JP2003276120A - 情報記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

情報記録媒体及びその製造方法

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JP2003276120A
JP2003276120A JP2002080574A JP2002080574A JP2003276120A JP 2003276120 A JP2003276120 A JP 2003276120A JP 2002080574 A JP2002080574 A JP 2002080574A JP 2002080574 A JP2002080574 A JP 2002080574A JP 2003276120 A JP2003276120 A JP 2003276120A
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thermoplastic polymer
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JP2002080574A
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Shotei Cho
松弟 張
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高耐熱性及び高耐久性を持ち、環境に優しくし
かも低コストで品質のよい情報記録媒体とその製造方法
を提供することが望まれていた。 【解決手段】少なくとも熱可塑性高分子樹脂からなる第
一の表面基材、熱可塑性高分子樹脂からなるセンターコ
ア、熱可塑性高分子樹脂からなる第二の表面基材を順次
に積層してなる情報記録媒体であって、熱可塑性高分子
樹脂からなる表面基材及び表面基材は非晶性熱可塑性高
分子樹脂と結晶性熱可塑性高分子樹脂からなり、且つ共
押し出し基材であることを特徴とする情報記録媒体を提
供する。特に、結晶性熱可塑性高分子樹脂がPETであ
り、二軸延伸基材である情報記録媒体を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばキャッシュ
カードやクレジットカード、IDカード(身分証明
書)、会員証、プリペイドカード等に用いられ、高耐熱
性を持つ、且つエンボス印字、レーザー刻印印字が可能
な磁気または接触型IC及び非接触ICカード等の情報
記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、キャッシュカードやクレジッ
トカード、IDカード等の情報記録媒体が広く利用され
ており、その素材としては主にポリ塩化ビニル(PV
C)や塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体が用いられてお
り、特にポリ塩化ビニルが一般的である。
【0003】ポリ塩化ビニル樹脂は物理的な機械特性や
文字部のエンボス適性などが優れ、素材のコストが安い
ことから、カードなどの情報記録媒体の素材として広く
用いられている。
【0004】ところで、近年情報記録媒体のIC化につ
れ、情報記録媒体の特性に関し、高機能化が期待されて
いる。
【0005】特に高耐久性、高耐熱性及び環境に優しい
情報記録媒体が求められている。
【0006】しかし、従来情報記録媒体の基材であるポ
リ塩化ビニル樹脂または塩化ビニル・酢酸ビニル共重合
体樹脂は耐熱性が低く、保管温度が80℃以上になる
と、記録媒体が変形することがある。
【0007】また、ポリ塩化ビニル樹脂は使用後廃棄さ
れる際、特に焼却時の塩化水素ガスを発生し、焼却炉を
傷めて寿命を縮めたり、また焼却温度によりますが、ダ
イオキシンを生じる恐れもあると言われている。
【0008】よって、ポリ塩化ビニル樹脂の代替樹脂と
して、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル樹脂
等のハロゲンを含まない熱可塑性樹脂が提案されてい
る。
【0009】しかし、これらの樹脂の物性がポリ塩化ビ
ニル樹脂とはかなり異なる為、カード等の情報記録媒体
の素材として使用するには、新たな樹脂改質等を行う必
要がある。
【0010】そこで、ここ数年非晶性ポリエステル樹脂
PETG(イーストマンケミカル社製のポリエステル樹
脂の商品名、エチレングリコールとテレフタル酸及びシ
クロヘキサンジメタノールの脱水縮合樹脂)がポリ塩化
ビニルと近い物性を持つため、注目され、使用されるよ
うになった。
【0011】また、高耐熱温度の要望に応えるため、P
ETGとポリカボネートのアロイ樹脂が開発され、カー
ド用として使われている。
【0012】しかし、PETG樹脂は耐熱温度が低く、
またPETGとポリカボネートのアロイ樹脂は文字のエ
ンボス加工に対応できなく、エンボス加工により、大き
なカールが生じる問題を抱えている。
【0013】またPETG及びPCは有機溶剤により、
溶解または膨潤されやすく、情報記録媒体加工際の印
刷、加熱加圧等の加工により、基材が劣化して耐久性が
落ちってしまうことがある。
【0014】そのため、情報記録媒体の構成において、
表裏基材として二軸延伸ポリエチレンテレフタレート
(PET)を用いる方法が開発されている。
【0015】しかしPET基材の表面適性は従来情報記
録基材の基材と異なって、従来インキへの密着性低下、
エンボスによる媒体表面割れの問題、また磁気ストライ
プを表面基材に埋め込む困難さ及びレーザー刻印の印字
際、印字エネルギーによる文字縁部の膨れの問題など、
数多く解決しなければならない問題を抱えている。
【0016】何れもカード等の情報記録媒体の素材とし
て各種な仕様に対応できる完全な素材ではない。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
問題点に着目してなされたもので、各要望に応えられ、
高耐熱性及び高耐久性を持ち、環境に優しく、しかも低
コストで品質のよい情報記録媒体とその製造方法を提供
することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載の発明は、熱可塑性高分子樹脂を用いた第一の表面基
材、熱可塑性高分子樹脂を用いたセンターコア、及び熱
可塑性高分子樹脂を用いた第二表面基材の、少なくとも
これらの3つがこの相対的な順次で積層してある情報記
録媒体であって、該第一の表面基材及び該第二の表面基
材は何れも非晶性熱可塑性高分子樹脂層と結晶性熱可塑
性高分子樹脂層を用いた共押し出し多層基材であり、該
第一の表面基材と該第二の表面基材のそれぞれ該センタ
ーコアから最も遠い側の層は非晶性熱可塑性高分子樹脂
層であることを特徴とする情報記録媒体を提供するもの
である。
【0019】請求項2に記載の発明は、前記第一の表面
基材と第二の表面基材について、前記結晶性熱可塑性高
分子樹脂は二軸延伸処理を施されたポリエチレンテレフ
タレート(以下PETといい)の結晶性高分子層である
ことを特徴とする請求項1記載の情報記録媒体を提供す
るものである。
【0020】請求項3に記載の発明は、前記第一の表面
基材の結晶性高分子層の配向方向と前記第二の表面基材
の結晶性高分子層の配向方向がセンターコアに対して鏡
面対称であるように揃っていることを特徴とする請求項
1または請求項2記載の情報記録媒体を提供するもので
ある。
【0021】請求項4に記載の発明は、前記第一の表面
基材及び第二の表面基材のそれぞれの層構成が何れも非
晶性熱可塑性高分子樹脂層、結晶性熱可塑性高分子樹脂
層、及び非晶性熱可塑性高分子樹脂層の順の三層構成で
あることを特徴とする請求項1、乃至請求項3の何れに
記載の情報記録媒体を提供するものである。
【0022】請求項5に記載の発明は、前記第一の表面
基材及び第二の表面基材のそれぞれの層構成が何れか
も、前記非晶性熱可塑性高分子樹脂層の厚さは10〜5
0μmであり、結晶性熱可塑性高分子樹脂層は50〜1
50μmであることを特徴とする請求項1ないし4のい
ずれかに記載の情報記録媒体を提供するものである。
【0023】請求項6に記載の発明は、前記請求項1な
いし5のいずれかに記載の情報記録媒体を製造する方法
であって、前記積層は加熱加圧によることを特徴とする
情報記録媒体の製造方法を提供するものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明を詳
細に説明する。
【0025】図1は本発明の実施例に係わる情報記録媒
体10の構成を示す概念断面図である。
【0026】図2は本発明の第一の表面基材と第二の表
面基材の結晶性高分子層の配向方向を揃える方法を示す
概念図である。
【0027】図1に示す本発明の情報記録媒体10は、
印刷層3、第一の表面基材1、センターコア7、第二の
表面基材2、印刷層3が順次積層されて構成されてい
る。
【0028】次に、各構成について説明する。
【0029】本発明の第一の表面基材1及び第二の表面
基材2は、各々結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、22
と非晶性熱可塑性高分子樹脂層11、13、21、23
を有する多層構成である。
【0030】結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、22
は、情報記録媒体の高耐久性に必要な強度、強靭性等を
付与し、また非晶性熱可塑性高分子樹脂層11、13、
21、23は情報記録媒体に印刷適性、エンボス適性、
レーザー刻印の印字適性、磁気ストライプの埋め込み適
性を情報記録媒体に付与する。
【0031】また、第一の表面基材1、センターコア
7、第二の表面基材2を容易に加熱加圧一体化するた
め、結晶性熱可塑性高分子樹脂層の表裏にそれぞれ非晶
性熱可塑性高分子樹脂層を形成した三層構成の多層共押
し出し層を設けた方がよい。
【0032】加熱加圧により、第一の表面基材1、セン
ターコア7、第二の表面基材2を容易に積層一体化する
ことができる。
【0033】加熱温度や加圧圧力は接着可能であれば構
わないので、材料により適宜設定可能であるが、一般的
には100〜180℃、500〜1500kPaの間が好ましい。
【0034】第一の表面基材1と第二の表面基材2の結
晶性熱可塑性高分子樹脂層としてPET(ポリエチレン
テレフタレート)、ポリビニルアルコール、ポリオレフ
ィン、ポリ乳酸、ポリエチレン・ビニルアルコール、ポ
リアクリロニトリル、ポリプロピレン等を用いることが
できる。
【0035】しかし、情報記録媒体の耐熱性、耐久性及
び加工適性から、PETを用いた方が好ましい。
【0036】非晶性熱可塑性高分子樹脂層としてはポリ
カーボネート、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニト
リル・ブタジェン・スチレン共重合体(以下ABSと称
する)、ポリアリレート、ポリビニルブチラール、ポリ
酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデ、ポリビニルアセター
ル、AS樹脂、ポリスチレン、セルロイド、ポリフェニ
レノキサイド、ポリ塩化ビニル、非晶性エラストマー、
非晶性ポリエステル例えばPETG樹脂(イーストマン
・ケミカル製:エチレングリコールとテレフタル酸及び
シクロヘキサンジメタノールの脱水縮合樹脂)、エチレ
ン・酢酸ビニル共重合体(以下EVAと称する)等の樹
脂、またはそれらの樹脂の変性樹脂などを単独または組
み合わせたアロイ体、ブレンド体などを使用することが
できる。エンボス印字などによる記録媒体表面の割れを
防止するため、伸びやすい樹脂を用いた方が好ましい。
【0037】更にそれらの樹脂に有機顔料、無機顔料ま
たは有機染料、無機染料、安定剤、表面活性剤などの添
加剤を加え、樹脂を改質することも可能である。
【0038】結晶性熱可塑性高分子樹脂層と非晶性熱可
塑性高分子樹脂層の共押し出し成形においてフラットダ
イ例えばマルチマニホールドダイを用いて多層フィルム
を製造することができる。
【0039】その場合、層間安定性の良い多層フィルム
を押し出すため、層間で樹脂の混じり合うことが生じな
い流動特性及び粘弾性を持ち、非晶性樹脂と結晶性樹脂
を用いたほうが共押し出し基材としての性能がよい。
【0040】また、それらの層の樹脂として情報記録媒
体の要求特性例えば機械的強度、剛度、柔軟性、印刷適
性、加熱加圧一体化のラミネート適性などに見合った高
分子樹脂を選定する。
【0041】結晶性熱可塑性高分子樹脂層を共押し出し
で成形する際、二軸延伸処理を行うことにより、表面基
材の強度及び耐久性は強くなる。
【0042】しかし、二軸延伸処理された基材が異方性
を持つため、異なる方向の強度、熱力学的な性質が異な
る基材となる。
【0043】第一の表面基材1、センターコア、第二の
表面基材2を積層一体化することにより、形成された情
報記録媒体は第一の表面基材1と第二の表面基材2の高
分子の配向不一致により、容易に反りツイストまたはカ
ールが生じる。
【0044】よって、本発明請求項3に記載したように
第一の表面基材1の結晶性熱可塑性高分子樹脂層の高分
子配向と第二の表面基材2の結晶性熱可塑性高分子樹脂
層の高分子配向が図2に示した様にセンターコアに対し
てそれぞれ鏡面対称であるように積層し、それぞれの高
分子配向の左右前後を揃えて一体化することが重要であ
る。
【0045】第一の表面基材1及び第二の表面基材2が
非晶性熱可塑性高分子樹脂層、結晶性熱可塑性高分子樹
脂層と非晶性熱可塑性高分子樹脂層からなる三層構成の
場合、第一の表面基材1と第二の表面基材2の結晶性熱
可塑性高分子樹脂層13、21の高分子配向を揃えさせ
るため、結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、22上下の
非晶性熱可塑性高分子樹脂層11、13、21、23の
厚さを同じにし、表面基材のフィルム縦方向(MD方
向)、因みにフィルムの巻き取りの前後方向からおもて
表面基材1及びうら表面基材2の基材シートを取り、そ
れぞれの高分子の縦方向(MD方向)及び横方向(TD
方向)を揃えるように積層する。
【0046】この場合、表面基材フィルムの上表面を第
一の表面基材1の外側表面にすれば、第二の表面基材2
の外側表面は表面基材フィルムの下表面に当たる。
【0047】高分子が一定方向に沿って配向されるた
め、高分子間力が強く、機械強度が高い。
【0048】従って結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、
22が厚ければ、基材の耐熱性、耐薬品性または機械的
強度等が高くなり、情報記録媒体全体の強度が強くな
る。
【0049】しかし、結晶性熱可塑性高分子樹脂の剛度
が高いため、情報記録媒体全体が柔軟性を欠け、硬くな
りすぎる傾向がある。
【0050】非晶性熱可塑性高分子樹脂層11、23と
しては情報記録媒体の表面を改質し、転写適性、印刷適
性、レーザー刻印の印字適性、磁気ストライプの面一適
性などを情報記録媒体に付与する作用であり、一定の厚
さがあれば、十分に機能を果たすことができる。
【0051】よって本発明の請求項4は非晶性熱可塑性
高分子樹脂層11、13、21、23の厚さを10〜5
0μmとし、結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、22を
50〜150μmとする。
【0052】非晶性熱可塑性高分子樹脂層、結晶性熱可
塑性高分子樹脂層と非晶性熱可塑性高分子樹脂層の三層
構成からなる第一の表面基材1及び第二の表面基材2の
各々に用いられる表面基材のフィルムを加工する際に、
高分子の配向を間違えないため、表面基材をまず一定幅
にスリッタして、スリッタされた表面基材シートを縦方
向(MD方向)、因みにフィルムの巻き取りの前後方向
から、第一の表面基材1及び第二の表面基材2の基材シ
ートを取り、それぞれ延伸の縦方向(MD方向)及び横
方向(TD方向)を揃えるように積み重ねてから、その
積み重ねた高分子配向の揃った表面基材シートのコーナ
ーをカットするか、あるにはシートの縁部に切り口を入
れ、目印を付けた方が好ましい。
【0053】そしてこのような場合、第一の表面基材
1、第二の表面基材2の一方または双方の外側の全面ま
たは一部の表面には、ID情報及び絵柄デザイン等の印
刷層が設けられているものでもよい。
【0054】また、表面基材と印刷層との接着性を向上
させるために、表面基材の表面(非晶性熱可塑性高分子
樹脂層の表面)に易接着処理、例えば、コロナ放電処
理、プラズマ処理、樹脂塗布等を施しても良い。
【0055】さらに、第一の表面基材1、第二の表面基
材2の一方または双方の表面または印刷層3の表面に、
ほかの機能性薄膜層、例えば、保護層、磁気ストライプ
4、磁気記録層、可視記録層、ホログラム層等を全面ま
たは一部に設けても良い。
【0056】センターコアとしては非晶性熱可塑性高分
子樹脂からなる。
【0057】例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
ビニルアセタール、AS樹脂、ポリカーボネート、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリスチレン、ABS樹脂、ポリ
スルホン、セルロイド、ポリフェニレンオキサイド、非
晶性エラストマー、PETG樹脂(イーストマン・ケミ
カル製:エチレングリコールとテレフタル酸及びシクロ
ヘキサンジメタノールの脱水縮合樹脂)等の合成樹脂
類、天然樹脂類、またはそれらの樹脂の変性樹脂などを
単独または組み合わせた複合体、アロイ体、ブレンド体
等の非晶性固体を使用することができる。
【0058】更にそれらの樹脂に有機顔料、無機顔料ま
たは有機染料、無機染料、安定剤、表面活性剤などの添
加剤を加え、樹脂を改質することも可能である。
【0059】また、センターコアは必要に応じて上記高
分子樹脂の複層構成を用いてもよい。
【0060】例えば、2層のセンターコア層、または数
層のセンターコア層を用いて予め加熱加圧により一体化
してセンターコアとして用いるか、第一の表面基材1、
センターコア、第二の表面基材2を一体化する際に、一
緒に積層一体化することができる。
【0061】また、センターコア中に必要に応じて予め
アンテナ付きの非接触ICモジュール37を埋め込むこ
とも可能である。
【0062】例えば、センターコアを2層にして、2層
の間にアンテナ付き非接触ICモジュール37を配置し
て、熱ラミネートを行うことにより、ICモジュール3
7をセンターコア中に埋設する。
【0063】ICモジュール37は、受信用また送信用
のアンテナコイルとデータ蓄積用のメモリ、さらに場合
によってはデータ演算用等のCPU、エネルギー供給用
の電池(図示せず)などから成る。
【0064】出来上がる非接触ICカードの外観、形状
等に影響を及ぼさないため、ICモジュール37はなる
べく薄型のものを用いた方が好ましい。
【0065】また、ICモジュール37の取扱い易さ、
低コストであること等から、プリント基板型の一体型モ
ジュールを用いても良い。
【0066】2枚の基材の間にICモジュール37を挟
んで、加熱、加圧方式により、非接触ICカード記録媒
体を作製する際、カード記録媒体の表面を平滑にするた
め、加熱温度を高くし、圧力により基材樹脂をICモジ
ュール上下から流してICモジュールを埋め込んだ方が
好ましい。
【0067】その際、チップへかかる圧力を減らすた
め、基材樹脂を加熱してから、加圧を行った方がよい。
【0068】またセンターコアの基材上に、ICモジュ
ール37に搭載されたチップ等電気部品と同等の大きさ
の穴を穿ち、ICモジュール37をチップ等の電気部品
を穴に埋め込むよう、基材上に設置してから、加熱、加
圧を行う方が好ましい。
【0069】第一の表面基材1とセンターコア7の間
に、また第二の表面基材2とセンターコア7の間にそれ
ぞれに接着層、印刷層などを設けることもできる。
【0070】更に情報記録媒体の仕様によって、第一の
表面基材1とセンターコア7の間に、また第二の表面基
材2とセンターコア7の間に、それぞれに中間基材を設
けることもできる。
【0071】中間基材の表面にも接着層、印刷層などを
設けることもできる。
【0072】非接触ICモジュール37付きの情報記録
媒体の積層一体化方法としては、第一の表面基材1、セ
ンターコア基材38、ICモジュール37、センターコ
ア基材38、第二の表面基材2を順次に積層して加熱、
加圧を行う一回方式と、先ず、センターコア基材38、
ICモジュール37、センターコア基材38を順次に積
層して第一次加熱、加圧を行い、ICモジュールとセン
ターコア基材の一体化を先ず行い、ついで、ICモジュ
ール37が埋設されているセンターコア7上下表面に、
第一の表面基材1、第二の表面基材2をそれぞれ積層し
て、第二次加熱、加圧を行う二回方式とがある。
【0073】
【実施例】以下、更に本発明の具体的な実施例を挙げて
説明する。
【0074】〈実施例1〉図1は本発明の第1の実施例
に係る情報記録媒体10の構成を各工程に示す説明図で
ある。
【0075】ポリエチレンテレフタレートを結晶性熱可
塑性高分子樹脂とし、ABS樹脂を非晶性熱可塑性高分
子樹脂として、それぞれの樹脂に樹脂の流動改質剤など
ポリカプロラクトン(ダイセル化学工業株式会社:製品
名プラクセルH1P)を0.15%添加し、充分混練乾
燥してから、それぞれのマスターバッチを形成した。
【0076】これらのマスターバッチを用い、マルチマ
ニホールドダイを使用して非晶性熱可塑性高分子樹脂層
が180μmとなり、結晶性熱可塑性高分子樹脂層が9
00μmとなるように、幅が300mmの非晶性熱可塑
性高分子樹脂層、結晶性熱可塑性高分子樹脂層、非晶性
熱可塑性高分子樹脂層の三層構成からなる多層フィルム
の押し出しを行った。
【0077】押し出しにより形成された三層高分子樹脂
層フィルムを、非晶性熱可塑性高分子樹脂層が20μと
なり、結晶性熱可塑性高分子樹脂層が100μとなり、
最終の基材フィルムの幅が900mmとなるようにMD
方向(縦方向)延伸し、更にTD方向(横方向)延伸し
た。
【0078】得られた幅が900mm、総厚さが140
μ、延伸処理を施された非晶性熱可塑性高分子樹脂層1
1、21、結晶性熱可塑性高分子樹脂層12、22、非
晶性熱可塑性高分子樹脂層13、23の三層構成の基材
フィルムを幅が400mmとなるようにスリッターし
た。
【0079】幅が400mmの三層基材フィルムを前後
方向から長さが400mmのシートを2枚取り、向きを
変えずに積み重ねてから、1箇所のコーナーをカットし
た。
【0080】以上のように得られた透明な三層構成シー
トを本発明の第一の表面基材1と第二の表面基材2とし
た。
【0081】12μm銅箔エッチングアンテナ付きの一
体型ICモジュール(アンテナ基板厚さが100μm、
チップ封止材を含むICチップ部品の厚さが200μ
m、サイズ2×2mmの部品である)をICモジュール3
7として用いる。
【0082】サイズ400mm×400mm、厚さ20
0μmの白色PETG(酸化チタン含有のPETG)基
材2枚をそれぞれセンターコア基材38として、2枚の
センターコア基材38の間に、上記のICモジュールを
設置して、その積層体を熱プレス機にセットして温度;
140°C、圧力;約1000kPaの条件で熱プレス
を行い、一体化した。このように、ICモジュール入れ
の積層体を本発明のセンターコア7とした。
【0083】そしてセンターコア7の表裏表面にそれぞ
れ第一の表面基材1及び第二の表面基材2を第一の表面
基材1と第二の表面基材2のコーナーカット部が合うよ
うに積層した。
【0084】このようにして積層された積層体の表面に
磁気ストライプテープを転写して磁気ストライプ4を設
けてから、積層体を熱プレス機にセットして、温度;1
35°C、圧力;約1000kPaの条件で熱プレスを
行い、一体化した。
【0085】そして、厚さの0.78mmの積層体が得
られ、これをカード記録媒体の形状に断裁して実施例1
の情報記録媒体10とした。
【0086】得られた情報記録媒体10の表面にホログ
ラム転写箔を転写しホログラム層5を設け、レーザー刻
印印字を行いレーザ刻印文字6を形成した。
【0087】ホログラムの転写が問題なく、更にレーザ
ー刻印印字の文字縁部の膨れも生じなかった。
【0088】情報記録媒体の耐熱温度を評価したとこ
ろ、熱変形温度は90°Cという高い耐熱特性が得られ
た。
【0089】また情報記録媒体の表面が平滑であり、磁
気ストライプが表面に埋設され、表面が面一された。
【0090】磁気特性もJIS規格をクリアした。
【0091】なお、PETGはイーストマンケミカル社
の製品の商標であり、テレフタル酸とエチレングリコー
ル及びシクロヘキサンジメタノールとの脱水縮合反応で
得られるポリエステル樹脂である。
【0092】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、延
伸処理を施された非晶性熱可塑性高分子樹脂層と結晶性
熱可塑英高分子樹脂層の多層共押し出し基材をおもて表
面基材1とうら表面基材2とし、おもて表面基材1、セ
ンターコア7、うら表面基材2を順序積層一体化するこ
とによって、磁気ストライプの埋設、レーザー刻印印
字、表面へのホログラム転写箔の転写に支障がなくでき
る。
【0093】また延伸処理を施された結晶性熱可塑性高
分子樹脂層を設けたことにより、情報記録媒体の耐熱性
が高くなり、耐久性がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係わる情報記録媒体構成を
示す断面図である。
【図2】本発明の第一の表面基材と第二の表面基材の結
晶性高分子層の配向方向を揃える方法を示す概念図であ
る。
【符号の説明】
1 … 第一の表面基材 2 … 第二の表面基材 3 … 印刷層 4 … 磁気ストライプ 5 … ホログラム層 6 … レーザー刻印文字 7 … センターコア 10… 情報記録媒体 11… 非晶性熱可塑性高分子樹脂層 12… 結晶性熱可塑性高分子樹脂層 13… 非晶性熱可塑性高分子樹脂層 21… 非晶性熱可塑性高分子樹脂層 22… 結晶性熱可塑性高分子樹脂層 23… 非晶性熱可塑性高分子樹脂層 37… ICモジュール 38… センターコア基材 39… マイクロ波高分子配向計測定した配向パターン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 5/73 G11B 5/84 Z 5/84 G06K 19/00 K Fターム(参考) 2C005 HA10 HB01 HB02 HB09 JA26 KA03 MA11 MB01 MB08 PA04 4F100 AK01A AK01C AK01D AK15 AK42B AK42E AK45 BA05 BA06 BA10A BA10E BA22 EH20A EH20B EH20C EH20E EJ172 EJ38B EJ38E EJ422 GB41 JA11B JA11E JA12A JA12C JA12E JJ03 JL00 YY00A YY00B YY00E 5B035 AA07 BA03 BA05 BB02 BB09 BB12 CA01 CA23 5D006 CB01 CB07 CB08 5D112 AA02 BA01 BA09 GB01 GB04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性高分子樹脂を用いた第一の表面基
    材、熱可塑性高分子樹脂を用いたセンターコア、及び熱
    可塑性高分子樹脂を用いた第二表面基材の、少なくとも
    これらの3つがこの相対的な順次で積層してある情報記
    録媒体であって、 該第一の表面基材及び該第二の表面基材は何れも非晶性
    熱可塑性高分子樹脂層と結晶性熱可塑性高分子樹脂層を
    用いた共押し出し多層基材であり、該第一の表面基材と
    該第二の表面基材のそれぞれ該センターコアから最も遠
    い側の層は非晶性熱可塑性高分子樹脂層であることを特
    徴とする情報記録媒体。
  2. 【請求項2】前記第一の表面基材と第二の表面基材につ
    いて、前記結晶性熱可塑性高分子樹脂は二軸延伸処理を
    施されたポリエチレンテレフタレート(以下PETとい
    い)の結晶性高分子層であることを特徴とする請求項1
    記載の情報記録媒体。
  3. 【請求項3】前記第一の表面基材の結晶性高分子層の配
    向方向と前記第二の表面基材の結晶性高分子層の配向方
    向がセンターコアに対して鏡面対称であるように揃って
    いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の情
    報記録媒体。
  4. 【請求項4】前記第一の表面基材及び第二の表面基材の
    それぞれの層構成が何れも非晶性熱可塑性高分子樹脂
    層、結晶性熱可塑性高分子樹脂層、及び非晶性熱可塑性
    高分子樹脂層の順の三層構成であることを特徴とする請
    求項1、乃至請求項3の何れに記載の情報記録媒体。
  5. 【請求項5】前記第一の表面基材及び第二の表面基材の
    それぞれの層構成が何れかも、前記非晶性熱可塑性高分
    子樹脂層の厚さは10〜50μmであり、結晶性熱可塑
    性高分子樹脂層は50〜150μmであることを特徴と
    する請求項1ないし4のいずれかに記載の情報記録媒
    体。
  6. 【請求項6】前記請求項1ないし5のいずれかに記載の
    情報記録媒体を製造する方法であって、前記積層は加熱
    加圧によることを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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