JP2002316962A - ビスフェノールaの製造方法 - Google Patents

ビスフェノールaの製造方法

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JP2002316962A
JP2002316962A JP2001118012A JP2001118012A JP2002316962A JP 2002316962 A JP2002316962 A JP 2002316962A JP 2001118012 A JP2001118012 A JP 2001118012A JP 2001118012 A JP2001118012 A JP 2001118012A JP 2002316962 A JP2002316962 A JP 2002316962A
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bisphenol
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ion exchange
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Masahiro Iwahara
昌宏 岩原
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C37/00Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring
    • C07C37/11Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by reactions increasing the number of carbon atoms
    • C07C37/20Preparation of compounds having hydroxy or O-metal groups bound to a carbon atom of a six-membered aromatic ring by reactions increasing the number of carbon atoms using aldehydes or ketones

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 フェノールとアセトンを縮合させてビスフェ
ノールAを製造するに際し、高い転化率でビスフェノー
ルAを製造する方法を提供する。 【解決手段】 含イオウアミン化合物で部分的に変性し
た酸型イオン交換樹脂を触媒とし、フェノールとアセト
ンを縮合させてビスフェノールAを製造するに当たり、
アセトン中のメタノール濃度400〜7000重量pp
mの場合、変性酸型イオン交換樹脂として変性率15〜
50モル%のものを用い、メルカプタン化合物を添加し
て製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビスフェノールA
〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〕
の製造方法の改良に関し、更に詳しくは、含イオウアミ
ン化合物で部分的に変性した酸型イオン交換樹脂触媒を
用い、フェノールとアセトンを縮合させてビスフェノー
ルAを製造するに際し、メルカプタン化合物を添加する
ことにより、アセトン中の不純物であるメタノールによ
る触媒活性の低下を抑え、高い転化率でビスフェノール
Aを安定して製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビスフェノールAはポリカーボネート樹
脂やポリアリレート樹脂などのエンジニアリングプラス
チック、あるいはエポキシ樹脂などの原料として重要な
化合物であることが知られており、近年その需要はます
ます増大する傾向にある。このビスフェノールAは、酸
性触媒及び場合により用いられる硫黄化合物などの助触
媒の存在下に、過剰のフェノールとアセトンとを縮合さ
せることにより製造される。
【0003】この反応において用いられる酸触媒として
は、従来、硫酸や塩化水素などの無機鉱酸が用いられて
いたが、近年、陽イオン交換樹脂が注目され(英国特許
第842209号明細書、同第849565号明細書、
同第883391号明細書)、工業的に用いられるよう
になった。
【0004】一方、助触媒として用いられる硫黄化合物
としては、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、
チオグリコール酸などの置換基を有する若しくは有しな
いアルキルメルカプタン類が有効であることが知られて
いる(米国特許第2359242号明細書、同第277
5620号明細書)。このメルカプタン類は、反応速度
を上げるとともに、選択率を向上させる作用を有してい
る。例えば、ビスフェノールAの製造において、反応副
生物として、主に2−(2−ヒドロキシフェニル)−2
−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(o,p′一
体)が生成し、その他トリスフェノール、ポリフェノー
ルなどが生成する。特に、ポリカーボネート樹脂やポリ
アリレート樹脂などの原料として用いる場合、これらの
副生物の含有量が少なく、着色のない高純度のビスフェ
ノールAが要求される。このため、反応速度を上げると
ともに、上記副生物の生成を抑え、選択率を高めるため
に、助触媒としてメルカプタン類が用いられる。
【0005】近年、上記陽イオン交換樹脂とメルカプタ
ン類を併用する代わりに、触媒として、酸型イオン交換
樹脂のスルホン酸基の一部にイオウ含有基を導入してな
る各種の変性酸型イオン交換樹脂を用いることが行われ
ている。
【0006】この変性酸型イオン交換樹脂の一つとし
て、含イオウアミン化合物で部分的に変性した酸型イオ
ン交換樹脂が知られている。しかしながら、この変性酸
型イオン交換樹脂を触媒とし、フェノールとアセトンを
縮合させてビスフェノールAを製造する場合、アセトン
中の不純物であるメタノールによって、該触媒の活性が
低下するという問題が生じる。そこで、このような問題
を解決するために、反応原料中に少量の水を存在させる
ことにより、該触媒活性の低下を抑制する方法が提案さ
れている(特開平6−172241号公報、特開平10
−175898号公報、特開平10−251179号公
報、特開平10−251180号公報)。しかしなが
ら、この方法においては、水による触媒活性の低下が新
たに生じるため、触媒活性の低下を抑制する効果が充分
に発揮されず、必ずしも満足し得る方法とはいえない。
【0007】一方、反応原料を予め精製処理し、該原料
中の不純物であるR−X(Rはアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基又はシクロアルケニル基、XはO
H、ハロゲン原子、カルボキシレート基、サルフェート
基又はスルホネート基)で表される化合物の含有量を
0.1重量%未満に低減する方法が提案されている(特
開平6−25047号公報)。しかしながら、この方法
は、予め原料のフェノール及びアセトンを精製処理しな
ければならず、原料の精製工程が増え、必ずしも満足し
得る方法とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、含イオウアミン化合物で部分的に変性した酸
型イオン交換樹脂触媒を用い、フェノールとアセトンを
縮合させてビスフェノールAを製造するに際し、アセト
ン中の不純物であるメタノールによる触媒活性の低下を
抑え、高い転化率でビスフェノールAを安定して製造す
る方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、含イオウアミン
化合物で部分的に変性した酸型イオン交換樹脂の変性率
が特定範囲にある触媒を用い、メルカプタン化合物を添
加することにより、その目的を達成し得ることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0010】すなわち、本発明は、含イオウアミン化合
物で部分的に変性した酸型イオン交換樹脂を触媒とし、
フェノールとアセトンを縮合させてビスフェノールAを
製造するに当たり、アセトン中のメタノール濃度が40
0〜7000重量ppmの場合、上記変性酸型イオン交
換樹脂として変性率15〜50モル%のものを用い、メ
ルカプタン化合物を添加することを特徴とするビスフェ
ノールAの製造方法を提供するものである。なお、本発
明における変性率とは、酸型イオン交換樹脂のスルホン
酸基の含イオウアミン化合物によるモル変性率を意味す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の方法は、触媒として、含
イオウアミン化合物で部分的に変性した酸型イオン交換
樹脂を用い、フェノールとアセトンとを縮合させ、ビス
フェノールAを製造する方法であって、上記変性酸型イ
オン交換樹脂に用いられるベースの酸型イオン交換樹脂
としては、特に制限はなく、従来ビスフェノールAの触
媒として慣用されているものを用いることができるが、
特に触媒活性などの点から、強酸性であるスルホン酸型
イオン交換樹脂が好適である。
【0012】該スルホン酸型イオン交換樹脂について
は、スルホン酸基を有する強酸性イオン交換樹脂であれ
ば特に制限はなく、例えばスルホン化スチレン−ジビニ
ルベンゼンコポリマー、スルホン化架橋スチレンポリマ
ー、フェノールホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂、ベ
ンゼンホルムアルデヒド−スルホン酸樹脂などを挙げる
ことができる。
【0013】一方、上記酸型イオン交換樹脂の部分変性
に用いられる含イオウアミン化合物としては特に制限は
なく、酸型イオン交換樹脂の変性に用いることのできる
従来公知の化合物の中から任意のものを適宜選択して用
いることができる。該含イオウアミン化合物の例として
は、3−メルカプトメチルピリジン、3−(2−メルカ
プトエチル)ピリジン、4−(2−メルカプトエチル)
ピリジンなどのメルカプトアルキルピリジン類、2−メ
ルカプトエチルアミン、3−メルカプトプロピルアミ
ン、4−メルカプトブチルアミンなどのメルカプトアル
キルアミン類、チアゾリジン、2,2−ジメチルチアゾ
リジン、2−メチル−2−フェニルチアゾリジン、3−
メチルチアゾリジンなどのチアゾリジン類、4−アミノ
チオフェノールなどのアミノチオフェノール類などが挙
げられるが、これらの中で、4−(2−メルカプトエチ
ル)ピリジン、2−メルカプトエチルアミン及び2,2
−ジメチルチアゾリジンが好ましい。これらの含イオウ
アミン化合物は、遊離の形態であってもよく、塩酸など
の酸性物質の付加塩や第四級アンモニウム塩などの形態
であってもよい。
【0014】これらの含イオウアミン化合物を用いて、
前述のベースとなる酸型イオン交換樹脂を部分変性する
方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いる
ことができる。例えば、適当な溶媒、好ましくは水など
の水性溶媒中において、酸型イオン交換樹脂と含イオウ
アミン化合物を、所望の変性率になるように反応させる
ことによって、変性することができる。反応は常温で行
ってもよく、必要ならば加温して行ってもよい。この反
応により、イオン交換基であるスルホン酸基と含イオウ
アミン化合物の中のアミノ基とが反応し、イオン交換基
の一部にイオウ含有基が導入され、変性される。
【0015】本発明の方法においては、原料のアセトン
中のメタノール濃度が400〜7000重量ppmの場
合、変性率が15〜50モル%の変性酸型イオン交換樹
脂が用いられる。本発明者は、フェノールとアセトンの
縮合触媒として、含イオウアミン化合物で部分的に変性
した酸型イオン交換樹脂を用いる場合、変性酸型イオン
交換樹脂中の未変性部分のスルホン酸基が触媒となり、
アセトン中の不純物であるメタノールが、該変性酸型イ
オン交換樹脂中の含イオウアミン化合物のメルカプト基
と反応して、メチルスフィドが生成するために、その触
媒活性が低下することを見出した。つまり、反応系に微
量のメルカプタン化合物を添加し、メルカプタン化合物
とアセトン中の不純物であるメタノールと反応させ、変
性酸型イオン交換樹脂中の含イオウアミン化合物のメル
カプト基とメタノールとの反応を抑制することにより、
触媒寿命を長くすることができる。
【0016】メルカプタン化合物としては、メチルメル
カプタン、エチルメルカプタン、n−プロピルメルカプ
タン、i−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカプ
タン、sec−ブチルメルカプタン、t−ブチルメルカ
プタン、ペンチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタ
ン、ヘプチルメルカプタンン、オクチルメルカプタン、
ノニルメルカプタン、デシルメルカプタンなどの炭素数
1〜10のアルキルメルカプタン類が挙げられるが、こ
れらの中で、炭素数1〜3のアルキルメルカプタン類が
好ましい。メルカプタン化合物の添加量としては、その
添加量がアセトンに対し1/20〜1/500(モル
比)、好ましくは1/50〜1/400(モル比)がよ
い。添加量は、原料のアセトン中のメタノール濃度、ア
セトンとフェノールの反応状況、変性酸型イオン交換樹
脂触媒の劣化度合いに応じ、任意に変更することができ
る。メタノール濃度が高い場合や触媒の劣化度合いが激
しい場合には、メルカプタン化合物の添加量は多くな
る。本発明のメルカプタン化合物の添加は、触媒寿命を
延長する効果の他、メルカプタン化合物の助触媒効果に
よりビスフェノールA生成反応も促進し、全体的な触媒
活性が向上することになる。
【0017】本発明においては、原料中の水分は500
〜5000重量ppm程度の割合で含有するものを用い
ることができる。ところで、原料のフェノールの水分量
は、試薬又は工業品には一般的に500〜1000pp
m含まれている。原料のアセトンの水分量も同様に10
00〜3000ppm含まれている。又、プロセス的に
は過剰量のフェノールと未反応のアセトンを回収しリサ
イクルさせるが、上記のような水分にするのはかなりの
精製が必要である。このビスフェノールAの反応では、
生成物のビスフェノールAと等モルの水が発生する。例
えば、原料としてアセトン/フェノール=1/10(モ
ル比)の条件において、アセトンの20%の転化率で4
000ppm程度、50%の転化率で9000ppm程
度、70%の転化率で13000ppm程度の水濃度と
なる。 つまり、原料中の水分量が500〜2000p
pm程度のときは、上記のように反応により生成する水
の方が多い為、反応成績には殆ど影響がない。実際、
0.05〜0.2%の水分添加では、メタノールの影響
の抑制効果は殆どない。しかし、水分は目的物であるビ
スフェノールAの生成を抑制し、0.4%程度以上原料
中に存在すると大きな活性低下につながる。
【0018】本発明のビスフェノールAの製造方法にお
いては、フェノールとアセトンとの使用割合は特に制限
はないが、生成するビスフェノールAの精製の容易さや
経済性などの点から、未反応のアセトンの量はできるだ
け少ないことが望ましく、したがって、フェノールを化
学量論的量よりも過剰に用いるのが有利である。通常、
アセトン1モル当たり、通常3〜30モル、好ましくは
5〜20モルのフェノールが用いられる。又、このビス
フェノールAの製造においては、反応溶媒は、反応液の
粘度が高過ぎたり、凝固して運転が困難になるような低
温で反応させる以外は、一般に必要ではない。
【0019】本発明におけるフェノールとアセトンとの
縮合反応は、前述の含イオウアミン化合物で部分的に変
性した酸型イオン交換樹脂を充填した反応器に、フェノ
ールとアセトンを連続的に供給して反応させる固定床連
続反応方式を用いることができる。この際、反応器は1
基でもよく、又2基以上を直列又は並列に配置してもよ
い。工業的には、該変性酸型イオン交換樹脂を充填した
反応器を2基以上直列に連結し、固定床多段連続反応方
式を採用するのが、特に有利である。
【0020】この固定床連続反応方式における反応条件
について説明する。まず、アセトン/フェノールモル比
は、通常1/30〜1/3、好ましくは1/20〜1/
5の範囲で選ばれる。このモル比が1/30より小さい
場合、反応速度が遅くなりすぎるおそれがあり、1/3
より大きいと不純物の生成が多くなり、ビスフェノール
Aの選択率が低下する傾向がある。本発明においては、
フェノール、アセトン及びメルカプタン化合物の反応器
への供給方法は特に制限はないが、アセトン及びメルカ
プタン化合物を各反応器に分割供給することが好まし
い。又、反応温度は、通常40〜150℃、好ましくは
55〜100℃の範囲で選ばれる。該温度が40℃未満
では反応速度が遅い上、反応液の粘度が極めて高く、場
合により、固化するおそれがあり、150℃を超えると
反応制御が困難となり、かつビスフェノールA(p,
p′一体)の選択率が低下する上、触媒の変性酸型イオ
ン交換樹脂が分解又は劣化することがある。更に、原料
混合物のLHSV(液時空間速度)は、通常0.2〜3
0hr-1、好ましくは0.5〜20hr-1の範囲で選ば
れる。
【0021】本発明の方法においては、反応器から出て
きた反応混合物は、公知の方法により後処理が施され、
ビスフェノールAが取り出される。次に、この後処理の
一例について説明すると、まず晶析に先立って濃縮を行
う。濃縮条件については特に制限はないが、通常温度1
30〜170℃、圧力13〜53kPaの条件で濃縮が
行われる。温度が130℃未満では高真空が必要とな
り、170℃を超えると不純物が増加したり、着色の原
因となる。又、濃縮残液のビスフェノールAの濃度は2
5〜40重量%の範囲にあるのが有利である。この濃度
が25重量%未満ではビスフェノールAの回収率が低
く、40重量%を超えると晶析後のスラリーの移送が困
難となる。
【0022】濃縮残液からのビスフェノールAとフェノ
ールの付加物の晶析は、通常減圧下で水の蒸発潜熱を利
用して冷却する真空冷却晶析法によって行われる。この
真空冷却晶析法においては、該濃縮残液に、水を3〜2
0重量%程度添加し、通常温度40〜70℃、圧力3〜
13kPaの条件で晶析処理が行われる。上記水の添加
量が3重量%未満では除熱能力が十分ではなく、20重
量%を超えるとビスフェノールAの溶解ロスが大きくな
り、好ましくない。又晶析温度が40℃未満では晶析液
の粘度の増大や固化をもたらすおそれがあり、70℃を
超えるとビスフェノールAの溶解ロスが大きくなり、好
ましくない。
【0023】次に、このようにして晶析されたビスフェ
ノールAとフェノールの付加物は、公知の方法により分
離したのち、通常、フェノールにより洗浄処理が施され
る。次いで、洗浄処理された付加物をビスフェノールA
とフェノールとに分離処理するが、この場合、温度は通
常130〜200℃、好ましくは150〜180℃の範
囲で選ばれ、一方圧力は通常3〜20kPaの範囲で選
定される。この分離処理により得られたビスフェノール
Aは、その中の残留フェノールをスチームストリッピン
グなどの方法により、実質上完全に除去することによっ
て、高品質のビスフェノールAが得られる。
【0024】
【実施例】次に、本発明を実施例により、更に詳しく説
明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 内径12mm、高さ1200mmの充填層式の反応器
に、触媒として2−メルカプトエチルアミンにて20モ
ル%変性したスルホン酸型イオン交換樹脂〔三菱化学
(株)製、商品名:ダイヤイオンSK−104H〕6
9.3ミリリットル(水で膨潤)を充填した。この反応
器を2基直列に連結した。第1段目の反応器に、フェノ
ール277ミリリットル/時間を、第1段目と第2段目
にそれぞれメタノール500重量ppm及びエチルメル
カプタン1/400(対アセトンモル比)を含むアセト
ン15.6ミリリットル/時間を分割、通液し、反応温
度を75℃に保持して反応を行った。反応混合物を経時
的に分析し、フェノールの転化率を求めた、その結果を
第1表に示す。
【0025】実施例2 実施例1において、触媒として2,2−ジメチルチアゾ
リジンにて25モル%変性したスルホン酸型イオン交換
樹脂(前出)を用い、メタノール1,000重量ppm
及びエチルメルカプタン1/200(対アセトンモル
比)を含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様
にして実施した。その結果を第1表に示す。
【0026】実施例3 実施例1において、触媒として2,2−ジメチルチアゾ
リジンにて25モル%変性したスルホン酸型イオン交換
樹脂(前出)を用い、メタノール5,000重量ppm
及びエチルメルカプタン1/100(対アセトンモル
比)を含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様
にして実施した。その結果を第1表に示す。
【0027】実施例4 実施例1において、触媒として2,2−ジメチルチアゾ
リジンにて45モル%変性したスルホン酸型イオン交換
樹脂(前出)を用い、メタノール5,000重量ppm
及びエチルメルカプタン1/50(対アセトンモル比)
を含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様にし
て実施した。その結果を第1表に示す。
【0028】実施例5 実施例1において、触媒として4−(2−メルカプトエ
チル)ピリジンにて30モル%変性したスルホン酸型イ
オン交換樹脂(前出)を用い、メタノール1,000重
量ppm及びエチルメルカプタン1/200(対アセト
ンモル比)を含むアセトンに変更した以外は、実施例1
と同様にして実施した。その結果を第1表に示す。実施
例1〜5において、ビスフェノールAの選択率は93%
以上あり、良好な結果が得られた。
【0029】比較例1 実施例1において、触媒として2−メルカプトエチルア
ミンにて10モル%変性したスルホン酸型イオン交換樹
脂(前出)を用い、メタノール1,000重量ppmを
含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様にして
実施した。その結果を第1表に示す。
【0030】比較例2 実施例1において、メタノール5,000重量ppmを
含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様にして
実施した。その結果を第1表に示す。
【0031】比較例3 実施例1において、触媒として2,2−ジメチルチアゾ
リジンにて25モル%変性したスルホン酸型イオン交換
樹脂(前出)を用い、メタノール10,000重量pp
mを含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様に
して実施した。その結果を第1表に示す。
【0032】比較例4 実施例1において、触媒として4−(2−メルカプトエ
チル)ピリジン7モル%変性したスルホン酸型イオン交
換樹脂(前出)を用い、メタノール4,000重量pp
mを含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様に
して実施した。その結果を第1表に示す。
【0033】比較例5 実施例1において、触媒として2,2−ジメチルチアゾ
リジンにて16モル%変性したスルホン酸型イオン交換
樹脂(前出)を用い、メタノール20,000重量pp
m及びエチルメルカプタン1/400(対アセトンモル
比)を含むアセトンに変更した以外は、実施例1と同様
にして実施した。その結果を第1表に示す。比較例1〜
4においては、ビスフェノールAの選択率は転化率の低
下と共に低下し、800時間後には90%以下となっ
た。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、含イオウアミン化合物
で部分的に変性した酸型イオン交換樹脂触媒を用い、フ
ェノールとアセトンを縮合させてビスフェノールAを製
造するに際し、メルカプタン化合物を添加することによ
り、アセトン中の不純物であるメタノールによる触媒活
性の低下を抑え、高い転化率でビスフェノールAを安定
して製造することができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含イオウアミン化合物で部分的に変性し
    た酸型イオン交換樹脂を触媒とし、フェノールとアセト
    ンを縮合させてビスフェノールAを製造するに当たり、
    アセトン中のメタノール濃度が400〜7000重量p
    pmの場合、上記変性酸型イオン交換樹脂として変性率
    15〜50モル%のものを用い、メルカプタン化合物を
    添加することを特徴とするビスフェノールAの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 メルカプタン化合物がエチルメルカプタ
    ンであり、その添加量がアセトンに対し1/20〜1/5
    00(モル比)である請求項1記載のビスフェノールA
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 反応装置として、反応器を2基以上直列
    に連結した装置を用い、アセトン及びメルカプタン化合
    物を各反応基に分割添加する請求項1又は2記載のビス
    フェノールAの製造方法。
JP2001118012A 2001-04-17 2001-04-17 ビスフェノールaの製造方法 Pending JP2002316962A (ja)

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