JP2003206287A - 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類の製造方法 - Google Patents

2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類の製造方法

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JP2003206287A JP2002003549A JP2002003549A JP2003206287A JP 2003206287 A JP2003206287 A JP 2003206287A JP 2002003549 A JP2002003549 A JP 2002003549A JP 2002003549 A JP2002003549 A JP 2002003549A JP 2003206287 A JP2003206287 A JP 2003206287A
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英生 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4
−ジチアン類を高純度、高収率、且つ安全、安定的に製
造する。 【解決手段】 ジアリルジスルフィドを塩素化して得ら
れる2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン
類を単離精製せずに、それをチオール化する過程におい
て2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ン類の抽出溶媒を選択することにより脱タールを同時に
行う、もしくはチオール化を行った後に選択された溶媒
によって2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−
ジチアン類を選択的に抽出しタールカットすることを特
徴とする2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−
ジチアン類の製造方法。 【選択】 なし

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学プラスチックレ
ンズ用ウレタン樹脂のモノマーである2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平3−236386号公報におい
て、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アンがチオウレタン系光学樹脂用のモノマーであること
が知られている。製造方法としてはジアリルジスルフィ
ドと臭素を反応させ、2,5−ビス(ブロモメチル)−
1,4−ジチアンとした後、チオ尿素を作用させ、イソ
チウロニウム塩を生成させ、これを塩基性水溶液で加水
分解、塩酸で中和し目的物を得る方法が記載されてい
る。
【0003】更に、特開平6−25223号公報では、
ジアリルジスルフィドを塩素化して得られる2,5−ビ
ス(クロロメチル)−1,4−ジチアンを蒸留等の精製
をした後にチオール化することにより、特開平3−23
6386号公報記載の方法に比べ、収率良く且つ高純度
で目的物を製造できる旨が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法によれ
ば、光学レンズモノマーとして使用可能な2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンを製造するこ
とができる。しかしながら、前者の方法では、最終の蒸
留工程までに行われるのは、2,5−ビス(ブロモメチ
ル)−1,4−ジチアンの結晶化等による精製もしくは
イソチウロニウム塩の洗浄等による精製で、収率の低下
を招くうえに精製が不十分なため、蒸留工程での負荷が
大きく、不純物の熱分解物等の混入もあり純度、収率と
もに上がらないという問題がある。
【0005】一方、後者の方法では前者の課題を克服す
べく、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチア
ンを蒸留等で精製した後にチオール化を行っている。確
かにこの方法であれば、前者の課題は解決する。しかし
ながら、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチ
アンは毒性が高い物質である。特に皮膚刺激性は極めて
強く、微量の接触でケロイド状の火傷痕を残すほどの危
険な物質である。そのような危険な物質を精製単離する
ことは工業的製法上、好ましいとは言えない。更に、蒸
留残さも同様な危険物質である可能性が高く、これらを
処理する危険性を考えても2,5−ビス(クロロメチ
ル)−1,4−ジチアンを精製するのは好ましい方法で
はない。しかしながら、どこかで精製工程を入れないこ
とには高収率、高純度で目的物を得ることは困難であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン類を単離精製する
ことなく、また、2,5−ビス(クロロメチル)−1,
4−ジチアン類の純度にかかわらず、2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアン類を高純度、高収
率、且つ安全、安定的に製造する方法を見出し、本発明
を完成した。
【0007】即ち、本発明は以下〜の工程からなる
一般式(1)
【0008】
【化4】
【0009】(式中R1、R2は水素、メチル基を表
し、同一でも異なっても良い)で表される2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類の製造方法
に関する。 一般式(2)
【0010】
【化5】
【0011】(式中R1、R2は水素、メチル基を表
し、同一でも異なっても良い)で表されるジアルケニル
ジスルフィドを塩素化し、一般式(3)
【0012】
【化6】
【0013】(式中R1、R2は水素、メチル基を表
し、同一でも異なっても良い)で表される2,5−ビス
(クロロメチル)−1,4−ジチアン類を製造する工
程; 2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン類
を単離・精製することなくチオール化を行う工程; 前記チオール化反応と同時、又はチオール化反応後に
抽出溶媒を添加し脱タール化を行い、粗2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類を得る工
程; 粗2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アン類を蒸留して精2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアン類を得る工程。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の中間体である2,5−ビス(クロロメチル)−
1,4−ジチアン類はジアルケニルジスルフィドをジク
ロロメタン等の有機溶剤に溶解させた後、塩化スルフリ
ル等の塩素化剤を作用させることにより生成される。タ
ール発生原因は本反応にあり、この反応を低温で行えば
行うほどタール生成量は減少する。タールは蒸留精製時
の負荷となるため、できるだけ低温で行い、タールの生
成量を低減させるのが好ましいところだが、後述するよ
うに、本発明によれば、タール発生量が増加してもチオ
ール化と同時の脱タールもしくはチオール化後の脱ター
ルによって得られる2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアン類の粗体の純度を高められるため、
多大な設備投資をしてまで極端な低温で反応を行う必要
はないという点も本発明の有用な点である。
【0015】次いで、溶媒、塩化スルフリル使用の場合
は脱二酸化硫黄を同時に行い、そのマスにエタノール等
のアルコール溶媒、チオ尿素を加え、イソチウロニウム
塩とした後、濾過によりアルコール溶媒を除去してイソ
チウロニウム塩を得る。本発明のタールカットを行わな
い場合は、イソチウロニウム塩の再結晶が必要であった
り、何度も洗浄する必要があり、収率低下の一因とな
る。また、精製をしないと蒸留工程での熱分解による着
色が大きく、プラスチックレンズに使用可能な目的物を
収率良く得ることができない。これに対して、本発明で
はイソチウロニウム塩での精製の必要がなく、収率の低
下を防ぐと同時に操作上の煩雑さも低減できる。取出し
たイソチウロニウム塩に、チオール化と脱タールを同時
に行う場合は、本発明の抽出溶媒、水、アンモニア水を
加え、チオール化を行う。攪拌を停止し、静置させるこ
とにより2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−
ジチアン類の溶解した有機溶媒層、水層、タール層に分
離する。タール層、水層を除去後、有機層に酸洗浄、水
洗浄を施した後、溶媒を留去すれば純度の高い2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類の粗体
を得ることができる。これを蒸留精製することにより高
純度、高収率で色相の優れた2,5−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ジチアン類を得ることができる。
【0016】脱タールを後から行う場合は、濾過後のイ
ソチウロニウム塩にトルエン、水、アンモニア水を加え
チオール化を行う。水層を除去後、2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアン類の溶解した有機溶
媒層に酸洗浄、水洗浄をかけた後、溶媒を留去し、比較
的純度の低い2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアン類の粗体を得る。ここに、本発明の抽出溶
媒を加えると2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,
4−ジチアン類が選択的に抽出できる。この溶液の溶媒
を留去することにより純度の高い2,5−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ジチアン類の粗体を得ることが
できる。これを蒸留精製することにより高純度、高収率
で色相の優れた2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアン類が得られる。本発明によれば、蒸留
工程は脱タール蒸留、脱低沸の後の単蒸留のみで精製可
能であるが、脱タール工程をとらない場合は脱タール蒸
留の後、分留(脱低沸)を数回繰り返さねば光学用レン
ズに使用可能な色相の2,5−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジチアン類は得られない。
【0017】チオール化と同時の脱タール、チオール化
後の脱タール、いずれの系においても一度排出したター
ルから本発明の抽出溶媒を使用して更に2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類を抽出し、
純度を落とすことなく収率を向上させることが可能であ
る。
【0018】本発明に使用される一般式(2)で表され
るジアルケニルジスルフィドとしては、ジアリルジスル
フィド、ジメタリルジスルフィド、アリルメタリルジス
ルフィドである。
【0019】本発明で使用される2,5−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ジチアン類の抽出溶媒は良溶媒
と貧溶媒の組み合せの混合溶媒が主である。
【0020】良溶媒としては例示の限りではないが、塩
化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、
等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香
族炭化水素、クロロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼ
ン等のハロゲン化芳香族炭化水素、酢酸エチル、酢酸プ
ロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル化合物が
あげられる。但し、エステル化合物は、チオール化と同
時に脱タールする場合の溶媒としては適さない。これら
の良溶媒のうち、トルエンが最も好ましく用いられる。
【0021】一方、貧溶媒としては、例示の限りではな
いが、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、シ
クロヘキサンの脂肪族炭化水素化合物、メタノール、エ
タノール、プロパノール、2−プロパノール等のアルコ
ール類が挙げられ、これらの中から良溶媒と任意に溶解
するものを選択して用いる。先の良溶媒で最も好ましい
としたトルエンに対しては限定するものではないがn−
ヘキサン、シクロヘキサン等を用いるのが好ましい。
【0022】また、チオール化後の抽出溶媒に限定して
アセトニトリルが単独で使用することができる。使用す
る溶媒量、混合溶媒の溶媒比は2,5−ビス(メルカプ
トメチル)−1,4−ジチア類の粗体の組成、目的とす
る純度、回収率により異なり、又使用する溶媒によって
も異なるため限定されない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0024】実施例1 温度計、窒素導入管、コンデンサーを設置した1L4つ
口フラスコに純度96.0%のジアリルジスルフィド1
00.6g(0.66mol)、塩化メチレン700g
を装入し−25℃付近まで冷却した。そこに、塩化スル
フリル90.0(0.66mol)gを1時間かけて滴
下ロートから滴下した。この時の反応マスの温度は−2
0℃付近で保持した。反応マスを室温にもどした後、蒸
留塔、コンデンサー、受器を設置し、20℃〜40℃、
94.7kPa〜2.7kPaで脱二酸化硫黄、脱溶媒
を行い、2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチ
アンの粗体を得た。ここに、チオ尿素95.4g(1.
25mol)とエタノール350gを加え、60℃〜7
5℃で2時間かけてイソチウロニウム塩化を行った。
【0025】冷却後、反応マスを減圧ろ過し、濾塊をエ
タノール65gでリンスした後、イソチウロニウム塩を
得た。
【0026】このようにして得られたイソチウロニウム
塩221.7gを攪拌翼、温度計、窒素導入管、コンデ
ンサーを設置した底抜きコック付き2L五つ口フラスコ
に移し、そこに水100g、トルエン:ヘキサン=1:
1(vol)混合溶媒600mlを加えた後、25%ア
ンモニア水90gを加え60℃にて2時間チオール化を
行った。反応終了後、攪拌を停止し、内温を保ったまま
30分間静置した。内容物は上から有機溶媒層、水層、
タール層の順に分液した。この時の分液性は良好であっ
た。タール層、水層を除去した後、残った有機層に36
%塩酸を100g加え、60℃で1時間攪拌した。30
分間静置した後、塩酸層を除去した。残った有機層に蒸
留水を100g加え、60℃で1時間攪拌した。30分
間静置した後、水層を除去した。更にこの操作を二回繰
り返した後、溶媒を留去し、2,5−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ジチアンの粗体96.2gを得た。
純度は91.1%、純度換算収率は60.8%であっ
た。この粗体を蒸留し、得られた2,5−ビス(メルカ
プトメチル)−1,4−ジチアン71.9gの純度は9
9.8%で、プラスチックレンズ用モノマーとして十分
使用できる色相であった。ジアリルジスルフィドからの
収率は51.2%であった。
【0027】実施例2 抽出溶媒としてトルエン:ヘキサン=3:2(vol)
混合溶媒400mlを用いた以外は実施例1に準じて行
った。2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンの粗体96.2gの純度は89.5%、純度換算
収率は61.4%であった。この粗体を蒸留し、得られ
た2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ン73.5gの純度は99.7%で、プラスチックレン
ズ用モノマーとして十分使用できる色相であった。ジア
リルジスルフィドからの収率は52.3%であった。
【0028】実施例3 抽出溶媒としてトルエン:ヘキサン=4:5(vol)
混合溶媒800mlを用いた以外は実施例1に準じて行
った。2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンの粗体92.5gの純度は90.5%、純度換算
収率は59.8%であった。この粗体を蒸留し、得られ
た2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ン72.0gの純度は99.9%で、プラスチックレン
ズ用モノマーとして十分使用できる色相であった。
【0029】実施例4 抽出溶媒としてトルエン:ヘキサン=1:1(vol)
混合溶媒600mlを用い、更に、除去したタール分か
らトルエン:ヘキサン=1:1(vol)混合溶媒20
0mlを用いて60℃にて再抽出した溶液を酸洗浄前に
加えた以外は実施例1に準じて行った。2,5−ビス
(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体92.
5gの純度は90.2%、純度換算収率は62.6%で
あった。この粗体を蒸留し、得られた2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアン75.9gの純度
は99.8%で、プラスチックレンズ用モノマーとして
十分使用できる色相であった。ジアリルジスルフィドか
らの収率は54.1%であった。
【0030】比較例1 イソチウロニウム塩までは実施例1に準じて合成し、得
られたイソチウロニウム塩221.7gを攪拌翼、温度
計、窒素導入管、コンデンサーを配した底抜きコック付
き2L五つ口フラスコに移し、そこに水100g、トル
エン400mlを加えた後、25%アンモニア水90g
を加え60℃にて2時間チオール化を行った。反応終了
後、攪拌を停止し、内温を保ったまま30分間静置し
た。内容物は上から有機溶媒層、水層の順に分液した。
この時の分液性は良好であった。水層を除去した後、残
った有機層に36%塩酸を100g加え、60℃で1時
間攪拌した。30分間静置した後、塩酸層を除去した。
残った有機層に蒸留水を100g加え、60℃で1時間
攪拌した。30分間静置した後、水層を除去した。更に
この操作を二回繰り返した後、溶媒を留去し、2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体1
13.5gを得た。純度は83.6%、収率は67.7
%であった。この粗体を蒸留精製したところ、含まれる
タール分の分解により留分が着色した。蒸留を5回繰り
返し、プラスチックレンズに使用可能な色相を有する
2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン
を24.6g得た。純度は99.6%、収率は17.5
%であった。
【0031】実施例5 比較例1に準じて合成した、純度85.7%の2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体3
00gにアセトニトリル2000mlを加え、20℃で
1時間攪拌した。攪拌を止め30分間静置したところ、
上層に2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジ
チアンのアセトニトリル溶液層、下層にタール層の2層
に分離した。タール層を排出し、アセトニトリルを留去
し、2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
アンの粗体250.0gを得た。純度は93.0%、回
収率は90.4%であった。この粗体を蒸留し、得られ
た2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチア
ン201.9gの純度は99.7%で、プラスチックレ
ンズ用モノマーとして十分使用できる色相であった。
【0032】実施例6 アセトニトリルの使用量を1500mlにした以外は実
施例6に準拠した。得られた2,5−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ジチアンの粗体236.1gの純度
は94.1%、回収率は86.4%であった。この粗体
を蒸留し、得られた2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアン193.0gの純度は99.9%
で、プラスチックレンズ用モノマーとして十分使用でき
る色相であった。
【0033】実施例7 アセトニトリル1000mlで1度抽出し、排出したタ
ールから500mlのアセトニトリルで再抽出を行った
以外は実施例6に準拠した。得られた2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体256.1
gの純度は94.5%、回収率は94.1%であった。
この粗体を蒸留し、得られた2,5−ビス(メルカプト
メチル)−1,4−ジチアン210.9gの純度は9
9.9%で、プラスチックレンズ用モノマーとして十分
使用できる色相であった。
【0034】実施例8 比較例1に準じて合成した、純度85.7%の2,5−
ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体1
00gにトルエン:ヘキサン=2:1(vol)混合溶
媒を300ml加え、20℃で1時間攪拌した。攪拌を
止め30分間静置したところ、上層に2,5−ビス(メ
ルカプトメチル)−1,4−ジチアンのトルエン-ヘキ
サン溶液層、下層にタール層の2層に分離した。排出し
たタールにトルエン:ヘキサン=2:1(vol)混合
溶媒を200ml加え、再抽出を行った。両溶液を混合
後、溶媒を留去し、2,5−ビス(メルカプトメチル)
−1,4−ジチアンの粗体91.0gを得た。純度は9
0.5%、回収率は96.0%であった。この粗体を蒸
留し、得られた2,5−ビス(メルカプトメチル)−
1,4−ジチアン70.2gの純度は99.7%で、プ
ラスチックレンズ用モノマーとして十分使用できる色相
であった。
【0035】実施例9 トルエン:ヘキサンの比率を3:2(vol)にした以
外は実施例8に準拠した。得られた2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアンの粗体88.8gの
純度は92.7%、回収率は96.0%であった。この
粗体を蒸留し、得られた2,5−ビス(メルカプトメチ
ル)−1,4−ジチアン70.4gの純度は99.8%
で、プラスチックレンズ用モノマーとして十分使用でき
る色相であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、プラスチックレンズ用
モノマーに十分に使用可能な色相の2,5−ビス(メル
カプトメチル)−1,4−ジチアン類を高純度、高収
率、且つ安全、安定的に製造することが可能である。
フロントページの続き (72)発明者 船江 昭広 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 (72)発明者 山本 英生 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 (72)発明者 小林 誠一 福岡県大牟田市浅牟田町30 三井化学株式 会社内 Fターム(参考) 4C023 PA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下〜の工程からなる一般式(1) 【化1】 (式中R1、R2は水素、メチル基を表し、同一でも異
    なっても良い)で表される2,5−ビス(メルカプトメ
    チル)−1,4−ジチアン類の製造方法 一般式(2) 【化2】 (式中R1、R2は水素、メチル基を表し、同一でも異
    なっても良い)で表されるジアルケニルジスルフィドを
    塩素化し、一般式(3) 【化3】 (式中R1、R2は水素、メチル基を表し、同一でも異
    なっても良い)で表される2,5−ビス(クロロメチ
    ル)−1,4−ジチアン類を製造する工程; 2,5−ビス(クロロメチル)−1,4−ジチアン類
    を単離・精製することなくチオール化を行う工程; 前記チオール化反応と同時、又はチオール化反応後に
    抽出溶媒を添加し脱タール化を行い、粗2,5−ビス
    (メルカプトメチル)−1,4−ジチアン類を得る工
    程; 粗2,5−ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチ
    アン類を蒸留して精2,5−ビス(メルカプトメチル)
    −1,4−ジチアン類を得る工程。
  2. 【請求項2】 抽出溶媒が良溶媒と貧溶媒との混合溶媒
    又は、チオール化後の脱タールに限定してアセトニトリ
    ルを使用する請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 良溶媒がトルエン、貧溶媒がn−ヘキサ
    ンである請求項2記載の製造方法。
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