JP2001199969A - キナゾリン化合物の製造方法およびその精製方法 - Google Patents

キナゾリン化合物の製造方法およびその精製方法

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JP2001199969A JP2000014265A JP2000014265A JP2001199969A JP 2001199969 A JP2001199969 A JP 2001199969A JP 2000014265 A JP2000014265 A JP 2000014265A JP 2000014265 A JP2000014265 A JP 2000014265A JP 2001199969 A JP2001199969 A JP 2001199969A
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Masahide Tanaka
正英 田中
Nobushige Itaya
信重 板谷
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−
ジメトキシキナゾリンを安全に容易に工業的に製造しう
る方法を提供すること、2−(ピペラジニル)−4−ア
ミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを経済性よく製造
しうる方法を提供すること、および高純度を有する2−
(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキ
ナゾリンを製造しうる方法を提供すること。 【解決手段】式(I): 【化1】 で表される化合物を水系溶媒中でピペラジンと反応させ
ることを特徴とする式(II): 【化2】 で表されるキナゾリン化合物の製造方法、および式(II)
で表されるキナゾリン化合物を酸性水中に溶解させ、不
溶物を濾過により除去した後、該キナゾリン化合物を塩
基性下で析出させる式(II)で表されるキナゾリン化合物
の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キナゾリン化合物
の製造方法およびその精製方法に関する。さらに詳しく
は、降圧薬として有用なテラゾシン、プラゾシン、ブナ
ゾシン等の製造中間体として有用な化合物であるキナゾ
リン化合物の製造方法およびその精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、2−(ピペラジニル)−4−アミ
ノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを製造する方法とし
て、ジオキサン、アルコール類などの溶媒中で、2−ク
ロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンと、
ピペラジン、ピペラジン塩酸塩または臭化水素酸塩とを
反応させることによって製造する方法が提案されている
〔ジャーナル・オブ・メディショナル・ケミストリー
(J. Med. Chem.) 、20巻、146 頁 (1977年) 、米国特許
第4,001,237 号明細書、米国特許第4,001,238 号明細
書、特開昭56-150088 号公報〕。
【0003】しかしながら、これらの方法には、ジオキ
サン、アルコール類などの比較的高価な溶媒や、毒性が
高い溶媒が使用されているため、工業的生産性に劣ると
いう欠点がある。また、特開昭56-150088 号公報に記載
の方法には、2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,
7−ジメトキシキナゾリンを効率よく製造するために、
原料として2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンを使用し、該2−クロロ−4−アミノ−
6,7−ジメトキシキナゾリンに対して過剰量のピペラ
ジンまたはその塩を使用する必要があるが、反応後に
は、残存しているピペラジンが廃棄されているため、経
済性の面で劣るという欠点がある。
【0004】また、前記方法によって製造された2−
(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキ
ナゾリンには、医薬品原料として使用するのには無視す
ることができない程度の量の不純物が含まれているた
め、高純度を有する2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリンを製造しうる方法の確
立が待ち望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、2−(ピペラジニル)
−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを安全に
容易に工業的に製造しうる方法を提供することを目的と
する。また、本発明は、2−(ピペラジニル)−4−ア
ミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを経済性よく製造
しうる方法を提供することを目的とする。さらに、本発
明は、高純度を有する2−(ピペラジニル)−4−アミ
ノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを製造しうる方法を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)式
(I):
【0007】
【化4】
【0008】で表される化合物を水系溶媒中でピペラジ
ンと反応させることを特徴とする式(II):
【0009】
【化5】
【0010】で表されるキナゾリン化合物の製造方法、
(2)式(I)で表される化合物を水系溶媒中でピペラ
ジンと反応させた後、得られた式(II)で表されるキナゾ
リン化合物を濾取し、その濾液に、式(I)で表される
化合物1モルに対するピペラジンの量が5〜15モルと
なるように式(I)で表される化合物およびピペラジン
を添加し、さらに式(I)で表される化合物をピペラジ
ンと反応させる操作を1回以上繰り返す前記(1)記載
の製造方法、ならびに(3)式(II):
【0011】
【化6】
【0012】で表されるキナゾリン化合物を酸性水中に
溶解させ、不溶物を濾過により除去した後、キナゾリン
化合物を塩基性下で析出させる式(II)で表されるキナゾ
リン化合物の精製方法に関する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によれば、前記したよう
に、式(I):
【0014】
【化7】
【0015】で表される化合物を水系溶媒中でピペラジ
ンと反応させることにより、式(II):
【0016】
【化8】
【0017】で表されるキナゾリン化合物を製造するこ
とができる。
【0018】従来、水は、式(I)で表される化合物を
殆ど溶解しないため、式(I)で表される化合物と他の
化合物との反応を行なう際の溶媒として適当ではないと
考えられている。ところが、本発明者らが鋭意研究を重
ねたところ、式(I)で表される化合物とピペラジンと
を反応させる際に水系溶媒を使用した場合には、驚くべ
きことに、この従来の常識に反し、両化合物の反応が円
滑に進行し、しかも副生物であるビス体の含量が少ない
式(II)で表される化合物を高収率で得ることができると
いう、まったく新しい事実が見出されたのである。この
ように、本発明は、従来の常識を覆す斬新でかつ画期的
な発明である。
【0019】式(I)で表される化合物は、具体的に
は、2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナ
ゾリンであり、式(II)で表される化合物は、具体的に
は、2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメ
トキシキナゾリンである。
【0020】本明細書にいう水系溶媒とは、水を主成分
とする溶媒をいう。より具体的には、水を50容量%以
上、好ましくは80容量%以上、より好ましくは90容
量%以上含有する水系溶媒が望ましい。
【0021】水系溶媒の例としては、水、水−アルコー
ル混合溶媒、水−芳香族炭化水素混合溶媒、水−非プロ
トン性溶媒混合溶媒、水−プロトン性溶媒混合溶媒など
が挙げられる。なお、混合溶媒を使用する場合には、水
以外の溶媒の量は、本発明の目的が阻害されない範囲内
で該水以外の溶媒の種類に応じて適宜調整することが好
ましい。これらの溶媒の中では、水が安全性およびコス
ト面から好ましい。
【0022】水系溶媒の量は、高純度を有する式(II)で
表される化合物を得る観点から、式(I)で表される化
合物100重量部に対して、300重量部以上、好まし
くは500重量部以上、より好ましくは1000重量部
以上であることが望ましい。また、水系溶媒の量は、式
(II)で表される化合物を高収率で得る観点から、式
(I)で表される化合物100重量部に対して、300
0重量部以下、好ましくは2500重量部以下、より好
ましくは2000重量部以下であることが望ましい。
【0023】式(I)で表される化合物とピペラジンと
の反応は、式(I)で表される化合物およびピペラジン
を水系溶媒に添加することによって行なうことができ
る。
【0024】ピペラジンの量は、副反応を抑え、式(II)
で表される化合物を高収率で得る観点および製造コスト
をできるだけ抑制する観点から、式(I)で表される化
合物1モルあたり、1〜15モル、好ましくは8〜12
モルであることが望ましい。
【0025】なお、反応温度は、通常、50〜150℃
程度であればよいが、反応に要する時間を短縮化させ、
なおかつ副生成物量を低減させる観点から、80〜11
0℃であることが好ましい。
【0026】反応終了後、反応混合物を30〜50℃、
好ましくは30〜40℃の温度に冷却した後、例えば、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリを式
(I)で表される化合物1モルに対して1〜2モル程度
添加し、生成した式(II)で表されるキナゾリン化合物の
結晶を濾取することにより、該キナゾリン化合物を回収
することができる。なお、必要により、回収したキナゾ
リン化合物を洗浄したり、あるいは乾燥させてもよい。
【0027】なお、キナゾリン化合物の結晶を濾取した
後の濾液には、ピペラジンが含有されている。従来法で
は、このピペラジンが含有されている濾液は、廃棄され
ていたため、経済性に劣るという欠点がある。ところ
が、本発明は、このピペラジンが含有されている濾液を
有効利用することができるので、従来法と対比して、経
済性に格別顕著に優れた方法である。
【0028】すなわち、キナゾリン化合物の結晶を濾取
した後の濾液には、ピペラジンが含有されているが、そ
の濾液に、式(I)で表される化合物1モルに対するピ
ペラジンの量が5〜15モルとなるように式(I)で表
される化合物およびピペラジンを添加し、さらに式
(I)で表される化合物をピペラジンと反応させる操作
(以下、一連の操作という)を1回以上繰り返すことが
できる。この操作を繰り返すことにより、従来法では毎
回廃棄されていた濾液を繰り返し使用することができる
ので、濾液の有効利用、すなわち濾液に含まれているピ
ペラジンの有効利用が図られ、ひいては経済性が高めら
れるのである。
【0029】式(I)で表される化合物1モルに対する
ピペラジンの量は、副反応を抑え、式(II)で表される化
合物を高収率で得る観点および製造コストをできるだけ
抑制する観点から、1〜15モル、好ましくは8〜12
モルである。
【0030】なお、この一連の操作を行なう際の反応条
件は、前記した式(I)で表される化合物をピペラジン
と反応させる際の反応条件と同様であればよい。
【0031】前記一連の操作は、いわゆる循環式あるい
は多段階式で行なうことができる。前記一連の操作を繰
り返すにしたがい、式(II)で表されるキナゾリン化合物
の純度が低下する傾向にある。したがって、前記一連の
操作を繰り返す回数は、濾液の有効利用による経済性の
向上および純度の向上の観点から、1〜20回、好まし
くは3〜15回程度、より好ましくは5〜10回である
ことが望ましい。
【0032】なお、得られたキナゾリン化合物の純度を
より一層高めるために、該キナゾリン化合物を精製する
ことが好ましい。
【0033】キナゾリン化合物の精製は、該キナゾリン
化合物を酸性水中に溶解させ、必要により活性炭や、ラ
ヂオライト(昭和化学工業(株)製、商品名。以下同
じ)などの珪藻土に代表される濾過助剤を添加するなど
の処理を施し、不溶物を濾過により除去した後、キナゾ
リン化合物を塩基性下で析出させることにより、行なう
ことができる。
【0034】酸性水を調製する際には、酸を使用する。
かかる酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸など
の強酸が挙げられる。酸性水のpHは、キナゾリン化合
物との塩の生成を容易にするために、3以下、好ましく
は1以下であることが望ましい。なお、酸性水には、キ
ナゾリン化合物と水溶性の塩を生成させるために、キナ
ゾリン化合物1モルあたり、酸が1モル以上、好ましく
は2〜3モル含まれていることが望ましい。
【0035】酸性水の量は、特に限定がないが、不溶物
の濾過による除去を円滑にし、キナゾリン化合物の回収
率を向上させる観点から、キナゾリン化合物100重量
部に対して400〜3000重量部程度、好ましくは8
00〜2000重量部程度であることが望ましい。
【0036】キナゾリン化合物を酸性水に溶解させる際
の酸性水の温度は、キナゾリン化合物の塩酸塩を効率よ
く生成させる観点および精製した塩を確実に水に溶かし
て回収効率を高める観点から、30〜100℃、好まし
くは50〜70℃であることが望ましい。
【0037】キナゾリン化合物を酸性水中に溶解させた
溶液に含まれている不溶物の除去は、濾過により行なう
ことができる。かかる濾過方法には特に限定がなく、一
般的には、フィルター濾過法を採用することができる。
【0038】不純物を濾取した後の濾液からキナゾリン
化合物を回収するために、濾液を塩基性にする。濾液を
塩基性にする際には、塩基を使用することができる。か
かる塩基として、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムなどの一般に使用
されている塩基を用いることができる。なお、これらの
塩基は、通常、水に溶解させて水溶液として使用するこ
とができる。
【0039】前記濾液を塩基性にする際の濾液の液温
は、特に限定がなく、通常、10〜90℃程度、好まし
くは室温程度であればよい。また、濾液のpHは、キナ
ゾリン化合物の塩酸塩の分解を完全に行なうという観点
から、7以上、好ましくは9〜13であることが望まし
い。
【0040】生成したキナゾリン化合物の結晶は、濾取
し、必要により、洗浄したり、乾燥させることにより、
回収することができる。
【0041】かくして回収されたキナゾリン化合物の結
晶は、高純度を有するものであり、例えば、降圧薬とし
て有用なテラゾシン、プラゾシン、ブナゾシンなどの製
造中間体として好適に使用しうるものである。
【0042】
【実施例】次に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例等のみに限定さ
れるものではない。
【0043】実験例1および比較実験例1〜2 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン1g(0.0042モル)およびピペラジン3.6g
(0.042モル)を表1に示す溶媒5mLに添加し、
95〜100℃の温度で40分間加熱攪拌した後、得ら
れた反応混合物を40℃以下に冷却した。
【0044】溶媒として水を使用したときには(実験例
1)、反応混合物に20%水酸化ナトリウム水溶液を加
え、pHを10に調整した後、生じた結晶を濾取し、乾
燥させて回収した。
【0045】溶媒としてトルエンまたはn−ブタノール
を使用したときには(比較実験例1または2)、反応混
合物からその溶媒を留去し、得られた残渣に20%水酸
化ナトリウム水溶液を加え、pHを10に調整した後、
生じた結晶を濾取し、乾燥させて回収した。
【0046】上記で得られた結晶は、いずれも、文献
(特開昭60-112787 号公報)に記載されている融点およ
びNMRのデータと一致したことから、2−(ピペラジ
ニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンで
あることが確認された。
【0047】次に、得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)、純度およびビス体の含有量(液体クロマトグラフ
ィーにより測定)を調べた。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示された結果から、溶媒として水を
使用した場合には、従来汎用されている比較的安価な他
の溶媒を使用した場合と比べて、ビス体の含量が少な
く、高純度を有する式(II)で表される化合物を高収量
(高収率)で得ることができることがわかる。
【0050】実施例1 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン36g
(0.42モル)を水50mL中に溶解させ、95〜1
00℃の温度で30分間加熱攪拌した。
【0051】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム2.35g(0.042モル)およ
び水50mLを添加し、攪拌した後、生成した結晶を濾
取し、乾燥させて回収した。得られた結晶は、文献(特
開昭60-112787 号公報)に記載されている融点およびN
MRのデータと一致したことから、2−(ピペラジニ
ル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンであ
ることが確認された。得られた2−(ピペラジニル)−
4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は11.03g(91.4%)であり、純度(液体
クロマトグラフィーにより測定。以下同じ)は96.7
%(ビス体の含量は3.1%)であった。
【0052】実施例2 実施例1で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度96.7%)
8.9g(30.8ミリモル)を0.4モル/L塩酸水
210mLに溶解させ、60℃で3時間攪拌した。この
溶液に活性炭0.89gを添加した後、不溶物を濾過し
て除去し、濾液に20%水酸化ナトリウムを添加し、p
Hを10に調整した後、室温(約25℃)で22時間攪
拌した。生成した結晶を濾取し、乾燥して2−(ピペラ
ジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン
の結晶を得た。得られた結晶の収量(収率)は7.77
g(87.3%)であり、純度は99.9%(ビス体の
含量は0%)であった。
【0053】実施例3 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン18g
(0.21モル)を水50mL中に溶解させ、95〜1
00℃の温度で5時間加熱攪拌した他は、実施例1と同
様にして反応を行ない、2−(ピペラジニル)−4−ア
ミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンを得た。得られた
2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンの収量(収率)は11.31g(93.7
%)であり、純度は94.6%(ビス体の含量は5.1
%)であった。
【0054】実施例4 実施例3で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度94.6%)1
1.3g(39.1ミリモル)を0.5モル/L塩酸水
180mLに溶解させ、60℃で30分間攪拌した。こ
の溶液に活性炭1.0gおよびラヂオライト1.0gを
添加した後、不溶物を濾過して除去し、濾液に20%水
酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを10に調整した
後、室温(約25℃)で21時間、氷冷下で1時間攪拌
した。生成した結晶を濾取し、乾燥して2−(ピペラジ
ニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの
結晶を得た。得られた結晶の収量(収率)は10.16
g(89.9%)であり、純度は99.9%(ビス体の
含量は0%)であった。
【0055】実施例5 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン36g
(0.42モル)を水100mL中に溶解させ、95〜
100℃の温度で4時間加熱攪拌した。
【0056】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム2.35g(0.042モル)を添
加し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて
2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−
4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は10.87g(90.0%)であり、純度は9
8.7%(ビス体の含量は1.1%)であった。
【0057】実施例6 実施例5で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度98.7%)1
0.72g(37.0ミリモル)、活性炭1.0gおよ
びラヂオライト1.0gを0.75モル/L塩酸水10
7mLに溶解させ、60℃で1時間攪拌した。この溶液
の不溶物を濾過して除去し、濾液に20%水酸化ナトリ
ウム水溶液を添加し、pHを10に調整した後、10℃
以下の温度で1時間攪拌した。生成した結晶を濾取し、
乾燥して2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−
ジメトキシキナゾリンの結晶を得た。得られた結晶の収
量(収率)は9.57g(89.3%)であり、純度は
99.8%(ビス体の含量は0%)であった。
【0058】実施例7 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン36g
(0.42モル)を水180mL中に溶解させ、95〜
100℃の温度で4.5時間加熱攪拌した。
【0059】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム2.35g(0.042モル)を添
加し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて
2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−
4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は10.3g(85.3%)であり、純度は96.
9%(ビス体の含量は2.9%)であった。
【0060】実施例8 実施例7で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度96.9%)1
0.3g(35.6ミリモル)、活性炭1.1gおよび
ラヂオライト1.1gを0.64モル/L塩酸水46m
Lに溶解させ、60℃で1時間攪拌した。この溶液の不
溶物を濾過して除去し、濾液に20%水酸化ナトリウム
水溶液を添加し、pHを10に調整した後、10℃以下
の温度で1時間攪拌した。生成した結晶を濾取し、乾燥
して2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメ
トキシキナゾリンの結晶を得た。得られた結晶の収量
(収率)は7.20g(70.0%)であり、純度は9
9.9%(ビス体の含量は0%)であった。
【0061】実施例9 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン36g
(0.42モル)を水180mL中に溶解させ、80℃
で15時間加熱攪拌した。
【0062】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム2.35g(0.042モル)を添
加し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて
2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−
4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は11.11g(92%)であり、純度は97.2
%(ビス体の含量は1.5%)であった。
【0063】実施例10 実施例9で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミノ
−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度97.2%)1
1.11g(38.4ミリモル)、活性炭1.1gおよ
びラヂオライト1.1gを0.5モル/L塩酸水171
mLに溶解させ、60℃で1時間攪拌した。この溶液の
不溶物を濾過して除去し、濾液に20%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加し、pHを10に調整した後、10℃以
下の温度で1時間攪拌した。生成した結晶を濾取し、乾
燥して2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジ
メトキシキナゾリンの結晶を得た。得られた結晶の収量
(収率)は10.39g(93.5%)であり、純度は
99.6%(ビス体の含量は0%)であった。
【0064】実施例11 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン10g(0.042モル)およびピペラジン36g
(0.42モル)を水180mL中に溶解させ、90℃
で8時間加熱攪拌した。
【0065】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム2.35g(0.042モル)を添
加し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて
2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキ
シキナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−
4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は11.00g(91%)であり、純度は95.4
%(ビス体の含量は3.0%)であった。
【0066】実施例12 実施例11で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミ
ノ−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度95.4%)
11.00g(38.0ミリモル)、活性炭1.1gお
よびラヂオライト1.1gを0.46モル/L塩酸水9
2mLに溶解させ、60℃で30分間攪拌した。この溶
液の不溶物を濾過して除去し、濾液に20%水酸化ナト
リウム水溶液を添加し、pHを10に調整した後、室温
で1時間攪拌した。生成した結晶を濾取し、乾燥して2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンの結晶を得た。得られた結晶の収量(収率)
は9.93g(90.3%)であり、純度は99.6%
(ビス体の含量は0.28%)であった。
【0067】実施例13 2−クロロ−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリ
ン20g(0.084モル)およびピペラジン72g
(0.84モル)を水360mL中に溶解させ、85〜
90℃で10時間加熱攪拌した。
【0068】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は22.57g(93.5%)であり、純度は9
7.0%(ビス体の含量は2.8%)であった。
【0069】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン7.2g(0.084モ
ル)を添加し、85〜90℃で15時間加熱攪拌した。
【0070】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は23.83g(98.7%)であり、純度は9
7.4%(ビス体の含量は2.3%)であった。
【0071】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン8.6g(0.10モル)
を添加し、85〜90℃で10.5時間加熱攪拌した。
【0072】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は23.67g(98.0%)であり、純度は9
7.0%(ビス体の含量は2.7%)であった。
【0073】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン8.6g(0.10モル)
を添加し、95℃で6時間加熱攪拌した。
【0074】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は23.99g(99.35%)であり、純度は9
5.8%(ビス体の含量は3.9%)であった。
【0075】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン8.6g(0.10モル)
を添加し、90〜95℃で6.5時間加熱攪拌した。
【0076】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は22.27g(92.23%)であり、純度は9
5.1%(ビス体の含量は4.5%)であった。
【0077】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン8.6g(0.10モル)
を添加し、90〜95℃で8時間加熱攪拌した。
【0078】得られた反応混合物を40℃以下に冷却
し、水酸化カリウム4.7g(0.084モル)を添加
し、攪拌した後、生成した結晶を濾取し、乾燥させて2
−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシ
キナゾリンを得た。得られた2−(ピペラジニル)−4
−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリンの収量(収
率)は22.07g(91.4%)であり、純度は9
4.66%(ビス体の含量は4.8%)であった。
【0079】次に、得られた濾液に、2−クロロ−4−
アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン20g(0.0
84モル)およびピペラジン8.6g(0.10モル)
を添加し、95〜100℃で6.5時間加熱攪拌した。
【0080】得られた反応混合物に水360mLおよび
水酸化ナトリウム3.5g(0.088モル)を添加
し、10℃以下に冷却した後、生成した結晶を濾取し、
乾燥させて2−(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7
−ジメトキシキナゾリンを得た。得られた2−(ピペラ
ジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキナゾリン
の収量(収率)は20.07g(83.1%)であり、
純度は94.2%(ビス体の含量は5.1%)であっ
た。
【0081】実施例14 実施例13で得られた2−(ピペラジニル)−4−アミ
ノ−6,7−ジメトキシキナゾリン(純度94.2%)
20.07g(0.069モル)、活性炭1.7gおよ
びラヂオライト1.7gを0.5モル/L塩酸水171
mLに溶解させ、60℃で1時間攪拌した。この溶液の
不溶物を濾過して除去し、濾液に20%水酸化ナトリウ
ム水溶液を添加し、pHを10に調整した後、室温で1
時間攪拌した。生成した結晶を濾取し、乾燥して2−
(ピペラジニル)−4−アミノ−6,7−ジメトキシキ
ナゾリンの結晶を得た。得られた結晶の収量(収率)は
18.05g(90.0%)であり、純度は99.5%
(ビス体の含量は0.04%)であった。
【0082】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、式(II)で表
されるキナゾリン化合物を安全に容易に工業的に製造す
ることができる。
【0083】また、本発明の精製方法によれば、キナゾ
リン化合物の純度を容易に高めることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 で表される化合物を水系溶媒中でピペラジンと反応させ
    ることを特徴とする式(II): 【化2】 で表されるキナゾリン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 式(I)で表される化合物を水系溶媒中
    でピペラジンと反応させた後、得られた式(II)で表され
    るキナゾリン化合物を濾取し、その濾液に、式(I)で
    表される化合物1モルに対するピペラジンの量が5〜1
    5モルとなるように式(I)で表される化合物およびピ
    ペラジンを添加し、さらに式(I)で表される化合物を
    ピペラジンと反応させる操作を1回以上繰り返す請求項
    1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 式(II): 【化3】 で表されるキナゾリン化合物を酸性水中に溶解させ、不
    溶物を濾過により除去した後、キナゾリン化合物を塩基
    性下で析出させる式(II)で表されるキナゾリン化合物の
    精製方法。
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