JP4085629B2 - 高品質アダマンタンアルコール類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、超LSIのレジスト用途等に使用されるアダマンチルメタクリレート類の原料、その他機能性高分子等の中間原料として有用な高品質なアダマンタンアルコール類の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、アダマンタンアルコール類の製造方法としては、(1)ジブロモアダマンタン類を硝酸銀及びジオキサンの共存下に加水分解する方法(Chem.Ber.,93,p.1366,1960年)、(2)ジブロモアダマンタン類を多量のピリジンの存在下、加水分解して製造する方法(特開平3−118342号公報)、(3)アダマンタンを触媒の存在下、空気酸化により製造する方法(特開2001−131105号公報)等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、(1)の方法は高価な硝酸銀を用いる上、収率が低い等の問題を有し、工業的な製造方法として満足できるものではない。また、(2)の方法は基質に対し高価なアミンを多量に使用する上、反応後の後処理操作が煩雑となり効率良く高品質なアダマンタンアルコール類を得ることができない、収率が70%程度と低い、製品に着色が起こる等の問題を有し、工業的な製造方法として決して満足できるものではない。更に、(3)の方法は、アダマンタンから直接アダマンタンアルコール類が得られるものの、多くの酸化生成物が生成するため、目的のアダマンタンアルコール類を得るためには精製を繰り返す必要があり、効率良く高品質なアダマンタンアルコール類を得る製造方法として満足できるものではない。
【0004】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、従来の方法では満足できなかった高品質なアダマンタンアルコール類の製造方法を提供することにある。すなわち、従来の問題点を解決し、高い収率でかつ効率良く高品質なアダマンタンアルコール類を得る経済性に優れた製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、ブロモアダマンタン、1,2−ジブロモアダマンタン、1,3−ジブロモアダマンタン、1,4−ジブロモアダマンタンから選ばれるブロモアダマンタン類を加水分解しアダマンタンアルコール類を製造する方法において、ブロモアダマンタン類の臭素原子に対し、0.1mol%〜200mol%量のトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、及びトリエチレンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の脂肪族第三級アミン及び/又はその塩の存在下、100℃〜170℃の温度において反応を行うことにより、高い収率でかつ効率良く高品質アダマンタンアルコール類が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、ブロモアダマンタン、1,2−ジブロモアダマンタン、1,3−ジブロモアダマンタン、1,4−ジブロモアダマンタンから選ばれるブロモアダマンタン類を加水分解しアダマンタンアルコール類を製造する方法において、ブロモアダマンタン類の臭素原子に対し、0.1mol%〜200mol%量のトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、及びトリエチレンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の脂肪族第三級アミン及び/又はその塩の存在下、100℃〜170℃の温度において反応を行うことを特徴とする高品質アダマンタンアルコール類の製造方法である。
【0007】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
本発明の方法において用いられるブロモアダマンタン類としては、ブロモアダマンタン、1,2−ジブロモアダマンタン、1,3−ジブロモアダマンタン、1,4−ジブロモアダマンタン等が挙げられ、これらブロモアダマンタン類は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基を置換基として有していてもよい。これら置換基の位置については特に限定されないが、5位または7位が好ましく、また、置換基の数については1個でも複数個でもよい。これらブロモアダマンタン類は、たとえば、アダマンタンまたは置換基を有するアダマンタン類を塩化鉄、臭化鉄、臭化ホウ素等のルイス酸触媒存在下、塩素、臭素等のハロゲンと反応させることによって得ることができる。
【0009】
本発明の方法のような加水分解反応系においては、通常、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩基がハロゲン原子に対し当量以上と多量に使用されるが、当該ブロモアダマンタン類に作用させると反応が遅く、過酷な条件下では分解が認められた。本発明の方法においては、よりマイルドな塩基である脂肪族第三級アミンのみが当該基質に特異的に作用し、加水分解反応を起こさしめるものである。なおかつ、用いる脂肪族第三級アミンの量は、触媒量で良く、塩基を多量に使用していた従来法を考えれば驚くべきことである。
【0010】
本発明の方法において使用される脂肪族第三級アミンとは、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、トリエチレンジアミン塩等が好適なものとして挙げられるが、取り扱いの容易さ及び入手の容易さから、トリエチルアミンの使用が特に好ましい。またこれらの脂肪族第三級アミンは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0011】
また、本発明の方法における脂肪族第三級アミンの塩としては、特に制限はないが、例えば、上記した脂肪族第三級アミンのハロゲン酸塩等が挙げられるが、入手の容易さから塩酸塩の使用が好ましい。
【0012】
本発明の方法における脂肪族第三級アミンの使用量は、ブロモアダマンタン類の臭素原子に対し0.1〜200モル%、好ましくは1〜100モル%の範囲が選ばれる。使用量が0.1モル%以下では、反応速度が低下し原料であるブロモアダマンタン類が残存することとなる。また、200モル%以上の使用は、経済的に不利となるばかりでなく、精製及び廃液処理に負担を強いることとなる。
【0013】
本発明の方法においては、溶媒として水の存在下に加水分解を実施するが、この際用いる水の量は、特に限定されないが、少なくとも臭素原子に対して等モル以上の水があればよい。
【0014】
本発明の方法における反応温度は、通常100℃〜170℃、好ましくは120〜150℃の範囲が選ばれる。100℃未満では反応速度が遅く実用的ではないし、170℃を越えると収率の低下を引き起こし、更に反応液に着色が起こるため好ましくない。反応圧力については特に限定されないが、通常自圧下で反応が行われる。また反応方法については、特に限定されないが、バッチ式、連続式のいずれであってもよい。
【0015】
反応終了後は、冷却後、析出した結晶を濾過等により取り出し、水、アルコールまたはエーテル等の溶媒で洗浄することにより良好な収率で高品質アダマンタンアルコール類を得ることができる。得られた結晶は、純度が99%以上の白色結晶であり、精製の必要なく次工程に使用が可能である。
【0016】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の方法によれば、従来の問題点を解決して、高品質なアダマンタンアルコール類を高い収率でかつ効率良く経済的に得ることが可能となる。
【0017】
【実施例】
以下に、本発明の方法を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0018】
実施例1
1,3−ジブロモアダマンタン 29.4g(0.1mol)、トリエチルアミン 0.102g(0.001mol)、水 60gをオートクレーブに仕込んだ後、140℃で6時間かけ加水分解を行った。反応後、析出した白色結晶を炉別し、水洗、乾燥を行い1,3−アダマンタンジオール 14.3gを得た。該結晶をガスクマトグラフィーで分析した結果、純度は99.55%であった。また、濾液中に含有される1,3−アダマンタンジオールをガスクロマトグラフィーにより定量し、得られた結晶とあわせると、収率は98.9%であった。
【0019】
実施例2〜実施例11
実施例1において、アミンの種類、アミンの添加量及び反応温度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして1,3−アダマンタンジオールを製造した。反応収率は実施例1と同様の方法で分析した。結果を表1にあわせて示す。なお、実施例1についても表1に掲載した。
【0020】
【表1】
比較例1〜比較例5
実施例1においてアミンの種類、アミンの添加量及び反応温度を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして1,3−アダマンタンジオールを製造した。反応収率は実施例1と同様の方法で分析した。結果を表1にあわせて示す。
Claims (1)
- ブロモアダマンタン、1,2−ジブロモアダマンタン、1,3−ジブロモアダマンタン、1,4−ジブロモアダマンタンから選ばれるブロモアダマンタン類を加水分解しアダマンタンアルコール類を製造する方法において、ブロモアダマンタン類の臭素原子に対し、0.1mol%〜200mol%量のトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン、及びトリエチレンジアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の脂肪族第三級アミン及び/又はその塩の存在下、100℃〜170℃の温度において反応を行うことを特徴とする高品質アダマンタンアルコール類の製造方法。
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