JP5553254B2 - 非接触保持装置及び移載装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワークを非接触で保持する非接触保持装置、及び、該非接触保持装置を備えた移載装置に関する。
近年、例えば太陽電池ウェハー、半導体ウェハーなどのワークを取り扱う際に、ワークに直接触れることなくワークを保持することができる非接触保持装置が利用されている。このような非接触保持装置として、チャック本体を超音波振動させる超音波振動子と、チャック本体に穿設された吸引通路を介して真空ポンプでワークを吸引する吸引手段とを備えた非接触チャックが、特許文献1に開示されている。この非接触チャックでは、ワークは、真空ポンプの吸引力によってチャック本体のワーク保持面に吸引される。一方、超音波振動子が発生する超音波によってチャック本体が超音波振動することにより、ワーク保持面には、所謂超音波スクイーズ効果によるワーク支持力(超音波浮揚力)が発生する。この非接触チャックでは、ワーク支持力とワーク重量との和と、ワーク吸引力とをバランスさせることにより、ワークを、ワーク保持面に対して非接触状態で保持している。
特開2006−73654号公報
上述した非接触チャックでは、ワーク支持力とワーク重量との和と、ワーク吸引力とをバランスさせているが、非接触チャックの姿勢が変化した場合、すなわちチャック本体のワーク保持面の傾きが変化した場合、ワークに作用する重力の方向が変化することにより、力のバランスが崩れる。また、ワーク保持面の傾きが変化した場合、ワーク保持面とワークとの成す角度が変化し、外部から流入するエアの流量が変化することにより、ワーク保持面とワークとの間の空気の振動状態が変化し、ワーク支持力が変動するおそれがある。その際に、真空ポンプによる吸引力は、ワークとの距離にかかわらず、常にワークを吸い付ける方向に作用するため、ワーク保持面の傾きに応じて真空ポンプの吸引力を適切に調節できないと、ワークと接触するおそれがある。
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、ワーク保持面の傾きにかかわらず、ワークとの非接触性を確実に保つことが可能な非接触保持装置、及び該非接触保持装置を備えた移載装置を提供することを目的とする。
本発明に係る非接触保持装置は、超音波振動を発生する振動子と、その一端が振動子に取り付けられ、振動子が発生した超音波振動を増幅して伝達する増幅伝達手段と、増幅伝達手段の他端に取り付けられ、増幅伝達手段と連動して振動する振動板とを有し、振動板には、振動面に凹部が形成されるとともに、該凹部内に流体を噴出するための噴出孔が板厚方向に貫通するように形成されており、振動板の振動面、及び、凹部の開口端面それぞれは、ワークが保持される際に、該ワークと対向するように配置されていることを特徴とする。
本発明に係る非接触保持装置によれば、超音波スクイーズ効果によって浮揚力(ワーク支持力)を発生する振動板、及びエアなどの流体を噴出させて吸引力を発生させる凹部の開口端面それぞれがワークと対向するように、振動板の振動面に凹部が形成される。非接触保持装置では、凹部の開口端面からワークまでの距離が所定の範囲では吸引力が働くが、距離が該範囲以下になると反発力が働く。一方、振動板とワークとの間隔が略同じ程度のときには浮揚力が働く。そのため、振動板の振動面に凹部を形成して組み合わせることにより、ワークとの間隔が所定の範囲にあるときには、ワークに作用する吸引力と浮揚力と重力とがバランスする位置でワークを非接触保持することができる。一方、装置の姿勢(すなわちワーク保持面の傾き)が変化するなどして、ワークとの間隔が所定値以下になるとワークに対して反発力及び浮揚力(ワーク支持力)が作用し、ワークとの間隔が所定の範囲に復元される。その結果、ワーク保持面の傾きにかかわらず確実にワークとの非接触性を保つことが可能となる。また、この構成によれば、振動板の形状をワークの形状と略同じに形成することが可能となる。振動板の形状をワークの形状と略同じに形成した場合、超音波振動の保持力によって、ワークが振動板に対して平行方向にずれたときに、ワークを元の位置に戻そうとする復元力をワークに対して作用させることができる。その結果、ワークを非接触保持する際に、ワークの横ズレを防止することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、凹部が、振動面上の振動の節の位置に形成されていることが好ましい。振動板の振動面は振動(音圧)分布を持つ。この場合、振動(音圧)が略ゼロとなる節の位置に非接触保持ユニットの凹部を形成することにより、非接触保持ユニットに流体を供給のための配管などに対して振動を与えることを防止することができる。また、噴出孔からの流体の噴出が超音波浮揚に与える影響を最小化することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、振動板に複数の凹部が形成されていることが好ましい。このようにすれば、超音波浮揚ユニットの振動板上に複数の非接触保持ユニットを形成し、配置することができる。非接触保持ユニットを複数形成することにより発生力(吸引力又は反発力)を増大させることができる。また、複数の非接触保持ユニットの配置を工夫することにより、発生力のバランスを取ることができ、ワークをより安定して保持することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、振動子には、周波数が20〜30kHzの高周波電圧が供給されることが好ましい。このようにすれば、超音波浮揚ユニットによる浮揚力がワークに作用する範囲(ワーク間距離)を非接触保持ユニットの吸引力が作用する範囲と略一致させることが可能となる。
本発明に係る移載装置は、上記いずれかの非接触保持装置と、該非接触保持装置を空間内で移動させる移動機構とを備えることを特徴とする。本発明に係る移載装置によれば、ワークを保持する保持機構(エンドエフェクタ)として上記いずれかの非接触保持装置を用いることによって、ワークとの非接触性を確保しつつワークを移載することが可能となる。
本発明に係る移載装置では、移動機構が、複数のリンクを介して、ベース部と、前記非接触保持装置が取り付けられるブラケットとが並列に連結されたパラレルメカニズムであることが好ましい。パラレルメカニズムは、可動部にアクチュエータがなく、軽量化が可能で、高速、高精度に駆動できるという特徴を有するため、非接触保持装置を非常に高速で動かすことができる。この場合、移動機構としてパラレルメカニズムを用いることにより、ワークとの非接触性を確保しつつ、ワークを高速に移載することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置は、超音波振動を発生する振動子と、その一端が振動子に取り付けられ、振動子が発生した超音波振動を増幅して伝達する増幅伝達手段と、増幅伝達手段の他端に取り付けられ、増幅伝達手段と連動して振動する振動板とを有する超音波浮揚ユニットと、凹部及び該凹部内に流体を噴出するための噴出孔が形成された本体を有する非接触保持ユニットとを備え、超音波浮揚ユニットを構成する振動板の振動面、及び、非接触保持ユニットを構成する本体に形成された凹部の開口端面それぞれが、ワークが保持される際に、該ワークと対向するように配置されていることを特徴とする。
本発明に係る非接触保持装置によれば、超音波スクイーズ効果によって浮揚力(ワーク支持力)を発生する超音波浮揚ユニットの振動板、及びエアなどの流体を噴出させて吸引力を発生させる非接触保持ユニットの開口端面それぞれがワークと対向するように、超音波ユニットと非接触保持ユニットとが組み合わされる。非接触保持ユニットでは、開口端面からワークまでの距離が所定の範囲では吸引力が働くが、距離が該範囲以下になると反発力が働く。一方、超音波浮揚ユニットでは振動板とワークとの間隔が略同じ程度のときに浮揚力のみが働く。そのため、非接触保持ユニットと超音波浮揚ユニットを適切に組み合わせることにより、ワークとの間隔が所定の範囲にあるときには、ワークに作用する吸引力と浮揚力と重力とがバランスする位置でワークを非接触保持することができる。一方、装置の姿勢(すなわちワーク保持面の傾き)が変化するなどして、ワークとの間隔が所定値以下になるとワークに対して反発力及び浮揚力(ワーク支持力)が作用し、ワークとの間隔が所定の範囲に復元される。その結果、ワーク保持面の傾きにかかわらず確実にワークとの非接触性を保つことが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、振動板の振動面と、凹部の開口端面とが、平行かつ略同一平面内に配置されることが好ましい。このように配置すれば、ワークに対して、非接触保持ユニットによる吸引力と、超音波浮揚ユニットによる浮揚力とを合わせて作用させることができる。そのため、双方の力によりワークを安定して非接触保持することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、振動板の振動面が、凹部の開口端面から、0〜0.6mm、当該凹部の底面側に配置されていることが好ましい。このように配置すれば、非接触保持ユニットによる吸引力が大きくなる位置と、超音波浮揚ユニットによる浮揚力が大きくなる位置とを略一致させることができる。そのため、ワークをより安定して非接触保持することができ、非接触性をより向上させることが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、平面視したときに、振動板が凹部内に配置され、噴出孔が振動板の外縁よりも外側の位置に形成されていることが好ましい。このようにすれば、振動板の外縁と凹部の内周面との間を通して流体が噴出されることによってベルヌーイ効果が発揮される。そのため、ワークとの間隔が所定の範囲にあるときに吸引力を発生させることができる。また、ワークとの間隔が所定の範囲以下になったときに反発力を付与することが可能となる。
本発明に係る非接触保持装置では、非接触保持ユニットを構成する本体が、超音波浮揚ユニットを構成する増幅伝達手段の超音波振動の節の位置において、増幅伝達手段と接合されていることが好ましい。この場合、超音波振動が略ゼロになる節の位置で、非接触保持ユニットの本体が超音波浮揚ユニットの増幅伝達手段に結合される。これにより、増幅伝達手段の超音波振動が非接触保持ユニットに伝わることを防止することができる。また、非接触保持ユニットが結合されることによって増幅伝達手段の振動が抑制されることを防止することができる。
本発明によれば、ワーク保持面の傾きにかかわらず、ワークとの非接触性を確実に保つことが可能となる。
第1実施形態に係る非接触保持装置の構成を示す縦断面図及び底面図である。 第2実施形態に係る非接触保持装置の構成を示す縦断面図及び底面図である。 第3実施形態に係る非接触保持装置の構成を示す縦断面図及び底面図である。 非接触保持装置を備えるパラレルメカニズムの全体構成を示す斜視図である。 図4中の矢印A1方向から見たパラレルメカニズムを示す図である。 太陽電池のパレタイジング工程の概要を説明するための鳥瞰図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において、同一要素には同一符号を付して重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
まず、図1を用いて、第1実施形態に係る非接触保持装置1の全体構成について説明する。図1は、非接触保持装置1の構成を示す縦断面図(上側)及び底面図(下側)である。
非接触保持装置1は、超音波振動による超音波スクイーズ効果によって浮揚力(ワーク支持力)を発生する超音波浮揚ユニット10と、高圧エアを噴出して吸引力/反発力を発生させるベルヌーイチャック20とを備えている。
超音波浮揚ユニット10は、積層された複数(本実施形態では3枚)のリング状の圧電素子11と、該圧電素子11の両側からボルト締めされた円筒状の金属製のブロック12とを有して構成される、所謂ボルト締めランジュバンタイプの超音波振動子13を有している。圧電素子11としてはピエゾ素子などが好適に用いられる。また、各圧電素子11には、高周波電源が接続されており、該高周波電源から高周波電圧が印加されることにより、圧電素子11が、超音波振動を発生する。すなわち、超音波振動子13は、特許請求の範囲に記載の振動子として機能する。圧電素子11に印加される高周波電圧の周波数は、20〜30kHz程度が好ましい。なお、本実施形態では約25kHzとした。
超音波振動子13の一端には、該超音波振動子13が発生した超音波振動を増幅して伝達する金属性の部材である段付複合ホーン(以下、単に「ホーン」という)16が接続されている。ホーン16は、特許請求の範囲に記載の増幅伝達手段として機能する。ホーン16は、その一端が超音波振動子13と接合される円柱部14と、該円柱部14と一体的に形成され、超音波振動を増幅する中実の略円錐状(指数形)の増幅部15とを含んで構成されている。ホーン16の増幅部15の先端には、ホーン16と連動して振動する金属性の円盤状の振動板17が溶接あるいは螺子などで連結されている。なお、超音波振動子13、ホーン16、及び振動板17は、それぞれの中心軸が一致するように接続されている。
一方、ベルヌーイチャック20は、凹部21が形成されたフランジ部22と、該フランジ部22と一体的に形成された有底円筒部23とを有するハット形をした本体24を有している。ベルヌーイチャック20は、特許請求の範囲に記載の非接触保持ユニットとして機能する。本体24(円筒部23)の頂面の中心部分には、ホーン16の円柱部14の直径と同一径の円形の開口部が形成されている。そして、ベルヌーイチャック20では、当該円形開口部が、ホーン16の超音波振動の節の位置(本実施形態では円柱部14の下端)において、ホーン16と接合されている。ここで、ホーン16の円柱部14の軸方向の長さは、超音波振動子13によって発生されホーン16内を伝播する超音波振動の波長(ホーン内音波長)λの略1/4(本実施形態では51.2mm)に設定されている。なお、ホーン内音波長λは次式(1)により定まる。
ホーン内音波長λ=c/f ・・・(1)
ここで、fは共振周波数、cはホーン内音速である。
よって、円柱部14の下端は、超音波振動の節位置となる。一方、円柱部14の上端、及び増幅部15の下端(先端)は、超音波振動の腹位置となる。
ベルヌーイチャック20の本体24が超音波浮揚ユニット10と接合されることにより、本体24の円筒部23内にホーン16が収納される。また、フランジ部22に形成された凹部21の内側に、超音波浮揚ユニット10の振動板17が納められる。その際、振動板17の振動面と、凹部21の開口端面とが、平行かつ略同一平面内に配置される。すなわち、超音波浮揚ユニット10を構成する振動板17の振動面、及び、本体24のフランジ部22に形成された凹部21の開口端面それぞれが、保持されるワーク80と対向するように配置される。よって、ベルヌーイチャック20の本体24を構成するフランジ部22の開口端面は、超音波浮揚ユニット10の振動板17とともに、ワーク80を非接触で保持するワーク保持面29を形成する。ただし、より厳密には、振動板17の振動面が、凹部21の開口端面から、0.0〜0.6mm後退した位置、すなわち凹部21の底面側に配置されることが好ましく、本実施形態では、約0.5mm底面側に配置した。
本体24のフランジ部22の上面の外周付近には、凹部21内に高圧エアを噴出するための噴出孔25が複数(本実施形態では90度間隔で4つ)形成されている。噴出孔25は、フランジ部22の上面から凹部21の底面にかけて、凹部21の内周面と略平行に、フランジ部22を斜め下方向に貫通するように形成されている。すなわち、非接触保持装置1を底面側から見たときに、各噴出孔25は、振動板17の外縁よりも外側の位置に形成されている。各噴出孔25にはエア配管26が取り付けられている。このエア配管26は、高圧エアを供給するエアポンプ(図示省略)に接続されている。エアポンプからエア配管26を通して高圧エアが供給されると、噴出孔25を通して凹部21内へ高圧エアが噴出される。その際、高圧エアは、凹部21の内周面に沿って斜め下方向へ噴出される。噴出されたエアは、振動板17の外縁と凹部21の内周面との間を通り、凹部21の開口端面とワーク80との隙間から排出される。
上述した構成の非接触保持装置1において、超音波振動子13を構成する圧電素子11に高周波電圧が印加されると、印加電圧の周波数に応じた周波数の超音波振動が発生する。この超音波振動は、ホーン16に入力されてホーン16中を軸方向に伝播されるとともに、増幅部15で増幅される。増幅された超音波振動は、振動板17に入力され、振動板17に超音波振動を生じさせる。振動板17が超音波振動することにより、ワーク80との間にスクイーズ空気膜が生成される。その結果、超音波スクイーズ効果が生じ、ワーク80に対する浮揚力(ワーク80をワーク保持面29から離間させる力、所謂「スクイーズ空気膜圧力」)が発生する。
一方、エアポンプからエア配管26を通して噴出孔25に高圧エアが供給されると、噴出孔25を通してフランジ部22の凹部21内に高圧エアが噴出される。噴射された高圧エアは、凹部21の内周面に沿って斜め下方向に進み、振動板17の外縁と凹部21の内周面との間を通り、開口端面とワーク80との隙間から排出される。これによって、高圧エアが凹部21の内周面から開口端面に突入する際に流速が上がり、凹部21の内部圧力が下降する。この負圧によって、ワーク80に対して吸引力が発生する。
ここで、振動板17の振動面が、凹部21の開口端面から、約0.5mm後退した位置に配置されているため、超音波浮揚ユニット10が発生する浮揚力と、ベルヌーイチャック20が発生する吸引力と、ワーク80の重量とがつりあう位置でワーク80が非接触保持される。
ところで、ベルヌーイチャック20は、超音波浮上ユニット10が駆動せず、単独で使用した場合でもワーク80を非接触で保持することが可能である。すなわち、ワーク保持面29とワーク80との間隔が平行を保ったまま所定間隔(本実施形態の場合約0.05mm)以下に減少しようとすると、高圧エアは、凹部21内部から非接触保持装置1外部に抜ける経路を確保する必要があるため、反発力として作用し、ワーク80との接触が回避される。逆に、間隔が10mm程度離れていても、軽量なワークであれば十分吸着可能な吸着力を有しており、ワーク80とワーク保持面29とは、ワーク80に作用する重力と、ベルヌーイチャック20の吸着力とが釣り合う距離(本実施形態では0.1〜0.2mm程度。ワーク重量による)で非接触状態が保持される。
しかしながら、ベルヌーイチャック20単独では、ワーク80が剛性の低い材料であったり、ワーク保持面29に対して傾いて近付いた場合などは、部分的に接触してしまうことがある。これに対し、超音波スクイーズ効果による超音波浮揚ユニット10の浮揚力(ワーク支持力)は極めて大きいため(本実施形態の場合、振動板17の振動振幅により、10〜1kPa)、0.1〜0.6mm程度の距離(振動板17の振動振幅により変化)を確保して非接触を保つことが可能である。一方で、吸着力は殆ど発生しない。したがって、超音波浮揚ユニット10とベルヌーイチャック20の発生力と、ワーク80にかかる重力とがバランスをとる位置を考慮し、振動板17の振動面とベルヌーイチャック20のワーク保持面29とを適切な相対位置に配置すれば、双方の発生力を有効に利用してワーク80を安定に浮揚させることができる。本実施形態では、振動板17の振動面を、凹部21の開口端面から約0.5mm後退した位置に配置するとともに、ワーク80との距離が0.6mm程度になるような振動振幅に設定する。そうすれば、ワーク80とワーク保持面29とが0.1mm程度離れた位置でバランスを取って非接触状態を維持することができる。その際、ワーク80が軟物質であったり、傾こうとした場合であっても、ワーク保持面29と非接触性を確実に保ったまま、吸着することが可能である。振動板17の振動振幅を小さくしたり、凹部21開口端面からの相対距離を適宜変えることにより、ワーク80とワーク保持面29との間隔を0.1mmから増加あるいは減少させることができる。なお、本実施形態においては、ワーク80の水平面内での移動を抑止する力は発生させることができない。したがって、ワーク80の横移動が問題になる場合は、横移動を防止する部材を別途設置する必要がある。たとえば、フランジ部22の外周面に、ワーク80の下面よりも下方まで突出した突起部材を90度おきに4箇所設けておけば、ワーク80が横移動しようとした場合であっても、突起部材のいずれかがワーク80の外周面に接触して、横移動を防止することができる。
本実施形態によれば、ワーク80に対して、ベルヌーイチャック20による吸引力と、超音波浮揚ユニット10による浮揚力とを合わせて作用させることができる。そのため、双方の力によりワーク80を安定して非接触保持することが可能となる。特に、本実施形態によれば、ベルヌーイチャック20による吸引力が大きくなる位置と、超音波浮揚ユニット10による浮揚力が大きくなる位置とを略一致させることができる。そのため、ワーク80をより安定して非接触保持することができ、非接触性をより向上させることが可能となる。
本実施形態によれば、振動板17の外縁と凹部21の内周面との間を通して高圧エアが噴出されることによってベルヌーイ効果が発揮される。そのため、ワーク80との間隔が所定の範囲(約0.1〜10mm)にあるときに吸引力を発生させることができる。また、ワーク80との間隔が所定の範囲以下(約0.05mm以下)になったときに反発力を付与することが可能となる。
本実施形態によれば、超音波振動が略ゼロになる節の位置で、ベルヌーイチャック20の本体24が超音波浮揚ユニット10のホーン16に結合される。これにより、ホーン16の超音波振動がベルヌーイチャック20に伝わることを防止することができる。また、ベルヌーイチャック20が結合されることによって、ホーン16の振動が抑制されることを防止することができる。
本実施形態によれば、超音波振動子13には、周波数が約25kHzの高周波電圧が印加されるため、超音波浮揚ユニット10による浮揚力がワーク80に作用する範囲(ワーク間距離)をベルヌーイチャック20の吸引力が作用する範囲と略一致させることが可能となる。
(第2実施形態)
次に、図2を用いて、第2実施形態に係る非接触保持装置2の構成について説明する。図2は、非接触保持装置2の構成を示す縦断面図(上側)及び底面図(下側)である。なお、図2において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
上述した非接触保持装置1では、ハット形の本体24を有するベルヌーイチャック20を備えていたが、非接触保持装置2では、下向きに開口する有底円筒状の本体44を有するベルヌーイチャック40を備えている点で非接触保持装置1と異なっている。その他の構成、特に超音波浮揚ユニット10の構成は、上述した非接触保持装置1と同一であるので、ここでは説明を省略する。
上述したように、ベルヌーイチャック40は、下向きに開口する有底円筒状の本体44、すなわち下面側に凹部41が形成された本体44を有している。本体44の頂面の中心部分には、ホーン16の円柱部14の直径と同一径の円形の開口部が形成されている。そして、ベルヌーイチャック40では、当該円形開口部が、ホーン16の超音波振動の節の位置(本実施形態では円柱部14の下端)において、ホーン16と接合されている。ここで、ホーン16の円柱部14の軸方向の長さは、上述した第1実施形態と同様に、超音波振動子13によって発生されホーン16内を伝播する超音波振動の波長(ホーン内音波長)λの略1/4に設定(本実施形態では51.2mm)されている。よって、円柱部14の下端が、超音波振動の節位置となる。
ベルヌーイチャック40の本体44が、超音波浮揚ユニット10と接合されることにより、有底円筒状の本体44内にホーン16、及び振動板17が収納される。その際、振動板17の振動面と、本体44(凹部41)の開口端面とが、平行かつ略同一平面内に配置される。すなわち、ワーク80が保持される際に、超音波浮揚ユニット10を構成する振動板17の振動面、及び、本体44に形成された凹部41の開口端面それぞれが、該ワーク80と対向するように配置される。よって、ベルヌーイチャック40の本体44の開口端面は、超音波浮揚ユニット10の振動板17とともに、ワーク80を非接触で保持するワーク保持面49を形成する。ただし、より厳密には、振動板17の振動面が、凹部41の開口端面から、0.1〜0.6mm後退した位置、すなわち凹部41の底面側に配置されることが好ましく、本実施形態では、約0.5mm底面側に配置した。
本体44の頂面付近の側面には、凹部41内に高圧エアを噴出するための噴出孔45が複数(本実施形態では90度間隔で4つ)形成されている。噴出孔45は、本体44の側面から凹部41の内周面にかけて、凹部41の内周面と接する方向、かつ、本体44(凹部41)の開口端面と略平行な方向に、本体44を貫通するように形成されている。すなわち、非接触保持装置1を底面側から見たときに、各噴出孔45は、振動板17の外縁よりも外側の位置に形成されている。各噴出孔45にはエア配管46が取り付けられている。このエア配管46は、高圧エアを供給するエアポンプ(図示省略)に接続されている。エアポンプからエア配管46を通して高圧エアが供給されると、噴出孔45を通して凹部41内へ高圧エアが噴出される。その際、高圧エアは、凹部41の内周面に沿って本体44(凹部41)の開口端面と略平行な方向へ噴出される。噴出された高圧エアは、凹部41の内周面に沿って旋回しつつ、徐々に下側(開口部側)へ移動し、振動板17の外縁と凹部41の内周面との間を通り、開口端面とワーク80との隙間から排出される。
上述した構成の非接触保持装置2において、超音波振動子13を構成する圧電素子11に高周波電圧が印加されると、印加電圧の周波数に応じた周波数の超音波振動が発生する。この超音波振動は、ホーン16に入力されてホーン16中を軸方向に伝播されるとともに、増幅部15で増幅される。増幅された超音波振動は、振動板17に入力され、振動板17に超音波振動を生じさせる。振動板17が超音波振動することにより、ワーク80との間にスクイーズ空気膜が生成される。その結果、超音波スクイーズ効果が生じ、ワーク80に対する浮揚力が発生する。
一方、エアポンプからエア配管46を通して噴出孔45に高圧エアが供給されると、噴出孔45を通して本体44の凹部41内に高圧エアが噴出される。噴射された高圧エアは、凹部41の内周面に沿って旋回しつつ徐々に下側(開口部側)に進み、振動板17の外縁と凹部41の内周面との間を通り、開口端面とワーク80との間から排出される。これによって、ベルヌーイ効果が生じ、本体44の開口端面(すなわちワーク保持面49)とワーク80との間に負圧が生まれる。この負圧によって、ワーク80に対して吸引力が発生する。
ここで、振動板17の振動面が、凹部41の開口端面から、約0.5mm後退した位置に配置されているため、超音波浮揚ユニット10が発生する浮揚力と、ベルヌーイチャック40が発生する吸引力と、ワーク80の重量とがつりあう位置でワーク80が非接触保持される。
上述したように、ワーク保持面49とワーク80との間隔が平行を保ったまま所定間隔(本実施形態の場合約0.05mm)以下に減少しようとすると、高圧エアは、凹部41内部から非接触保持装置2外部に抜ける経路を確保する必要があるため、反発力として作用し、ワーク80との接触が回避される。また、ワーク80が剛性の低い材料であったり、ワーク保持面49に対して傾いて近付いたとしても、超音波スクイーズ効果による超音波浮揚ユニット10の浮揚力(ワーク支持力)は極めて大きいため(本実施形態の場合、振動板17の振動振幅により、10〜1kPa)、0.1〜0.6mm程度の距離(振動板17の振動振幅により変化)を確保して非接触を保つことが可能である。
本実施形態によれば、ベルヌーイチャック40と超音波浮揚ユニット10とを適切に組み合わせることにより、ワーク80との間隔が所定の範囲(約0.1〜0.2mm)にあるときには、ワーク80に作用する吸引力と浮揚力と重力とがバランスする位置でワーク80を非接触保持することができる。一方、非接触保持装置2の姿勢(すなわちワーク保持面49の傾き)が変化するなどして、ワーク80との間隔が所定値以下(約0.05mm以下)になるとワーク80に対して反発力及び浮揚力(ワーク支持力)が作用する。その結果、上述した第1実施形態と同様に、ワーク保持面49の傾きにかかわらず確実にワーク80との非接触性を保つことが可能となる。
(第3実施形態)
次に、図3を用いて、第3実施形態に係る非接触保持装置3の構成について説明する。図3は、非接触保持装置3の構成を示す縦断面図(上側)及び底面図(下側)である。なお、図3において第1実施形態と同一又は同等の構成要素については同一の符号が付されている。
非接触保持装置3では、超音波浮揚ユニット30が、複数(本実施形態では4つ)のベルヌーイチャック60が形成された振動板68を備えている点で上述した第1実施形態と異なっている。その他の構成は、上述した非接触保持装置1と同一又は同様であるので、ここでは説明を省略する。
超音波浮揚ユニット30の振動板68は、例えば、縦156mm×横156mm×厚み3mmの正方形の薄板であり、その中心部がホーン16の先端部と溶接または螺子などで連結されている。
振動板68の下面には4つの凹部61が形成されている。ここで、振動板68の振動面は振動(音圧)分布を持つ。そのため、各凹部61は、振動(音圧)が略ゼロとなる節の位置に形成される。一方、各凹部61と対応する振動板68の上面における位置には、ハット形の本体64が配設されている。そして、振動板68の上面と、ハット形の本体64の内部空間とによってチャンバ67が形成されている。また、チャンバ67と凹部61とを連結し、チャンバ67に導かれた高圧エアを凹部61内に噴出する噴出孔65が、振動板68を板厚方向に貫通するように形成されている。
各チャンバ67には、エア配管66が取り付けられている。エア配管66は、高圧エアを供給するエアポンプ(図示省略)に接続される。エアポンプからエア配管66、チャンバ67を介して高圧エアが供給されると、噴出孔65を通して凹部61内へ高圧エアが噴出される。噴出された高圧エアは、振動板68とワーク80との隙間から排出される。なお、4つの凹部61およびハット形の本体64は、振動板68から受ける振動を最小にするために、また、振動板68の振動を妨げないようにするために、できるだけ小さく形成することが望ましい。振動板68の節の位置は殆ど振動していないが、腹に近付くにつれて振動は大きくなる。例えば、凹部61の直径は2〜3mm程度で、1N程度の吸着力を得ることが十分可能である。同様の目的で、チャンバ67は必ずしも必要なく、エア配管66から接続部材等を介して直接噴出孔65に接続するようにしてもよい。
上述した構成の非接触保持装置3において、超音波振動子13を構成する圧電素子11に高周波電圧が印加されると、印加電圧の周波数に応じた周波数の超音波振動が発生する。この超音波振動は、ホーン16に入力されてホーン16中を軸方向に伝播されるとともに、増幅部15で増幅される。増幅された超音波振動は、振動板68に入力され、振動板68に超音波振動を生じさせる。振動板68が超音波振動することにより、ワーク80との間にスクイーズ空気膜が生成される。その結果、超音波スクイーズ効果が生じ、ワーク80に対する浮揚力が発生する。
一方、エアポンプからエア配管66、チャンバ67を通して噴出孔65に高圧エアが供給されると、噴出孔65を通して凹部61内に高圧エアが噴出される。噴射された高圧エアは、振動板68とワーク80との間から排出される。これによって、ベルヌーイ効果が生じ、振動板68(すなわちワーク保持面69)とワーク80との間に負圧が生まれる。この負圧によって、ワーク80に対して吸引力が発生する。なお、凹部61は、振動板68の振動の節の位置に取付けられるため、スクイーズ空気膜の影響を受けにくく、ベルヌーイ効果による吸引力をより効率的よく発生させることができる。
そして、超音波浮揚ユニット10が発生する浮揚力(ワーク支持力)と、ベルヌーイチャック40が発生する吸引力とがワーク80に作用する。そして、該浮揚力と吸引力とワーク80の重量とがつりあう位置でワーク80が非接触保持される。
上述したように、ワーク保持面69とワーク80との間隔が平行を保ったまま所定間隔(本実施形態の場合約0.05mm)以下に減少しようとすると、高圧エアは、凹部61内部から非接触保持装置3外部に抜ける経路を確保する必要があるため、反発力として作用し、ワーク80との接触が回避される。一方、ワーク80が剛性の低い材料であったり、ワーク保持面69に対して傾いて近付いたとしても、超音波スクイーズ効果による超音波浮揚ユニット30の浮揚力(ワーク支持力)は極めて大きいため(本実施形態の場合、振動板68の振動振幅により、10〜1kPa)、0.1〜0.6mm程度の距離(振動板68の振動振幅により変化)を確保して非接触を保つことが可能である。
本実施形態によれば、凹部61が振動板68の下面に形成されるとともに、振動板68を板厚方向に貫通するように噴出孔65が形成されることにより、超音波浮揚ユニット30の振動板68上にベルヌーイチャック60を形成することができる。また、本実施形態によれば、振動板68の形状をワーク80(例えば、縦156mm×横156mm、厚さ0.1〜0.2mmの半導体ウェハ等)の形状と略同じに形成することが可能となる。振動板68の形状をワーク80の形状と略同じに形成した場合、超音波振動の保持力によって、ワーク80が振動板68に対して平行方向(水平方向)にずれたときに、ワーク80を元の位置に戻そうとする復元力をワーク80に対して作用させることができる。その結果、ワーク80を非接触保持する際に、ワーク80の横ズレを防止でき、横ズレ防止用のガイドを廃止することが可能となる。
本実施形態によれば、凹部61が、振動板68上の振動の節の位置に形成される。振動(音圧)が略ゼロとなる節の部分にベルヌーイチャック60の凹部61が形成されることにより、ベルヌーイチャック60に高圧エアを供給するためのエア配管66などに対して振動を与えることを防止することができる。また、噴出孔65からの高圧エアの噴出が超音波浮揚に与える影響を最小化することが可能となる。
本実施形態によれば、超音波浮揚ユニット30の振動板68上に複数のベルヌーイチャック60を形成し、配置することができる。ベルヌーイチャック60を複数形成することにより発生力(吸引力又は反発力)を増大させることができる。また、複数のベルヌーイチャック60の配置を工夫することにより、発生力のバランスを取ることができ、ワークをより安定して保持することが可能となる。
続いて、図4及び図5を併せて用いて、上述した非接触保持装置1をエンドエフェクタに採用したパラレルメカニズムについて説明する。なお、非接触保持装置1に代えて、上述した非接触保持装置2又は非接触保持装置3を用いてもよい。まず、実施形態に係るパラレルメカニズム100の全体構成について説明する。図4は、実施形態に係るパラレルメカニズム100の全体構成を示す斜視図である。また、図5は、図4中の矢印A1方向から見たパラレルメカニズム100を示す図である。
パラレルメカニズム100は、上部にベース部102を有している。パラレルメカニズム100は、ベース部102の下面側に形成された平らな取付面102aが例えば水平な天井等に固定されることによって支持される。一方、ベース部102の下面側には、3つの支持部材103が設けられている。各支持部材103には、それぞれ電動モータ104が支持されている。電動モータ104は、モータ軸の軸線C2がベース部102の取付面102aに対して平行(すなわち水平)となるように支持されている。それぞれの支持部材103は、ベース部102の鉛直方向軸線C1を中心として等しい角度(120度)を開けて配置されており、各電動モータ104もまた、ベース部102の鉛直方向軸線C1を中心として等しい角度(120度)を開けて配置される(図5参照)。
各電動モータ104の出力軸には、軸線C2に対して同軸に略六角柱形状のアーム支持部材105が固定されている。アーム支持部材105は、電動モータ104が駆動されることにより軸線C2を中心として回転する。なお、各電動モータ104は、モータドライバを含む電子制御装置130に接続されており、電動モータ104の出力軸の回転がこの電子制御装置130によって制御される。
パラレルメカニズム100は、3本のアーム本体106を有しており、各アーム本体106は、第1アーム107及び第2アーム108を含んで構成される。第1アーム107は、例えばカーボンファイバー等で形成された長尺の中空円筒部材である。第1アーム107の基端部は、アーム支持部材105の側面に取り付けられている。第1アーム107は、その軸線が上述した軸線C2と直交するように固定される。
第1アーム107の遊端部には、第2アーム108の基端部が連結され、第2アーム108が、第1アーム107の遊端部を中心として揺動できるように構成されている。第2アーム108は、一対の長尺のロッド109,109を含んで構成されており、一対のロッド109,109は、その長手方向において互いに平行となるように配置されている。ロッド109も、例えばカーボンファイバー等で形成された長尺の中空円筒部材である。各ロッド109の基端部は、第1アーム107の遊端部に、一対のボールジョイント110,110によって連結されている。なお、各ロッド109の基端部における各ボールジョイント110,110間を結ぶ軸線C3は、電動モータ104の軸線C2に対して平行となるよう配置されている。
また、第2アーム108の基端部付近において一方のロッド109と他方のロッド109とが連結部材111で互いに連結されており、第2アーム108の遊端部付近において一方のロッド109と他方のロッド109とが連結部材112で互いに連結されている。連結部材111、及び連結部材112は、例えば、付勢部材としての引張コイルバネを有しており、一対のロッド109,109を互いに引き合う方向に付勢する。なお、連結部材111と連結部材112とは、異なる構造であっても構わないが同一構造であることが低コストの観点から好ましい。いずれの連結部材111,112も、各ロッド109が自身の長手方向に平行な軸線まわりに回転することを防止する機能を有する。
また、パラレルメカニズム100は、非接触保持装置1を回動可能に取り付けるためのブラケット114を有している。ブラケット114は、略正三角形状をした板状部材である。このブラケット114は、3本のアーム本体106によって、ブラケット114の非接触保持装置1の取付面114a(図4におけるブラケット114の下面)がベース部102の取付面102aと平行(すなわち水平)になるように保持される。
すなわち、ブラケット114の各辺には取付片115が形成されており、各取付片115がそれぞれのアーム本体106の遊端部(第2アーム108を構成する一対のロッド109,109の遊端部)に連結されることで、ブラケット114は、各アーム本体106に対して、各アーム本体106の遊端部を中心として揺動する。詳しくは、ブラケット114の各取付片115の各端部が、対応する各ロッド109,109の遊端部に各ボールジョイント116,116によって連結される。一対のボールジョイント116,116を結ぶ軸線C4(図5参照)は、各ロッド109のボールジョイント部110と116との間の距離が全て等しいことにより各アーム本体106に対応する軸線C3と平行になるため、電動モータ4の軸線C2に対しても平行となる。このため、各アーム本体106が駆動される際に、ブラケット114は、水平面に対して平行に移動することにより各アーム本体106に対して揺動する。そして、略正三角形状のブラケット114のすべての辺において、水平面に対して平行に移動できるように、ブラケット114が3本のアーム本体106によって支持されている。
上述したように、第1アーム107と第2アーム108との連結部における一対のボールジョイント110,110間の距離と、第2アーム108の各ロッド109とブラケット114との連結部における一対のボールジョイント116,116間の距離とは等しく設定されている。そのため、第2アームを構成する一対のロッド109,109は、必ずその長手方向の全長において互いに平行に配置される。ここで、軸線C2,C3,C4のいずれもが、ベース部102の取付面102aに平行であるから、3つの第1アーム107それぞれが軸線C2を中心にどのように回動したとしても、ブラケット114の非接触保持装置1の取付面114aとベース部102の取付面102aとの平行関係が維持される。
そして、電子制御装置130からの指令に応じて、各電動モータ104の出力軸に固定されたアーム支持部材105の回転位置が制御されることで、各第1アーム107の遊端部の位置が制御される。この制御された各第1アーム107の遊端部の位置に、各第2アーム108の遊端部の位置が追従し、その結果、ブラケット114の非接触保持装置1の取付面114aの位置が一意に決まる。このとき、上述したように、ブラケット114は、水平姿勢を維持したまま移動する。
また、パラレルメカニズム100は、その中央にベース部102から下方に延びる旋回軸ロッド120と、この旋回軸ロッド120を回転するための電動モータ121とを有する。電動モータ121は、その軸出力を鉛直下方に向けた状態でベース部102に固定されている。旋回軸ロッド120の一端部は、自在継手(以下「ユニバーサルジョイント」という)122、及び、複数のギヤの組み合わせにより構成された減速機124を介して電動モータ121の出力軸に連結されている。なお、本実施形態では減速機124の減速比を5とした。一方、旋回軸ロッド120の他端部は、ユニバーサルジョイント123を介して非接触保持装置1に接続されている。さらに、非接触保持装置1及びユニバーサルジョイント123の下方接続部は、その中心軸が鉛直方向となるようにベアリング等を介してブラケット114に回転自在に固定されている。旋回軸ロッド120は、ロッド120aとシリンダ120bとにより実現され、伸縮自在に構成されている。ここで、旋回軸ロッド120はボールスプラインであり、ロッド120aの回転をシリンダ120bに伝達することが可能である。また、旋回軸ロッド120の両端部にユニバーサルジョイント122,123が採用されているため、ブラケット114が3つの電動モータ104の駆動により上下、前後左右の所定の位置に移動したとしても、旋回軸ロッド120は、その所定位置に追従して移動することができる。なお、以下、旋回軸ロッド120、及びユニバーサルジョイント122,123を含む構成を旋回軸125という。
すなわち、電動モータ121と非接触保持装置1との間では、減速機124、ユニバーサルジョイント122、旋回軸ロッド120(ロッド120a,シリンダ120b)、ユニバーサルジョイント123の機械要素が直列に接続されており、電動モータ121の回転駆動力は、直列に接続されたこれらの機械要素を介して、非接触保持装置1に伝達される。電動モータ121は、電子制御装置130に接続されており、電動モータ121の回転がこの電子制御装置130により制御されることにより、非接触保持装置1の回転角度位置が制御される。
上述したように、電子制御装置130は、3つの電動モータ104を制御することによってアーム本体106を駆動し、非接触保持装置1を目標位置まで動かす。また、電子制御装置130は、電動モータ121を制御することによって旋回軸ロッド120を駆動し、非接触保持装置1を目標回転角度位置まで回転させる。電子制御装置130としては、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)、又は専用の制御用コンピュータ等が好適に用いられる。電子制御装置130は、演算を行うマイクロプロセッサ、マイクロプロセッサに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM、演算結果などの各種データを一時的に記憶するRAM等により構成されている。
また、電子制御装置130には、オペレータによる操作入力を受け付ける設定手段およびパラレルメカニズム100の状態や設定内容を表示する表示手段としての入出力装置131が接続されている。なお、入出力装置131としては、例えば、タッチパネルディスプレイ、又は、液晶ディスプレイとキーボード等が好適に用いられる。オペレータは、入出力装置131を用いて、電動モータ104,121の制御データを設定することができる。電子制御装置130は、設定された制御データを用いてROMに記憶されているプログラムを実行することにより、電動モータ104及び電動モータ121を駆動して、非接触保持装置1の3次元空間における位置(x,y,z)及び回転角度(θ)を制御する。
次に、図6を用いて、パラレルメカニズム100の動作について説明する。ここでは、太陽電池用ウェハー又は太陽電池セル(ワーク)のパレタイジング工程において、非接触保持装置1が、太陽電池ウェハーを保持した後に、該太陽電池ウェハーの回転角度位置を合わせつつ、所定位置(ケース)まで搬送する場合を例にして説明する。なお、太陽電池ウェハーの搬送後から、次の太陽電池ウェハーの保持までの移動の動作は、以下に説明する動作と動作方向が逆になること以外は同一又は同様であるので、ここでは説明を省略する。なお、図6は、太陽電池のパレタイジング工程の概要を説明するための鳥瞰図である。
まず、図6を参照しつつ、太陽電池ウェハーのパレタイジング工程の概要について説明する。この工程では、第1コンベア200、及び第2コンベア201が互いに並行に配置されるとともに、これら2本のコンベアの上方にパラレルメカニズム100が設置されている。第1コンベア200及び第2コンベア201それぞれは、図面右側から左側へ所定の速度もしくは一時停止を繰り返しながらピッチ送りで移動している。第1コンベア200上には太陽電池ウェハー230が任意の位置・向き・間隔で流れている。ここで、太陽電池ウェハー230は、例えば、縦156×横156×厚さ0.1〜0.2mmの矩形の薄板である。一方、第2コンベア201には太陽電池ウェハー230が揃えて収納されるケース231が乗って流れている。ここで、ケース231は、例えば、その内側が3×6の升目状に仕切られたものであり、パラレルメカニズム100により、第1コンベア200上の太陽電池ウェハー230がケース231の各升目に移載される。なお、図6では、ケース231の升目を簡略化して示した。
パラレルメカニズム100は、アーム本体106を駆動して非接触保持装置1を駆動させ、太陽電池ウェハー230に近づいた後、該太陽電池ウェハー230を非接触保持装置1で保持してはケース231まで搬送するといった動作を繰り返し実行する。また、パラレルメカニズム100は、向きが一定ではない状態で流れてくる矩形の太陽電池ウェハー230の向きを、該太陽電池ウェハー230を保持して搬送するときに非接触保持装置1を回転させてケース231の升目の向きに合わせ、ケース231の升目に収納する。
より詳細に説明すると、第1コンベア200には、第1コンベア200の移動量を検出する第1エンコーダ210が取り付けられている。第1エンコーダ210は、検出された第1コンベア200の移動量を電子制御装置130に出力する。一方、第2コンベア201には、第2コンベア201の移動量を検出する第2エンコーダ211が取り付けられている。第2エンコーダ211は、検出された第2コンベア201の移動量を電子制御装置130に出力する。また、第1コンベア200の上方には、例えばCCDカメラ等の撮像装置220が取り付けられている。撮像装置220は、流れてくる太陽電池ウェハー230を撮像して、太陽電池ウェハー230の重心位置と向き(角度)θ1を求め、電子制御装置130に出力する。さらに、第2コンベア201には、ケース231の先端部を検出する光学センサ221が取り付けられている。光学センサ221は、検出信号を電子制御装置130に出力する。
電子制御装置130は、太陽電池ウェハー230の重心位置と第1コンベア200の移動量とに基づいて太陽電池ウェハー230の位置を演算する。また、電子制御装置130は、ケース231の先端部の検出信号と第2コンベア201の移動量とに基づいてケース231の位置を演算する。電子制御装置130は、求められた太陽電池ウェハー230の位置とケース231の位置とに基づいて、各電動モータ104を回転してアーム本体106を駆動して太陽電池ウェハー230をケース231に搬送する。また、太陽電池ウェハー230を搬送しているときに、電子制御装置130は、求められた太陽電池ウェハー230の向きθに基づいて、電動モータ121を回転して旋回軸(すなわち非接触保持装置1)を回転し、太陽電池ウェハー230の向きをケース231の升目に合わせる。以上の動作が実時間で繰り返して実行されることにより、第1コンベア200の上を流れる太陽電池ウェハー230が、第2コンベア201の上を流れるケース231に揃えて収納される。
本実施形態によれば、太陽電池ウェハー230を保持する保持機構(エンドエフェクタ)として非接触保持装置1を用いることによって、太陽電池ウェハー230との非接触性を確実に確保しつつ太陽電池ウェハー230を移載することが可能となる。
パラレルメカニズムは、軽量、高出力、高剛性という特徴を有するため、非接触保持装置1を非常に高速で動かすことができる。よって、本実施形態によれば、移動機構としてパラレルメカニズム100を用いることにより、太陽電池ウェハー230との非接触性を確実の確保しつつ、太陽電池ウェハー230を高速に移載することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく種々の変形が可能である。例えば、振動板17,68の形状・大きさ、噴出孔25,45,65の数・配置、及び、圧電素子11の数・形状などは上記実施形態に限定されるものではなく、保持するワーク80の形状・大きさ・重量などに応じて任意に設定することができる。
また、上記実施形態では、超音波振動子13が発生した超音波振動を伝達・増幅するホーン16として、指数形のホーンを用いたが、例えば、カテノイダル形、一様断面棒ステップ形などのホーンを用いてもよい。
上記実施形態では、パラレルメカニズム100を太陽電池ウェハー230のパレタイジング工程に適用した場合を例として説明したが、パラレルメカニズム100の適用範囲は、太陽電池ウェハー230のパレタイジング工程には限られない。
1,2,3 非接触保持装置
10,30 超音波浮揚ユニット
11 圧電素子
12 ブロック
13 超音波振動子
14 円柱部
15 増幅部
16 ホーン
17,68 振動板
20,40,60 ベルヌーイチャック
21,41,61 凹部
22 フランジ部
23 円筒部
24,44,64 本体
25,45,65 噴出孔
26,46,66 エア配管
29,49,69 ワーク保持面
80 ワーク
100 パラレルメカニズム

Claims (6)

  1. 超音波振動を発生する振動子と、
    その一端が前記振動子に取り付けられ、前記振動子が発生した超音波振動を増幅して伝達する増幅伝達手段と、
    前記増幅伝達手段の他端に取り付けられ、前記増幅伝達手段と連動して振動する振動板と、を有し、
    前記振動板は、振動面に凹部が形成されるとともに、該凹部内に流体を噴出するための噴出孔が板厚方向に貫通するように形成されており、
    前記振動板の振動面、及び、前記凹部の開口端面それぞれが、ワークが保持される際に、該ワークと対向するように配置されていることを特徴とする非接触保持装置。
  2. 前記凹部は、前記振動板上の振動の節の位置に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の非接触保持装置。
  3. 前記振動板に複数の凹部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非接触保持装置。
  4. 前記振動子には、周波数が20〜30kHzの高周波電圧が供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非接触保持装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載された非接触保持装置と、
    前記非接触保持装置を空間内で移動させる移動機構と、を備えることを特徴とする移載装置。
  6. 前記移動機構は、複数のリンクを介して、ベース部と、前記非接触保持装置が取り付けられるブラケットとが並列に連結されたパラレルメカニズムであることを特徴とする請求項5に記載の移載装置。
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