JP2012091122A - 塗布システム - Google Patents

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Hiroyuki Uchimoto
博之 内本
Hisayoshi Fujiwara
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Abstract

【課題】、本発明は、基板の搬送に関して、非接触型の搬送が可能となる新たな技術的手段を備えた塗布システムを提供する。
【解決手段】基板Wを浮上させる浮上ユニット10及び浮上させた基板Wを搬送する搬送ユニット20を有する搬送装置1と、搬送される前記基板Wの上面に対して塗布液を吐出するノズル31を有している塗布装置3とを備えている。浮上ユニット10は、振動子6と、この振動子6の動作に起因して振動し当該振動による放射圧によって基板Wを浮上させる振動板7とを有しており、この振動板7は、ノズル31の直下位置に設けられていること。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基板に対して塗布液を塗布する塗布システムに関する。
例えば、液晶ディスプレイ又はプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイや、太陽電池パネル等には、画素や回路パターン等が形成された基板が用いられており、このような基板は、例えばレジスト液(塗布液)が塗布された基板に対しフォトリソグラフィ技術が用いられ、製作されている。
このように、基板に対して塗布液を塗布する装置として、例えば特許文献1に記載の塗布システムが用いられている。
この塗布システムは、基板を浮上搬送する搬送装置と、浮上搬送する基板の上面に対して塗布液を吐出するノズルを有している塗布装置とを備えている。搬送装置は、上面から気体を噴射して基板を浮上させるエア浮上ステージと、浮上させた基板の側部を吸着する吸着機構と、この吸着機構を移動させることにより吸着した基板を搬送する搬送駆動機構とを有している。
この塗布システムによれば、基板をエア浮上ステージによって所定高さに浮上させ、当該基板の側部を吸着した吸着機構を搬送駆動機構によって移動させることにより、基板を浮上させた状態で搬送することができる。そして、基板の搬送路上に設置した塗布装置のノズルから塗布液を吐出し、当該基板に対して塗布液を塗布することができる。
特開2005−244155号公報(図2参照)
前記塗布システムによれば、基板をステージ上面と非接触の状態として搬送することができるので、基板がステージ上面と機械的に接触することにより、当該基板に傷や汚れが付着する等の不具合が発生するのを抑えることができる。特に、前記のような、フラットパネルディスプレイや太陽電池パネル等に用いられる基板では、品質の向上が求められていることから、前記不具合の発生を抑える必要があり、このためには、エアによる浮上搬送のような非接触型の搬送方式が望まれている。
そこで、本発明は、基板の搬送に関して、非接触型の搬送が可能となる新たな技術的手段を備えた塗布システムを提供することを目的とする。
(1)本発明の塗布システムは、基板を浮上させる浮上ユニット及び浮上させた基板を搬送する搬送ユニットを有する搬送装置と、搬送される前記基板の上面に対して塗布液を吐出するノズルを有している塗布装置とを備え、前記浮上ユニットは、振動子と、前記振動子の動作に起因して振動し当該振動による放射圧によって前記基板を浮上させる振動板とを有し、前記振動板は、前記ノズルの直下位置に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、浮上ユニットが有している振動子と振動板とによって、基板を超音波の放射圧によって浮上させることができ、基板を、その下方にある振動板と非接触の状態とする搬送装置によって搬送することが可能となる。
また、このような塗布システムでは、基板の上面に塗られた塗膜厚を均一とするために、搬送する基板の上面とノズルとの隙間は一定とする必要がある。そこで、本発明では、ノズルの直下位置に振動板を設けていることから、この振動板の出力(例えば、振動板の振幅又は周波数)を調整すれば、ノズルの直下位置における基板の浮上量を調整することができ、当該基板の上面とノズルとの隙間を一定とすることができる。そして、ノズルの直下位置において基板を浮上させるための浮上ユニットが、振動子と振動板とを有している超音波浮上ユニットであるため、振動板の出力の調整、つまり、基板の浮上量の調整は、エアによる浮上ユニットの場合と比べて、応答性が優れており容易である。
(2)また、前記ノズルは、前記基板の搬送方向に交差する方向に長く形成されたスリットを有し、前記振動板は、前記スリットの直下位置であって当該スリットの長手方向に沿って設けられているのが好ましい。
この場合、振動板の振動によって、基板をノズルの長手方向に均一に浮上させることが可能となり、振動板の上で浮上する基板の上面とノズルとの隙間を、ノズルの長手方向(基板の搬送方向に交差する方向)に、一定とすることができる。これにより、基板の上面に塗布した塗膜厚を均一とすることが可能となる。
(3)また、前記振動板を挟んで前記基板の搬送方向の上流側と下流側とのうちの少なくとも一方側には、上面からエアを噴射して基板を浮上させるエア浮上ステージが、前記浮上ユニットの一部として設けられているのが好ましい。
この場合、基板の搬送路の全てに振動板を設けなくても、基板を浮上させて搬送することができる。
(4)また、塗布システムは、前記振動板の出力を制御する制御装置を、さらに備え、前記制御装置は、搬送される前記基板の厚さの情報を取得すると共に、当該厚さの情報に基づいて前記振動板の出力を制御するのが好ましい。
この場合、基板の厚さに応じて制御装置は振動板の出力を制御し、基板の浮上量を調整することができる。これにより、基板の厚さが変更されても、基板の上面とノズルとの隙間を均一にすることができ、塗膜厚を均一にすることが可能となる。
本発明によれば、浮上ユニットが有する振動子と振動板とによって、基板を超音波の放射圧によって浮上させることができ、基板を、その下方にある振動板と非接触の状態として搬送することが可能となる。この結果、浮上ユニットとの機械的な接触により基板に傷や汚れが付着する等の、不具合が発生するのを抑えることができる。
本発明の塗布システムの概略構成を示す斜視図である。 塗布液を基板に塗布する塗布作業位置を、左右方向から見た説明図である。 超音波浮上ユニットの説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[1. 塗布システムの全体構成]
図1は、本発明の塗布システムの概略構成を示す斜視図である。この塗布システムは、薄板状の基板(例えば、ガラス基板)Wに、薬液やレジスト液等の液状物である塗布液を塗布するものであり、前記基板Wをステージから浮上させて搬送しながら、塗布液を塗布する作業を行う。なお、前記ステージには、後に説明するが、振動板7及びエア浮上ステージ15がある。
このために、本発明の塗布システムは、基板Wを浮上させる浮上ユニット10及び浮上させた基板Wを所定の搬送路に沿って水平方向に搬送する搬送ユニット20を有する搬送装置1と、搬送される基板Wの上面に対して塗布液を吐出するノズル(口金)31を有している塗布装置3とを備えている。さらに、これら搬送装置1及び塗布装置3の各種動作を制御する制御装置2を備えている。
なお、本発明では、基板Wの搬送方向(図1の矢印Xの方向)を前後方向の前方とし、この搬送方向に直交する水平方向を左右方向としている。
[2. 塗布装置3について]
塗布装置3は、床面に対して固定した状態で設置されている本体部32と、この本体部32に取り付けられた前記ノズル31とを有している。塗布液は、図外のタンクからノズル31へと供給され、ノズル31から塗布液が吐出されることにより、当該ノズル31の直下を通過する基板Wに塗布液を塗布する。ノズル31からは一定量の塗布液が吐出され、搬送される基板W上には均一な膜厚の塗膜が形成される。
ノズル31は、基板Wの搬送方向Xに交差する方向(本実施形態では直交する方向)に長く、かつ、水平に延びて形成されたスリット31aを有しており、このノズル31によれば、基板Wの左右両端部を除いて、当該基板Wの左右方向のほぼ全長(全幅)に対して、塗布液を塗布することができる。基板Wがスリット31aの直下位置に到達すると、前記制御装置2からの指令信号に基づいて、塗布装置3は、このスリット31aから塗布液を吐出する。
[3. 搬送装置1について]
[3.1 浮上ユニット10について]
前記搬送装置1の浮上ユニット10は、基板Wを浮上させる機能を有しており、搬送方向に、複数のブロックに分割されている。本実施形態では、上流側から、第一ユニット11、第二ユニット12、第三ユニット13及び第四ユニット14を有しており、第一ユニット11、第二ユニット12及び第四ユニット14は、エア浮上ユニットであり、第三ユニット13は、超音波浮上ユニットである。
前記エア浮上ユニットは、圧縮空気を上方へ噴射して基板Wを浮上させる。具体的に説明すると、各エア浮上ユニットは、上面側に微小な孔を複数有するエア浮上ステージ15を、基板Wの搬送路の下方位置に有しており、この微小な孔から圧縮空気を上方に噴射する。また、このエア浮上ユニットは、空気を吸引する吸引孔もその上面に有しており、噴射する圧縮空気と吸引する空気とのバランスを、制御装置2が制御することにより、基板Wを水平状の姿勢として浮上させる。
前記超音波浮上ユニット(第三ユニット13)は、基板Wを浮上させるために基板Wの搬送路の下方位置に設けられた振動板7を有している。この振動板7を振動させると、当該振動による放射圧(超音波の放射波)によって基板Wを浮上させることができる。超音波浮上ユニットの具体的な構成については、後に説明する。
[3.2 搬送ユニット20について]
前記搬送装置1の搬送ユニット20は、前記浮上ユニット10によって浮上させた基板Wの側部下面を吸着する吸着機構21と、この吸着機構21を搬送方向Xに移動させることにより当該吸着機構21が吸着した基板Wを同方向Xに搬送する搬送駆動機構22とを有している。
図2は、塗布液を基板Wに塗布する塗布作業位置Pを、左右方向から見た説明図である。基板Wは、前記浮上ユニット10によって、搬送路の基準面から所定高さhに浮上した状態となり、この状態で、基板Wの側部下面が、吸着機構21によって吸着されている。なお、前記搬送路の基準面とは、高さ方向の位置に関して基準となる水平面であればよく、本実施形態では、前記振動板7の上面である。
図2において、吸着機構21は、例えば、エアの吸引によって基板Wの側部下面を吸着する吸着ブロック21aを有している。この吸着ブロック21aは、第一ユニット11(図1参照)に搬入され当該第一ユニット11によって浮上させた基板Wの側部下面を吸着する。そして、この吸着状態を保ったまま、吸着機構21を、前記搬送駆動機構22が第四ユニット14まで直線的に移動することで、基板Wを搬送方向Xに搬送することができる。そして、搬送途中で、基板Wの上面にノズル31から塗布液が塗布される。なお、図1は、基板Wが第四ユニット14上に到達した状態を示している。
また、図2において、吸着ブロック21aは、例えばエアシリンダ等の上下駆動装置により昇降する昇降部材26に搭載されており、前記エアシリンダにより吸着ブロック21aの高さを微調整することができ、基板Wの側部を吸着した際に、当該基板Wの側部の高さも前記所定高さhになるように位置決めすることができる。
図1において、吸着機構21は、浮上ユニット10の左右両側それぞれに設けられており、本実施形態では、基板Wの片側の側部に沿って前後方向に所定間隔を有して三台設けられ、左右方向の両側で、合計六台設けられている。片側三台の吸着機構21は、共通する可動部材23に搭載されており、一体となって移動する。なお、吸着機構21の台数は、基板Wの大きさによって変更自在である。
前記搬送駆動機構22は、搬送方向Xに長く浮上ユニット10の左右両側に設置されたレール24,24と、前記可動部材23をレール24に沿って搬送方向Xに移動させる前後方向駆動部25とを有している。前後方向駆動部25は、例えばリニアモータからなる。搬送駆動機構22は、左右の可動部材23,23を同期させて同方向に移動させることで、吸着機構21が吸着した基板Wを直線的に搬送する。
[4. 超音波浮上ユニットの詳細]
前記のとおり、図1において、複数に分割されている浮上ユニット10のうち、第三ユニット13は超音波浮上ユニットであり、この超音波浮上ユニットは、図3に示しているように、振動子6と、この振動子6の動作に起因して振動する前記振動板7とを有している。この振動板7が振動することによる上方への放射圧(超音波の放射波)によって、基板Wを浮上させることができる。また、この超音波浮上ユニットは、発振器8と、振動子6に取り付けられたホーン9とを更に有している。
振動板7は、例えば矩形板状の金属板であり、本実施形態ではアルミ製(アルミ合金製)である。振動板7は、搬送される基板Wの下方に位置しており、ノズル31の直下位置に設けられている。特に、本実施形態では、振動板7は、ノズル31のスリット31aの直下位置であって、当該スリット31aの長手方向(左右方向)の全長にわたって設けられている。
そして、振動板7の下面側に、ホーン9を介して振動子6が設置されている。ホーン9は、振動子6からの振動を増幅又は減衰して振動板7へ伝えることができ、振動板7全体が所定の振幅で振動する。振動板7は、ホーン9に接触した状態で取り付けられ、当該ホーン9及び振動子6は、超音波浮上ユニットが有している図外の装置本体部に取り付けられている。
振動子6は、前記発振器8からの発振信号に基づいて前記ホーン9を励振させるものであり、例えば図示しないが電極及びピエゾ素子を有するランジュバン型振動子とすることができる。前記発振器8によって前記電極が印加されることでピエゾ素子が振動し、所定の振動数で発振する。そして、振動子6の振動はホーン9を通じて振動板7へ伝わる。振動子6の振動周波数は、25kHzから40kHzが適しており、30kHz±5kHzが特に好ましい。
発振器8は、ケーブル10を介して振動子6に接続されており、また、制御装置2からの指令信号に基づいて駆動する。つまり、制御装置2からの指令信号に基づいて、発振器8は、振動子6に電圧(駆動電圧)を与え、振動子6を発振させる。さらに、発振器8は、振動子6における振動の周波数と振幅との内の一方又は双方を調整する機能(回路)を有している。振動子6における周波数、振幅を変更することにより、振動板7の出力(周波数、振幅)も変化する。つまり、制御装置2は、発振器8を用いて振動子6における振動形態(周波数、振幅)を変化させ、振動板7の出力を制御する。振動板76の出力が制御されることにより、振動板7における振動状態(振幅と振動数との内の一方又は双方)を変化させることができ、この結果、振動板7上で浮上する基板Wの浮上量を調整することが可能となる。
また、振動板7における周波数が周期的に変化するように、制御装置2は発振器8を制御することができる。具体的には、制御装置2は、発振器8が振動子6に与える電圧を変化させ、振動子6における振動の周波数を変化させる。これは、振動板7における振動形態(振動モード)が一定であると、基板Wへ塗布した塗布液に特定の模様を生じさせるおそれがあるが、例えば振動の周波数を変化させることにより、振動板7において一定の振動モードが打ち消される。この結果、塗布膜の品質への悪影響を与えず、しかも、基板Wを浮上させることができる。
以上の構成を備えた超音波浮上ユニット(第三ユニット13)によれば、振動板7から放射される音波(超音波)の放射圧によって基板Wを超音波浮上させることができ、基板Wを、その下方にある振動板7と非接触の状態とし、前記搬送装置1の搬送ユニット20(図1参照)により、搬送することが可能となる。しかも、振動板7を振動させ、振動板7と基板Wとの間に定在波(定在波音場)を形成し、振動板7上では、浮上量を一定とすることができる。
そして、このような塗布システムでは、基板Wの上面に塗られた塗膜の厚さを均一とするために、搬送する基板Wの上面とノズル31(スリット31a)との隙間g(図2参照)は一定とする必要がある。そこで、前記のとおり、振動板7をノズル31の直下位置に設け、この振動板7の出力を制御装置2が調整すれば、ノズル31の直下における基板Wの浮上量を微調整することができ、当該基板Wの上面とノズル31との隙間gを一定とすることができる。
また、振動板7は、その上面が水平に設けられ、ノズル31のスリット31aの直下位置であって当該スリット31aの長手方向の全長にわたって設けられているので、基板Wをノズル31の長手方向(左右方向)に均一に浮上させることが可能となる。このため、振動板7の上で浮上する基板Wの上面とノズル31との隙間gを、ノズル31の長手方向(左右方向)の全長にわたって、一定とすることができる。これにより、基板Wの上面に塗布した塗膜の厚さを、当該基板Wの左右方向(幅方向)の全長にわたって、均一とすることが可能となる。
[5. 制御装置2の機能について]
基板Wが浮上ユニット10(第一ユニット11)に搬入されると、制御装置2は、当該浮上ユニット10の状態を、待機状態から駆動状態へと切り替える制御を行う。待機状態とは、エア浮上ステージ15から圧縮空気を噴出しておらず、また、振動板7を振動させていない状態であり、駆動状態とは、エア浮上ステージ15から圧縮空気を噴出している状態、及び、振動板7を振動させている状態である。
また、浮上ユニット10における基板Wの浮上量は、制御装置2からの指令信号に基づいて制御される。例えば、制御装置2は、搬送される基板Wの厚さの情報を取得すると共に、当該厚さの情報に基づいて振動板7の出力を制御する。この制御を具体的に説明すると、塗布システムに搬入される基板W(後の基板Wという)の厚さが、当該塗布システムによって先に塗布作業を終えた基板W(先の基板Wという)の厚さよりも大きい場合、両基板Wの浮上量を同じとすると、後の基板Wの上面とノズル31との隙間は、先の基板Wの上面とノズル31との隙間よりも小さくなってしまい、塗布した塗布液の塗膜の厚さが先の基板Wと後の基板Wとで異なるおそれがある。
しかし、基板Wの厚さに応じて制御装置2が振動板7の出力を制御することにより、基板Wの浮上量を調整することができるので、前記のように基板Wの厚さが変更されても、基板Wの上面とノズル31との隙間を均一にすることができ、塗膜の厚さを均一にすることが可能となる。
なお、この場合において、制御装置2は、基板Wの厚さの情報を取得するが、この情報は、以下の手段により取得することができる。すなわち、塗布装置3の上流側にセンサ(図示せず)が設けられており、このセンサが、塗布作業を行う基板Wの厚さを測定し、当該センサによる測定結果を、前記厚さの情報として制御装置が取得する。又は、基板Wが塗布システムに搬入される前に、当該基板Wの厚さの情報が既に取得されている場合、その情報が、制御装置2に入力されることで、前記厚さの情報を制御装置2が取得してもよい。
[6. 他の実施形態]
図1の実施形態では、前記のとおり、第一ユニット11、第二ユニット12及び第四ユニット14が、エア浮上ユニットであり、第三ユニット13が、超音波浮上ユニットであるが、振動板7(超音波浮上ユニット)は、少なくともノズル31の直下位置に設けられていればよい。つまり、振動板7(超音波浮上ユニット)を挟んで基板Wの搬送方向Xの上流側と下流側とのうちの少なくとも一方側には、上面からエアを噴射して基板Wを浮上させるエア浮上ステージ15(エア浮上ユニット)が、浮上ユニット10の一部として設けられていればよい。
そこで、浮上ユニット10の内の第三ユニット13上において、塗布装置3によって塗布する塗布液の種類によっては、図1のように、当該第三ユニット13の下流側にある第四ユニット14を、エア浮上ユニットとするのが好ましい。これは、例えば、僅かな温度上昇によって塗布液の特性に悪影響を与えるおそれがある場合である。つまり、第四ユニット14を超音波浮上ユニットとすると、振動板の振動エネルギーが、基板及びこの基板上に塗られた塗膜に伝わり、その振動エネルギーが熱に変換され、塗膜を温度上昇させることがある。この温度上昇により塗膜(塗布液)の特性に悪影響を与えるような場合には、第四ユニット14を、エア浮上ユニットとするのが好ましい。
また、これとは反対に、僅かな温度降下によって塗布液の特性に悪影響を与えるおそれがある場合、第四ユニット14についても、超音波浮上ユニットとするのが好ましい。これは、第四ユニット14をエア浮上ユニットとした場合、エア浮上ステージから噴射される流体は圧縮空気であり、浮上させた基板Wを通じて当該基板W上に塗られた塗膜の温度が、前記圧縮空気によって下がるおそれがある。この温度降下により塗膜(塗布液)の特性に悪影響を与えるおそれがある場合には、第四ユニット14についても、超音波浮上ユニットとするのが好ましい。
さらに、図1に示しているように、塗布液を基板Wに塗布する塗布作業位置が存在する第三ユニット13以外では、ステージを構成するステージ部材の形状を、平面視において短冊状として、複数のステージ部材を、間隔をあけて並べた構成とするのが好ましい。なお、前記ステージ部材それぞれは、エア浮上ユニットの場合、エア浮上ステージ15であり、超音波浮上ユニットの場合、振動板7である。このように間隔をあけて複数のステージ部材(エア浮上ステージ15又は振動板7)を並べた配置とすることで、ステージ上にパーティクル(異物)が堆積し続けるのを防ぐことができる。
さらに、図1に示しているように、塗布作業位置が存在する第三ユニット13の下流側にある第四ユニット14では、短冊形状とした各ステージ部材(エア浮上ステージ15又は振動板7)は、その長手方向が搬送方向Xと交差(直交)するように、配置されている。つまり、複数のステージ部材は搬送方向Xに間隔をあけて並べられている。
これは、各ステージ部材の真上では、前記のとおり熱の影響を直接的に受けやすいためである。つまり、仮に各ステージ部材の長手方向を、搬送方向Xと一致させると、基板Wのうち、各ステージ部材から熱の影響を受ける部分が、搬送中において常に同じとなり、熱の影響により塗膜にムラ(ステージの配置と同じ縞模様)が発生してしまう。しかし、前記のとおり、各ステージの長手方向が搬送方向Xと交差(直交)するように配置すれば、基板W上の塗膜は全面にわたって、搬送中、同じ影響を受け、ムラの発生を防止することができる。
[7. 塗布ユニットについて]
以上のように構成された塗布ユニットによれば、ノズル31の直下にある超音波浮上ユニットによって、基板Wを超音波浮上させることができ、基板Wを、その下方にある振動板7と非接触の状態として搬送することが可能となる。この結果、基板Wは、振動板7と機械的な接触が生じず、当該基板Wに傷や汚れが付着する等の不具合が発生するのを抑えることができる。
また、ノズル31の直下位置において、基板Wを浮上させるための構成が、振動子6及び振動板7等を有している超音波浮上ユニットであるため、振動板7の出力の微調整、つまり、基板Wの浮上量の微調整は、エア浮上ユニットの場合よりも応答性が優れており容易である。なお、超音波浮上ユニットの方が前記応答性が優れているのは、超音波浮上の場合は、発振器8による電力の大小の切り替えが、直接的に基板Wの浮上量に反映されるためである。これに対し、エア浮上の場合、エアの流量を変更しても基板Wを浮上させる噴出エアが安定するまでに時間ロスが発生する等の原因により、応答性が劣ると推定される。
なお、本実施形態では、超音波浮上ユニットとエア浮上ユニットとを併用しており、エア浮上ユニットでは、超音波浮上ユニットに比べて、基板Wの浮上高さの調整精度が劣るおそれがあるが、エア浮上ユニットは、ノズル31の直下位置よりも上流側の領域と下流側の領域とに位置しており、これら領域では、実際の塗布作業の位置ではないため、問題とはならない。
また、近年、フラットパネルディスプレイや、太陽電池パネル等に用いられる基板Wは、大型化する傾向がある。
そして、従来、ステージが基板を吸着保持して、当該ステージ又はその上方を跨ぐ塗布ガントリが移動して当該基板に塗布液を塗布する装置がある。しかし、この場合、ステージ又は塗布ガントリを移動させるために、大きなエネルギーが必要となり、また、作業毎にステージ又はガントリを初期位置に復帰させる必要があり、作業効率が悪いという問題点がある。しかし、本発明では、塗布装置3及び搬送装置1は固定状態として、基板Wを移動させればよいので、省エネルギー化に貢献することができ、また、次々と基板Wを搬送しながら、塗布液を塗布することができるので、作業効率もよい。
さらに、本発明によれば、ノズル31の直下は、振動板7であり、たとえ振動板7上に塗布液等が付着しても、振動板7上での浮上量には影響を及ぼしにくく、塗布品質に悪影響を与えにくい。また、この振動板7は上面が平滑であるため、塗布液等が付着しても、清掃は容易である。
また、ノズル31の直下にある超音波浮上ユニットでは、振動板7(ステージ)からの基板Wの浮上量は、例えば100μmであり、その他の位置にあるエア浮上ユニットにおけるエア浮上ステージ15からの浮上量よりも小さく設定されている。基板Wの浮上量を大きく設定すると、それに応じて浮上量の誤差も大きくなることから、超音波浮上ユニットでは、浮上量を小さくすることで、その誤差を小さくしている。
また、本発明の塗布システムは、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。例えば、前記実施形態(図3)では、ノズル31の長手方向の全長にわたって、1枚の振動板7が設けられている場合を説明したが、複数枚の振動板7が、ノズル31の長手方向の全長にわたって並べて設けられていてもよい。この場合、左右方向で隣り合う振動板7同士の隙間を小さくし、これら振動板7を同期して振動させる。特に、基板Wの幅方向寸法が大きくなると、複数枚の振動板7からなる構成とするのが好ましい。また、振動板7に振動子6が一つ設けられている場合を説明したが、振動板7毎に、複数個の振動子6を設置してもよい。
また、振動板7の材質をアルミ製(アルミ合金製)として説明したが、これに限定されず、様々な材質を採用することができる。
また、図1では、上流側ユニットである、第一ユニット11と第二ユニット12とは別体としたが、一体であってもよい。また、搬送ユニット20及び吸着機構21は、図示した形態以外のものであってもよい。
さらに、浮上ユニット10のすべてを超音波浮上としてもよい。この場合、塗布システムはクリーンルームに設置されており、室内のパーティクル等の異物を床側に集めるように、ダウンフローの環境としているが、浮上ユニット10のすべてを超音波浮上とすれば、基板を浮上させるためのエアによるパーティクルの巻き上げを防ぐことができ、室内のクリーン度を低下させずに済む。
1:搬送装置、 2:制御装置、 3:塗布装置、 6:振動子、 7:振動板、 10:浮上ユニット、 15:エア浮上ステージ、 20:搬送ユニット、 31:ノズル、 31a:スリット、 W:基板、 X:基板の搬送方向、 g:隙間

Claims (4)

  1. 基板を浮上させる浮上ユニット及び浮上させた基板を搬送する搬送ユニットを有する搬送装置と、
    搬送される前記基板の上面に対して塗布液を吐出するノズルを有している塗布装置と、を備え、
    前記浮上ユニットは、振動子と、前記振動子の動作に起因して振動し当該振動による放射圧によって前記基板を浮上させる振動板と、を有し、
    前記振動板は、前記ノズルの直下位置に設けられていることを特徴とする塗布システム。
  2. 前記ノズルは、前記基板の搬送方向に交差する方向に長く形成されたスリットを有し、
    前記振動板は、前記スリットの直下位置であって当該スリットの長手方向に沿って設けられている請求項1に記載の塗布システム。
  3. 前記振動板を挟んで前記基板の搬送方向の上流側と下流側とのうちの少なくとも一方側には、上面からエアを噴射して基板を浮上させるエア浮上ステージが、前記浮上ユニットの一部として設けられている請求項1又は2に記載の塗布システム。
  4. 前記振動板の出力を制御する制御装置を、さらに備え、
    前記制御装置は、搬送される前記基板の厚さの情報を取得すると共に、当該厚さの情報に基づいて前記振動板の出力を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載の塗布システム。
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