JP2004059247A - 板状部材搬送装置 - Google Patents

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JP2004059247A
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Masami Takami
高三 正己
Jun Inoue
井上 純
Kazuhiro Suzuki
鈴木 和宏
Katsuhisa Ota
太田 勝久
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Sharp Corp
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Abstract

【課題】搬送すべき板状部材に圧縮気体を噴射することにより非接触状態に保持して搬送する構成に比較して省エネが可能となり、塵埃を含んだ気体が板状部材に吹き付けられる虞がない板状部材搬送装置を提供する。
【解決手段】板状部材搬送装置10は、ベースプレート11上に、板状部材12の下端を支承する支承部13と、支承部13に支承された板状部材12に振動板14の音波の放射圧を付与して、板状部材12を非接触状態で傾斜した状態に保持可能な物体浮揚装置15とが装備されている。各支承部13はモータ20により回転される回転軸17にそれぞれ一体回転可能に固定されている。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板状部材搬送装置に係り、詳しくは液晶表示装置等の表示装置のガラスパネルや半導体ウエハー等の板状部材を立てた状態で搬送するのに好適な板状部材搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスパネルや半導体ウエハー等の薄くて傷つき易い板状部材を立てた状態で搬送する板状部材搬送装置が特開2001−213517号公報に開示されている。この板状部材搬送装置は、図9に示すように、支持基板51の片面に複数の圧力容器52が固定され、圧力容器52の前面に多孔質体53が取り付けられている。支持基板51の下端には、駆動シャフト54が回転可能に支持され、駆動シャフト54に駆動ローラ55が一体回転可能に固定され、各駆動ローラ55にベルト56が巻掛けられて搬送手段57が構成されている。図示しないモータにより駆動シャフト54が駆動されることにより、ベルト56が駆動される。そして、多孔質体53から噴射される圧力流体(圧縮空気)で搬送すべき板状部材58を支持するとともに、板状部材58に対して多孔質体53と反対側に配設された洗浄液噴霧ノズル59から洗浄液を噴霧しつつ、その板状部材58の下端部を搬送手段57で支持して搬送するようになっている。従って、この板状部材搬送装置では、ガラスパネルや半導体ウエハー等の薄くて傷つき易い板状部材58にその下端のみで接触した状態で搬送することができ、搬送時に板状部材58が傷つき難い。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来装置では、搬送すべき板状部材58を非接触状態で保持するために多孔質体53から圧縮気体を噴射する構成のためエネルギー消費が大きいという問題があるとともに、多孔質体53を構成する多孔質セラミックからの発塵が問題になる場合がある。
【0004】
本発明は前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は搬送すべき板状部材に圧縮気体を噴射することにより非接触状態に保持して搬送する構成に比較して省エネが可能となり、塵埃を含んだ気体が板状部材に吹き付けられる虞がない板状部材搬送装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、板状部材の下端を支承するとともに、駆動手段により駆動されることで支承する板状部材を移動可能な支承部と、前記支承部に支承された前記板状部材に振動板の音波の放射圧を付与して該板状部材を非接触状態で鉛直又は傾斜した状態に保持可能な物体浮揚装置とを備え、前記支承部を駆動させて前記板状部材を移動させる。
【0006】
この発明では、板状部材は下端が支承部に支承された状態で、振動板で発生した音波の放射圧により、振動板と非接触状態で鉛直又は傾斜した状態に保持される。そして、駆動手段により支承部が駆動されることで板状部材が移動される。従って、圧縮流体(圧縮空気)を噴射する構成の従来装置に比較して、少ないエネルギー消費で板状部材を、その下端部のみが支承部に接触する状態で搬送することができる。また、セラミック製の多孔質体から圧縮空気を噴射する場合と異なり、塵埃を板状部材12に吹き付ける虞がない。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、前記物体浮揚装置は、前記板状部材をその移動方向へ付勢する進行波を発生するように励振手段で励振される振動板を備えている。
【0008】
この発明では、振動板から発生する進行波が板状部材を移動させる推力の一部を負担するため、支承部の駆動力が小さくてすみ、駆動手段の小型化が容易となる。
【0009】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記物体浮揚装置は、前記板状部材の相対移動に伴い前記板状部材のほぼ全面と対向可能に板状部材の移動方向と交差して配設された振動板を備えている。ここで、「板状部材のほぼ全面」とは、板状部材が前記支承部と当接する箇所等、板状部材の周縁部で最終製品となるときに使用されない部分を除いた部分を意味する。
【0010】
振動板から放射される超音波は、超音波が当たった部分において板状部材を清掃する作用、即ち板状部材に付着した塵を除去する作用があるため、板状部材の移動中に板状部材の振動板と対向する面が洗浄される。
【0011】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記振動板を励振させる励振手段は、該励振手段を構成する振動子の振動方向を変換する振動方向変換部を備え、前記振動子はその振動方向が前記振動板の振動方向と交差するように配設されている。
【0012】
一般に励振手段は振動子とホーンとを備えており、振動子の振動がホーンに伝達され、ホーンを介して振動板が振動(励振)される。ホーンが振動板を振動させる方向が振動子の振動方向と同じ場合、即ちホーンと振動子とが振動板に対して垂直方向に真っ直ぐに延びた状態で取り付けられるため、板状部材搬送装置を配置する際に、広いスペースが必要になる。しかし、この発明では、励振手段を構成する振動子の振動方向を変換する振動方向変換部を備え、振動子はその振動方向が前記振動板の振動方向と交差するように配設されている。その結果、板状部材搬送装置を配置するのに必要なスペースを小さくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明を液晶表示装置の基板ガラスの搬送に使用する板状部材搬送装置に具体化した第1の実施の形態を図1〜図4に従って説明する。図1は板状部材搬送装置の模式側面図、図2は振動板と駆動手段の配置関係を示す模式正面図、図3は板状部材搬送装置を振動板と平行な斜め上方から見た模式図である。
【0014】
図1に示すように、板状部材搬送装置10は、ベースプレート11上に、被搬送部材としての板状部材12の下端を支承する支承部13と、支承部13に支承された板状部材12に振動板14の音波の放射圧を付与して、板状部材12を非接触状態で傾斜した状態に保持可能な物体浮揚装置15とが装備されている。
【0015】
ベースプレート11上には板状部材12の搬送方向に沿って延びるように支持壁16が固定され、支持壁16には所定間隔をおいて互いに平行に、複数本の回転軸17がその先端側(図1における左端側)に向かって上昇傾斜する状態に軸受18(図4(a)にのみ図示)を介して回転自在に支持されている。回転軸17の水平面に対する傾斜角度は、板状部材12が鉛直面と成す角度とほぼ同じに形成され、例えば10〜30度である。
【0016】
図4(a)に示すように、各回転軸17の先端には支承部13としてのローラが一体回転可能に固定され、支持壁16に対して支承部13と反対側にはプーリ19が一体回転可能に固定されている。複数の回転軸17のうち、支持壁16の一端に配設された回転軸17はモータ20の出力軸20aに連結されている。なお、モータ20はベースプレート11に支持ブロック21を介して取り付けられている。各回転軸17は、各プーリ19間に巻き掛けられたベルト22を介してモータ20により一定方向(図2の時計回り方向)に回転される。回転軸17、プーリ19、モータ20及びベルト22により、支承部13を駆動する駆動手段が構成されている。
【0017】
支承部13としてのローラは外周面に無端状の溝13aが形成され、板状部材12は下端が溝13aに係合した状態で支承部13に支承されるようになっている。
【0018】
物体浮揚装置15を構成する振動子23は、振動板14が前記支承部13に支承された板状部材12に対してその上部側において音波の放射圧を付与可能な位置に配設されている。振動子23は、ベースプレート11上に固定された支持台24aに固定されたフレーム24bに対して所定の高さ位置において取り付けられている。フレーム24bは正面から見た形状が門型に構成され、振動子23はフレーム24bの梁の部分に取り付けられている。
【0019】
振動子23には所謂ランジュバン形振動子が使用され、図4(b)に示すように、一対のリング状のピエゾ素子25a,25bを備えている。両ピエゾ素子25a,25b間にリング状の電極板26が配置され、ピエゾ素子25a,25bの電極板26と当接する側と反対側の面に当接する金属ブロック27a,27bを、図示しないボルトによって締め付け固定することにより振動子23が構成されている。ボルトは金属ブロック27aに形成された図示しないねじ穴に、金属ブロック27b側から螺合されている。両金属ブロック27a,27bはボルトを介して互いに導通された状態となっている。金属ブロック27aにはフランジ28が形成され、金属ブロック27aはフレーム24bに形成された孔(図示せず)に嵌合された状態で図示しないボルトによりフランジ28においてフレーム24bに固定されている。振動子23は発振器29に接続されている。電極板26は配線30aを介して発振器29と接続され、発振器29の接地端子が配線30bを介して金属ブロック27bに接続されている。
【0020】
振動板14は両端部が、ホーン31の先端に図示しないねじにより固定されている。ホーン31は偏平なほぼ直方体状に形成され、振動板14の長手方向端部近傍において長手方向と直交する状態で取付けられている。ホーン31は振動板14の幅と同じ幅に形成され、振動板14が締結される面の反対側の面において振動子23に固定されている。ホーン31の先端面は振動子23の軸方向と直交する平面に形成され、ホーン31及び振動子23は、その中心軸が振動板14と垂直方向に延びる状態で配置されている。ホーン31、振動子23及び発振器29により振動板14を励振させる励振手段が構成されている。
【0021】
次に前記のように構成された板状部材搬送装置10の作用を説明する。
板状部材搬送装置10は板状部材12の搬送経路に沿って配置される。そして、一般に搬送中に板状部材12に塵埃等が付着するのを防止するため、板状部材搬送装置10の上方には、図示しないが、HEPAフィルタを備えたファンユニットが配設されている。ファンユニットからはHEPAフィルタで濾過された清澄なエアが板状部材搬送装置10の上方から下方に向かって送風されるようになっている。図2は板状部材搬送装置10が2台直列に配置された状態を示し、板状部材12はAで示す位置からBで示す位置へと搬送されるようになっている。
【0022】
振動子23が所定の共振周波数(例えば、20kHz前後)で励振され、ホーン31が縦振動してホーン31を介して振動板14が励振されて撓み振動を行う。両振動子23は振動板14に定在波が発生するように励振される。板状部材12は振動板14側へ向かって傾く状態で、下端が支承部13に支承されるため、振動板14から音波が発せられない状態では板状部材12の上部寄りにおいて振動板14と接触する状態となる。しかし、振動子23の振動に伴って振動板14から放射される音波の放射圧により、板状部材12は振動板14の表面から浮揚する。浮揚距離は例えば数10〜数100μmである。また、板状部材12の下端部は支承部13の溝13aに接触した状態で支承される。即ち、板状部材12は支承部13が駆動されない状態では、支承部13に支承された下端を除いて非接触状態で物体浮揚装置15により傾斜した状態で保持される。
【0023】
そして、モータ20が駆動されてベルト22等を介して各支承部13が所定方向に回転駆動されると、板状部材12は立てた状態で、かつ非接触状態で図2の右方向へ搬送される。
【0024】
板状部材12は薄いガラス板で撓み易いが、立てた状態で搬送されるため、水平状態で搬送する場合に比較してガラス板厚み方向の支持に要する力が少なくなり、高効率で非接触支持できる。支承部13と接触する下端部は、常に支承部13に当接した状態となるため、汚れや擦り傷が付く可能性があるが、ガラス板の端部は最終的には製品とならない不用部となるので支障はない。
【0025】
この実施の形態では以下の効果を有する。
(1) 板状部材12は下端が支承部13に支承された状態で、振動板14で発生した音波の放射圧により、振動板14と非接触状態で傾斜した状態に保持され、駆動手段により支承部13が駆動されることで板状部材12が移動される。従って、圧縮流体(圧縮空気)を噴射する構成の従来装置に比較して、少ないエネルギー消費で板状部材12を、その下端部のみが支承部13に接触する状態で搬送することができる。また、セラミック製の多孔質体から圧縮空気を板状部材に噴射する従来装置と異なり、塵埃を板状部材12に吹き付ける虞がない。
【0026】
(2) 板状部材12が傾いた状態で搬送されるため、板状部材12を水平状態で搬送する非接触式搬送装置に比較して、ベースプレート11の占める面積、ひいては板状部材搬送装置10の設置に必要な面積を狭くできる。
【0027】
(3) 支承部13が外周面に溝13aを有するローラで構成されているため、一個のローラが板状部材12の下方への移動と、厚さ方向への移動とを規制する作用をなす。従って、少ない数のローラで板状部材12を所望の傾斜状態でガイド可能に支承することができる。
【0028】
(4) 全ての支承部13がモータ20により駆動されるベルト22を介して積極駆動されるため、簡単な構成で板状部材12に推力を確実に加えることができ、しかも個々の支承部13は板状部材12に大きな力を付与する必要がなく、板状部材12は小さな推力で円滑に移動できる。
【0029】
(5) 支承部13を駆動させる駆動手段が板状部材12の下方に配置されているため、プーリ19及びベルト22等から発塵しても、ファンユニットからの送風により塵埃が板状部材12に悪影響を及ぼさない。
【0030】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態を図5(a),(b)に従って説明する。この実施の形態では、励振手段の構成が前記実施の形態と異なり、その他の構成は同じである。前記実施の形態と同一部分は同一符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0031】
図5(a)は板状部材搬送装置10の模式側面図であり、図5(b)は振動方向変換部の模式斜視図である。
振動子23の先端にはホーン31に代えて、振動子の振動方向を変換する振動方向変換部32が固定されている。この実施の形態では振動方向変換部32として所謂LL変換素子(LL変換器)33が使用されている。LL変換素子33は、図5(b)に示すように、互いに90度を成すように三次元的に形成された6本の軸33a〜33fを備え、そのうちの1本の軸33aが振動子23に固定され、軸33aと直交する1本の軸33eに振動板14が固定されている。33eは先端面と鉛直面との成す角が、板状部材12が鉛直面と成す角に等しくなるように形成されている。
【0032】
そして、振動子23はその振動方向が、振動板14の振動方向と交差するように配設されている。この実施の形態では振動子23はその振動方向が鉛直方向となるようにフレーム24bに固定されている。振動子23、振動方向変換部32及び発振器29により振動板14を励振させる励振手段が構成されている。
【0033】
この実施の形態では、振動子23の振動が振動方向変換部32を介して振動板14に伝達される。従って、振動子23の振動方向が振動板14の振動方向と一致していなくても、振動板14は所望の状態で振動される。
【0034】
この実施の形態は前記実施の形態の(1)〜(5)の効果を有する他に、次の効果を有する。
(6) 振動板14を励振させる励振手段が、振動子23の振動方向を変換する振動方向変換部32を備え、振動子23はその振動方向が振動板14の振動方向と交差するように配設されている。前記実施の形態のように、振動子23の振動をホーン31を介して振動板14に伝達し、ホーン31の振動方向と、振動子23の振動方向とが同じ場合は、ホーン31と振動子23とが振動板14に対して垂直方向に真っ直ぐに延びた状態で取り付けられる。その場合、板状部材搬送装置10を配置する際に、広いスペースが必要になる。しかし、振動子23の振動方向を変換する振動方向変換部32を備え、振動子23をその振動方向が振動板14の振動方向と交差するように配設することにより、振動子23を配設するスペース、ひいては板状部材搬送装置10を配置するのに必要なスペースを小さくできる。
【0035】
(7) 振動子23は振動方向が鉛直方向となるように配設されるため、振動子23を配設するスペースを振動子23の振動方向が鉛直方向に対して傾く場合に比較して小さくできる。
【0036】
実施の形態は前記に限定されるものではなく、例えば次のように構成してもよい。
○ 物体浮揚装置15は、振動板14が定在波を発生するように振動される構成に代えて、振動板14が板状部材12をその移動方向へ付勢する進行波を発生するように構成してもよい。例えば、図6に示すように、振動板14の一端側に締結されたホーン31aを励振させる振動子23は前記実施の形態と同様に発振器29に接続する。一方、振動板14の他端側に締結されたホーン31bを振動させる振動子23は、抵抗R及びコイルLからなるエネルギー変換手段としての負荷回路34に接続する。負荷回路34は一方の端子を電極板26に、他方の端子を金属ブロック27bにそれぞれ接続する。この構成では、振動板14の振動は負荷回路34に接続された振動子23に伝達され、振動子23を構成するピエゾ素子25a,25bにより機械エネルギーである振動のエネルギーが電気エネルギーに変換される。この電気エネルギーが負荷回路34の抵抗Rでジュール熱に変換されて放散される。そのため、振動板14に生じる振動の波が一方向へ進む進行波(この実施の形態ではホーン31a側からホーン31b側へ進む進行波)となり、板状部材12に対して、振動板14の一端側から他端側へ向かう推力が付与される。この場合、振動板14から発生する進行波が板状部材12を移動させる推力の一部を負担するため、支承部13の駆動力が小さくてすみ、駆動手段の小型化が容易となる。
【0037】
○ 物体浮揚装置15に、板状部材12の相対移動に伴い板状部材12のほぼ全面と対向可能に板状部材12の移動方向と交差して配設された振動板14を装備してもよい。例えば、図7に示すように、複数(例えば、2枚)の振動板14を板状部材12の移動方向に対して斜めに配設する。振動板14の励振は、振動板14が定在波を発生する状態でも、振動板14が進行波を発生する状態のいずれであってもよい。但し、進行波を発生する場合はその進行波の進行方向が、板状部材12に対して板状部材12の移動方向への推力を付与するように設定される。振動板14は、板状部材12の相対移動に伴って、板状部材12の周縁部で最終製品となるときに使用されない部分を除いた部分と対向可能な長さに形成されている。即ち、振動板14は板状部材12の相対移動に伴って、板状部材12のほぼ全面と対向可能に配設されている。この場合、振動板14から放射される超音波は、超音波が当たった部分において板状部材12を清掃する作用、即ち板状部材12に付着した塵埃を除去する作用があるため、板状部材12の移動中に板状部材12の振動板14と対向する面が洗浄される。
【0038】
○ 振動板14の洗浄機能により板状部材12の搬送中に振動板14と対向する面を清掃可能とする構成として、板状部材12の相対移動に伴って、板状部材12のほぼ全面と対向可能に配設された1枚の振動板14と、該振動板14と共同して板状部材12を安定した状態で浮揚させる振動板とを設けてもよい。後者の振動板は必ずしも長尺でなくてもよい。
【0039】
○ 振動方向変換部32は所謂LL変換素子33に限らず、例えば、図8に示すように、振動子23の先端に湾曲する形状の振動方向変換部32を設けてもよい。所謂LL変換素子33の場合は有限要素法で振動の変換効率などをシミュレートできるが、このような湾曲形状の場合は実験的にトライアンドエラーで適正な形状を求める必要がある。
【0040】
○ 支承部13をローラで構成する場合、全ての支承部13が積極駆動される構成に限らず、一部の支承部13は積極駆動されず被動回転される構成としてもよい。例えば、一部の回転軸17に代えて支軸を支持壁16に固定し、その支軸に回転可能に支承部13としてのローラを設ける。
【0041】
○ 積極回転すべき支承部13毎にモータを設けて駆動する構成としてもよい。
○ 支承部13として板状部材12の搬送方向に沿って配置されたベルトを設けてもよい。ベルトは駆動プーリと被動プーリとの間に巻き掛けられ、モータにより駆動される。この場合多数のローラを設ける構成に比較して構造が簡単になる。
【0042】
○ 板状部材12を鉛直面に対して傾斜した状態で搬送する構成に限らず、板状部材12を鉛直状態に保持して搬送する構成としてもよい。例えば、板状部材12を挟むように振動板14を鉛直状態に配置する。しかし、板状部材12を傾斜した状態で搬送する方が、振動板14の数が少なくてよい。
【0043】
○ 板状部材搬送装置10の搬送距離は板状部材12の長さ又は幅とほぼ同じに限らず、板状部材12の長さ又は幅より長い(例えば2倍以上)長さの振動板14を備えてもよい。
【0044】
○ 板状部材搬送装置10は、板状部材12を立てた状態で、かつ接触状態で搬送する搬送装置から受け渡される板状部材12を搬送するシステムに使用してもよい。板状部材12を立てた状態で、かつ接触状態で搬送する搬送装置は、例えば、板状部材搬送装置10と同じ構成の支承部13を備えるとともに、物体浮揚装置15の代わりに、板状部材12の上部に当接して板状部材12を斜め状態で支承するガイド部(例えばガイドローラ)を備えた構成とする。ガイド部は支承部13と共同して、板状部材12を板状部材搬送装置10での搬送時における傾斜角度とほぼ同じ角度となるように支承する。このように、接触状態で搬送する搬送装置から受け渡される板状部材12を搬送する板状部材搬送装置10において、前記洗浄機能を持たせるように振動板14を配置すれば、ガイド部と当接することにより板状部材12に付着した塵埃等を自動的に除去できる。
【0045】
○ 板状部材12の高さが高く、斜めの状態においても撓みが大きな場合、撓みを抑制するため、振動板14を複数平行に配設してもよい。この場合、面積の大きな板状部材12をより安定した状態で搬送することができる。
【0046】
○ 支承部13をローラで構成する際、支承部13に溝13aを形成せず、板状部材12の下端を支承するローラと、板状部材12の下部の表面又は裏面に当接して板状部材12の厚さ方向への移動を規制する作用をなすローラとを別々に設けてもよい。
【0047】
○ 板状部材搬送装置10のクリーン度を保持するため、支承部13と、支承部13を駆動する駆動手段を構成する回転軸17、プーリ19、ベルト22等をステンレスの板材で覆ってダクトを構成し、そのダクト内が負圧となるように吸引する。この場合、万が一ダストが出ても、吸引、排出され、板状部材12に付着する虞がない。
【0048】
○ 振動板14の両端に設けられた振動子23をそれぞれ発振器29と負荷回路34とに選択的に切り換え接続可能に構成する。この場合、発振器29に接続された状態と、負荷回路34に接続された状態との切換を行うことにより、板状部材12の搬送方向を選択することができる。
【0049】
○ 搬送距離が長い場合は、複数の板状部材搬送装置10を直列に配設してもよい。
○ ホーン31,31a,31bの幅は振動板14の幅と同じでなくてもよく、振動板14の幅より広くても、狭くてもよいが、振動板14の幅以上が好ましい。
【0050】
○ 振動板14のホーン31、31a,31bへの固定はねじによる締結に限らず、接着剤を使用したり、ロウ付けや溶接で固着してもよい。
○ 振動子23はランジュバン形振動子に限らず他の振動子を使用してもよい。
【0051】
前記実施の形態から把握される発明(技術的思想)について以下に記載する。
(1) 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記支承部は前記板状部材を傾いた状態でガイド可能に配設されている。
【0052】
(2) 請求項4に記載の発明において、振動方向変換部はLL変換素子である。
(3) 請求項1〜請求項4及び前記技術的思想(1),(2)のいずれかに記載の発明において、前記板状部材12は表示装置用のガラス基板である。
【0053】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜請求項4に記載の発明によれば、搬送すべき板状部材に圧縮気体を噴射することにより非接触状態に保持して搬送する構成に比較して省エネが可能となり、塵埃を含んだ気体が板状部材に吹き付けられる虞がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の板状部材搬送装置の一部省略模式側面図。
【図2】振動板と駆動手段の配置関係を示す一部省略模式正面図。
【図3】板状部材搬送装置を斜め上方から見た一部省略模式図。
【図4】(a)は駆動手段の一部破断模式側面図、(b)は励振手段の模式図。
【図5】(a)は第2の実施の形態の板状部材搬送装置の一部省略模式側面図、(b)はLL変換素子の模式斜視図。
【図6】別の実施の形態の図3に対応する一部省略模式図。
【図7】別の実施の形態の支承部と振動板との関係を示す模式図。
【図8】別の実施の形態の振動方向変換部を示す模式図。
【図9】従来技術の搬送装置を示す断面図。
【符号の説明】
12…板状部材、13…支承部、14…振動板、15…物体浮揚装置、23…振動子、32…振動方向変換部。

Claims (4)

  1. 板状部材の下端を支承するとともに、駆動手段により駆動されることで支承する板状部材を移動可能な支承部と、前記支承部に支承された前記板状部材に振動板の音波の放射圧を付与して該板状部材を非接触状態で鉛直又は傾斜した状態に保持可能な物体浮揚装置とを備え、前記支承部を駆動させて前記板状部材を移動させる板状部材搬送装置。
  2. 前記物体浮揚装置は、前記板状部材をその移動方向へ付勢する進行波を発生するように励振手段で励振される振動板を備えている請求項1に記載の板状部材搬送装置。
  3. 前記物体浮揚装置は、前記板状部材の相対移動に伴い前記板状部材のほぼ全面と対向可能に板状部材の移動方向と交差して配設された振動板を備えている請求項1又は請求項2に記載の板状部材搬送装置。
  4. 前記振動板を励振させる励振手段は、該励振手段を構成する振動子の振動方向を変換する振動方向変換部を備え、前記振動子はその振動方向が前記振動板の振動方向と交差するように配設されている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の板状部材搬送装置。
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