JPH10330335A - Dl−アスパラギン酸の製造方法 - Google Patents
Dl−アスパラギン酸の製造方法Info
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- JPH10330335A JPH10330335A JP9136640A JP13664097A JPH10330335A JP H10330335 A JPH10330335 A JP H10330335A JP 9136640 A JP9136640 A JP 9136640A JP 13664097 A JP13664097 A JP 13664097A JP H10330335 A JPH10330335 A JP H10330335A
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- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
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- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ブタン、酸素及びアンモニアを原料として、
工業的に有利に且つ好収率でDL−アスパラギン酸を製
造する方法の提供。 【解決手段】 ブタン、酸素及びアンモニアを原料とし
て下記工程によりDL−アスパラギン酸を得ることを特
徴とするDL−アスパラギン酸の製造方法。 工程:ブタンを気相接触酸化して無水マレイン酸を得
る工程、 工程:工程で得られた無水マレイン酸を水で吸収
し、マレイン酸水溶液を得る工程、 工程:工程で得られたマレイン酸水溶液をアンモニ
アの共存下に加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程:工程で得られた溶液に、工程で得られたマ
レイン酸水溶液を添加してDL−アスパラギン酸を晶析
する工程、 工程:工程で得られたDL−アスパラギン酸結晶を
固液分離して回収し、母液を上記工程のマレイン酸源
及びアンモニア源としてリサイクルする工程。
工業的に有利に且つ好収率でDL−アスパラギン酸を製
造する方法の提供。 【解決手段】 ブタン、酸素及びアンモニアを原料とし
て下記工程によりDL−アスパラギン酸を得ることを特
徴とするDL−アスパラギン酸の製造方法。 工程:ブタンを気相接触酸化して無水マレイン酸を得
る工程、 工程:工程で得られた無水マレイン酸を水で吸収
し、マレイン酸水溶液を得る工程、 工程:工程で得られたマレイン酸水溶液をアンモニ
アの共存下に加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程:工程で得られた溶液に、工程で得られたマ
レイン酸水溶液を添加してDL−アスパラギン酸を晶析
する工程、 工程:工程で得られたDL−アスパラギン酸結晶を
固液分離して回収し、母液を上記工程のマレイン酸源
及びアンモニア源としてリサイクルする工程。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、DL−アスパラギ
ン酸の製造方法に関する。詳しくは、ブタン、酸素及び
アンモニアを原料とし、DL−アスパラギン酸を工業的
に有利に製造する方法に関する。DL−アスパラギン酸
は、医薬中間体、生分解性ポリマーの原料等に有用であ
る。
ン酸の製造方法に関する。詳しくは、ブタン、酸素及び
アンモニアを原料とし、DL−アスパラギン酸を工業的
に有利に製造する方法に関する。DL−アスパラギン酸
は、医薬中間体、生分解性ポリマーの原料等に有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】フマール酸とアンモニアとを無触媒又は
塩化アンモニウム触媒の存在下に水溶液中で反応させて
DL−アスパラギン酸を製造する方法はよく知られてい
る(特公昭43−21050号公報等)。この反応混合
液は、水性媒体中に溶解したDL−アスパラギン酸を含
んでおり、反応混合液に酸を添加することによりDL−
アスパラギン酸を晶析させ、反応混合液から回収するこ
とができる。DL−アスパラギン酸を回収した後の母液
は、反応の際の副反応により生成するイミノジコハク酸
を含んでいるが、イミノジコハク酸はアンモニアと加熱
することによりDL−アスパラギン酸に変換することが
出来る。このため、母液を廃棄するのではなく、原料と
してリサイクルすることが検討されている。
塩化アンモニウム触媒の存在下に水溶液中で反応させて
DL−アスパラギン酸を製造する方法はよく知られてい
る(特公昭43−21050号公報等)。この反応混合
液は、水性媒体中に溶解したDL−アスパラギン酸を含
んでおり、反応混合液に酸を添加することによりDL−
アスパラギン酸を晶析させ、反応混合液から回収するこ
とができる。DL−アスパラギン酸を回収した後の母液
は、反応の際の副反応により生成するイミノジコハク酸
を含んでいるが、イミノジコハク酸はアンモニアと加熱
することによりDL−アスパラギン酸に変換することが
出来る。このため、母液を廃棄するのではなく、原料と
してリサイクルすることが検討されている。
【0003】ところが、反応混合液に鉱酸を添加して晶
析を行うと大量のアンモニウム塩が生成するため、脱塩
工程が必要になり、母液をリサイクルすることは実質的
に困難であった。このため、母液中に原料となる無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸を添加しリサイクル
を可能にするDL−アスパラギン酸の製造方法が提案さ
れている(特開平7−247251号公報)。この方法
によれば、使用するアンモニアの量を原料である無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる有機酸のカ
ルボキシル基に対し、一当量添加することにより晶析工
程で晶析率を低下させる原因となるアスパラギン等のア
ミド化合物の副生を防ぎ、母液がリサイクル可能とされ
ている。
析を行うと大量のアンモニウム塩が生成するため、脱塩
工程が必要になり、母液をリサイクルすることは実質的
に困難であった。このため、母液中に原料となる無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸を添加しリサイクル
を可能にするDL−アスパラギン酸の製造方法が提案さ
れている(特開平7−247251号公報)。この方法
によれば、使用するアンモニアの量を原料である無水マ
レイン酸、マレイン酸及びフマル酸からなる有機酸のカ
ルボキシル基に対し、一当量添加することにより晶析工
程で晶析率を低下させる原因となるアスパラギン等のア
ミド化合物の副生を防ぎ、母液がリサイクル可能とされ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記方
法は、いずれも原料として高価な単離精製した無水マレ
イン酸、マレイン酸及びフマル酸を使用しており、経済
性の観点から満足の出来るものではなかった。本発明の
目的は、ブタン、酸素及びアンモニアを原料とし、工業
的に有利なDL−アスパラギン酸の製造方法を提供する
ことにある。
法は、いずれも原料として高価な単離精製した無水マレ
イン酸、マレイン酸及びフマル酸を使用しており、経済
性の観点から満足の出来るものではなかった。本発明の
目的は、ブタン、酸素及びアンモニアを原料とし、工業
的に有利なDL−アスパラギン酸の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記実状に
鑑み鋭意検討した結果、ブタン及び酸素から得られる無
水マレイン酸を水で吸収して得られるマレイン酸水溶液
をアンモニア共存下に反応させることによりDL−アス
パラギン酸を高収率で得ることが出来ること、また、好
ましくは反応終了後に得られる溶液の一部を系外に除去
することにより、未反応原料、反応中間体をリサイクル
しつつ長期間に亘り安定したDL−アスパラギン酸の製
造が可能になること、更に好ましくはこの系外に除去し
た溶液に鉱酸を添加することによりDL−アスパラギン
酸の回収率を極大にすることができ、また、廃水負荷を
削減できることも可能であることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
鑑み鋭意検討した結果、ブタン及び酸素から得られる無
水マレイン酸を水で吸収して得られるマレイン酸水溶液
をアンモニア共存下に反応させることによりDL−アス
パラギン酸を高収率で得ることが出来ること、また、好
ましくは反応終了後に得られる溶液の一部を系外に除去
することにより、未反応原料、反応中間体をリサイクル
しつつ長期間に亘り安定したDL−アスパラギン酸の製
造が可能になること、更に好ましくはこの系外に除去し
た溶液に鉱酸を添加することによりDL−アスパラギン
酸の回収率を極大にすることができ、また、廃水負荷を
削減できることも可能であることを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0006】即ち、本発明の要旨は、ブタン、酸素及び
アンモニアを原料として下記工程によりDL−アスパラ
ギン酸を得ることを特徴とするDL−アスパラギン酸の
製造方法、 工程:ブタンを気相接触酸化して無水マレイン酸を得
る工程、 工程:工程で得られた無水マレイン酸を水で吸収
し、マレイン酸水溶液を得る工程、 工程:工程で得られたマレイン酸水溶液をアンモニ
アの共存下に加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程:工程で得られた溶液に、工程で得られたマ
レイン酸水溶液を添加してDL−アスパラギン酸を晶析
する工程、 工程:工程で得られたDL−アスパラギン酸結晶を
固液分離して回収し、母液を上記工程のマレイン酸源
及びアンモニア源としてリサイクルする工程、にある。
アンモニアを原料として下記工程によりDL−アスパラ
ギン酸を得ることを特徴とするDL−アスパラギン酸の
製造方法、 工程:ブタンを気相接触酸化して無水マレイン酸を得
る工程、 工程:工程で得られた無水マレイン酸を水で吸収
し、マレイン酸水溶液を得る工程、 工程:工程で得られたマレイン酸水溶液をアンモニ
アの共存下に加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程:工程で得られた溶液に、工程で得られたマ
レイン酸水溶液を添加してDL−アスパラギン酸を晶析
する工程、 工程:工程で得られたDL−アスパラギン酸結晶を
固液分離して回収し、母液を上記工程のマレイン酸源
及びアンモニア源としてリサイクルする工程、にある。
【0007】
(工程)この工程における無水マレイン酸を製造する
ための気相接触酸化反応は、この分野で一般的に行われ
ている公知の反応条件を採用して実施することができる
(例えば、特公昭46−43215号公報等参照)。こ
の場合、原料であるブタンは、n−ブタンのみからなっ
ていても良いが、イソブタン、ブチン類、プロパン類、
ペンタン類等を少量含んでいても良い。
ための気相接触酸化反応は、この分野で一般的に行われ
ている公知の反応条件を採用して実施することができる
(例えば、特公昭46−43215号公報等参照)。こ
の場合、原料であるブタンは、n−ブタンのみからなっ
ていても良いが、イソブタン、ブチン類、プロパン類、
ペンタン類等を少量含んでいても良い。
【0008】ブタンの気相接触酸化は、例えば原料ガス
として1〜10容量%、好ましくは1〜6容量%のブタ
ン、10〜20容量%の分子状酸素及び76〜89容量
%の希釈ガスからなる組成の混合ガスを、後記の触媒に
300〜500℃の温度において、任意の圧力下、一般
的には常圧〜5kg/cm2 、常圧換算での空間速度3
00〜5000/hrで導入することにより実施され
る。なお、ブタン濃度が1容量%未満では無水マレイン
酸の収量が低くなり、又、10容量%を越えると転化率
が低くなるので、未反応のブタンをリサイクルする必要
がある。また、希釈ガスとしては、通常、窒素が用いら
れる。
として1〜10容量%、好ましくは1〜6容量%のブタ
ン、10〜20容量%の分子状酸素及び76〜89容量
%の希釈ガスからなる組成の混合ガスを、後記の触媒に
300〜500℃の温度において、任意の圧力下、一般
的には常圧〜5kg/cm2 、常圧換算での空間速度3
00〜5000/hrで導入することにより実施され
る。なお、ブタン濃度が1容量%未満では無水マレイン
酸の収量が低くなり、又、10容量%を越えると転化率
が低くなるので、未反応のブタンをリサイクルする必要
がある。また、希釈ガスとしては、通常、窒素が用いら
れる。
【0009】工程で使用される触媒は、例えば、特開
平2−192410号公報等に記載の触媒が使用でき、
具体的には、例えば特開平8−141403号公報に記
載のリン−バナジム系触媒が好適に使用できる。このリ
ン−バナジウム系触媒は、リンとバナジウムを主成分と
し且つこれらの両者の元素比(P/V)が0.8〜1.
5、好ましくは1〜1.4であるリン−バナジウム系結
晶性複合酸化物を活性成分として含む。なお、リン、バ
ナジウム以外に促進剤として、鉄、コバルト、亜鉛等を
添加してもよい。
平2−192410号公報等に記載の触媒が使用でき、
具体的には、例えば特開平8−141403号公報に記
載のリン−バナジム系触媒が好適に使用できる。このリ
ン−バナジウム系触媒は、リンとバナジウムを主成分と
し且つこれらの両者の元素比(P/V)が0.8〜1.
5、好ましくは1〜1.4であるリン−バナジウム系結
晶性複合酸化物を活性成分として含む。なお、リン、バ
ナジウム以外に促進剤として、鉄、コバルト、亜鉛等を
添加してもよい。
【0010】また、上記のリン−バナジウム系触媒は、
結合成分としてリンとバナジウムとの元素比(P/V)
が0.8〜1.5、好ましくは1〜1.4の無定形リン
−バナジウム複合酸化物を含有していても良い。かかる
無定形リン−バナジウム複合酸化物は、公知の方法に従
って、五酸化バナジウム、シュウ酸及びリン酸から形成
される。また、リン−バナジウム系触媒は、担体として
シリカゲル等の無機微粒子を含有してもよい。上記の各
成分の割合は、活性成分を(A)と結合成分(B)との
重量比(A/B)が通常1/2〜1/0.03、好まし
くは1/1〜1/0.05の範囲、活性成分(A)と担
体(C)の重量比(A/C)が通常1/2〜1/0.0
1、好ましくは1/1〜1/0.03の範囲になるよう
に適宜選択される。
結合成分としてリンとバナジウムとの元素比(P/V)
が0.8〜1.5、好ましくは1〜1.4の無定形リン
−バナジウム複合酸化物を含有していても良い。かかる
無定形リン−バナジウム複合酸化物は、公知の方法に従
って、五酸化バナジウム、シュウ酸及びリン酸から形成
される。また、リン−バナジウム系触媒は、担体として
シリカゲル等の無機微粒子を含有してもよい。上記の各
成分の割合は、活性成分を(A)と結合成分(B)との
重量比(A/B)が通常1/2〜1/0.03、好まし
くは1/1〜1/0.05の範囲、活性成分(A)と担
体(C)の重量比(A/C)が通常1/2〜1/0.0
1、好ましくは1/1〜1/0.03の範囲になるよう
に適宜選択される。
【0011】上記の結晶性複合酸化物は、公知の製造方
法、例えば、五酸化バナジウムをリン酸の存在下でヒド
ラジン等の還元剤で還元した後水熱処理し、生成した前
駆体を焼成処理する方法、五酸化バナジウムを実質的に
無水の有機溶媒中で還元処理した後リン酸の存在下に加
熱処理し、生成した前駆体を焼成処理する方法(特公昭
57−8761号、特公平1−50455号各公報)等
に従って製造することができる。反応方式としては、固
定床方式、流動床方式又は循環流動床方式のどの方法で
も良いが、反応熱の除去のし易さから流動床方式及び循
環流動床方式の方が好ましい。上記の反応により無水マ
レイン酸を含有する反応混合ガスが得られる。
法、例えば、五酸化バナジウムをリン酸の存在下でヒド
ラジン等の還元剤で還元した後水熱処理し、生成した前
駆体を焼成処理する方法、五酸化バナジウムを実質的に
無水の有機溶媒中で還元処理した後リン酸の存在下に加
熱処理し、生成した前駆体を焼成処理する方法(特公昭
57−8761号、特公平1−50455号各公報)等
に従って製造することができる。反応方式としては、固
定床方式、流動床方式又は循環流動床方式のどの方法で
も良いが、反応熱の除去のし易さから流動床方式及び循
環流動床方式の方が好ましい。上記の反応により無水マ
レイン酸を含有する反応混合ガスが得られる。
【0012】(工程)上記工程で得られた反応混合
ガスをそのまま水で吸収させてマレイン酸水溶液として
回収しても良いが、該反応混合ガスを無水マレイン酸の
露点まで冷却し、液状無水マレイン酸を部分捕集してか
ら残りのガスを水で吸収してマレイン酸水溶液として回
収することも可能である。無水マレイン酸の水への吸収
は、通常40〜95℃、好ましくは50〜95℃の温度
で、圧力は通常、常圧〜4kg/cm2 、好ましくは常
圧〜3kg/cm 2 で行われる。
ガスをそのまま水で吸収させてマレイン酸水溶液として
回収しても良いが、該反応混合ガスを無水マレイン酸の
露点まで冷却し、液状無水マレイン酸を部分捕集してか
ら残りのガスを水で吸収してマレイン酸水溶液として回
収することも可能である。無水マレイン酸の水への吸収
は、通常40〜95℃、好ましくは50〜95℃の温度
で、圧力は通常、常圧〜4kg/cm2 、好ましくは常
圧〜3kg/cm 2 で行われる。
【0013】また、この際のマレイン酸回収濃度として
は、特に限定されるものではないが、溶媒となる水に対
して10重量%以上が好ましく、15重量%以上が更に
好ましい。吸収液を冷却後、吸収塔へ循環リサイクルす
ることによりマレイン酸の濃度を高くすることも可能で
ある。このようにして回収できるマレイン酸水溶液中に
は前記工程で生成したリンゴ酸、アクリル酸、酢酸等
の副生物及び、本工程で生成するフマル酸等が各々
0.01〜1.0重量%程度含まれる。
は、特に限定されるものではないが、溶媒となる水に対
して10重量%以上が好ましく、15重量%以上が更に
好ましい。吸収液を冷却後、吸収塔へ循環リサイクルす
ることによりマレイン酸の濃度を高くすることも可能で
ある。このようにして回収できるマレイン酸水溶液中に
は前記工程で生成したリンゴ酸、アクリル酸、酢酸等
の副生物及び、本工程で生成するフマル酸等が各々
0.01〜1.0重量%程度含まれる。
【0014】(マレイン酸を含む水溶液の精製)工程
で得られるマレイン酸水溶液は、蒸留又は活性炭やイオ
ン交換樹脂で精製処理を行ってもよい。この蒸留によ
り、主にマレイン酸と沸点の異なる化合物が除去され
る。蒸留は、常圧下でも減圧下でもよく、通常30〜1
00℃の範囲で、好ましくは40〜80℃で行うことが
できる。低温下で蒸留を行うには、減圧度を高めなくて
はならず操作上の制約が大きくなる。一方、高温下では
マレイン酸が熱劣化するため好ましくない。蒸留の形式
は、通常の棚段塔又は充填塔が使用できる。これによ
り、工程で生成した例えばアクリル酸の除去が可能に
なる。
で得られるマレイン酸水溶液は、蒸留又は活性炭やイオ
ン交換樹脂で精製処理を行ってもよい。この蒸留によ
り、主にマレイン酸と沸点の異なる化合物が除去され
る。蒸留は、常圧下でも減圧下でもよく、通常30〜1
00℃の範囲で、好ましくは40〜80℃で行うことが
できる。低温下で蒸留を行うには、減圧度を高めなくて
はならず操作上の制約が大きくなる。一方、高温下では
マレイン酸が熱劣化するため好ましくない。蒸留の形式
は、通常の棚段塔又は充填塔が使用できる。これによ
り、工程で生成した例えばアクリル酸の除去が可能に
なる。
【0015】活性炭やイオン交換樹脂による処理では、
主に工程で飛散した金属等の除去及び脱色が行われ
る。ここで使用される活性炭、イオン交換樹脂としては
一般的に知られているダイヤホープS−80(三菱化学
(株)製)・白鷺KL(武田薬品工業(株)製)等の活
性炭、ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)製)・ア
ンバーライトIR−120B(Rohm & Haas
社製)等の陽イオン交換樹脂、ダイヤイオンSA10A
(三菱化学(株)製)・アンバーライトIRA−400
(Rohm & Haas社製)等の陰イオン交換樹
脂、ダイヤイオンHP10(三菱化学(株)製)・アン
バーライトXAD−2(Rohm & Haas社製)
等の合成吸着体等が例示される。
主に工程で飛散した金属等の除去及び脱色が行われ
る。ここで使用される活性炭、イオン交換樹脂としては
一般的に知られているダイヤホープS−80(三菱化学
(株)製)・白鷺KL(武田薬品工業(株)製)等の活
性炭、ダイヤイオンSK1B(三菱化学(株)製)・ア
ンバーライトIR−120B(Rohm & Haas
社製)等の陽イオン交換樹脂、ダイヤイオンSA10A
(三菱化学(株)製)・アンバーライトIRA−400
(Rohm & Haas社製)等の陰イオン交換樹
脂、ダイヤイオンHP10(三菱化学(株)製)・アン
バーライトXAD−2(Rohm & Haas社製)
等の合成吸着体等が例示される。
【0016】この処理の方法としては、槽内に上記活性
炭、樹脂等を工程で得られる水溶液に添加して攪拌す
るバッチ式及び上記活性炭、樹脂等をカラムに充填して
工程で得られる水溶液を通液する方法が例示できる
が、液を連続的に処理可能なカラムに通液する方法の方
が好ましい。この際の条件としては、カラム通液時に一
般的に適用される条件が使用できる。具体的には、空間
速度1〜100/hr、好ましくは1〜15/hr、温
度は10〜80℃、好ましくは20〜50℃で行う。こ
れにより、工程で飛散した触媒、例えばリンの除去が
可能になる。
炭、樹脂等を工程で得られる水溶液に添加して攪拌す
るバッチ式及び上記活性炭、樹脂等をカラムに充填して
工程で得られる水溶液を通液する方法が例示できる
が、液を連続的に処理可能なカラムに通液する方法の方
が好ましい。この際の条件としては、カラム通液時に一
般的に適用される条件が使用できる。具体的には、空間
速度1〜100/hr、好ましくは1〜15/hr、温
度は10〜80℃、好ましくは20〜50℃で行う。こ
れにより、工程で飛散した触媒、例えばリンの除去が
可能になる。
【0017】蒸留工程、カラム通液工程、これら二つの
工程を行う場合には、どちらの工程を先に行ってもよい
が、蒸留工程の後、カラム通液工程を行うことが好まし
い。後記工程に使用されるマレイン酸は、工程で得
られるマレイン酸水溶液をそのまま用いても良いが、上
記精製工程を経たマレイン酸水溶液を供給しても良い。
また、工程で得られるマレイン酸水溶液と精製工程を
経たマレイン酸水溶液を適当な混合比で混ぜて工程に
供給することも可能である。
工程を行う場合には、どちらの工程を先に行ってもよい
が、蒸留工程の後、カラム通液工程を行うことが好まし
い。後記工程に使用されるマレイン酸は、工程で得
られるマレイン酸水溶液をそのまま用いても良いが、上
記精製工程を経たマレイン酸水溶液を供給しても良い。
また、工程で得られるマレイン酸水溶液と精製工程を
経たマレイン酸水溶液を適当な混合比で混ぜて工程に
供給することも可能である。
【0018】(工程)この工程では、工程で得られ
たマレイン酸水溶液を原料として用いるが、反応開始時
には原料として無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル
酸から選ばれる少なくとも一種を予め工程の反応器に
仕込んで使用しても良い。工程で得られたマレイン酸
水溶液、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸は、
アンモニアとの反応性、副反応の起き易さ、アンモニウ
ム塩の水への溶解性等の面では同等或いはほぼ同等であ
るので、原料としていずれを選択しても、DL−アスパ
ラギン酸の収率、アミド化合物の生成抑制効果、廃液又
は廃棄物の種類と量には大きな差は生じない。
たマレイン酸水溶液を原料として用いるが、反応開始時
には原料として無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル
酸から選ばれる少なくとも一種を予め工程の反応器に
仕込んで使用しても良い。工程で得られたマレイン酸
水溶液、無水マレイン酸、マレイン酸及びフマル酸は、
アンモニアとの反応性、副反応の起き易さ、アンモニウ
ム塩の水への溶解性等の面では同等或いはほぼ同等であ
るので、原料としていずれを選択しても、DL−アスパ
ラギン酸の収率、アミド化合物の生成抑制効果、廃液又
は廃棄物の種類と量には大きな差は生じない。
【0019】本発明に使用されるアンモニアは、液体ア
ンモニア、アンモニア水溶液、アンモニアガス等が使用
可能であるが、液体又は水溶液が好ましい。アンモニア
水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、20〜
35重量%が好ましい。本発明では、上記有機酸のアン
モニウム塩を使用しても良いが、上記有機酸の他の塩を
使用することはDL−アスパラギン酸の収率と純度を低
下させる惧れがあるので避けることが望ましい。
ンモニア、アンモニア水溶液、アンモニアガス等が使用
可能であるが、液体又は水溶液が好ましい。アンモニア
水溶液の濃度は特に限定されるものではないが、20〜
35重量%が好ましい。本発明では、上記有機酸のアン
モニウム塩を使用しても良いが、上記有機酸の他の塩を
使用することはDL−アスパラギン酸の収率と純度を低
下させる惧れがあるので避けることが望ましい。
【0020】使用されるアンモニアの量は、後述する
工程でDL−アスパラギン酸を回収した後の母液のpH
を6.5〜8.5にする量である。具体的には、水溶液
中に含まれる有機酸の持つカルボキシル基に対して、
0.8〜1.2モル当量、好ましくは0.9〜1.1モ
ル当量である。添加するアンモニア量が少ないとリンゴ
酸等の副生物が生成し、DL−アスパラギン酸の収率が
低下する。また、添加するアンモニア量が多いと、アミ
ド化合物としてイミノジコハク酸又はアスパラギンだけ
でなくアスパルチルアスパラギン酸等が生成し、DL−
アスパラギン酸の収率が低下する。
工程でDL−アスパラギン酸を回収した後の母液のpH
を6.5〜8.5にする量である。具体的には、水溶液
中に含まれる有機酸の持つカルボキシル基に対して、
0.8〜1.2モル当量、好ましくは0.9〜1.1モ
ル当量である。添加するアンモニア量が少ないとリンゴ
酸等の副生物が生成し、DL−アスパラギン酸の収率が
低下する。また、添加するアンモニア量が多いと、アミ
ド化合物としてイミノジコハク酸又はアスパラギンだけ
でなくアスパルチルアスパラギン酸等が生成し、DL−
アスパラギン酸の収率が低下する。
【0021】上記有機酸とアンモニアを混合する場合、
混合はどのように行っても良いが、両者の全量を一度に
混合するのではなく、一方の全量に対して他方を徐々に
添加するのが好ましく、特に有機酸の水溶液に対してア
ンモニア又はアンモニア水を徐々に添加するのが好まし
い。上記有機酸とアンモニアの反応は、それらを所定量
混合した状態で行うのが好ましい。
混合はどのように行っても良いが、両者の全量を一度に
混合するのではなく、一方の全量に対して他方を徐々に
添加するのが好ましく、特に有機酸の水溶液に対してア
ンモニア又はアンモニア水を徐々に添加するのが好まし
い。上記有機酸とアンモニアの反応は、それらを所定量
混合した状態で行うのが好ましい。
【0022】反応の際の原料濃度は、特に限定されない
が、上記有機酸の濃度が10〜90重量%の水溶液で反
応させるのが好ましく、更に好ましくは15〜50重量
%の範囲である。上記範囲を下回ると生産性が低いばか
りでなく、副反応で生成するイミノジコハク酸、及びリ
ンゴ酸の量が増大し、DL−アスパラギン酸の収率が低
くなる。また、前記範囲を上回ると、晶析の際に析出す
るDL−アスパラギン酸により反応系が固化し、攪拌が
不可能になるため多量の水を添加することが必要にな
り、リサイクル時の母液量が増加し、操作が煩雑にな
る。
が、上記有機酸の濃度が10〜90重量%の水溶液で反
応させるのが好ましく、更に好ましくは15〜50重量
%の範囲である。上記範囲を下回ると生産性が低いばか
りでなく、副反応で生成するイミノジコハク酸、及びリ
ンゴ酸の量が増大し、DL−アスパラギン酸の収率が低
くなる。また、前記範囲を上回ると、晶析の際に析出す
るDL−アスパラギン酸により反応系が固化し、攪拌が
不可能になるため多量の水を添加することが必要にな
り、リサイクル時の母液量が増加し、操作が煩雑にな
る。
【0023】工程は、水溶液を必要により触媒の存在
下、加熱して反応させるが、加熱した水溶液の温度は、
100〜170℃、好ましくは130〜170℃、更に
好ましくは140〜160℃である。反応温度が前記温
度より低いと、反応に要する時間が長くなり、生産性が
悪く実用的でないばかりか、イミノジコハク酸の生成量
が増大し、DL−アスパラギン酸の収率が低下する。ま
た、反応温度が前記温度より高いと、DL−アスパラギ
ン及びアスパルチルアスパラギン酸が生成する。
下、加熱して反応させるが、加熱した水溶液の温度は、
100〜170℃、好ましくは130〜170℃、更に
好ましくは140〜160℃である。反応温度が前記温
度より低いと、反応に要する時間が長くなり、生産性が
悪く実用的でないばかりか、イミノジコハク酸の生成量
が増大し、DL−アスパラギン酸の収率が低下する。ま
た、反応温度が前記温度より高いと、DL−アスパラギ
ン及びアスパルチルアスパラギン酸が生成する。
【0024】反応時間は、反応温度により適宜変わる
が、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間であ
る。反応圧力は、水の蒸気圧にほぼ依存し1〜10kg
/cm2であり、好ましくは1〜8kg/cm2 、更に
好ましくは1〜6kg/cm2 である。工程において
必要により添加される、マレイン酸アンモニウム及び/
又はフマル酸アンモニウムのDL−アスパラギン酸への
変換を促進する触媒としては、公知のもの、例えば塩化
水銀、酸化水銀等が使用できる。
が、30分〜24時間、好ましくは1〜12時間であ
る。反応圧力は、水の蒸気圧にほぼ依存し1〜10kg
/cm2であり、好ましくは1〜8kg/cm2 、更に
好ましくは1〜6kg/cm2 である。工程において
必要により添加される、マレイン酸アンモニウム及び/
又はフマル酸アンモニウムのDL−アスパラギン酸への
変換を促進する触媒としては、公知のもの、例えば塩化
水銀、酸化水銀等が使用できる。
【0025】(工程)この工程では、工程で得られ
た反応混合物である溶液に工程で得られたマレイン酸
水溶液を添加しDL−アスパラギン酸を晶析させる。添
加するマレイン酸水溶液は水で希釈して使用しても良
い。希釈後のマレイン酸濃度は20〜50重量%とする
ことが好ましい。このマレイン酸濃度より高いと晶析で
得られるDL−アスパラギン酸の結晶粒径が細かくなり
製品の取り扱いが不便になる。
た反応混合物である溶液に工程で得られたマレイン酸
水溶液を添加しDL−アスパラギン酸を晶析させる。添
加するマレイン酸水溶液は水で希釈して使用しても良
い。希釈後のマレイン酸濃度は20〜50重量%とする
ことが好ましい。このマレイン酸濃度より高いと晶析で
得られるDL−アスパラギン酸の結晶粒径が細かくなり
製品の取り扱いが不便になる。
【0026】晶析のために反応混合物に添加される上記
有機酸の量は、反応混合物に含まれているDL−アスパ
ラギン酸モノアンモニウム塩の量に応じて決定すること
ができる。本発明の方法においては、好ましくは工程
の反応混合物は未反応アンモニアを全く含まないか、ご
く少量しか含まない。このような場合、通常添加される
上記有機酸のモル比は、生成したDL−アスパラギン酸
モノアンモニウム塩に対して0.5〜1.5が好まし
く、0.6〜1.4が更に好ましい。このモル比より少
ないと、晶析時に回収されるDL−アスパラギン酸の収
率が低くなり、過剰であると副生物であるアミド化合物
が析出する可能性がある。
有機酸の量は、反応混合物に含まれているDL−アスパ
ラギン酸モノアンモニウム塩の量に応じて決定すること
ができる。本発明の方法においては、好ましくは工程
の反応混合物は未反応アンモニアを全く含まないか、ご
く少量しか含まない。このような場合、通常添加される
上記有機酸のモル比は、生成したDL−アスパラギン酸
モノアンモニウム塩に対して0.5〜1.5が好まし
く、0.6〜1.4が更に好ましい。このモル比より少
ないと、晶析時に回収されるDL−アスパラギン酸の収
率が低くなり、過剰であると副生物であるアミド化合物
が析出する可能性がある。
【0027】晶析温度は通常、0〜90℃、好ましく
は、20〜80℃である。あまり低温の場合、得られる
結晶が細かくなりすぎ、固液分離操作が面倒となる上、
上記有機酸のアンモニウム塩或いはイミノジコハク酸等
のアミド化合物が析出するため得られるDL−アスパラ
ギン酸の純度が低くなる。即ち、固液分離で得られる湿
ケーキの母液保持量(含水液量)が多く、更に十分なリ
ンス効果が得られないため、結晶純度が低下する。ま
た、リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収率
が低下する。一方、あまり高温では、DL−アスパラギ
ン酸の回収率が低いばかりか、上記有機酸の熱劣化が生
ずる惧れがある。また、晶析工程の処理時間は通常0.
5〜5時間程度である。
は、20〜80℃である。あまり低温の場合、得られる
結晶が細かくなりすぎ、固液分離操作が面倒となる上、
上記有機酸のアンモニウム塩或いはイミノジコハク酸等
のアミド化合物が析出するため得られるDL−アスパラ
ギン酸の純度が低くなる。即ち、固液分離で得られる湿
ケーキの母液保持量(含水液量)が多く、更に十分なリ
ンス効果が得られないため、結晶純度が低下する。ま
た、リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収率
が低下する。一方、あまり高温では、DL−アスパラギ
ン酸の回収率が低いばかりか、上記有機酸の熱劣化が生
ずる惧れがある。また、晶析工程の処理時間は通常0.
5〜5時間程度である。
【0028】晶析は通常、攪拌槽タイプの晶析槽を用い
て実施される。上記有機酸の添加位置は晶析槽又はこれ
に通じる移送配管中のいずれでもよい。また、晶析は、
前記の反応液と、上記有機酸を連続的に供給する一方
で、生成スラリーを連続的に抜き出す連続式が望ましい
が、一部、間歇的操作又はバッチ式で行うこともでき
る。
て実施される。上記有機酸の添加位置は晶析槽又はこれ
に通じる移送配管中のいずれでもよい。また、晶析は、
前記の反応液と、上記有機酸を連続的に供給する一方
で、生成スラリーを連続的に抜き出す連続式が望ましい
が、一部、間歇的操作又はバッチ式で行うこともでき
る。
【0029】(工程)この工程では、工程で得られ
たDL−アスパラギン酸結晶を固液分離して回収し、母
液を工程へリサイクルする。固液分離操作について
は、特に限定はされないが、例えばヌッチェ、遠心分離
等の常法により行うことができる。また、その温度は、
通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃である。低温
下ではスラリーの粘度が高く取扱が困難になり、一方、
高温下では、DL−アスパラギン酸の溶解度が高くな
り、回収率が低下する。
たDL−アスパラギン酸結晶を固液分離して回収し、母
液を工程へリサイクルする。固液分離操作について
は、特に限定はされないが、例えばヌッチェ、遠心分離
等の常法により行うことができる。また、その温度は、
通常0〜80℃、好ましくは10〜50℃である。低温
下ではスラリーの粘度が高く取扱が困難になり、一方、
高温下では、DL−アスパラギン酸の溶解度が高くな
り、回収率が低下する。
【0030】分離されたDL−アスパラギン酸結晶につ
いては、必要に応じて水でリンスすることにより上記副
生物をDL−アスパラギン酸の結晶からほぼ完全に除去
することができ、純度95%以上のDL−アスパラギン
酸の結晶を得ることができる。この結晶は常法により乾
燥して、DL−アスパラギン酸の製品とすることができ
る。この場合、リンス操作に用いる水の量は、特に限定
するものではないが、湿ケーキに対して通常10重量倍
以下、好ましくは、5重量倍以下で行う。リンス量が少
なすぎるとリンス効果が十分でなく、多すぎるとDL−
アスパラギン酸の回収率が低下する。リンス水の温度に
ついては特に限定されない。
いては、必要に応じて水でリンスすることにより上記副
生物をDL−アスパラギン酸の結晶からほぼ完全に除去
することができ、純度95%以上のDL−アスパラギン
酸の結晶を得ることができる。この結晶は常法により乾
燥して、DL−アスパラギン酸の製品とすることができ
る。この場合、リンス操作に用いる水の量は、特に限定
するものではないが、湿ケーキに対して通常10重量倍
以下、好ましくは、5重量倍以下で行う。リンス量が少
なすぎるとリンス効果が十分でなく、多すぎるとDL−
アスパラギン酸の回収率が低下する。リンス水の温度に
ついては特に限定されない。
【0031】(リサイクル)固液分離で得られる母液
は、上記有機酸のアンモニウム塩、反応時に生成したイ
ミノジコハク酸アンモニウム塩、DL−リンゴ酸アンモ
ニウム塩、アスパラギンアンモニウム塩及びアスパルチ
ルアスパラギン酸アンモニウム塩等が含まれ、更に溶解
度分のDL−アスパラギン酸アンモニウムを含む、pH
が3〜6程度の酸性水溶液である。必要に応じて濃縮工
程により水を除去し、工程にリサイクルされる。リサ
イクルされる母液にアンモニア又はアンモニア水を加え
て、pH6.5〜8.5の間になるように使用すること
は、前記工程で記載した通りである。リサイクルする
際にアンモニアを供給する方法は、特に限定はされない
が、工程の固液分離後ないし工程の反応系いずれか
に適当に分割して供給しても又一括して供給してもよ
い。
は、上記有機酸のアンモニウム塩、反応時に生成したイ
ミノジコハク酸アンモニウム塩、DL−リンゴ酸アンモ
ニウム塩、アスパラギンアンモニウム塩及びアスパルチ
ルアスパラギン酸アンモニウム塩等が含まれ、更に溶解
度分のDL−アスパラギン酸アンモニウムを含む、pH
が3〜6程度の酸性水溶液である。必要に応じて濃縮工
程により水を除去し、工程にリサイクルされる。リサ
イクルされる母液にアンモニア又はアンモニア水を加え
て、pH6.5〜8.5の間になるように使用すること
は、前記工程で記載した通りである。リサイクルする
際にアンモニアを供給する方法は、特に限定はされない
が、工程の固液分離後ないし工程の反応系いずれか
に適当に分割して供給しても又一括して供給してもよ
い。
【0032】付加工程:上記〜工程の他に更に次の
付加工程を加えてもよい。 (工程:系外への除去(ブリード))本発明のDL−
アスパラギン酸の製造方法は、リサイクルの工程を含む
ため不純物や反応副生成物の蓄積を考慮して、ブリード
することが好ましい。ブリードする位置としては、アス
パラギン酸アンモニウム塩を最も多く含む水溶液が存在
する位置、即ち工程と工程の間でブリードすること
が望ましい。ブリード量は、通常、重量基準でブリード
する直前の水溶液の全量に対して0.1〜40%、好ま
しくは1〜35%、更に好ましくは5〜30%である。
ブリード率が低いと安定した連続運転が困難になり、そ
の効果が小さく意味がなく、高いとブリード液を処理す
る工程が、主工程と同じ程度の機器容積を持つことにな
り、経済性に劣るものとなる。ブリードする方法は、こ
のブリード量を満足する範囲において連続的であって
も、又、間歇的であっても良い。
付加工程を加えてもよい。 (工程:系外への除去(ブリード))本発明のDL−
アスパラギン酸の製造方法は、リサイクルの工程を含む
ため不純物や反応副生成物の蓄積を考慮して、ブリード
することが好ましい。ブリードする位置としては、アス
パラギン酸アンモニウム塩を最も多く含む水溶液が存在
する位置、即ち工程と工程の間でブリードすること
が望ましい。ブリード量は、通常、重量基準でブリード
する直前の水溶液の全量に対して0.1〜40%、好ま
しくは1〜35%、更に好ましくは5〜30%である。
ブリード率が低いと安定した連続運転が困難になり、そ
の効果が小さく意味がなく、高いとブリード液を処理す
る工程が、主工程と同じ程度の機器容積を持つことにな
り、経済性に劣るものとなる。ブリードする方法は、こ
のブリード量を満足する範囲において連続的であって
も、又、間歇的であっても良い。
【0033】(工程:ブリード液からのDL−アスパ
ラギン酸の回収)DL−アスパラギン酸の回収率を向上
させるために、ブリード液からDL−アスパラギン酸を
回収することが好ましい。回収方法としては、ブリード
液に鉱酸を添加して行うのが好ましい。回収するために
使用される鉱酸としては、硫酸、塩酸及びリン酸より選
ばれるが、特に硫酸及び塩酸が好ましい。添加量として
は、DL−アスパラギン酸が回収できる量であれば特に
限定されないが、ブリード液に含まれるDL−アスパラ
ギン酸に対して0.7〜1.3モル当量が好ましく、更
に好ましくは0.9〜1.1モル当量である。このモル
比より少ないと、晶析時に回収されるDL−アスパラギ
ン酸の収率が低くなり、過剰だと副生物であるアミド化
合物が析出する可能性があり、またpHが下がるためア
スパラギン酸の溶解度が上がるため収率が下がる。
ラギン酸の回収)DL−アスパラギン酸の回収率を向上
させるために、ブリード液からDL−アスパラギン酸を
回収することが好ましい。回収方法としては、ブリード
液に鉱酸を添加して行うのが好ましい。回収するために
使用される鉱酸としては、硫酸、塩酸及びリン酸より選
ばれるが、特に硫酸及び塩酸が好ましい。添加量として
は、DL−アスパラギン酸が回収できる量であれば特に
限定されないが、ブリード液に含まれるDL−アスパラ
ギン酸に対して0.7〜1.3モル当量が好ましく、更
に好ましくは0.9〜1.1モル当量である。このモル
比より少ないと、晶析時に回収されるDL−アスパラギ
ン酸の収率が低くなり、過剰だと副生物であるアミド化
合物が析出する可能性があり、またpHが下がるためア
スパラギン酸の溶解度が上がるため収率が下がる。
【0034】鉱酸を添加するときの晶析温度は通常、0
〜90℃、好ましくは、20〜80℃である。あまり低
温の場合、得られる結晶が細かくなりすぎ、固液分離操
作が面倒となる上、イミノジコハク酸等のアミド化合物
の不純物が析出するため得られるDL−アスパラギン酸
の純度が低くなる。即ち、固液分離で得られる湿ケーキ
の母液保持量(含水液量)が多くなり、また、十分なリ
ンス効果が得られにくいため、結晶純度が低下するか、
リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収率を低
下させるかの状況になる。一方、あまり高温では、DL
−アスパラギン酸の回収率が低くなる。また、上記ブリ
ード液からのDL−アスパラギン酸を回収する工程の処
理時間は通常0.5〜5時間程度である。
〜90℃、好ましくは、20〜80℃である。あまり低
温の場合、得られる結晶が細かくなりすぎ、固液分離操
作が面倒となる上、イミノジコハク酸等のアミド化合物
の不純物が析出するため得られるDL−アスパラギン酸
の純度が低くなる。即ち、固液分離で得られる湿ケーキ
の母液保持量(含水液量)が多くなり、また、十分なリ
ンス効果が得られにくいため、結晶純度が低下するか、
リンス量を増やすとDL−アスパラギン酸の回収率を低
下させるかの状況になる。一方、あまり高温では、DL
−アスパラギン酸の回収率が低くなる。また、上記ブリ
ード液からのDL−アスパラギン酸を回収する工程の処
理時間は通常0.5〜5時間程度である。
【0035】上記ブリード液からのDL−アスパラギン
酸の回収は通常、攪拌槽タイプの晶析槽を用いて実施さ
れる。上記鉱酸の添加位置は晶析槽又はこれに通じるブ
リード液の移送配管中のいずれでもよい。また、回収方
法は、前記の反応液と、上記鉱酸を連続的に供給する一
方で、生成スラリーを連続的に抜き出す連続式が望まし
いが、一部、間歇的操作又はバッチ式で行うことができ
る。そして、この場合、鉱酸を添加して得られたスラリ
ーについては、工程の操作に準じて固液分離を行い、
得られた結晶について必要に応じて水でリンスすること
により、純度95%以上のDL−アスパラギン酸の結晶
を得ることができる。
酸の回収は通常、攪拌槽タイプの晶析槽を用いて実施さ
れる。上記鉱酸の添加位置は晶析槽又はこれに通じるブ
リード液の移送配管中のいずれでもよい。また、回収方
法は、前記の反応液と、上記鉱酸を連続的に供給する一
方で、生成スラリーを連続的に抜き出す連続式が望まし
いが、一部、間歇的操作又はバッチ式で行うことができ
る。そして、この場合、鉱酸を添加して得られたスラリ
ーについては、工程の操作に準じて固液分離を行い、
得られた結晶について必要に応じて水でリンスすること
により、純度95%以上のDL−アスパラギン酸の結晶
を得ることができる。
【0036】本発明においては、ブタン及び酸素から得
られる無水マレイン酸を水で吸収して得られる水溶液を
アンモニア共存下に反応を行うとDL−アスパラギン酸
を高収率で得ることが出来ること、また特に好ましくは
反応終了後に得られる溶液の一部を系外に除去すること
により、晶析後の未反応原料、反応中間体を含む母液を
リサイクルしつつ長期間に亘り安定したDL−アスパラ
ギン酸の製造が可能になること、更に、好ましくはこの
系外に除去した溶液に鉱酸を添加することによりDL−
アスパラギン酸の回収率を極大にすることができ、また
廃水負荷を削減できることを見出し、経済的に有利なプ
ロセスとなった。
られる無水マレイン酸を水で吸収して得られる水溶液を
アンモニア共存下に反応を行うとDL−アスパラギン酸
を高収率で得ることが出来ること、また特に好ましくは
反応終了後に得られる溶液の一部を系外に除去すること
により、晶析後の未反応原料、反応中間体を含む母液を
リサイクルしつつ長期間に亘り安定したDL−アスパラ
ギン酸の製造が可能になること、更に、好ましくはこの
系外に除去した溶液に鉱酸を添加することによりDL−
アスパラギン酸の回収率を極大にすることができ、また
廃水負荷を削減できることを見出し、経済的に有利なプ
ロセスとなった。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の
記述に限定されるものではない。尚、DL−アスパラギ
ン酸(以下、ASPと略記する)、DL−アスパラギン
(以下、ASNと略記する)、マレイン酸(以下、MA
と略記する)、無水マレイン酸(以下、MAHと略記す
る)、フマル酸(以下、FAと略記する)、リンゴ酸
(以下、MLと略記する)、イミノジコハク酸(以下、
IDSと略記する)の分析は高速液体クロマトグラフィ
ーにより、アンモニア(以下、NH3 と略記する)の分
析はイオンクロマトグラフィーにより定量した。
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例の
記述に限定されるものではない。尚、DL−アスパラギ
ン酸(以下、ASPと略記する)、DL−アスパラギン
(以下、ASNと略記する)、マレイン酸(以下、MA
と略記する)、無水マレイン酸(以下、MAHと略記す
る)、フマル酸(以下、FAと略記する)、リンゴ酸
(以下、MLと略記する)、イミノジコハク酸(以下、
IDSと略記する)の分析は高速液体クロマトグラフィ
ーにより、アンモニア(以下、NH3 と略記する)の分
析はイオンクロマトグラフィーにより定量した。
【0038】実施例1 (気相接触酸化反応)公知の方法により調製されるリン
−バナジウム系複合酸化物よりなる固体触媒10kgを
内径82mmφ、高さ5mの流動床反応容器に入れ、圧
力1.5kg/cm2 、反応温度440℃、空間速度9
00/hr、ブタン濃度2.0容量%で反応させたとこ
ろ、ブタン転化率88.2モル%、MAH収率55.0
モル%で得られた。
−バナジウム系複合酸化物よりなる固体触媒10kgを
内径82mmφ、高さ5mの流動床反応容器に入れ、圧
力1.5kg/cm2 、反応温度440℃、空間速度9
00/hr、ブタン濃度2.0容量%で反応させたとこ
ろ、ブタン転化率88.2モル%、MAH収率55.0
モル%で得られた。
【0039】(水吸収)上記工程で生成したMAHを
温度85℃の水でMAとして吸収させた。このときに得
られる水溶液の組成は、MA54.0重量%、FA0.
80重量%、ML0.70重量%、CA0.38重量
%、AA0.24重量%であった。 (MA使用時1回目反応)電磁攪拌機付きオートクレー
ブに75重量%MA水溶液201.3gを仕込み、3℃
に冷却した。これに25重量%NH3 水176.9g
(MAに対して2モル当量)を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、攪拌しながら140℃、2kg/cm2 で
6時間反応した。反応後、液体クロマトグラフィーで分
析したところ、ASPアンモニウム、IDSアンモニウ
ム、MLアンモニウム、ASNアンモニウムが、それぞ
れ仕込みのMA基準で68.5モル%、15モル%、1
5モル%、1.5モル%それぞれ生成していた。この反
応液の内から10重量%をブリードして、残りの90重
量%を80℃に維持しながら、前記工程で得られた水
溶液172.4g(生成したASPと等モル)を1時間
かけて滴下した。滴下終了後、30℃にゆっくりと冷却
した。析出したASPの結晶はろ別し、水288.0g
(析出したASPに対して3倍量)でリンスし、母液6
70.4gを回収した。得られたASP製品は常法によ
り乾燥したところ97.5g(初期仕込みMAに対して
54.9重量%)、純度97.7重量%でありMAを
1.2重量%含んでいた。尚、この時の母液のpHは
4.4であった。
温度85℃の水でMAとして吸収させた。このときに得
られる水溶液の組成は、MA54.0重量%、FA0.
80重量%、ML0.70重量%、CA0.38重量
%、AA0.24重量%であった。 (MA使用時1回目反応)電磁攪拌機付きオートクレー
ブに75重量%MA水溶液201.3gを仕込み、3℃
に冷却した。これに25重量%NH3 水176.9g
(MAに対して2モル当量)を1時間かけて滴下した。
滴下終了後、攪拌しながら140℃、2kg/cm2 で
6時間反応した。反応後、液体クロマトグラフィーで分
析したところ、ASPアンモニウム、IDSアンモニウ
ム、MLアンモニウム、ASNアンモニウムが、それぞ
れ仕込みのMA基準で68.5モル%、15モル%、1
5モル%、1.5モル%それぞれ生成していた。この反
応液の内から10重量%をブリードして、残りの90重
量%を80℃に維持しながら、前記工程で得られた水
溶液172.4g(生成したASPと等モル)を1時間
かけて滴下した。滴下終了後、30℃にゆっくりと冷却
した。析出したASPの結晶はろ別し、水288.0g
(析出したASPに対して3倍量)でリンスし、母液6
70.4gを回収した。得られたASP製品は常法によ
り乾燥したところ97.5g(初期仕込みMAに対して
54.9重量%)、純度97.7重量%でありMAを
1.2重量%含んでいた。尚、この時の母液のpHは
4.4であった。
【0040】(リサイクル)上記母液をロータリーエバ
ボレーター濃縮して水399.0gを除去した後、25
重量%NH3 水43.7gを添加してpHを7.2とし
た。この水溶液を攪拌しながら140℃、2kg/cm
2 で6時間反応した。反応後、液体クロマトグラフィー
で分析したところ、ASPアンモニウム、IDSアンモ
ニウム、MLアンモニウム、ASNアンモニウムが、れ
ぞれ晶析時に添加したMA基準で93.5モル%、2.
7モル%、2.7モル%、1モル%それぞれ生成してい
た。この反応液の内から10重量%を抜き取り、残りの
90重量%を80℃に維持しながら、前記工程で得ら
れた水溶液159.8g(生成したASPと等モル)を
1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃にゆっくり
と冷却した。析出したASPの結晶はろ別し、水26
7.0g(析出したASPに対して3倍量)でリンス
し、母液644.0gを回収した。得られたASP製品
は常法により乾燥したところ90.2g(晶析時に添加
されたMAに対して89.0重量%)、純度97.9重
量%であり、MAを1.1重量%含んでいた。尚、この
時の母液のpHは4.4であった。上記リサイクル操作
を合計3回繰り返し行った。結果を第1表に示す。
ボレーター濃縮して水399.0gを除去した後、25
重量%NH3 水43.7gを添加してpHを7.2とし
た。この水溶液を攪拌しながら140℃、2kg/cm
2 で6時間反応した。反応後、液体クロマトグラフィー
で分析したところ、ASPアンモニウム、IDSアンモ
ニウム、MLアンモニウム、ASNアンモニウムが、れ
ぞれ晶析時に添加したMA基準で93.5モル%、2.
7モル%、2.7モル%、1モル%それぞれ生成してい
た。この反応液の内から10重量%を抜き取り、残りの
90重量%を80℃に維持しながら、前記工程で得ら
れた水溶液159.8g(生成したASPと等モル)を
1時間かけて滴下した。滴下終了後、30℃にゆっくり
と冷却した。析出したASPの結晶はろ別し、水26
7.0g(析出したASPに対して3倍量)でリンス
し、母液644.0gを回収した。得られたASP製品
は常法により乾燥したところ90.2g(晶析時に添加
されたMAに対して89.0重量%)、純度97.9重
量%であり、MAを1.1重量%含んでいた。尚、この
時の母液のpHは4.4であった。上記リサイクル操作
を合計3回繰り返し行った。結果を第1表に示す。
【0041】
【表1】 第1表 リサイクル 晶析時に添加された 純度 回数 MAに対するASP収率(重量%) (重量%) 0 54.9 97.7 1 89.0 97.9 2 89.0 97.9 3 89.0 97.9
【0042】(ブリード液からのASP回収)上記1回
目のリサイクル操作により得られる反応終了後の水溶液
37.8gを80℃に維持しながら98%硫酸7.9g
を添加してpH2.8とした。滴下終了後、30℃にゆ
っくりと冷却した。析出したASPの結晶はろ別し、水
21.8g(析出したASPに対して2倍量)でリンス
した。得られたASP製品は常法により乾燥したところ
11.2g(上記リサイクル操作において添加された合
計のMAで晶析で得られたASPの合計量は99.1重
量%)、純度97.4重量%であった。上記リサイクル
操作を合計3回繰り返し行った。結果を第2表に示す。
目のリサイクル操作により得られる反応終了後の水溶液
37.8gを80℃に維持しながら98%硫酸7.9g
を添加してpH2.8とした。滴下終了後、30℃にゆ
っくりと冷却した。析出したASPの結晶はろ別し、水
21.8g(析出したASPに対して2倍量)でリンス
した。得られたASP製品は常法により乾燥したところ
11.2g(上記リサイクル操作において添加された合
計のMAで晶析で得られたASPの合計量は99.1重
量%)、純度97.4重量%であった。上記リサイクル
操作を合計3回繰り返し行った。結果を第2表に示す。
【0043】
【表2】 第2表 リサイクル 晶析時に添加された MA晶析収率 純度 回数 MAに対するASP収率 +硫酸晶析収率 (重量%) (重量%) (重量%) 1 10.1 99.1 97.4 2 10.1 99.1 97.4 3 10.1 99.1 97.4
【0044】(異性化反応)上記工程で得られる反応
液230.3gに水104.9gを添加して35.5重
量%MA水溶液とした。この水溶液を80℃に昇温し
て、10%臭化アンモニウム水溶液2.7gと10%過
硫酸アンモニウム水溶液12.4gを1時間かけて添加
した。滴下終了後、スラリー状態になった反応液の温度
を25℃に降温して生成したFAをヌッチェで回収し
た。このときの回収したFAは131.5gであり、仕
込みのMAからの収率は98.4重量%であった。この
回収したFAには8.8gの水(含水率6.7重量
%)、MA0.03重量%、ML0.03重量%、CA
0.04重量%、AA<0.01重量%、反応時に使用
した触媒0.05重量%(FA純度99.8重量%)が
含まれていた。
液230.3gに水104.9gを添加して35.5重
量%MA水溶液とした。この水溶液を80℃に昇温し
て、10%臭化アンモニウム水溶液2.7gと10%過
硫酸アンモニウム水溶液12.4gを1時間かけて添加
した。滴下終了後、スラリー状態になった反応液の温度
を25℃に降温して生成したFAをヌッチェで回収し
た。このときの回収したFAは131.5gであり、仕
込みのMAからの収率は98.4重量%であった。この
回収したFAには8.8gの水(含水率6.7重量
%)、MA0.03重量%、ML0.03重量%、CA
0.04重量%、AA<0.01重量%、反応時に使用
した触媒0.05重量%(FA純度99.8重量%)が
含まれていた。
Claims (7)
- 【請求項1】 ブタン、酸素及びアンモニアを原料とし
て下記工程によりDL−アスパラギン酸を得ることを特
徴とするDL−アスパラギン酸の製造方法。 工程:ブタンを気相接触酸化して無水マレイン酸を得
る工程、 工程:工程で得られた無水マレイン酸を水で吸収
し、マレイン酸水溶液を得る工程、 工程:工程で得られたマレイン酸水溶液をアンモニ
アの共存下に加熱し、DL−アスパラギン酸を得る工
程、 工程:工程で得られた溶液に、工程で得られたマ
レイン酸水溶液を添加してDL−アスパラギン酸を晶析
する工程、 工程:工程で得られたDL−アスパラギン酸結晶を
固液分離して回収し、母液を上記工程のマレイン酸源
及びアンモニア源としてリサイクルする工程。 - 【請求項2】 工程で共存するアンモニアの量が、
工程で得られる母液のpHを6.5〜8.5とする量で
ある請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 工程で加熱する温度が100〜170
℃である請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 工程において添加される工程で得ら
れた水溶液中のマレイン酸の量が工程で生成したDL
−アスパラギン酸アンモニウムに対して0.5〜1.5
モル当量である請求項1ないし3のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項5】 工程と工程との間で、DL−アスパ
ラギン酸及びアンモニアを含む水溶液の一部を系外へ除
去することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに
記載の方法。 - 【請求項6】 系外へ除去された水溶液に鉱酸を添加し
てDL−アスパラギン酸を回収する請求項1ないし5の
いずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 系外へ除去する量が、0.1〜40重量
%である請求項6記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9136640A JPH10330335A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Dl−アスパラギン酸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9136640A JPH10330335A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Dl−アスパラギン酸の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330335A true JPH10330335A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15180043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9136640A Pending JPH10330335A (ja) | 1997-05-27 | 1997-05-27 | Dl−アスパラギン酸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330335A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003507464A (ja) * | 1999-08-19 | 2003-02-25 | サイエンティフィック・デザイン・カンパニー・インコーポレーテッド | 無水マレイン酸の製造 |
-
1997
- 1997-05-27 JP JP9136640A patent/JPH10330335A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003507464A (ja) * | 1999-08-19 | 2003-02-25 | サイエンティフィック・デザイン・カンパニー・インコーポレーテッド | 無水マレイン酸の製造 |
JP4753515B2 (ja) * | 1999-08-19 | 2011-08-24 | サイエンティフィック・デザイン・カンパニー・インコーポレーテッド | 無水マレイン酸の製造 |
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