JP2003220284A - ヘアカッター - Google Patents

ヘアカッター

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宏明 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動刃の往復駆動を効率良く行う。 【解決手段】 櫛刃状の固定刃と、櫛刃状であって固定
刃の一面に接する可動刃とを備え、可動刃の固定刃に対
する往復動で毛の切断を行うヘアカッターであり、可動
刃の往復駆動用のアクチュエータが可動刃と連結される
可動子に往復振動を行わせる電磁型の振動アクチュエー
タ６である。運動変換部材を必要とすることなく可動刃
に往復動を行わせることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は毛髪や髭のカットに
使用するヘアカッターに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】毛髪や髭のカットに使用するヘアカッタ
ーは、櫛刃状の固定刃と、同じく櫛刃状であって上記固
定刃の一面に接する可動刃とを備えて、可動刃と固定刃
との接触面と平行な方向に可動刃を往復駆動して、固定
刃の刃先と可動刃の刃先とにおいて毛を切断するが、従
来、ヘアカッターの本体内に配した回転モータによって
回転駆動される駆動軸に偏心軸を設け、可動刃側の部材
に偏心軸が係合するカム溝を設けて、偏心軸の回転のう
ちの一方向成分から往復運動を取り出して、該往復運動
を上記可動刃に伝達することで可動刃に往復動を行わせ
ていた。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】この場合、回転モータ
の回転運動を往復運動に変換する運動変換部品を用いて
いるために、駆動のロスが大きく、また偏心軸とカム溝
との係合部からの騒音が問題となる。また、可動刃の往
復動に伴う振動も発生し、使い勝手の悪いものであっ
た。
【０００４】しかも、回転モータ自体も整流子を備えた
ものが用いられていたことから、切れ味を上げる為に回
転モータの回転数を上げたくても、モータの寿命が短く
なってしまうために、回転数をあまり上げることができ
ないという問題があった。
【０００５】本発明はこのような点に鑑みなされたもの
であって、その目的とするところは可動刃の往復駆動を
効率良く行うことができるヘアカッターを提供するにあ
る。
【０００６】
【課題を解決するための手段】しかして本発明は、櫛刃
状の固定刃と、櫛刃状であって固定刃の一面に接する可
動刃とを備えて、可動刃の固定刃に対する往復動で毛の
切断を行うヘアカッターにおいて、可動刃の往復駆動用
のアクチュエータが可動刃と連結される可動子に往復振
動を行わせる電磁型の振動アクチュエータであることに
特徴を有している。運動変換部材を必要とすることなく
可動刃に往復動を行わせることができる。
【０００７】この時、可動刃は振動アクチュエータの可
動子に直結されていることが好ましい。
【０００８】また、振動アクチュエータとしては、可動
刃に連結される第１の可動子のほかに、可動刃に連結さ
れない第２の可動子を備え、往復振動方向が同じである
両可動子に異なる位相の往復振動を行わせるものである
ことが好ましく、特に両可動子が逆位相で往復振動を行
うものが好ましい。
【０００９】また、第１の可動子と可動刃とを合わせた
重量と、第２の可動子の重量とをほぼ等しくしたり、第
１の可動子と可動刃とを合わせた重心と、第２の可動子
の重心とをほぼ同位置にしたり、さらには第１の可動子
と可動刃とを合わせた重心と、第２の可動子の重心とが
振動アクチュエータを備えた本体の中心軸に位置してい
ると、本体の振動低減をより確実に行うことができる。
【００１０】また、両可動子は往復振動方向においてば
ねで結合されていることが駆動効率の向上の点で好まし
い。この場合、両可動子の少なくとも一方が電磁駆動用
の可動子を備えておればよい。
【００１１】また、可動子は固定子に対して往復運動方
向に変位可能な連結体で固定部に取り付けられて、固定
子と非接触状態に保持されていることが好ましい。
【００１２】
【発明の実施の形態】以下本発明を実施の形態の一例に
基づいて詳述すると、このヘアカッターは図２に示すよ
うに手で握ることができる筒状として形成された本体１
の先端部に刃取付台４を介して刃ブロック５を取り付け
たもので、刃ブロック５は図２に示すように先端縁が櫛
刃となっている固定刃５１と、同じく先端縁が櫛刃とな
っている可動刃５２と、カム９とを備えたものとなって
いる。なお、カム９は可動刃５２に一体的に取り付けら
れて、この両者で可動刃ブロック１６が構成されてい
る。図２中の１５は刃取付台４に刃ブロック５を取り付
けるための刃止めばねである。
【００１３】上記本体１は、半割状のケース２，３内に
振動アクチュエータ６と電池１４と回路基板１３とを納
めたもので、本体１外面にはスイッチハンドル１１がス
ライド自在に取り付けられており、このスイッチハンド
ル１１は接点ばねが溶着固定されたクリック板１２を動
かして、回路基板１３上の接点回路を開閉する。
【００１４】上記振動アクチュエータ６は往復振動を行
う可動子２２を出力部として備えたもので、該可動子２
２から突設した駆動軸８を上記上記カム９が備える係合
溝１０に係合させることから、可動刃５２は振動アクチ
ュエータ６に直結されていることになり、振動アクチュ
エータ６の作動により、可動刃５２は固定刃５１に対し
て可動子２２と同じ動きの往復動を行う。
【００１５】上記振動アクチュエータ６は図３〜５に示
すように、フレーム２３と、該フレーム２３にねじ具ま
たは溶接で固定された固定子３２と、往復動を行う一対
の可動子２２，２２と、フレーム２３に可動子２２，２
２を連結している連結体２９と、一対の可動子２２，２
２間に懸架されるばね３３，３３とからなるもので、各
可動子２２は永久磁石２４とバックヨーク２５とこれら
を一体化する骨組部材２６とで構成され、永久磁石２４
は磁性材料であるバックヨーク２５に接着固定されてい
る。
【００１６】固定子３２は磁性材料の焼結体や磁性材料
の鉄板を積層した鉄心２１に巻線２７を施した電磁石で
あり、鉄心２１の上端面は可動子２２に設けた永久磁石
２４に図４に示すギャップ２８を隔てて対向する。
【００１７】上記連結体２９は、可動子２２を固定子３
２に対して非接触状態に保持して上記ギャップ２８を維
持するためのもので、伸びの少ない弾性材料からなり、
上端が支持板３０を介してフレーム２３に固定され、下
端が支持板３１を介して各可動子２２，２２に連結され
ている。両可動子２２はその両端部が連結体２９によっ
てフレーム２３から吊り下げられたものとなっている。
【００１８】そして上記のばね３３は、枠状に構成され
た一方の可動子２２の内面と、この可動子２２の内部に
位置することになる他方の可動子２２との間に可動子２
２の往復動方向に配設されたもので、可動体２９の往復
動に対してばね性を発揮することになる連結体２９とと
もに、振動アクチュエータ６の可動子２２の振動数を一
定に保つための役割を担っている。
【００１９】このようにブロック化されている振動アク
チュエータ６は、その電磁石である固定子３２の巻線２
７に電流を流す時、可動子２２は永久磁石２４と電磁石
との吸引、反発力により移動するが、電流方向を適宜切
り替えることで、可動子２２は連結体２９によって規制
された方向での往復動を行う。電磁石に交番電流を流せ
ば、可動子２２が直接往復振動を行うものであり、振動
型リニアモータを構成していることから、回転運動を往
復運動に変換する運動変換部材を必要としていないもの
であり、また、可動子２２と固定子３２が非接触である
ため、従来のように可動子と固定子間で摺動部を有する
ものにくらべて低騒音であり、また、長寿命を実現する
ことができるものである。
【００２０】なお、固定子３２をフレーム２３に固定せ
ず、可動子２２、連結体２９、フレーム２３のブロック
とは別にヘアカッター本体１に固定するようにしたもの
であってもよい。
【００２１】ここにおいて、本例で示したものでは、一
対の可動子２２，２２を備えているが、可動刃ブロック
１６に連結される駆動軸８は一方の可動子２２のみに設
けている。駆動軸８を備えていない可動子２２は、振動
アクチュエータ６の作動時の不要振動発生を抑えるため
に設けたもので、ここでは駆動軸８を備えた可動子２２
と駆動軸８を備えていない可動子２２とを逆位相で往復
動させている。
【００２２】この時、可動刃ブロック１６を駆動する可
動子２２の重量に可動刃ブロック１６の重量を加えた重
量と、可動刃ブロック１６を駆動しない可動子４０の重
量を略等しくしておくことが振動低減において好まし
く、または図６に示すように、可動刃ブロック１６を駆
動する可動子２２と可動刃ブロック１６の合計の重心４
２と、可動刃ブロック１６を駆動しない可動子２２の重
心４３とが同一であり、更には上記重心４２，４３が本
体１の中心軸４４にあると、本体１における往復運動方
向の振動をゼロにすることができる。
【００２３】また、上記の例では、図７から明らかなよ
うに、両可動子２２，２２に共に永久磁石２４，２４を
設けているが、図８に示すように、可動刃ブロック１６
を駆動する可動子２２にのみ永久磁石４５を設けて、可
動刃ブロック１６を駆動しない可動子２２には永久磁石
を設けずに、両可動子２２，２２をばね３３，３３によ
り結合したものとしたり、図９に示すように、可動刃ブ
ロック１６を駆動する可動子２２には永久磁石を設け
ず、可動刃ブロック１６を駆動しない可動子２２は永久
磁石２４を設けて、両可動子３３，３３で結合したもの
としてもよい。
【００２４】さらには、両可動子２２，２２を逆位相で
駆動しないものであってもよい。たとえば同位相で駆動
したり、少し位相をずらせた状態で駆動するようにして
もよい。これは可動子２２，２２が備えている永久磁石
２４，２４の着磁状況を変更することで行うことができ
る。
【００２５】前記ばね３３の役割は、板ばねで構成する
連結体２９に担わせるようにしてもよい。
【００２６】
【発明の効果】以上のように本発明においては、往復振
動を取り出すことができる振動アクチュエータで可動刃
を駆動するものであり、運動変換部材を必要とすること
なく可動刃に往復動を行わせることができるために、運
動変換部材の設置スペースを必要とせず、コンパクトに
構成できるとともに駆動のロスを少なくすることができ
る。
【００２７】特に可動刃を振動アクチュエータの可動子
に直結することで、駆動効率を高めることができる。
【００２８】また、振動アクチュエータとして、可動刃
に連結される第１の可動子のほかに、可動刃に連結され
ない第２の可動子を備え、往復振動方向が同じである両
可動子に異なる位相の往復振動を行わせるものである
と、不要振動の抑制に有利であり、特に両可動子が逆位
相で往復振動を行う時、不要振動をより低減することが
できる。
【００２９】また、第１の可動子と可動刃とを合わせた
重量と、第２の可動子の重量とをほぼ等しくしたり、第
１の可動子と可動刃とを合わせた重心と、第２の可動子
の重心とをほぼ同位置にすれば、不要振動をさらに確実
に低減させることができ、第１の可動子と可動刃とを合
わせた重心と、第２の可動子の重心とが振動アクチュエ
ータを備えた本体の中心軸に位置していると、本体の不
要振動をほぼゼロとすることができ、ヘアカッター本体
を握る手に振動を感じなくなって従来の回転モータ使用
のヘアカッターと比べると使用時に非常になめらかな感
じで毛を切断することができる。
【００３０】また、両可動子は往復振動方向においてば
ねで結合されていると、アクチュエータの振動数を一定
に保つことができるので、刃ブロックに多量の毛が入っ
た場合（高負荷）でも初期の切れ味を確保でき、毛をス
ムーズに切断することができる。また、刃に負荷が加わ
る前後でアクチュエータの振動数が変化しないために音
の変化がなく、心地良い使用感のものを得ることができ
る。
【００３１】この場合、両可動子の少なくとも一方が電
磁駆動用の可動子を備えておればよく、このようにする
ことでコストを下げることができる。
【００３２】また、可動子は固定子に対して往復運動方
向に変位可能な連結体で固定部に取り付けられて、固定
子と非接触状態に保持されていると、アクチュエータの
振動数が高くて切れ味が良い上に低騒音で長寿命のもの
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態の一例の分解斜視図であ
る。
【図２】同上の斜視図である。
【図３】同上の振動アクチュエータの斜視図である。
【図４】同上の振動アクチュエータの正面図である。
【図５】同上の振動アクチュエータの分解斜視図であ
る。
【図６】同上の振動アクチュエータと可動刃ブロックの
斜視図である。
【図７】同上の振動アクチュエータと可動刃ブロックの
斜視図である。
【図８】(a)(b)は他例の振動アクチュエータと可動刃ブ
ロックの斜視図である。
【図９】(a)(b)は更に他例の振動アクチュエータと可動
刃ブロックの斜視図である。
【符号の説明】
６ 振動アクチュエータ １６ 可動刃ブロック ２２ 可動子
フロントページの続き (72)発明者 小林 昇 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 清水 宏明 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 喜多 正和 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 (72)発明者 中倉 誠 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Ｆターム(参考） 3C056 CA02 CA07 CA13 CA32 CA33 CA46

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 櫛刃状の固定刃と、櫛刃状であって固定
    刃の一面に接する可動刃とを備えて、可動刃の固定刃に
    対する往復動で毛の切断を行うヘアカッターにおいて、
    可動刃の往復駆動用のアクチュエータが可動刃と連結さ
    れる可動子に往復振動を行わせる電磁型の振動アクチュ
    エータであることを特徴とするヘアカッター。
  2. 【請求項２】 可動刃は振動アクチュエータの可動子に
    直結されていることを特徴とする請求項１記載のヘアカ
    ッター。
  3. 【請求項３】 振動アクチュエータは可動刃に連結され
    る第１の可動子と、可動刃に連結されない第２の可動子
    とを備えるとともに、往復振動方向が同じである両可動
    子に異なる位相の往復振動を行わせるものであることを
    特徴とする請求項１または２記載のヘアカッター。
  4. 【請求項４】 両可動子は逆位相で往復振動を行うもの
    であることを特徴とする請求項３記載のヘアカッター。
  5. 【請求項５】 第１の可動子と可動刃とを合わせた重量
    と、第２の可動子の重量とがほぼ等しいことを特徴とす
    る請求項４記載のヘアカッター。
  6. 【請求項６】 第１の可動子と可動刃とを合わせた重心
    と、第２の可動子の重心とがほぼ同位置にあることを特
    徴とする請求項５記載のヘアカッター。
  7. 【請求項７】 第１の可動子と可動刃とを合わせた重心
    と、第２の可動子の重心とが振動アクチュエータを備え
    た本体の中心軸に位置していることを特徴とする請求項
    ６記載のヘアカッター。
  8. 【請求項８】 両可動子は往復振動方向においてばねで
    結合されていることを特徴とする請求項３〜７のいずれ
    かの項に記載のヘアカッター。
  9. 【請求項９】 両可動子の少なくとも一方が電磁駆動用
    の可動子を備えていることを特徴とする請求項８記載の
    ヘアカッター。
  10. 【請求項１０】 可動子は固定子に対して往復運動方向
    に変位可能な連結体で固定部に取り付けられて、固定子
    と非接触状態に保持されていることを特徴とする請求項
    １〜９のいずれかの項に記載のヘアカッター。
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