JP4919277B2 - フルオレン誘導体の効率的製造方法 - Google Patents

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本発明は、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン等のフルオレン誘導体(以下、「BPEF類」とする。)の効率的製造方法に関するものである。
フルオレン環とジオール構造を有するBPEF類から製造されるポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂等は、耐熱性、透明性、高屈折性等に優れた高機能材料として、光学レンズ、光学フィルム、光ファイバー等への応用が期待されている。
このBPEF類の製造方法としては、硫酸とチオールを触媒として用い、フルオレノンとフェノキシエタノールとを反応させる方法が知られているが(たとえば特許文献1)、反応後に触媒として用いた多量の濃硫酸を処理する必要があった。
一方、反応後の触媒の分離等を容易にするために、酸触媒として金属カチオンを担持したモンモリロナイト系固体層状化合物を用いる方法が報告されているが(たとえば特許文献2)、この方法では、収率を上げるために、80〜130℃の高温で、8〜30時間という長時間の反応を行う必要があり、工業的に有利な方法とはいえなかった。
特開7−165657号公報 特開2000−191577号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、フルオレノンとフェノキシエタノール類を原料として、BPEF類をより効率的に製造することを目的とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、酸触媒存在下での上記反応が、マイクロ波照射により著しく加速されることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、フルオレノンと、下記の一般式(I)
PhOCHCHROH (I)
(式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。Phはフェニル基を示し、その環の水素原子の一部が反応に関与しない置換基で置換されていても差し支えない。)
で表されるアルコールを、酸触媒存在下、マイクロ波を照射して反応させることを特徴とする、下記の一般式(II)
Figure 0004919277
(式中、Rは前記と同じ意味である。)
で表されるフルオレン誘導体の製造方法である。
本発明の製法方法を用いることにより、従来の通常加熱に比べ、短時間で収率よくフルオレン誘導体が得られるという利点がある。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、フルオレノンと、フェノキシエタノールを、酸触媒存在下、マイクロ波を照射して反応させることを特徴とするフルオレン誘導体の製造方法である。
本発明において、フルオレノンと反応させるフェノキシエタノール類は、下記の一般式(I)
PhOCHCHROH (I)
で表されるもので、式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。また、Phはフェニル基を示し、その環の水素原子の一部が反応に関与しないアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等の基で置換されていても差し支えない。
具体例としては、2−フェノキシエタノール、1−フェノキシ−2−プロパノール等が挙げられる。
また、本発明の製造方法により得られるフルオレン誘導体は、下記の一般式(II)で表される。
Figure 0004919277
例えば、原料に用いるフェノキシエタノールとして、2−フェノキシエタノールを用いた場合の反応は、以下の式で表される。
Figure 0004919277
反応は、フルオレン1モルに対し、フェノキシエタノールを2〜20倍モル、好ましくは、2〜10倍モル用いることにとり、上記フルオレン誘導体を高収率で生成することができる。
本発明において、反応に用いられる酸触媒としては、本発明に関わるフルオレノン誘導体を製造する場合に従来から使用されてきた各種の触媒を使用できるが、好ましくは、固体酸触媒、さらに好ましくは、金属カチオンを担持したモンモリロナイト系固体層状化合物や市販のモンモリロナイト系固体酸化合物等のモンモリロナイト系化合物が用いられる。モンモリロナイト系化合物に担持する金属カチオンとしては、従来知られている各種の金属カチオンをカチオンの価数に関係なく利用できるが、好ましくは、Al3+、Ga3+、In3+、Sn4+、Fe3+、Ti3+、Ti4+、Zr4+等から選ばれるものである。これら金属カチオンは、2種以上組み合わせて用いることもできる。
これらの金属カチオンを担持したモノモリロナイト系化合物は、従来公知の各種の方法で製造できる。たとえば、市販のナトリウムカチオン置換型モンモリロナイト系化合物を、金属カチオンの硝酸塩または塩化物塩等と水中で反応させて、ナトリウムカチオンと金属カチオンとのイオン交換を行うことにより容易に製造することができる。
また、市販のモンモリロナイト系固体酸触媒としては、たとえば、モンモリロナイトK10(アルドリッチ社製)やモンモリロナイトKSF(アルドリッチ社製)等を使用できる。
これら触媒の原料フルオレノンに対する重量比は、適宜任意に選ぶことができるが、通常0.00001〜10の範囲である。
上記反応温度は、−20℃以上、好ましくは0〜300℃、より好ましくは、40〜250℃であり、反応時間は反応温度にもよるが、1〜120分、好ましくは2〜60分程度である。
また、反応は、溶媒の有無にかかわらず実施できるが、溶媒を用いる場合には、ジブチルエーテル等のエーテル、酢酸エチル等のエステル、アセトニトリル等のニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド等、原料と反応するものを除いた各種の溶媒が使用可能で、2種以上混合して用いることもできる。
本発明の反応におけるマイクロ波の照射では、接触式または非接触式の温度センサーを備えた各種の市販装置等を使用できる。さらに、マイクロ波照射の出力、キャビティの種類(マルチモード、シングルモード)、照射の形態(連続的、断続的)等は、反応のスケールや種類等に応じて任意に決めることができる。
また、本発明の方法において用いる酸触媒が固体酸触媒である場合、触媒の分離は、ろ過、遠心分離等の方法により容易に行うことができ、触媒の再利用も可能である。
さらに、本発明の方法において、製造されたフルオレノン誘導体の精製も、再結晶、クロマトグラフィー等の通常用いられる手段により容易に達せられる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
フルオレノン0.8mmol、2−フェノキシエタノール1ml、Al3+−モンモリロナイト(触媒)0.2g、2−メルカプトプロピオン酸(助触媒)1.4μlの混合物を、放射温度計を備えたマイクロ波照射装置(CEM社製、Discover、シングルモード型)を用いて、160℃で10分撹拌しながら反応を行った。
得られた生成物をHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で分析した結果、フルオレノン誘導体である9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]フルオレン(BPEF)が仕込みのフルオレノンに対して81%の収率で生成したことがわかった。
(実施例2〜19)
触媒の種類や他の反応条件(触媒量、助触媒の有無、温度、時間)を変える他は、実施例1と同様に反応を行い、HPLCで生成したBPEFの収率を測定した結果を表1に示す。
Figure 0004919277
なお、表1の実施例2〜19において触媒量は、0.1gとし、助触媒が有の時は、2−メルカプトプロピオン酸(助触媒)の量を0.7μlとした。
(比較例1)
マイクロ波照射装置の代わりにオイルバスを用いる他は実施例1と同様に反応を行い、HPLCで生成したBPEFを分析した結果、その収率は実施例1よりも低い33%(実施例1の約1/2.5)であった。このことは、マイクロ波照射による反応が、同じ反応温度・時間でのオイルバスによる通常加熱の反応に比べ、より高収率でBPEFを与えることを示している。
(比較例2〜10)
他の代表的な実施例において、比較例1と同様に、オイルバスでの反応を行いHPLCで生成したBPEFを分析した結果を、対応する実施例の結果と共に表2に示す。
Figure 0004919277
いずれの比較例においても、BPEFの収率は対応する実施例の値よりも小さく、マイクロ波照射を用いることにより、触媒の種類や助触媒の有無等の反応条件に関わりなく一般的に反応が加速され、BPEFをより効率的に製造できることが示された。
本発明の方法により、各種機能性材料として広範に利用されているフルオレノン誘導体を、より効率的かつ安全に製造できる。特に、本発明により得られるフルオレン誘導体は、耐熱性、透明性、高屈折率等に優れ、光学レンズ、光学フィルム、光ファイバー等の光学材料への応用が期待される高機能ポリマー製造用の原料として有用であり、本発明の工業的意義は多大である。

Claims (3)

  1. フルオレノンと、下記の一般式(I)
    PhOCHCHROH (I)
    (式中、Rは水素原子又はメチル基を示す。Phはフェニル基を示し、その環の水素原子の一部が反応に関与しない置換基で置換されていても差し支えない。)
    で表されるアルコールを、酸触媒存在下、マイクロ波を照射して反応させることを特徴とする、下記の一般式(II)
    Figure 0004919277
    (式中、Rは前記と同じ意味である。)
    で表されるフルオレン誘導体の製造方法。
  2. 前記酸触媒が、モンモリロナイト系化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフルオレン誘導体の製造方法。
  3. 前記酸触媒の他に、助触媒としてメルカプトカルボン酸を用いることを特徴とする請求項2に記載のフルオレン誘導体の製造方法。
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