JP2006021345A - 加飾シートの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 基材シート11の少なくとも片面に艶消し調樹脂シート13を配し、これらを一対の押圧面33a,33bを備えた熱圧着手段30の該押圧面33a,33b間で挟持して熱圧着する工程を有する加飾シートの製造方法であって、前記工程は、前記艶消し調樹脂シート13の外面側に、該艶消し調樹脂シート13と接する面が、該艶消し調樹脂シート13の前記外面よりもビカット軟化点が小さな材料からなるカバーシート14を配して行う。
【選択図】 図3
Description
一方、鏡面調の加飾シートは、その表面を鏡面仕上げされた金属面で押圧、成形する方法などで製造されていて、効率的な製造方法としては、特許文献3に記載されているようなダブルベルト式プレス装置を使用する方法がある。
このプレス装置は一対の加熱ロールと、一対の冷却ロールと、それぞれ同一側の加熱ロールと冷却ロールとに掛け回され、外面が鏡面仕上げされた無端ステンレスベルトとを有するものであって、この対向する二組の無端ステンレスベルトの間隔に溶融状シートを連続的に供給し、溶融状シートを適切な温度および圧力で、加熱、押圧、冷却することによって、ステンレスベルトと同様の鏡面を有し、かつ残留応力が少ない、均質な鏡面調の樹脂シートを連続的に製造できるようにしたものである。
このようなプレス装置に、表面に印刷が施された基材シート上にアクリル樹脂などからなる透明シートを積層して供給することにより、これらシートが熱圧着するとともにアクリル樹脂の外面が鏡面調となり、透明シートを通して印刷が見える、鏡面調の加飾シートが得られる。
前記カバーシートと接する側の前記押圧面は、鏡面仕上げされた金属から形成されているものであってもよい。
前記熱圧着手段は、一対の加熱ロールと、該加熱ロールの後段側に設けられた一対の冷却ロールと、前記加熱ロールと前記冷却ロールの同一側にそれぞれ掛け回され、対向する表面が前記押圧面である一対の無端金属ベルトと、該無端金属ベルトの押圧面同士が近づくように作用する一対の加圧手段とを備えていることが好ましい。
前記艶消し調樹脂シートと前記基材シートとの間に絵柄層を形成する工程を有していてもよい。
本発明の加飾シートは、前記いずれかの方法で製造されたことを特徴とする。
図1は、本発明の製造方法で製造された艶消し調の加飾シート10の一例であって、厚さ0.36mmのABS樹脂からなる基材シート11の上に、木目調などの絵柄層12が形成され、さらにその上に、外面13aに艶消し剤(マット剤)が塗布され、この艶消し剤中の微粒子に由来する凹凸が形成された厚さ0.125mmの透明なアクリル樹脂からなる艶消し調樹脂シート13が積層したものである。
まず、基材シート11が、第1の供給ロール20から繰り出され、一方、PETシートの片面に絵柄層が形成された絵柄シート21が第2の供給ロール22から繰り出される。ついで、基材シート11と絵柄シート21とが、絵柄シート21に形成された絵柄層(図2おいては図示略)側が基材シート11に接するように積層した状態で、ラミネート装置23に供給され、絵柄層が基材シート11の表面に転写される。ついで、絵柄層が転写した基材シート11は冷却ロール24で冷却され、一方、絵柄層が剥離したPETシートは巻取機25により回収される。なお、ここで第1の供給ロール20および第2の供給ロール22の繰り出し速度は、4〜5m/minとされている。
ここで符号23aで示される単ロールは印刷面を変形させないよう30〜80℃に、符号23bで示される単ロールは100〜170℃に、符号23cで示される単ロールは符号23dの単ロールよりも高温であるとともに単ロール23fと同じ温度であることが好ましく、具体的には130℃〜200℃が好ましい。符号23dで示される単ロールは100〜150℃にされることが好ましい。また、絵柄シート21と接触する側の転写ロール23eは室温とされている。
なお、これらロール23a,23b,23c,23d,23e,23fの温度は、基材シート11と絵柄シート21の位置が逆になった場合などには、適宜変更できる。
ここで無端金属ベルト33の対向する表面は、互いに所定の間隔を有して配置されているとともに、それぞれ鏡面仕上げされたステンレス製の押圧面33a,33bになっている。また、この熱圧着手段30には、炭化水素合成油のような流体圧力媒体の圧入によりこれら押圧面33a,33b同士が近づくように作用する、一対の加圧手段34がさらに備えられていて、圧入する流体圧力媒体の供給量を変化させることにより押圧面33a,33b同士を近づける際の圧力を制御でき、流体圧力媒体の温度を変化させることにより押圧面33a,33bの表面温度を制御できるようになっている。なお、この例の一対の加圧手段34は、前段側34aと後段側34bに2分割されていて、各々について流体圧力媒体の供給量および温度を独立に制御できるようになっている。
ついで、この積層体10’は、押圧面33a,33bに挟持された状態で一対の冷却ロール32側へと送られ、この冷却ロール32の作用により70℃以下まで均一に冷却される。
冷却後、カバーシート14は、剥離ロール35により回収される。
その結果、図1に示すような、基材シート11の上に絵柄層12が形成され、さらに艶消し調樹脂シート13が積層した加飾シート10が得られる。
なお、ここでビカット軟化点は、JIS K 7206 B50法により測定されたものである。
艶消し剤に含まれる微粒子としては、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミノシリケート、雲母などの無機物粒子の他、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタンなどの樹脂粒子が例示できる。
このようにして得られた艶消し調の加飾シート10は、自動車の内外装の他、建材、家電など種々の用途に使用できる。
[実施例1]
図2〜3に示す装置を用いて、図1の加飾シート10を製造した。シート材料を以下に示す。
1)基材シート11:信越ポリマー製ABSシート(F975BR448)、厚さ0.36mm
2)艶消し調樹脂シート13:住友化学製アクリル樹脂シート(S001 M20)、厚さ0.125mm、艶消し剤コーティングタイプ
3)カバーシート14:大日本樹脂製CPPシート、厚さ0.14mm
4)絵柄シート21:日本デコール製印刷PETシート(PTフィルム)、厚さ0.025mm
また、装置の各種条件、加飾シート10の製造方法は、発明を実施するための最良の形態にて記載したとおりである。
得られた加飾シート10は、その表面の艶消し感が優れていた。
艶消し調樹脂シートとして、鐘淵化学製アクリル樹脂シート(009NCLGT、厚さ0.125mm、艶消し剤練り込みタイプ)を使用した以外は実施例1と同様にして、加飾シートを製造した。
得られた加飾シートは、その表面の艶消し感が優れていた。
カバーシート14を使用しない以外は実施例1と同様にして加飾シート10を製造したが、その表面は艶消し感が不均一であるとともに不十分であり、意匠性が劣っていた。
11 基材シート
12 絵柄層
13 艶消し調樹脂シート
13a 艶消し調樹脂シートの外面
14 カバーシート
30 熱圧着手段
31 加熱ロール
32 冷却ロール
33 無端金属ベルト
33a,33b 押圧面
34 加圧手段
Claims (5)
- 基材シートの少なくとも片面に艶消し調樹脂シートを配し、これらを一対の押圧面を備えた熱圧着手段の該押圧面間で挟持して熱圧着する工程を有する加飾シートの製造方法であって、
前記工程は、前記艶消し調樹脂シートの外面側に、該艶消し調樹脂シートと接する面が、該艶消し調樹脂シートの前記外面よりもビカット軟化点が小さな材料からなるカバーシートを配して行うことを特徴とする加飾シートの製造方法。 - 前記カバーシートと接する側の前記押圧面は、鏡面仕上げされた金属から形成されていることを特徴とする請求項1に記載の加飾シートの製造方法。
- 前記熱圧着手段は、
一対の加熱ロールと、
該加熱ロールの後段側に設けられた一対の冷却ロールと、
前記加熱ロールと前記冷却ロールの同一側にそれぞれ掛け回され、対向する表面が前記押圧面である一対の無端金属ベルトと、
該無端金属ベルトの前記押圧面同士が近づくように作用する一対の加圧手段とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の加飾シートの製造方法。 - 前記艶消し調樹脂シートと前記基材シートとの間に、絵柄層を形成する工程を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の加飾シートの製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれかの方法で製造されたことを特徴とする加飾シート。
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