JPH09328458A - Dl−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents
Dl−アスパラギン酸の製造方法Info
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Abstract
おいて安定的に連続操作を継続的に行うことができ、更
に高純度のDL−アスパラギン酸が得られ、しかも母液
のリサイクルを可能にし、よって製造コストを低減でき
るDL−アスパラギン酸製造プロセスを得る。 【解決手段】 マレイン酸、無水マレイン酸及びフマル
酸からなる群より選ばれる少なくとも1つの有機酸とア
ンモニアを加熱反応させDL−アスパラギン酸を製造
し、これを原料となる有機酸で晶析し、晶析母液を反応
系に循環する方法において、反応後から晶析に至る途中
のDL−アスパラギン酸溶液の一部をブリードする。
Description
ン酸の製造方法に関するものであり、詳しくは、無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる群より選ば
れる少なくとも1種の有機酸を原料とするDL−アスパ
ラギン酸の製造を工業的に有利に実施可能とするプロセ
スに関するものである。DL−アスパラギン酸は、医薬
中間体、生分解性ポリマーの原料等として有用である。
よび/またはフマル酸とアンモニアを水溶液中において
加熱することにより合成されることがよく知られてい
る。反応混合物は、水性媒体中に溶解したDL−アスパ
ラギン酸を含んでおり、反応混合物中に酸を添加するこ
とによりDL−アスパラギン酸を晶析させ反応液中から
回収することができる。DL−アスパラギン酸を回収し
た後の母液は、上記加熱反応の際の副反応により生成す
るイミノジコハク酸を含んでいるが、イミノジコハク酸
は、アンモニアと加熱することによりDL−アスパラギ
ン酸に変換することができる。このため、母液を廃棄す
るのでなく、原料としてリサイクルすることが検討され
ている。
析を行うと大量のアンニモウム塩が生成するため、脱塩
工程が必要になり、母液をリサイクルすることは実質的
に困難であった。そこで、母液中に原料となる無水マレ
イン酸、マレイン酸又はフマル酸を添加し、リサイクル
を可能にするDL−アスパラギン酸の製造法が提案され
ている(特開平7−247251号公報)。この方法に
よれば、使用するアンモニアの量を原料である無水マレ
イン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる有機酸に対
し、2当量添加することにより晶析工程で晶析率を低下
させる原因となるアスパラギン等のアミド化合物の蓄積
を防ぎ、母液がリサイクル可能とされている。
記有機酸を、生成したDL−アスパラギン酸に対して1
モル当量添加しているが、得られるDL−アスパラギン
酸の晶析率が約90%であるため、原料とのバランスを
取るためにDL−アスパラギン酸回収後の母液の一部を
ブリードしている。この晶析母液をブリードすると原料
である無水マレイン酸、マレイン酸又はフマル酸をロス
することになり、この方法は、工業的に有利なDL−ア
スパラギン酸の製造方法とは言いがたく、更に改良した
方法が求められていた。
の回収が不要で、且つ工業生産において原料有機酸のロ
スがなく、安定的に連続操作を継続的に行うことがで
き、更に高純度のDL−アスパラギン酸が得られ、しか
も母液のリサイクルを可能にし、よって製造コストを低
減できるDL−アスパラギン酸の製造方法を提供するも
のである。
に鑑み鋭意検討した結果、反応終了後に得られる溶液で
あるDL−アスパラギン酸を最も多くを含む溶液の一部
をブリードすることにより、長期間に亘り安定したDL
−アスパラギン酸の製造が可能になること、更に、好ま
しくは、該ブリード液に鉱酸を添加することによりDL
−アスパラギン酸の回収率を極大とすることができるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
群より選ばれる少なくとも1種の有機酸とアンモニアを
含む水溶液を加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程で得た溶液に、無水マレイン酸、マレイン酸
及びフマル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の
有機酸を添加してDL−アスパラギン酸を晶析する工
程、 工程で得た結晶含有スラリーから前記結晶を固液
分離して回収し、母液を上記工程に供給する工程、を
含むDL−アスパラギン酸の製造方法において、前記工
程のとのあいだで水溶液の一部をブリードすること
を特徴とするDL−アスパラギン酸の製造方法に存す
る。
詳細に説明する。 (工程)本発明の工程の反応に用いられる有機酸
は、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸から選ば
れる少なくとも1種である。その使用態様は、無水マレ
イン酸単独使用、マレイン酸単独使用、フマル酸単独使
用、無水マレイン酸とマレイン酸の2者併用、マレイン
酸とフマル酸の2者併用、無水マレイン酸とフマル酸の
2者併用、無水マレイン酸とマレイン酸とフマル酸の3
者併用があり得る。無水マレイン酸、マレイン酸及びフ
マル酸は、アンモニアとの反応性、副反応のおこし易
さ、アンモニウム塩の水への溶解性等の面では同等ある
いはほぼ同等であるので、上記使用態様のいずれかを選
択しても、DL−アスパラギン酸の収率、アミド化合物
の生成抑制効果、廃液又は廃棄物の種類と量には大きな
差は生じない。
ンモニア、アンモニア水溶液等が使用可能である。アン
モニア水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、
20〜35重量%が好ましい。本発明では、上記有機酸
のアンモニウム塩を使用しても良いが、上記有機酸の他
の塩を使用することはDL−アスパラギン酸の収率と純
度を低下させるおそれがあるので避けることが望まし
い。
程でDL−アスパラギン酸を回収した後の母液のpH
を6.5〜8.5にする量である。具体的には、水溶液
中に含まれる有機酸の持つカルボキシル基に対して、
0.8〜1.2モル当量、好ましくは0.9〜1.1モ
ル当量である。添加するアンモニア量が少ないとリンゴ
酸等の副生物が生成し、DL−アスパラギン酸の収率が
低下するので好ましくない。また、添加するアンモニア
量が多いと、アミド化合物としてイミノジコハク酸また
はアスパラギンだけでなくアスパルチルアスパラギン酸
が生成し、好ましくない。
混合はどのように行っても良いが、両者の全量を一度に
混合するのではなく、一方の全量に対して他方を徐々に
添加するのが好ましく、特に有機酸の水溶液に対してア
ンモニア又はアンモニア水を徐々に添加するのが好まし
い。上記有機酸とアンモニアの反応は、それらを所定量
混合した状態で行うのが好ましい。
が、原料濃度が10〜80重量%の水溶液で反応させる
のが好ましく、更に好ましくは15〜50重量%の範囲
である。上記範囲を下回ると生産性が低いばかりでな
く、副反応で生成するイミノジコハク酸、及びリンゴ酸
の量が増大し、DL−アスパラギン酸の収率が低くな
る。又前記範囲を上回ると、晶析の際に析出するDL−
アスパラギン酸により反応系が固化し、攪拌が不可能に
なるため多量の水を添加することが必要になり、リサイ
クル時の母液量が増加し、操作が煩雑になる。
が、加熱した水溶液の温度は、100〜170℃、好ま
しくは130〜170℃、更に好ましくは140〜16
0℃である。反応温度が前記温度より低いと、反応に要
する時間が長くなり、生産性が悪く実用的でないばかり
か、イミノジコハク酸の生成量が増大し、DL−アスパ
ラギン酸の収率が低下する。反対に反応温度が前記温度
より高いと、DL−アスパラギン及びアスパルチルアス
パラギン酸が生成し、好ましくない。反応時間は、反応
温度により適宜変わるが、30分〜24時間、好ましく
は1〜12時間である。反応圧力は、水の蒸気圧にほぼ
依存し1〜10kg/cm2であり、好ましくは1〜8
kg/cm2 、更に好ましくは1〜6kg/cm2 であ
る。
ある溶液に無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸か
らなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸を添加し
て、DL−アスパラギン酸を晶析させる。添加する方法
としては、粉末でも、水溶液でも、スラリーでも、また
無水マレイン酸の場合には溶融させたものであってもよ
い。但し、無水マレイン酸を添加する際には、添加する
前にできるだけ水に溶解させて添加することが好まし
い。
塩となり晶析母液中に溶解されることとなるが、本発明
では後述するようにこれを工程の有機酸原料として利
用するものである。晶析のために反応混合物に添加され
る上記有機酸の量は、反応混合物に含まれているDL−
アスパラギン酸アンモニウムの量に応じて決定すること
ができる。本発明の方法においては、好ましくは工程
の反応混合物は未反応アンモニアを全く含まないか、ご
く小量しか含まない。この様な場合、添加される上記有
機酸のモル比は、生成したDL−アスパラギン酸に対し
て0.5〜1.2が好ましく、0.6〜1.1が更に好
ましい。このモル比より少ないと、晶析時に回収される
DL−アスパラギン酸の収率が低くなり、過剰だと副生
物であるアミド化合物が析出する可能性がある。
は、20〜80℃である。あまり低温の場合、得られる
結晶が細かくなりすぎ、固液分離操作が面倒となる上、
上記有機酸のアンモニウム塩あるいはイミノジコハク酸
等のアミド化合物が析出するため得られるDL−アスパ
ラギン酸の純度が低くなる。すなわち、固液分離で得ら
れる湿ケーキの母液保持量(含水液量)が多く、さらに
充分なリンス効果が得られないため、結晶純度が低下す
るか、リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収
率が低下するので好ましくない。一方、あまり高温で
は、DL−アスパラギン酸の回収率が低いばかりか、上
記有機酸の熱劣化が生ずる恐れがあり、好ましくない。
5時間程度である。晶析は通常、撹拌槽タイプの晶析槽
を用いて実施される。上記有機酸の添加位置は、晶析槽
又はこれに通じる移送配管中のいずれでもよい。また、
晶析は、前記の反応液と、上記有機酸を連続的に供給す
る一方で、生成スラリーを連続的に抜き出す連続式が望
ましいが、一部、間歇的操作又はバッチ式で行なうこと
もできる。
れたスラリーを固液分離し、得られたDL−アスパラギ
ン酸結晶を必要に応じて水でリンスすることにより、上
記副生物をDL−アスパラギン酸の結晶からほぼ完全に
除去することができ、純度95%以上のDL−アスパラ
ギン酸の結晶を得ることができる。この結晶は常法によ
り乾燥してDL−アスパラギン酸の製品とすることがで
きる。
のアンモニウム塩、反応時に生成したイミノジコハク酸
アンモニウム塩、DL−リンゴ酸アンモニウム塩、アス
パラギンアンモニウム塩及びアスパルチルアスパラギン
酸が含まれ、さらに溶解度分のDL−アスパラギン酸ア
ンモニウムも含まれている。この母液を上記工程にリ
サイクルする。
ではないが、0〜80℃の温度範囲、好ましくは、10
〜50℃で行なうことができる。低温下ではスラリーの
粘性が高く取扱いが困難になり、高温下ではDL−アス
パラギン酸の溶解度が高くなり、回収率が低下してしま
う。必要に応じて行なうリンス操作に用いる水の量は、
特に限定するものではないが、湿ケーキに対して通常1
0重量倍以下、好ましくは5重量倍以下で行なう。リン
ス量が少なすぎるとリンス効果が充分でなく、多すぎる
とDL−アスパラギン酸の回収率が低下する。リンス水
の温度については特に限定されない。分離操作は、限定
するものではないが、ヌッチェ、遠心分離等の常法によ
り行なうことができる。
は、前記有機酸のアンモニウム塩、主としてフマル酸ア
ンモニウムが含まれ、pHが3〜6程度の酸性水溶液で
ある。必要に応じて濃縮工程により水を除去してリサイ
クルされる。リサイクルされる母液にアンモニア又はア
ンモニア水を加えて、pH6.5〜8.5の間になる様
にして使用されることは、前記工程で記載した通りで
ある。リサイクルする際にアンモニアを供給する方法
は、特に限定するものではないが、工程の固液分離後
ないし工程の反応系のいずれかに適当に分割して供給
しても、また一括して供給してもよい。
酸の製造方法は、リサイクルの工程を含むため不純物や
反応副生成物の蓄積を考慮して、アスパラギン酸アンモ
ニウムを最も多く含む水溶液を工程と工程の間でブ
リードするものである。ブリード量は、通常、重量基準
でブリードする直前の水溶液の全量に対して0.1〜4
0%、好ましくは1〜30%、更に好ましくは5〜20
%である。ブリード率が低いと安定した連続運転が困難
となり、その効果が小さいため意味がなく、高いとブリ
ード液を処理する工程が主工程と同じ程度の機器容積を
もつことになり、経済性が劣るものとなる。ブリードす
る方法は、このブリード率を満足する範囲において連続
的であっても、また、間歇的であっても良い。
の回収)DL−アスパラギン酸の回収率を向上させるた
めに、ブリード液からDL−アスパラギン酸を回収する
ことができる。回収方法としては、ブリード液に鉱酸を
添加して行うのが好ましい。回収するために使用される
鉱酸としては、硫酸、塩酸およびリン酸より選ばれる少
なくとも1種である。特に、硫酸が好ましい。添加量と
しては、DL−アスパラギン酸が回収できる量であれば
特に限定されないが、ブリード液に含まれるDL−アス
パラギン酸に対して0.7〜1.3モル当量が好まし
く、更に好ましくは0.9〜1.1モル当量である。こ
のモル比より少ないと、晶析時に回収されるDL−アス
パラギン酸の収率が低くなり、過剰だと副生物であるア
ミド化合物が析出する可能性があり好ましくない。
〜90℃、好ましくは、20〜80℃である。あまり低
温の場合、得られる結晶が細かくなりすぎ、固液分離操
作が面倒となる上、イミノジコハク酸等のアミド化合物
等の不純物が析出するため得られるDL−アスパラギン
酸の純度が低くなる。すなわち、固液分離で得られる湿
ケーキの母液保持量(含水液量)が多くなり、また充分
なリンス効果が得られにくいため、結晶純度が低下する
か、リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収率
が低下し好ましくない。一方、あまり高温では、DL−
アスパラギン酸の回収率が低くなるため、好ましくな
い。
ギン酸を回収する工程の処理時間は、通常0.5〜5時
間程度である。上記ブリード液からのDL−アスパラギ
ン酸の回収は、通常、撹拌槽タイプの晶析槽を用いて実
施するのが好ましい。上記鉱酸の添加位置は晶析槽又は
これに通じるブリード液の移送配管中のいずれでもよ
い。また、回収方法は、前記の反応液と上記鉱酸を連続
的に供給する一方で、生成スラリーを連続的に抜き出す
連続式が望ましいが、一部、間歇的操作又はバッチ式で
行なうこともできる。鉱酸を添加して得られたスラリー
を固液分離し、必要に応じて得られた結晶を水でリンス
することにより上記副生物をDL−アスパラギン酸の結
晶からほぼ完全に除去することができ、純度95%以上
のDL−アスパラギン酸の結晶を得ることができる。得
られた結晶は常法により乾燥することにより、DL−ア
スパラギン酸の製品となる。
ものではないが、0〜80℃の温度範囲、好ましくは、
10〜50℃で行なうことができる。低温に過ぎるとス
ラリーの粘性が高く取扱いが困難になり、高温に過ぎる
とDL−アスパラギン酸の溶解度が高くなり、回収率が
低下するので好ましくない。必要に応じて行なうリンス
操作に用いる水の量は、特に限定するものではないが、
湿ケーキに対して10重量倍以下、好ましくは5重量倍
以下である。リンス量が少なすぎるとリンス効果が充分
でなく、多すぎるとDL−アスパラギン酸の回収率が低
下する。リンス水の温度についても特に限定されるもの
ではない。分離操作は、限定されるものではないが、例
えばヌッチェ、遠心分離等の常法により行なうことがで
きる。
溶液を工程で連続して反応させたところ、驚くべきこ
とに、母液中に含まれるイミノジコハク酸とDL−リン
ゴ酸に関し、イミノジコハク酸はDL−アスパラギン酸
−フマル酸或いはマレイン酸、またDL−リンゴ酸は水
−フマル酸或いはマレイン酸の間に平衡が存在し、イミ
ノジコハク酸とDL−リンゴ酸がほとんど増大しなくな
ることが見い出された。これにより本発明は、工程か
らの母液をリサイクルしても連続運転が可能となり、ま
た経済的に有利なプロセスとなった。
が、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の記述に
限定されるものではない。尚、DL−アスパラギン酸
(以下、ASPと略記する)、DL−アスパラギン(以
下、ASNと略記する)、マレイン酸(以下MAと略記
する)、フマル酸(以下、FAと略記する)、リンゴ酸
(以下、MLと略記する)、イミノジコハク酸(以下、
IDSと略記する)の分析は高速液体クロマトグラフィ
ーにより、アンモニア(以下、NH3 と略記する)の分
析はイオンクロマトグラフィーにより定量した。
ーブにMA160gと水52.4gを加え、3℃に冷却
した。これに25%NH3 水187.6g(MAに対し
て2モル当量)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、
攪拌しながら140℃、2kg/cm2 で6時間反応し
た。反応後、液体クロマトグラフィーで分析したとこ
ろ、ASPアンモニウム、IDSアンモニウム、MLア
ンモニウム、ASNアンモニウムが、それぞれ仕込みの
MA基準で68.5モル%、15モル%、15モル%、
1.5モル%それぞれ生成していた。この反応液の内か
ら、10重量%を抜きとり、残りの90重量%を80℃
に維持しながら、68%MA水溶液145g(生成した
ASPと等モル)を1時間かけて滴下した。滴下終了
後、30℃にゆっくりと冷却した。
4.8g(析出したASPに対して3倍量)でリンス
し、母液688.1gを回収した。得られたASP製品
は、常法により乾燥したところ、92.5g(初期仕込
みMAに対して50%)、純度98%であり、MAを
0.8重量%含んでいた。尚、この時の母液のpHは
4.3であった。
ポレーター濃縮して水338.6gを除去した後、25
%NH3 水51.0g、MA0.74g(ASPに取り
込まれたMAと同量)を添加してpHを7.2とした。
この水溶液を攪拌しながら140℃、2kg/cm2 で
6時間反応した。反応後、液体クロマトグラフィーで分
析したところ、ASPアンモニウム、IDSアンモニウ
ム、MLアンモニウム、ASNアンモニウムが、それぞ
れ晶析時に添加したMA基準で93.8モル%、2.6
モル%、2.6モル%、1モル%それぞれ生成してい
た。この反応液の内から10重量%を抜きとりブリード
液とし残りの90重量%を80℃に維持しながら、68
%MA水溶液144.5g(生成したASPと等モル)
を1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃にゆっく
りと冷却した。析出したASPの結晶はろ別し、水30
4g(析出したASPに対して3倍量)でリンスし、母
液685.3gを回収した。得られたASP製品は、常
法により乾燥したところ、93.8g(晶析時に添加さ
れたMAに対して81.3%)、純度98.0%であ
り、MAを0.8重量%含んでいた。尚、この時、母液
のpHは4.3であった。上記リサイクル操作を合計9
回繰り返し行った。結果を第1表に示す。
イクル実験の際に抜きとったブリード液39.9g(こ
の水溶液中に含まれるASP12.5g)を80℃に維
持しながら98%硫酸9.4g(水溶液中に含まれるA
SPに対して等モル)を添加してpH2.8とした。滴
下終了後、30℃にゆっくりと冷却した。析出したAS
Pの結晶はろ別し、水20g(析出したASPに対して
2倍量)でリンスした。得られたASP製品は、常法に
より乾燥したところ、11.5g(先のMAで晶析した
ASPと合わせると92%)、純度98.0%であっ
た。上記操作を合計9回繰り返し行った。結果を第2表
に示す。
イン酸及び/又はフマル酸を原料としてDL−アスパラ
ギン酸を製造する際、原料成分を有効に利用し、且つ特
定位置でブリードするプロセスを採用することにより、
工業的に安定した連続プロセスを組むことができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 無水マレイン酸、マレイン酸及びフ
マル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機酸
とアンモニアを含む水溶液を加熱し、DL−アスパラギ
ン酸を得る工程、 工程で得た溶液に、無水マレイン酸、マレイン酸
及びフマル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の
有機酸を添加してDL−アスパラギン酸を晶析する工
程、 工程で得た結晶含有スラリーから前記結晶を固液
分離して回収し、母液を上記工程に供給する工程、を
含むDL−アスパラギン酸の製造方法において、前記工
程のとのあいだで水溶液の一部をブリードすること
を特徴とするDL−アスパラギン酸の製造方法。 - 【請求項2】 工程の水溶液に添加されるアンモニア
の量が、工程で得られる母液のpHを6.5〜8.5
とする量である請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 工程の加熱した水溶液の温度が、10
0〜170℃である請求項1又は2記載の方法。 - 【請求項4】 工程において添加される有機酸の量
が、工程で生成したDL−アスパラギン酸アンモニウ
ムに対して0.6〜1.2モル当量である請求項1〜3
のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項5】 ブリードされる量が、ブリードする直前
の水溶液の全量に対して0.1〜40重量%である請求
項1〜4のいずれか1項記載の方法。 - 【請求項6】 ブリードされた水溶液に鉱酸を添加して
DL−アスパラギン酸を回収することを特徴とする請求
項1〜5のいずれか1項記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14418896A JP3728804B2 (ja) | 1996-06-06 | 1996-06-06 | Dl−アスパラギン酸の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09328458A true JPH09328458A (ja) | 1997-12-22 |
JP3728804B2 JP3728804B2 (ja) | 2005-12-21 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110818152A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-02-21 | 宜兴市前成生物有限公司 | 一种富马酸生产废水综合利用方法 |
-
1996
- 1996-06-06 JP JP14418896A patent/JP3728804B2/ja not_active Expired - Fee Related
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CN110818152A (zh) * | 2019-11-13 | 2020-02-21 | 宜兴市前成生物有限公司 | 一种富马酸生产废水综合利用方法 |
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