JP2003179524A - 非接触伝送装置の移動側装置 - Google Patents
非接触伝送装置の移動側装置Info
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Landscapes
- Near-Field Transmission Systems (AREA)
- Mobile Radio Communication Systems (AREA)
- Optical Communication System (AREA)
- Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
- Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)
- Transceivers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電磁波を受信して電力を受取り情報信号の伝
送を行う、比較的簡単な構成でありながら、情報信号の
状態を制御し安定な伝送を行い得る非接触伝送装置に使
用される移動側装置を提供すること。 【解決手段】 固定側装置から電磁波により非接触方式
で給電された電力を受けて、無線通信し得る受動モジュ
ールとその付帯装置を備えた移動側装置である。この装
置は、電力受信部と信号送信部とを含み、電力受信部は
電磁波を電磁誘導コイルを有するヘッドで受信して電力
と指令制御信号を含む出力信号とを処理し出力信号の一
部を整流、平滑して電源用電力を形成する。信号送信部
は、電源用電力が与えられて付帯装置からの入力データ
に基づきデータ信号および電力受信部における出力信号
の受信状態を含む制御信号を形成する。そして、データ
信号および制御信号により変調された変調波を形成し、
信号送信部から電磁ヘッドを介して送信する。
送を行う、比較的簡単な構成でありながら、情報信号の
状態を制御し安定な伝送を行い得る非接触伝送装置に使
用される移動側装置を提供すること。 【解決手段】 固定側装置から電磁波により非接触方式
で給電された電力を受けて、無線通信し得る受動モジュ
ールとその付帯装置を備えた移動側装置である。この装
置は、電力受信部と信号送信部とを含み、電力受信部は
電磁波を電磁誘導コイルを有するヘッドで受信して電力
と指令制御信号を含む出力信号とを処理し出力信号の一
部を整流、平滑して電源用電力を形成する。信号送信部
は、電源用電力が与えられて付帯装置からの入力データ
に基づきデータ信号および電力受信部における出力信号
の受信状態を含む制御信号を形成する。そして、データ
信号および制御信号により変調された変調波を形成し、
信号送信部から電磁ヘッドを介して送信する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非接触伝送装置、すな
わち比較的近接し対向して配置された固定部および移動
部の各装置間で授受するデジタル信号やデジタル化され
たデータ信号またはアナログ信号などの情報信号を、光
領域を含む電磁波を媒体として非接触で伝送させる装置
における、移動側装置として構成されたものに関する。 【0002】すなわち、非接触伝送装置は複数組の装置
を結合してなる静止機器およびNC工作機械,ロボット
装置,搬送装置などの自動機械あるいは車両とか飛翔体
などのような移動を伴う各種の機械装置等に適用され
る。そして、本体の固定側と他方の運動や移動を行う側
との何れか一方に能動モジュールを、他方に受動モジュ
ールを装備する。これにより、能動モジュールの送信ヘ
ッドから受動モジュールの受信ヘッドに対し、電磁波ま
たは光などにより非接触で電力や指令制御信号等の情報
信号を送信したり、受動モジュールの送信ヘッドからは
種々のデータ信号、例えば形状、位置、歪、温度、色彩
など各種の情報信号や電力信号を非接触で伝送したりす
るものである。 【0003】このような伝送装置において、本発明の移
動側装置は安定に情報信号と動作電力の伝送を非接触で
行いたい場合に用いて好適なものである。 【0004】 【従来の技術】従来、無線通信方式による幾つかの交信
手段があり、例えば対象物から固有のマーカ符号を抽出
するようにした識別装置や、受信局の検出情報に応じて
送信出力を制御する方式にみられるような装置では、い
ずれも送信側および受信側のそれぞれに電源を備え、情
報信号の送受信を行っている。 【0005】固定−回転装置間の電力、信号伝達装置や
特に従来のデータ入出力カードでは、電源の供給方法な
どに多くの難点があった。 【0006】 【発明が解決すべき課題】固定側装置と移動側装置とを
有する複数の装置間において、電力の供給および情報信
号の送受信を行う場合、従来の接点による接触結合方式
では高精度化に問題があった。また、本発明装置に類す
る伝送装置の安定化の手段として、従来は、モジュール
内部の受信回路において受信信号の強度に応じ自動的に
増幅回路の利得を調節するAGC(Automatic Gain Cont
rol)回路が用いられている。しかし、この場合のAGC
は受信回路部分だけの利得を制御する場合が多い。 【0007】このため、本発明に係る装置の如く、受動
モジュールで必要とする電源等の電力を能動モジュール
から非接触で供給したうえで、受動モジュールから発信
するデータ等の情報を能動モジュールにおいて非接触で
受信する方式のものに対しては、距離に比例して大きく
なる伝送損失が往復で効いてくる。 【0008】このような従来の技術では、能動モジュー
ルと受動モジュールとの間が比較的短距離であっても、
能動モジュールの電力送信回路の同調に係る要素や動作
条件が変動すると、伝送効率が変動しその影響で伝送電
力も変化する。特に受動モジュールにおいては、伝送電
力の変動や回路内部における伝送信号の状態が不安定に
なりやすい。 【0009】また、例えば伝送距離が殆どゼロになるよ
うな状態のときは、受動モジュールの情報受信回路は強
電界のためにAGCのみでは利得の補正がし切れず、入
力段階で飽和し伝送不能になる場合がある等、解決が望
まれている。 【0010】 【発明の目的】本発明の目的は、電磁波を受信して電力
を受取り情報信号の伝送を行う、比較的簡単な構成であ
りながら、情報信号の状態を制御し安定な伝送を行い得
る非接触伝送装置に使用される移動側装置を提供するこ
とである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、固定側装置から電磁波により非接触方式で給
電された電力を受けて、無線通信し得る受動モジュール
とその付帯装置を備えた移動側装置であって、電力受信
部と信号送信部とを含み、前記電力受信部は前記電磁波
を受信する電磁誘導コイルを有するヘッドを備え、当該
ヘッドで受信した前記電磁波から変換された電力と指令
制御信号とを含む出力信号を情報処理する手段と、前記
出力信号の一部を整流、平滑して電源用電力を形成し前
記受動モジュールおよび前記付帯装置に給電する手段と
を有し、前記信号送信部は、前記電源用電力が与えられ
て前記付帯装置から供給される入力データに基づきデー
タ信号を形成する手段と、前記電源用電力が与えられて
前記電力受信部における前記出力信号の受信状態を含む
制御信号を形成する手段を有し、さらに前記データ信号
および前記制御信号により変調された変調波を形成する
手段と、これらの変調波を前記信号送信部から前記ヘッ
ドを介して送信する伝送制御回路とを備えることを特徴
とする非接触伝送装置の移動側装置、を提供するもので
ある。なお、電磁波の送信と受信とを行うへッドは、コ
ンデンサを並列接続したコイルを有する電磁ヘッドとし
て、あるいは光電変換素子による光ヘッドとして構成し
てもよい。 【0012】本発明に係わる電力や情報信号を非接触で
伝送する媒体として用いられる電磁波は、商用周波数以
上の交流で低周波からマイクロ波を含むものであり、さ
らに紫外から赤外に至る光も伝送媒体として適用される
ものである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の基本構成は、能動モジュ
ールに備えた第1のヘッドから受動モジュールに備えた
第2のヘッドに向けて電力伝送用電磁波を送信し、受動
モジュールから能動モジュールに信号伝送用電磁波を伝
送する非接触伝送装置としてのものである。 【0014】図1は、能動モジュールで受信した受動モ
ジュールからの情報信号の信号強度に基づいて、電力の
発送出力を自動的に制御する手段を備えた装置の実施例
を説明するブロック線図である。図中、Aは能動モジュ
ール、Bは受動モジュールを表わしており、能動モジュ
ールAは電力や情報信号を扱う電力送信部および情報信
号を受信する信号受信部などを有し、受動モジュールB
は電力や情報信号を受けて処理する電力受信部および情
報信号を送信する信号送受信部などを有している。 【0015】能動モジュールAの電力送信部は、電力発
送用周波数を発振するf1発振回路1の出力を、RF
(高周波)バッファアンプ2を経て受けるRFパワーア
ンプ3により電力増幅し、電磁送信ヘッド4(ヘッドの
構成は後述)からその電磁波を放射する。この電磁波
は、受動モジュールBの電磁受信ヘッド5に捕捉された
のち、整流平滑回路6により直流E1とされて受動モジ
ュールB内の各回路および付加回路の動作用電源として
供給されるので、受動モジュールBは見掛け上無電源で
動作する。 【0016】この場合、電力伝送に係わる電磁送信ヘッ
ド4と電磁受信ヘッド5との距離が大きくなるにつれて
電磁受信ヘッド5に誘導される電力は大きく減衰する。
また、受動モジュールに付帯した装置の回路等から入力
されるアナログデータDi1などの情報は、AF(低周
波)アンプ7によってスケーリングなどの必要な処理が
行なわれた後、信号伝送用周波数を発振するf2発振回
路8の出力とともに変調回路9において変調信号とな
り、RFパワーアンプ10によって電力増幅されて電磁
送信ヘッド11から空中へ電磁波として放射される。 【0017】この電磁波は、能動モジュールAの電磁受
信ヘッド12により捕捉され、次のRFアンプ13で増
幅された後、検波回路14によって元のデータなどの情
報に復調され、AFバッファアンプ15を経たうえで、
出力データDo1などの情報として出力したり、その出
力状況を観測したりすることができる。 【0018】この場合、RFアンプ13の出力の一部
は、キャリア検波回路16によって検波、直流化され適
当な時定数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器1
8を経て、RFバッファアンプ2やRFパワーアンプ3
の電源に直列に挿入された電圧制御回路19の制御端に
印加される。このようにして、先に述べたように電力の
発送出力を自動的に制御することができる。 【0019】なお、このような発送出力を制御する一般
的な方法としての、バッファアンプやパワーアンプのバ
イアス値を調節する手段を適用してもよいことはいうま
でもない。それらの値を大幅に変化させるには、真空管
の場合でいう動作級(A,B,C級など)を変化させる
ことになり、効率やリニアリティなどの面から見て好ま
しくない。したがって、本発明の実施例では、バイアス
値を変えるのではなく、電圧制御回路19によってRF
バッファアンプ2やRFパワーアンプ3の電源電圧を自
動的に調整することによってRF出力を制御するように
している。 【0020】このような電源の安定化手段と並行に、能
動モジュールAの信号受信部において受信した信号強度
を電力送信部に常時ネガティブ・フィードバック、すな
わち受信した信号強度が弱いときには電力送信部の出力
を増強し、逆の場合には低減させるようなフィードバッ
ク動作を自動的に行うように回路を構成することによっ
て、常に受動モジュールBに到達する電力の一定化を図
るようにした。なお、本発明の実施例の如く非接触で行
なわれる電力伝送および情報伝送に係る媒体が双方とも
電磁波であるような場合には、大きな出力の電力伝送系
に係わる電磁界が情報伝送系に影響しないように、異な
る周波数を使用したり、フィルタリングやシールディン
グを行ったりすることも必要である。 【0021】電磁界用の送信ヘッド4,11および受信
ヘッド5,12は、それぞれコンデンサを並列に接続し
たコイルを用いることができ、電磁送信ヘッド4および
電磁受信ヘッド5については、電力用と情報信号用との
2つのコイルを別個にそれぞれ単巻として2対分使用し
てもよい。しかし、能動モジュールと受動モジュールと
を単に対向させて使用するような場合には、周波数特性
の異なる電力用および情報信号用の2種類の磁性体コア
にそれぞれコイルを巻いたものを一体化して1個のヘッ
ドにし、一方を送信用、他方を受信用にすれば一対だけ
で済ますことができ、全体の形を小さくすることができ
る。 【0022】電力または情報信号の伝送効率を考慮した
うえで、磁性体コアを使用せずに空心コイルにしても良
いし、何れか片方のコイルのみに磁性体コアを使用し片
方を空心コイルとしてもよい。また、受動モジュールを
回転するシャフトのようなものに取付けて使用する場合
であれば、その外側に空隙をおいて固定した能動モジュ
ールを同軸状に構成することもできる。あるいは、例え
ば受動側モジュールを設置した装置が平板状をしたもの
であれば、ヘッドの形状も平面的なものが要求されるこ
とになるが、このような場合にはプリント配線を利用し
て単巻または積層プリントコイルを形成することにより
対応できる。 【0023】図2は、本発明の一実施例の構成を示した
ものである。この実施例では、能動モジュールAから発
送された電力の大きさの変化を受動モジュールBで受信
した上で、その変化量を能動モジュールAにフィードバ
ックし、能動モジュールAにおいて受信した信号強度に
応じて電力の発送出力を自動的に制御し、全体として受
動モジュールBに伝送される電力を一定にするように構
成されている。この実施例も、能動モジュールAから受
動モジュールBに向けて電力とともに指令制御信号等を
含む情報信号を伝送する手段は前述と同様であるから、
説明を省略する。 【0024】但し、電力送信系の伝送媒体として光を、
また信号系の伝送媒体として電磁波を使用した例であ
る。能動モジュールAの光学送信ヘッド20から放射さ
れた電力発送用の光束は、受動モジュールBの光/電変
換機能を持つ光学受信ヘッド21に捕捉される。その出
力の一部は、平滑回路22によって直流出力E2とな
り、受動モジュールBの各回路および付帯する外部回路
における動作電源用として供給される。 【0025】そして、他の一部は、適当な時定数を持つ
時定数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器18を
経て、サブキャリア1発振変調回路23によって光学受
信ヘッド21の出力に対応した変調波Fs1となる。ま
た受動モジュールBに付帯した外部回路で得られたデー
タ信号Di2などの情報は、AFアンプ7においてスケ
ーリングなどの必要な処理を施され、次のサブキャリア
2発振変調回路24を経ることによって育成されたデー
タ信号Di2などの情報に対応した変調波Fs2となる。 【0026】そして変調波Fs2は、変調波Fs1ととも
にミキサ回路25によって混合され、更にメインキャリ
ア発振回路26の出力で駆動される変調回路9に入力さ
れて変調波となる。この変調波は、RFパワーアンプ1
0において電力増幅を受けた後、信号用の電磁送信ヘッ
ド11から電磁波の情報信号として空間に放射される。
これを、能動モジュールAでは、電磁受信ヘッド12に
より受信した後、RFアンプ13において増幅し、メイ
ンキャリアに対する検波回路14によってサブキャリア
による変調波Fs1’および変調波Fs2’の混合波とし
て復調する。 【0027】これらの変調波のうちデータ信号Fs2’
は、サブキャリア2検波回路27によって復調され、A
Fバッファアンプ15を経てデータ出力信号Do2など
の情報として、外部回路において使用される。また光学
受信ヘッド21の出力に対応した変調波Fs1’は、サ
ブキャリア1検波回路28によって復調された後、時定
数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器18を経
て、AFパワーアンプ29の出力を制御する目的で、そ
の電源回路に直列に挿入された電圧制御回路19の制御
入力に印加される。 【0028】そして、AFパワーアンプ29の出力は、
電/光変換機能を持つ光学送信ヘッド20から光束に変
換されて受動モジュールBに向けて放射される。このよ
うに能動モジュールAから発送された電力の変化を、受
動モジュールBで受信した上で、その発送電力の出力に
係る信号強度として能動モジュールAに返送する。能動
モジュールAは、受信した情報信号の信号強度の値に応
じて電力送信部にネガティブ・フィードバックを掛ける
ことにより、モジュール間の距離変化に関係なく信号強
度をほぼ一定に保つことができる。能動モジュールA、
受動モジュールB間の送受信は、光を含む電磁波を種々
組み合わせて行うことができ、光送信および電磁受信を
行う一方のヘッドと、光受信および電磁送信を行う他方
のヘッドとを図示以外の組合せで利用することができ
る。 【0029】(変形例)上記実施例の変調方式に換え
て、通常の無線通信などで用いられる各種の変調方式の
殆どを適用できることは自明であり、上述の制御ととも
に各モジュール内の受信系のみを対象とした通常のAG
Cを併用することもあり得る。 【0030】また、図2の実施例に示した光学送信ヘッ
ド20としては、高出力LEDや半導体レ−ザまたは光
出力変調器の付いたガスレ−ザなどの電/光変換素子
と、レンズなどの光学系から構成されたものが使用でき
る。光学受信ヘッド21としては、フォトトランジス
タ、フォトダイオ−ド、CdSあるいは光電管などの光
/電変換素子と、光学送信ヘッドの発生光のみを透過さ
せ外乱光を減衰させるような分光特性を持つ光学フイル
タを組み合わせた光学系などが適用できる。これらの光
学系には、レンズのほかに反射鏡などを用いることがで
きる。 【0031】 【発明の効果】本発明の移動側装置は、受動モジュール
に非接触で供給された動作電力を用いるので、電源の配
線とか接点が不要であり、また電源用電池を交換する必
要などがない。さらに、電磁波によるデータ信号その他
の情報信号の送受信時に変、復調を行うことは、電子回
路の簡単化と少ない消費電力で正確に情報の授受を行わ
せる有効な手段である。そして情報処理の目的とシステ
ムの構成に応じて本発明の移動側装置に各種の変調方式
が適用できる。そのうえ、情報信号を含む出力信号から
作られる制御情報と付帯装置から入力されるデータとの
2つの情報に変調を施して送信することができるので、
単一の電磁波であっても少なくとも2種の内容を持つ情
報を高信頼度で伝送することもできる。また、電磁ヘッ
ドにコンデンサと平面コイルを並列接続した共振回路を
用い、さらに受動モジュールおよび付帯装置などに集積
化回路を適用して一体化をはかることにより小型平板状
のICカードを構成することが可能になるなど、情報伝
送媒体の利用形態を広げることができる。
わち比較的近接し対向して配置された固定部および移動
部の各装置間で授受するデジタル信号やデジタル化され
たデータ信号またはアナログ信号などの情報信号を、光
領域を含む電磁波を媒体として非接触で伝送させる装置
における、移動側装置として構成されたものに関する。 【0002】すなわち、非接触伝送装置は複数組の装置
を結合してなる静止機器およびNC工作機械,ロボット
装置,搬送装置などの自動機械あるいは車両とか飛翔体
などのような移動を伴う各種の機械装置等に適用され
る。そして、本体の固定側と他方の運動や移動を行う側
との何れか一方に能動モジュールを、他方に受動モジュ
ールを装備する。これにより、能動モジュールの送信ヘ
ッドから受動モジュールの受信ヘッドに対し、電磁波ま
たは光などにより非接触で電力や指令制御信号等の情報
信号を送信したり、受動モジュールの送信ヘッドからは
種々のデータ信号、例えば形状、位置、歪、温度、色彩
など各種の情報信号や電力信号を非接触で伝送したりす
るものである。 【0003】このような伝送装置において、本発明の移
動側装置は安定に情報信号と動作電力の伝送を非接触で
行いたい場合に用いて好適なものである。 【0004】 【従来の技術】従来、無線通信方式による幾つかの交信
手段があり、例えば対象物から固有のマーカ符号を抽出
するようにした識別装置や、受信局の検出情報に応じて
送信出力を制御する方式にみられるような装置では、い
ずれも送信側および受信側のそれぞれに電源を備え、情
報信号の送受信を行っている。 【0005】固定−回転装置間の電力、信号伝達装置や
特に従来のデータ入出力カードでは、電源の供給方法な
どに多くの難点があった。 【0006】 【発明が解決すべき課題】固定側装置と移動側装置とを
有する複数の装置間において、電力の供給および情報信
号の送受信を行う場合、従来の接点による接触結合方式
では高精度化に問題があった。また、本発明装置に類す
る伝送装置の安定化の手段として、従来は、モジュール
内部の受信回路において受信信号の強度に応じ自動的に
増幅回路の利得を調節するAGC(Automatic Gain Cont
rol)回路が用いられている。しかし、この場合のAGC
は受信回路部分だけの利得を制御する場合が多い。 【0007】このため、本発明に係る装置の如く、受動
モジュールで必要とする電源等の電力を能動モジュール
から非接触で供給したうえで、受動モジュールから発信
するデータ等の情報を能動モジュールにおいて非接触で
受信する方式のものに対しては、距離に比例して大きく
なる伝送損失が往復で効いてくる。 【0008】このような従来の技術では、能動モジュー
ルと受動モジュールとの間が比較的短距離であっても、
能動モジュールの電力送信回路の同調に係る要素や動作
条件が変動すると、伝送効率が変動しその影響で伝送電
力も変化する。特に受動モジュールにおいては、伝送電
力の変動や回路内部における伝送信号の状態が不安定に
なりやすい。 【0009】また、例えば伝送距離が殆どゼロになるよ
うな状態のときは、受動モジュールの情報受信回路は強
電界のためにAGCのみでは利得の補正がし切れず、入
力段階で飽和し伝送不能になる場合がある等、解決が望
まれている。 【0010】 【発明の目的】本発明の目的は、電磁波を受信して電力
を受取り情報信号の伝送を行う、比較的簡単な構成であ
りながら、情報信号の状態を制御し安定な伝送を行い得
る非接触伝送装置に使用される移動側装置を提供するこ
とである。 【0011】 【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明では、固定側装置から電磁波により非接触方式で給
電された電力を受けて、無線通信し得る受動モジュール
とその付帯装置を備えた移動側装置であって、電力受信
部と信号送信部とを含み、前記電力受信部は前記電磁波
を受信する電磁誘導コイルを有するヘッドを備え、当該
ヘッドで受信した前記電磁波から変換された電力と指令
制御信号とを含む出力信号を情報処理する手段と、前記
出力信号の一部を整流、平滑して電源用電力を形成し前
記受動モジュールおよび前記付帯装置に給電する手段と
を有し、前記信号送信部は、前記電源用電力が与えられ
て前記付帯装置から供給される入力データに基づきデー
タ信号を形成する手段と、前記電源用電力が与えられて
前記電力受信部における前記出力信号の受信状態を含む
制御信号を形成する手段を有し、さらに前記データ信号
および前記制御信号により変調された変調波を形成する
手段と、これらの変調波を前記信号送信部から前記ヘッ
ドを介して送信する伝送制御回路とを備えることを特徴
とする非接触伝送装置の移動側装置、を提供するもので
ある。なお、電磁波の送信と受信とを行うへッドは、コ
ンデンサを並列接続したコイルを有する電磁ヘッドとし
て、あるいは光電変換素子による光ヘッドとして構成し
てもよい。 【0012】本発明に係わる電力や情報信号を非接触で
伝送する媒体として用いられる電磁波は、商用周波数以
上の交流で低周波からマイクロ波を含むものであり、さ
らに紫外から赤外に至る光も伝送媒体として適用される
ものである。 【0013】 【発明の実施の形態】本発明の基本構成は、能動モジュ
ールに備えた第1のヘッドから受動モジュールに備えた
第2のヘッドに向けて電力伝送用電磁波を送信し、受動
モジュールから能動モジュールに信号伝送用電磁波を伝
送する非接触伝送装置としてのものである。 【0014】図1は、能動モジュールで受信した受動モ
ジュールからの情報信号の信号強度に基づいて、電力の
発送出力を自動的に制御する手段を備えた装置の実施例
を説明するブロック線図である。図中、Aは能動モジュ
ール、Bは受動モジュールを表わしており、能動モジュ
ールAは電力や情報信号を扱う電力送信部および情報信
号を受信する信号受信部などを有し、受動モジュールB
は電力や情報信号を受けて処理する電力受信部および情
報信号を送信する信号送受信部などを有している。 【0015】能動モジュールAの電力送信部は、電力発
送用周波数を発振するf1発振回路1の出力を、RF
(高周波)バッファアンプ2を経て受けるRFパワーア
ンプ3により電力増幅し、電磁送信ヘッド4(ヘッドの
構成は後述)からその電磁波を放射する。この電磁波
は、受動モジュールBの電磁受信ヘッド5に捕捉された
のち、整流平滑回路6により直流E1とされて受動モジ
ュールB内の各回路および付加回路の動作用電源として
供給されるので、受動モジュールBは見掛け上無電源で
動作する。 【0016】この場合、電力伝送に係わる電磁送信ヘッ
ド4と電磁受信ヘッド5との距離が大きくなるにつれて
電磁受信ヘッド5に誘導される電力は大きく減衰する。
また、受動モジュールに付帯した装置の回路等から入力
されるアナログデータDi1などの情報は、AF(低周
波)アンプ7によってスケーリングなどの必要な処理が
行なわれた後、信号伝送用周波数を発振するf2発振回
路8の出力とともに変調回路9において変調信号とな
り、RFパワーアンプ10によって電力増幅されて電磁
送信ヘッド11から空中へ電磁波として放射される。 【0017】この電磁波は、能動モジュールAの電磁受
信ヘッド12により捕捉され、次のRFアンプ13で増
幅された後、検波回路14によって元のデータなどの情
報に復調され、AFバッファアンプ15を経たうえで、
出力データDo1などの情報として出力したり、その出
力状況を観測したりすることができる。 【0018】この場合、RFアンプ13の出力の一部
は、キャリア検波回路16によって検波、直流化され適
当な時定数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器1
8を経て、RFバッファアンプ2やRFパワーアンプ3
の電源に直列に挿入された電圧制御回路19の制御端に
印加される。このようにして、先に述べたように電力の
発送出力を自動的に制御することができる。 【0019】なお、このような発送出力を制御する一般
的な方法としての、バッファアンプやパワーアンプのバ
イアス値を調節する手段を適用してもよいことはいうま
でもない。それらの値を大幅に変化させるには、真空管
の場合でいう動作級(A,B,C級など)を変化させる
ことになり、効率やリニアリティなどの面から見て好ま
しくない。したがって、本発明の実施例では、バイアス
値を変えるのではなく、電圧制御回路19によってRF
バッファアンプ2やRFパワーアンプ3の電源電圧を自
動的に調整することによってRF出力を制御するように
している。 【0020】このような電源の安定化手段と並行に、能
動モジュールAの信号受信部において受信した信号強度
を電力送信部に常時ネガティブ・フィードバック、すな
わち受信した信号強度が弱いときには電力送信部の出力
を増強し、逆の場合には低減させるようなフィードバッ
ク動作を自動的に行うように回路を構成することによっ
て、常に受動モジュールBに到達する電力の一定化を図
るようにした。なお、本発明の実施例の如く非接触で行
なわれる電力伝送および情報伝送に係る媒体が双方とも
電磁波であるような場合には、大きな出力の電力伝送系
に係わる電磁界が情報伝送系に影響しないように、異な
る周波数を使用したり、フィルタリングやシールディン
グを行ったりすることも必要である。 【0021】電磁界用の送信ヘッド4,11および受信
ヘッド5,12は、それぞれコンデンサを並列に接続し
たコイルを用いることができ、電磁送信ヘッド4および
電磁受信ヘッド5については、電力用と情報信号用との
2つのコイルを別個にそれぞれ単巻として2対分使用し
てもよい。しかし、能動モジュールと受動モジュールと
を単に対向させて使用するような場合には、周波数特性
の異なる電力用および情報信号用の2種類の磁性体コア
にそれぞれコイルを巻いたものを一体化して1個のヘッ
ドにし、一方を送信用、他方を受信用にすれば一対だけ
で済ますことができ、全体の形を小さくすることができ
る。 【0022】電力または情報信号の伝送効率を考慮した
うえで、磁性体コアを使用せずに空心コイルにしても良
いし、何れか片方のコイルのみに磁性体コアを使用し片
方を空心コイルとしてもよい。また、受動モジュールを
回転するシャフトのようなものに取付けて使用する場合
であれば、その外側に空隙をおいて固定した能動モジュ
ールを同軸状に構成することもできる。あるいは、例え
ば受動側モジュールを設置した装置が平板状をしたもの
であれば、ヘッドの形状も平面的なものが要求されるこ
とになるが、このような場合にはプリント配線を利用し
て単巻または積層プリントコイルを形成することにより
対応できる。 【0023】図2は、本発明の一実施例の構成を示した
ものである。この実施例では、能動モジュールAから発
送された電力の大きさの変化を受動モジュールBで受信
した上で、その変化量を能動モジュールAにフィードバ
ックし、能動モジュールAにおいて受信した信号強度に
応じて電力の発送出力を自動的に制御し、全体として受
動モジュールBに伝送される電力を一定にするように構
成されている。この実施例も、能動モジュールAから受
動モジュールBに向けて電力とともに指令制御信号等を
含む情報信号を伝送する手段は前述と同様であるから、
説明を省略する。 【0024】但し、電力送信系の伝送媒体として光を、
また信号系の伝送媒体として電磁波を使用した例であ
る。能動モジュールAの光学送信ヘッド20から放射さ
れた電力発送用の光束は、受動モジュールBの光/電変
換機能を持つ光学受信ヘッド21に捕捉される。その出
力の一部は、平滑回路22によって直流出力E2とな
り、受動モジュールBの各回路および付帯する外部回路
における動作電源用として供給される。 【0025】そして、他の一部は、適当な時定数を持つ
時定数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器18を
経て、サブキャリア1発振変調回路23によって光学受
信ヘッド21の出力に対応した変調波Fs1となる。ま
た受動モジュールBに付帯した外部回路で得られたデー
タ信号Di2などの情報は、AFアンプ7においてスケ
ーリングなどの必要な処理を施され、次のサブキャリア
2発振変調回路24を経ることによって育成されたデー
タ信号Di2などの情報に対応した変調波Fs2となる。 【0026】そして変調波Fs2は、変調波Fs1ととも
にミキサ回路25によって混合され、更にメインキャリ
ア発振回路26の出力で駆動される変調回路9に入力さ
れて変調波となる。この変調波は、RFパワーアンプ1
0において電力増幅を受けた後、信号用の電磁送信ヘッ
ド11から電磁波の情報信号として空間に放射される。
これを、能動モジュールAでは、電磁受信ヘッド12に
より受信した後、RFアンプ13において増幅し、メイ
ンキャリアに対する検波回路14によってサブキャリア
による変調波Fs1’および変調波Fs2’の混合波とし
て復調する。 【0027】これらの変調波のうちデータ信号Fs2’
は、サブキャリア2検波回路27によって復調され、A
Fバッファアンプ15を経てデータ出力信号Do2など
の情報として、外部回路において使用される。また光学
受信ヘッド21の出力に対応した変調波Fs1’は、サ
ブキャリア1検波回路28によって復調された後、時定
数回路17およびゲイン調整用の可変抵抗器18を経
て、AFパワーアンプ29の出力を制御する目的で、そ
の電源回路に直列に挿入された電圧制御回路19の制御
入力に印加される。 【0028】そして、AFパワーアンプ29の出力は、
電/光変換機能を持つ光学送信ヘッド20から光束に変
換されて受動モジュールBに向けて放射される。このよ
うに能動モジュールAから発送された電力の変化を、受
動モジュールBで受信した上で、その発送電力の出力に
係る信号強度として能動モジュールAに返送する。能動
モジュールAは、受信した情報信号の信号強度の値に応
じて電力送信部にネガティブ・フィードバックを掛ける
ことにより、モジュール間の距離変化に関係なく信号強
度をほぼ一定に保つことができる。能動モジュールA、
受動モジュールB間の送受信は、光を含む電磁波を種々
組み合わせて行うことができ、光送信および電磁受信を
行う一方のヘッドと、光受信および電磁送信を行う他方
のヘッドとを図示以外の組合せで利用することができ
る。 【0029】(変形例)上記実施例の変調方式に換え
て、通常の無線通信などで用いられる各種の変調方式の
殆どを適用できることは自明であり、上述の制御ととも
に各モジュール内の受信系のみを対象とした通常のAG
Cを併用することもあり得る。 【0030】また、図2の実施例に示した光学送信ヘッ
ド20としては、高出力LEDや半導体レ−ザまたは光
出力変調器の付いたガスレ−ザなどの電/光変換素子
と、レンズなどの光学系から構成されたものが使用でき
る。光学受信ヘッド21としては、フォトトランジス
タ、フォトダイオ−ド、CdSあるいは光電管などの光
/電変換素子と、光学送信ヘッドの発生光のみを透過さ
せ外乱光を減衰させるような分光特性を持つ光学フイル
タを組み合わせた光学系などが適用できる。これらの光
学系には、レンズのほかに反射鏡などを用いることがで
きる。 【0031】 【発明の効果】本発明の移動側装置は、受動モジュール
に非接触で供給された動作電力を用いるので、電源の配
線とか接点が不要であり、また電源用電池を交換する必
要などがない。さらに、電磁波によるデータ信号その他
の情報信号の送受信時に変、復調を行うことは、電子回
路の簡単化と少ない消費電力で正確に情報の授受を行わ
せる有効な手段である。そして情報処理の目的とシステ
ムの構成に応じて本発明の移動側装置に各種の変調方式
が適用できる。そのうえ、情報信号を含む出力信号から
作られる制御情報と付帯装置から入力されるデータとの
2つの情報に変調を施して送信することができるので、
単一の電磁波であっても少なくとも2種の内容を持つ情
報を高信頼度で伝送することもできる。また、電磁ヘッ
ドにコンデンサと平面コイルを並列接続した共振回路を
用い、さらに受動モジュールおよび付帯装置などに集積
化回路を適用して一体化をはかることにより小型平板状
のICカードを構成することが可能になるなど、情報伝
送媒体の利用形態を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成例を示すブロック線図。
【図2】本発明の一実施例の構成を示すブロック線図。
【符号の説明】
1 f1発振回路
2 RFバッファアンプ
3 RFパワーアンプ
4 電磁送信ヘッド
5 電磁受信ヘッド
6 整流平滑回路
7 AFアンプ
8 f2発振回路
9 変調回路
10 RFパワーアンプ
11 電磁送信ヘッド
12 電磁受信ヘッド
13 RFアンプ
14 検波回路
15 AFバッファアンプ
16 キャリア検波回路
17 時定数回路
18 可変抵抗器
19 電圧制御回路
20 光学送信ヘッド
21 光学受信ヘッド
22 平滑回路
23 サブキャリア1発振変調回路
24 サブキャリア2発振変調回路
25 ミキサ回路
26 メインキャリア発振回路
27 サブキャリア2検波回路
28 サブキャリア1検波回路
29 AFパワーアンプ
A 能動モジュール
B 受動モジュール
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 松 下 昭
神奈川県川崎市宮前区宮崎1丁目12番地5
Fターム(参考) 5K012 AB03 AB12 AB18 AC06 AC08
AC10 AD00 AE13 BA02
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】固定側装置から電磁波により非接触方式で
給電された電力を受けて無線通信し得る受動モジュール
とその付帯装置とを備えた移動側装置であって、 前記移動側装置は、電力受信部と信号送信部とを含み、 前記電力受信部は、前記電磁波を受信する電磁誘導コイ
ルを有するヘッドと、当該ヘッドで受信した前記電磁波
から変換された電力と指令制御信号とを含む出力信号を
情報処理する手段と、前記出力信号の一部を整流、平滑
して電源用電力を形成し、前記受動モジュールおよび前
記付帯装置に給電する手段とを有し、 前記信号送信部は、前記電源用電力が与えられて前記付
帯装置から供給される入力データに基づきデータ信号を
形成する手段と、前記電源用電力が与えられて前記電力
受信部における前記出力信号の受信状態を含む制御信号
を形成する手段と、前記データ信号および前記制御信号
により変調された変調波を形成する手段と、これらの変
調波を前記信号送信部から前記ヘッドを介して送信する
伝送制御回路とを備えることを特徴とする非接触伝送装
置の移動側装置。
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