JPH07165687A - 5−フルオロアントラニル酸の製造方法 - Google Patents

5−フルオロアントラニル酸の製造方法

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JPH07165687A
JPH07165687A JP6244370A JP24437094A JPH07165687A JP H07165687 A JPH07165687 A JP H07165687A JP 6244370 A JP6244370 A JP 6244370A JP 24437094 A JP24437094 A JP 24437094A JP H07165687 A JPH07165687 A JP H07165687A
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acid
fluoro
oxygen
reaction
ammonia
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JP6244370A
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English (en)
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Freimund Roehrscheid
フライムント・レールシャイト
Jochen Rapp
ヨッヒエン・ラップ
Theodor Papenfuhs
テオドール・パペンフース
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Hoechst AG
Original Assignee
Hoechst AG
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C227/00Preparation of compounds containing amino and carboxyl groups bound to the same carbon skeleton
    • C07C227/04Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups
    • C07C227/06Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups by addition or substitution reactions, without increasing the number of carbon atoms in the carbon skeleton of the acid
    • C07C227/08Formation of amino groups in compounds containing carboxyl groups by addition or substitution reactions, without increasing the number of carbon atoms in the carbon skeleton of the acid by reaction of ammonia or amines with acids containing functional groups

Abstract

(57)【要約】 【目的】 5−フルオロアントラニル酸を、技術的に簡
単な方法で、高い収率、高い純度で入手可能とする。 【構成】 5−フルオロ−2−ブロモトルエンを、触媒
および酸性溶剤の存在下に、酸素または酸素含有ガス
と、80〜220℃の温度で反応させ、形成される5−
フルオロ−2−ブロモ安息香酸を分離し、それをアンモ
ニアと70〜180℃で反応させて5−フルオロアント
ラニル酸を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、5−フルオロアントラ
ニル酸を製造するための新規な有利な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】5−フルオロアントラニル酸は、3−フ
ルオロ安息香酸をニトロ化し、形成される5−フルオロ
−2−ニトロ安息香酸を還元することにより製造できる
ことが知られている(Rec. Trav. Chim. Pays-Bas 191
4, 33, 336, Tetrahedron Lett.1988, 29(40), 5105-8;
J. Biol. Chem. 1954, 207, 411-2) 。
【0003】この合成において、ニトロ化の際に、常に
異性体3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸が形成される
が、これは5−フルオロ−2−ニトロ安息香酸から分離
され得ない。次いで、この生成物の混合物──それは約
2〜3%の3−フルオロ−2−ニトロ安息香酸を含む─
─を還元すると、所望の生成物(5−フルオロアントラ
ニル酸)のみならず対応する量で3−フルオロアントラ
ニル酸も生じるが、それは5−フルオロアントラニル酸
から分離され得ない。
【0004】ドイツ連邦共和国特許出願公開第4200
512号明細書は、適当なハロ−2−ブロモ安息香酸
を、アンモニア水を用いて銅触媒の存在下に反応させ
る、ハロアントラニル酸の製法を記載している。特許請
求された方法は、もちろん、5−フルオロ−2−ブロモ
安息香酸を反応させて5−フルオロアントラニル酸とす
ることを包含しているが、この製法は、実施例によって
得られる収率や純度による指示によっても支持されてい
ない。さらに、この合成は、付加的な溶剤を使用するの
が好ましいために、また、銅化合物を触媒として使用す
るために(銅化合物を、あとで反応生成物および母液か
ら除去することは、技術上非常に複雑である)かなり困
難である。廃水からの銅塩の除去は、特に問題である。
なぜならば、銅塩は錯体形で存在するからである。これ
らの銅塩を廃水からどのように除去するかの詳細は、ド
イツ連邦共和国特許出願公開第4200512号明細書
には示されていない。
【0005】アンモニアとの反応に必要な5−フルオロ
−2−ブロモ安息香酸は、5−フルオロ−2−ブロモト
ルエンを過マンガン酸塩を用いて酸化することによって
製造され得る(J. Indian Chem. Soc. 1944, 21. 112-
4; J. Org. Chem. 1988, 53(2), 345-52)。しかしこの
方法では、所望の生成物は収率70%でしか得られな
い。さらに、酸化の際に過マンガン酸塩を使用するため
に、生じる残渣はかなりの量のマンガン酸塩を含む。こ
のような残渣の処分は困難であり大きな経費を必要とす
る。
【0006】ドイツ連邦共和国特許出願公開第4200
512号明細書の教示を、5−フルオロアントラニル酸
の製造に転用しても、5−フルオロ−2−ブロモ安息香
酸とアンモニア水との銅触媒の存在下での反応が純粋な
所望の生成物を導かないことが明らかになった。むし
ろ、この方法で、4,4’−ジフルオロジフェニルアミ
ン−2,2’−ジカルボン酸で非常に汚染された、工業
上是認できる費用ではさらに精製することはできない5
−フルオロアントラニル酸が生じる。対応する実験上の
知見は比較例1から理解され得る。
【0007】5−フルオロアントラニル酸は、医薬(Cz
ech Patent 159570)、除草剤(米国特許第390580
0号;EP0109575;米国特許第4388472
号)、植物生長調節剤(FR2541288)およびキ
ナゾリンタイプの殺真菌剤(米国特許第4824469
号)の製造の際の重要な前駆体であるために、この出発
物質には、非常に高い純度が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】それ故、5−フルオロ
アントラニル酸を、技術的に簡単な方法で、高い収率、
高い純度で入手可能とすることが非常に重要である。同
時に、上記欠点が回避されるべきである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的は、5−フルオ
ロアントラニル酸を製造するための新規方法によって達
成される。この方法は、5−フルオロ−2−ブロモトル
エンを、触媒および酸性溶剤の存在下に、酸素または酸
素含有ガスと、80〜220℃の温度で反応させ、形成
される5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸を分離し、そ
れをアンモニアと70〜180℃で反応させることを包
含する。
【0010】本発明による方法は、工業的に入手可能な
5−フルオロ−2−ブロモトルエンを簡単な方法で、触
媒酸化によって酸素または酸素含有ガスを用いて反応さ
せて、高い収率および非常に良好な純度で、マンガンを
含む残渣が生じることを考慮する必要なしに、5−フル
オロ−2−ブロモ安息香酸にすることにより、過マンガ
ン酸酸化の困難を回避する。
【0011】さらに、驚くべきことに、5−フルオロ−
2−ブロモ安息香酸をアンモニア、特にアンモニア水
と、有機溶剤の添加なしに、また、銅触媒の添加なし
に、反応させることができ、その際、反応は問題なしに
進行するのみならず、望ましくない二次反応を避けて所
望の生成物を非常に高い純度で提供することが見出され
た。この方法により製造される5−フルオロアントラニ
ル酸は、上述の生物学的に活性な物質の製造のすべてに
使用できる純度で得られる。
【0012】5−フルオロ−2−ブロモトルエンは、酸
素または酸素含有ガスと、遷移金属イオンを含む触媒の
存在下に反応させる。非常に適した触媒は、コバルトイ
オンを含む化合物である。
【0013】特に簡単な方法は、コバルトイオンのみな
らずマンガンイオンも含む触媒の使用を包含する方法で
ある。臭化物イオンのみならず遷移金属イオンも含む触
媒の使用は、反応に正の効果を及ぼす。遷移金属イオン
と臭化物イオンとを1:(0.01〜2)、特に1:
(0.1〜1)、好ましくは1:(0.2〜0.7)の
比で含む触媒を使用するのがよい。
【0014】コバルトイオンとマンガンイオンとを含む
触媒を使用する場合には、コバルトイオンおよびマンガ
ンイオンを1:(0.01〜3)、特に1:(0.05
〜1)の比で使用するのがよい。
【0015】一般に、触媒を、5−フルオロ−2−ブロ
モトルエン1モルあたり0.002〜0.1モル、特に
0.003〜0.03モル、好ましくは0.005〜
0.015モルの遷移金属イオンに対応する量で使用す
るのが適している。
【0016】反応は酸性溶剤の存在下に行なわれる。通
常、炭素原子数1〜8、特に2〜6の脂肪族カルボン酸
が、酸性溶剤として使用される。しかし、これらのカル
ボン酸の混合物を使用することもできる。非常に適した
酸性溶剤は、酢酸、プロピオン酸、n−酪酸およびイソ
酪酸、ならびにそれらの混合物である。特に簡単な方法
は、酸性溶剤として酢酸および/またはプロピオン酸の
使用を包含する方法である。多くの場合、酢酸が特に適
した酸性溶剤である。
【0017】酸性溶剤は通常無水形で使用される。5−
フルオロ−2−ブロモトルエンと酸素または酸素含有ガ
スとの反応の際に、反応混合物が15重量%より多い水
を含まないことが保証されるべきである。より高い含水
率は、反応を遅らせないが、反応速度を低下させる。5
−フルオロ−2−ブロモトルエンの反応の際の反応混合
物の含水率をせいぜい5重量%のレベルに限定するのが
特に有利である。
【0018】反応混合物の含水率は、反応混合物から水
を連続的にまたは断続的に留去することによって制御さ
れ得る。5−フルオロ−2−ブロモトルエンの酸化は、
純粋な酸素を用いてまたは酸素含有ガスで行なわれ得
る。特に非常に適した酸素含有ガスは、空気、特に乾燥
空気である。既に上述されているように、酸化は通常8
0〜220℃の温度で行なわれる。
【0019】多くの場合、酸化を130〜180℃、特
に135〜160℃で行なうのが適している。酸化が終
わったら、形成された5−フルオロ−2−ブロモ安息香
酸を、例えばろ過または遠心分離により分離し、生じた
濾液から、一方では反応の際に形成された、他方では、
水含有出発材料を使用しているために反応生成物の中に
入っていることがある水を蒸留により除去する。
【0020】酸化は、酸素が液相に導入される点で測定
して、少なくとも0.15MPa、特に0.25MP
a、好ましくは0.4Mpaの酸素部分圧を適用するこ
とによって、有利な影響を受ける。遷移金属イオンは好
ましくはカルボン酸との塩の形で添加される。臭化物イ
オンはHBr溶液の形でまたは臭化カリウム、臭化ナト
リウム、臭化コバルトまたは臭化マンガンとして添加さ
れ得る。
【0021】5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸は、場
合により冷却下に、酸化の際に得られる反応混合物から
晶出し、それは通常ろ過により分離される。しかし、濾
液は、触媒および著しい量の溶解状態の所望の生成物を
含むので、濾液をカラム上で蒸留して濾液に含まれてい
る水を除去して底部生成物──触媒および酸性溶剤を含
む濃厚な母液──を酸化のための反応媒体として再使用
するのがよい。母液は、蒸留により再使用され得る酸性
溶剤および埋立処理に適した残渣に分ける前に、10回
までまたはそれ以上、酸化に容易に再利用され得る。
【0022】先行技術を超えた本発明による方法のさら
に大きい利点は、過マンガン酸酸化によると、マンガン
で非常に汚染された、処理するのが困難である廃水しか
生じないのに、水を除去した濾液(母液)は酸化のため
の反応媒体として再使用され得ることである。
【0023】次いで、5−フルオロ−2−ブロモ安息香
酸を触媒の不存在下にアンモニアと反応させる。水溶液
の形のアンモニアを使用するのが特に簡単である。アン
モニアを含む水溶液の濃度は、通常20〜50重量%、
特に25〜33重量%である。
【0024】既に上述したように、アンモニアとの反応
は通常70〜180℃で行なわれる。多くの場合、アン
モニアとの反応は90〜150℃、特に100〜130
℃で行なうのが適している。
【0025】反応は大気圧で行なわれ得る。しかし、本
方法は、圧力を使用することによって簡単にされる。一
般に、0.2〜2.5MPa、特に0.3〜1.5MP
a、好ましくは0.5〜1.2Mpaの圧力で作業する
のが適している。より高い圧力で作業することも可能で
あるが、これは一般に適当な圧力装置の使用を必要とす
る。
【0026】一般に、アンモニアは、反応に必要な化学
量論的な量に対して過剰に、すなわち5−フルオロ−2
−ブロモ安息香酸1モルに対して3モル当量で使用され
る。たいていの場合、5−フルオロ−2−ブロモ安息香
酸1モルあたり8〜10モルのアンモニアの割合が適し
ていることがわかった。化学量論により必要とされるア
ンモニアの量は、5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸が
その塩の形、特にそのアルカリ金属塩、またはそれらの
水溶液の形で使用される場合には、1/3まで減ぜられ
得る。
【0027】5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸のアル
カリ金属塩の水溶液が使用される場合には、反応混合物
中のアンモニア濃度が20〜50重量%、特に25〜3
3重量%であることが保証されるべきである。これは、
より高度に濃縮されたアンモニア水溶液または純粋なア
ンモニアの使用を必要とし得る。
【0028】反応は、回分式に、反応物全てを一緒に室
温で入れ次いで反応を行なうことによって、行なわれ
る。非常に有利な方法は、初期装入材料が反応温度に予
備加熱されたアンモニア水溶液であって、5−フルオロ
−2−ブロモ安息香酸のアンモニウム塩および/または
アルカリ金属塩の水溶液が連続的にポンプ注入される方
法であり、その際反応温度は加熱によって維持される。
反応が終わったら、反応混合物を冷却し、装置の空気を
抜き、反応混合物に、5−フルオロアントラニル酸1モ
ルあたり、2モル当量のアルカリ金属水酸化物、または
5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸のアルカリ金属塩が
使用される場合には1モル当量のアルカリ金属水酸化物
のみを添加し、次いで過剰なアンモニアを留去して再使
用され得るアンモニア水溶液を残す。
【0029】結果として生じる5−フルオロアントラニ
ル酸のアルカリ金属塩溶液は、水性鉱酸、例えば塩酸水
または硫酸水で中和することによって沈澱させることが
でき、沈澱する純粋な5−フルオロアントラニル酸は、
ろ過し、脱イオン水で洗浄しそして高められた温度で乾
燥することによって単離され得る。検出され得る不純物
が完全に除去されている5−フルオロアントラニル酸
は、その酸性溶液を活性炭で処理することによって得ら
れ得る。このために、既に単離した5−フルオロアント
ラニル酸が使用され得るが、アンモニアの回収後に存在
する5−フルオロアントラニル酸のアルカリ金属塩水溶
液のpHを、水性鉱酸、例えば水性塩酸または硫酸を用
いて0.5〜1に調整し、次いでこの溶液を活性炭で処
理しそして濾液をアルカリ金属水酸化物で中和すること
が特に簡単である。ろ過、洗浄および乾燥後に得られる
5−フルオロアントラニル酸は、非常に高い純度を有す
る(分析的に純粋な)。
【0030】
【実施例】本発明を例を用いて説明するが、これらの例
は本発明を限定するものではない。
【0031】実験部 例1(出発バッチ) 2.99部のCo(OAc)2 ・4H2 O 0.98部のMn(OAc)2 ・4H2 O 0.405部のHBr 302.4部の5−フルオロ−2−ブロモトルエン 330.0部の氷酢酸 からなる溶液を、オートクレーブに入れ、それを攪拌し
ながら16barのN2圧で145℃に加熱する。次い
で空気(16bar)を通す。その際、強い発熱性の反
応が直ちに始まってO2 を消費する。温度を160℃に
調整する。反応は70分後に終わる。均質な反応溶液を
オートクレーブから100℃で回収して攪拌しながら冷
却する。
【0032】沈澱した結晶を強く吸引することによって
ろ過し、5×25部の90%濃度の水性酢酸で洗浄しそ
して乾燥する。 収量:275.8部(理論量の78.7%)の5−フル
オロ−2−ブロモ安息 融点:154〜155℃ 純度:>99% 母液を最初の容積の4分の1に濃縮すると、さらに3
5.0部(理論量の約10%)の5−フルオロ−2−ブ
ロモ安息香酸が得られる。
【0033】例2〜7(後続バッチ) それぞれ先行するバッチから得られる母液から、例1と
同様にして、水および酢酸の一部を蒸留によって除去し
て、335部の脱水した母液を得、それに、 0.125部のCo(OAc)2 ・4H2 O 0.049部のMn(OAc)2 ・4H2 Oおよび 302.4部の5−フルオロ−2−ブロモトルエン を加え、この溶液を、それぞれ例1に記載したように酸
化しそして仕上げ処理する。得られる母液は、脱水、濃
縮して335部にした後、それぞれ次のバッチの初期装
入材料として役に立つ。全部で5回の母液リサイクル操
作を行なった。全てのバッチにおいて、同等の、再現可
能な品質の5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸が得られ
る(純度>99%)。
【0034】収量:(例2〜7の平均):326.8部
(理論量の93.3%)の5−フルオロ−2−ブロモ安
息香酸 融点:152〜154℃ 例8 219部の5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸および6
80部の25%濃度のアンモニア水の混合物をオトクレ
ーブ内で2時間140℃で加熱する。その際、1.0M
Paの圧力が確立される。次いでこの混合物を30℃に
冷却し、オートクレーブの空気を抜き、そして50%濃
度の水酸化ナトリウムの添加後に過剰なアンモニアを留
去する。得られる留出物は、550部の25%濃度のア
ンモニア水を含んでおり、それは次のバッチに再度使用
される。
【0035】得られる5−フルオロアントラニル酸ナト
リウムの溶液を、670部の15%濃度の塩酸を用いて
pH0.5に調整し、次いで、活性炭20部を添加し
て、95℃で清澄化する。
【0036】留出物を、269部の35%濃度の水酸化
ナトリウムを用いてpH3.5に調整し、次いで20℃
に冷却し、そして沈澱物を吸引ろ過する。脱イオン水で
洗浄し減圧下に100℃で乾燥した後、147部の5−
フルオロアントラニル酸,融点182.5〜182.7
℃,純度100%(HPLC)が得られる。これは、使
用された5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸に対して、
理論量の95.0%の収率に相当する。反応を110℃
で5時間行なっても、同一の結果が得られる。
【0037】例9 510部の30%濃度のアンモニア水を閉鎖オートクレ
ーブ中で130℃で加熱する。その際、0.9MPaの
圧力が確立される。次いで、219部の5−フルオロ−
2−ブロモ安息香酸および240部の16.7%濃度の
水性水酸化ナトリウムから作られた5−フルオロ−2−
ブロモ安息香酸ナトリウムの水溶液を2時間にわたっ
て、加圧した計量ポンプを用いて連続的にポンプ注入す
る。全計量工程の間、反応温度を、穏やかに加熱するこ
とによって130℃で維持し、計量が終わった後、この
温度で攪拌を30分間行なう。圧力は、反応の間わずか
にだけ0.95MPaまで上昇する。
【0038】次いでこの混合物を冷却し、オートクレブ
の空気を抜き、120部の33%濃度の水酸化ナトリウ
ムを添加した後、過剰のアンモニアを留去する。その
際、500部の再使用できる25%濃度のアンモニア水
を含む留出物が生じる。
【0039】水1500部の添加後、5−フルオロアン
トラニル酸ナトリウムの溶液(pH9.5)を、30%
濃度の塩酸を用いてpH3.8に調整する。その際、5
−フルオロアントラニル酸が、無色の結晶の形で沈澱す
る。混合物を10℃に冷却した後、結晶を吸引ろ過し、
塩がなくなって中性になるまで、脱イオン水で洗浄し、
そして減圧下に100℃で一定の重量になるまで乾燥す
る。
【0040】151部の融点182〜182.5℃の5
−フルオロアントラニル酸が、純度99.8%(HPL
C)で得られる。これは、5−フルオロ−2−ブロモ安
息香酸に対して、理論量の97.2%の収率に相当す
る。
【0041】5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸のナト
リウム塩溶液の代わりに、219部の5−フルオロ−2
−ブロモ安息香酸を256.1部の21.9%濃度の水
性水酸化カリウムまたは217部の7.9%アンモニア
水溶液中に溶解することによって作られたカリウムまた
はアンモニア塩溶液のアリコート部を配量媒体として使
用し、その他の点では既に示した手順と同一の手順で行
なうと、5−フルオロアントラニル酸は、同一の収量お
よび品質で得られる。
【0042】計量時間を4時間まで増大し、反応を12
0℃で行なっても、同等の結果が得られる。 例10 例9の手順に従う。但し、過剰のアンモニアを蒸留した
後、例8に従って5−フルオロアントラニル酸塩溶液を
pH0.5に酸性化した後に、活性炭で清澄化し、次い
で例8に示したように生成物を精製処理すると、152
部の、融点182.6〜182.7℃の5−フルオロア
ントラニル酸が純度100%(HPLC)で得られる。
これは、5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸に対して、
理論量の98.1%の収率に相当する。
【0043】比較例1 ドイツ連邦共和国特許出願公開第4200512号明細
書の例5(例1と結合した)に従う5−フルオロ−2−
ブロモ安息香酸のアミノ化 69部の25%濃度のアンモニア水溶液中1.3部の酸
化銅(I)を窒素下にガラスフラスコ中に入れる。18
部の25%濃度のアンモニア溶液および60容積部の酢
酸エチル中21.9部の5−フルオロ−2−ブロモ安息
香酸の溶液を、攪拌しながら、25℃で、初期装入材料
に5分間にわたって添加する。
【0044】反応を完了するまで窒素下で行なう。安息
香酸アンモニウム溶液の添加後に、反応温度は約40℃
に上昇する。最初赤味を帯びている酸化銅(I)懸濁物
は、深い青色溶液に変わる。室温で1時間攪拌した後、
反応は完了する。銅との錯体をつくるために、このバッ
チに5.3部のエチレンジアミンテトラ酢酸をを添加
し、次いで塩酸を用いてpH3.1に酸性化し、そして
酢酸エチルを留去する。生成物を室温で単離する。
【0045】ろ過し、脱イオン水で洗浄し、そして減圧
下で100℃で乾燥した後、14部の融点177〜17
7.5℃の5−フルオロアントラニル酸が純度92.7
%(HPLC)で得られる。これは、使用した5−フル
オロ−2−ブロモ安息香酸に対して、理論量の83.7
%の収率に相当する。
【0046】ジメチルアセタミド中で5−フルオロ−2
−ブロモ安息香酸と5−フルオロアントラニル酸および
カセイソーダとを化学量論的に反応させることにより無
関係に合成された純粋な物質(HPLCによる純度:9
9.8%、融点281〜283℃)と比較すると、主要
な不純物は、4,4’−ジフルオロジフェニルアミン−
2,2’−ジカルボン酸と同定され、それは、7.1%
(HPLC)の比率で存在していることがわかった。
【0047】この方法で汚染された5−フルオロアント
ラニル酸は、上述の医薬および農業活性物質の製造に不
適当である。それを再結晶化または再沈澱により精製す
ることは不可能である。
【0048】比較例2 本発明に従うが、Cu塩の存在下でのアミノ化 例9を、1部のCuClを初期アンモニア溶液装入材料
に添加することだけを除いて、正確に繰り返す。5−フ
ルオロ−2−ブロモ安息香酸塩溶液を計量し、バッチを
仕上げ処理した後、融点176.5〜177.5℃の1
44部の5−フルオロアントラニル酸が純度91.9%
(HPLC)で得られる。これは、使用した5−フルオ
ロ−2−ブロモ安息香酸に対して、理論量の85.4%
の収率に相当する。
【0049】比較例1と同様に、主要な不純物は、4,
4’−ジフルオロジフェニルアミン−2,2’−ジカル
ボン酸と同定され、それは、7.6%(HPLC)の比
率で存在していることがわかった。これを、再結晶また
は再沈澱により精製して、上述の医薬品または農業活性
物質の製造に適した品質の生成物とすることは不可能で
あった。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 (72)発明者 テオドール・パペンフース ドイツ連邦共和国、60433 フランクフル ト、ハインリッヒ− ブライヒエル− ス トラーセ、40

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 5−フルオロ−2−ブロモトルエンを、
    触媒および酸性溶剤の存在下に、酸素または酸素含有ガ
    スと、80〜220℃の温度で反応させ、形成される5
    −フルオロ−2−ブロモ安息香酸を分離し、それをアン
    モニアと70〜180℃で反応させることを特徴とす
    る、5−フルオロアントラニル酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒が遷移金属イオンを含む、請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 触媒がコバルトイオンを含む、請求項1
    または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 触媒がコバルトイオンおよびマンガンイ
    オンを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 触媒が、遷移金属イオンに加えて臭化物
    イオンを含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 触媒が、遷移金属イオンと臭化物イオン
    とを1:(0.01〜2)、特に1:(0.1〜1)、
    好ましくは1:(0.2〜0.7)の比で含む、請求項
    1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 触媒が、コバルトイオンおよびマンガン
    イオンとを1:(0.01〜3)、特に1:(0.05
    〜1)の比で含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の方法。
  8. 【請求項8】 触媒が、5−フルオロ−2−ブロモトル
    エン1モルあたり、0.002〜0.1モル、特に0.
    003〜0.03モル、好ましくは0.005〜0.0
    15モルの遷移金属イオンに対応する量で使用される、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 使用される酸性溶剤が、炭素原子数1〜
    8、特に2〜6の脂肪族カルボン酸である、請求項1〜
    8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 【請求項10】 使用される酸性触媒が、酢酸、プロピ
    オン酸、n−酪酸、イソ酪酸またはそれらの混合物であ
    る、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 【請求項11】 使用される酸性溶剤が、酢酸および/
    またはプロピオン酸、特に酢酸である、請求項1〜10
    のいずれか1項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 酸性溶剤が無水形で使用される、請求
    項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 【請求項13】 酸素または酸素含有ガスとの反応の際
    に、反応混合物が15重量%より多い水を含まない、請
    求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 酸素または酸素含有ガスとの反応の際
    に、反応混合物が5重量%より多い水を含まない、請求
    項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 使用される酸素含有ガスは空気、特に
    乾燥空気である、請求項1〜14のいずれか1項に記載
    の方法。
  16. 【請求項16】 酸素または酸素含有ガスとの反応が、
    130〜180℃、特に135〜160℃で行なわれ
    る、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 液相への導入点で測定して、少なくと
    も0.15MPaの酸素部分圧が適用される、請求項1
    〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 液相への導入点で測定して、少なくと
    も0.25MPa、特に0.4MPaの酸素部分圧が適
    用される、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方
    法。
  19. 【請求項19】 形成される5−フルオロ−2−ブロモ
    安息香酸がろ過により分離され、得られる濾液から蒸留
    により水が除去されて、反応媒体として再使用される、
    請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 【請求項20】 5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸
    が、アンモニア水溶液と反応される、請求項1〜19の
    いずれか1項に記載の方法。
  21. 【請求項21】 5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸
    が、20〜50重量%、特に25〜33重量%の濃度の
    アンモニア含有水溶液と反応される、請求項1〜20の
    いずれか1項に記載の方法。
  22. 【請求項22】 アンモニアとの反応が、90〜150
    ℃、特に100〜130℃で行なわれる、請求項1〜2
    1のいずれか1項に記載の方法。
  23. 【請求項23】 アンモニアとの反応が、0.2〜2.
    5MPa、特に0.3〜1.5MPa、好ましくは0.
    5〜1.2MPaの圧力で行なわれる、請求項1〜22
    のいずれか1項に記載の方法。
  24. 【請求項24】 5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸
    が、5−フルオロ−2−ブロモ安息香酸のアンモニア塩
    および/またはアルカリ金属塩の水溶液の形で連続的に
    アンモニア溶液に通過させられる、請求項1〜23のい
    ずれか1項に記載の方法。
  25. 【請求項25】 5−フルオロアントラニル酸の酸性水
    溶液が、活性炭で処理され、活性炭がろ過され、5−フ
    ルオロアントラニル酸を沈澱させるために濾液にアルカ
    リが添加される、請求項1〜24のいずれか1項に記載
    の方法。
JP6244370A 1993-10-08 1994-10-07 5−フルオロアントラニル酸の製造方法 Withdrawn JPH07165687A (ja)

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DE59403001D1 (de) 1997-07-10
DE4334431A1 (de) 1995-04-13
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