JP2003208589A - Icカードおよびその製造方法 - Google Patents

Icカードおよびその製造方法

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JP2003208589A
JP2003208589A JP2002006577A JP2002006577A JP2003208589A JP 2003208589 A JP2003208589 A JP 2003208589A JP 2002006577 A JP2002006577 A JP 2002006577A JP 2002006577 A JP2002006577 A JP 2002006577A JP 2003208589 A JP2003208589 A JP 2003208589A
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JP2002006577A
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Kyoko Uchida
恭子 内田
Tatsu Nakai
達 中居
Hideaki Shinohara
英明 篠原
Yoshihiro Shimizu
良浩 清水
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟化点の低いポリエステル樹脂を用いた表面
用樹脂層を備えたICカードにおいて、前記低い軟化点
に起因する問題を解決する。 【解決手段】 ICユニット2を備えたカード基体1の
少なくとも片面に、熱転写画像が印画可能な軟化点50
℃〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層
(表面用樹脂層4)が設けられたICカードにおいて、
前記樹脂層(表面用樹脂シート4)の表面が以下の
(a)、(b)を満足するICカードを製造する。 (a)JIS B0601に基づく表面粗さRa(算術
平均粗さ)値が0.1μm〜0.4μm。 (b)JIS B0601に基づくSm(凹凸の平均間
隔)値が400μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ICカードとその
製造方法に関するものであり、特にICカード表面に熱
転写シートの昇華染料や熱溶融性インク等を移行させ
て、任意の記録を行うのに適したICカードとその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気特性を利用した磁気カードが
情報記録媒体として使用されて来たが、最近は大容量可
変記録媒体であるICカードに移行しつつある。図2は
ICカードの構成を、その製造方法とともに説明した説
明図である。図中符号11はカード基体であり、その内
部にはICユニット12が内蔵されている。そして、こ
のカード基体11の裏面側と表面側に、それぞれシート
状の裏面用樹脂層13と表面用樹脂層14を積層し、こ
の積層体をプレス機圧縮面16A、16Bの間に配置
し、これらプレス機圧縮面16A、16Bによって上下
から熱圧着し、必要に応じて型抜き加工してICカード
を得る。
【0003】また、ICカードを会員証、社員証、免許
証等の個人の身分を証明するいわゆるIDカード等とし
て用いる場合、ICカードの表面に本人の顔写真等の画
像や住所、所属、個人コードNo.等本人の確認を行う
為の種々の個人情報が、記載もしくは貼付されているこ
とが好ましい。この様な用途においては、顔写真等を昇
華熱転写方式によりフルカラーで印画し、文字や記号等
は溶融熱転写方式でより鮮明に記録することが行われて
いる。この場合、図2に示した表面用樹脂層14は昇華
熱転写性と溶融熱転写性を兼ね備えた受像媒体としての
特性を有していることが好ましい。そこで、最近では、
表面用樹脂層14に、環境性、加工性が良好であり、か
つ昇華熱転写性および溶融転写性において、優れた染着
性を有する軟化点50℃〜140℃の非晶質系のポリエ
ステル樹脂(通称:PETG(ペットジー))を主成分
とする熱転写画像が印画可能な樹脂層として用いられる
様になった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記軟
化点の低いポリエステル樹脂を表面用樹脂層14として
用いると、いわゆる走行性不良が生じやすいという問題
があった。走行性不良とは、例えば表面用樹脂層14の
上に熱転写シートを積層し、熱転写プリンターによっ
て、前記熱転写シート側から熱をかけて、前記熱転写シ
ートの染料を表面用樹脂層14に転写して印画する際
に、熱転写シートが表面用樹脂層14に熱融着して剥離
しにくくなり、表面用樹脂層14の表面にいわゆる剥離
線が発生したり、印画時に発生する剥離音が大きくなる
こと等をいう。
【0005】そこで、この問題を改善する為に、表面用
樹脂層14の表面に滑剤や離型剤を塗布する方法が試み
られた。滑剤や離型剤のごく薄い層を設ける方法として
は、例えば滑剤や離型剤と、有機溶剤、水等の媒体を含
む塗料を塗工し、その後通常は100℃以上の乾燥工程
を行い、前記媒体を除去する方法が一般的である。しか
しながら、前記ポリエステル樹脂は軟化点が低いため、
乾燥工程中に表面用樹脂層14が軟化し、変形する等の
不都合を生じる場合があった。また、変形等が生じず、
走行性不良を改善することができても、滑剤や離型剤に
より、熱転写シートと表面用樹脂層14とが滑って印画
が困難となったり、また、滑剤や離型剤が印画画像をは
じいて画像が不鮮明となる場合があった。
【0006】また、軟化点が低いポリエステル樹脂を用
いているため、図2に示した様なICカードの成形時に
は、表面用樹脂層14とプレス機圧縮面16Bとが貼り
付いてしまうという問題が生じていた。この問題を解決
すべく、表面用樹脂層14に滑剤を添加することが行わ
れたが、通常の滑剤の添加程度では、実用可能なレベル
にすることは困難であった。そこで、滑剤を大量に添加
すると、上述の様に印画が困難となったり画像が不鮮明
となる問題が生じた。また、特にポリエステル樹脂の軟
化点が低いため、図2に示した様なICカードの成形時
に、プレス機圧縮面16Bの表面に異物や油分等の汚染
物質が存在すると、この異物が表面用樹脂層14の表面
に傷を形成しやすく、また、油分が表面用樹脂シート1
4の表面に付着しやすいため、印画にはじきを生じる等
の問題が発生した。特開2000−168246号公報
には、IDカード等に用いるプラスチックシートとし
て、昇華転写印刷方式によって図柄を印刷する際に、サ
ーマルヘッドの熱によってインクリボンがカードに貼り
付くことを防止するために、酢酸ビニルの含有率が30
モル%以上のエチレン酢酸ビニル共重合体を3質量%以
上含む非結晶性のポリエステル系樹脂を主成分とする昇
華転写印刷用シートが示されている。しかし、このシー
トにおいては、昇華印刷適性改善のためにエチレン酢酸
ビニル共重合体の添加が必要となり、材料選択の自由度
などが低下する。また、特開平11−100451号公
報には、耐熱性、熱融着性、機械強度ならびに取扱性に
優れた識別カード用シートを提供することを課題及び効
果とするもので、上述の様な熱転写シートを用いたとき
の特有の課題を解決することはできないが、特定の組成
からなり、かつ無延伸で、さらに少なくとも片面に表面
粗さRaが0.3〜10μmのマット加工を施した識別
カード用シートが記載されている。この場合も材料や無
延伸などの条件により、選択の自由度が低い。
【0007】本発明は前記事情に鑑てなされたもので、
軟化点の低いポリエステル樹脂を用いた表面用樹脂層を
備えたICカードにおいて、前記低い軟化点に起因する
従来の問題を少なくともひとつ、解決することを課題と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決すべく、鋭意検討した結果、熱転写により印画する
樹脂層の表面特性について、以下の様にRa値とSm値
の両方を特定の範囲にすることにより、これらの相乗効
果により、走行不良の問題を解決することができること
を見出した。また、この樹脂層をカード基体に熱圧着す
る際に表面に凹凸を形成した成形体を用いることによ
り、前記樹脂層に所望の凹凸を設けることができること
を見い出した。さらには、成形体として以下の様な成型
用保護フィルムを用いることにより、表面用樹脂層がプ
レス機圧縮面に貼り付くことや、異物や汚染物質によっ
て引き起こされる問題を解決できることを見出した。す
なわち、本発明のICカードは、ICユニットを備えた
カード基体の少なくとも片面に、熱転写画像が印画可能
な軟化点50℃〜140℃のポリエステル樹脂を主成分
とする樹脂層が設けられたICカードにおいて、前記樹
脂層の表面が以下の(a)、(b)を満足することを特
徴とする。 (a)JIS B0601に基づく表面粗さRa(算術
平均粗さ)値が0.1μm〜0.4μm。 (b)JIS B0601に基づくSm(凹凸の平均間
隔)値が400μm以下。 また、本発明においては、ICユニットを備えたカード
基体の少なくとも片面に、以下の(a)’、(b)’を
満足する成形体を用いて、熱転写画像が印画可能な軟化
点50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹
脂層を熱圧着し、前記成形体の表面の凹凸を当該樹脂層
に転写することにより、得られるICカードも好まし
い。 (a)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
1に基づく表面粗さRa(算術平均粗さ)値が0.1μ
m〜0.4μm。 (b)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
1に基づくSm(凹凸の平均間隔)値が400μm以
下。また、前記成形体が以下の(c)、(d)を満足す
る成形用保護フィルムであると好ましい。 (c)厚さが30μm〜400μm。 (d)JIS K7127に基づく引張弾性率(ヤング
率)が2〜10GPa。また、前記成形用保護フィルム
が、さらに以下の(e)を満足することを特徴とすると
好ましい。 (e)JIS C4003に基づく耐熱性が120℃以
上。そして、これらのICカードの樹脂層の表面に熱転
写シートを用いて印画し、鮮明な画像を備えたICカー
ドを得ることができる。また、本発明のICカードの製
造方法は、ICユニットを備えたカード基体の少なくと
も片面に、以下の(c)、(d)を満足する成形用保護
フィルムを介して、熱転写画像が印画可能な軟化点50
〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層を
熱圧着することを特徴とする。 (c)厚さが30μm〜400μm。 (d)JIS K7127に基づく引張弾性率(ヤング
率)が2〜10GPa。そして、前記成形用保護フィル
ムが、さらに以下の(e)、(f)、(g)を満足する
と好ましい。 (e)JIS C4003に基づく耐熱性が120℃以
上。 (f)少なくとも樹脂層側の表面のJIS B0601
に基づく表面粗さRa(算術平均粗さ)値が0.05μ
m〜20μm。 (g)少なくとも樹脂層側の表面のJIS B0601
に基づくSm(凹凸の平均間隔)値が400μm以下。 そして、この様にして得られたICカードに、さらにそ
の樹脂層の表面に熱転写シートを用いて印画すると、鮮
明な画像を備えたICカードを得ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明のICカードとその
製造方法を説明した説明図である。図中符号1はカード
基体であり、その内部にICユニット2が設けられてい
る。そして、ICカードの製造にあたっては、このカー
ド基体1の裏面側と表面側に、それぞれシート状の裏面
用樹脂層3と表面用樹脂層4を配置した積層体を形成す
る。ついで、この積層体をプレス機圧縮面6A、6Bの
間に配置する。
【0010】また、カード基体1と裏面用樹脂層3との
間、またはカード基体1と表面用樹脂層4との間の一方
あるいは両方に接着剤や粘着剤を介在させることもでき
る。なお、本発明において、「成形体」とは、後述する
熱圧着時に表面用樹脂層4に接触するものをいう。例え
ばプレス機圧縮面6Bそのものであっても、これと一体
化されたものであってもよい。また、プレス機圧縮面6
Bと積層体の間に介在させることができる板状、もしく
はフィルム状などのものであってもよく、特に限定され
ない。例えばSUS板などの金属製のものや、樹脂製の
成形用保護フィルムなどが好適であり、その中でも、後
述する様に、プレス機圧縮面6Bとの貼り付きや異物や
汚染物による問題を生じず、また表面用樹脂層4の表面
に正確に凹凸を転写可能である等の点から、成形用保護
フィルムが好ましい。本実施形態例においては、好適な
成形用保護フィルムを例として説明する。ついで、プレ
ス機圧縮面6Aと裏面用樹脂層3との間には、さらに成
形用保護フィルム5Aを配置し、プレス機圧縮面6Bと
表面用樹脂層4との間には成形用保護フィルム5Bを配
置する。
【0011】そして、プレス機圧縮面6A、6Bによっ
て、成形用保護フィルム5A、5Bを介して前記積層体
の積層方向から圧力をかけ、前記積層体において、裏面
用樹脂層3と表面用樹脂層4をカード基体1に熱圧着
し、カード基体1、裏面用樹脂層3及び表面用樹脂層4
を一体化させる。なお、本発明において「成形用保護フ
ィルムを介して熱圧着し、」とは、少なくとも表面用樹
脂層4の表面に成形用保護フィルムを配しその上(外
側)からプレス機圧縮面などによって加熱しながら圧力
をかけるこというものとする。
【0012】このとき、少なくとも表面用樹脂層4と接
触する成形用保護フィルム5Bは、その表面用樹脂層4
側の表面に細かい凹凸が設けられたものを用いると好ま
しい。その結果、熱圧着時に、積層体が一体化されると
同時にこの成形用保護フィルム5Bの表面の凹凸が表面
用樹脂層4の表面に転写され、表面用樹脂層4の表面に
後述する(a)、(b)に示すRa値とSm値の両方を
満足する適度な表面粗さを付与することができる。例え
ば上述の特開平11−100451号公報に記載の発明
の様に、予め表面に凹凸を付与した表面用樹脂層を、平
滑な表面を備えた成形用保護フィルム5Bなどを用いて
熱圧着すると、熱圧着時に、これと接触する表面用樹脂
層の表側の凹凸が熱によってゆがんだり、潰れたりし
て、所望の表面粗さを備えたICカードが得られないお
それがある。これに対して、本実施の形態例の様に、熱
圧着時に表面用樹脂層4に所望の表面粗さを付与する方
法によって得られるICカードは、製品完成時のICカ
ードの表面の凹凸が成形用保護フィルム5Bによって正
確に転写される。したがって、後述する様にICカード
の表面が(a)、(b)の条件を満足することによる効
果を十分に発揮することができ、また、この様な効果を
発揮するICカードの製造歩留まりが向上し、製造効率
が向上するという効果も得られる。
【0013】なお、裏面用樹脂層3の表面にも熱転写に
より印画する場合には、裏面用樹脂層3側の成形用保護
フィルム5Aも同様の構成とすると好ましい。また、成
形用保護フィルム5Bを用いることにより、表面用樹脂
層4が軟化点が低いポリエステル樹脂を主成分としたも
のであっても、表面用樹脂層4とプレス機圧縮面6Bと
が貼り付いたり、プレス機圧縮面6Bの表面の異物や汚
れによって表面用樹脂層4の表面に傷がついたり、印画
時に不都合が生じることを防ぐことができる。また、こ
の様にシート状のものを熱圧着して裏面用樹脂シート
3、表面用樹脂シート4を形成するので、例えば塗料を
塗布、乾燥して形成する場合と比較して、製造工程が簡
便であり、かつ乾燥時にカード基体1が膨潤したりする
不都合が生じない。
【0014】熱圧着の温度や時間は、熱圧着する材料等
によって適宜変更可能であるが、例えば20〜250℃
の間で任意に設定できる。なお接着剤を用いる場合には
60〜200℃が好ましく、粘着剤を用いる場合には2
0〜100℃が好ましい。
【0015】ついで、得られた積層体を室温まで冷却し
た後、プレス機圧縮面6A、6B、および成形用保護フ
ィルム5A、5Bを取り除き、カード型に打ち抜いてI
Cカードを得る。そして、この後、表面用樹脂層4の表
面に、熱転写により、画像を印画する。例えば顔写真等
を昇華熱転写方式により昇華熱転写インクシートから昇
華染料を移行させてフルカラーで印画し、文字や記号等
は溶融熱転写インクシートから熱溶融性インクを移行さ
せて溶融熱転写方式でより鮮明に記録することができ
る。
【0016】以下、各構成について詳細に説明する。 ・樹脂層(表面用樹脂層) 本発明においては、少なくともICカードの表面側に設
けられた樹脂層(表面用樹脂層4)の表面粗さが、一定
の範囲を満足することを特徴とする。この樹脂層は軟化
点が50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とし、
熱転写画像が印画可能なものである。
【0017】この樹脂層は、少なくともその表面(熱転
写画像を印画する面)において、以下の(a)、(b)
の両方を満足することが好ましい。 (a)JIS B0601に基づく表面粗さRa(算術
平均粗さ)値が0.1μm〜0.4μm、好ましくは
0.10μm〜0.35μm、さらに好ましくは0.1
0〜0.30μm未満。 (b)JIS B0601に基づくSm(凹凸の平均間
隔)の値が400μm以下、好ましくは350μm以
下、さらに好ましくは300μm以下、実質的に20μ
m以上であることが好ましい。なお、これらRa値とS
m値は、(株)小坂研究所製の触針式の2次元表面粗さ
試験機SE−3C及び解析装置AY41を用いて測定し
たものである。
【0018】Ra値が0.4μmを超えると、樹脂層の
表面の凹凸が大きくなり、熱転写画像の画質が不均一と
なるおそれがある。0.1μm未満であると、表面の平
滑性が過大であるため、熱転写画像の印画時に熱転写シ
ートと樹脂層とが熱融着したり、樹脂層から熱転写シー
トを剥離する際に、この樹脂層の表面に剥離線が発生し
たり剥離音が大きくなったりして、走行性が悪化する。
Sm値が400μmを超えると熱転写シートの剥離性が
悪化し、剥離線等が発生するおそれがある。したがっ
て、Ra値が上記範囲を満足していても、Sm値が40
0μmをこえると本発明の効果は得られず、これらふた
つの条件を両方とも満足することが重要である。
【0019】この樹脂層に用いられる軟化点50℃〜1
40℃のポリエステル樹脂としては、ジカルボン酸とジ
オール(モル比1:1)の脱水縮合、またはヒドロキシ
カルボン酸単独の脱水縮合で得られるエステル基を含む
ポリエステル樹脂等が用いられるが、軟化点の数値範囲
を満足するポリエステル樹脂であれば特に限定されな
い。この様に樹脂層の材料に係る制限が小さいことも利
点のひとつである。なお、ポリエステル樹脂の軟化点が
50℃未満では、成形加工適性等が劣化するおそれがあ
り、140℃をこえると熱転写等による鮮明な印画が得
られなくなるおそれがある。そして、さらに好ましくは
軟化点が55〜135℃、より好ましくは60〜130
℃のポリエステル樹脂を用いる。軟化点はポリエステル
樹脂を構成する材料やその比率を変更することによって
調節することができる。
【0020】軟化点は、JIS K7196に準拠し、
粘弾性測定装置(DMS6100、セイコーインスツル
メンツ社製)を用い、静的荷重制御モード(F制御モー
ド)にて測定した値である。具体的には、シート状の樹
脂層試料について、荷重100g、昇温温度5℃/分の
条件の変位を測定し、変位−温度曲線を作成する。この
曲線において、樹脂層試料が軟化を始めるよりも低温側
に認められる直線部分を高温側に延長し、変位が最大と
なる部分の接線の低温側への延長との交点を軟化点とす
る。 測定条件は、試料サイズ:1cm×4cm×150μ
m、チャック間距離:2cm、温度範囲:−20℃〜2
50℃である。
【0021】本発明に好適なポリエステル樹脂におい
て、熱転写特性の点から、前記ジカルボン酸成分として
は テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
2.6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン
酸類;コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸類が挙げら
れる。これらは1種または2種以上組み合わせて用いら
れる。前記ジオール成分としては一般の脂肪族グリコー
ル類、芳香族グリコール類、脂環族グリコール類等が用
いられる。具体的には、例えば、エチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオ−ル、
1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジ
プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シク
ロヘキサンジメタノール等が挙げられる。これらは1種
または2種以上組み合わせて用いられる。前記ヒドロキ
シカルボン酸類としてはp−ヒドロキシ安息香酸、6−
ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等が挙げられる。これらは
1種または2種以上組み合わせて用いられる。
【0022】特に、ジカルボン酸成分としてテレフタル
酸を用い、ジオール成分としてエチレングリコールとシ
クロヘキサンジメタノールの2成分を組み合わせて用い
たものが好ましい。すなわち、テレフタル酸、エチレン
グリコール、シクロヘキサンジメタノールに由来する繰
り返し単位からなるものが好適である。なお、シクロヘ
キサンジメタノールとしては、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール等
が好適である。
【0023】テレフタル酸、エチレングリコール、シク
ロヘキサンジメタノールに由来する繰り返し単位を有す
るポリエステル樹脂は、モノマーの比率を変えることに
より、樹脂の物性(例えば軟化点、結晶性、熱物性等)
を容易に変更することができる。そして、軟化点を50
〜140℃に制御することが容易であり、好ましい。
【0024】軟化点を50〜140℃にするためには、
ポリエステル樹脂中のジオール成分のうち、シクロヘキ
サンジメタノ−ルを5モル%以上とすることが好まし
い。特に、ジオール成分が、シクロヘキサンジメタノー
ル5〜70モル%と、エチレングリコール95〜30モ
ル%からなり、特に好ましくはシクロヘキサンジメタノ
ール10〜40モル%と、エチレングリコール90〜6
0モル%からなるポリエステル樹脂を用いると、軟化点
が低くても樹脂シートが伸びにくく、加工成形適性が良
好であり、好ましい。
【0025】なお、前記ポリエステル樹脂を主成分とす
る樹脂層は、その表面に熱転写により画像を印画可能な
ものであれば特に限定するものではないが、熱転写特性
の点から、それ自体の軟化点が実質的に50〜140℃
であることが好ましい。そのため、特に限定するもので
はないが、例えば樹脂層中、前記ポリエステル樹脂は5
0質量%以上配合される。そして、この樹脂層には、こ
のポリエステル樹脂の他、本発明の効果を損なわない範
囲で、一般に用いられている下記のような熱可塑性樹脂
を配合することができる。配合するものは成形性、加工
性等の面から、主成分のポリエステル樹脂と混和性の良
い樹脂が好ましい。具体的には、例えば他のポリエステ
ル系樹脂、ポリビニルホルマール系樹脂、ポリビニルブ
チラール等のポリアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニル系
樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、ポリスチレン系樹
脂、スチレンーアクリロニトリル共重合体系樹脂、ポリ
エチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリメチルメ
タクリレート系樹脂、メチルメタクリレート−スチレン
共重合体系樹脂、ポリアミド系樹脂、エチルセルロース
系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリカーボネート系樹
脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。これらは1種
または2種以上用いることができる。また、特に耐熱性
向上の観点からポリカーボネート系樹脂を用いることが
好ましい
【0026】また、この樹脂層には、必要に応じて公知
の各種添加剤を1種、あるいは2種以上配合することが
出来る。添加剤としては、例えば無機顔料類(例えば酸
化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化チ
タン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウ
ム、ケイ酸カルシウム、タルク等)等が挙げられる。顔
料は隠蔽性を付与するために配合されることが多い。そ
して、特に白色顔料が好ましく用いられ、その中でも安
価でかつ隠蔽性に優れたものとして酸化チタン、炭酸カ
ルシウム等が好ましく用いられる。また、ステアリン酸
亜鉛等の金属石鹸、各種界面活性剤等の分散剤、酸化防
止剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸収剤、有機顔料等
も添加可能である。
【0027】なお、この樹脂層の成形方法は特に限定さ
れるものではなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、スクリュー型押出機に接続された単層または多
層のTダイやIダイを使用して溶融樹脂混合物をシート
状に押し出すエキストルージョン成形、インフレーショ
ン成形、キャスト成形、カレンダー成形、圧延成形等が
挙げられる。また、樹脂層は延伸したものであってもよ
い。延伸方法も特に限定せず、例えばロール群の周速差
を利用した縦延伸、テンターオーブンを利用した横延
伸、縦延伸と横延伸の組み合わせによる2軸延伸、圧
延、テンターオーブンとリニアモーターの組み合わせに
よる同時2軸延伸等の公知の方法を適用することができ
る。
【0028】また、樹脂層を多層構造とし、各層を軟化
点50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする異
なる組成の材料から構成することもできる。樹脂層を多
層構造とする場合の各層の一体化は接着剤や粘着剤を用
いたドライラミネート法、ポリオレフィン系樹脂等を用
いた溶融押出サンドイッチラミネート法等が挙げられ
る。接着剤としては、例えばポリエーテル系、ポリエス
テル系等の高分子樹脂成分にエポキシ系、ポリイソシア
ネート系等の硬化剤を配合した接着剤等が用いられる。
粘着剤としては、例えばアクリル系、ウレタン系樹脂に
イソシアネート系、エポキシ系の硬化剤を配合した粘着
剤等が用いられる。また、接着剤や粘着剤を用いずに熱
圧着して一体化することもできる。
【0029】また、例えば図1に示した表面用樹脂層4
とカード基体1との間に1種または2種以上の他の樹脂
層を配置することもできる。このとき、カード基体1と
の熱圧着前に予め軟化点の低いポリエステル樹脂を主成
分とするシート状の樹脂層と、その裏側に配置される他
のシート状の樹脂層とを一体化しておくと好ましい。こ
の、他の樹脂層に使用可能な材料は、例えばポリエチレ
ンテレフタレート樹脂、アクリロニトリル−スチレン−
ブタジエン共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂等である。一体化する方法は上述の樹脂層を
多層構造とする場合と同様とされる。したがって、本発
明において「カード基体の少なくとも片面に・・・軟化
点50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹
脂層を熱圧着」とは、この様に予め軟化点50〜140
℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層と、他の樹
脂層とを一体化したシート状のものとカード基体とを熱
圧着により一体化することを含むものとする。
【0030】この軟化点50〜140℃のポリエステル
樹脂を主成分とする樹脂層の厚さは30μm〜400μ
m、より好ましくは50μm〜300μmの範囲とされ
る。30μm未満では断熱性やクッション性が不十分と
なり、記録濃度が低下する傾向がある。400μmを越
えると、ICカードの厚さが増大し、実用上好ましくな
い場合がある。
【0031】なお、他の樹脂層をカード基体1側に積層
する場合は、他の樹脂層によっても断熱性やクッション
性が確保されるので、軟化点50〜140℃のポリエス
テル樹脂を主成分とする樹脂層と他の樹脂層を一体化し
た状態の厚さが30〜400μmの範囲であり、そのう
ち、軟化点50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分
とする樹脂層の厚さは20〜350μmであると好まし
い。また、樹脂層はその表面に必要に応じてコロナ処理
やアンカー処理、帯電防止処理等の公知の表面処理を施
したものなどを用いることができる。
【0032】・カード基体 カード基体の構成は特に限定するものではない。例えば
図1に例示したカード基体1とICユニット2(好まし
くはカード基体1に内蔵したICユニット)の構成は特
に限定せず、従来公知のもの等を用いることができる。
例えば、シート状の第1の基材の片面にICチップ、ア
ンテナ等からなるICユニットを装着し、その上にシー
ト状の第2の基材を積層し、一体化して製造したものな
どを用いることができる。なお、第2の基材の片面にI
Cチップを設け、これを、アンテナ等を印刷等によって
設けた第1の基材の片面に重ね合わせ、一体化してカー
ド基体とすることもできる。また、シート状の第1の基
材の片面に同様にICユニットを装着し、この第1の基
材をシート状の第2、第3の基材によって挟んで一体化
して製造されたもの等を用いることができる。なお、カ
ード基体1を所望のサイズとする型抜きは、通常この様
に材料を全て積層、一体化した後に行う。前記基材とし
ては絶縁性のあるシート状のもの(絶縁性基材)が用い
られる。その材料としては、例えばポリエチレンテレフ
タレート樹脂等が挙げられる。その他、アクリロニトリ
ル−ブタジエン−スチレン樹脂、ポリブチレン樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、紙、合成紙
等を用いることができる。これらの材料は1種または2
種以上を適宜選択して使用可能である。なお、カード基
体1の厚さは特に限定するものではないが、例えば10
0〜800μmとされる。
【0033】・裏面用樹脂層 本発明のICカードにおいては、必須ではないが、図1
に示した様にカード基体1の裏面に、裏面用樹脂層3を
設けることが好ましい。特に上述の様に裏面用樹脂層3
にも熱転写により印画する場合には、表面用樹脂層4と
同様の構成の裏面用樹脂層3を用いると好ましい。ま
た、裏面用樹脂層3は熱圧着時、熱転写による印画時等
のICカードの表裏の熱収縮差を小さくし、カールの無
い良好な外観のICカードを得る点から、表面用樹脂層
4と同様の熱収縮率を有する材料からなるものが好まし
く、さらに好ましくは表面用樹脂層4と裏面用樹脂層3
の材料を同じものとする。あるいは、裏面用樹脂層3を
用いてICカードの厚さを調整することもできる。裏面
用樹脂層3の厚さは、例えば表面用樹脂層4と同様に3
0μm〜400μm、より好ましくは50μm〜300
μmとされる。
【0034】・成形用保護フィルム 図1に示した例においては、成形用保護フィルム5A、
5Bは裏面用樹脂層3側と表面用樹脂層4側の両方に配
置されているが、成形用保護フィルムは表面用樹脂層4
側の成形用保護フィルム5Bが用いられていればよく、
裏面用樹脂層3側の成形用保護フィルム5Aは任意であ
る。裏面用樹脂層3が表面用樹脂層4と同様の材料から
なる場合には、上述の低い軟化点に起因する問題を生じ
やすいため、図1に示した様に裏面用樹脂層3側にも配
置することが好ましい。
【0035】成形用保護フィルムは、(c)厚さが30
μm〜400μm、好ましくは35〜350μm、さら
に好ましくは50〜250μmであることが好ましい。
30μm未満ではフィルムの腰が無く、作業性が悪く、
また異物に起因する傷つき防止性が低下する傾向があ
る。400μmを越えると、フィルムの厚さが不均一性
となり、これに伴って表面用樹脂層4の表面に不必要な
凹凸が発生する。そして、画像印画において白抜けの発
生を惹起し、実用上好ましくない。また経済的に不利と
なる。
【0036】また、成形用保護フィルムは、(d)JI
S K7127に基づく引張弾性率(ヤング率)が2〜
10GPa、好ましくは2.5〜8.0GPa、さらに
好ましくは3.0〜6.0GPaであることが好まし
い。引張弾性率がこの範囲を満足するものを用いること
により、例えば図1に示したプレス機圧縮面6Bの表面
に異物が付着していた場合であっても、その凹凸が成形
用保護フィルム5Bを介して表面用樹脂層4の表面に転
写されることがなく、表面用樹脂層4の表面が傷つくこ
とがない。2GPa未満では傷を防ぐ効果が低くなる。
また、柔らかすぎて、成形用保護フィルム5Bの表面の
凹凸が表面用樹脂層4に転写されにくくなり、表面用樹
脂層4の表面に所望の凹凸を形成できない場合がある。
10GPaを越えると硬すぎて、特に熱圧着成形時の加
熱初期において、成形用保護フィルム5Bの変形が小さ
く、カード基体1に過大な圧力が掛かり、ICユニット
2の性能劣化の原因となるおそれがある。なお、引張弾
性率はJIS K7127(プラスチックの引張特性の
試験方法)に基いて、(株)東洋精機製のストログラフM
2にて測定した値である。
【0037】そして、さらに(e)JIS C4003
に基づく耐熱性が120℃以上、実質的には400℃以
下であるものが好ましい。ここで、「JIS C400
3に基づく耐熱性が120℃以上」とは、JISC40
03の「電気絶縁材料としての耐熱区分」で120℃以
上であることを示す。120℃未満では、熱圧着成形
時、図1に示した様に、成形用保護フィルム5Bとその
上下の表面用樹脂層4、あるいはプレス機圧縮面6Bと
が融着し、表面用樹脂層4とプレス機圧縮面6Bとの剥
離性の悪化、それに伴う表面用樹脂層4の表面の荒れ等
の問題が発生し、作業性の悪化、実用品質低下の原因と
なる。
【0038】また、(f)少なくとも樹脂層側の表面の
JIS B0601に基づく表面粗さRa(算術平均粗
さ)値が0.05μm〜20μm、好ましくは0.06
〜10μm、さらに好ましくは0.07〜5μmである
ものが好ましい。さらに、(g)少なくとも樹脂層側の
表面のJIS B0601に基づくSm(凹凸の平均間
隔)値が400μm以下、好ましくは350μm以下、
実質的には20μm以上であることが好ましい。
【0039】Ra値が0.05μm未満であると、熱圧
着したときに図1に示した表面用樹脂層4と成形用保護
フィルム5Bとの剥離性が不充分となるおそれがある。
また、表面用樹脂層4と成形用保護フィルム5Bとの界
面に気泡を噛み込む等の不都合を生じるおそれがある。
また、ICカードの走行性も悪化する。Ra値が20μ
mを超えると表面用樹脂層4の表面の凹凸も過大とな
る。その結果、熱転写時に熱転写シートと表面用樹脂層
4とが密着しにくくなり、画像が転写されない部分が生
じる、いわゆる白抜けが発生して印画品質が低下する。
また、印刷インキ接着性、インキ着肉性、印刷機械適性
等の印刷適性も悪化するおそれがある。
【0040】また、Sm値が400μmを超えると、熱
圧着の後に成形用保護フィルム5Bと表面用樹脂層4と
が剥離しにくくなり、表面用樹脂層4の表面が荒れるお
それがある。よって、ここでもRa値とSm値の両方を
規定することが重要である。なおRa値及びSm値の測
定方法は、上述の表面用樹脂層の場合と同様である。
【0041】なお、上述の様に成形用保護フィルムの表
面の凹凸を転写して表面用樹脂層の表面に所望の凹凸を
設ける場合には、目標とする表面用樹脂層の表面のRa
値とSm値と同じRa値とSm値を備えた成形用保護フ
ィルムを用い、その表面特性が表面用樹脂層に正確に転
写される様にすると好ましい。したがって、成形用保護
フィルムは、以下の(a)’、(b)’の条件を満足す
ると好ましい。 (a)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
1に基づく表面粗さRa(算術平均粗さ)値が0.1μ
m〜0.4μm、好ましくは0.10μm〜0.35μ
m、さらに好ましくは0.10〜0.30μm未満。 (b)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
1に基づくSm(凹凸の平均間隔)値が400μm以
下、好ましくは350μm以下、さらに好ましくは30
0μm以下、実質的に20μm以上であることが好まし
い。
【0042】なお、これら(a)’、(b)’の条件を
満足すると好ましいのは、成形保護フィルムの他、その
上位概念に含まれる、SUS板などの金属板などの他の
成形体を用いて樹脂層に凹凸を転写する場合も同様であ
る。
【0043】ここで、成形用保護フィルム5Bの表面に
凹凸を形成する方法としては、特に限定されるものでは
なく、公知の種々の方法が利用される。例えばフィルム
に砂を吹き付けるサンドブラスト法;アルカリ鹸化液や
有機溶剤でフィルム表面をエッチングしてマット化する
エッチングマット化法;フィルム表面にマット剤をコー
テイングしてマット化する表面コーテイング法;フィル
ム製造中にエンボスロールや梨地、または艶消しした表
面を持ったドラム、またはエンドレスベルトを使用して
凹凸を付与する型付け法;無機顔料あるいは熱可塑性樹
脂を添加した押出成形用樹脂を成膜、延伸して凹凸付与
と不透明化を同時に行う方法等がある。
【0044】成形用保護フィルム5Bの材料は、一般に
使用されている各種の樹脂を主成分とするフィルムある
いはシートに用いられているものを使用することができ
る。その主成分としては、例えばポリエチレンテレフタ
レート等のポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポ
リカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリスルホ
ン系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリエーテル
エーテルケトン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂、ポ
リフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系樹
脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、ポリエステルエ
ーテル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアラミド系樹脂、ポ
リパラベン酸系樹脂、ポリオキサジアゾール系樹脂、ポ
リヒンダントイン系樹脂、セルローストリアセテート、
セルロースジアセテート等のアセテート系樹脂等を挙げ
ることができる。これらは1種または2種以上組み合わ
せて用いることができる。
【0045】またこの他、成形用保護フィルム5Bの効
果を損なわない範囲で、一般に用いられている熱可塑性
樹脂を併用することもできる。例えば成形性、加工性等
の面から、前記主成分との混和性の良い、耐熱性の良好
な樹脂が好ましい。例えば、ポリビニルホルマール系樹
脂、ポリビニルブチラール等のポリアセタール系樹脂、
ポリスチレン系樹脂、スチレンーアクリロニトリル共重
合体系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、メチル
メタクリレート−スチレン共重合体系樹脂、エチルセル
ロース系樹脂、酢酸セルロース系樹脂、ポリカーボネー
ト系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリオレフィン樹系脂等
が挙げられる。これらは1種または2種以上用いること
ができる。
【0046】また、必要に応じて公知の各種添加剤を1
種、または2種以上配合することもできる。添加剤とし
ては、例えば酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸
化珪素、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、
炭酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、タルク等の無機
顔料類等が挙げられる。特に商品外観及び材料入手が容
易なことから、白色顔料が好ましく用いらる。その中で
も安価であるため、酸化チタン等が好ましく用いられ
る。また、上述の様に無機顔料を配合することにより、
成形用保護フィルム5Bの表面に所望の凹凸を形成する
ことができる。凹凸を形成するのに適したものとして
は、例えば酸化珪素、硫酸バリウム、酸化チタン等が挙
げられる。このとき無機顔料の粒径や配合量を変更する
ことにより、表面粗さを調整することができる。その
他、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、各種界面活性剤等
の分散剤、酸化防止剤、帯電防止剤、増白剤、紫外線吸
収剤、有機顔料等の公知の各種添加剤も配合可能であ
る。成形用保護フィルムの成形方法は特に限定するもの
ではなく、例えば上述の表面用樹脂層の説明において例
示した方法と同様の方法を用いることができる。また、
成形用保護フィルム以外の成形体を用いる場合も、その
凹凸の形成や加工法などは特に限定されない。
【0047】・接着剤、粘着剤 上述の様に、図1に示したカード基体1と裏面用樹脂層
3との間と、表面用樹脂層4との間の一方あるいは両方
に接着剤、粘着剤を用いることができる。この接着剤と
しては、例えばユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂、酢酸ビニル−ア
クリル共重合体樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体系樹
脂、アクリル系樹脂、ポリビニルエーテル系樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、ポリスチレン系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリア
ミド系樹脂、塩素化ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル
ブチラール系樹脂、アクリル酸エステル系共重合体、メ
タクリル酸エステル系共重合体、天然ゴム系、シアノア
クリレート系、シリコーン系樹脂等の任意の接着剤が挙
げられる。粘着剤としては、これらの接着剤に適当な粘
着付与剤を添加したもの等が使用できる。なお、これら
の接着剤や粘着剤は、さらに必要に応じて可塑剤、充填
剤、老化防止剤等等が添加されたものを用いることもで
きる。
【0048】なお、接着剤強度の点では、化学反応で硬
化或いは重合するタイプの化学反応型接着剤が好まし
い。例えば、エポキシ、レゾール等の熱硬化型、2−シ
アノアクリル酸エステル、シリコーン、アルキルチタネ
ート等の湿気硬化型、アクリル系オリゴマー等の嫌気硬
化型、紫外線硬化型、ないしはラジカル重合型、エポキ
シ、イソシアネート等の付加反応型接着剤等が挙げられ
る。
【0049】・その他設けることが可能な層等 本発明のICカードには、熱転写記録方式による印画を
行った後、画像保護層を形成することもできる。画像保
護層の形成については、例えば2種類の方式がある。熱
転写用シートに転写用画像保護層を設け、加熱により熱
転写画像上に画像保護層を転写する方式(以下、転写方
式ともいう)と、実質的に透明な画像保護層用フィルム
を熱転写画像上に貼着積層する方式(以下、貼着方式と
もいう)である。
【0050】転写方式の場合、染料層を有する熱転写シ
ートに転写用画像保護層を設けておき、印画を行うプリ
ンターで印画後直ちに画像保護層を形成してもよく、ま
た染料層を有する熱転写シートとは別のシートに転写用
画像保護層を転写形成しておき、一旦印画した後、プリ
ンター等で加熱により画像保護層を転写形成してもよ
い。別のシートとしては、ポリエチレンテレフタレート
フィルム等、一般に熱転写シートに使用されるシート材
料であれば特に限定されるものでない。
【0051】画像保護層の成分としては、例えば、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体、ポリビニルブチラール等のポリビニルアセタ
ール系樹脂、セルロースアセテートブチレート等のセル
ロース系樹脂等が挙げられる。また、スチレン−ブタジ
エンゴムラテックス、ニトリル−ブタジエンゴムラテッ
クス、アクリル系エマルジョン、澱粉、ポリビニルアル
コール等の水性樹脂も使用可能である。また、適宜無機
顔料を併用してもよく、例えばクレー、炭酸カルシウ
ム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワイ
ト、シリカ、酸化マグネシウム、硫酸バリウム等を使用
することができる。
【0052】貼着方式の場合、透明な画像保護層用フィ
ルムを用いて、ICカードの印画面に卓上ラミネーター
等で熱により画像保護層を接着させてもよく、あるいは
画像保護層を透明フィルム上に形成しておき、他面に粘
着剤や接着剤を形成し、粘着剤や接着剤を介して印画面
に貼着してもよい。画像保護層用透明フィルムとしては
透明なポリエチレン系フィルム、エチレン−酢酸ビニル
共重合体系フィルム、ポリプロピレン系フィルム等のポ
リオレフィン系フィルム、あるいはポリエチレンテレフ
タレート系フィルムが用いられる。勿論、アンカーコー
ト処理やコロナ処理、帯電防止処理等の公知の処理を施
してもよい。
【0053】画像保護層用透明フィルム上には塗被層を
形成する事ができる。例えば、ポリエステル樹脂、アク
リル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリビニ
ルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂、セルロ
ースアセテートブチレート等のセルロース系樹脂等、が
挙げられる。また、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、ニトリル−ブタジエンゴムラテックス、アクリル系
エマルジョン、澱粉、ポリビニルアルコール等の水性樹
脂も使用可能である。また、適宜顔料を併用してもよ
く、クレー、炭酸カルシウム、二酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、サチンホワイト、シリカ、酸化マグネシウ
ム、硫酸バリウム等が挙げられる。
【0054】上記の画像保護層或いは塗被層には紫外線
吸収剤を配合してもよく、300〜400nmの紫外線
を吸収するものが好ましく、例えばベンゾフェノン系、
トリアゾール系、サリシレート系の化合物を用いること
ができる。また、蛍光染料、蛍光顔料、燐光顔料等を偽
造防止の為に配合することもできる。
【0055】本発明のICカードには、このICカード
の裏面側あるいはカード基体の少なくとも一表面側に、
静電気の防止、ICカード相互の擦れによる熱転写記録
受容表面の損傷防止、さらにはプリントしたICカード
を重ね置きしたとき、熱転写記録側表面からそれに接触
隣接するICカード裏面への染料移行防止等を目的とし
て背面被覆層が形成されていてもよい。
【0056】背面被覆層には、接着剤として有効な樹脂
が含まれ、かつ、この樹脂は熱転写記録受容側表面の傷
つき防止、特に昇華熱転写記録の場合、染料の移行防止
の為にも有効なものである。このような樹脂としては、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、メラミン
樹脂等、並びにこれらの樹脂の反応硬化物を用いること
ができる。
【0057】また背面被覆層には帯電防止処理のために
各種の導電剤を添加することができる。導電剤として
は、カチオン系ポリマーを用いることが望ましい。カチ
オン系ポリマーとしては、一般的にポリエチレンイミ
ン、カチオン性モノマーを含むアクリル系重合体、カチ
オン変性アクリルアミド系重合体およびカチオン澱粉等
が好ましく用いられる。背面被覆層の塗工量は、0.3
〜15g/m2 の範囲内にあることが望ましい。0.3
g/m2 未満であると、帯電防止効果が不充分であった
り、熱転写記録受容側表面と裏面とが擦れ合った時に熱
転写記録受容側表面の傷つきを十分に防止できないこと
があり、また15g/m2 を越えると、効果が飽和し不
経済である。
【0058】なお、塗被層は、バーコーター、グラビア
コーター、コンマコーター、ブレードコーター、エアー
ナイフコーター、ゲートロールコーター、カーテンコー
ター、ダイコーター等公知のコーターを用いて塗工、乾
燥して形成することができる。
【0059】なお、ICカード自体の厚さは、カード基
体1の厚さ等にもよるが、例えば200〜1000μm
の範囲であり、好ましくは300〜900μmの範囲で
ある。
【0060】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例において、特に断らない限り「%」及び
「部」はすべて「質量%」及び「質量部」を示す。
【0061】実施例1 ・表面用樹脂層、裏面用樹脂層 酸化チタンを添加したテレフタル酸−エチレングリコー
ル−シクロヘキサンジメタノール共重合体である高隠蔽
白色PETGシート(商標:デイアフィクスPG−WH
I、厚さ150μm、一般タイプ、軟化点64℃、三菱
樹脂製)を用いた。成形前のJIS B0601に基づ
く表面粗さはRa値が7.0μm、Sm値が80μmで
あった。
【0062】・カード基体 絶縁性基材(商標:テトロンS、帝人製、厚さ175μ
m、材質:ポリエチレンテレフタレート)の裏面側に下
記組成の塗料−1を固形分で1g/m2となるように、
バーコーティング法で塗工、乾燥して帯電防止層を設
け、次に表面側に3ターンの巻き線アンテナ及び回路を
銀ペーストによるスクリーン印刷法にて作成し、回路基
盤のICチップが搭載される位置に異方性樹脂を介して
ICチップ(型番:SLE44R31、SIEMENS
製、厚さ185μm)をフェースボンディングにて搭載
し、カード基体を作成した。 ・・塗料−1(帯電防止層用塗料) アクリル樹脂(商標:リカボンドSAR−615A、中央理化製) 100部 エポキシ硬化剤(商標:リカボンドSAR−615B、中央理化製) 5部 導電剤(商標:ST2000H、三菱化学製) 75部 シリカ顔料(商標:P78A、水沢化学製) 30部
【0063】・ICカード 上記表面用樹脂層、シート状ポリエステル系接着剤、上
記カード基体、シート状ポリエステル系接着剤、および
上記裏面用樹脂層を順次重ね合わせ、これを成形用保護
フィルムとして2枚の2軸延伸透明ポリエステルフィル
ム(商標:テトロンS、帝人製、材質:ポリエチレンテ
レフタレート、厚さ175μm)で挟み、プレス温度1
20℃、試料圧力5kgf/cm2で15分間保持し、
貼合わせた積層体を、室温まで冷却して成形用保護フィ
ルムを剥がし、打ち抜き機でカード型(縦55mm、横
85mm)に成形してICカードを得た。なお成形用保
護フィルムの表面粗さはRa値が0.10μm、Sm値
が150μmであり、引張弾性率は4.5GPa、耐熱
性は120℃であった。ICカードの厚さは760μm
であり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗
さはRa値が0.10μm、Sm値が150μmであっ
た。
【0064】実施例2 成形用保護フィルムとして、酸化チタンを添加した2軸
延伸白色ポリエステルフィルム(商標:テトロンU2、
帝人製、厚さ188μm、材質:ポリエチレンテレフタ
レート)を使用した以外は実施例1と同様にしてICカ
ードを得た。なお、成形用保護フィルムの表面粗さは、
Ra値が0.15μm、Sm値が100μmであり、引
張弾性率は4.0GPa、耐熱性は120℃であった。
ICカードの厚さは760μmであり、成形後の裏面用
樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が0.15μ
m、Sm値が100μmであった。
【0065】実施例3 裏面用樹脂層、表面用樹脂層として、酸化チタンを添加
したテレフタル酸−エチレングリコール−シクロヘキサ
ンジメタノール共重合体80質量%、芳香族ポリカーボ
ネート樹脂20質量%からなる高隠蔽白色PETGシー
ト(商標:デイアフィクスPG−WHT、厚さ150μ
m、耐熱タイプ、軟化点82℃、三菱樹脂製)を用い、
成形用保護フィルムとして下記の方法で作成した粗面化
ポリエステルシートを用いた以外は、実施例1と同様に
してICカードを得た。なお、成形前の裏面用樹脂層、
表面用樹脂層の表面粗さは、Ra値が5,5μm、Sm
値が80μmであった。ICカードの厚さは760μm
であり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗
さは、Ra値が0.38μm、Sm値が40μmであっ
た。 ・成形用保護フィルムの作成 極限粘度0.68(測定法:JIS K7367−5に
準拠、測定溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:
25℃)のポリエチレンテレフタレートチップを押出機
で溶融混練した。上記の溶融物をダイに供給して、29
0℃の押出機で押し出し、30℃に設定したキャステイ
ングロール上で急冷して、無延伸シートを得た。次に得
られた無延伸シートを80℃に温調された予熱ロール
と、表面に、表面粗さRa値が0.38μm、Sm値が
40μmであるハードクロムメッキが施され、150℃
に温調された粗面ロールと70℃に温調されたタッチロ
ールとが縦設された各ロール間に狭持して予熱及び型付
けすることにより、一方の面に粗面化パターンを有す
る、厚さ250μmの粗面化ポリエステルシートを得
た。また、成形用保護フィルムの表面粗さは、Ra値が
0.38μm、Sm値が40μmであり、引張弾性率は
2.7GPa、耐熱性は120℃であった。
【0066】実施例4 成形用保護フィルムとしてポリイミドフィルム(商標:
カプトンH、東レ製、厚さ125μm、材質:ポリイミ
ド)を使用した以外は実施例1と同様にしてICカード
を得た。なお、成形用保護フィルムの表面粗さはRa値
が0.18μm、Sm値が170μmであり、引張弾性
率は3.0GPa、耐熱性は180℃以上であった。I
Cカードの厚さは760μmであり、成形後の裏面用樹
脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が0.18μ
m、Sm値が170μmであった。
【0067】実施例5 成形用保護フィルムとして、下記の方法で作成したもの
を使用した以外は実施例1と同様にしてICカードを得
た。ICカードの厚さは760μmであり、成形後の裏
面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が0.1
0μm、Sm値が350μmであった。 ・成形用保護フィルムの作成 極限粘度0.62(測定法:JIS K7367−5準
拠、測定溶媒:オルトクロロフェノール、測定温度:2
5℃)のポリエチレンテレフタレートチップを押出機で
溶融混練した。上記の溶融物をダイに供給して290℃
の押出機で押し出し、30℃に設定されたキャスティン
グロール上で急冷して、無延伸シートを作成し、次に9
0℃で縦方向に3倍、横方向に3.2倍延伸して200
℃で5秒熱処理した。得られた成形用保護フィルムの厚
さは100μm、表面粗さはRa値が0.10μm、S
m値が350μmであり、引張弾性率は4.5GPa、
耐熱性は120℃であった。
【0068】実施例6 成形用保護フィルムとして、2軸延伸透明ポリエステル
フィルム(商標名:テトロンL、帝人製、厚さ350μ
m、材質:ポリエチレンテレフタレート)を使用した以
外は実施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成
形用保護フィルムの表面粗さはRa値が0.13μm、
Sm値が130μmであり、引張弾性率は4.5GP
a、耐熱性は120℃であった。ICカードの厚さは7
60μmであり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層
の表面粗さはRa値が0.13μm、Sm値が130μ
mであった。
【0069】実施例7 成形用保護フィルムとして、2軸延伸透明ポリエステル
フィルム(商標名:テトロンS、帝人製、厚さ50μ
m、材質:ポリエチレンテレフタレート)を使用した以
外は実施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成
形用保護フィルムの表面粗さはRa値が0.10μm、
Sm値が160μmであり、引張弾性率は4.5GP
a、耐熱性は120℃であった。ICカードの厚さは7
60μmであり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層
の表面粗さはRa値が0.10μm、Sm値が160μ
mであった。
【0070】実施例8 成形用保護フィルムとしてポリエーテルイミドフィルム
(商標:FS1400、住友ベークライト製、厚さ50
μm、材質:ポリエーテルイミド)を使用した以外は実
施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成形用保
護フィルムの表面粗さはRa値が0.20μm、Sm値
が120μmであり、引張弾性率は2.1GPa、耐熱
性は155℃であった。ICカードの厚さは760μm
であり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗
さは、Ra値が0.20μm、Sm値が120μmであ
った。
【0071】実施例9 成形用保護フィルムとしてポリイミドフィルム(商標:
ユーピレックスS、宇部興産製、厚さ50μm、材質:
ポリイミド)を使用した以外は実施例1と同様にしてI
Cカードを得た。なお、成形用保護フィルムの表面粗さ
はRa値が0.13μm、Sm値が180μmであり、
引張弾性率は9.8GPa、耐熱性は180℃以上であ
った。ICカードの厚さは760μmであり、成形後の
裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、Ra値が
0.13μm、Sm値が180μmであった。
【0072】実施例10 成形用保護フィルムとして2軸延伸透明ポリエステルフ
ィルム(商標:タイコーポリエステルフィルムFE20
00、二村化学社製、厚さ31μm、材質:ポリエチレ
ンテレフタレート)を使用した以外は実施例1と同様に
してICカードを得た。なお、成形用保護フィルムの表
面粗さはRa値が0.12μm、Sm値が140μmで
あり、引張弾性率は4.4GPa、耐熱性は120℃で
あった。ICカードの厚さは760μmであり、成形後
の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、Ra値が
0.12μm、Sm値が140μmであった。
【0073】実施例11 成形用保護フィルムとして2軸延伸透明ポリエステルフ
ィルム(商標:ルミラーH10、東レ製、厚さ400μ
m、材質:ポリエチレンテレフタレート)を使用した以
外は実施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成
形用保護フィルムの表面粗さはRa値が0.19μm、
Sm値が100μmであり、引張弾性率は4.1GP
a、耐熱性は120℃であった。ICカードの厚さは7
60μmであり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層
の表面粗さは、Ra値が0.20μm、Sm値が90μ
mであった。
【0074】比較例1 成形用保護フィルムとして高透明ポリエステルフィルム
(商標:E5001、東洋紡製、厚さ50μm、材質:
ポリエチレンテレフタレート)を更に熱カレンダー処理
を2回実施してフィルム表面の凹凸を減少させた高平滑
透明ポリエステルフィルムを使用した以外は実施例1と
同様にしてICカードを得た。なお、成形用保護フィル
ムの表面粗さはRa値が0.04μm、Sm値が700
μmであり、引張弾性率は4.5GPa、耐熱性は12
0℃であった。ICカードの厚さは760μmであり、
成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa
値が0.07μm、Sm値が500μmであった。
【0075】比較例2 成形用保護フィルムとして下記の方法で作成した成形用
保護フィルムのエンボス表面をICカードの表面シート
表面と接触させて使用した以外は実施例1と同様にして
ICカードを得た。ICカードの厚さは760μmであ
り、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは
Ra値が23μm、Sm値が50μmであった。 ・成形用保護フィルムの作成 酸化チタン(0.3μm)を10質量%含有する極限粘
度0.65のポリエチレンテレフタレートチップ(A)
を押出機で溶融混練し、別に極限粘度0.65のポリエ
チレンテレフタレート原料チップ(B)のみを押出機で
溶融混練した。上記2種の溶融混合物をそれぞれダイに
供給して、290℃の押出機で共押出しし、30℃に設
定されたキャステイングロール上で急冷して2種3層構
造(A/B/A)の無延伸シートを作成し、次に得られ
た無延伸シートを80℃に温調された予熱ロールと、表
面に表面粗さRa値が23μm、Sm値が50μmであ
るハードクロムメッキが施され、160℃に温調された
エンボスロールと70℃に温調されたタッチロールとが
縦設された各ロール間に挟持して、予熱及びエンボスす
ることにより一方の表面にエンボスパターンを有する、
厚さ300μm(A/B/A=100μm/100μm
/100μm)のエンボスポリエステルシートを作成
し、成形用保護フィルムを得た。この成形用保護フィル
ムの厚さは300μm、表面粗さはRa値が23μm、
Sm値が50μmであり、引張弾性率は2.1GPa、
耐熱性は120℃であった。
【0076】比較例3 成形用保護フィルムとして、フッ素樹脂シート(商標:
ネオフロンFEP、ダイキン製、厚さ100μm、材
質:テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体)を使用した以外は実施例1と同様にしてI
Cカードを得た。なお、成形用保護フィルムの表面粗さ
はRa値が0.4μm、Sm値が60μmであり、引張
弾性率は0.5GPa、耐熱性は180℃以上であっ
た。ICカードの厚さは760μmであり、成形後の裏
面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が3.0
μm、Sm値が70μmであった。出来上がった裏面用
樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、成形用保護フィル
ムが柔らかいため、成形用保護フィルムの表面特性が忠
実に転写されず、成形用保護フィルムの値と大きく異な
っていた。
【0077】比較例4 成形用保護フィルムとして、ポリスチレンフィルム(商
標:サントクリアフィルム、三菱化成製、厚さ100μ
m、材質:ポリスチレン)を使用した以外は実施例1と
同様にしてICカードを得た。なお、成形用保護フィル
ムの表面粗さはRa値が0.3μm、Sm値が100μ
mであり、引張弾性率は3.1GPa、耐熱性は90℃
であった。ICカードの厚さは760μmであり、成形
後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が
1.5μm、Sm値が40μmであった。出来上がった
裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、成形用保護
フィルムの耐熱性が低いため、成形用保護フィルムの表
面特性が忠実に転写されず、成形用保護フィルムの値と
大きく異なっていた。
【0078】比較例5 成形用保護フィルムに代えてSUS(ステンレス鋼)板
を使用した以外は実施例1と同様にしてICカードを得
た。なお、SUS板の表面粗さはRa値が0.04μ
m、Sm値が120μmであり、引張弾性率が200G
Pa、厚さが1000μm、耐熱性は180℃以上であ
った。ICカードの厚さは760μmであり、成形後の
裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が0.
04μm、Sm値が120μmであった。
【0079】比較例6 裏面用樹脂層、表面用樹脂層として酸化チタンを含む2
軸延伸発泡ポリエステルフィルム(商標:W900J7
5、三菱化学ポリエステル社製、厚さ75μm)を使用
した以外は実施例1と同様にしてICカードを得た。成
形前の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値
が0.15μm、Sm値が300μmであった。ICカ
ードの厚さは600μmであり、成形後の裏面用樹脂
層、表面用樹脂層の表面粗さはRa値が0.14μm、
Sm値が200μmであった。裏面用樹脂層、表面用樹
脂層が弾性を有し、柔らかい発泡ポリエステルからなる
ため、表面粗さ(特にSm値)は、成形用保護フィルム
の値とは大きく異なっていた。
【0080】比較例7 成形用保護フィルムとしてポリアリレートフィルム(商
標:エンブレートU1、ユニチカ製、厚さ50μm、材
質:ポリアリレート)を使用した以外は実施例1と同様
にしてICカードを得た。なお、成形用保護フィルムの
表面粗さはRa値が0.17μm、Sm値が160μm
であり、引張弾性率は1.8GPa、耐熱性は130℃
であった。ICカードの厚さは760μmであり、成形
後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、Ra値
が0.80μm、Sm値が90μmであった。出来上が
った裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、成形用
保護フィルムが柔らかいため、成形用保護フィルムの表
面特性が忠実に転写されず、成形用保護フィルムの値と
大きく異なっていた。
【0081】比較例8 成形用保護フィルムとしてポリアラミドフィルム(商
標:ユニチカAフィルム、ユニチカ製、厚さ50μm、
材質:ポリアラミド)を使用した以外は実施例1と同様
にしてICカードを得た。なお、成形用保護フィルムの
表面粗さはRa値が0.10μm、Sm値が200μm
であり、引張弾性率は11.3GPa、耐熱性は180
℃であった。ICカードの厚さは760μmであり、成
形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗さは、Ra
値が0.10μm、Sm値が200μmであった。
【0082】比較例9 成形用保護フィルムとして2軸延伸透明ポリエステルフ
ィルム(商標:テトロンS、帝人製、厚さ25μm、材
質:ポリエチレンテレフタレート)を使用した以外は実
施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成形用保
護フィルムの表面粗さはRa値が0.11μm、Sm値
が150μmであり、引張弾性率は4.3GPa、耐熱
性は120℃であった。ICカードの厚さは760μm
であり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表面粗
さは、Ra値が0.11μm、Sm値が150μmであ
った。
【0083】比較例10 成形用保護フィルムとして2軸延伸透明ポリエステルフ
ィルム(商標:ルミラーH10、東レ製、厚さ500μ
m、材質:ポリエチレンテレフタレート)を使用した以
外は実施例1と同様にしてICカードを得た。なお、成
形用保護フィルムの表面粗さはRa値が0.35μm、
Sm値が80μmであり、引張弾性率は4.1GPa、
耐熱性は120℃であった。ICカードの厚さは760
μmであり、成形後の裏面用樹脂層、表面用樹脂層の表
面粗さは、Ra値が0.45μm、Sm値が90μmで
あった。
【0084】以上の実施例、比較例について、ICカー
ドの製造途中、製造後に以下の様にして評価し、結果を
製造条件などとまとめて表1、表2に示した。 〔成形用保護フィルム剥離性〕熱圧着した積層体と成形
用保護フィルムとの剥離性を下記の判定基準で官能評価
した。 ○:成形用保護フィルムを積層体から容易に剥がす事が
できる。 △:剥離時の抵抗があり実用上問題あり。 ×:剥離時の抵抗が甚だしく実用不可。
【0085】〔ICカード傷つき性〕ICカードの表面
のプレス機圧縮面上の異物に由来する傷付きの状態を下
記の判定基準で目視評価した。 ○:ICカードの表面に傷つきが無く良好。 ×:ICカードの表面に傷つきがあり実用上問題あり。
【0086】〔ICカードの成形性〕成形用保護フィル
ムの表面特性(Ra値、Sm値)が裏面用樹脂層、表面
用樹脂層の表面に転写され、所望の表面特性が得られて
いるか下記の判定基準で評価した。 ○:成形用保護フィルムの表面特性が裏面用樹脂層、表
面用樹脂層の表面に転写され、良好。 △:成形用保護フィルムと裏面用樹脂層、表面用樹脂層
の表面特性が異なり実用上問題ある。 ×:成形用保護フィルムと裏面用樹脂層、表面用樹脂層
の表面特性が大きく異なり、制御困難で実用不可。
【0087】〔画像均一性〕市販のカード用熱転写カラ
ープリンター(商標:NCP100、野崎印刷紙業社
製、リボン:イエロー、マゼンタ、シアン(昇華)+ブ
ラック(溶融)+オーバーラミ、野崎印刷紙業社製)を
用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの昇華染料の混色
によるブラックの10階調の画像をサーマルヘッドで段
階的に変えて加熱することにより、ICカードの画像形
成用表面(表面用樹脂層の表面)に熱転写させ、昇華染
料による混色のブラックの10階調画像を得た。得られ
た記録画像について、マクベス反射濃度計(商標:RD
−914)を用いて、印加エネルギー別に反射濃度を測
定し、混色ブラックの反射濃度が1.0に相当する階調
部分の記録画像の画像均一性について、(1)濃淡ムラ
の有無、および(2)白抜けの有無等について目視観察
した。 ◎:濃淡ムラ及び白抜けが全くなく画質優秀。 ○:濃淡ムラ及び白抜けがわずかにあるが実用レベル。 △:濃淡ムラ及び白抜けがあり実用上問題あり。 ×:濃淡ムラ及び白抜けがひどく画質不良。
【0088】〔印画濃度〕市販のカード用熱転写カラー
プリンター(商標:NCP100、野崎印刷紙業社製、
リボン=イエロー、マゼンタ、シアン(昇華)+ブラッ
ク(溶融)+オーバーラミ、野崎印刷紙業社製)を用い
て、ICカードに印画された昇華熱転写染料による混色
のブラックの10階調画像について、マクベス反射濃度
計(商標:RD−914)を用いて、印加エネルギー別
に反射濃度を測定した。印画濃度の評価は、ブラックの
最高濃度の値で評価した。印画濃度が低いものはプリン
タ−のエネルギーがより必要になるため、商品価値が下
がる。
【0089】〔プリンター走行性〕市販のカード用熱転
写カラープリンター(商標:NCP100、野崎印刷紙
業社製、リボン=イエロー、マゼンタ、シアン(昇華)
+ブラック(溶融)+オーバーラミ、野崎印刷紙業社
製)を用いて、イエロー、マゼンタ、シアンの昇華染料
の混色によるブラックのベタ画像をICカードの画像形
成用表面(表面用樹脂層の表面)に熱転写させた。印画
時の熱転写シートを剥離するときの剥離音の程度及び印
画面に発生した剥離線の状況を観察し、プリンター走行
性を以下の基準で評価した。 ○:剥離音及び剥離線が無くプリンター走行性良好。 ×:剥離音及び剥離線がひどくプリンター走行性不良。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】表1、表2に示した結果から明かな様に、
本発明に係る実施例においては、いずれの評価項目にお
いても良好な結果が得られ、軟化点の低いポリエステル
樹脂を用いることによる問題を解決できることが明らか
となった。なお、比較例8においては、ICカードの表
面粗さについては本発明で規定した範囲内であったが、
成形用保護フィルムが硬すぎたため、カードの傷つき性
の評価項目のみが不良となった。また、比較例9におい
ても、成形用保護フィルムが薄すぎるために同様の結果
となった。
【0093】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明においては、
熱転写により印画する樹脂層の表面特性を、Ra値とS
m値の数値範囲の組み合わせによって適切に設定するこ
とにより、熱転写時の走行性不良を防ぐことができる。
また、滑剤などを用いないため、鮮明な画像を得ること
ができる。また、この表面特性は、成形体を用いて熱圧
着してカード基体に樹脂層を一体化する際に、好ましく
は成形体の表面の凹凸を当該樹脂層に転写することによ
り、製造工程の増加を伴わずに簡単に付与することがで
きる。また、好ましくは成形体として成形用保護フィル
ムを用いることにより、プレス機圧縮面とICカードの
材料とが直接接触することを防ぐことができるので、I
Cカードの成形時にプレス機圧縮面が貼り付いたり、プ
レス機圧縮面の表面に付着していた異物や汚れによって
ICカードの表面に傷がついたりする不都合を防ぐこと
ができる。そして、画像濃度にばらつきがなく、画像均
一性に優れた画像を有するICカードを提供することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のICカードおよびその製造方法の一
例の説明図である。
【図2】 従来のICカードおよびその製造方法の一例
の説明図である。
【符号の説明】
1・・・カード基体、 2・・・ICユニット、 3・・・裏面用樹脂層、 4・・・表面用樹脂層、 5A、5B・・・成形用保護フィルム(成形体)、 6A、6B・・・プレス機圧縮面。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 篠原 英明 東京都江東区東雲一丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 清水 良浩 東京都江東区東雲一丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 Fターム(参考) 2C005 MA12 MA14 MB01 NA08 NB01 PA03 PA15 PA19 PA21 PA23 RA04 RA10 RA11 4F071 AA43 AA46 AA85 AF20Y AF45Y AH14 BB08 BC01 5B035 BA05 BB09 CA01 CA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ICユニットを備えたカード基体の少な
    くとも片面に、熱転写画像が印画可能な軟化点50℃〜
    140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層が設
    けられたICカードにおいて、 前記樹脂層の表面が以下の(a)、(b)を満足するこ
    とを特徴とするICカード。 (a)JIS B0601に基づく表面粗さRa(算術
    平均粗さ)値が0.1μm〜0.4μm。 (b)JIS B0601に基づくSm(凹凸の平均間
    隔)値が400μm以下。
  2. 【請求項2】 ICユニットを備えたカード基体の少な
    くとも片面に、以下の(a)’、(b)’を満足する成
    形体を用いて、熱転写画像が印画可能な軟化点50〜1
    40℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂層を熱圧
    着し、前記成形体の表面の凹凸を当該樹脂層に転写する
    ことにより、得られることを特徴とするICカード。 (a)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
    1に基づく表面粗さRa(算術平均粗さ)値が0.1μ
    m〜0.4μm。 (b)’少なくとも樹脂層側の表面のJIS B060
    1に基づくSm(凹凸の平均間隔)値が400μm以
    下。
  3. 【請求項3】 前記成形体が以下の(c)、(d)を満
    足する成形用保護フィルムであることを特徴とする請求
    項2に記載のICカード。 (c)厚さが30μm〜400μm。 (d)JIS K7127に基づく引張弾性率(ヤング
    率)が2〜10GPa。
  4. 【請求項4】 前記成形用保護フィルムが、さらに以下
    の(e)を満足することを特徴とする請求項3に記載の
    ICカード。 (e)JIS C4003に基づく耐熱性が120℃以
    上。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のI
    Cカードの樹脂層の表面に熱転写シートを用いて印画し
    て得られることを特徴とするICカード。
  6. 【請求項6】 ICユニットを備えたカード基体の少な
    くとも片面に、以下の(c)、(d)を満足する成形用
    保護フィルムを介して、熱転写画像が印画可能な軟化点
    50〜140℃のポリエステル樹脂を主成分とする樹脂
    層を熱圧着することを特徴とするICカードの製造方
    法。 (c)厚さが30μm〜400μm。 (d)JIS K7127に基づく引張弾性率(ヤング
    率)が2〜10GPa。
  7. 【請求項7】 前記成形用保護フィルムが、さらに以下
    の(e)、(f)、(g)を満足することを特徴とする
    請求項6に記載のICカードの製造方法。 (e)JIS C4003に基づく耐熱性が120℃以
    上。 (f)少なくとも樹脂層側の表面のJIS B0601
    に基づく表面粗さRa(算術平均粗さ)値が0.05μ
    m〜20μm。 (g)少なくとも樹脂層側の表面のJIS B0601
    に基づくSm(凹凸の平均間隔)値が400μm以下。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載のICカードの
    製造方法によってICカードを製造した後、さらに樹脂
    層の表面に熱転写シートを用いて印画することを特徴と
    するICカードの製造方法。
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