JPH11223623A - 材料物性測定装置 - Google Patents

材料物性測定装置

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JPH11223623A
JPH11223623A JP10023586A JP2358698A JPH11223623A JP H11223623 A JPH11223623 A JP H11223623A JP 10023586 A JP10023586 A JP 10023586A JP 2358698 A JP2358698 A JP 2358698A JP H11223623 A JPH11223623 A JP H11223623A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数が10kHz以上における振動特性の
測定を可能とするとともに、振動特性の検出精度を向上
させる。 【解決手段】 被測定物2を固定するとともに被測定物
2を振動させる積層圧電素子を有する固定振動手段3
と、固定振動手段3で振動されている被測定物にレーザ
光を照射し、ドップラー効果を用いて被測定物の振動を
検出する振動検出手段5と、振動検出手段5からの検出
結果を用いて、被測定物2のヤング率及び損失係数を演
算する演算手段6とを備える。ここで、固定振動手段3
としては積層圧電アクチュエータを用い、振動検出手段
5としてはレーザドップラー振動計を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種材料の動的ヤ
ング率、損失係数を測定する材料物性測定装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来において、被測定材料のヤング率、
損失係数を求めるときには、機械的共振法と称される手
法を用いていた。この機械的共振法とは、短冊状に成形
された被測定材料片を強制的に加振してヤング率、損失
係数を求める。すなわち、この機械的共振法とは、強制
的に加振して、振動特性を検出することで、被測定材料
片の共振周波数及び尖鋭度を求め、被測定材料片の寸
法、質量密度等から損失係数を求める手法である。
【0003】この機械的共振法によれば、被測定材料片
のヤング率E、損失係数ηは下記の式1、式2にしたが
って求められる。 E=48π2ρL4fn2/T2λn4 (1) η=(△fn)/fn (2) ここで、nは共振モードの次数、ρは被測定材料片の密
度[kg/m3]、Lは振動の有効長[m]、fnはn
次の共振周波数[Hz]、Tは被測定材料片の厚さ
[m]である。λnは定数でありn=1,2,3・・・
に対して1.875,4.694,7.855・・・という値を示す。△
fnはn次の振動モードにおける半値幅である。
【0004】この機械的共振法で用いる被測定材料片1
00としては、図15に示すように試験材料101のみ
からなるものや、図16に示すように試験材料101と
基板102とからなる2層構造のものを用いる。これ
は、ヤング率が低いものや、損失係数の大きいものを測
定するためである。この図16に示した被測定材料片1
00は、試験材料101を基板102上に接着すること
で作成される。そして、この機械的共振法では、試験材
料101と基板102とからなる被測定材料片100の
ヤング率、損失係数を測定し、これらの値から試験材料
101のヤング率、損失係数を求める。ここで、基板1
02としては、損失係数が非常に小さく略々0と見なせ
る材料を用いているが、基板102の損失係数を考慮す
ると、試験材料101のヤング率、損失係数は下記の式
3、式4にしたがって求められる。 E1=[(α-β)+{(α-β)-4T2(1-α)}1/2]E2/2T3 (3) η1=η2+(1+MT)(1+4MT+6MT2+4MT3+M2T4)(ηc-η2)/MT(3+6T+4T2+2MT3+M2T4) (4) ここで、E1,E2は試験材料101,基板102のヤング
率である。T1,T2は試験材料101,基板102の厚さ
であり、MはE1/E2で表現され、TはT1/T2で表現される。
fnc,fn2はそれぞれ試験材料101、基板102のn次
の共振周波数であり、αは(fnc/fn2)2(1+DT),βは4+6T+
4T2で表現される。また、D=σ1/σ2であり、σ1,σ2は
試験材料101、基板102の密度である。η1、η2、
ηcは試験材料101、基板102、被測定材料片10
0の損失係数である。
【0005】この機械的共振法により試験材料101の
ヤング率、損失係数を求めるときには、図17に示すよ
うな電磁式材料物性測定装置110が使用される。この
ような電磁式材料物性測定装置110で被測定材料片1
00のヤング率、損失係数を求めるときには、短冊状に
成形した被測定材料片100の一方の端部をクランプ部
111に固定し、他方の端部を電磁加振器112を用い
て図17中のA方向に加振する。このとき、電磁式振動
検出器113を用いて被測定材料片100の振動を検出
し、FFT(fast fourier transform)又は周波数アナ
ライザを用いて動的ヤング率、損失係数を算出する。こ
こで、加振器112の加振周波数は約10kHz以下で
ある。なお、この図17に示した電磁式材料物性測定装
置110では、被測定材料片100が磁性体であること
を要する。
【0006】一方、被測定材料片100が非磁性材料で
あるときには、図18に示すような電磁式材料物性測定
装置120を用いてヤング率、損失係数を求める。この
図18に示した電磁式材料物性測定装置120は、上述
した図17の電磁式材料物性測定装置110と略同一の
構成となっており、異なる点は、被測定材料片100が
非磁性体であることから、電磁式振動検出部113及び
電磁式加振器112を機能させるために被測定材料片1
00に磁性材料片121を接着している点である。
【0007】また、被測定材料片100が非磁性体であ
る場合の他のヤング率、損失係数の測定方法としては、
図19に示すように、静電ピックアップを用いた材料物
性測定装置130を用いる方法がある。この材料物性測
定装置130では、被測定材料片100の一方の端部を
電磁式加振器131に固定し、他方の端部の上方に配さ
れた静電ピックアップ132で振動を検出する。このと
き、静電ピックアップ132は、放出する静電気を検出
することで被測定材料片100との距離を検出して、被
測定材料片100の振動特性を検出する。また、静電ピ
ックアップ132は、被測定材料片100の幅方向にお
ける全面に相当する大きさを有して被測定材料片100
の上方に配設される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
図17に示した電磁式材料物性測定装置110では、加
振法、検出法として電磁式を採用しているので、非磁性
材料の加振、振動検出が不可能であり、従って非磁性材
料の測定はできない。
【0009】また、上述の図17及び図18に示した電
磁式材料物性測定装置110,120では、装置の構成
上、薄い材料や、柔らかい材料の加振は非常に困難であ
る。さらに、図18に示した電磁式材料物性測定装置1
20では、被測定材料片100の一部に磁性体を接着し
て測定を行う必要があり、測定精度を劣化させてしま
う。
【0010】また、上述の図19に示した材料物性測定
装置130では、被測定材料片100を振動させて振動
特性を測定すると、図20に示すようにノイズAを生じ
てしまう。すなわち、この材料物性測定装置130で
は、静電ピックアップ132が被測定材料片100の短
軸方向における全面に相当する大きさを有して被測定材
料片100の上方に配設されているので、例えば測定に
必要な曲げ振動以外に、ねじれ振動も検出してしまう。
その結果、この材料物性測定装置130では、振動特性
の測定精度を向上させることが困難という問題がある。
【0011】さらに、上述したいずれの測定装置11
0,120,130においても、加振器が約10kHz
程度までしか被測定材料片100を加振させることがで
きず、それ以上高周波における振動特性の測定が行えな
い、という不都合がある。
【0012】そこで、本発明は、上述したような実情に
鑑みて提案されたものであり、周波数が10kHz以上
における振動特性の測定を可能とするとともに、振動特
性の検出精度を向上させた材料物性測定装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決する本
発明に係る材料物性測定装置は、被測定物を固定すると
ともに被測定物を振動させる積層圧電素子を有する固定
振動手段と、固定振動手段で振動されている被測定物に
レーザ光を照射し、ドップラー効果を用いて被測定物の
振動を検出する振動検出手段と、振動検出手段からの検
出結果を用いて、被測定物のヤング率及び損失係数を演
算する演算手段とを備えることを特徴とするものであ
る。
【0014】このような材料物性測定装置は、圧電素子
を用いた固定振動手段で固定された被測定物を振動させ
るとともに、振動検出手段で被測定物の振動を検出し、
この振動検出手段で検出された結果を用いて被測定物の
ヤング率及び損失係数を演算する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、第1の実施の形態に係る材料物性
測定装置1を示す図である。この材料物性測定装置1
は、被測定材料片2を備えた積層圧電アクチュエータ3
と、積層圧電アクチュエータ3に駆動電圧を供給する駆
動信号発生部4と、レーザードップラー振動計5と、こ
れら各部を制御する制御部6とを備える。
【0017】積層圧電アクチュエータ3は、クランプ用
治具7とクランプ用ねじ8とからなるクランプ部9を備
える。この積層圧電アクチュエータ3は、このクランプ
部9で短冊状に成形された被測定材料片2の長軸方向に
おける一方の端部(固定端)2aを固定している。この
積層圧電アクチュエータ3の被測定材料片2の固定端2
aは、被測定材料片2の振動特性を測定するときの測定
周波数より高くなるようになされている。
【0018】積層圧電アクチュエータ3は、積層圧電素
子を備えており、この積層圧電素子に駆動信号発生部4
からの駆動電圧が供給される。この積層圧電アクチュエ
ータ3は、駆動信号発生部4からの駆動電圧に応じて積
層圧電素子が伸縮され、被測定材料片2の他方の端部
(自由端)2bを約数Hz〜100kHz程度の周波数
fで振動させる。この積層圧電アクチュエータ3は、駆
動電圧に応じて一定の振動方向Aにのみ被測定材料片2
を振動させる。
【0019】なお、本実施の形態においては、被測定材
料片2の端部のうち、積層圧電アクチュエータ3により
固定されている端部を「固定端2a」と称し、積層圧電
アクチュエータ3により振動される端部を「自由端2
b」と称する。
【0020】この積層圧電アクチュエータ3で振動され
る被測定材料片2は、1次共振周波数で振動されている
ときには図2(a)で示すように変形して振動され、2
次共振周波数で振動されているときには図2(b)で示
すように変形して振動され、3次共振周波数で振動され
ているときには図2(c)で示すように変形して振動さ
れる。この被測定材料片2は、このように共振周波数に
応じて振動時の形状が変形されることで、自由端2bの
振動速度が変化することとなる。
【0021】積層圧電アクチュエータ3は、図1に示す
ように、固定ブロック10と接続されている。この固定
ブロック10は、質量密度、損失係数ともに大きいもの
で構成されている。
【0022】駆動信号発生部4は、制御部6からの制御
信号に応じて積層圧電アクチュエータ3を駆動させるた
めの駆動電圧を発生する。この駆動信号発生部4は、被
測定材料片2に対する積層圧電アクチュエータ3の加振
力を一定とするために、制御部6からの一定の電圧を示
す制御信号に対して被測定材料片2を振動させる周波数
fの2乗を除算処理することで駆動電圧を生成して積層
圧電アクチュエータ3に供給する。
【0023】レーザードップラー振動計5は、図3に示
すように、レーザ光を出射する光源11と、光源11か
ら出射されたレーザ光を被測定材料片2に導くとともに
被測定材料片2からの戻り光を検出する光学系12,1
3と、所定の周波数で光源11からのレーザ光を変調す
る変調器14と、被測定材料片2からの戻り光及び変調
器14で変調されたレーザ光が入射されるフォトダイオ
ード15とから構成されている。
【0024】レーザードップラー振動計5は、光源11
からのレーザ光を短冊状に成形された被測定材料片2の
自由端2bの短軸方向Bにおける中央位置Cに照射す
る。そして、このレーザードップラー振動計5は、被測
定材料片2からの戻り光を検出することで、被測定材料
片2の振動状態を検出する。
【0025】すなわち、レーザードップラー振動計5
は、制御部6からの制御信号に応じて光源11から周波
数f0のレーザ光を出射し、光学系12,13で積層圧
電アクチュエータ3に固定されている被測定材料片2に
照射する。そして、このレーザードップラー振動計5で
は被測定材料片2からの戻り光をフォトダイオード15
で検出する。ここで、被測定材料片2からの戻り光は、
被測定材料片2の振動速度に比例した周波数変化をう
け、周波数がfDだけ変化し、f0+fDで示される周波
数となる。
【0026】一方、光源11から出射されたレーザ光
は、変調器14に入射される。この変調器14は、本実
施の形態では例えば約80MHzの変調処理を施す。こ
の変調器14に入射されたレーザ光は、変調されること
で周波数がf0+80MHzとされる。この変調された
レーザ光は、フォトダイオード15で検出される。
【0027】フォトダイオード15は、これら変調器1
4からのレーザ光と、被測定材料片2からの戻り光とを
検出することで、被測定材料片2の振動速度に比例した
振動周波数の変化(80+fD)を検出する。ここで、
Dは、振動速度に比例し、以下の式で表現される。 fD=2v(t)/λ ここで、vは被測定材料片2の単位時間tにおける速度
を示し、λはレーザ光の波長を示している。そして、こ
のレーザードップラー振動計5は、被測定材料片2の振
動周波数に対応する振動速度を検出結果として制御部6
に供給する。
【0028】このようなレーザードップラー振動計5で
検出した被測定材料片2の振動は、図4に示すように、
2kHz〜4kHzの範囲内において、ノイズを検出す
るようなことなく被測定材料片2の振動を検出すること
がわかる。
【0029】制御部6は、レーザードップラー振動計5
からの検出結果に応じて図5に示すような振動周波数
[Hz]−ゲイン[dB]特性を検出する。この制御部
6は、図5のゲインの各ピークにおける振動周波数の値
を被測定材料片2の共振周波数として検出するととも
に、各共振周波数における尖鋭度を検出する。ここで、
共振周波数は、低周波数側のピークから順次1次共振周
波数,2次共振周波数,3次共振周波数,・・・n次共
振周波数と検出する。制御部6は、振動周波数−ゲイン
特性から検出した各共振周波数fnを用いて、下記式1
でヤング率Eを演算し、下記式2で損失係数ηを演算す
る。 E=48π2ρL4fn2/T2λn4 (1) η=(△fn)/fn (2) ここで、nは共振モードの次数、ρは被測定材料片2の
密度[kg/m3]、Lは振動の有効長[m]、fnは
n次の共振周波数、Tは被測定材料片2の厚さ[m]で
ある。λnは定数でありn=1,2,3・・・に対して
1.875,4.694,7.855・・・という値を示す。△fnはn
次の振動モードにおける半値幅である。
【0030】なお、図5における振動周波数−ゲイン特
性における被測定材料片2は短冊状に成形されたアルミ
ニウムであり、長軸方向の長さが約53mm、厚さが約
0.49mm、短軸方向の長さが約5mm、質量密度が
約2600kg/m3である。
【0031】この図5によれば、10Hz〜100kH
zまでの被測定材料片2の振動が精度良く検出されてい
ることがわかる。
【0032】また、図6に検出した振動に基づいて式1
で算出したヤング率Eの周波数特性を示し、図7に検出
した振動に基づいて式2で算出した損失係数ηの周波数
特性を示す。この図6及び図7によれば、10Hz〜1
00kHzまでのヤング率、損失係数の周波数特性が線
形となっているので、精度良く測定されていることがわ
かる。
【0033】このように構成された材料物性測定装置1
で被測定材料片2のヤング率、損失係数を求めるときに
は、先ず、駆動信号発生部4において制御部6からの制
御信号に応じて積層圧電アクチュエータ3を駆動させる
ための駆動電圧を発生させて、この駆動電圧を積層圧電
アクチュエータ3に供給する。
【0034】次に、積層圧電アクチュエータ3では、駆
動信号発生部4からの駆動信号に応じて積層圧電素子を
駆動させ、被測定材料片2の自由端2bを振動させる。
このとき、制御部6は、被測定材料片2を振動させるよ
うな制御信号を生成して、被測定材料片2の振動周波数
を制御する。
【0035】次に、制御部6は、レーザードップラー振
動計5を駆動させるような制御信号を生成出力し、レー
ザードップラー振動計5で被測定材料片2の振動状態を
検出させる。このとき、レーザードップラー振動計5で
は、被測定材料片2からの戻り光を検出することで、被
測定材料片2の振動速度に応じた検出結果を生成して制
御部6に供給する。
【0036】次に、制御部6では、レーザードップラー
振動計5からの検出結果に応じて上述の式1でヤング率
を演算し、式2で損失係数を演算する。なお、制御部6
は、図示しないメモリを備えており、被測定材料片2に
応じた密度ρ[kg/m3]、振動の有効長L[m]、
被測定材料片の厚さT[m]等のパラメータを格納して
おき、ヤング率及び損失係数の演算時に適宜読み出して
演算を行う。
【0037】このように構成された材料物性測定装置1
は、被測定材料片2を振動させるのに積層圧電アクチュ
エータ3を用いているので、数Hz〜100kHz程度
の広い周波数帯域においてヤング率及び損失係数の測定
を行うことができる。また、この材料物性測定装置1
は、被測定材料片2の振動を検出するのにレーザードッ
プラー振動計5を用いているので、数Hz〜100kH
z程度の広い周波数帯域においてヤング率及び損失係数
の測定を精度良く行うことができる。
【0038】また、この材料物性測定装置1は、レーザ
ードップラー振動計5で被測定材料片2の振動を検出す
るときに、自由端2bの短軸方向Bにおける中心位置C
にレーザ光を照射させているので、被測定材料片2にね
じり振動が生じてもねじりを検出するようなことがな
く、精度良く被測定材料片2の振動を検出することがで
きる。
【0039】つぎに、第2の実施の形態に係る材料物性
測定装置30について説明する。なお、以下の第2の実
施の形態に係る材料物性測定装置30説明においては、
上述の第1の実施の形態に係る材料物性測定装置1と同
一の部分は同一の符号を付することによりその詳細な説
明を省略する。
【0040】この材料物性測定装置30は、図8に示す
ように、積層圧電アクチュエータ31と、駆動信号発生
部4と、レーザードップラー振動計5と、制御部35と
から構成されている。
【0041】積層圧電アクチュエータ31は、積層圧電
素子を備えており、この積層圧電素子に駆動信号発生部
4から駆動電圧が供給される。この積層圧電アクチュエ
ータ31は、駆動信号発生部4からの駆動電圧に応じて
積層圧電素子が伸縮され、被測定材料片2を振動させ
る。
【0042】この積層圧電アクチュエータ31は、図9
(a)及び(b)に示すように、例えばステンレス等の
ヤング率が高く損失係数の小さいクランプ用治具32と
クランプ用ねじ33とからなるクランプ部34を備え
る。この積層圧電アクチュエータ31は、このクランプ
部34で被測定材料片2の両端部を固定している。この
クランプ部34は、共振周波数が被測定材料片2の振動
特性を測定する測定周波数より高くなるようになされて
いる。
【0043】この積層圧電アクチュエータ31で振動さ
れる被測定材料片2は、図10に示すように、1次共振
周波数で振動されているときには図10(a)に示すよ
うに変形して振動され、3次,5次,7次共振周波数で
振動されているときにはそれぞれ図10(b),
(c),(d)に示すように変形して振動される。この
被測定材料片2は、このように共振周波数に応じて振動
時の形状が変形されることで、検出位置における振動速
度が変化されることとなる。
【0044】なお、この材料物性測定装置30におい
て、積層圧電アクチュエータ3で両端を固定して被測定
材料片2の振動特性を検出する場合には、奇数次の共振
周波数のみが検出され、偶数次の共振周波数は検出され
ない。
【0045】レーザードップラー振動計5は、上述の第
1の実施の形態に係るものと同様の構成を有するが、光
源11から出射されたレーザ光を図9(b)に示す被測
定材料片2の中心位置Dに照射する点で異なる。
【0046】このような材料物性測定装置30では、積
層圧電アクチュエータ3で被測定材料片2の両端を固定
し、積層圧電アクチュエータ3で被測定材料片2の中心
位置Dにレーザ光を照射するので、図10に示すよう
に、各共振周波数時の被測定材料片2の中心位置Dが常
に正弦波形状における腹の部分となる。
【0047】制御部35は、駆動信号発生部4に積層圧
電アクチュエータ3を駆動させるような制御信号を生成
出力するとともに、レーザードップラー振動計5からの
被測定材料片2の振動周波数に対応する振動速度を検出
結果として入力される。
【0048】この制御部35は、供給された検出結果か
ら被測定材料片2の共振周波数及び共振周波数における
尖鋭度を求める。制御部6は、レーザードップラー振動
計5からの検出結果から検出した共振周波数fnを用い
て、下記式5でヤング率Eを演算し、下記式6で損失係
数ηを演算する。 E=48π2ρL4fn2/T2λn4 (n=1,3,5,・・・) (5) η=(△fn)/fn (6) ここで、nは共振モードの次数、ρは被測定材料片の密
度[kg/m3]、Lは振動の有効長[m]、fnはn
次の共振周波数、Tは被測定材料片の厚さ[m]であ
る。λnは定数でありn=1,3,5・・・に対して4.
73,10.996,17.279,・・・という値を示す。△fnはn
次の振動モードにおける半値幅である。
【0049】つぎに、この材料物性測定装置30で被測
定材料片2としてPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)を用いたときのヤング率、損失係数の周波数特性を
図11及び図12に示す。図11は検出した振動に基づ
いて式5で算出したヤング率Eの周波数特性を示し、図
12は検出した振動に基づいて式6で算出した損失係数
ηの周波数特性を示す。この図11及び図12によれ
ば、約1Hz〜約20kHzまでのヤング率、損失係数
の周波数特性が線形となっており、精度良く測定されて
いることがわかる。なお、上述の図11及び図12に示
した測定におけるPETの寸法としては、厚さが約0.
10mm、短軸方向における長さが約5mmである。
【0050】また、材料物性測定装置30で被測定材料
片2として主にスピーカ装置等のエッジ材として使用さ
れるSBR(スチレン-フ゛タシ゛エン-ラハ゛ー)を用いたときのヤン
グ率、損失係数の周波数特性を図13及び図14に示
す。図13は検出した振動に基づいて式3で算出したヤ
ング率Eの周波数特性を示し、図14は検出した振動に
基づいて式4で算出した損失係数ηの周波数特性を示
す。この図13及び図14によれば、約200Hz〜約
10kHzまでのヤング率、損失係数の周波数特性が線
形となっており、精度良く測定されていることがわか
る。なお、上述の図13から図14に示した測定におけ
るSBRの寸法としては、厚さが約0.40mm、短軸
方向における長さが約5mmである。
【0051】したがって、このような材料物性測定装置
30によれば、積層圧電アクチュエータ3により被測定
材料片2の両端を固定して振動させ、レーザードップラ
ー振動計5により被測定材料片2の中心位置Dにレーザ
光を照射させて被測定材料片2の振動を検出しているの
で、上述のPETやSBRのように柔らかい材料であっ
ても振動を検出することができ、高い精度でヤング率、
損失係数を求めることができる。
【0052】また、この材料物性測定装置30では、被
測定材料片2の中心位置Dにレーザ光を照射して被測定
材料片2の振動を検出しているので、被測定材料片2に
ねじれ振動が生じても、ねじれによるノイズを検出する
ようなことがない。
【0053】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明に係
る材料物性測定装置は、被測定物を固定するとともに被
測定物を振動させる積層圧電素子を有する固定振動手段
と、固定振動手段で振動されている被測定物にレーザ光
を照射し、ドップラー効果を用いて被測定物の振動を検
出する振動検出手段とを備えているので、数Hz〜10
0kHz程度まで被測定物を振動させることができ、さ
らに振動させた被測定物の振動を精度良く検出すること
ができ、被測定物のヤング率及び損失係数を求めること
ができる。
【0054】また、この材料物性測定装置によれば、例
えば短冊状に成形された被測定物の両端を固定振動手段
により固定して振動させ、振動検出手段で振動を検出す
ることで、非常に柔らかい材料であっても精度良く振動
を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る材料物性測定装置の一
例を示す図である。
【図2】第1の実施の形態に係る材料物性測定装置で被
測定材料片を振動させたときの各共振周波数における形
状を示す図である。
【図3】レーザードップラー振動計の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】レーザードップラー振動計により検出した振動
周波数−ゲイン特性を示す図である。
【図5】第1の実施の形態に係る材料物性測定装置で検
出した振動周波数−ゲイン特性を示す図である。
【図6】第1の実施の形態に係る材料物性測定装置で求
めたヤング率の周波数特性を示す図である。
【図7】第1の実施の形態に係る材料物性測定装置で求
めた損失係数の周波数特性を示す図である。
【図8】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置の一
例を示す図である。
【図9】クランプ部で被測定材料片の両端を固定する一
例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置で
被測定材料片を振動させたときの各共振周波数における
の形状を示す図である。
【図11】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置で
求めたPETのヤング率の周波数特性を示す図である。
【図12】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置で
求めたPETの損失係数の周波数特性を示す図である。
【図13】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置で
求めたSBRのヤング率の周波数特性を示す図である。
【図14】第2の実施の形態に係る材料物性測定装置で
求めたSBRの損失係数の周波数特性を示す図である。
【図15】単層構造の被測定材料片の一例を示す図であ
る。
【図16】2層構造の被測定材料片の一例を示す図であ
る。
【図17】被測定材料片が磁性体であるときの従来の電
磁式材料物性測定装置を示す図である。
【図18】被測定材料片が非磁性体であるときの従来の
電磁式材料物性測定装置を示す図である。
【図19】静電ピックアップを用いた従来の材料物性測
定装置を示す図である。
【図20】図19に示した従来の材料物性測定装置で検
出した振動周波数−ゲイン特性を示す図である。
【符号の説明】
1,30 材料物性測定装置、2 被測定材料片、3,
31 積層圧電アクチュエータ、4 駆動信号発生部、
5 レーザードップラー振動計、6,35 制御部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物を固定するとともに被測定物を
    振動させる積層圧電素子を有する固定振動手段と、 上記固定振動手段で振動されている被測定物にレーザ光
    を照射し、ドップラー効果を用いて被測定物の振動を検
    出する振動検出手段と、 上記振動検出手段からの検出結果を用いて、被測定物の
    ヤング率及び損失係数を演算する演算手段とを備えるこ
    とを特徴とする材料物性測定装置。
  2. 【請求項2】 上記固定振動手段は、短冊状に成形され
    た被測定物の長軸方向における片端を固定して振動させ
    ることを特徴とする請求項1記載の材料物性測定装置。
  3. 【請求項3】 上記振動検出手段は、被測定物の固定さ
    れてない片端の短軸方向における略中心位置にレーザ光
    を照射して被測定物の振動を検出することを特徴とする
    請求項2記載の材料物性測定装置。
  4. 【請求項4】 上記固定振動手段は、短冊状に成形され
    た被測定物の長軸方向における両端を固定して振動させ
    ることを特徴とする請求項1記載の材料物性測定装置。
  5. 【請求項5】 上記振動検出手段は、被測定物の長軸方
    向及び短軸方向における中心位置にレーザ光を照射して
    被測定物の振動を検出することを特徴とする請求項4記
    載の材料物性測定装置。
  6. 【請求項6】 上記固定振動手段が被測定物を所定の周
    波数で振動させる駆動信号を生成する信号発生手段を備
    え、 上記固定振動手段は、上記信号発生手段で上記所定の周
    波数の2乗に反比例された駆動電圧が供給されることで
    被測定物を振動させることを特徴とする請求項1記載の
    材料物性測定装置。
  7. 【請求項7】 上記演算手段は、上記信号発生手段で上
    記所定の周波数の2乗に反比例された駆動電圧を供給し
    て被測定物を所定の周波数で振動させたときには上記振
    動検出手段からの検出結果を周波数の2乗で除算処理し
    て、被測定物のヤング率及び損失係数を演算することを
    特徴とする請求項1記載の材料物性測定装置。
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