JP2014022537A - 熱処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜厚ムラを抑えて基板上の塗布膜を加熱、乾燥させる熱処理装置を提供する。
【解決手段】基板Wを浮上させる浮上搬送路2と、浮上搬送路2において浮上している基板Wを特定方向に搬送する搬送装置3と、を備え、浮上搬送路2が基板Wを浮上させながら基板Wへ熱処理を行い、搬送装置3が浮上搬送路2上の基板Wを搬送する熱処理装置1であって、浮上搬送路2は、噴出させた気体によって基板Wを浮上させる気体浮上領域4と、超音波振動によって基板Wを浮上させる超音波振動浮上領域5と、を有し、搬送装置3は、前記特定方向に配列された気体浮上領域4および超音波振動浮上領域5へ基板Wを順番に搬送し、気体浮上領域4および超音波振動浮上領域5の基板Wと対向する面は、基板Wよりも大きく、基板Wは最初に気体浮上領域4へ搬入されることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、塗布膜が形成された基板を浮上させた状態で加熱を行う熱処理装置に関するものである。
液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイには、基板上にレジスト液が塗布されたもの(塗布基板と称す)が使用されている。この塗布基板は、塗布装置により基板上にレジスト液が均一に塗布されることによって塗布膜が形成され、その後、例えば、下記特許文献1に示されるような浮上加熱乾燥装置により塗布膜を乾燥させることにより生産される。
この浮上加熱乾燥装置は、図5に示すように振動板部91およびヒータ部92を有している。振動板部91には超音波発生部93が取付けられており、この超音波発生部93が発振し、振動板部91が超音波振動することにより、振動板部91に載置された基板Wが超音波浮上する。そして、ヒータ部92が振動板部91を均一に加熱することにより、加熱された振動板部91が輻射熱により基板Wを加熱し、基板W上の塗布膜の乾燥などが行われる。そして、基板Wを超音波振動浮上させた状態で、搬送装置94によって基板Wを隣接する浮上加熱乾燥装置もしくは次工程の処理装置へ搬送する。
このように基板Wの加熱の際に基板Wを浮上させ、その状態で搬送することにより、たとえばガイドローラを用いた場合に当該ガイドローラと基板とが接触している部位と他の部位との熱的特性の差異に起因して生じる乾燥ムラのような塗布膜の乾燥ムラを防ぐことが可能である。
特願2011−120762号公報
しかし、上記特許文献1に記載された浮上加熱乾燥装置では、乾燥した塗布膜の厚みににムラが発生するおそれがあるという問題があった。具体的には、図6(a)に示すように、振動板部91が基板Wを超音波振動浮上させることにより、基板Wが共振してしまう。そうすると、流動性のある塗布膜は、基板Wの振動の腹の部分に集まる傾向を示す。その結果、基板を振動させて塗布膜を乾燥させた場合、図6(b)に示すように、塗布膜Mは基板Wの振動の腹の位置では厚くなり、節の位置では薄くなって波打った形状となり、膜厚ムラが生じていた。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、塗布膜に膜厚ムラが形成されることを抑えることができる熱処理装置および熱処理方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の熱処理装置は、基板を浮上させる浮上搬送路と、前記浮上搬送路において浮上している基板を特定方向に搬送する搬送装置と、を備え、前記浮上搬送路が基板を浮上させながら基板へ熱処理を行い、前記搬送装置が当該浮上搬送路上の基板を搬送する熱処理装置であって、前記浮上搬送路は、噴出させた気体によって基板を浮上させる気体浮上領域と、超音波振動によって基板を浮上させる超音波振動浮上領域と、を有し、前記搬送装置は、前記特定方向に配列された前記気体浮上領域および前記超音波振動浮上領域へ基板を順番に搬送し、前記気体浮上領域および前記超音波振動浮上領域の基板と対向する面は、基板よりも大きく、基板は最初に前記気体浮上領域へ搬入されることを特徴としている。
上記熱処理装置によれば、基板は最初に前記気体浮上領域へ搬入されることにより、本熱処理装置で行う基板の初期乾燥の工程は気体浮上領域上で行うため、超音波振動の影響による膜厚ムラを発生させることなく塗布液を乾燥することが可能である。
また、前記気体浮上領域は、前記気体の出口である噴出口が設けられた、基板の浮上時に基板と対向する対向面を有し、前記対向面の温度と前記噴出口から噴出した前記気体の温度とが同等であると良い。
こうすることにより、浮上させた基板全面の温度を均一にすることが容易になり、塗布液の乾燥ムラを抑えることが可能である。
本発明の熱処理装置によれば、膜厚ムラを抑えて基板上の塗布膜を加熱、乾燥させることが可能である。
本発明の一実施形態における熱処理装置の概略図であり、斜視図である。 本実施形態における気体浮上領域および超音波振動浮上領域による基板浮上動作を表す模式図である。 塗布膜焼成ラインとして用いた本発明の熱処理装置の一例である。 噴出板および振動板の配列方向による基板の加熱特性の違いを表す概略図である。 従来の浮上加熱乾燥装置の概略図である。 膜厚ムラ発生のメカニズムを示す模式図である。
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における熱処理装置の概略図である。
熱処理装置1は、浮上搬送路2および搬送装置3を有しており、浮上搬送路2上で基板をW浮上させた状態で基板Wへの熱処理を行いながら搬送装置3により基板Wの搬送を行う。
また、浮上搬送路2は、気体浮上領域4および超音波振動浮上領域5を有しており、気体浮上領域4において、基板Wは下方から噴出する気体により浮上し、超音波振動浮上領域5において、基板Wは後述する振動板部20の超音波振動によって浮上する。
また、気体浮上領域4および超音波振動浮上領域5は搬送装置3が基板Wを搬送する方向に配列されており、これらの浮上領域において浮上している基板Wを搬送装置3が把持し、搬送する。
これにより、基板Wは、基板面が常に非接触の状態で熱処理されながら、浮上搬送路2上を搬送される。
なお、以下の説明では、搬送装置3により基板Wが搬送される方向をY軸方向、Y軸方向と水平面上で直交する方向をX軸方向、X軸およびY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向として説明を進めることとする。
気体浮上領域4は、所定温度で基板Wに熱処理を行う一つまたは複数の気体浮上装置6を有し、これら気体浮上装置6がY軸方向に配列されている。
また、超音波浮上領域3は、所定温度で基板Wに熱処理を行う一つまたは複数の後述する超音波振動浮上装置7を有し、これら超音波振動浮上装置7がY軸方向に配列されている。
本実施形態では、基板Wはそれぞれの気体浮上装置6および超音波振動浮上装置7の上方で熱処理を受けながら所定時間浮上したのち、隣接する浮上装置へ搬送装置3により搬送される。
これら気体浮上装置6および超音波振動浮上装置7の概略図を図2に示す。図2(a)は、気体浮上装置6の概略図であり、図2(b)は、超音波振動浮上装置7の概略図である。
気体浮上装置6は、図2(a)に示すように、噴出ユニット10、ヒータ部12、および配管13を有しており、配管13を経由して噴出ユニット10から噴出した気体によって基板Wを浮上させる。また、噴出ユニット10はヒータ部12により所定温度に加熱される。
噴出ユニット10は、平坦面である対向面11を有するブロックであり、基板Wが気体浮上装置6上で浮上するとき、この対向面11が基板Wの下面と対向する。この対向面11の全体には、気体を噴出する複数の噴出口15が配置されており、各々の噴出口15が噴出ユニット10に接続された配管13と連通している。
なお、本実施形態では矩形状の多孔質セラミックのブロックにより噴出ユニット10が形成されており、多孔質セラミックの各々の孔が噴出口15として対向面11に配置されている。
対向面11のX軸方向およびY軸方向の寸法は、噴出ユニット10上に基板Wが載置されたときの基板WのX軸方向およびY軸方向の寸法よりも大きく設定されている。ここで、後述の通り、基板Wは気体浮上装置6上で浮上している間、ヒータ部12により加熱された噴出ユニット10もしくは噴出口15から噴出した気体によって加熱される。このように基板Wが加熱される際に、基板Wが噴出ユニット10からはみ出る部分を無くすことができるため、基板W全体が加熱される。
ここで、基板Wの寸法が大きく、この寸法よりも大きい寸法の噴出ユニット10を1個のブロックで構成することが困難である場合は、噴出ユニット10は後述するように複数の噴出板16により構成されていても良い。
ヒータ部12は、本実施形態ではカートリッジヒータまたはシーズヒータが矩形板状のアルミ板に挿入されて構成されるプレートヒータであり、噴出ユニット10の下方に位置し、噴出ユニット10を加熱する。このように噴出ユニット10を加熱することにより、噴出ユニット10の対向面11からの輻射熱によって基板Wが加熱される。
ここで、ヒータ部12のX軸方向およびY軸方向の寸法は、噴出ユニット10のX軸方向およびY軸方向の寸法と同等以上である。そして、Z軸方向に沿って噴出ユニット10からヒータ部12を見たときに、噴出ユニット10の存在する領域がヒータ部12の存在する領域に収まる配置となっている。これによって、ヒータ部12は噴出ユニット10全体を同時に加熱することができ、噴出ユニット10全体を均一な温度に加熱することが可能である。
配管13は、噴出ユニット10と反対側の端部で図示しない気体供給源と接続されており、気体供給源から供給された乾燥空気やN2などの気体が配管13を経由して各々の噴出口15から噴出する。この噴出した気体により、基板Wが浮上する。
また、配管13の途中にヒータ14を設けて、このヒータ14によって加熱された気体を噴出ユニット10に供給するようにしても良い。そうすることにより、基板Wは、対向面11からの輻射熱だけでなく、この加熱された気体と接触することによっても加熱される。
ここで、噴出ユニット10、特に対向面11の温度と、噴出口15から噴出した気体の温度とが同等となるように、ヒータ部12もしくはヒータ14、またはこれらの両方の出力を調節することが望ましい。
ここで言う「同等」とは、同一の温度であることはもちろん、1℃程度の温度差がある状態も含んでいる。本発明において1℃程度の差は誤差範囲であり、同一の温度である場合とくらべて、差のない効果が得られるためである。
このように対向面11の温度と気体の温度とを同等とするために、本実施形態では、対向面11の温度とヒータ14を通過した後の気体の温度をそれぞれ温度計で測定し、それぞれの測定結果に応じてヒータ部12もしくはヒータ14、またはこれらの両方の出力を調節している。
基板Wは、気体浮上装置6によって浮上しているとき、前述の通り対向面11からの輻射熱および噴出口15から噴出して基板Wに接触した気体からの熱伝導により加熱される。ここで、仮に対向面11の温度と噴出口15から噴出した気体の温度とが異なる場合、浮上時に基板W内で気体が接触する部分とそうでない部分とによって温度分布にムラが生じ、その結果、塗布膜の乾燥ムラが生じるおそれがある。
ここで、上記の通り対向面11の温度と噴出口15から噴出した気体の温度とが同等であることにより、気体が接触する部分でもそうでない部分でも基板面内の温度分布を均一にすることができ、乾燥ムラなく熱処理することができる。
超音波振動浮上装置7は、図2(b)に示すように、振動板部20、ヒータ部30、および超音波発生部40を備えており、振動板部20がヒータ部30により加熱される。また、振動板部20は超音波発生部40により超音波振動し、その振動による放射圧によって振動板部20上の基板Wを浮上させる。これらによって、基板Wは、超音波振動浮上しながら加熱される。
振動板部20は、上面に基板Wを超音波振動浮上させるための平坦面を有する部材であり、本実施形態では矩形板状の形状を有した金属板である。
振動板部20の材質は、後述のヒータ部30により加熱されることを考慮して熱伝導率の良いものであり、かつ、後述の超音波発生部40により超音波振動することを考慮して振動の伝搬性が良いものが選定される。本実施形態では、この選定理由から、アルミ製(アルミ合金製)で振動板部20を構成している。
この振動板部20のX軸方向およびY軸方向の寸法は、振動板部20上に基板Wが載置されたときの基板Wの寸法よりも大きく設定されている。ここで、後述の通り、基板Wは超音波振動浮上装置7上で浮上している間、ヒータ部30により加熱された振動板部20によって加熱される。このように基板Wが加熱される際に、基板Wが振動板部20からはみ出る部分を無くすことができるため、基板W全体が加熱される。
ここで、基板Wの寸法が大きく、この寸法よりも大きい寸法の振動板部20を1個の板から構成することが困難である場合は、噴出ユニット10は後述するように複数の振動板21により構成されていても良い。
ヒータ部30は、振動板部20の基板Wを浮上させる面の裏面側に位置し、振動板部20を加熱する。このように振動板部20を加熱することにより、振動板部20からの輻射熱によって基板Wが加熱される。
また、複数のヒータユニット31およびスペーサ32を有している。
ヒータユニット31は、ヒータ部12と同様、本実施形態ではカートリッジヒータまたはシーズヒータが矩形板状のアルミ板に挿入されて構成されるプレートヒータである。また、スペーサ32は、ヒータユニット31の上に設置されて振動板部20を支持し、また、スペーサ32によって振動板部20とヒータユニット31とが所定の間隔を設けて離間されている。
ここで、ヒータユニット31のX軸方向およびY軸方向の寸法は、振動板部20のX軸方向およびY軸方向の寸法と同等以上である。そして、Z軸方向に沿って振動板部20からヒータユニット31を見たときに、振動板部20の存在する領域がヒータユニット31の存在する領域に収まる配置となっている。これによって、ヒータユニット31は振動板部20の全面を同時に加熱することができ、振動板部20全体を均一な温度に加熱することが可能である。
また、本実施形態では、スペーサ32によって振動板部20とヒータユニット31の間に1mmの間隔が設けられている。
仮に振動板部20とヒータユニット31とが接触する配置であった場合、両者の固有振動数など振動特性の差異により、ヒータユニット31が振動板部20の振動の妨げとなることがあるが、このように両者を離間することにより、振動板部20はヒータユニット31によって振動を妨げられることなく、設定された通りに振動することができる。
また、振動板部20とヒータユニット31とを離間することにより、ヒータユニット31による振動板部20への加熱は直接加熱でなく輻射加熱となり、直接加熱と比較して振動板部20全体の温度を均一にすることが容易となる。
超音波発生部40は、本実施形態では図示しない制御部からの発振信号に基づいて対象物を励振させる超音波振動子であり、振動板部20の所定箇所に取付けられている。この超音波発生部40が所定の振幅および周波数で発振し、振動板部20を超音波振動させる。そして、振動板部20が振動することで、振動板部20から放射音圧が発せられ、この放射音圧によって、振動板部20上にある基板Wには上向きの力が加わる。これにより、基板Wを振動板部20の上方に所定の浮上量だけ浮上した状態で保持することが可能である。
搬送装置3は、ハンド51および進退機構52を有している。ハンド51は、例えばL字型のブロックを有し、基板Wの角部において基板Wの2辺と接触して支持する。ハンド51は基板Wの対角を位置決めして支持ができるよう、基板W1枚の支持に対して基板Wの対角方向に2つ設けられている。また、進退機構52は、エアシリンダなどの直動機構であり、ハンド51が取付けられ、基板Wの支持時および支持解除時にそれぞれのハンド51を移動させる。この進退機構52によって、ハンド51は基板Wの支持時には基板Wに接近し、支持解除時には基板Wから退避する。
また、進退機構52は図示しないY軸方向の走行軸に接続されている。ハンド51が基板Wの角部に接近し、基板Wを支持している状態において、この走行軸によりハンド51および進退機構52がY軸方向に移動することによって、基板WがY軸方向へ搬送される。
次に、塗布膜焼成ラインとして用いた本発明の熱処理装置1の一例を図3に示す。
先述の通り、浮上搬送路2は、気体浮上領域4と超音波振動浮上領域5とがY軸方向に配置されて構成されており、上流の処理装置(図3における塗布装置D)から搬入した基板Wは、各浮上領域の各浮上装置において熱処理されながら搬送装置3によりY軸方向に搬送され、最後に図示しない下流の処理装置へ搬出される。
ここで、図3では、浮上搬送路2は、塗布装置Dの直後の位置に気体浮上領域4が設けられ、その搬送方向下流側に超音波振動浮上領域5が設けられているが、これら浮上領域が一つずつ設けられる配置に限らず、たとえば、搬送方向上流側から気体浮上領域4、超音波振動浮上領域5、気体浮上領域4と配置されても構わない。
ただし、少なくとも塗布装置Dの直後の位置(熱処理装置1のもっとも上流側)には、気体浮上領域4が配置され、基板Wはこの気体浮上領域4に最初に搬入される必要がある。この理由は、以下の通りである。
超音波振動浮上装置7では、浮揚物体(本発明で言う基板W)を放射面(本発明でいう振動板部20)からの放射音圧により超音波振動浮上させる場合、浮揚物体(基板W)自身も振動する。
そして、塗布装置Dにより塗布を行った直後の基板W上の塗布膜は、溶剤を多く含み、粘度が低い(流動性が高い)状態である。このように塗布膜の粘度が低い状態であると、仮に超音波振動浮上装置7により基板Wが超音波浮上を受けた場合、基板W自身の振動の影響により、振動の腹の位置へ塗布液が集まろうとし、膜厚ムラが発生する。
これに対し、気体浮上装置6では、上記のような基板Wの振動は発生しないため、基板Wの振動による膜厚ムラを生じさせずに熱処理を行うことが可能である。
一方、塗布膜の熱処理を進めるにしたがって、塗布膜内の溶剤は揮発し、粘度が高くなるため、基板Wの振動の影響を受けにくくなる。また、塗布膜の固化が進行している状態では、塗布液の流動はほとんど無くなるため、基板Wの振動の影響を全く受けなくなる。このように塗布膜が基板Wの振動の影響を受けにくくなった場合、超音波振動浮上装置7により熱処理を行っても、基板Wの振動による膜厚ムラは発生しにくくなる。
したがって、もっとも塗布液の粘度が低く、膜厚ムラが発生しやすい熱処理初期時において、気体浮上装置6で熱処理するようにすれば、本発明の熱処理装置1の目的を達成することができる。
ここで、本実施形態では、浮上装置上で基板Wを所定時間浮上させて熱処理を進行させた後、搬送装置3により基板Wを次の浮上装置に搬送するという動作を繰り返して行うことにより、基板Wへの熱処理を行っている。そして、図3に示す加熱乾燥の温度条件下で基板W上の塗布膜が基板Wの振動の影響を受けにくくなる粘度に達するために必要な気体浮上の時間は、事前の検証により決定しており、この時間をもとに、最初の気体浮上領域4を形成するのに最低限必要な気体浮上装置6の個数を決定している。
具体的には、たとえば、各浮上装置上で基板Wを浮上させる時間が30秒であり、そして、基板W上の塗布膜が基板Wの振動の影響を受けにくくなる粘度に達するために必要な気体浮上の時間が50秒であった場合、気体浮上装置6を2個配列すれば気体浮上の時間を60秒にすることができ、塗布膜が基板Wの振動の影響を受けにくくすることができる。そのため、気体浮上装置6を2個以上配列して気体浮上領域4を形成するようにしている。
このように、熱処理初期時において、気体浮上装置6で熱処理するようにすれば、以降の熱処理は、気体浮上装置6で行っても超音波振動浮上装置7で行っても構わない。
ここで、気体浮上装置6を設けるにあたり、もし対向面11上にパーティクルが存在した場合は、基板Wを浮上させるために気体を噴出した時にこのパーティクルを巻き上げ、基板W上の塗布膜にパーティクルが付着するおそれがある。また、本実施形態では先述の通り矩形状の多孔質セラミックのブロックにより噴出ユニット10を形成し、基板W全体を均一の高さに浮上させられるようにしているが、この多孔質セラミックブロックは高価であるため、Y軸方向の幅が同等の超音波振動浮上装置7を設ける場合と比べて気体浮上装置6は高価になってしまう。
そこで、塗布膜が基板Wの振動の影響を受けにくくなった後は、超音波振動浮上装置7を配置して熱処理することにより、パーティクルの巻き上げを抑え、さらに製作コストを抑えることができる。
したがって、塗布装置Dの直後の位置には必要最小限の個数の気体浮上装置6で形成した気体浮上領域4を設け、その下流側は超音波振動浮上領域5を設けて熱処理装置1を構成することが、基板Wの品質の面およびコスト面から見て最も効果的であると言える。
また、熱処理装置1は、上流側の塗布装置Dにより基板Wに塗布された塗布膜の乾燥の工程だけでなく、ヒータユニット31の設定温度をさらに高くして、塗布膜の焼成に適用することも可能である。また、ヒータユニット31内のカートリッジヒータなどを冷却材に置き換え、ヒータユニット31を冷却ユニットとして用いることにより、基板Wの冷却にも適用可能である。こうすることにより、図3に示すように基板Wの乾燥、焼成、冷却の工程を本発明の熱処理装置1のみで形成することが可能である。
次に、噴出板16および振動板21の配列方向による基板の加熱特性の違いを、図4を用いて説明する。
基板Wの寸法が大きい場合は、気体浮上装置6の噴出ユニット10および超音波振動浮上装置7の振動板部20は、1つの部材から構成することが不可能である場合がある。その場合、複数の噴出板16がXY平面上に並べられて噴出ユニット10が形成され、また、複数の振動板21がXY平面上に並べられて振動板部20が形成される。
ここで、図4(a)は、これら噴出板16(振動板21)同士の継ぎ目が基板搬送方向(Y軸方向)に沿うように噴出板16(振動板21)が配列された場合を示している。また、図4(a)の上側には、基板搬送方向と噴出板16(振動板21)の配列方向との関係を表した模式図を、下側には模式図上で表している基板W上のA点およびB点の2点における基板温度の変化を表すグラフ(加熱プロファイル)を示している。
噴出板16(振動板21)が複数枚配列されて噴出ユニット10(振動板部20)が形成されるとき、ヒータ部12(ヒータ部30)により噴出ユニット10(振動板部20)の全面が加熱されたとしても、継ぎ目の部分まで他の部分と同じ温度になることは困難であり、大抵、継ぎ目の部分の温度は他の部分の温度よりも低くなる。
ここで、図4(a)のように継ぎ目がY軸方向に沿っている場合、基板W上のA点のように、浮上搬送中、常に継ぎ目の上を通過する点が存在する。このような点における加熱プロファイルは、B点に代表するような継ぎ目以外の上を通過する点の加熱プロファイルに比べて低くなってしまう。すなわち、基板Wは全面を均一に加熱されず、塗布膜には継ぎ目に沿った筋状の乾燥ムラが発生するおそれがある。
これに対し、図4(b)のように継ぎ目22がY軸方向に対して傾きを有している場合、継ぎ目の上しか通過しない点が基板W上に存在することを回避することが可能である。この場合、各点とも継ぎ目の上を通過する際に若干基板温度が下がり、この温度が下がるタイミングは、たとえばA点とB点とで若干の差はあるものの、図4(b)の下側に示すように、加熱プロファイルはほぼ同一となる。そして、この状態においてさらに等速で基板Wが搬送されることにより、A点およびB点だけでなく基板W上の全ての点でほぼ同一の加熱プロファイルとすることができ、望ましい形態となる。
一方、搬送する基板Wの寸法が小さく、1つの噴出板16(振動板21)を用いて十分に噴出ユニット10(振動板部20)を形成できる場合は、無理に複数の噴出板16(振動板21)を用いずに、1つの噴出板16(振動板21)のみで噴出ユニット10(振動板部20)を形成すると良い。そうすることにより、上記のような継ぎ目による温度変化を考慮する必要が無くなり、容易に乾燥ムラを防ぐことが可能である。
以上説明した熱処理装置によれば、膜厚ムラを抑えて基板上の塗布膜を加熱、乾燥させることが可能である。
1 熱処理装置
2 浮上搬送路
3 搬送装置
4 気体浮上領域
5 超音波振動浮上領域
6 気体浮上装置
7 超音波振動浮上装置
10 噴出ユニット
11 対向面
12 ヒータ部
13 配管
14 ヒータ
15 噴出口
16 噴出板
20 振動板部
21 振動板
30 ヒータ部
31 ヒータユニット
32 スペーサ
40 超音波発生部
51 ハンド
52 進退機構
90 浮上加熱乾燥装置
91 振動板部
92 ヒータ部
93 超音波発生部
94 搬送装置
a 振幅
D 塗布装置
M 塗布膜
W 基板

Claims (2)

  1. 基板を浮上させる浮上搬送路と、
    前記浮上搬送路において浮上している基板を特定方向に搬送する搬送装置と、
    を備え、前記浮上搬送路が基板を浮上させながら基板へ熱処理を行い、前記搬送装置が当該浮上搬送路上の基板を搬送する熱処理装置であって、
    前記浮上搬送路は、
    噴出させた気体によって基板を浮上させる気体浮上領域と、
    超音波振動によって基板を浮上させる超音波振動浮上領域と、
    を有し、
    前記搬送装置は、前記特定方向に配列された前記気体浮上領域および前記超音波振動浮上領域へ基板を順番に搬送し、
    前記気体浮上領域および前記超音波振動浮上領域の基板と対向する面は、基板よりも大きく、
    基板は最初に前記気体浮上領域へ搬入されることを特徴とする、熱処理装置。
  2. 前記気体浮上領域は、前記気体の出口である噴出口が設けられた、基板の浮上時に基板と対向する対向面を有し、前記対向面の温度と前記噴出口から噴出した前記気体の温度とが同等であることを特徴とする、請求項1に記載の熱処理装置。
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