JP2000191577A - フルオレン誘導体の製造法 - Google Patents

フルオレン誘導体の製造法

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JP2000191577A JP10370693A JP37069398A JP2000191577A JP 2000191577 A JP2000191577 A JP 2000191577A JP 10370693 A JP10370693 A JP 10370693A JP 37069398 A JP37069398 A JP 37069398A JP 2000191577 A JP2000191577 A JP 2000191577A
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montmorillonite
fluorene
producing
hydroxyethoxy
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Mitsuaki Yamada
光昭 山田
Masahiro Yamada
昌宏 山田
Yasuhiro Suda
康裕 須田
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキ
シ)フェニル)フルオレンの新規な製造法を提供する。 【解決手段】Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(O
H)4・yH2O (1) 〔式中、Mは金属原子または水素原子を示し、0<x<
4、nは正の整数を示し、yは0以上である。〕で表さ
れるモンモリロナイトの層間に存在するMn+がアルミニ
ウム、チタン、鉄、スズ、タングステン及び銅よりなる
群から選ばれる元素のカチオンの1種以上でイオン交換
された触媒の存在下、フルオレノンとフェノキシエタノ
ールを反応させることを特徴とする9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル、ポ
リウレタン、変性アクリル樹脂、エポキシ樹脂などの原
料ジオールとして有用な9,9−ビス(4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル)フルオレン(以下、BPE
Fと略す)の製造方法及びBPEF製造用触媒に関す
る。
【0002】
【従来の技術及びその課題】BPEFの製造方法として
は、特開平7−165657号公報に触媒の存在下フル
オレンとフェノキシエタノールを脱水縮合させる方法が
開示されている。この方法では酸触媒として大量の濃硫
酸を用いるため、反応後の触媒除去に煩雑な操作が必用
であり、多量の中和排水が出ること、また製品中の硫酸
の残留によるポリエステルの着色などの問題点がある。
また、装置の腐食があり、高価な材質の装置が必用であ
る。フェノールとケトンの脱水縮合によるビスフェノー
ル類の製造において一般的に用いられる塩化水素ガスや
陽イオン交換樹脂、固体酸などは触媒の除去が容易であ
り、フルオレノンとフェノキシエタノールの反応系でも
これらの触媒が使えれば、上記の問題点の多くは解決さ
れる。
【0003】しかしながら、この反応系では,これらの
触媒はいずれも全く活性を示さず、これまで濃硫酸以外
に反応活性を示す触媒は知られていない。
【0004】本発明の目的は、フルオレノンとフェノキ
シエタノールの脱水縮合によるBPEFの製造におい
て、煩雑な触媒除去操作がなく、製品品質も良好であ
り、経済性に優れた製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意検討した結果、アルミニウム、チ
タン、鉄、スズ、タングステン及び銅よりなる群から選
ばれる元素のカチオンの1種以上でイオン交換したモン
モリロナイトを触媒として用い、フルオレノンとフェノ
キシエタノールをチオール類の存在下に反応させること
により高収率でBPEFを製造できることを見出し、本
発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、下記一般式(1) Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(OH)4・yH2O (1) 〔式中、Mは金属原子または水素原子を示し、0<x<
4、nは正の整数を示し、yは0以上である。〕で表さ
れるモンモリロナイトの層間に存在するMn+がアルミニ
ウム、チタン、鉄、スズ、タングステン及び銅よりなる
群から選ばれる元素のカチオンの1種以上でイオン交換
された触媒の存在下、フルオレノンとフェノキシエタノ
ールを反応させることを特徴とする9,9−ビス(4−
(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製
造方法に関する。
【0007】また、本発明は、下記一般式(1) Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(OH)4・yH2O (1) 〔式中、Mは金属原子または水素原子を示し、0<x<
4、nは正の整数を示し、yは0以上である。〕で表さ
れる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
ェニル)フルオレン製造用触媒に関する。
【0008】さらに、本発明は、モンモリロナイトをア
ルミニウム、チタン、鉄、スズ、タングステン及び銅か
らなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性金属化合
物の溶液で処理することを特徴とする9,9−ビス(4
−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン製
造用触媒の製造方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、アルミニウム、
チタン、鉄、スズ、タングステン及び銅よりなる群から
選ばれる元素のカチオンとしては、Al3+、Ti3+、F
3+、Fe2+、Sn4+、Sn2+、W3+、W6+等が挙げら
れる。
【0010】本発明において、モンモリロナイトの層間
に存在するMn+としては、たとえばNa+、Ca2+など
が挙げられる。
【0011】本発明の一般式(1)のモンモリロナイト
は、天然に存在するモンモリロナイトのH+、Na+、C
2+などの層間に存在するMn+をAl3+、Ti3+、Fe
3+、Fe2+、Sn4+、Sn2+、W3+、W6+、Cu+、C
2+等の前記カチオンで置換して製造することができ、
xはこれらカチオンに置換前の天然型モンモリロナイト
に依存して0を超え4未満の任意の値を取ることができ
る。また、一般式(1)においてyの値はモンモリロナ
イトの乾燥状態等に左右され、0以上の任意の値を取り
うる。また、一般式(1)においてnの値は1,2が好
ましく例示される。
【0012】本発明において用いられるフルオレノン
は、純度が80重量%以上、好ましくは95重量%以上
である。具体的には、コールタールから分留して得られ
るフルオレンまたは脱アルキル法ベンゼン製造プロセス
において副生するフルオレンを酸化して得られるフルオ
レノンを原料として使用できる。フェノキシエタノール
は、純度が80重量%以上、好ましくは95重量%以上
である。具体的にはフェノールにエチレンオキサイドを
付加してできるものであって、2モル以上のエチレンオ
キサイドの付加物が不純物として含有していてもかまわ
ない。
【0013】反応は、フルオレノン1モルに対しフェノ
キシエタノールを2〜10倍モル、好ましくは3〜6倍
モル用いることにより、BPEFを高収率で生成させる
ことができる。フェノキシエタノールの使用割合を少な
くすると、副反応が増加し、BPFEの収率が低下す
る。多すぎると、触媒濃度が薄められ、触媒の作用が低
下し、反応時間が長くなる。
【0014】本発明において使用する一般式(1) Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(OH)4・yH2O (1) 〔式中、M、x、n及びyは前記に定義された通りであ
る。〕で表されるモンモリロナイトは、天然品でも合成
品でもよい。
【0015】本発明のモンモリロナイトのイオン交換に
使用するアルミニウム、チタン、鉄、スズ、タングステ
ン及び銅は、種々の金属化合物が使用可能であるが、イ
オン交換する際の溶媒に溶解するものであれば制限なく
使用できる。一般には塩化物、硝酸塩,硫酸塩、水酸化
物、カルボン酸塩などを使用する。カルボン酸塩として
は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、安息香酸塩等が
挙げられる。
【0016】モンモリロナイトのイオン交換の方法は特
に限定されないが、通常溶媒を用いた液相で行われる。
溶媒としては水が好ましく用いられる。水溶液の金属濃
度は、モンモリロナイトの陽イオン交換容量の当量以上
の濃度であればよいが、通常0.01〜5モル/L、好
ましくは0.05〜2モル/Lのものを使用する。イオ
ン交換の温度は常温〜95℃程度で行われる。イオン交
換の時間は温度に依存するが、通常0.1〜100時
間、好ましくは1〜30時間である。
【0017】イオン交換後のモンモリロナイトは、濾
過、洗浄した後乾燥する。乾燥の温度はイオン交換に使
用する金属塩の種類にもよるが、通常50〜250℃程
度である。イオン交換後は、通常1〜30時間乾燥する
ことにより本発明の触媒を製造することができる。
【0018】BPEFを製造するときの反応温度は通常
80〜130℃、好ましくは110〜125℃程度であ
る。反応時間は反応温度にもよるが通常8〜30時間程
度、好ましくは10〜20時間程度である。
【0019】本発明では、助触媒としてチオール類をさ
らに用いてもよい。チオール類を用いるとより緩和な条
件でBPEFを製造することができる。
【0020】該チオール類としては、例えばメルカプタ
ン、特に炭素数が1〜10のメルカプタン、及び、メル
カプトカルボン酸、好ましくは炭素数2〜11、より好
ましくは炭素数2〜4のメルカプトカルボン酸が挙げら
れる。具体的には、メチルメルカプタン、エチルメルカ
プタン、n−プロピルメルカプタン、n−ブチルメルカ
プタン、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメル
カプタン、n−デシルメルカプタン、t−ドデシルメル
カプタン等のアルキルメルカプタン、チオグリコール
酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロ
ピオン酸及び4−メルカプト酪酸等のメルカプトカルボ
ン酸が挙げられる。これらのチオール類は、その1種を
単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
【0021】チオール類の添加量は、チオール類とフル
オレノンのモル比(チオール類/フルオレノン)で0.
001〜1,好ましくは0.005〜0.5である。
【0022】本発明のBPEFの製造方法を実施するに
際しては、バッチ式、セミバッチ式、連続式のいずれで
あってもよい。触媒の充填方式により固定床、流動床、
懸濁床があるが、これらのいずれであってもよい。例え
ば固定床反応器の場合、触媒は球状または円柱状に成形
するのがよく、長さは例えば1mm〜10mmに成形す
ることができる。懸濁床反応器の場合には、通常16〜
40メッシュの粉末にするのがよい。触媒量は、懸濁床
反応器の場合反応器内の触媒濃度が0.01〜50重量
%であり、好ましくは0.1〜30重量%である。
【0023】フルオレノンとフェノキシエタノールの反
応液は、触媒を濾過により分離することができる。触媒
を濾過した後の反応液は溶剤を加えた後、晶析すること
により結晶としてBPEFを取り出すことができる。こ
の際に使う溶剤としては、低級脂肪族アルコール(メタ
ノール、エタノール、プロパノール等)、低級脂肪族ケ
トン(アセトン、メチルエチルケトン等)、トルエン、
キシレンなどの芳香族炭化水素、酢酸エチルなどのエス
テル類が挙げられるが、BPFEの色相から低級脂肪族
アルコールを使用するのがよい。例えば、反応液に低級
脂肪族アルコールを加え、均一溶液とした後、冷却する
ことにより結晶を析出させる。この際、必要に応じて水
を加えても結晶を析出させることができる。加える溶剤
の量は、たとえばメタノールの場合、反応液にフルオレ
ン骨格を有する化合物1モルに対し100〜2000m
l、好ましくは200〜1000mlを用いることがで
きる。
【0024】析出した結晶は濾過により固液分離して回
収される。濾過の方法は、遠心分離、加圧濾過、吸引濾
過のいずれでも良い。得られたBPEFは必要により溶
剤による洗浄または再結晶等の方法により精製される。
また、母液中の未反応原料および溶剤は、蒸留により回
収することができ、再び反応系および精製系にリサイク
ルして使用することができる。
【0025】反応液より分離回収された触媒はそのま
ま、またはその一部もしくは全部を再生した後、繰り返
して反応に使用することができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例を用いて
より詳細に説明する。 実施例1 Wを除く種々の金属交換モンモリロナイトは、市販のナ
トリウム型のモンモリロナイト(一般式(1)におい
て、M=Na;xは0を超え4未満の数;クニビアF;
クニミネ工業社製)6gを各種金属の硝酸塩または塩化
物の1モル溶液100ml中にて12時間撹拌し、濾過
後、濾液に金属イオンおよび硝酸イオン、塩化物イオン
が検出されなくなるまでイオン交換水で洗浄した。11
0℃で一晩乾燥させ、乳鉢で粉砕した。W6+モンモリロ
ナイトは、WCl6の0.5モルエタノール溶液を調製
し、その100ml中にてイオン交換を行い、以下、他
の金属交換モンモリロナイトと同様に、濾過、洗浄を行
い、乾燥、粉砕して触媒とした。 実施例2〜6 撹拌器付き1Lセパラブルフラスコにフルオレノン45
g、フェノキシエタノール276g、βメルカプトプロ
ピオン酸0.2g、実施例1で調製した触媒4.5gを
投入し、温度を140℃に昇温し、24時間反応させ
た。得られた反応液をガラスフィルターにより熱濾過し
て触媒を取り除いた。濾液を高速液体クロマトグラフィ
ーで分析し、反応収率を算出した。フルオレノン基準の
BPEFの収率を触媒の種類ごとに表1に示す。 実施例7 βメルカプトプロピオン酸を加えない以外は実施例2と
同様の操作を行った。 比較例1 触媒としてナトリウム型モンモリロナイトを用いた以外
は実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示す。 比較例2 触媒としてプロトン型モンモリロナイトを用いた以外は
実施例2と同様の操作を行った。結果を表1に示す。
【0027】尚、表1において反応収率はフルオレン基
準の収率を示す。
【0028】
【表1】 触 媒 βメルカプトプロピオン酸 反応収率 実施例2 Al3+モンモリロナイト 添加あり 90% 実施例3 Ti3+モンモリロナイト 添加あり 83% 実施例4 Fe3+モンモリロナイト 添加あり 45% 実施例5 Sn4+モンモリロナイト 添加あり 33% 実施例6 W6+モンモリロナイト 添加あり 15% 実施例7 Al3+モンモリロナイト 添加なし 65% 比較例1 Na+ モンモリロナイト 添加あり 0%比較例2 H+ モンモリロナイト 添加あり 0.9%
【0029】
【発明の効果】フルオレノンとフェノキシエタノールの
脱水縮合によるBPEFの製造において、煩雑な触媒除
去操作がなく、製品品質も良好であり、経済性に優れた
製造方法を提供できる。
フロントページの続き (72)発明者 須田 康裕 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内 Fターム(参考) 4G069 AA08 BC16A BC16B BC22A BC22B BC31A BC50A BC50B BC60A BC60B BC66A BC66B CB69 4H006 AA02 AC25 BA05 BA06 BA09 BA10 BA11 BA14 BA19 BA30 BA33 BA52 BA55 GP03 GP10 4H039 CA40 CA41 CD10 CD40

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(OH)4・yH2O (1) 〔式中、Mは金属原子または水素原子を示し、0<x<
    4、nは正の整数を示し、yは0以上である。〕で表さ
    れるモンモリロナイトの層間に存在するMn+がアルミニ
    ウム、チタン、鉄、スズ、タングステン及び銅よりなる
    群から選ばれる元素のカチオンの1種以上でイオン交換
    された触媒の存在下、フルオレノンとフェノキシエタノ
    ールを反応させることを特徴とする9,9−ビス(4−
    (2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレンの製
    造方法。
  2. 【請求項2】助触媒としてチオール類を添加することを
    特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】チオール類が炭素数1〜10のメルカプタ
    ンまたは炭素数2〜11のメルカプトカルボン酸である
    請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】メルカプトカルボン酸がチオグリコール
    酸、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロ
    ピオン酸及び4−メルカプト酪酸からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種である請求項3に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】下記一般式(1) Mn+ x/n(Al4-xMgx)Si820(OH)4・yH2O (1) 〔式中、Mは金属原子または水素原子を示し、0<x<
    4、nは正の整数を示し、yは0以上である。〕で表さ
    れる9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フ
    ェニル)フルオレン製造用触媒。
  6. 【請求項6】モンモリロナイトをアルミニウム、チタ
    ン、鉄、スズ、タングステン及び銅からなる群から選ば
    れる少なくとも1種の水溶性金属化合物の溶液で処理す
    ることを特徴とする9,9−ビス(4−(2−ヒドロキ
    シエトキシ)フェニル)フルオレン製造用触媒の製造方
    法。
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