JP2003183211A - 2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法 - Google Patents

2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法

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JP2003183211A
JP2003183211A JP2001383070A JP2001383070A JP2003183211A JP 2003183211 A JP2003183211 A JP 2003183211A JP 2001383070 A JP2001383070 A JP 2001383070A JP 2001383070 A JP2001383070 A JP 2001383070A JP 2003183211 A JP2003183211 A JP 2003183211A
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JP
Japan
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reaction
tetrahydroxybenzophenone
mass
acid
catalyst
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Application number
JP2001383070A
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Inventor
Minoru Takano
稔 高野
Ikuo Ito
育夫 伊藤
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Air Water Inc
Original Assignee
Sumikin Air Water Chemical Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料、高分子重合体、紫外線吸収剤、合
成樹脂の安定剤、農薬、医薬品、フォトレジスト用感光
剤などの中間体として有用な2,3,4,4’−テトラ
ヒドロキシベンゾフェノンを、簡単なプロセスで工業的
に有利に製造する方法を提供する。 【解決手段】 p−ヒドロキシ安息香酸とピロガロール
を、シリカ・アルミナのような無機固体酸触媒の存在下
で反応させることを特徴とする2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料、高分子重合
体、紫外線吸収剤、合成樹脂の安定剤、農薬、医薬品、
フォトレジスト用感光剤などの中間体として有用な2,
3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの新規
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール類と芳香族カルボン酸類を反
応させてポリヒドロキシベンゾフェノン類を製造する方
法において、下記のような触媒を使用する方法が知られ
ている。 (1)弗化水素を用いる方法(アメリカ特許34031
83号) (2)強酸性イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭61
−282335号) (3)三弗化硼素を用いる方法(特開昭59−1909
43号、特開昭61−97240号) (4)有機スルホン酸を用いる方法(特開昭63−26
4543号、特開昭57−154140号) (5)塩化亜鉛及びリン酸、オキシ塩化リン又は三塩化
リンを用いる方法(アメリカ特許2854485号、同
2921962号、同3073866号、J. Chem. So
c., 3982(1955)) (6)スルフォラン溶媒中、無水塩化亜鉛、塩素化リン
化合物を用いる方法(特開平3−167151号) (7)スルホレン溶媒中、塩化亜鉛、塩化スズとオキシ
塩化リンを併用する方法(特開平5−70397号) (8)アルキル又はアリールホスフィンオキサイド類、
あるいはアルキル又はアリールホスフィンサルファイド
類溶媒中で、塩化亜鉛、塩化スズとオキシ塩化リンを併
用する方法(特開平6−172253号) (9)塩化亜鉛、塩化スズ等のフリーデルクラフト反応
触媒と炭素数1〜8のアルコール類もしくは水とを併用
する方法(特開平6−172252号) (10)アルカンスルホン酸溶媒中、塩化亜鉛、塩化ス
ズとオキシ塩化リンを併用する方法(特開平4−216
51号)
【0003】またフェノール類と安息香酸クロリドとを
反応させて、ポリヒドロキシベンゾフェノンを製造する
に際し、次のような触媒を用いる方法が知られている。 (1)塩化アルミニウムを用いる方法(J. Org. Chem.,
19, 1243-1251(1954)) (2)酸性イオン交換樹脂を用いる方法(特開昭60−
185743号)
【0004】2,3,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンを製造するに際し、上記のような方法を工業
的に採用するには、いくつかの欠点が認められる。例え
ばフリーデルクラフト型の触媒や有機スルホン酸を使用
する場合には、一般的にこれら触媒は腐食性が強いた
め、特殊な材質の反応容器が必要である。また廃液が多
量に出るため、その処理に多額の費用を必要とするのみ
ならず、地球環境に優しくないという側面を有する。ま
たイオン交換樹脂を使用する場合は、樹脂の価格が高い
ところから繰り返し使用することが望まれるが、触媒活
性の低下が無視できないため、再使用時に増量する必要
がある。また耐熱性が低いために、より高温を必要とす
る反応には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、2,
3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの製造
において、上記各方法が有する前記欠点を解決し、特殊
な反応容器材質を必要とせず、地球環境に優しい新規な
製造方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、p−
ヒドロキシ安息香酸とピロガロールを、無機固体酸触媒
の存在下で反応させることを特徴とする2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法に関
する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用される無機固体酸触
媒は、固体で酸性を呈する無機化合物触媒であって、触
媒学会編「触媒講座第10巻(工業触媒反応編 4)触
媒各論」(講談社、1986)の64頁に記載されてい
るように単元系金属酸化物、複合系金属酸化物、
金属硫酸塩、金属リン酸塩、固型化酸、天然鉱物及
び層状化合物、ヘテロポリ酸、合成ゼオライトなど
の各触媒を例示することができる。これらの中では複
合系金属酸化物又は固型化酸の使用が好ましい。
【0008】上記複合系金属酸化物としては、SiO
−Al、SiO−TiO 、SiO−Zr
、TiO−ZrOなどを挙げることができる
が、とくに安価で活性の高いシリカ・アルミナ(SiO
−Al)を使用することが好ましい。シリカ・
アルミナとしては、SiO/Al(モル比)が
2〜15程度のものが好適である。またその比表面積は
とくに限定されるものではないが、通常300〜600
/g程度のものが使用される。また触媒として好適
な固型化酸としては、硫酸処理ジルコニア(ZrO
/硫酸)、硝酸処理ジルコニア(ZrO/硝酸)など
を例示することができる。
【0009】無機固体酸触媒の形状及び大きさは任意で
あり、反応の様式によって種々のものを選択することが
できる。例えば、反応を回分方式で懸濁床を使用する場
合は粉末状のものを使用することが好ましく、また反応
を流通式で触媒槽に充填して使用する場合は、円柱状、
球状などの粒状成型品の形で使用することが好ましい。
無機固体酸触媒はまた、反応に使用するに際し、100
〜300℃程度の温度で乾燥させて使用することができ
る。
【0010】p−ヒドロキシ安息項酸とピロガロールの
反応においては、p−ヒドロキシ安息項酸及びピロガロ
ールが共に常温で固体であるため、通常反応溶媒を使用
する。反応溶媒として反応に悪影響を与えないものであ
れば使用可能であり、例えばp−クロロトルエン、ジク
ロロベンゼン、ブロモベンゼンなどのハロゲン化炭化水
素、クメン、プソイドクメン、キシレン、エチルベンゼ
ンなどの芳香族炭化水素のほか、脂環族炭化水素や脂肪
族炭化水素なども使用することができる。これらの中で
は、反応温度において、反応原料を溶解して均一溶液を
形成する溶媒を使用することが好ましく、ハロゲン化炭
化水素や芳香族炭化水素の使用がとくに好ましい。溶媒
は、p−ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールが反応条
件下において完全に溶解する量用いるのが好ましく、反
応温度によっても異なるが、p−ヒドロキシ安息香酸及
びピロガロールの合計質量に対し、一般には1〜30質
量倍、好ましくは2〜15質量倍程度の割合で使用され
る。反応を常圧で行う場合は、反応温度以上の沸点を有
する溶媒を使用することが好ましいが、勿論、反応温度
以下の沸点を有する溶媒を用い、加圧下で反応を行うこ
とは可能である。
【0011】反応を回分式で行う場合には、反応釜に反
応原料、無機固体酸触媒、必要に応じ反応溶媒を仕込
み、所定温度で、攪拌等により粉末状の無機固体酸触媒
を懸濁させつつ反応させればよい。p−ヒドロキシ安息
香酸とピロガロールの使用割合は任意であるが、反応効
率や後処理などを考慮すると、p−ヒドロキシ安息香酸
1モルに対し、ピロガロールを0.5〜2.0モル程度
とするのが好ましい。無機固体酸触媒の使用量にはとく
に制限はないが、通常反応原料であるp−ヒドロキシ安
息香酸とピロガロールの合計質量に対し、0.001〜
0.5質量倍、とくに0.005〜0.3質量倍程度使
用するのが好ましい。
【0012】反応温度は、使用する無機固体酸触媒の種
類によっても異なるが、触媒活性や反応の選択性等を考
慮すると、100〜300℃、とくには120〜250
℃の範囲を選択するのが好ましい。反応時間は、触媒の
種類、その使用量、反応温度等によっても異なるが、通
常0.1〜50時間程度である。
【0013】p−ヒドロキシ安息香酸とピロガロールの
反応により水が副生するが、水を溶解せず、反応温度に
おいて共沸するような溶媒を使用することにより、副生
する水を除去しながら反応を行うことができる。
【0014】p−ヒドロキシ安息香酸とピロガロールの
反応を流通方式で行う場合には、無機固体酸触媒を充填
した触媒槽の入口から反応原料及び、必要に応じ反応溶
媒を導入する一方、触媒槽出口からから反応液を取り出
すことによって行われる。2種の反応原料及び反応溶媒
は、触媒槽への導入に際し、予め混合して均一溶液にし
ておくことが望ましい。触媒槽においては、固定床、流
動床、懸濁床のいずれの方式においても反応を行うこと
ができる。反応条件は、回分式の場合と同様である。
【0015】回分方式で、懸濁床で反応を行った場合
は、無機固体酸触媒を濾過して除いた反応液から、また
流通方式の場合は無機固体酸触媒を分離した反応液か
ら、蒸留精製、濃縮後晶析、再結晶等の一般的な後処理
方法により、目的とする2,3,4,4’−テトラヒド
ロキシベンゾフェノンを回収、精製することが可能であ
る。一方、無機固体酸触媒は繰り返し使用することがで
きる。
【0016】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
する。 [実施例1]p−ヒドロキシ安息香酸2.76g(20
ミリモル)及びピロガロール2.52g(20ミリモ
ル)を30mLのp−クロロトルエンに懸濁させ、16
2℃に昇温し、還流下に保ち均一溶液を得た。ここに粉
末状シリカ・アルミナ触媒(商品名日揮N633L、日
揮化学(株)製、嵩密度0.4Kg/L、比表面積42
9m/g、SiO82.5質量%、Al
2.6質量%、Fe0.02質量%、Na
0.04質量%)2.12g(原料に対し40質量%)
を添加し、4時間攪拌して反応させた。攪拌を停止し、
熱時デカンテーションにより、不溶性のシリカ・アルミ
ナ、残渣、タール類を分離し、上澄みの反応溶液を室温
に戻して析出した淡黄色固体を濾過して採取し、乾燥し
た。3.01gの乾燥固体を得た。乾燥固体を高速液体
クロマトグラフィにより分析した結果、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン86質量%、原
料p−ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールが14質量
%であり、仕込み原料に対する2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンの収率は52.5%であっ
た。
【0017】[実施例2]実施例1において、粉末状シ
リカ・アルミナ触媒として日揮N633HN(日揮化学
(株)製、嵩密度0.4Kg/L、比表面積380m
/g、、SiO66.5質量%、Al25.1
質量%、Fe0.04質量%、Na O0.02
質量%)を使用した以外は実施例1と同様に行い、2.
77gの乾燥固体を得た。乾燥固体を高速液体クロマト
グラフィにより分析した結果、2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノン88質量%、原料p−ヒド
ロキシ安息香酸及びピロガロールが12質量%であり、
仕込み原料に対する2,3,4,4’−テトラヒドロキ
シベンゾフェノンの収率は49.6%であった。
【0018】[実施例3]実施例2において、粉末状シ
リカ・アルミナ触媒としての使用量を0.53g(原料
に対し10質量%)とした以外は実施例2と同様に行
い、3.92gの乾燥固体を得た。乾燥固体を高速液体
クロマトグラフィにより分析した結果、2,3,4,
4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン63質量%、原
料p−ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールが37質量
%であり、仕込み原料に対する2,3,4,4’−テト
ラヒドロキシベンゾフェノンの収率は50.2%であっ
た。
【0019】[実施例4]実施例3において、粉末状シ
リカ・アルミナの代りに硫酸処理ジルコニア(ZrO
/硫酸、Aldrich(社)製)を用いた以外は実施
例3と同様に行い、3.78gの乾燥固体を得た。乾燥
固体を高速液体クロマトグラフィにより分析した結果、
2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン7
7質量%、原料p−ヒドロキシ安息香酸及びピロガロー
ルが23質量%であり、仕込み原料に対する2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの収率は5
9.2%であった。
【0020】[実施例5]実施例4において、硫酸処理
ジルコニアの代りに硝酸処理ジルコニア(ZrO /硝
酸、関東化学(株)製)を用いた以外は実施例4と同様
に行い、2.90gの乾燥固体を得た。乾燥固体を高速
液体クロマトグラフィにより分析した結果、2,3,
4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン20質量
%、原料p−ヒドロキシ安息香酸及びピロガロールが8
0質量%であり、仕込み原料に対する2,3,4,4’
−テトラヒドロキシベンゾフェノンの収率は11.8%
であった。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば、無機固体酸触媒を使用
して好収率で2,3,4,4’−テトラヒドロキシベン
ゾフェノンを得ることができ、また簡単な後処理によっ
て目的物を単離することができる。したがってプロセス
が簡単である上、特殊な反応容器を必要としないので、
生産コストが易く、また廃液処理の問題を生じないの
で、環境への悪影響もない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H006 AA02 AC44 BA09 BA10 BA33 BA68 4H039 CA62 CD10 CD30

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p−ヒドロキシ安息香酸とピロガロール
    を、無機固体酸触媒の存在下で反応させることを特徴と
    する2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノ
    ンの製造方法。
  2. 【請求項2】 無機固体酸触媒が、複合系金属酸化物又
    は固型化酸である請求項1記載の2,3,4,4’−テ
    トラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法。
JP2001383070A 2001-12-17 2001-12-17 2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンの製造方法 Pending JP2003183211A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103449998A (zh) * 2013-08-26 2013-12-18 曹庸 非均相合成2,3,4,4′-四羟基二苯甲酮的方法
CN106632387A (zh) * 2016-12-13 2017-05-10 徐州得铸生物科技有限公司 一种工业合成中间体季戊四醇双缩二苯酮的合成工艺

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