JP2970949B2 - フォース顕微鏡 - Google Patents

フォース顕微鏡

Info

Publication number
JP2970949B2
JP2970949B2 JP7928191A JP7928191A JP2970949B2 JP 2970949 B2 JP2970949 B2 JP 2970949B2 JP 7928191 A JP7928191 A JP 7928191A JP 7928191 A JP7928191 A JP 7928191A JP 2970949 B2 JP2970949 B2 JP 2970949B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sample
force
light
axis
convex lens
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP7928191A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04315009A (ja
Inventor
俊夫 後藤
一博 羽根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON REEZA DENSHI KK
Original Assignee
NIPPON REEZA DENSHI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON REEZA DENSHI KK filed Critical NIPPON REEZA DENSHI KK
Priority to JP7928191A priority Critical patent/JP2970949B2/ja
Publication of JPH04315009A publication Critical patent/JPH04315009A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2970949B2 publication Critical patent/JP2970949B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices With Unspecified Measuring Means (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フォース探索板の探針
チップとサンプルとにより生じるフォース(原子間力、
静電引力、磁力など)を検出して、サンプルの表面形
状、サンプルの表面エネルギー等が測定できるフォース
顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、トンネルチップとフォース探
索板とを有するトンネル顕微鏡が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしなから、上記の
顕微鏡は以下の様な欠点がある。サンプルに電流を流す
必要があり、サンプルは導電物に限られる。トンネル顕
微鏡の構造上、トンネルチップとフォース探索板との間
に相互作用力が働いてしまう。本発明の目的は、様々な
サンプルの表面具合が把握可能なフォース顕微鏡の提供
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、以下の構成を採用した。請求項1は、微動機
構によりX軸方向及びY軸方向へ微動変位するサンプル
の表面に基部が固定されたフォース探索板の先端部に取
り付けられた探索チップを近接配置し、サンプルとフォ
ース探索板との間に作用する原子間力によるフォース探
索板の撓みに基づいてサンプル表面状態を検出するフォ
ース顕微鏡において、単色光のレーザビーム光を照射す
るレーザ照射装置と、レーザビームとの光軸と直交配置
され、入射されるレーザ光を所定角度の2光束回折光に
形成して出射すると共に入射される2光束回折光を干渉
光に形成して出射する回折格子と、該回折格子のサンプ
ル側に配置され、2光束回折光を所定の分解能に応じた
間隔をおいた平行光にしてフォース探索板の非サンプル
側の反射面に照射すると共に反射面からの反射回折光を
回折格子にて収束させる対物凸レンズと、回折格子から
出射される干渉光をレーザビームの光路外に取り出すビ
ームスプリッタと、該ビームスプリッタからの干渉光を
受光して干渉光強度に応じた電気信号を出力する光電変
換部材と、光電変換部材からの電気信号に基づいてフォ
ース探索板の撓み量を検出する撓み量検出手段と、探索
チップの先端に対してサンプルの測定範囲内を位置させ
るように微動機構を制御するサンプル走査手段とを備
え、フォース探索板における所定の間隔をおいた反射面
に平行して照射される各回折光の位相差に基づいて変化
する干渉光強度によりフォース探索板の撓み量を測定可
能にしたことを特徴としている。請求項2は、微動機構
によりX軸方向及びY軸方向へ微動変位するサンプルの
表面に基部が固定されたフォース探索板の先端部に取り
付けられた探索チップを近接配置し、サンプルとフォー
ス探索板との間に作用する原子間力によるフォース探索
板の撓みに基づいてサンプル表面状態を検出するフォー
ス顕微鏡において、単色光のレーザビーム光を照射する
レーザ照射装置と、レーザビームとの光軸と直交配置さ
れ、入射されるレーザ光を所定角度の2光束回折光に形
成して出射すると共に入射される2光束回折光を干渉光
に形成して出射する回折格子と、該回折格子のサンプル
側に配置され、2光束回折光を所定の分解能に応じた間
隔をおいた平行光にしてフォース探索板の非サンプル側
の反射面に照射すると共に反射面からの反射回折光を回
折格子にて収束させる対物凸レンズと、回折格子から出
射される干渉光をレーザビームの光路外に取り出すビー
ムスプリッタと、該ビームスプリッタからの干渉光を受
光して干渉光強度に応じた電気信号を出力する光電変換
部材と、光電変換部材からの電気信号に基づいてフォー
ス探索板の撓み量を検出する撓み量検出手段と、探索チ
ップの先端に対してサンプルの測定範囲内を位置させる
ように微動機構を制御するサンプル走査手段とを備え、
フォース探索板における所定の間隔をおいた反射面に平
行して照射される各回折光の位相差に基づいて変化する
干渉光強度によりフォース探索板の撓み量を測定可能に
したことを特徴としている。請求項3は、対物凸レンズ
と、該対物凸レンズの光軸上に位置し、凸レンズに向か
って単色光のビームを照射するレーザーと、前記対物凸
レンズの一方側焦点に配され、レーザ光を所定角度の2
光束回折光に形成して出射すると共に入射される2光束
回折光を干渉光に形成して出射する回折格子と、可変可
能な所定振動数で振動基台を振動させる励振装置と、基
部が前記振動基台に固定され、先部のサンプル側に探針
チップが突設され、前記対物凸レンズの他方側焦点に位
置する反サンプル側にレーザー反射面を形成したフォー
ス探索板と、前記対物凸レンズ、回折格子を経て戻って
来た干渉光強度に応じた電気信号へ変換する光電変換器
と、サンプルをX軸、Y軸方向に微動変位させるX軸、
Y軸微動機構と、前記探針チップの先端が前記サンプル
の測定範囲面を隅無く通過する様に、前記X軸、Y軸微
動機構を操作するサンプル走査手段と、前記振動装置の
振動周波数を参照信号とし、前記電気信号を同期検波す
ることによりフォース探索板の振動振幅量を検知する振
幅量検出手段と、該振幅量検出手段で検出される振動振
幅量が最大となる様に、前記励振装置の振動周波数を調
節するサーボ回路とを備え、前記励振装置の微少な周波
数変位によりサンプルと探針チップとの間に作用するフ
ォースを測定可能にしたフォース顕微鏡。請求項4は、
対物凸レンズと、該対物凸レンズの光軸上に位置し、凸
レンズに向かって単色光のビームを照射するレーザー
と、前記対物凸レンズの一方側焦点に配され、レーザ光
を所定角度の2光束回折光に形成して出射すると共に入
射される2光束回折光を干渉光に形成して出射す回折格
子と、振動基台を所定振幅数で振動させる励振装置と、
基部が前記振動基台に固定され、先部のサンプル側に探
針チップが突設され、前記対物凸レンズの他方側焦点に
位置する反サンプル側にレーザー反射面を形成したフォ
ース探索板と、前記対物凸レンズ、回折格子を経て戻っ
て来た干渉光を電気信号に変換する光電変換器と、サン
プルをX軸、Y軸、Z軸方向に微動変位させるX軸、Y
軸、Z軸微動機構と、前記探針チップの先端が前記サン
プルの測定範囲面を隅無く通過する様に、前記X軸、Y
軸微動機構を操作するサンプル走査手段と、前記振動装
置の振動周波数を参照信号とし、前記電気信号を同期検
波することによりフォース探索板の物理変化量を検出す
る物理変化量検出手段と、該物理変化量検出手段で検出
した物理変化量が一定値を保つ様に、前記Z軸微動機構
を操作するサーボ機構とを備え、該サーボ機構の電気出
力により前記サンプルと探針チップとの間に作用するフ
ォースを測定可能にしたフォース顕微鏡。
【0005】
【0006】
【0007】
【0008】
【0009】
【0010】
【実施例】本発明の第1実施例を図1に基づいて説明す
る。フォース顕微鏡Aは、対物凸レンズ1と、対物凸レ
ンズ1の光軸2上に位置するレーザー3と、対物凸レン
ズ1の一方側焦点に配される回折格子4と、先部のサン
プル5側に探針チップ6が突設され、対物凸レンズ1の
他方側焦点に位置する反サンプル側にレーザー反射面7
を形成し、基部8が固定されたフォース探索板9と、対
物凸レンズ1、回折格子4を経て戻って来た干渉光10
を電気信号11に変換する光電変換器12と、サンプル
5をX軸、Y軸方向に微動変位させる微動機構13、1
4と、該微動機構13、14を操作するサンプル走査手
段15と、光電変換器12の電気信号11からフォース
探索板9の静的な撓み量を検出する撓み量検出手段16
と、撓み量検出手段16で検出した撓み量を、サンプル
5と探針チップ6との間に作用するフォースの関連デー
タとして逐次記録していくレコーダー17とを具備して
なる。このフォース顕微鏡Aは、外部の振動の影響を排
除する為、エアダンパ式の防振台(800mm×600
mm)上に設置される。
【0011】レーザー3は、波長632.8nmの赤色
ビーム(1本)を発生させるHe-Neレーザーであ
る。回折格子4は、ピッチ間隔25μmのものであり、
光軸2に直交して配され、回折レーザー光(2光束)を
スポット間隔約0.5mmでフォース探索板9に夫々集
光させている。このため、外乱の影響を受け難く、フォ
ース探索板9の静的な撓み量を有効に検出できる。
【0012】サンプル5は、二次元格子状に微細加工し
たPMMA膜に金を蒸着したものである。このサンプル
5は、マイクロメータを用いた粗動機構により位置決め
が成される。フォース探索板9は、導電性を有し、長さ
2mm、幅0.254mm、厚さ0.013mmのタン
グステンリボン(フォース無時の共振周波数f0 =2.
02kHz、弾性定数5.9N/m)である。探針チッ
プ6は、直径10μmのタングステンワイヤーを、1規
定の水酸化ナトリウム溶液で電解研磨して製造したもの
である。光電変換器12は、干渉光10を光軸2から分
離するビームスプリッタ18、干渉光10を電気信号に
変換する変換器19、この電気信号を増幅して電気信号
11とする増幅器20を備える。
【0013】微動機構13、14は、直交して配された
バイモフ積層圧電素子であり、サンプル5の微動(50
nm/V)は、後記するD- Aコンバータ22の出力電
圧を印加して行なわれる。サンプル走査手段15は、マ
イクロコンピュータ21、D- Aコンバータ22を備
え、探針チップ6の先端が測定範囲面(4μm×4μ
m)を所定走査間隔でもって隈無く通過する様に微動機
構13、14を制御する。撓み量検出手段16は、電気
信号11から光学的手法により、探索板9の撓み量を検
出する電子装置である。レコーダー17は、X-Yプロ
ッタであり、探針チップ6とサンプル5との間に作用す
る原子間力に比例した探索板9の撓み量を逐次記録して
いく。
【0014】フォース顕微鏡Aにおいて、サンプル走査
手段15に拠るサンプル5の走査が完了すれば、レコー
ダー17の記録から、走査範囲内におけるチップ6- サ
ンプル5間の原子間力の強弱分布が明らかになる。な
お、サンプル走査手段15、撓み量検出手段16、およ
びレコーダー17を、微動機構13、14の制御機能、
電気信号11からフォース探索板9の撓み量を検出する
演算処理機能、およびフォース探索板9の撓み量を逐次
記録する記録機能、を全て備えた一つのマイクロコンピ
ュータで代用しても良い。
【0015】本発明の第2実施例を図2に基づいて説明
する。フォース顕微鏡Bは、対物凸レンズ1と、対物凸
レンズ1の光軸2上に位置するレーザー3と、対物凸レ
ンズ1の一方側焦点に配される回折格子4と、先部のサ
ンプル5側に探針チップ6が突設され、対物凸レンズ1
の他方側焦点に位置する反サンプル側にレーザー反射面
7を形成し、基部8が固定されたフォース探索板9と、
対物凸レンズ1、回折格子4を経て戻って来た干渉光1
0を電気信号11に変換する光電変換器12と、サンプ
ル5をX軸、Y軸、Z軸方向に微動変位させる微動機構
13、14、23と、微動機構13、14を操作するサ
ンプル走査手段15と、電気信号11が、フォース探索
板9の所定量の撓みに相当する状態を保持する様に微動
機構23を操作するサーボ機構24と、サーボ機構24
の電気出力を、サンプル5と探針チップ6との間に作用
するフォースの関連データとして逐次記録していくレコ
ーダー17とを具備してなる。このフォース顕微鏡B
も、第1実施例と同様の防振台上に設置される。
【0016】本実施例の、対物凸レンズ1、レーザ3、
回折格子4、サンプル5、フォース探索板9、探針チッ
プ6、光電変換器12、およびサンプル走査手段15
は、第1実施例と同じものである。微動機構13、1
4、23は、各々直交して配されたバイモフ積層圧電素
子であり、トライポット型に組み付けられている。サン
プル5のX軸、Y軸方向の微動(50nm/V)は、D
- Aコンバータ22の出力電圧を印加して行なわれる。
また、サーボ機構24に拠るサンプル5のZ方向の微動
は50nm/Vである。レコーダー17は、X- Yプロ
ッタであり、サーボ機構24の電気出力を、探針チップ
6とサンプル5との間に作用する原子間力の関連データ
として逐次記録していく。
【0017】フォース顕微鏡Bにおいて、サンプル走査
手段15に拠るサンプル5の走査が完了すれば、レコー
ダー17の記録から、走査範囲内におけるチップ6- サ
ンプル5間の原子間力の強弱分布が明らかになる。な
お、10-2nm程度の分解能(フォース顕微鏡Aよりや
や優れる)が得られた。なお、サンプル走査手段15お
よびレコーダー17を、微動機構13、14の制御機能
およびフォース探索板9の撓み量を逐次記録する記録機
能、を備えた一つのマイクロコンピュータで代用しても
良い。
【0018】本発明の第3実施例を図3に基づいて説明
する。フォース顕微鏡Cは、対物凸レンズ1と、対物凸
レンズ1の光軸2上に位置するレーザー3と、対物凸レ
ンズ1の一方側焦点に配される回折格子4と、水晶振動
子25を2kHz前後の正弦波電圧で振動させる励振装
置26と、基部8が水晶振動子25に固定され、先部の
サンプル5側に探針チップ6が突設され、対物凸レンズ
1の他方側焦点に位置する反サンプル側にレーザー反射
面7を形成したフォース探索板9と、対物凸レンズ1、
回折格子4を経て戻って来た干渉光10を電気信号11
に変換する光電変換器12と、サンプル5をX軸、Y軸
方向に微動変位させる微動機構13、14と、微動機構
13、14を操作するサンプル走査手段15と、発振器
30の発振周波数を参照信号とし、電気信号11を同期
検波することによりフォース探索板9の振動振幅量を検
出する振幅量検出手段27と、振幅量検出手段27で検
出される振動振幅量が最大となる様に振幅量検出手段2
7の振動周波数を調節するサーボ回路28と、発振器3
0の微少な周波数変位を、サンプル5と探針チップ6と
の間に作用するフォースの関連データとして逐次記録し
ていくレコーダー17とを具備してなる。このフォース
顕微鏡Cも、同様の防振台上に設置される。なお、サン
プル5と探針チップ6との間に静電引力を起こすための
直流電源29(実験時、E=15V)が、サンプル5と
フォース探索板9との間に電気接続されている。
【0019】本実施例の、対物凸レンズ1、レーザー
3、回折格子4、サンプル5、フォース探索板9、探針
チップ6、光電変換器12、微動機構13、14、およ
びサンプル走査手段15は、第1実施例と同じものであ
る。励振装置26は、サーボ回路28の電気出力で発振
周波数が可変される発振器30と、該発振器30の出力
を増幅して水晶振動子25を駆動する増幅器31とを備
える。
【0020】以下、フォース顕微鏡Cの、作動原理(要
部)を簡単に説明する。フォース有時のフォース探索板
9の共振周波数f0 −Δfは、探針チップ6-サンプル
5間の静電引力勾配に比例した、Δf=f0 ×F’/2
kだけ変化する(F’;静電引力勾配、k;フォース探
索板9の弾性定数、Δf;フォース探索板9の微少な共
振周波数変動値)。サーボ回路28は、フォース探索板
9の共振状態を保持する様に、発振器30の発振周波数
を調整する。発振器30のΔfを、チップ6- サンプル
5間の静電引力勾配値としてレコーダー17が記録す
る。フォース顕微鏡Cにおいて、サンプル走査手段15
に拠るサンプル5の走査が完了すれば、レコーダー17
の記録から、走査範囲内におけるチップ6- サンプル5
間の静電引力勾配値の強弱分布が明らかになる。
【0021】回折レーザー光(2光束)をスポット間隔
約0.5mmでフォース探索板9に夫々集光させている
ので、外乱の影響を受け難く、フォース探索板9の共振
状態を有効に検出できる。なお、サンプル走査手段15
およびレコーダー17を、微動機構13、14の制御機
能およびフォース探索板9の撓み量を逐次記録する記録
機能、を備えた一つのマイクロコンピュータで代用して
も良い。
【0022】本発明の第4実施例を図4〜図8に基づい
て説明する。フォース顕微鏡Dは、対物凸レンズ1と、
対物凸レンズ1の光軸2上に位置するレーザー3と、対
物凸レンズ1の一方側焦点に配される回折格子4と、水
晶振動子25を2kHz前後の正弦波で電気振動させる
発振器30および増幅器31からなる励振装置26と、
基部8が水晶振動子25に固定され、先部のサンプル5
側に探針チップ6が突設され、対物凸レンズ1の他方側
焦点に位置する反サンプル側にレーザー反射面7を形成
したフォース探索板9と、対物凸レンズ1、回折格子4
を経て戻って来た干渉光10を電気信号11に変換する
光電変換器12と、サンプル5をX軸、Y軸、Z軸方向
に微動変位させる微動機構13、14、23と、微動機
構13、14を操作するサンプル走査手段15と、発振
器30の発振周波数を参照信号として電気信号11を同
期検波するロック- イン増幅器32と、ロック- イン増
幅器32で検出される物理変化量が一定値を保つ様に、
微動機構23を操作するサーボ機構24と、サーボ機構
24の電気出力をサンプル5と探針チップ6との間に作
用するフォースの関連データとして逐次記録していくレ
コーダー17とを具備してなる。このフォース顕微鏡D
も、同様の防振台上に設置される。なお、サンプル5と
探針チップ6との間に静電引力を起こすための直流電源
29が、サンプル5とフォース探索板9との間に電気接
続されている。
【0023】本実施例の、レーザー3、回折格子4、サ
ンプル5、フォース探索板9、探針チップ6、光電変換
器12、微動機構13、14、サンプル走査手段15、
および水晶振動子25は、第3実施例と同じものであ
る。また、微動機構23の構成は第2実施例のものと同
様である。
【0024】つぎに、本実施例のフォース顕微鏡Dを用
いた、静電引力測定、静電引力勾配測定について述べ
る。図5は、サーボ機構24を手動で動かしチップ6-
サンプル5間距離を除々に近づけていった時(E=5
V)のロック- イン増幅器32の出力(=フォース探索
板9の振動振幅量)を表している。ここで、物理法則に
拠り、フォース探索板9の共振周波数(f1 =f0 −Δ
f)は、探針チップ6- サンプル5間の静電引力勾配に
比例した、Δf=f0 ×F’/2kだけ変化する
(F’;静電引力勾配、k;フォース探索板9の弾性定
数、Δf;フォース探索板9の微少な共振周波数変動
値)。なお、フォース探索板9のフォース無時共振周波
数f0 は2.02kHz、その弾性定数は5.9N/m
に設定されており、また、発振器30の発振周波数は
2.00kHz(実験中固定)に設定されている。本実
験では、探針チップ6- サンプル5間距離が約17nm
の時に、静電引力に拠り、フォース探索板9の共振周波
数がf1 =2.00kHzとなり共振現象が起き、フォ
ース探索板9の振動振幅が最大となった。
【0025】図6は、発振器30の発振周波数を変化さ
せて実験を行い(E=15V)、上記Δf=f0 ×F’
/2kに拠り、探針チップ6- サンプル5間距離と引力
勾配との関係を求めたグラフである。
【0026】図7は、発振器30の発振周波数を変化さ
せて実験を行い(E=15V)、探針チップ6- サンプ
ル5間距離と静電引力との関係を求めたグラフである。
【0027】つぎに、本実施例のフォース顕微鏡Dに拠
るサンプル5の表面形状測定を、作用効果を交えて述べ
る。レーザービームは、ビームスプリッタ18を通過し
た後、回折格子4で二分され、各々対物凸レンズ1を通
り、レーザー反射面7で夫々反射し、再び、対物凸レン
ズ1を通り、回折格子4で合成され干渉光10となる。
この干渉光10は変換器19で電気信号に変換され、こ
の電気信号は増幅器20で増幅されて電気信号11とな
る。マイクロコンピュータ21は、D- Aコンバータ2
2にサンプル走査用の操作用信号(ディジタル値)を送
出し、D- Aコンバータ22は、微動機構13、14に
走査用電圧を印加する。探針チップ6とサンプル5との
間に働く静電引力がサンプル5の表面形状に応じて変化
する。ロック- イン増幅器32は、発振器30の発振周
波数を参照信号として電気信号11を同期検波する事に
より電気信号11からフォース探索板9の振動振幅を検
出する。サーボ機構24は、E=15Vの状態で、ロッ
ク- イン増幅器32の出力に基づき、フォース探索板9
の振動振幅が一定(探針チップ6とサンプル5との静電
引力が1.9×10-8N一定、探針チップ6- サンプル
5間距離50nm一定)になる様に微動機構23を操作
する。レコーダー17は、サーボ機構24の電気出力を
記録する。走査が完了した時点のレコーダー17の記録
から、走査範囲内における探針チップ6- サンプル5間
距離分布が明らかになり、図8に示すPMMAレジスト
二次元像(4μm×4μm)が得られた。なお、10-4
nm程度の高分解能が確保できた。
【0028】本実施例では、フォース探索板9を振動さ
せ、ロック- イン増幅器32の出力に基づき、フォース
探索板9の振動振幅が一定(探針チップ6とサンプル5
との静電引力一定、探針チップ6- サンプル5間距離一
定)になる様に微動機構23をサーボ機構24が操作す
るという構成を採用しているので、フォース探索板9の
有害な永久変形が防止でき、時間に対するドリフトが実
施例1、2と比較し著しく低減できた。
【0029】回折レーザー光(2光束)をスポット間隔
約0.5mmでフォース探索板9に夫々集光させている
ので、外乱の影響を受け難く、フォース探索板9の振動
振幅を有効に検出できる。なお、サンプル走査手段15
およびレコーダー17を、微動機構13、14の制御機
能およびフォース探索板9の撓み量を逐次記録する記録
機能、を備えた一つのマイクロコンピュータで代用して
も良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るフォース顕微鏡の構
造説明図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るフォース顕微鏡の構
造説明図である。
【図3】本発明の第3実施例に係るフォース顕微鏡の構
造説明図である。
【図4】本発明の第4実施例に係るフォース顕微鏡の構
造説明図である。
【図5】第4実施例のフォース顕微鏡において、チップ
- サンプル間距離とロック- イン増幅器の出力との関係
を示すグラフである。
【図6】第4実施例のフォース顕微鏡において、チップ
- サンプル間距離と引力勾配との関係を示すグラフであ
る。
【図7】第4実施例のフォース顕微鏡において、チップ
- サンプル間距離と静電引力との関係を示すグラフであ
る。
【図8】第4実施例のフォース顕微鏡において、サンプ
ルのPMMAレジスト二次元像の投影図である。
【符号の説明】
1 対物凸レンズ 2 光軸 3 レーザー 4 回折格子 6 探針チップ 7 レーザー反射面 8 基部 9 フォース探索板 10 干渉光 11 電気信号 12 光電変換器 13 微動機構(X軸微動機構) 14 微動機構(Y軸微動機構) 15 サンプル操作手段 16 撓み量検出手段 17 レコーダー(記録手段) 23 微動機構(Z軸微動機構) 24 サーボ機構 25 水晶振動子(振動基台) 26 励振装置 27 振幅量検出手段 28 サーボ回路 32 ロック- イン増幅器(物理変化量検出手段) A、B、C、D フォース顕微鏡
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−281103(JP,A) 特開 昭63−148106(JP,A) 特開 平4−311839(JP,A) 特開 平4−299210(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01B 21/00 - 21/32

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微動機構によりX軸方向及びY軸方向へ微
    動変位するサンプルの表面に基部が固定されたフォース
    探索板の先端部に取り付けられた探索チップを近接配置
    し、サンプルとフォース探索板との間に作用する原子間
    力によるフォース探索板の撓みに基づいてサンプル表面
    状態を検出するフォース顕微鏡において、単色光のレー
    ザビーム光を照射するレーザ照射装置と、レーザビーム
    との光軸と直交配置され、入射されるレーザ光を所定角
    度の2光束回折光に形成して出射すると共に入射される
    2光束回折光を干渉光に形成して出射する回折格子と、
    該回折格子のサンプル側に配置され、2光束回折光を所
    定の分解能に応じた間隔をおいた平行光にしてフォース
    探索板の非サンプル側の反射面に照射すると共に反射面
    からの反射回折光を回折格子にて収束させる対物凸レン
    ズと、回折格子から出射される干渉光をレーザビームの
    光路外に取り出すビームスプリッタと、該ビームスプリ
    ッタからの干渉光を受光して干渉光強度に応じた電気信
    号を出力する光電変換部材と、光電変換部材からの電気
    信号に基づいてフォース探索板の撓み量を検出する撓み
    量検出手段と、探索チップの先端に対してサンプルの測
    定範囲内を位置させるように微動機構を制御するサンプ
    ル走査手段とを備え、各回折光の位相差に基づいて変化
    する干渉光強度に基づいてサンプル表面を測定可能にし
    たフォース顕微鏡。
  2. 【請求項2】微動機構によりX軸方向、Y軸方向及びZ
    軸方向へ微動変位するサンプルの表面に基部が固定され
    たフォース探索板の先端部に取り付けられた探索チップ
    を近接配置し、サンプルとフォース探索板との間に作用
    する原子間力によるフォース探索板の撓みに基づいてサ
    ンプル表面状態を検出するフォース顕微鏡において、単
    色光のレーザビーム光を照射するレーザ照射装置と、レ
    ーザビームとの光軸と直交配置され、入射されるレーザ
    光を所定角度の2光束回折光に形成して出射すると共に
    入射される2光束回折光を干渉光に形成して出射する回
    折格子と、該回折格子のサンプル側に配置され、2光束
    回折光を所定の分解能に応じた間隔をおいた平行光にし
    てフォース探索板の非サンプル側の反射面に照射すると
    共に反射面からの反射回折光を回折格子にて収束させる
    対物凸レンズと、回折格子から出射される干渉光をレー
    ザビームの光路外に取り出すビームスプリッタと、該ビ
    ームスプリッタからの干渉光を受光して干渉光強度に応
    じた電気信号を出力する光電変換部材と、探索チップの
    先端に対してサンプルの測定範囲内を位置させるように
    微動機構を制御するサンプル走査手段と、光電変換部材
    からの電気信号がフォース探索板の所定量の撓みに相当
    する状態を維持するようにZ軸の微動機構を制御するサ
    ーボ制御手段とを備え、該サーボ機構の電気出力及び各
    回折光の位相差に基づいて変化する干渉光強度によりサ
    ンプル表面を測定可能にしたフォース顕微鏡。
  3. 【請求項3】対物凸レンズと、該対物凸レンズの光軸上
    に位置し、凸レンズに向かって単色光のビームを照射す
    るレーザーと、前記対物凸レンズの一方側焦点に配さ
    れ、レーザ光を所定角度の2光束回折光に形成して出射
    すると共に入射される2光束回折光を干渉光に形成して
    出射する回折格子と、可変可能な所定振動数で振動基台
    を振動させる励振装置と、基部が前記振動基台に固定さ
    れ、先部のサンプル側に探針チップが突設され、前記対
    物凸レンズの他方側焦点に位置する反サンプル側にレー
    ザー反射面を形成したフォース探索板と、前記対物凸レ
    ンズ、回折格子を経て戻って来た干渉光強度に応じた電
    気信号へ変換する光電変換器と、サンプルをX軸、Y軸
    方向に微動変位させるX軸、Y軸微動機構と、前記探針
    チップの先端が前記サンプルの測定範囲面を隅無く通過
    する様に、前記X軸、Y軸微動機構を操作するサンプル
    走査手段と、前記振動装置の振動周波数を参照信号と
    し、前記電気信号を同期検波することによりフォース探
    索板の振動振幅量を検知する振幅量検出手段と、該振幅
    量検出手段で検出される振動振幅量が最大となる様に、
    前記励振装置の振動周波数を調節するサーボ回路とを備
    え、前記励振装置の微少な周波数変位によりサンプルと
    探針チップとの間に作用するフォースを測定可能にした
    フォース顕微鏡。
  4. 【請求項4】対物凸レンズと、該対物凸レンズの光軸上
    に位置し、凸レンズに向かって単色光のビームを照射す
    るレーザーと、前記対物凸レンズの一方側焦点に配さ
    れ、レーザ光を所定角度の2光束回折光に形成して出射
    すると共に入射される2光束回折光を干渉光に形成して
    出射す回折格子と、振動基台を所定振幅数で振動させる
    励振装置と、基部が前記振動基台に固定され、先部のサ
    ンプル側に探針チップが突設され、前記対物凸レンズの
    他方側焦点に位置する反サンプル側にレーザー反射面を
    形成したフォース探索板と、前記対物凸レンズ、回折格
    子を経て戻って来た干渉光を電気信号に変換する光電変
    換器と、サンプルをX軸、Y軸、Z軸方向に微動変位さ
    せるX軸、Y軸、Z軸微動機構と、前記探針チップの先
    端が前記サンプルの測定範囲面を隅無く通過する様に、
    前記X軸、Y軸微動機構を操作するサンプル走査手段
    と、前記振動装置の振動周波数を参照信号とし、前記電
    気信号を同期検波することによりフォース探索板の物理
    変化量を検出する物理変化量検出手段と、該物理変化量
    検出手段で検出した物理変化量が一定値を保つ様に、前
    記Z軸微動機構を操作するサーボ機構とを備え、該サー
    ボ機構の電気出力により前記サンプルと探針チップとの
    間に作用するフォースを測定可能にしたフォース顕微
    鏡。
JP7928191A 1991-04-11 1991-04-11 フォース顕微鏡 Expired - Fee Related JP2970949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7928191A JP2970949B2 (ja) 1991-04-11 1991-04-11 フォース顕微鏡

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7928191A JP2970949B2 (ja) 1991-04-11 1991-04-11 フォース顕微鏡

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04315009A JPH04315009A (ja) 1992-11-06
JP2970949B2 true JP2970949B2 (ja) 1999-11-02

Family

ID=13685484

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7928191A Expired - Fee Related JP2970949B2 (ja) 1991-04-11 1991-04-11 フォース顕微鏡

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2970949B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5725681B1 (ja) 2014-01-22 2015-05-27 レーザーテック株式会社 干渉計及び位相シフト量測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04315009A (ja) 1992-11-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0410131B1 (en) Near-field lorentz force microscopy
EP0551814B1 (en) Surface observing apparatus and method
US6639686B1 (en) Method of and apparatus for real-time continual nanometer scale position measurement by beam probing as by laser beams and the like of atomic and other undulating surfaces such as gratings or the like relatively moving with respect to the probing beams
JP5695902B2 (ja) 近接場afm検出を用いたウェハスケールの非破壊的な表面下超音波顕微鏡法
US5406832A (en) Synchronous sampling scanning force microscope
US7716970B2 (en) Scanning probe microscope and sample observation method using the same
KR100540027B1 (ko) 원자간측정방법
KR19980081247A (ko) 주사식 프로브 현미경
JPH10283972A (ja) 走査型プローブ顕微鏡を用いた加工、記録、再生装置
JP2008102144A (ja) 高精度位置測定のための改良された直線型可変差動トランス
Tam et al. Precise measurements of a magnetostriction coefficient of a thin soft‐magnetic film deposited on a substrate
JP4688643B2 (ja) 加振型カンチレバーホルダ及び走査型プローブ顕微鏡
US20110035849A1 (en) SPM Imaging Apparatus, Probe and Method
JP2005331509A (ja) 固有振動可変型のカンチレバーによる測定対象物の計測方法および装置
JP2983876B2 (ja) リアルタイムかつナノメータスケールの位置測定方法および装置
JP2970949B2 (ja) フォース顕微鏡
JP3764917B2 (ja) 高周波微小振動測定装置
JPH063397A (ja) 電位分布測定装置
JP2005147979A (ja) 走査形プローブ顕微鏡
JP2576826B2 (ja) 表面構造を画像化するセンサ
JPH09264897A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JPH09119938A (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP3520335B2 (ja) 近接場光検出方法およびその装置
JP3077770B2 (ja) 二光束干渉計の位相補償方法
KR100526217B1 (ko) 주사식 프로브 현미경을 이용한 가공장치와, 주사식 프로브 현미경을 이용한 기록 및 재생장치

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080827

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees