利には振動する保持エレメントを同時に位置固定エレメントとして形成することができる。この場合、例えば単数又は複数の振動する位置固定エレメントが保持エレメントに組み込まれ、かつ/又は保持エレメントが組み込まれた位置固定エレメントによって、保持エレメントの縁部に向かって減少する、保持エレメントの種々の異なる振幅を形成するために形成される。
【0037】
基本的に、保持エレメントの保持面は、対象物の表面区分に適合していることにより、同時に対象物を、重力の方向に対して横方向に位置固定することもできる。実験で示されているように、特に保持エレメントの保持面のジオメトリ、特に縁部領域の区分のジオメトリが、対象物の表面区分のジオメトリ、特に縁部領域の区分のジオメトリにほぼ一致している場合に、対象物の自動センタリングが無接触式に行われる。これにより、付加的な位置固定エレメントは場合によっては省くことができ、このことは特に、本発明による装置の構造的な手間を減じる。
【0038】
本発明の有利な構成では複数の保持エレメント及び/又は位置固定エレメントが設けられている。このような手段により、例えばそれぞれ比較的小さな保持面を有した複数の保持エレメントを、特に対象物の、保持エレメントに面した表面区分にわたって均一に分配配置することができる。一般的には、複数の振動源が、単数または複数の保持エレメントに配置されていてもよい。
【0039】
この構成では特に、比較的複雑な3次元的なジオメトリを有した比較的大きな対象物を保持し、把持することができ、かつ場合によっては対象物を横方向でセンタリングすることもできる。有利には、とりわけ対象物を横方向でセンタリングするために複数の保持エレメントが、対象物の角隅もしくは縁部領域に配置されていてよい。この場合、有利には、保持エレメントの縁部領域の区分と、対象物の縁部領域の区分とがほぼ一致する。
【0040】
このような構成では、保持エレメントもしくは振動源が、保持エレメントの振動方向が、対象物に向かい合って位置する表面区分の領域で、この領域に対して垂直に向けられているように配置されている。これにより特に簡単に、保持面は、とりわけ対象物の複雑な表面区分へ適合することができる。
【0041】
さらに有利には、少なくとも1つのサクションエレメントが、複数の振動する保持エレメントの間に配置されていてよい。場合によっては、単数又は複数の保持エレメントを使用する場合に複数のサクションエレメントを設けることもできる。
【0042】
基本的には、場合によっては複数の保持エレメント及び/又は位置固定エレメントを、所定の搬送距離に沿って配置することもできる。この場合、対象物は重力の方向で、本発明による保持エレメントの下側に自由浮揚するように配置される。対象物はこの場合、有利には、実証された公知の方法により、搬送距離に沿って運動させられる。有利には対象物の運動は、搬送方向に対して角度をなして配置されたサクションエレメントによって実現される。
【0043】
これに対して選択的に、保持エレメントは少なくとも1つのレバーアーム及び/又は旋回アームによって、特に鉛直方向及び/又は垂直方向に運動可能に形成されている。これにより有利には、対象物は、収容個所から載置個所への所定の位置変更を行うことができる。
【0044】
対象物もしくは保持エレメントの、振動発生装置に対する反作用、例えば出力消費は、相応の評価ユニットによって算出され、評価される。これにより有利には、対象物が装置によって保持されるかどうか、もしくはどのような力が無接触式に対象物に付与されるかが確認可能である。このような手段は、把持体もしくは保持体の有利な制御を可能にし、対象物の位置決めの有利な制御および例えば押圧時の力の有利な制御を可能にする。有利には、対象物の出力消費は、圧電的な振動発生ユニットの電圧もしくは電流の検出により算出される。
【0045】
実施例
本発明による実施例を図示し、以下に図面につき詳しく説明する。
【0046】
図1には、本発明による装置の概略的な図が、
図2には、組み込まれた袋孔を有した本発明による保持エレメントの概略的な横断面図が、
図3には、袋孔を有した本発明による別の保持エレメントの概略的な横断面図が、
図4には、本発明による保持エレメントの種々異なる斜視図が、
図5には、無接触式に超音波横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図が、
図6には、無接触式に空気静力学的に横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図が、
図7には、機械的な接触により横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図が、
図8は、本発明による装置による収容・載置過程の種々の作業過程を概略的に示した図が、示されている。
【0047】
図1には、例えばチップ1のような対象物1を無接触式に把持し、保持するための本発明による装置の構成が概略的に示されている。対象物1は、その他の脆弱な、曲げ弾性的な、及び/又は表面が敏感な構成部分、例えば紙や、布、ダイヤフラム、シート、マイクロシステム技術的な構成部分、半導体素子、とりわけ化学及び/又は薬品工業における有毒な、もしくは汚染された、またはその他の人間にとって有害な対象物、比較的熱い及び/又は冷たいエレメント、特に自動車工業では塗装したばかりの対象物、またはその他の技術的な使用例、浅浮き彫りスクリーン製造におけるガラス基板などであってもよい。
【0048】
超音波振動を発生させるためのユニット2はこのために、ソノトロード(Sonotrode)3と、ピエゾエレメント4と、接続部5と、節プレート6と、制御電子機器7とを有している。
【0049】
公知のように、これによりソノトロード3は振動させられ、これによりチップ1を無接触式に把持し、保持するための超音波浮揚波が発生もしくは遮断される。
【0050】
本発明によればチップ1は、重力Fの方向zで見て、ソノトロード3の下側に配置されている。
【0051】
図1の本発明の構成では、ソノトロード3は複数の孔8を有しており、これらの孔8は1つの集合通路9に開口しており、振動絶縁された接続導管10によって真空ポンプ(図示せず)に接続されている。圧力発生ユニット(図示せず)によって特に、重力Fとは反対の方向に向けられたニューマチック的な引張力を発生させるための負圧pが生ぜしめられる。このニューマチック式の引張力により、本発明による装置によるチップ1の把持もしくは保持が改善される。
【0052】
図1にはさらに、チップ1を把持し、保持するための本発明によるこのような装置の構成が示されており、この場合、例えば支持部11上にあるチップ1が把持され、もしくは再び載置されている。この場合、支持部11の、この装置とは反対側に位置する面に保持エレメントは設けられていない。
【0053】
さらに図1には、チップ1を横方向で位置固定するための2つの機械的なストッパ12が示されている。所定の使用例では、場合によっては、把持すべきもしくは保持すべき対象物1の縁部領域もしくは側面及び/又は部分に機械的に接触することが、とりわけ持ち上げと下降との間では許容される。
【0054】
図2には、1つのサクション孔8しか有していないソノトロード3aが概略的に示されている。このサクション孔8は、振動絶縁性の接続部5によって真空ポンプに詳しくは図示されていない方法で接続されている。ソノトロード3aは、例えば20〜40kHzの超音波周波数で振動し、これにより構成部分14は無接触式に、重力Fの方向zに反してヘッド振動子3aの下方で把持もしくは保持されている。
【0055】
図3には、袋孔15を備えたソノトロード13が示されている。本発明によればソノトロード13はとりわけ、把持もしくは保持位相で、振動するために、20〜40kHzの周波数で振動させられる。これにより構成部分14は、重力Fの方向zで見て、ソノトロード13の下方で保持される。
【0056】
図4によれば、ソノトロード17a、17b、17cの有利な種々様々な形状もしくは可能な構成が示されている。この場合、保持面18は、例えば構成部分(図示せず)に適合している。保持面18は、構成部分、例えばセンサチップの、この保持面18に面した表面区分にほぼ相応している。センサチップ(図示せず)は、保持面18と同様に方形の横断面を有している。このような手段により、構成部分(図示せず)の無接触式の自動センタリングが回動不能性と同時に、ソノトロード17a,17b,17cの下方で実現可能である。
【0057】
基本的にはソノトロード17cの横方向のセンタリングは、ソノトロード17bよりも良好であり、このソノトロード17bは、ソノトロード17aよりも良好に横方向でセンタリングされる。このためには恐らく、保持面18の縁部における有利な縁部効果もしくは流れプロフィールが重要である。
【0058】
さらに図4には、例えば孔8または袋孔15として形成することができる切欠(詳しくは図示せず)の、付加的に設けられた開口16が示されている。
【0059】
図5には、無接触に超音波的に横方向センタリングを行う種々の方法もしくは種々様々な本発明による装置が示されている。この場合、図1に示した装置のように、ソノトロード3を有した装置が特に使用される。
【0060】
図1の装置とは異なり、図5の実施例では、構成部分14の横方向のセンタリングは、振動する位置固定エレメント19によって実現される。図5aおよび図5bでは、センタリングが、近距離音場センタリングの原理に従って行われる。この場合、位置固定エレメント19は場合によってはソノトロード3に組み込むことができる。
【0061】
図5cによれば、振動波の第1の節における構成部分14の保持によりセンタリングが行われる。図5dでは、構成部分14の位置固定は、定在波(図示せず)によって行われる。この場合特に、互いに向かい合って位置する2つの位置固定エレメント19が使用されている。この場合、振動する2つのもしくは1つの反射する位置固定エレメント19を設けることができる。
【0062】
図5eによる横方向センタリングは、外側の定在波のベルヌーイ効果により位置固定エレメント19によって行われる。この場合、位置固定エレメント19は場合によってはソノトロード3に組み込むことができる。
【0063】
図5fによれば、構成部分14のセンタリングは、ソノトロード3の種々様々な振幅によって行われる。この振幅は半径方向外側に向かって減少する。位置固定エレメント19はこの場合、特にソノトロード3の端部領域に組み込まれている。
【0064】
図6には、構成部分14の無接触式のセンタリングの別の構成が示されている。この場合、センタリングは、図6aによるニューマチック式の送風体、もしくは環状ノズルもしくはベルヌーイ効果に基づく自動センタリング装置により行われる。
【0065】
図7には、構成部分14を位置固定するための、機械的に接触する位置固定エレメント19が示されている。
【0066】
図8には、本発明による装置による構成部分14の収容過程もしくは載置過程が概略的に示されている。図8aによれば、いわゆるチップトレイ内に位置する構成部分14の上方に装置が図1に示したように位置決めされる。この場合、チップトレイは同時に、構成部分14の載置部11を形成する。
【0067】
次いで図8bによれば、構成部分14はヘッド振動子3によって無接触式に把持され、図8cによれば載置部11から持ち上げられる。ほぼ同時に、もしくはこれに続いて、図8dに示したように構成部分14のセンタリングが、方向zへのストッパ12の運動により方向xに沿って行われ、これにより構成部分14は、側方で滑脱しないように保持されている。
【0068】
構成部分14を有したユニット2は、載置部11を離れ、基板20へと方向x及び/又は方向yで、詳しく示されていない方法で搬送される。所定の個所では、ユニット2が、基板20の上方に位置決めされて、次いで構成部分14は基板20上に、力制御されて無接触式に嵌合される。この場合、有利には、構成部分14とソノトロード3との間の間隔(図示せず)に応じて方向zに反して徐々に増大する荷重能力が、少なくとも数ミリニュートン〜1000キロニュートンの、基板20に向けられた押圧力を発生させるために使用される。次いで、図8fに示したようにオフにされたユニット2が方向zで持ち上げられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による装置を示す概略的な図である。
【図2】
組み込まれた袋孔を有した本発明による保持エレメントを示す概略的な横断面図である。
【図3】
袋孔を有した本発明による別の保持エレメントを示す概略的な横断面図である。
【図4】
本発明による保持エレメントを示した種々異なる斜視図である。
【図5】
無接触式に超音波横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図である。
【図6】
無接触式に空気静力学的に横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図である。
【図7】
機械的な接触により横方向センタリングを行う本発明による装置を概略的に示した種々様々な図である。
【図8】
本発明による装置による収容・載置過程の種々の作業過程を概略的に示した図である。

Claims (15)

  1. 重力(F)の方向に少なくとも部分的に向けられた1つの方向(z)から対象物(1,14)を無接触式に把持し、保持するための装置であって、重力(f)の方向(z)に反して少なくとも部分的に対象物(1,14)の上方に、対象物(1,14)から間隔をおいて配置されている保持エレメント(3,13,17)を有している形式のものにおいて、
    保持エレメント(3,13,17)が、浮揚波を発生させるための振動する保持エレメント(3,13,17)として形成されていることを特徴とする、対象物を無接触式に把持し、保持するための装置。
  2. 16kHz〜1GHzの周波数の超音波を発生させるための振動する保持エレメント(3,13,17)が形成されている、請求項1記載の装置。
  3. 保持エレメントの、対象物(1,14)に向かい合って配置された保持面(18)が、対象物(1,14)の表面区分に適合されている、請求項1又は2記載の装置。
  4. 前記表面区分の領域が、保持エレメント(3,13,17)の振動方向(z)に対して横方向に、この領域に配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
  5. 保持エレメント(3,13,17)の保持面(18)が、保持エレメント(3,13,17)の少なくとも1つの切欠(8,15)の少なくとも1つの開口(16)を有している、請求項1から4までのいずれか1項記載の装置。
  6. 切欠(8,15)が、孔(8,15)として形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の装置。
  7. 重力(F)の方向に反して付加的な力を発生させるための、少なくとも1つの付加的な力発生ユニットが設けられている、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
  8. 力発生ユニットが圧力発生ユニットとして形成されている、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
  9. 圧力発生ユニットが、対象物(1,14)を吸い付けるための少なくとも1つのサクションエレメント(8)を有している、請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
  10. 切欠(8,15)の、前記開口(16)とは反対側に位置する端部に、圧力発生ユニットが配置されている、請求項1から9までのいずれか1項記載の装置。
  11. 対象物(1,14)を位置固定するための位置固定ユニット(12,19)が、重力(F)の方向(z)に対して横方向(x、y)に設けられている、請求項1から10までのいずれか1項記載の装置。
  12. 位置固定ユニット(12,19)が、対象物(1,14)を無接触式に位置固定するために形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の装置。
  13. 位置固定ユニット(12,19)の、振動する位置固定エレメント(19)が、浮揚波を発生させるために設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載の装置。
  14. 複数の保持エレメント(3,13,17)及び/又は位置固定エレメント(12,19)が設けられている、請求項1から13までのいずれか1項記載の装置。
  15. 重力(F)の方向に少なくとも部分的に向けられた1つの方向(z)から対象物(1,14)を無接触式に把持し、保持するための方法であって、重力(f)の方向(z)に反して少なくとも部分的に対象物(1,14)の上方に、対象物(1,14)から間隔をおいて配置されている少なくとも1つの保持エレメント(3,13,17)を有している形式のものにおいて、
    浮揚波を発生させるための振動する保持エレメント(3,13,17)を有した、請求項1から14までのいずれか1項記載の装置を使用することを特徴とする、対象物を無接触式に把持し、保持するための方法。
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