JP5893119B2 - クラック検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、クラックを高精度に検出するクラック検査装置に関するものである。
半導体基板などの薄板の測定対象物に振動を与え、測定対象物から発生した音を計測して解析し、測定対象物に形成されたクラック(欠陥)を検出する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術は、複数個所で固定又は半固定される測定対象物の、特定の一箇所を直接加振し、当該加振によって振動する測定対象物から放射される音波の周波数特性を計測し、当該計測結果を所定の特徴量に対して解析するものである。すなわち、特許文献1に記載の技術は、測定対象物から放射される音波の周波数特性を計測し、クラックの無い測定対象物の周波数特性と、クラックの有る測定対象物の周波数特性とを比較する解析を実施することで、クラックの検出を行うものである。
特開2003−14708号公報(たとえば、段落[0016]〜[0024]参照)
特許文献1に記載の技術は、特定の一箇所のみを加振させるものであるため、測定対象物の全体を加振しにくかった。すなわち、特許文献1に記載の技術では、測定対象物の加振させた位置から、振動が測定対象物の全体に伝搬されるので、たとえば、測定対象物の厚さや反りなどの形状、及び測定対象物の素材などによって、当該振動が減衰し、測定対象物の振動にバラツキが生じて、クラックの検出精度が低下してしまう可能性があった。
また、特許文献1に記載の技術は、測定対象物の支持点が多数存在するため測定対象物の振動が減衰されやすく、測定対象物が部分的な振動となってしまう可能性があった。
また、特許文献1に記載の技術は、測定対象物の支持点によって振動が減衰されることを抑制するために支持位置を変化させる手段も記載されているが、支持位置を変化させる作業に要する時間の分だけ、ランニングコストが増加してしまう可能性があった。
さらに、特許文献1に記載の技術は、測定対象物の固有振動数と、クラック部分で発生する音響的な周波数特性とを分離する解析手段を採用していなかった。すなわち、特許文献1に記載の技術は、クラックと関係の無い、測定対象物の固有の振動周波数もクラックとして検出してしまい、クラックの検出精度が低下してしまう可能性があった。
本発明は、以上のような課題のうちの少なくとも1つを解決するためになされたもので、クラックの検出精度を向上させるクラック検査装置を提供することを目的としている。
本発明に係るクラック検査装置は、超音波振動子、及び超音波振動子に振動させられて超音波帯域の音響波を放射し、測定対象物に接触しないで振動させる振動板と、測定対象物の両端部側に測定対象物と接触して設けられ、測定対象物側に向かって先細る頂部を有し、測定対象物を当該頂部の上に浮揚可能に保持する支持部と、測定対象物の振動を検出する変位信号検出手段と、測定対象物を挟んで振動板の反対側に設けられ、測定対象物から放射される音響信号を検出する音響信号検出手段と、変位信号検出手段及び音響信号検出手段の検出結果を解析する解析部と、を備え、解析部は、変位信号検出手段の検出結果の周波数特性、及び音響信号検出手段の検出結果の周波数特性を算出し、当該算出されたこれらの周波数特性の相関関係に基いて、設置される測定対象物のクラックの有無を判定するものである。
本発明に係るクラック検査装置によれば、測定対象物に音響波を放射して全面振動させるので、測定対象物を均一に振動させることが可能となり、クラックの検出精度を向上させることができる。
本発明の実施の形態1に係るクラック検査装置の概略構成例である。 図1に示すクラック検査装置の振動板の振動モードの説明図である。 図1に示すクラック検査装置の支持部片の近傍の構成例である。 図1に示すクラック検査装置の音場の波長状態の概念図である。 図1に示すクラック検査装置の振動板の振動モード及び音場における疎密波の状態の説明図である。 図1に示すクラック検査装置の計測及び解析手順の説明図である。 図1に示すクラック検査装置の計測及び解析結果の分析方法を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るクラック検査装置の概略構成例である。 本発明の実施の形態2に係るクラック検査装置の図8とは異なる概略構成例である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るクラック検査装置100の概略構成例である。図2は、図1に示すクラック検査装置100の振動板15A、15Bの振動モードの説明図である。図3は、図1に示すクラック検査装置100の支持部片30の近傍の構成例である。図4は、図1に示すクラック検査装置100の音場60の波長状態の概念図である。図5は、図1に示すクラック検査装置100の振動板15A、15Bの振動モード及び音場60における疎密波の状態の説明図である。図1〜図5を参照して、クラック検査装置100の構成について説明する。
本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、たとえば半導体基板などの薄板である測定対象物20を振動させることで音波を測定対象物20から放射させる構成、及び当該音波の解析方法に改良が加えられ、これにより測定対象物20のクラックを高精度に検出する機能を有する。
[構成説明]
(クラック検査装置100)
クラック検査装置100は、図1に示すように、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)などの圧電素子10aが設けられた超音波振動子10A及び圧電素子10bが設けられた超音波振動子10Bと、超音波振動子10Aによって振動させられる振動板15A及び超音波振動子10Bによって振動させられる振動板15Bと、超音波振動子10Aと振動板15Aとの間に設けられるホーン11A及び超音波振動子10Bと振動板15Bとの間に設けられるホーン11Bとを有している。
また、クラック検査装置100は、測定対象物20を支持する弾性支持部35と、弾性支持部35が固定される支持部片30とを有している。
さらに、クラック検査装置100は、振動による測定対象物20の変位を測定する変位信号検出手段200と、音波(音響信号)を検出する音響計測手段205と、圧電素子10a及び圧電素子10bにパルス電圧を供給する入力制御手段50と、変位信号検出手段200及び音響計測手段205の検出結果を解析する解析部51とを有している。
そして、このクラック検査装置100は、設置された測定対象物20に超音波を放射して、変位及び音響信号を検出することで、測定対象物20に発生したクラックを検出可能となっている。
(超音波振動子10A)
超音波振動子10Aは、振動板15Aを振動させるものである。実施の形態1では、超音波振動子10Aがランジュバン構造である場合を例に説明する。超音波振動子10Aの一端面にはホーン11Aが、溶接や接着剤などで固定されている。なお、この固定方法については、特に限定されるものではないが、たとえば溶接や接着剤などで固定するとよい。また、超音波振動子10Aはたとえば28kHzで振動する圧電素子10aを有している。なお、圧電素子10aは、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)素子であるものとして説明するが、それに限定されるものではない。
(超音波振動子10B)
超音波振動子10Bは、超音波振動子10Aと異なる周波数で振動する。すなわち、この超音波振動子10Bは、たとえば56kHzで振動する圧電素子10bを有している。
また、超音波振動子10Bの一端面にはホーン11Bが溶接や接着剤などで固定される。これら以外の点では、超音波振動子10Bは、超音波振動子10Aと同様の構成を有するものである。
(振動板15A)
振動板15Aは、たとえば金属板で構成され、測定対象物20を間接的に振動させるものである。すなわち、振動板15Aは、超音波振動子10Aの振動が伝達されることで振動し、振動板15Aと測定対象物20との間に形成される空間を介して、自身の振動による音波(疎密波、音響流、進行波)を測定対象物20に伝達させるものである。
振動板15Aはホーン11Aのうち超音波振動子10Aが接続された側の反対側の端面に固定されている。なお、この固定方法については、特に限定されるものではないが、たとえば溶接や接着剤などで固定するとよい。
振動板15Aはホーン11A及び超音波振動子10Aと組み合わせられた状態で、28kHzの振動を加えられると、図5に示すような、振動モードで振動するように構成されたものである。なお、振動板15Aの所定の振動モードの一波長は12.14mmとなっている。
振動板15Aと測定対象物20とは、図4に示すように、振動板15Aの振動モードの1/4波長である3.035(mm)空けて設けられている。このとき、この測定対象物20が設けられる位置は、振動板15Aから放射される疎密波の「疎」に対応する部分である。
(振動板15B)
振動板15Bは、超音波振動子10Bの振動が伝達されることで振動するものであり、たとえば56kHzで振動する圧電素子10bを有しているものである。また、振動板15Bには、ホーン11Bのうち超音波振動子10Bが接続された側の反対側の端面に固定されている。
振動板15Bは、超音波振動子10Bと組み合わせられた状態で、56kHzの振動を加えられると、図5に示すような、振動モードで振動するように構成されたものである。なお、振動板15Bの振動モードの一波長は6.07mmとなっている。
振動板15Bと測定対象物20とは振動板15Bの振動モードの1/4波長である1.52(mm)空けて設けられている。このとき、この測定対象物20が設けられる位置は、振動板15Aから放射される疎密波の「疎」に対応する部分である。
これら以外の点では、振動板15Bは、振動板15Aと同様の構成を有するものである。
(振動板15A、15Bの振動について)
振動板15A、15Bは、その音圧レベルが、Peak−To−Peakで140(dB)以上となる疎密波を、超音波振動子10A、10Bに振動させられることで放射するものである。
これにより、振動板15A、15Bの間に形成される空間には、140(dB)以上の音圧レベルの音場60が形成され、振動板15A、15Bの振動周波数に起因する疎密波が発生する。なお、振動板15A、15Bが疎密波を放射する対象は、クラック検査装置100の設置される任意の空間であり、この疎密波が放射される任意の空間を音場60と称する。そして、音場60は、任意の空間を有しており、一定間隔で「疎(図1及び図4の空白部分)」、「密(図1及び図4の点線部分)」の波長空間が存在する。
振動板15A、15Bの寸法についてであるが、仮に、測定対象物20よりも振動板15A、15Bが大きい場合には、振動板15A、15Bより放射される音波が空間上で干渉することになり、位相によっては波長の乱れが生じ、不要な音が発生してしまうことがある。また、音響的な「回折現象」が測定対象物20の端部で発生してしまい、不要な音が発生してしまうことがある。そこで、振動板15A、15Bの寸法は、測定対象物20よりも小さく構成するとよい。なお、振動板15A、15Bをどの程度小さくするかであるが、振動板15Aについては、振動板15Aの振動モードの1/2波長以下だけ小さくし、さらに、小さくした際に振動板15Aの最端部の振動状態が「節」に近づくようにする。振動板15Bについても同様に、振動板15Bの振動モードの1/2波長以下だけ小さくし、さらに、小さくした際に振動板15Bの最端部の振動状態が「節」に近づくようにする。これにより、測定対象物20から不用な音発生などが発生することを抑制することができ、音響計測手段205に雑音が乗ってしまうことを抑制できる。
振動板15A、15Bは、図2に示すように、振動板15A、15Bの最端部が「節」になるように寸法を構成するとよい。これは、振動板15A、15Bの最端部が「腹」となってしまうと、最端部が振動することにより端部共振を起こしてしまい、異音が発生(笛と同じ現象)し、音響計測手段205に雑音が乗ってしまうことを抑制するためである。
ここで、振動板15A、15Bを、異なる振動数で振動させるとともに、振動板15Aの振動モードの「節」と、振動板15Bの振動モードの「腹」とが重なるように振動させるとよい。これにより、振動板15Aの振動モードの疎密波と、振動板15Bの振動モードの疎密波とが、補い合うことになる。たとえば、振動板15Aの振動モードの疎密波だけでは振動させることができない部分を、振動板15Bの振動モードの疎密波が補うことができるということである(振動の複雑化)。これにより、測定対象物20に振動しない部分が発生することを抑制し、測定対象物20を均一に振動(全面振動)させることができる。
なお、仮に、振動板15A、15Bの周波数が同じであると、振動板15Aから放射される疎密波と、振動板15Bから放射される疎密波とが、測定対象物20を振動させる部分が一致してしまいやすく、測定対象物20に振動しない部分が発生する場合がある。
また、仮に、振動板15A、15Bの振動数が異なっても、振動板15Aの振動モードの「節」と、振動板15Bの振動モードの「腹」とが重なるように振動させないと、やはり、振動させることができない部分を補い合う効果を充分に得られない可能性がある。
なお、振動モードの「節」は、その部分では、振動板15A、15B自体の「振動はない」が、音圧的には「密」となっている部分である。また、振動モードの「腹」は、その部分では、振動板15A、15B自体に「振動はある」が、音圧的には「疎(空白部分)」となっている部分である。
なお、振動板15A、15Bについては、報告書(日本音響学会誌50巻9号(1994)pp.677-684「格子モード方形たわみ振動板を用いた空中超音波音源」)において記載されており、この報告書に示される計算によって得られる格子モード状態で振動板15A、15Bは振動する。
(ホーン11A)
ホーン11Aは、超音波振動子10Aから発生する振動の振幅を増幅する機能を有するものである。このホーン11Aは一端側が超音波振動子10Aに固定され、他端側が振動板15Aに固定されている。
また、ホーン11Aは、超音波振動子10A及び振動板15Aが固定される両端側が連通するように開口形成され、内部に音響通路(超音波振動子10Aの振動を増幅する通路)が形成されているものである。
さらに、ホーン11Aは、図1に示すように、たとえば縦断面が台形形状となるよう構成し、超音波振動子10A側から振動板15A側に向かうにしたがって縮径されているとよい。
(ホーン11B)
ホーン11Bは、一端側が超音波振動子10Bに固定され、他端側が振動板15Bに固定されている。これら以外の点では、ホーン11Bは、ホーン11Aと同様の構成を有するものである。
なお、本実施の形態1ではホーン11A、11Bが設けられる場合を例に説明しているが、それに限定されるものではない。すなわち、入力制御手段50の出力電圧を上げて圧電素子10a、10bの振動を大きくしたり、振動板15A、15Bをたとえばアルミなどのように密度が小さく、弾性が高いもので構成すれば、ホーン11A、11Bが設けられなくともよい。ホーン11A、11Bが設けられない場合においては、超音波振動子10A、10Bの先端面と振動板15A、15Bとを固定すればよい。
(弾性支持部35)
弾性支持部35は、測定対象物20を支持するものである。弾性支持部35は、図1に示すように、測定対象物20が固定された状態において、測定対象物20の両端部側にそれぞれ設けられ、その底面が支持部片30に固定されている。このように、弾性支持部35がたとえば測定対象物20の中央部などに設けられていないのは、弾性支持部35によって測定対象物20が音場60に曝されることが妨げられてしまい、振動板15A、15Bと測定対象物20との間に放射される音波が遮られてしまうことを抑制するためである。
弾性支持部35は、図3に示すように、たとえば断面が三角形とし、その三角形の頂点のうちの1つである頂部37によって、測定対象物20を「点設置」することができるように構成するとよい(接点の最小化)。
このように、「点設置」とすることで、弾性支持部35と測定対象物20との接触部から異音が発生することが抑制され、音響計測手段205に雑音が乗ってしまうことを抑制できる。また、「点設置」である分、測定対象物20の振動の減衰が抑制されるため、確実に測定対象物20から音響計測手段205に音響信号が放射される。
また、測定対象物20が振動しているときには、変位する「腹」の部分と、変位しない「疎」の部分とを有しているが、頂部37は「疎」の部分に設置するものとする。これにより、測定対象物20の振動の減衰が抑制され、確実に測定対象物20から音響計測手段205に音響信号が放射される。
このように、弾性支持部35は、測定対象物20の振動の減衰を抑制するため、測定対象物20の支持位置を変化させるなどの作業が必要ない分、ランニングコストの増加を抑制することができる。
弾性支持部35は、硬度50以上のゴム系材料で構成するとよい。なお、弾性支持部35の成型時において、加硫材が80%以上となるように、ゴム原料材と加硫材とを混錬して構成するとよい。これにより、ゴム材料同士の密度が上がり、弾性(反発係数)を大きくすることができる(高硬度化)。このように、弾性支持部35の弾性が非常に高くなると、測定対象物20は頂部37で振動した際に当該振動が吸収されることが抑制されるため、測定対象物20を任意の疎密波の力で弾ませることが可能となる。
(支持部片30)
支持部片30は、図1及び図3に示すように、測定対象物20を支持する弾性支持部35を固定するものである。支持部片30は、図1に示すように、測定対象物20の両端部側に少なくとも1つずつ、合計2つ設けられるものである。なお、支持部片30の数はそれに限定されるものではなく、たとえば測定対象物20の両端部側に2つずつ以上、合計4つ以上設けられていてもよい。
(変位信号検出手段200)
変位信号検出手段200は、振動による測定対象物20の変位を測定するものである。この変位信号検出手段200の設置位置は、測定対象物20の端部側の上部などに設けられる。これにより、変位信号検出手段200によって測定対象物20が音場60に曝されることが妨げられてしまい、振動板15A、15Bと測定対象物20との間に放射される音波が遮られてしまうことを抑制できる。
この変位信号検出手段200は、たとえばレーザドップラー計測などによって、測定対象物20の変位を非接触で計測することができるものであり、所定の周波数における振動板の速度、加速度を得ることができる。
(音響計測手段205)
音響計測手段205は、たとえば計測用の無指向性マイクロホンで構成され、音波(音響信号)を検出するものである。
この音響計測手段205は、たとえば測定対象物20の端部側の表裏に、それぞれ1つずつ、合計2つ設けられている。これにより、音響計測手段205によって測定対象物20が音場60に曝されることが妨げられてしまい、振動板15A、15Bと測定対象物20との間に放射される音波が遮られてしまうことを抑制できる。
なお、音響計測手段205の数は、2つに限定されるものではなく、測定対象物20の端部側の表裏にそれぞれ2つ以上設けられていてもよいし、測定対象物20の端部側の表裏のうちの一方に1つだけ設けられていてもよい。
ここで、音響計測手段205を1つだけ設ける場合には、音波の検出精度が低下する可能性もある。そこで、この場合には、測定対象物20の面上にマイクロホンが来るように設置するのではなく、限りなく側面に近づけて配置するとよい(図示せず)。これにより、測定対象物20の表裏から発生する音を確実に検出しながら、振動板15A、15Bと測定対象物20との間に放射される音波が遮られてしまうことを抑制できる。
また、音響計測手段205は、測定帯域に対応できるマイクロホンであれば特に限定されるものではない。
入力制御手段50は、圧電素子10a及び圧電素子10bにパルス電圧を供給するものである。
解析部51は、変位信号検出手段200及び音響計測手段205の検出結果を解析するものである。この解析部51は、変位信号検出手段200及び音響計測手段205の検出結果に対してFFT(Fast Fourier Transform)解析を実施し、その解析結果に基づいて寄与率性の計算を実施し、さらに、測定対象物20から放射される音響信号のうち、クラック成分の分離するものである。なお、FFT解析、寄与率性の計算、及びクラック成分の分離については、後述の図6及び図7の説明で詳細に説明する。
(測定対象物20)
測定対象物20は、振動板15A、l5Bより放射された音波により、振動させられるものである。すなわち、測定対象物20は、振動板15A、15Bから放射される強力な音圧レベルの音波にさらされて、測定対象物20の表裏が非接触で加振されている。
この測定対象物20は、クラックの有無の検出時において頂部37上に保持されるものであるが、加振された状態でこの頂部37上で適度に浮揚可能に保持されている。これにより、測定対象物20の振動が減衰されることが抑制されるとともに、測定対象物20が均一に振動(全面振動)する。
また、測定対象物20は、振動板15Aと振動板15Bの間の空間の疎密波の「疎」となる部分に設置される。これにより、振動板15A、15Bから放射される音波が、測定対象物20の表裏に放射され、測定対象物20が均一に振動する。
そして、測定対象物20は振動させられることにより、その表面や内部空間などに存在するクラック部分が摺動し、それに伴う摺動音が発生する。クラック検査装置100は、音響計測手段205の検出結果のうち、この摺動音に対応する音波を分離し、クラックの検出精度を向上させるものである。
[動作説明]
図6は、図1に示すクラック検査装置100の計測及び解析手順の説明図である。図7は、図1に示すクラック検査装置100の計測及び解析結果の分析方法を説明する図である。図6及び図7に基づいて、クラック検査装置100の計測及び解析の方法について説明する。
(計測)
まず、クラック検査装置100は、図6に示すように、「計測手段」により振動板15A、15Bの変位検出及び音場60の音響信号の検出をする。すなわち、クラック検査装置100は、変位信号検出手段200で、測定対象物20の表面の振動速度を検出し、音響計測手段205で、振動している測定対象物20から放射される音響信号を検出するということである。
(FFT解析)
次に、クラック検査装置100は、「解析手段」により、「計測手段」の検出結果に対してFFT解析である「相互相間計測」を実施する。すなわち、クラック検査装置100は、解析部51で、変位信号検出手段200の検出結果に対してFFT解析を実施してその解析結果を出力する(図7(a))とともに、音響計測手段205の検出結果に対してFFT解析を実施してその解析結果を出力する(図7(b))ということである。
なお、図7(a)及び図7(b)に示すように、変位信号検出手段200の検出結果及び音響計測手段205の検出結果には、測定対象物20の振動に寄与する振動、及び音響特性だけに寄与する振動に分類することができる。
詳細には、f1が超音波振動子10A、10Bの基本振動周波数に対応するピークであり、f2が超音波振動子10A、10Bの次数振動周波数に対応するピークである。また、f3は定期的に発生する固有振動周波数に対応するピークである。さらに、f4は測定対象物20から放射される音放射成分である。
(寄与率性の計算)
その後、クラック検査装置100は、「解析手段」のFFT解析の結果に対して「寄与率計測」を実施する。すなわち、クラック検査装置100は、変位信号検出手段200の検出結果に対するFFT解析結果(図7(a))と、音響計測手段205の検出結果に対するFFT解析結果(図7(b))との寄与率性(コヒーレンス性)についての計算を実施し、当該計算結果を出力する(図7(c))。
なお、寄与率性についての計算とは、変位信号検出手段200の検出結果と、音響計測手段205の検出結果との振幅、位相の相関関係の強さについて計算することを指す。具体的には、変位信号検出手段200の検出結果に対するFFT解析結果(図7(a))と、音響計測手段205の検出結果に対するFFT解析結果(図7(b))との相関関係の強さの計算をすることに対応している。たとえば、ある周波数における振動速度と音圧レベルとはともに特異のピークを有しているが、そのピークの周波数が一致しているほど相関関係が強いことになり、その分、その周波数における寄与率性の値が大きくなる。
一方、図7(b)では、f4に示すピークの周波数帯において、測定対象物20からの音放射成分が出力されている。一方、図7(a)では、f4に示すピークの周波数帯においてピークを有していない。これにより、f4で示すピークの周波数帯においては、寄与率性の値が小さくなる。
(クラック成分の分離)
そして、クラック検査装置100は、音響計測手段205の検出結果に対するFFT解析結果(図7(b))と、寄与率性の計算結果(図7(c))とに基づいて、測定対象物20から放射された音成分を抽出する。すなわち、寄与率の高い周波数成分を差分させて、寄与率の低い周波数成分だけを抽出すれば、測定対象物20のクラックに起因する摺動で発生した周波数特性を、不要な振動成分と分離する事ができるので、高精度にクラックの有無の検出をすることができる。
[実施の形態1に係るクラック検査装置100の有する効果]
本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、測定対象物20の両面側から音響波を放射して全面振動させるので、測定対象物を均一に振動させることが可能となり、クラックの検出精度を向上させることができる。
本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、振動板15A、15Bを異なる振動数で振動させるとともに、振動板15Aの振動モードの「節」と、振動板15Bの振動モードの「腹」とが重なるように振動させるため、測定対象物20を均一に振動させることができ、クラックの検出精度を向上させることができる。
本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、振動板15A、15Bと、測定対象物20とを接触させないで振動させるものである。これにより、従来のように直接加振させることにより、測定対象物20が極端に薄いなどを理由として、新たなクラックを生じてしまうことを抑制することができる。また、直接加振の打撃音が雑音として音響計測手段205に乗ってしまうことも抑制できる。
また、本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、仮に、頂部37の位置と測定対象物20のクラック位置が一致してしまっても、測定対象物20の表裏から疎密波が放射されるため、確実に測定対象物20を振動させることができる。
さらに、本実施の形態1に係るクラック検査装置100は、音響計測手段205の検出結果に対するFFT解析結果と、寄与率性の計算結果とに基づいて、測定対象物20から放射された音成分を抽出するので、測定対象物20のクラックに起因する摺動で発生した周波数特性を、不要な振動成分と分離する事ができるので、高精度にクラックの有無の検出をすることができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るクラック検査装置101の概略構成例である。図9は、実施の形態2に係るクラック検査装置101の図8とは異なる概略構成例である。なお、本実施の形態2では、実施の形態1と同一部分には同一符号とし、実施の形態1との相違点を中心に説明するものとする。
実施の形態1では、超音波振動子10A、10Bの合計2つの超音波振動子を設けた場合の例を示したが、本実施の形態2の図8及び図9に示すように超音波振動子を1つとしてもよい。実施の形態2は、測定対象物20が、たとえば弾性に富むなどにより、良く振動するようなものである場合に有効である。
図8が、測定対象物20の上側から疎密波を放射する構成であり、図9が測定対象物20の下側から疎密波を放射する構成である。
変位信号検出手段200Bは、図8及び図9に示すように測定対象物20の上側を測定するものであってもよいし、下側を測定するものであってもよい。
図8に示すように、音響計測手段205Bは、測定対象物20を挟んで、超音波振動子10A及び振動板15Aとは反対側に設けるとよい。これにより、超音波振動子10Aからの強力な音圧レベルの疎密波を直接入力させないようにすることができる。図9でも同様である。すなわち、図9に示すように、音響計測手段205Bは、測定対象物20を挟んで、超音波振動子10B及び振動板15Bとは反対側に設けるとよい。これにより、超音波振動子10Bからの強力な音圧レベルの疎密波を直接入力させないようにすることができる。
ここで、音響計測手段205Bには無指向性マイクロホンを採用することで、測定対象物20で発生しているクラックに起因する音成分を、どの方向に対しても一様に検出することが可能となる。したがって、測定対象物20を挟んで、超音波振動子10A、10B及び振動板15A、15Bとは反対側に設けられるのであれば、特に音響計測手段205Bの位置は限定されるものではない。
なお、測定対象物20のクラックの大きさが小さいほどに、音響計測手段205Bは、微少な音圧レベル(音響レベル)の変化の検出を要する。そこで、音響計測手段205Bは、測定対象物20にぶつからない程度になるべく近傍に配置することで、微小な音圧レベルの変化を検出することが可能となる。
[実施の形態2に係るクラック検査装置101A、101Bの有する効果]
本実施の形態2に係るクラック検査装置101A、101Bにおいても、実施の形態1に係るクラック検査装置100と同様の効果を得ることができる。すなわち、本実施の形態2に係るクラック検査装置101A、101Bは、測定対象物20に接触しないように、測定対象物20の全体に音響波を放射するので、測定対象物20を均一に振動させることが可能となり、クラックの検出精度を向上させることができる。
10A 超音波振動子(第1超音波振動子)、10B 超音波振動子(第2超音波振動子)、10a 圧電素子、10b 圧電素子、11A ホーン、11B ホーン、15A 振動板(第1振動板)、15B 振動板(第2振動板)、20 測定対象物、30 支持部片、35 弾性支持部、37 頂部(支持部)、50 入力制御手段、51 解析部、60 音場、100、101、101A、101B クラック検査装置、200、200B 変位信号検出手段、205、205B 音響計測手段。

Claims (6)

  1. 超音波振動子、及び前記超音波振動子に振動させられて超音波帯域の音響波を放射し、測定対象物に接触しないで振動させる振動板と、
    前記測定対象物の両端部側に前記測定対象物と接触して設けられ、前記測定対象物側に向かって先細る頂部を有し、前記測定対象物を当該頂部の上に浮揚可能に保持する支持部と、
    前記測定対象物の振動を検出する変位信号検出手段と、
    前記測定対象物を挟んで前記振動板の反対側に設けられ、前記測定対象物から放射される音響信号を検出する音響信号検出手段と、
    前記変位信号検出手段及び前記音響信号検出手段の検出結果を解析する解析部と、
    を備え
    前記解析部は、
    前記変位信号検出手段の検出結果の周波数特性、及び前記音響信号検出手段の検出結果の周波数特性を算出し、当該算出されたこれらの周波数特性の相関関係に基いて、設置される前記測定対象物のクラックの有無を判定する
    ことを特徴とするクラック検査装置。
  2. 前記支持部は、
    ゴム系材料で構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のクラック検査装置。
  3. 前記ゴム系材料は、
    硬度50以上である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のクラック検査装置。
  4. 前記支持部は、
    ゴム原料材と加硫材とが混練されて構成されている
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載のクラック検査装置。
  5. 前記解析部は、
    前記音響信号検出手段の前記周波数特性の成分のうち、前記変位信号検出手段の前記周波数特性の成分と対応するものを、前記測定対象物のクラックに起因しない成分であると判定する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のクラック検査装置。
  6. 前記解析部は、
    前記音響信号検出手段の前記周波数特性の成分のうち、前記変位信号検出手段の前記周波数特性の成分と対応しないものを、前記測定対象物から放射されたクラックに起因する成分であると判定する
    ことを特徴とする請求項5に記載のクラック検査装置。
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