JPWO2006006413A1 - 2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、1−アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒としてルイス酸および固体酸の中から選ばれる少なくとも一種の酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存さたものを用いる2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法であり、触媒として硫酸を使用することなく、2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンを選択的に効率よく製造でき、廃酸処理工程が省力化され、かつ、反応時間が大幅に短縮されるため、大量生産に好適な製造方法を提供する。
Description
本発明は、1−アダマンタノールを環境に配慮し、硫酸を使用することなく短時間で酸化を行い、アダマンタン誘導体の中でも各種医農薬原料,産業用原料として重要な中間体である2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンを製造する方法に関する。
アダマンタンは、ダイヤモンドの構造単位と同じ構造を持つ、対称性の高いカゴ型化合物として知られている。化学物質としては、(1)分子の歪みエネルギーが少なく、熱安定性に優れ、(2)炭素密度が大きいため脂溶性が大きく、(3)昇華性があるにもかかわらず、臭いが少ないなどの特徴を有しており、1980年代からは医薬品分野においてパーキンソン氏病治療薬やインフルエンザ治療薬の原料として注目されていたが、近年、アダマンタン誘導体の有する耐熱性や透明性などの特性が、半導体製造用フォトレジスト,磁気記録媒体,光ファイバー,光学レンズ,光ディスク基板原料などの光学材料分野や、耐熱性プラスチック,塗料,接着剤などの機能性材料、化粧品、潤滑油などの分野で注目され、その用途が増大しつつある。また、医薬分野においても抗癌剤,脳機能改善剤,神経性疾患用剤、抗ウイルス剤などの原料としての需要が増大してきている。
炭化水素化合物を酸化してアルコールやケトンに変換する技術は、炭素資源の有効活用の観点から、工業的にも非常に重要な技術である。各種医農薬原料,産業用原料として重要な中間体である2−アダマンタノンを選択的に製造する技術としては、濃硫酸中で製造する方法が公知である。例えば、Schlatmannは、1−アダマンタノールを濃硫酸中、30℃で12時間加熱保持することにより、72%の収率で2−アダマンタノンが得られることを報告している(例えば、非特許文献1参照)。また、アダマンタンを濃硫酸により酸化した後、水蒸気蒸留により精製し、47〜48%の収率でアダマンタノンが得られることも知られている(例えば、非特許文献2参照)。さらに、この技術の改良法として反応を2段階または3段階で昇温して実施する方法が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
しかし、これらの方法では2−アダマンタノンの収率は、最高で90%まで向上するものの、濃硫酸を多量に使用し、従って(a)大量の廃酸が生成する。(b)高価な耐腐食性の装置材料が必要である。また、(c)反応時間を長時間要し(12〜24時間)、大量生産を目指した場合には課題が山積している技術である。
なお、酸化剤として硫酸を全く使用しない技術は現在存在しない状況であり、非硫酸法による2−アダマンタノン製造技術の登場が待ち望まれる状況にある。
しかし、これらの方法では2−アダマンタノンの収率は、最高で90%まで向上するものの、濃硫酸を多量に使用し、従って(a)大量の廃酸が生成する。(b)高価な耐腐食性の装置材料が必要である。また、(c)反応時間を長時間要し(12〜24時間)、大量生産を目指した場合には課題が山積している技術である。
なお、酸化剤として硫酸を全く使用しない技術は現在存在しない状況であり、非硫酸法による2−アダマンタノン製造技術の登場が待ち望まれる状況にある。
Tetrahedron:24,5361(1968)
Organic Syntheses53,8(1973)
特開平11−189564号公報
特開2003−267906号公報
本発明は、1−アダマンタノールを酸触媒を用いて、従来になく短時間、かつ環境に配慮した、2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンを選択的に効率よく製造しうる方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解消し、短時間、かつ環境に配慮し、2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンを選択的に効率よく、製造するため、鋭意研究を重ねた結果、1−アダマンタノールを、ルイス酸や固体酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させた触媒を用いて反応させることにより、上記課題を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 1−アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒としてルイス酸および固体酸の中から選ばれる少なくとも一種の酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させたものを用いることを特徴とする2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(2) 固体酸が、ゼオライト、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナ、ヘテロポリ酸、陽イオン交換樹脂の中から選ばれる少なくとも一種である上記(1)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(3) 1−アダマンタノール対して前記酸触媒に共存させて用いられるカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の量が、モル比で150以下である上記(1)または(2)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(4) 反応温度が、30〜250℃の範囲である、上記(1)〜(3)のいずれかの2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、及び
(5) 酸触媒と共存させる酸が、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化スルホン酸およびアルキルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(4)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
を提供するものである。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を解消し、短時間、かつ環境に配慮し、2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンを選択的に効率よく、製造するため、鋭意研究を重ねた結果、1−アダマンタノールを、ルイス酸や固体酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させた触媒を用いて反応させることにより、上記課題を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
(1) 1−アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒としてルイス酸および固体酸の中から選ばれる少なくとも一種の酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させたものを用いることを特徴とする2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(2) 固体酸が、ゼオライト、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナ、ヘテロポリ酸、陽イオン交換樹脂の中から選ばれる少なくとも一種である上記(1)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(3) 1−アダマンタノール対して前記酸触媒に共存させて用いられるカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の量が、モル比で150以下である上記(1)または(2)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
(4) 反応温度が、30〜250℃の範囲である、上記(1)〜(3)のいずれかの2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、及び
(5) 酸触媒と共存させる酸が、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化スルホン酸およびアルキルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種である上記(1)〜(4)の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法、
を提供するものである。
以下本発明を詳細に説明する。
本発明の2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンの製造方法においては、1-アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒として、ルイス酸や固体酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させたものを用いる。
本発明の2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンの製造方法においては、1-アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒として、ルイス酸や固体酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させたものを用いる。
本発明における酸触媒としては、ルイス酸および固体酸の中から選ばれる少なくとも一種が用いられる。
ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、四塩化スズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素錯体、三臭化ホウ素、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム、塩化第二鉄、四塩化スズ、四塩化チタン、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素錯体、三臭化ホウ素、臭化アルミニウム、塩化ガリウム、臭化ガリウム等が挙げられる。
固体酸としては、ゼオライト、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナ、ヘテロポリ酸、陽イオン交換樹脂の中から選ばれる少なくとも一種の酸触媒が用いられる。
ゼオライトとしては、A型、L型、X型、Y型、ZSM−5などが挙げられ、NH4 型Y型ゼオライトを硫酸で酸処理したプロトン型超安定Y型ゼオライト(HUSY)が好適に用いられる。
また、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナなどにさらに、塩酸、硫酸、リン酸、三フッ化ホウ素 などを付着させたもの、例えば、硫酸化ジルコニアにして用いることができる。
ヘテロポリ酸は、2種以上のオキソ酸が縮合した多核構造のポリ酸であって、ヘテロ原子にはリン、珪素、砒素、ゲルマニウムが多く、ポリ原子にはモリブデン、タングステン、ニオブ、バナジウムなどが多い、具体的には、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸などが挙げられる。
また、陽イオン交換樹脂は、交換能のあるイオンをもつ、不溶性で多孔質の合成樹脂であって、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンなどの母体合成樹脂にフェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン基などの酸性基が結合した高分子酸である。
以上の酸触媒の中でも、前記固体酸が好ましく、特にゼオライトおよびヘテロポリ酸が好適に用いられる。
ゼオライトとしては、A型、L型、X型、Y型、ZSM−5などが挙げられ、NH4 型Y型ゼオライトを硫酸で酸処理したプロトン型超安定Y型ゼオライト(HUSY)が好適に用いられる。
また、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナなどにさらに、塩酸、硫酸、リン酸、三フッ化ホウ素 などを付着させたもの、例えば、硫酸化ジルコニアにして用いることができる。
ヘテロポリ酸は、2種以上のオキソ酸が縮合した多核構造のポリ酸であって、ヘテロ原子にはリン、珪素、砒素、ゲルマニウムが多く、ポリ原子にはモリブデン、タングステン、ニオブ、バナジウムなどが多い、具体的には、ケイタングステン酸、ケイモリブデン酸などが挙げられる。
また、陽イオン交換樹脂は、交換能のあるイオンをもつ、不溶性で多孔質の合成樹脂であって、例えば、ジビニルベンゼンで架橋したポリスチレンなどの母体合成樹脂にフェノール性ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルホン基などの酸性基が結合した高分子酸である。
以上の酸触媒の中でも、前記固体酸が好ましく、特にゼオライトおよびヘテロポリ酸が好適に用いられる。
また、酸触媒と共存させるカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の添加量は、例えば、1−アダマンタノール1モルに対して、通常150モル以下、好ましくは1〜100モルである。カルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の添加量を上記範囲とすることで、酸化反応を速めることができる。
前記カルボン酸類としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸等が挙げられる。
また、スルホン酸類としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のハロゲン化スルホン酸等が挙げられる。
また、リン酸類としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
中でもハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化スルホン酸およびアルキルスルホン酸が好ましく、特にハロゲン化カルボン酸およびハロゲン化スルホン酸が好適である。
これらのカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記カルボン酸類としては蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸等のモノカルボン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸等のジカルボン酸、安息香酸、フタル酸等の芳香族カルボン酸、モノフルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸等のハロゲン化カルボン酸等が挙げられる。
また、スルホン酸類としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の芳香族スルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等のハロゲン化スルホン酸等が挙げられる。
また、リン酸類としては、オルトリン酸、メタリン酸、ピロリン酸、ポリリン酸等が挙げられる。
中でもハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化スルホン酸およびアルキルスルホン酸が好ましく、特にハロゲン化カルボン酸およびハロゲン化スルホン酸が好適である。
これらのカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類は一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、反応温度は、通常30〜250℃が好ましく、より好ましくは、50〜250℃である。上記温度範囲で反応行なうことによって、副生する重質分、2-アダマンタノンや2−アダマンタノールへの選択率の低下を抑えることができる。
反応時間は反応温度や使用する酸触媒の量、共存させるカルボン酸類、スルホン酸類及びリン酸類の種類や量、及び1−アダマンタノールの量などにもよるため一概にはいえないが、回分式の場合は、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
また、固定床流通式反応の場合、1-アダマンタノール基準の重量空間速度(WHSV)は0.001〜50h-1好ましくは0.005〜20h-1であり、この範囲で好適に酸化反応が行われる。
反応時間は反応温度や使用する酸触媒の量、共存させるカルボン酸類、スルホン酸類及びリン酸類の種類や量、及び1−アダマンタノールの量などにもよるため一概にはいえないが、回分式の場合は、通常0.5〜20時間、好ましくは1〜10時間である。
また、固定床流通式反応の場合、1-アダマンタノール基準の重量空間速度(WHSV)は0.001〜50h-1好ましくは0.005〜20h-1であり、この範囲で好適に酸化反応が行われる。
本発明における酸化反応としては、通常、酸触媒と共存させるカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類を溶媒として兼用し、1−アダマンタノールを所定量溶解させて酸触媒の存在下、昇温することで反応を進行させる方法が用いられる。
溶媒としては、添加剤として用いられる前記カルボン酸類、スルホン酸類及びリン酸類が好ましいが、反応を穏やかに進行させたりする目的で必要に応じて溶媒を使用することも可能である、しかし、その場合には1−アダマンタノールを溶解し、酸触媒に安定な溶媒を選択することが必要である。
このような溶媒としては、例えば、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素化合物やニトロベンゼン、クロロベンゼン等の不活性置換基をもつベンゼン等が挙げられる。
溶媒としては、添加剤として用いられる前記カルボン酸類、スルホン酸類及びリン酸類が好ましいが、反応を穏やかに進行させたりする目的で必要に応じて溶媒を使用することも可能である、しかし、その場合には1−アダマンタノールを溶解し、酸触媒に安定な溶媒を選択することが必要である。
このような溶媒としては、例えば、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素化合物やニトロベンゼン、クロロベンゼン等の不活性置換基をもつベンゼン等が挙げられる。
また、反応装置としては、十分な攪拌ができて加熱が可能な装置であればなんら制限はなく、酸化剤として硫酸を使用していないため、高価な耐腐食性材料の必要はない。
酸化反応終了後は、反応系から2−アダマンタノンおよび2−アダマンタノールを常法に従って分離することができる。
酸化反応終了後は、反応系から2−アダマンタノンおよび2−アダマンタノールを常法に従って分離することができる。
次に、実施例に基づいて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって制限されるものではない。
なお、原料及び生成物定量分析は、内部標準法によるガスクロマトグラフィーによりおこなった。
なお、原料及び生成物定量分析は、内部標準法によるガスクロマトグラフィーによりおこなった。
実施例1
100mLの3ツ口フラスコに1-アダマンタノール0.4g、モノクロロ酢酸20gを仕込んだ。攪拌しながら、150℃まで昇温した。150℃になってから、300℃で2時間乾燥したケイタングステン酸5gを投入し、2時間反応を行った。反応終了後、生成液をろ過した後、冷却しながらpH=9になるまでNaOH水溶液を加えた。その後、トルエン20mLで生成物を抽出した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
100mLの3ツ口フラスコに1-アダマンタノール0.4g、モノクロロ酢酸20gを仕込んだ。攪拌しながら、150℃まで昇温した。150℃になってから、300℃で2時間乾燥したケイタングステン酸5gを投入し、2時間反応を行った。反応終了後、生成液をろ過した後、冷却しながらpH=9になるまでNaOH水溶液を加えた。その後、トルエン20mLで生成物を抽出した。抽出液をガスクロマトグラフィーで分析した。結果を第1表に示す。
実施例2
ケイタングステン酸5gの代わりに300℃で3時間乾燥したプロトン型超安定Y型ゼオライト〔(HUSY)ケイバン比(SiO2/Al2 O3 )10〕を2g使用した以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
ケイタングステン酸5gの代わりに300℃で3時間乾燥したプロトン型超安定Y型ゼオライト〔(HUSY)ケイバン比(SiO2/Al2 O3 )10〕を2g使用した以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
実施例3
モノクロロ酢酸の代わりにトリクロロ酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
モノクロロ酢酸の代わりにトリクロロ酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
実施例4
モノクロロ酢酸の代わりにトリフルオロ酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
モノクロロ酢酸の代わりにトリフルオロ酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
実施例5
モノクロロ酢酸の代わりに酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
モノクロロ酢酸の代わりに酢酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
実施例6
モノクロロ酢酸の代わりにメタンスルホン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
モノクロロ酢酸の代わりにメタンスルホン酸を用いた以外は実施例1と同様の方法で反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
比較例1
モノクロロ酢酸を添加せずに、溶媒としてn−テトラデカンを20g添加した以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
モノクロロ酢酸を添加せずに、溶媒としてn−テトラデカンを20g添加した以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
比較例2
モノクロロ酢酸を添加せずに、溶媒としてn−テトラデカンを20g添加した以外は実施例2と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
モノクロロ酢酸を添加せずに、溶媒としてn−テトラデカンを20g添加した以外は実施例2と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
比較例3
ケイタングステン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
ケイタングステン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行ったが、反応は全く進行しなかった。
参考例1
酸触媒兼添加剤として硫酸20gを用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
酸触媒兼添加剤として硫酸20gを用いた以外は実施例1と同様の方法で、反応、後処理、分析を行った。結果を第1表に示す。
本発明は、医農薬分野、半導体分野、磁気記録媒体分野、光学材料分野、耐熱性プラスチック分野、塗料、接着剤等の機能性材料、化粧品、潤滑油などの分野に有用な2−アダマンタノンおよび2−アダマンタノールを短時間で効率よく製造できる。
Claims (5)
- 1−アダマンタノールから2−アダマンタノールおよび2−アダマンタノンを製造する方法において、触媒としてルイス酸および固体酸の中から選ばれる少なくとも一種の酸触媒にカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種を共存させたものを用いることを特徴とする2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法。
- 前記固体酸が、ゼオライト、ジルコニア、シリカアルミナ、アルミナ、ヘテロポリ酸、陽イオン交換樹脂の中から選ばれる少なくとも一種である請求項1に記載の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法。
- 1−アダマンタノール対して前記酸触媒に共存させて用いられるカルボン酸類、スルホン酸類およびリン酸類からなる群から選ばれる少なくとも一種の量が、モル比で150以下である請求項1または2に記載の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法。
- 反応温度が、30〜250℃の範囲である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法。
- 酸触媒と共存させる酸が、ハロゲン化カルボン酸、ハロゲン化スルホン酸およびアルキルスルホン酸から選ばれる少なくとも一種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の2−アダマンタノールおよび2-アダマンタノンの製造方法。
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