JP2003172984A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高画質であり、保存性、ラボでの仕上がり均
一性、ならびに処理安定性に優れ、かつマゼンタ濃度の
バラツキが少ないハロゲン化銀カラー写真感光材料、特
に映画用カラーポジ感光材料として好適に用いられるハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料を提供する。 【解決手段】 透過型支持体上に、イエロー、マゼン
タ、及びシアン色素形成カプラーのうちいずれか少なく
とも一つを含有し、かつ互いに感色性の異なるハロゲン
化銀乳剤粒子を含有する少なくとも3種の感光性親水性
コロイド層を有してなるハロゲン化銀カラー写真感光材
料であって、前記ハロゲン化銀乳剤粒子すべてにおける
ハロゲン組成が、塩化銀含有率95モル%以上の塩臭化
銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀、又は塩化銀であり、かつ緑
感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の少なくとも一種にIrが
ドープされており、かつ緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子
の平均球相当径サイズが0.25μm以下であり、かつ
ハロゲン化銀カラー写真感光材料中のFe量が2×10
-5mol/m2以下であるハロゲン化銀カラー写真感光
材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料に関し、詳しくは、映画用カラー写真感
光材料として好適に用いられ、高画質であり、保存性及
び処理安定性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料
に関する。
【0002】
【従来の技術】色素画像の鑑賞、記録、保存に用いられ
ているハロゲン化銀カラー写真感光材料において、その
高画質化は常に望まれており、従来から数多くの研究が
行われている。ハロゲン化銀写真の応用である映画は、
1秒間に24枚の緻密な静止画を順次に投影し動画像を
得る方法であり、他の動画像を得る方法に対して圧倒的
な高画質を有している。しかしながら最近の急速な電子
技術及び情報処理技術の発達はテキサスインスツルメン
ト社のDMDデバイスを用いたプロジェクターやヒュー
ズJVC社のILAプロジェクターなどの、映画に迫る
画質のより簡便な動画再生手段を提案できるまでに到っ
た。したがって映画に対してもより一層の高画質化、取
り扱いの簡便性、さらには現像処理の迅速化(時間短
縮)が求められているのが現状である。
【0003】映画用、その中でも特に映写の段階で用い
られる感光材料(映画用カラーポジフィルム)は、映写
機を通して直接ユーザーに鑑賞されるため高画質である
こと、また世界中の映画館で鑑賞されるため大量に生産
する必要があり現像処理の迅速化、かつそれぞれが安定
した均一な性能で仕上がること等が要求される。まず、
現像処理の迅速化については、ハロゲン化銀写真感光材
料の現像時間の短縮は従来から重要な課題として取り上
げられ、現像速度の速いハロゲン化銀乳剤、カップリン
グ活性の高いカプラーあるいは迅速現像が可能な処理剤
などに関する研究が多く行われてきた。特に、塩化銀含
有率の高いハロゲン化銀乳剤を用いることはカラー写真
感光材料の迅速処理に極めて有効な手段である(例え
ば、特許文献1参照。)。高画質なこと、ならびに劇場
でスクリーンに映写された際のシーンの再現が良好なこ
とが重要である。映画は映写時に拡大投影されることか
ら、用いられる感光材料には細かい粒状性が求められ
る。粒状性向上については比較的小サイズのハロゲン化
銀粒子の使用技術がこれまで開示されている(例えば、
特許文献2〜4参照。)。ここではハロゲン化銀粒子の
平板粒子化による粒状性のさらなる改良技術、感光材料
の層構成の工夫、拡散性DIR化合物の併用などによ
り、粒状性、鮮鋭性に加えて、階調性、色再現性を向上
させる技術について述べられているが、下記で問題にす
るような感光材料の保存性、特に本発明で明らかになっ
た比較的粒子サイズが小さい高塩化銀乳剤使用時に悪化
する保存性(経時による減感)に対しては、これらを克
服する技術に関しては全く記載されていない。
【0004】
【特許文献1】米国特許第4840878号明細書
【特許文献2】特開昭62−99751号公報
【特許文献3】特開平4−217242号公報
【特許文献4】特開平4−275544号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、高画質であり、保存性、ラボ
での仕上がり均一性、ならびに処理安定性に優れ、かつ
マゼンタ濃度のバラツキが少ないハロゲン化銀カラー写
真感光材料、特に、映画用カラーポジ感光材料として好
適に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材料を提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
について鋭意検討した結果、ハロゲン化銀カラー写真感
光材料、特に映画用カラー写真感光材料に要求される、
高画質、特に最も視感度の高いマゼンタ粒状性の改良、
ならびに処理安定性、特に迅速処理時の均一な写真性の
確保を実現するためには、全ハロゲン化乳剤粒子のハロ
ゲン組成を制御し、かつ緑感光性乳剤粒子の平均球相当
径サイズを0.25μm以下に設定することが好ましい
という知見を得た。しかしながら、前記感光材料を作製
・評価した際、十分な粒状性及び処理安定性、特に迅速
処理時の均一な写真性を有していたものの、仕上がりに
おいて、マゼンタ濃度のバラツキが非常に大きいことが
確認された。このことは、常に安定した品質を維持する
という観点から重大な問題である。そこで、本発明者ら
は、さらに前記課題につき鋭意検討した結果、前記マゼ
ンタ濃度のバラツキは、感光材料の保存性(感光材料の
経時によるマゼンタ感度の低感化)による問題であり、
またこの現象は、ハロゲン組成が塩化銀含有率95モル
%以上の高塩化銀乳剤粒子であり、かつ緑感光性ハロゲ
ン化銀乳剤粒子の平均球相当径サイズを0.25μm以
下に設定した際に特異的に生じる現象である、という知
見を得て、緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子にイリジウム
をドープし、また感光材料中のFe含有量を制御するこ
とが有効であることを見出した。さらに、感光材料中に
含まれるフッ素系界面活性剤として、特定の構造のもの
を用いることで、保存性を更に改善できることを見出
し、本発明に到った。従って、前記課題を解決する手段
は以下の通りである。即ち、 <1> 透過型支持体上に、イエロー、マゼンタ、及び
シアン色素形成カプラーのうちいずれか少なくとも一つ
を含有し、かつ互いに感色性の異なるハロゲン化銀乳剤
粒子を含有する少なくとも3種の感光性親水性コロイド
層を有してなるハロゲン化銀カラー写真感光材料であっ
て、前記ハロゲン化銀乳剤粒子すべてにおけるハロゲン
組成が、塩化銀含有率95モル%以上の塩臭化銀、塩沃
化銀、塩沃臭化銀、又は塩化銀であり、かつ緑感光性ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の少なくとも一種にIrがドープさ
れており、かつ緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の平均球
相当径サイズが0.25μm以下であり、かつハロゲン
化銀カラー写真感光材料中のFe量が2×10-5mol
/m2以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー
写真感光材料である。
【0007】<2> 前記ハロゲン化銀カラー写真感光
材料中に下記一般式(FS)で表される化合物を少なく
とも1種含有する前記<1>に記載のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料である。
【0008】
【化2】 前記一般式(FS)において、A、Bは、各々独立に、
フッ素原子又は水素原子を表す。a、bは、各々独立
に、1〜6の整数を表す。c、dは、各々独立に、4〜
8の整数を表す。xは、0又は1を表す。Mはカチオン
を表す。
【0009】<3> 前記ハロゲン化銀カラー写真感光
材料中のFe量が、8×10-6mol/m2以下である
前記<1>又は<2>に記載のハロゲン化銀カラー写真
感光材料である。
【0010】<4> 前記緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒
子の平均球相当径サイズが、0.20μm以下である前
記<1>から<3>のいずれか1項に記載のハロゲン化
銀カラー写真感光材料である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料について詳細に説明する。本発明のハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料は、透過型支持体上に、イ
エロー、マゼンタ、及びシアン色素形成カプラーのうち
いずれか少なくとも一つを含有し、かつ互いに感色性の
異なるハロゲン化銀乳剤粒子を含有する少なくとも3種
の感光性親水性コロイド層を有してなり、前記ハロゲン
化銀乳剤粒子すべてにおけるハロゲン組成が、塩化銀含
有率95モル%以上の塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化
銀、又は塩化銀であり、かつ緑感光性ハロゲン化銀乳剤
粒子の少なくとも一種にIrがドープされており、かつ
緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の平均球相当径サイズが
0.25μm以下であり、かつハロゲン化銀カラー写真
感光材料中のFe量が2×10-5mol/m2以下である
ことを特徴とする。そして、前記ハロゲン化銀カラー写
真感光材料中のFe量としては、8×10 -6mol/m2
以下であることが好ましく、また、前記緑感光性ハロゲ
ン化銀乳剤粒子の平均球相当径サイズとしては、0.2
0μm以下であることが好ましい。
【0012】ここでは、まず本発明のハロゲン化銀写真
感光材料に用いられるハロゲン化銀乳剤について説明す
る。本発明において、感光材料中に含有される全てのハ
ロゲン化銀乳剤粒子の塩化銀含有率は、95モル%以上
である。発色現像の迅速化の観点からも、塩化銀含有率
95モル%以上の塩化銀、塩臭化銀、塩沃化銀、又は塩
沃臭化銀が好ましい。そのなかで、更に好ましいものと
しては、塩化銀含有率98モル%以上のハロゲン化銀で
ある。また、塩化銀粒子の表面に臭化銀局在相を有して
もよい。該局在相のハロゲン化銀組成は、臭化銀含有率
において少なくとも10モル%のものが好ましく、20
モル%を越えるものがより好ましい。また主平面が(1
11)面又は(100)面である平板粒子を用いてもよ
い。主平面が(111)面又は(100)面である平板
状高塩化銀乳剤粒子については、特開平6−13861
9号、米国特許第4,399,215号、同5,06
1,617号や米国特許第5,320,938号、同
5,264,337号、同5,292,632号、同
5,314,798号、同5,413,904号、WO
94/22051号等に開示されている方法にて調製す
ることができる。
【0013】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、乳剤
粒子形成もしくは物理熟成の過程において、種々の多価
金属イオン不純物を導入することができる。本発明にお
いては、少なくとも一つの緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒
子中にイリジウム化合物(本発明ではイリジウムイオン
含有化合物とも称す)を含有するものである。なお、
「ドープされる」とは、特性を大きく変える、又は制御
するために、意図的に少量添加されることを意味する。
好ましくは異なる感光性を有するハロゲン化銀乳剤層に
おいて、各ハロゲン化銀乳剤層のそれぞれが、少なくと
も一種のハロゲン化銀乳剤に含まれるハロゲン化銀粒子
中にイリジウム化合物を含有する場合である。該イリジ
ウム化合物を含有する場合、相反則特性が改良されるこ
とが知られているが、本発明においては、特に処理安定
性を改良できることが明らかとなっている。
【0014】本発明のハロゲン化銀乳剤における特定の
ハロゲン化銀粒子は、イリジウムを含有することが好ま
しい。イリジウム化合物としては、6個のリガンドを有
しイリジウムを中心金属とする6配位錯体が、ハロゲン
化銀結晶中に均一に取り込ませるために好ましい。本発
明で用いられるイリジウムの一つの好ましい態様とし
て、Cl、Br又はIをリガンドとして有するIrを中
心金属とする6配位錯体が好ましく、6個全てのリガン
ドがCl、Br又はIからなるIrを中心金属とする6
配位錯体が更に好ましい。この場合、6配位錯体中にC
l、Br又はIが混在していてもよい。
【0015】以下に、6個全てのリガンドがCl、Br
又はIからなるIrを中心金属とする6配位錯体の具体
例を挙げるが、本発明におけるイリジウムは、これらに
限定されるものではない。
【0016】[IrCl62- [IrCl63- [IrBr62- [IrBr63- [IrI63-
【0017】本発明で用いられるイリジウムの異なる好
ましい態様として、ハロゲン又はシアン以外のリガンド
を少なくとも1個有するIrを中心金属とする6配位錯
体が好ましく、H2O、OH、O、OCN、チアゾール
又は置換チアゾールをリガンドとして有するIrを中心
金属とする6配位錯体が好ましく、少なくとも1個のH
2O、OH、O、OCN、チアゾール又は置換チアゾー
ルをリガンドとして有し、残りのリガンドがCl、Br
又はIからなるIrを中心金属とする6配位錯体がより
好ましい。更に、1個もしくは2個の5−メチルチアゾ
ールをリガンドとして有し、残りのリガンドがCl、B
r又はIからなるIrを中心金属とする6配位錯体が最
も好ましい。
【0018】以下に、少なくとも1個のH2O、OH、
O、OCN、チアゾール又は置換チアゾールをリガンド
として有し残りのリガンドがCl、Br又はIからなる
Irを中心金属とする6配位錯体の具体例を挙げるが、
本発明におけるイリジウムはこれらに限定されるもので
はない。
【0019】[Ir(H2O)Cl52- [Ir(H2O)2Cl4- [Ir(H2O)Br52- [Ir(H2O)2Br4- [Ir(OH)Cl53- [Ir(OH)2Cl43- [Ir(OH)Br53- [Ir(OH)2Br43- [Ir(O)Cl54- [Ir(O)2Cl45-[Ir(O)Br54-[Ir
(O)2Br45-[Ir(OCN)Cl53-[Ir
(OCN)Br53-[Ir(thiazole)C
52-[Ir(thiazole)2Cl4-[Ir
(thiazole)Br52-[Ir(thiazo
le)2Br4-[Ir(5−methylthiaz
ole)Cl52-[Ir(5−methylthia
zole)2Cl4-[Ir(5−methylthi
azole)Br52-[Ir(5−methylth
iazole)2Br4-
【0020】本発明の課題は、6個全てのリガンドがC
l、Br又はIからなるIrを中心金属とする6配位錯
体、あるいはハロゲン又はシアン以外のリガンドを少な
くとも1個有するIrを中心金属とする6配位錯体の、
いずれか一方を単独で使用することで好ましく達成され
る。しかしながら、本発明の効果を一層高めるために
は、6個全てのリガンドがCl、Br又はIからなるI
rを中心金属とする6配位錯体、及びハロゲン又はシア
ン以外のリガンドを少なくとも1個有するIrを中心金
属とする6配位錯体を併用することが好ましい。更に、
少なくとも1個のH2O、OH、O、OCN、チアゾー
ル又は置換チアゾールをリガンドとして有し残りのリガ
ンドがCl、Br又はIからなるIrを中心金属とする
6配位錯体は、この中から2種類のリガンド(H2O、
OH、O、OCN、チアゾール又は置換チアゾールから
1種とCl、Br又はIから1種)で構成されている錯
体を用いることが好ましい。
【0021】以上に挙げた金属錯体は陰イオンであり、
陽イオンと塩を形成した時にはその対陽イオンとして水
に溶解しやすいものが好ましい。具体的には、ナトリウ
ムイオン、カリウムイオン、ルビジウムイオン、セシウ
ムイオン及びリチウムイオン等のアルカリ金属イオン、
アンモニウムイオン、アルキルアンモニウムイオンが好
ましい。これらの金属錯体は水のほかに水と混合し得る
適当な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、
グリコール類、ケトン類、エステル類、アミド類等)と
の混合溶媒に溶かして使うことができる。これらのイリ
ジウム錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10
-10モルから1×10-3モル添加することが好ましく、
1×10-8モルから1×10-5モル添加することが最も
好ましい。
【0022】本発明において上記のイリジウム錯体は、
ハロゲン化銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加する
か、ハロゲン化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水
溶液中、あるいはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成
反応溶液に添加することにより、ハロゲン化銀粒子内に
組み込むのが好ましい。また、あらかじめイリジウム錯
体を粒子内に組み込んだ微粒子で物理熟成してハロゲン
化銀粒子に組み込むことも好ましい。さらにこれらの方
法を組み合わせてハロゲン化銀粒子内へ含有させること
もできる。
【0023】これらの錯体をハロゲン化銀粒子に組み込
む場合、粒子内部に均一に存在させることも行われる
が、特開平4−208986号、特開平2−12524
5号、特開平3−188437号の各公報に開示されて
いる様に、粒子表面層のみに存在させることも好まし
く、粒子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を
含有しない層を付加することも好ましい。また、米国特
許第5,252,451号及び同第5,256,530
号明細書に開示されているように、錯体を粒子内に組み
込んだ微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質すること
も好ましい。さらに、これらの方法を組み合わせて用い
ることもでき、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子
内に組み込んでもよい。上記の錯体を含有させる位置の
ハロゲン組成には特に制限はないが、6個全てのリガン
ドがCl、Br又はIからなるIrを中心金属とする6
配位錯体は、臭化銀濃度極大部に含有させることが好ま
しい。
【0024】本発明においては、イリジウム以外に他の
金属イオンをハロゲン化銀粒子の内部及び/又は表面に
ドープするがことができる。用いる金属イオンとしては
遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテニウ
ム、オスミウム、鉛、カドミウム、又は、亜鉛であるこ
とが好ましい。さらにこれらの金属イオンは配位子を伴
い6配位八面体型錯体として用いることがより好まし
い。無機化合物を配位子として用いる場合には、シアン
化物イオン、ハロゲン化物イオン、チオシアン、水酸化
物イオン、過酸化物イオン、アジ化物イオン、亜硝酸イ
オン、水、アンモニア、ニトロシルイオン、又は、チオ
ニトロシルイオンを用いることが好ましく、上記の鉄、
ルテニウム、オスミウム、鉛、カドミウム、又は、亜鉛
のいずれの金属イオンに配位させて用いることも好まし
く、複数種の配位子を1つの錯体分子中に用いることも
好ましい。また、配位子として有機化合物を用いること
もでき、好ましい有機化合物としては主鎖の炭素数が5
以下の鎖状化合物及び/又は5員環あるいは6員環の複
素環化合物を挙げることができる。さらに好ましい有機
化合物は分子内に窒素原子、リン原子、酸素原子、又
は、硫黄原子を金属への配位原子として有する化合物で
あり、特に好ましくはフラン、チオフェン、オキサゾー
ル、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、
イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、フラザン、
ピラン、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン
であり、さらにこれらの化合物を基本骨格としそれらに
置換基を導入した化合物もまた好ましい。
【0025】金属イオンと配位子の組み合わせとして、
好ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化
物イオンの組み合わせである。本発明においては、イリ
ジウムとこれらの化合物を併用することが好ましい。こ
れらの化合物においてシアン化物イオンは、中心金属で
ある鉄又はルテニウムへの配位数のうち過半数を占める
ことが好ましく、残りの配位部位はチオシアン、アンモ
ニア、水、ニトロシルイオン、ジメチルスルホキシド、
ピリジン、ピラジン、又は、4,4’−ビピリジンで占
められることが好ましい。最も好ましくは中心金属の6
つの配位部位が全てシアン化物イオンで占められ、ヘキ
サシアノ鉄錯体又はヘキサシアノルテニウム錯体を形成
することである。これらシアン化物イオンを配位子とす
る錯体は、粒子形成中に銀1モル当たり1×10-8モル
から1×10-2モル添加することが好ましく、1×10
-6モルから5×10-4モル添加することが最も好まし
い。ルテニウム及びオスミウムを中心金属とした場合に
は、ニトロシルイオン、チオニトロシルイオン、又は水
分子と塩化物イオンとを配位子として共に用いることも
好ましい。より好ましくはペンタクロロニトロシル錯
体、ペンタクロロチオニトロシル錯体、又は、ペンタク
ロロアクア錯体を形成することであり、ヘキサクロロ錯
体を形成することも好ましい。これらの錯体は、粒子形
成中に銀1モル当たり1×10-10モルから1×10-6
モル添加することが好ましく、より好ましくは1×10
-9モルから1×10-6モル添加することである。
【0026】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
中のFeについては、主にゼラチン、乳剤粒子中に故意
にドープしたもの、染料等によって持ち込まれるが、本
発明の感光材料中のFe含有量としては、Fe量が2×
10-5mol/m2以下(好ましくは1×10-8〜2×
10-5mol/m2)であることが必要であり、8×1
-6mol/m2以下(好ましくは1×10-8〜8×1
-6mol/m2)が好ましく、3×10-6mol/m2
以下(好ましくは1×10-8〜3×10-6mol/
2)が最も好ましい。本発明の態様においては、Fe
含有量を規定することが重要(特に保存性の観点)であ
り、またこのFe含有量の効果は、本発明の態様で初め
て発現できることが確認された。
【0027】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、通常
化学増感を施される。化学増感法については、不安定硫
黄化合物の添加に代表される硫黄増感、金増感に代表さ
れる貴金属増感、あるいは還元増感等を単独もしくは併
用して用いることができる。化学増感に用いられる化合
物については、特開昭62−215272号の第18頁
右下欄から第22頁右上欄に記載のものが好ましく用い
られる。本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、当業
界に知られる金増感を施したものであることが好まし
い。金増感を施すことにより、レーザー光等によって走
査露光したときの写真性能の変動を更に小さくすること
ができるからである。金増感を施すには、塩化金酸もし
くはその塩、チオシアン酸金類あるいはチオ硫酸金類等
の化合物を用いることができる。これらの化合物の添加
量は場合に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1
モルあたり5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは1
×10-6〜1×10-4モルである。本発明においては、
金増感を他の増感法、例えば硫黄増感、セレン増感、テ
ルル増感、還元増感あるいは金化合物以外を用いた貴金
属増感等と組み合わせてもよく、本発明においてはより
好ましい。
【0028】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に
は、乳剤のあるいは感光材料の製造工程、保存中あるい
は写真処理中のかぶりを防止し、あるいは写真性能を安
定化させる目的で、種々の化合物を含有させることがで
きる。すなわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム
塩、ニトロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール
類、クロロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダ
ゾール類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンゾ
チアゾール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メル
カプトチアイジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベ
ンゾトリアゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メ
ルカプトテトラゾール類(特に、1−フェニル−5−メ
ルカプトテトラゾールなど)、メルカプトピリミジン
類、メルカプトトリアジン類など;例えばオキサドリン
チオンのようなチオケト化合物;アザインデン類、例え
ばトリアザインデン類、テトラアザインデン類(特に4
−ヒドロキシ置換(1,3,3a,7)テトラアザイン
デン)ペンタアザインデン類;ベンゼンチオスルフォン
酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルフォン酸アミ
ドなどのようなかぶり防止剤又は安定剤として知られた
多くの化合物を加えることができる。特に好ましいの
は、メルカプトテトラゾール類である。これは、かぶり
防止、安定化以外に高照度感度を更に高める働きがあり
好ましい。
【0029】本発明の緑感性ハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズの球相当径として
は、0.25μm以下(好ましくは0.05〜0.25
μm)であることが必要であり、0.20μm以下(好
ましくは0.05〜0.20μm)であることが好まし
く、0.18μm以下(好ましくは0.05〜0.18
μm)であることがさらに好ましい。球相当径0.40
μmの粒子は、辺長約0.32μmの立方体粒子に相当
し、球相当径0.3μm粒子は、辺長約0.24μmの
立方体粒子に相当し、球相当径0.20μmの粒子は辺
長約0.16μmの立方体粒子に相当する。緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤の平均粒子サイズは最も視感度の高いマゼ
ンタ粒状度を決める大きな要因の一つであり、平均粒子
サイズを下げることは高画質化にとって重要な要因にな
る。また、一般的には粒子サイズを小さくすることは現
像速度を早くすることが知られており、処理安定性向上
の観点からも好ましい。また粒子サイズを小さくするこ
と、特に本発明のサイズ領域でかつ高塩化銀粒子を調製
する場合においては安定に均一な粒子を調製することに
困難性が伴うことも判明した。つまり溶解度が高い高塩
化銀でかつ本発明の粒子サイズ領域であると粒子形成〜
塗布までの各工程で常に粒子の溶解を防止することが重
要であることも判明した。
【0030】本発明のハロゲン化銀粒子は、現像進行を
速くする目的で、単分散であることが好ましく、各ハロ
ゲン化銀粒子の粒子サイズの変動係数が0.3以下(好
ましくは0.3〜0.05)が好ましく、さらに好まし
くは0.25以下(好ましくは0.25〜0.05)で
ある。ここでいう変動係数とは、統計上の標準偏差値
(s)と平均粒子サイズ(d)との比(s/d)で表さ
れる。
【0031】本発明に使用できるハロゲン化銀写真乳剤
は、例えばリサーチ・ディスクロージャー(以下、RD
と略す)No.17643(1978年12月),22
〜23頁,“I.乳剤製造(Emulsion pre
paration andtypes)”、及び同N
o.18716(1979年11月),648頁、同N
o.307105(1989年11月),863〜86
5頁、及びグラフキデ著「写真の物理と化学」,ポール
モンテル社刊(P.Glafkides,Chemie
et Phisique Photographiq
ue, Paul Montel, 1967)、ダフ
ィン著「写真乳剤化学」,フォーカルプレス社刊(G.
F.Duffin,Photographic Emu
lsion Chemistry,Focal Pre
ss,1966)、ゼリクマンら著「写真乳剤の製造と
塗布」、フォーカルプレス社刊(V.L.Zelikm
an,et al.,Making and Coat
ing Photographic Emulsio
n,Focal Press,1964)などに記載さ
れた方法を用いて調製することができる。
【0032】米国特許第3,574,628号、同第
3,655,394号、及び英国特許第1,413,7
48号に記載された単分散乳剤も好ましい。また、アス
ペクト比が約3以上であるような平板状粒子も本発明に
使用できる。平板状粒子は、ガトフ著、フォトグラフィ
ック・サイエンス・アンド・エンジニアリング(Gut
off, Photographic Science
and Engineering)、第14巻248
〜257頁(1970年);米国特許第4,434,2
26号、同第4,414,310号、同第4,433,
048号、同第4,439,520号及び英国特許第
2,112,157号に記載の方法により簡単に調製す
ることができる。
【0033】結晶構造は一様なものでも、内部と外部と
が異質なハロゲン組成からなるものでもよく、層状構造
をなしていてもよい。エピタキシャル接合によって組成
の異なるハロゲン化銀が接合されていてもよく、例えば
ロダン銀、酸化鉛などのハロゲン化銀以外の化合物と接
合されていてもよい。また種々の結晶形粒子の混合物を
用いてもよい。
【0034】上記の乳剤は潜像を主として表面に形成す
る表面潜像型でも、粒子内部に形成する内部潜像型でも
表面と内部のいずれにも潜像を有する型のいずれでもよ
いが、ネガ型の乳剤であることが必要である。内部潜像
型のうち、特開昭63−264740号公報に記載のコ
ア/シェル型内部潜像型乳剤であってもよく、この調製
方法は特開昭59−133542号公報に記載されてい
る。この乳剤のシェルの厚みは現像処理等によって異な
るが、3〜40nmが好ましく、5〜20nmが特に好
ましい。
【0035】ハロゲン化銀乳剤は、通常、物理熟成、化
学熟成及び分光増感を行ったものを使用する。このよう
な工程で使用される添加剤はRDNo.17643、同
No.18716及び同No.307105に記載され
ており、その該当箇所を後掲の表にまとめた。本発明の
感光材料には、感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子サイズ、
粒子サイズ分布、ハロゲン組成、粒子の形状、感度の少
なくとも1つの特性(本発明においては特に感度)の異
なる2種類以上の乳剤を、同一層中に混合して使用する
ことができ、本発明の好ましい形態である。
【0036】米国特許第4,082,553号に記載の
粒子表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子、米国特許第
4,626,498号、特開昭59−214852号公
報に記載の粒子内部をかぶらせたハロゲン化銀粒子、コ
ロイド銀を感光性ハロゲン化銀乳剤層及び/又は実質的
に非感光性の親水性コロイド層に適用することが好まし
い。粒子内部又は表面をかぶらせたハロゲン化銀粒子と
は、感光材料の未露光部及び露光部を問わず、一様に
(非像様に)現像が可能となるハロゲン化銀粒子のこと
をいい、その調製法は、米国特許第4,626,498
号明細書、特開昭59−214852号公報に記載され
ている。粒子内部がかぶらされたコア/シェル型ハロゲ
ン化銀粒子の内部核を形成するハロゲン化銀は、ハロゲ
ン組成が異なっていてもよい。粒子内部又は表面をかぶ
らせたハロゲン化銀としては、塩化銀、塩臭化銀、沃臭
化銀、塩沃臭化銀のいずれをも用いることができる。こ
れらのかぶらされたハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ
としては0.01〜0.75μm、特に0.05〜0.
6μmが好ましい。また、粒子形状は規則的な粒子でも
よく、多分散乳剤でもよいが、単分散性(ハロゲン化銀
粒子の質量又は粒子数の少なくとも95%が平均粒子径
の±40%以内の粒子径を有するもの)であることが好
ましい。
【0037】支持体上に設けられた感光性ハロゲン化銀
乳剤層や非感光性親水性コロイド層(中間層や保護層な
ど)からなる写真構成層中のいずれかの層、好ましくは
ハロゲン化銀乳剤層に、1−アリール−5−メルカプト
テトラゾール化合物をハロゲン化銀1モル当たり1.0
×10-5〜5.0×10-2モル添加することが好まし
く、更には1.0×10-4〜1.0×10-2モル添加す
ることが好ましい。この範囲で添加することによって、
連続処理後の処理済みカラー写真表面への汚れをいっそ
う少なくすることができる。
【0038】このような1−アリール−5−メルカプト
テトラゾール化合物としては、1位のアリール基が無置
換又は置換フェニル基であるものが好ましく、この置換
基の好ましい具体例としてはアシルアミノ基(例えば、
アセチルアミノ、−NHCOC511(n)など)、ウレ
イド基(例えば、メチルウレイドなど)、アルコキシ基
(例えばメトキシなど)、カルボン酸基、アミノ基、ス
ルファモイル基などであって、これらの基はフェニル基
に複数個(2〜3個など)結合していてもよい。また、
これらの置換基の位置はメタ又はパラ位が好ましい。こ
れらの具体例としては、1−(m−メチルウレイドフェ
ニル)−5−メルカプトテトラゾールや1−(m−アセ
チルアミノフェニル)−5−メルカプトテトラゾールが
挙げられる。
【0039】以下に、本発明の一般式(FS)で表され
る化合物について詳細に説明する。
【0040】
【化3】
【0041】前記一般式(FS)において、A、Bは、
各々独立に、フッ素原子又は水素原子を表す。a、b
は、各々独立に、1〜6の整数を表す。c、dは、各々
独立に、4〜8の整数を表す。xは、0又は1を表す。
Mはカチオンを表す。
【0042】前記一般式(FS)において、A、Bは、
各々独立に、フッ素原子又は水素原子を表し、A、Bが
同じであっても、異なっていてもよい。A、Bとして好
ましくは、A、B共にフッ素原子又は水素原子であり、
より好ましくは、A、B共にフッ素原子である。a、b
は、各々独立に、1〜6の整数を表す。a、bは1〜6
の整数であれば、互いに異なっていても、同じであって
もよい。a、bとして好ましくは、1〜6の整数で、か
つa=bであり、より好ましくは、2又は3の整数で、
かつa=bであり、更に好ましくはa=b=2である。
【0043】c、dは、各々独立に、4〜8の整数を表
す。c、dは4〜8の整数であれば、互いに異なってい
ても、同じであってもよい。c、dとして好ましくは、
4〜6の整数で、かつa=bであり、より好ましくは、
4又は6の整数で、かつa=bであり、更に好ましく
は、a=b=4である。
【0044】前記一般式(FS)において、xは0又は
1を表し、どちらも同様に好ましい。
【0045】前記一般式(FS)において、Mはカチオ
ンを表し、Mで表されるカチオンとしては、例えばアル
カリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、
カリウムイオン等)、アルカリ土類金属イオン(バリウ
ムイオン、カルシウムイオン等)、アンモニウムイオン
等が好ましく適用される。これらのうち、特に好ましく
はリチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオ
ン、アンモニウムイオンである。
【0046】前記一般式(FS)の中でも、より好まし
くは下記一般式(FS−a)である。
【0047】
【化4】
【0048】前記一般式(FS−a)において、a、
b、c、d、M、及びxは、前記一般式(FS)におけ
るそれらと同義であり、また好ましい範囲も同様であ
る。
【0049】前記一般式(FS)の中でも、より好まし
くは下記一般式(FS−b)である。
【0050】
【化5】
【0051】前記一般式(FS−b)において、a1
2〜3の整数を表す。c1は4〜6の整数を表す。Mは
カチオンを表す。xは0又は1を表す。
【0052】前記一般式(FS−b)において、a1
しては2が好ましい。c1としては4が好ましい。xと
しては0及び1がともに好ましい。
【0053】本発明に用いられる好ましい界面活性剤の
具体例を以下に例示するが、本発明はこれらの具体例に
限定されるものではない。
【0054】
【化6】
【0055】
【化7】
【0056】
【化8】
【0057】
【化9】
【0058】本発明の上記一般式(FS)、(FS−
a)および(FS−b)で表される界面活性剤は一般的
なエステル化反応および、スルホン化反応を組み合わせ
て容易に合成可能である。また対カチオンの変換はイオ
ン交換樹脂により容易に可能である。以下に代表的な合
成方法の例を挙げるが、本発明はこれら具体的合成例に
限定されるものではない。
【0059】≪合成例1 例示化合物FS−1の合成≫ 1−1) マレイン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシル)の合成 無水マレイン酸9.8g(0.10モル)、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサノー
ル52.8g(0.20モル)、p−トルエンスルホン
酸一水和物0.5gをトルエン30ミリリットル(以
下、ミリリットルを「mL」とも表記する。)中、生成
する水を留去しながら24時間加熱還流した。その後、
室温まで冷却し、ヘキサン、酢酸エチルを追加し、1m
ol/リットル(以下、リットルを「L」とも表記す
る。)の水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム
水溶液で有機相を洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾
燥させた後、溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:9/1〜8/
2 v/v)で精製操作を行い、白色固体として目的物
を53.2g(収率88%)得た。
【0060】1−2) FS−1の合成 マレイン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,6,6,6
−ノナフルオロヘキシル)42.8g(69ミリモ
ル)、亜硫酸水素ナトリウム7.9g(76ミリモ
ル)、水/エタノール(1/1 v/v)50mLを加
え、3時間加熱還流した後、0℃まで冷却し、析出した
固体をろ過回収し、アセトニトリルで再結晶操作を行
い、得られた結晶を60℃で減圧乾燥し、白色の結晶と
して目的化合物を27.0g(収率54%)得た。
【0061】得られた化合物の1H−NMRデータは以
下の通りである。1 H−NMR(DMSO−d6)δ2.49−2.62
(m,4H),2.85−2.99(m,2H),3.
68(dd,1H),4.23−4.35(m,4H)
【0062】≪合成例2 例示化合物FS−2の合成≫ 2−1) マレイン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチ
ル)の合成 無水マレイン酸4.61g(47ミリモル)、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデ
カフルオロオクチルアルコール34.1g(98ミリモ
ル)、p−トルエンスルホン酸一水和物0.24gをト
ルエン140mL中、生成する水を留去しながら10時
間加熱還流した。その後、室温まで冷却し、酢酸エチル
を追加し、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機相を洗浄
し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を
減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘ
キサン/酢酸エチル:8/2 v/v)で精製操作を行
い、白色固体として目的物を19.7g(収率52%)
得た。
【0063】2−2) FS−2の合成 マレイン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル)1
0.0g(12.4ミリモル)、亜硫酸水素ナトリウム
1.55g(14.9ミリモル)、水/エタノール(1
/1 v/v)15mLを加え、7時間加熱還流した
後、室温まで冷却し、得られた結晶を60℃で減圧乾燥
し、白色の結晶として目的化合物を9.38g(収率8
1%)得た。
【0064】得られた化合物の1H−NMRデータは以
下の通りである。1 H−NMR(DMSO−d6)δ2.48(m,4
H),2.97(m,2H),3.82(m,1H),
4.18−4.58(m,4H)
【0065】≪合成例3 例示化合物FS−4の合成≫ 3−1) マレイン酸 ジ(4,4,5,5,6,6,
7,7,7−ノナフルオロヘプチル)の合成 無水マレイン酸17.6g(0.18モル)、4,4,
5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロヘプタノー
ル100g(0.36モル)、p−トルエンスルホン酸
一水和物0.5gをトルエン250mL中、生成する水
を留去しながら12時間加熱還流した。その後、室温ま
で冷却し、クロロホルムを追加し、1mol/Lの水酸
化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリウム水溶液で有機
相を洗浄し、白色固体として114.1gの目的物を定
量的に得た。
【0066】3−2) FS−4の合成 マレイン酸 ジ(4,4,5,5,6,6,7,7,7
−ノナフルオロヘプチル)95.8g(156ミリモ
ル)、亜硫酸水素ナトリウム7.9g(172ミリモ
ル)、水/エタノール(1/1 v/v)100mLを
加え、20時間加熱還流した後、酢酸エチルを追加し、
飽和塩化ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、有機層を
硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した後、
アセトにトリルで再結晶操作を行い、得られた結晶を6
0℃で減圧乾燥し、白色の結晶として目的化合物を9
5.8g(収率83%)得た。
【0067】得られた化合物の1H−NMRデータは以
下の通りである。1 H−NMR(DMSO−d6)δ1.80(m,4
H),2.19−2.34(m,4H),2.79−
2.97(m,2H),3.68(dd,1H),4.
01−4.29(m,4H)
【0068】≪合成例4 FS−19の合成≫ 4−1) イタコン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,
6,6,6−ノナフルオロヘキシル)の合成 無水イタコン酸13.5g(0.12モル)、3,3,
4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサノー
ル69.8g(0.26モル)、p−トルエンスルホン
酸一水和物1.14g(6ミリモル)をトルエン500
mL中、生成する水を留去しながら12時間加熱還流し
た。その後、室温まで冷却し、酢酸エチルを追加し、1
mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液、飽和塩化ナトリ
ウム水溶液で有機相を洗浄し、オイル状化合物として目
的物を51.3g(69%)を得た。
【0069】4−2) FS−19の合成 イタコン酸 ジ(3,3,4,4,5,5,6,6,6
−ノナフルオロヘキシル)20.0g(32ミリモ
ル)、亜硫酸水素ナトリウム4.0g(38ミリモ
ル)、水/エタノール(1/1 v/v)25mLを加
え、6時間加熱還流した後、酢酸エチルを追加し、飽和
塩化ナトリウム水溶液で有機相を洗浄し、有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧濃縮した後、アセ
トニトリルで再結晶操作を行い、得られた結晶を80℃
で2時間減圧乾燥し、白色の結晶として目的化合物を2
0.6g(収率89%)得た。
【0070】得られた化合物の1H−NMRデータは以
下の通りである。1 H−NMR(DMSO−d6)δ2.49−2.78
(m,5H),3.04−3.13(m,2H),3.
47(br,2H)4.23(t,4H)
【0071】本発明において、上記界面活性剤を写真感
光材料の層に用いる場合、界面活性剤を含む水性塗布組
成物は、本発明の界面活性剤と水のみからなっていても
よく、目的に応じてその他の成分を適宜含んでいてもよ
い。
【0072】上記の水性塗布組成物において、本発明の
界面活性剤は1種類のみを用いてもよいし、また2種以
上を混合して用いてもよい。また、本発明の界面活性剤
とともに本発明の界面活性剤以外の界面活性剤を用いて
もよい。併用可能な界面活性剤としては、アニオン系、
カチオン系、ノニオン系の各種界面活性剤を挙げること
ができ、高分子界面活性剤であってもよく、本発明の界
面活性剤以外のフッ素系界面活性剤であってもよい。こ
のうち、アニオン系もしくはノニオン系活性剤がより好
ましい。併用可能な界面活性剤の例としては、例えば特
開昭62−215272号(649〜706頁)やリサ
ーチ・ディスクロージャ(RD)Item17643,
26〜27頁(1978年12月)、同18716,6
50頁(1979年11月)、同307105,875
〜876頁(1989年11月)等を挙げることができ
る。
【0073】上記水性塗布組成物中に含まれていてもよ
いものとして代表的なものはポリマー化合物である。ポ
リマー化合物は水性媒体可溶なポリマーであってもよ
く、ポリマーの水分散物(いわゆるポリマーラテック
ス)であってもよい。可溶性ポリマーとしては特に制限
はないが、例えばゼラチン、ポリビニルアルコール、カ
ゼイン、寒天、アラビアゴム、ヒドロキシエチルセルロ
ース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
等を挙げることができ、ポリマーラテックスとしては、
種々のビニルモノマー(例えば、アクリレート誘導体、
メタクリレート誘導体、アクリルアミド誘導体、メタク
リルアミド誘導体、スチレン誘導体、共役ジエン誘導
体、N−ビニル化合物、O−ビニル化合物、ビニルニト
リル、その他のビニル化合物(例えばエチレン、塩化ビ
ニリデン))の単独もしくは共重合体、縮合系ポリマー
の分散物(例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリカ
ーボネート、ポリアミド)を挙げることができる。この
種のポリマー化合物の詳細例については、例えば特開昭
62−215272号(707〜763頁)やリサーチ
・ディスクロージャ(RD)Item17643,65
1頁(1978年12月)、同18716,650頁
(1979年11月)、同307105,873〜87
4頁(1989年11月)等を挙げることができる。
【0074】上記水性塗布組成物における媒体として
は、水単独であってもよいし、水以外の有機溶媒(例え
ば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル、nーブタノール、メチルセロソルブ、ジメチルホル
ムアミド、アセトン等)と水との混合溶媒であってもよ
い。水性塗布媒体における水の割合は、50質量%以上
であることが好ましい。
【0075】上記水性塗布組成物中には、用いる写真感
光材料の層に応じて種々の化合物を含んでいてもよく、
またそれらは媒体に溶解していてもよく、分散されてい
てもよい。それらの例としては、種々のカプラー、紫外
線吸収剤、混色防止剤、スタチック防止剤、スカベンジ
ャー、かぶり防止剤、硬膜剤、染料、防黴剤 等を挙げ
ることができる。また写真感光材料に用いて、効果的な
帯電防止能と塗布の均一性を得るためには、最上層の親
水性コロイド層に用いるのが好ましい。
【0076】この場合、該層の塗布組成物中には、親水
性コロイド(例えばゼラチン)や本発明のフッ素系界面活
性剤以外に、他の界面活性剤やマット剤、スベリ剤、コ
ロイダルシリカ、ゼラチン可塑剤等を含有することがで
きる。
【0077】一般式(FS)、(FS−a)および(F
S−b)の界面活性剤の使用量に特に制約は無く、また
界面活性剤の構造やその用途、水性組成物中に含まれる
化合物の種類や量、媒体の構成等によって、その使用量
を任意に変えることができる。例えば本発明の界面活性
剤を、本発明の好ましい態様である写真感光材料の最上
層の親水性コロイド(ゼラチン)層用塗布液として用い
る場合、塗布溶液中の濃度(質量%)としては、0.0
03〜0.5%であることが好ましく、またゼラチン固
形分に対して0.03〜5%であることが好ましい。
【0078】本発明は少なくとも一種のアンチハレーシ
ョン能を有する非感光性親水性コロイド層を有すること
も好ましい。アンチハレーション能を有する非感光性親
水性コロイド層中にはハレーション防止染料が含有され
る。ハレーション防止に使用される染料はハレーション
防止に有効であれば、いかなる染料でも構わない。水溶
性染料であっても染料の固体微粒子分散物であっても構
わないが、本発明の効果の点で、染料の固体微粒子分散
物が好ましい。
【0079】ここで、まず、本願明細書で使用する置換
基の説明を行う。本明細書中、脂肪族とは、直鎖、分岐
又は環状で飽和であっても不飽和であってもよく、例え
ばアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキ
ル、又はシクロアルケニルを表し、これらは更に置換基
を有していてもよい。また、芳香族とはアリールを表
し、これは更に置換基を有していてもよく、複素環(ヘ
テロ環)とは環内にヘテロ原子を持つものであり、芳香
族基であるものをも含み、さらに置換基を有してもかま
わない。本明細書中の置換基及びこれらの脂肪族、芳香
族及び複素環における有してもよい置換基としては、特
に規定のない限り置換可能な基であればよく、例えば脂
肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アシルオキシ
基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、芳香族オキシ
基、複素環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、芳香
族オキシカルボニル基、複素環オキシカルボニル基、脂
肪族カルバモイル基、芳香族カルバモイル基、脂肪族ス
ルホニル基、芳香族スルホニル基、脂肪族スルファモイ
ル基、芳香族スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド
基、芳香族スルホンアミド基、脂肪族アミノ基、芳香族
アミノ基、脂肪族スルフィニル基、芳香族スルフィニル
基、脂肪族チオ基、芳香族チオ基、メルカプト基、ヒド
ロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシアミノ基、
ハロゲン原子等を挙げることができる。
【0080】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
は、以下の一般式(I)で表される化合物を含有するこ
とが好ましい。 一般式(I) D−(X)y 一般式(I)中、Dは発色団を有する化合物残基を表
し、Xは解離性水素原子又は解離性水素原子を有する基
を表し、yは1〜7の整数を表す。
【0081】次に、一般式(I)で表される染料につい
て説明する。一般式(I)において、Dは発色団を有す
る化合物残基を表し、Xは解離性水素又は解離性水素を
有する基を表し、yは1〜7の整数を表す。本発明で好
ましく使用される一般式(I)で表される染料は、分子
構造中に解離性水素等を有する点に特徴がある。Dにお
ける発色団を有する化合物残基は、多くの周知である色
素の中から選ぶことができる。これらの化合物として
は、オキソノール色素、メロシアニン色素、シアニン色
素、アリーリデン色素、アゾメチン色素、トリフェニル
メタン色素、アゾ色素、アントラキノン色素、インドア
ニリン色素を挙げることができる。
【0082】XはDに直接もしくは2価の連結基を介し
て結合した解離性水素又は解離性水素を有する基を表
す。XとDとの間の2価の連結基は、アルキレン基、ア
リーレン基、ヘテロ環残基、−CO−、−SOn−(n
=0,1,2)、−NR−(Rは水素原子、アルキル
基、アリール基を表す)、−O−、及びこれらの連結基
を組み合わせた2価の基であり、更にそれらはアルキル
基、アリール基、アルコキシ基、アミノ基、アシルアミ
ノ基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシ基、スルファ
モイル基、カルバモイル基、スルホンアミド基等の置換
基を有していてもよい。好ましい例として−(CH2n
−(n=1,2,3)、−CH2CH(CH3) CH
2−、1,2−フェニレン、5−カルボキシ−1,3−
フェニレン、1,4−フェニレン、6−メトキシ−1,
3−フェニレン、−CONHC64−等を挙げることが
できる。
【0083】Xで表される解離性水素又は解離性水素を
有する基は、一般式(I)で表される染料が本発明のハ
ロゲン化銀写真感光材料中に添加された状態では、非解
離であって、一般式(I)の染料を実質的に水不溶性に
する特性を有し、該感光材料が現像処理される工程で
は、解離して一般式(I)の化合物を実質的に水可溶性
にする特性を有する。Xで表される解離性水素を有する
基の例としては、カルボン酸基、スルホンアミド基、ス
ルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、アシルス
ルファモイル基、フェノール性水酸基などを有する基を
挙げることができる。Xで表される解離性水素はオキソ
ノール色素のエノール基の水素などを挙げることができ
る。
【0084】yの好ましい範囲は、1〜5、特に好まし
い範囲は、1〜3である。一般式(I)で表される化合
物のうち好ましいものは、Xにおける解離性水素を有す
る基がカルボン酸基を有する基であるものであり、特に
カルボキシル基で置換されたアリール基を有する化合物
が好ましい。また一般式(I)で表される化合物のう
ち、より好ましいものは下記の一般式(II)又は一般式
(III)で表される化合物である。 一般式(II) A1=L1−(L2=L3m−Q 一般式(II)中、A1は酸性核を表し、Qはアリール基
又は複素環基を表し、L1、L2、L3は各々メチン基を
表し、mは0、1又は2を表す。但し、一般式(II)の
化合物は分子内に水溶性基としてカルボン酸基、スルホ
ンアミド基、スルファモイル基、スルホニルカルバモイ
ル基、アシルスルファモイル基、フェノール性水酸基及
びオキソノール色素のエノール基からなる群の中より選
ばれる基を1〜7個有する。
【0085】一般式(III) A1=L1−(L2=L3n−A2 一般式(III)中、A1及びA2は酸性核を表し、L1、L
2、L3は各々メチン基を表し、nは0、1、2又は3を
表す。但し、一般式(III)の化合物は分子内に水溶性
基としてカルボン酸基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、スルホニルカルバモイル基、アシルスルファモ
イル基、フェノール性水酸基及びオキソノール色素のエ
ノール基からなる群の中より選ばれる基を1〜7個有す
る。
【0086】以下、一般式(II)及び(III)について
詳細に説明する。A1及びA2で表される酸性核は、環状
のケトメチレン化合物又は電子吸引性基によって挟まれ
たメチレン基を有する化合物から誘導されるものが好ま
しい。環状のケトメチレン化合物の例としては、2−ピ
ラゾリン−5−オン、ロダニン、ヒダントイン、チオヒ
ダントイン、2,4−オキサゾリジンジオン、イソオキ
サゾロン、バルビツール酸、チオバルビツール酸、イン
ダンジオン、ジオキソピラゾロピリジン、ヒドロキシピ
リドン、ピラゾリジンジオン、2,5−ジヒドロフラン
を挙げることができる。これらは置換基を有していても
よい。
【0087】電子吸引性基によって挟まれたメチレン基
を有する化合物は、Z1CH22と表すことができる。
ここにZ1及びZ2はそれぞれ−CN、−SO211、−
COR11、−COOR12、−CONHR12、−SO2
HR12又は−C〔=C(CN)2〕R11を表す。R
11は、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表し、
1 2は水素原子又はR11で表される基を表し、そしてこ
れらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0088】Qで表されるアリール基の例としては、フ
ェニル基、ナフチル基を挙げることができる。これらは
それぞれ置換基を有していてもよい。Qで表される複素
環基の例としては、ピロール、インドール、フラン、チ
オフェン、イミダゾール、ピラゾール、インドリジン、
キノリン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサ
ジン、インドリン、チアゾール、ピリジン、ピリダジ
ン、チアジアジン、ピラン、チオピラン、オキソジアゾ
ール、ベンゾキノリン、チアジアゾール、ピロロチアゾ
ール、ピロロピリダジン、テトラゾール、オキサゾー
ル、クマリン、及びクマロンを挙げることができる。こ
れらはそれぞれ置換基を有していてもよい。
【0089】L1、L2及びL3で表されるメチン基は、
置換基を有していてもよく、その置換基同士が連結して
5又は6員環(例えば、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン)を形成していてもよい。
【0090】上述した各基が有していてもよい置換基
は、一般式(I)〜(III)の化合物をpH5〜pH7
の水に実質的に溶解させるような置換基でなければ特に
制限はない。例えば、以下の置換基を挙げることができ
る。
【0091】カルボン酸基、炭素数1〜10のスルホン
アミド基(例えば、メタンスルホンアミド、ベンゼンス
ルホンアミド、ブタンスルホンアミド、n−オクタンス
ルホンアミド)、炭素数0〜10の無置換又はアルキル
もしくはアリール置換スルファモイル基(例えば、無置
換のスルファモイル、メチルスルファモイル、フェニル
スルファモイル、ナフチルスルファモイル、ブチルスル
ファモイル)、炭素数2〜10のスルホニルカルバモイ
ル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイル、プロパ
ンスルホニルカルバモイル、ベンゼンスルホニルカルバ
モイル)、炭素数1〜l0のアシルスルファモイル基
(例えば、アセチルスルファモイル、プロピオニルスル
ファモイル、ピバロイルスルファモイル、ベンゾイルス
ルファモイル)、
【0092】炭素数1〜8の鎖状又は環状のアルキル基
(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、ブチル、ヘ
キシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキ
シル、2−ヒドロキシエチル、4−カルボキシブチル、
2−メトキシエチル、ベンジル、フェネチル、4−カル
ボキシベンジル、2−ジエチルアミノエチル)、炭素数
2〜8のアルケニル基(例えば、ビニル、アリル)、炭
素数1〜8のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキ
シ、ブトキシ)、ハロゲン原子(例えば、F、Cl、B
r)、炭素数0〜10のアミノ基(例えば、無置換のア
ミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、カルボキシエ
チルアミノ)、炭素数2〜10のエステル基(例えば、
メトキシカルボニル)、炭素数1〜10のアミド基(例
えば、アセチルアミノ、ベンズアミド)、炭素数1〜1
0のカルバモイル基(例えば、無置換のカルバモイル、
メチルカルバモイル、エチルカルバモイル)、炭素数6
〜10のアリール基(例えば、フェニル、ナフチル、ヒ
ドロキシフェニル、4−カルボキシフェニル、3−カル
ボキシフェニル、3,5−ジカルボキシフェニル、4−
メタンスルホンアミドフェニル、4−ブタンスルホンア
ミドフェニル)、炭素数6〜10のアリーロキシ基(例
えば、フェノキシ、4−カルボキシフェノキシ、3−メ
チルフェノキシ、ナフトキシ)、
【0093】炭素数1〜8のアルキルチオ基(例えば、
メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ)、炭素数6〜
10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、ナフチ
ルチオ)、炭素数1〜10のアシル基(例えば、アセチ
ル、ベンゾイル、プロパノイル)、炭素数1〜10のス
ルホニル基(例えば、メタンスルホニル、ベンゼンスル
ホニル)、炭素数1〜10のウレイド基(例えば、ウレ
イド、メチルウレイド)、炭素数2〜10のウレタン基
(例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボ
ニルアミノ)、シアノ基、水酸基、ニトロ基、複素環基
(例えば、5−カルボキシベンゾオキサゾール環)、ピ
リジン環、スルホラン環、ピロール環、ピロリジン環、
モルホリン環、ピペラジン環、ピリミジン環、フラン
環)。
【0094】また一般式(III)で表される化合物のう
ちより好ましいものは、下記一般式(IV)で表される化
合物である。この一般式(IV)で表される化合物は解離
性水素としてエノール基の水素を有している。
【0095】
【化10】
【0096】一般式(IV)中、R1は水素原子、アルキ
ル基、アリール基又は複素環基を表し、R2は水素原
子、アルキル基、アリール基、複素環基、−COR4
はSO24を表し、R3は水素原子、シアノ基、水酸
基、カルボキシル基、アルキル基、アリール基、−CO
24、−OR4、−NR56、−CONR56、−NR5
COR4、−NR5SO24、又はNR5CONR5
6(ここで、R4はアルキル基、又はアリール基を表し、
5、R6は各々水素原子、アルキル基、又はアリール基
を表す。)を表す。L1、L2、L3は各々メチン基を表
す。nは1又は2を表す。
【0097】一般式(IV)において、R1のアルキル基
としては炭素数1〜4のアルキル基、2−シアノエチル
基、2−ヒドロキシエチル基、カルボキシベンジル基が
挙げられ、アリール基としてはフェニル基、2−メチル
フェニル基、2−カルボキシフェニル基、3−カルボキ
シフェニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジ
カルボキシフェニル基、2−ヒドロキシフェニル基、3
−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、
2−クロロ−4−カルボキシフェニル基、4−メチルス
ルファモイルフェニル基が挙げられ、複素環基として
は、5−カルボキシベンゾオキサゾール−2−イル基が
挙げられる。
【0098】R2のアルキル基としては炭素数1〜4の
アルキル基、カルボキシメチル基、2−ヒドロキシエチ
ル基、2−メトキシエチル基が挙げられ、アリール基と
しては2−カルボキシフェニル基、3−カルボキシフェ
ニル基、4−カルボキシフェニル基、3,6−ジカルボ
キシフェニル基が挙げられ、複素環基としてはピリジル
基が挙げられ、−COR4としてはアセチル基が挙げら
れ、−SO24としてはメタンスルホニル基が挙げられ
る。
【0099】R3、R4、R5、R6のアルキル基としては
炭素数1〜4のアルキル基が挙げられる。R3、R4、R
5、R6のアリール基としてはフェニル基、メチルフェニ
ル基が挙げられる。本発明においては、R1がカルボキ
シル基置換のフェニル基(例えば、2−カルボキシフェ
ニル、3−カルボキシフェニル、4−カルボキシフェニ
ル、3,6−ジカルボキシフェニル)であることが好ま
しい。
【0100】以下に、本発明に好ましく用いられる一般
式(I)〜(IV)で表される化合物の具体例を記載する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0101】
【化11】
【0102】
【化12】
【0103】
【化13】
【0104】
【化14】
【0105】
【化15】
【0106】
【化16】
【0107】
【化17】
【0108】
【化18】
【0109】
【化19】
【0110】
【化20】
【0111】
【化21】
【0112】
【化22】
【0113】
【化23】
【0114】
【化24】
【0115】
【表1】
【0116】
【表2】
【0117】
【表3】
【0118】
【表4】
【0119】
【表5】
【0120】
【表6】
【0121】
【表7】
【0122】本発明に用いられる染料は、国際特許WO
88/04794号、欧州公開特許第274,723A
1号、同第276,566号、同第299,435号、
特開昭52−92716号、同55−155350号、
同55−155351号、同61−205934号、同
48−68623号、米国特許第2,527,583
号、同第3,486,897号、同第3,746,53
9号、同第3,933,798号、同第4,130,4
29号、同第4,040,841号、特開平3−282
244号、同3−7931号、同3−167546号等
の明細書あるいは公報に記載されている方法又はその方
法に準じて合成できる。
【0123】本発明で用いられる、染料の固体微粒子分
散物は、公知の方法で調製できる。製造法の詳細は、機
能性顔料応用技術(シーエムシー刊、1991年)など
に記載されている。メディア分散は一般的な方法の一つ
である。この方法では染料粉末又はそのウエットケーキ
と呼ばれる水や有機溶媒で湿った状態の染料を、水性ス
ラリーにし、公知の粉砕機(例えばボールミル、振動ボ
ールミル、遊星ボールミル、縦型サンドミル、ローラー
ミル、ピンミル、コボールミル、キャディーミル、横型
サンドミル、アトライター等)を用いて、分散メディア
(スチールボール、セラミックボール、ガラスビーズ、
アルミナビーズ、ジルコニアシリケートビーズ、ジルコ
ニアビーズ、オタワサンドなど)の存在下で機械力によ
って粉砕する。これらのうち、ビーズの平均直径は好ま
しくは2mm〜0.3mm、より好ましくは1mm〜
0.3mm、更に好ましくは0.5mm〜0.3mmの
ものが用いられる。これらの他にジェットミル、ロール
ミル、ホモジナイザー、コロイドミルやデゾルバーによ
って粉砕する方法や、超音波分散機による粉砕方法も用
いることができる。
【0124】また米国特許第2,870,012号に開
示されているように、均一溶液に溶解した後、貧溶媒を
加えて固体微粒子を析出させたり、例えば特開平3−1
82743号に開示されているように、アルカリ溶液に
溶解した後pHを下げることで、固体微粒子を析出させ
る方法も用いることができる。
【0125】これらの固体微粒子分散物を調製するとき
は、分散助剤を存在させるのが好ましい。従来より開示
されてきた分散助剤としては、アルキルフェノキシエト
キシスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ア
ルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸エステル
塩、アルキルスルホコハク酸塩、ナトリウムオレイルメ
チルタウライド、ナフタレンスルホン酸のホルムアルデ
ヒド縮重物、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、マレ
イン酸アクリル酸共重合物、カルボキシメチルセルロー
ス、硫酸セルロース等のアニオン系分散剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルなど
のノニオン系分散剤、カチオン系分散剤やベタイン系分
散剤が挙げられるが、下記一般式(V−a)又は(V−
b)で表されるポリアルキレンオキサイドを用いること
が特に好ましい。
【0126】
【化25】
【0127】一般式(V−a)及び(V−b)中、a及
びbはそれぞれ5〜500の値を示す。好ましいaとb
の値はそれぞれ10〜200、より好ましいaとbの値
はそれぞれ50〜150である。aとbの値がこの範囲
であると塗布面の均一性良化の点で好ましい。
【0128】上記分散助剤において、ポリエチレンオキ
サイド部の比率は質量比で好ましくは0.3〜0.9、
より好ましくは0.7〜0.9、更に好ましくは0.8
〜0.9であり、また、上記分散助剤の平均分子量は好
ましくは1,000〜30,000、より好ましくは
5,000〜40,000、更に好ましくは8,000
〜20,000である。更に、上記分散助剤のHLB
(親水性親油性バランス)としては、好ましくは7〜3
0、より好ましくは12〜30、更に好ましくは18〜
30である。数値がこの範囲であると塗布面の均一性良
化の点で好ましい。
【0129】これらの化合物は市販品として入手可能で
あり、たとえばBASF社のPluronic等があ
る。
【0130】以下に本発明に用いられる一般式(V−
a)又は(V−b)で表される化合物の具体例を記載す
る。
【0131】
【表8】
【0132】次に、下記一般式(A)で表される染料も
好ましく用いることができる。
【0133】
【化26】
【0134】一般式(A)中、Lは窒素原子又は1、
3、5もしくは7個の置換されていてもよいメチン基が
共役二重結合で連結されて形成される基を表し、Eは
O、S、N−R9を表し;R0、R9は、独立に水素原
子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー
ル基、複素環基、アミノ基、ヒドラジノ基、又はジアゼ
ニル基を表し、これらの基は更に置換基によつて置換さ
れていてもよい。;R1は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、アルケニル基、アルキニル基、又は複素環基を
表し、水素原子以外の基は更に置換基によって置換され
ていてもよい。;R2は水素原子、ハロゲン原子、シア
ノ基、ニトロ基、水酸基、カルボキシル基、アルキル
基、アリール基、アルケニル基、複素環基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリ
ールオキシカルボニル基、アミノ基、アシルオキシ基、
カルバモイル基、スルファモイル基、アルキルチオ基、
アリールチオ基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、又はアルキニル基を表し、アルキル基、アリ
ール基、アルケニル基、複素環、アルコキシ基、アリー
ルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシ
カルボニル基、アミノ基、アシルオキシ基、カルバモイ
ル基、スルファモイル基、アルキルチオ基,アリールチ
オ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、
アルキニル基は更に置換基によつて置換されていてもよ
い。;R0とR9とは互いに連結して環を形成してもよ
く;R3及びR4は互いに独立に、水素原子、ハロゲン原
子、アルコキシ基、アルキル基、アルケニル基、アリー
ルオキシ基又はアリール基を表し、R5、R6は独立に水
素原子もしくは置換基を表し、R7、R8は互いに独立
に、アルキル基、アリール基、ビニル基、アシル基、又
はアルキルもしくはアリールスルホニル基を表す。ただ
し、R3とR5、R4とR6、R7とR8、R5とR7、R6
8は互いに連結して環を形成していてもよい。
【0135】以下に、一般式(A)の各基について詳述
する。Lは、好ましくは窒素原子又は下記一般式(A−
a)で表されるものであり、より好ましくは下記一般式
(A−a)で表されるものである。
【0136】
【化27】
【0137】一般式(A−a)中、L1、L2、L3は置
換もしくは無置換のメチン基を表し、pは0又は1を表
す。L1、L2、L3上の置換基としては、例えば、メチ
ル基、エチル基を挙げることができる。Eで表される基
のうち好ましいものはO又はN−R9であり、R9として
好ましいものは、置換されていてもよい炭素数1〜20
のアルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピ
ル、n−オクチル)、置換されていてもよい炭素数3〜
6のアルケニル基(例えばアリル)、置換されていても
よい炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル、
ナフチル)、置換されていてもよいアミノ基、置換され
ていてもよいヒドラジノ基、置換されていてもよいジア
ゼニル基であり、EがN−R9の場合には特にR9がR0
と連結して環を形成したものが好ましい。R0とR9が連
結することにより形成される環として好ましいものはイ
ミダゾール、トリアゾール、テトラゾール環であり、こ
れらの環は置換基を有していてもよく、また他の環と縮
合環(例えばベンゾイミダゾール)を形成していてもよ
い。
【0138】R0で表される基のうち好ましいものは炭
素数1〜20の置換されていてもよいアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、t−ブチル、n−
ブチル、n−オクチル、n−ドデシル、イソオクタデシ
ル)、炭素数6〜20の置換されていてもよいアリール
基(例えば、フェニル、ナフチル)、環員数5もしくは
6の置換されていてもよい複素環基(ヘテロ原子として
は例えばB、N、O、S、Se、Teを含むもの)を表
す。複素環基の具体例としては置換されていてもよい、
ピロリジル基、モルホリノ基、2−ボラ−1,3−ジオ
キソラニル基、1,3−チアゾリジニル基、などの飽和
ヘテロ環、置換されていてもよいイミダゾリル、チアゾ
リル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾ
テルラゾリル、ベンゾセレナゾリル、ピリジル、ピリミ
ジニル、キノリニルなどの不飽和ヘテロ環が挙げられ
る。これらの基上に置換されていてもよい置換基は、染
料の固体微粒子分散体を塗布する際に、染料分子を溶解
させるような基(例えばスルホン酸基)以外であれば、
特に制限はなく、例えば、ハロゲン原子(例えばF、C
l、Br、I)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル
基、水酸基、炭素数1〜20のアルコキシ基(例えばメ
トキシ、イソプロポキシ、ヘキサデシルオキシ)、炭素
数6〜10のアリールオキシ基(例えばフェノキシ、4
−カルボキシフェノキシ、2,4−ジ−t−ペンチルフ
ェノキシ、m−ペンタデシルフェノキシ、p−メトキシ
フェニル、3,5−ジクロロフェニル)、炭素数1〜2
0のアルキル基(メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、t−ブチル、2−メトキシエチル、トリフル
オロメチル)、炭素数6〜10のアリール基(例えばフ
ェニル、2−カルボキシフェニル、3−カルボキシフェ
ニル、4−カルボキシフェニル、3,5−ジカルボキシ
フェニル、3−クロロフェニル、4−メタンスルホンア
ミドフェニル、4−ヘキシルフェニル、2−ナフチ
ル)、無置換のアミノ基、炭素数1〜20の置換アミノ
基(例えばジメチルアミノ、メチルアミノ、ジエチルア
ミノ、フェニルアミノ、アセチルアミノ、メタンスルホ
ニルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、フェニルチオ
カルバモイルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノ)、無
置換のカルバモイル基、炭素数2〜20の置換カルバモ
イル基(例えばエチルカルバモイル、メチルカルバモイ
ル、フェニルカルバモイル、オクタデシルカルバモイ
ル、ジエチルカルバモイル、ピロリジノカルボニル)、
無置換のスルファモイル基、炭素数1〜20の置換スル
ファモイル基(例えば、メチルスルファモイル、ジメチ
ルスルファモイル、t−ブチルスルファモイル、フェニ
ルスルファモイル、ピロリジノスルホニル、3−(2,
4−ジ−t−ペンチルフェノキシ)ブチルスルファモイ
ル)、炭素数1〜20のアルキルもしくは炭素数6〜1
0のアリールチオ基(例えばメチルチオ、フェニルチ
オ、ベンジルチオ、オクタデシルチオ)、炭素数1〜2
0のアルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル、
2−エトキシエチルスルホニル)、炭素数6〜10のア
リールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル、ドデ
シルベンゼンスルホニル、2−(2−メトキシエトキ
シ)−5−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)−ベンゼン
スルホニル)、炭素数2〜20のエステル基(例えば、
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクタデシ
ルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル)である。
【0139】R0で表される基のうち特に好ましいもの
は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基(例え
ば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ヘキシル、n
−デシル、イソプロピルであり、上記の好ましい置換基
で置換されていてもよい)、炭素原子数6〜10のアリ
ール基(例えばフェニル、ナフチルであり、上記の好ま
しい置換基で置換されていてもよい)、5もしくは6員
の複素環基(例えば2−ピリジル、4−ピリジル、2−
ベンズチアゾリル、2−(1−メチルイミダゾリル)、
4,6−ジエチルアミノ−2−トリアジニルなど)であ
る。
【0140】R1で表される基のうち好ましいものは、
水素原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよい
アルキル基、炭素原子数6〜10の置換されていてもよ
いフェニル基、置換されていてもよい複素環基(環員数
は5もしくは6、ヘテロ原子としてはB、N、O、S、
Se、Teのうちから選ばれるもの)である。これらの
基上に置換する基として好ましいものは、R0上の好ま
しい置換基として上述した基が挙げられる。R1で表さ
れる基のうちより好ましいものは、水素原子、炭素原子
数1〜10のR0上の置換基として上述した基で置換さ
れていてもよいアルキル基(例えば、メチル、エチル、
n−プロピル、t−ブチル、ベンジル、2−メトキシエ
チル、トリフルオロメチル、ベンゾイルオキシメチ
ル)、R0上の置換として上述した基で置換されていて
もよいフェニル基(例えばフェニル、4−カルボキシフ
ェニル、4−メトキシフェニル、3−クロロフェニル、
3−トリフルオロメチルフェニル、2−メタンスルホニ
ル−4−ニトロフェニル、2−ニトロ−4−ジメチルス
ルファモイルフェニル、4−メタンスルホニルフェニ
ル)、環員数5もしくは6の複素環基(例えば2−ピリ
ジル、4−ピリジル、3−ピリジル、2−ベンズチアゾ
リル、2−(1−メチル−イミダゾリル)、4,6−ジ
ブチルアミノ−2−トリアジニルなど)である。
【0141】R2で表される基のうち好ましいものは、
水素原子、炭素原子数1〜20の置換されていてもよい
アルキル基、炭素原子数6〜10の置換されていてもよ
いアリール基、炭素原子数1〜20の置換されていても
よいカルバモイル基、炭素原子数2〜20の置換されて
いてもよいアルコキシカルボニル基、炭素原子数7〜1
1の置換されていてもよいアリールオキシカルボニル
基、カルボキシル基、又は水酸基である。これらの基上
に置換する基として好ましいものは、R0上の好ましい
置換基として上述した基が挙げられる。R2で表される
基の好ましい例としては、メチル、エチル、t−ブチ
ル、トリフルオロメチル、2−エチルヘキシル、ペンタ
デシル、フェニル、4−カルボキシフェニル、4−メト
キシフェニル、4−ニトロフェニル、カルバモイル、メ
チルカルバモイル、ブチルカルバモイル、ジエチルカル
バモイル、ピロリジノカルボニル、モルホリノカルボニ
ル、ヒドロキシエチルカルバモイル、フェニルカルバモ
イル、4−カルボキシフェニルカルバモイル、2−メト
キシエトキシカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバ
モイル、エトキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ベ
ンジルオキシカルボニル、2−メトキシエトキシカルボ
ニル、2−ドデシルオキシ−エトキシカルボニルなどが
挙げられる。
【0142】R3及びR4で表される置換基のうち好まし
いものは水素原子、塩素原子、フッ素原子;置換もしく
は無置換の炭素原子数1〜10のアルコキシ基(例えば
メトキシ、エトキシ、オクチルオキシ)、置換もしくは
無置換の炭素数1〜10のアルキル基(例えばメチル、
イソプロピル、2−メトキシエチル、ベンジル)を表
す。R3及びR4で表される置換基のうち特に好ましいも
のは水素原子、塩素原子、炭素原子数1〜5のアルキル
基(例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチ
ル、t−アミル)、炭素原子数1〜8のアルコキシ基
(例えばメトキシ、エトキシ、sec−ブトキシ、t−
ブトキシ、2−メトキシエトキシ)である。
【0143】R5及びR6で表される置換基は、ハロゲン
原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子など)、
水酸基、シアノ基又は直接もしくは2価の連結基を介し
てベンゼン環に結合した置換もしくは無置換の炭素数1
〜10のアルキル基(例えばメチル、エチル、ブチル、
2−エチルヘキシル)、又は炭素原子数6〜10の置換
もしくは無置換のアリール基(例えばフェニル、ナフチ
ル、4−カルボキシフェニル、3−スルファモイルフェ
ニル、5−メタンスルホンアミド−1−ナフチル)を表
し、2価の連結基は、例えば−O−、−NHCO−、−
NHSO2−、−NHCOO−、−NHCONH−、−
COO−、−CO−、−SO2−、−NR−〔Rは水素
原子又は置換もしくは無置換の炭素数1〜16のアルキ
ル基(例えばメチル、エチル、n−ブチル)を表す。〕
などを表す。R5及びR6で表される基のうち特に好まし
いものは水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基
(例えば、メチル、イソブチル、シクロヘキシル、2−
エトキシプロピル、エチル)である。
【0144】R7及びR8で表されるアルキル基は互いに
同じでも異なっていてもよく、炭素数1〜18のアルキ
ル基(例えばメチル、エチル、プロピル、イソブチル、
n−オクチル、n−ドデシル、n−オクタデシル)が好
ましく、置換基(例えばシアノ基、水酸基、メトキシ
基、カルボン酸基、エトキシ基などのアルコキシ基、フ
ェノキシ基などのアリーロキシ基、アセトアミド基、メ
タンスルホンアミド基などのアミド基、塩素原子、フッ
素原子などのハロゲン原子など)を有していてもよい。
7及びR8で表されるアリール基は互いに同じでも異な
っていてもよく、置換もしくは無置換のフェニル基{置
換基として例えばカルボン酸基、水酸基、シアノ基、ハ
ロゲン原子(例えば塩素原子、フッ素原子)、炭素数2
〜18のアシル基(例えばアセチル、プロピオニル、ス
テアロイル)、炭素数1〜18のスルホニル基(例えば
メタンスルホニル、エタンスルホニル、オクタンスルホ
ニルなど)、炭素数1〜18のカルバモイル(例えば無
置換のカルバモイル、メチルカルバモイル、オクチルカ
ルバモイル)、炭素数1〜18のスルファモイル基(例
えば無置換のスルファモイル、メチルスルファモイル、
ブチルスルファモイル)、炭素数2〜18のアルコキシ
カルボニル基(例えばメトキシカルボニル、トリクロロ
エトキシカルボニル、デシルオキシカルボニル)、炭素
数1〜18のアルコキシ基(例えばメトキシ、ブトキ
シ、ペンタデシルオキシ)、アミノ基(例えばジメチル
アミノ、ジエチルアミノ、ジヘキシルアミノ)}又は置
換もしくは無置換のナフチル基(置換基としてはフェニ
ル基の場合と同じものを挙げられる。)が好ましい。
【0145】R7及びR8で表されるビニル基は互いに独
立に、炭素原子数2〜18の置換もしくは無置換のビニ
ル基(例えばビニル、1−プロペニル、2,2−ジメチ
ルビニル、1−メチル−1−プロペニルなど)が好まし
い。R7及びR8で表されるアシル基は互いに独立に、置
換されていてもよい炭素原子数1〜18の脂肪族もしく
は芳香族のアシル基(例えば、アセチル、ピバロイル、
ベンゾイル、2−カルボキシベンゾイル)が好ましい。
7及びR8で表されるアルキルもしくはアリールスルホ
ニル基は互いに独立に、置換されていてもよい炭素原子
数1〜18のアルキルもしくはアリールスルホニル基
(例えば、メタンスルホニル、オクタンスルホニル、ベ
ンゼンスルホニル、3−カルボキシベンゼンスルホニ
ル、トリフルオロメタンスルホニル、ヒドロキシメタン
スルホニル)が好ましい。
【0146】R3とR5、R4とR6とが連結して形成され
る環として好ましいものは5員又は6員環であり、とく
にベンゼン環などの芳香族環あるいはピリジン環、イミ
ダゾール環、チアゾール環、ピリミジン環などの複素芳
香族環が好ましい。R5とR7、R6とR8とが連結して形
成される環として好ましいものは5員又は6員環であ
る。R7とR8とが連結して形成される環として好ましい
ものは5員又は6員環であり、とくにピロリジン環、ピ
ペリジン環、又はモルフォリン環が好ましい。
【0147】一般式(A)で表される化合物の有するい
ずれの置換基も置換基としてスルホン酸基などpKa
(酸解離定数)が2以下の基は好ましくなく、pKaが
3以上の基が好ましい。とくに現像時の感光材料からの
流出を容易にするためpKaが3以上12以下の基、特
に好ましくは4以上11以下の基を1個〜4個有するこ
とが好ましい。この様な基の例としてはカルボキシル
基、フェノール性の水酸基、−NHSO2−基、−CO
CH2CO−などの活性メチレン基、などを挙げること
ができ、特に、アリール基に直接結合したカルボキシル
基が好ましい。
【0148】以下に一般式(A)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明の範囲は、これらに限定される
ものではない。
【0149】
【化28】
【0150】
【化29】
【0151】
【化30】
【0152】
【化31】
【0153】
【化32】
【0154】
【化33】
【0155】
【化34】
【0156】
【化35】
【0157】
【化36】
【0158】
【化37】
【0159】
【化38】
【0160】本発明の化合物は、特開昭52−1353
35号公報に記載された方法を参考にして合成すること
ができる。すなわち一般式〔I−a〕で表される化合物
をニトロソアニリン類、ベンズアルデヒド類、桂皮アル
デヒド類と縮合させて合成することができる。
【0161】
【化39】
【0162】一般式〔I−a〕中、R0、R1、R2、E
は一般式(A)における定義と同義の基を表す。] 一般式〔I−a〕で表される化合物は下記一般式〔I−
b〕で表される化合物と一般式〔I−c〕で表される化
合物とを酸性条件下で加熱することによって合成でき
る。
【0163】
【化40】
【0164】一般式〔I−b〕中、R0、R1、Eは一般
式(A)におけるR0、R1、Eと同義の基を表す。
【0165】
【化41】
【0166】一般式〔I−c〕中、R2は一般式(A)
におけるR2と同義の基を表し、R10はアルキル基又は
アリール基を表す。なお当然のことながら一般式(A)
又は一般式〔I−a〕で表される化合物上の官能基は公
知の方法で他の官能基へ変換することが可能である。
【0167】以下に本発明の化合物について、合成法の
具体例を挙げる。 ≪合成例5 化合物2の合成≫1−フェニル−3−アニ
リノ−2−ピラゾリン−5−オン(25g)、アセト酢
酸エチル(18g)、及び酢酸(150ml)を6時間
加熱還流した。反応液を水で希釈し、生じた固体をアセ
トニトリルから結晶化させることにより、10.9gの
2,7−ジフェニル−4−メチルピラゾロ〔3,4−
b〕ピリジン−3,6−ジオンを得た。融点は145−
147℃であった。この化合物3.17gにメタノール
150mlとトリエチルアミン1.4mlを加えて溶か
し、さらにN,N−ジエチル−2,5−ジメチル−4−
ニトロソアニリン塩酸塩2.4gと無水酢酸0.94m
lを加え、室温で1時間攪拌した。析出した結晶を濾取
し、メタノールで洗った後、酢酸エチルとクロロホルム
の1:5混合物に溶かして、シリカゲルのショートカラ
ムを通して精製した。溶媒を留去した後、クロロホルム
に溶解し、メタノールを加えて結晶を析出させた。濾
取、乾燥して0.3gの化合物2を得た。融点は183
〜185℃であった。
【0168】≪合成例6 化合物12の合成≫3−アミ
ノ−1−(2,5−ジクロロフェニル)−2−ピラゾリ
ン−5−オン48.8gに酢酸200mlとアセト酢酸
エチル26.4gとを加え2時間還流した。反応液を水
800mlに注入し、生じた結晶を濾取し、水、イソプ
ロパノール、酢酸エチルの順で洗った。この結晶をイソ
プロパノール200mlに分散させ、加熱攪拌して洗っ
た後、濾取し、乾燥して4.7gの4−メチル−2−
(2,5−ジクロロフェニル)ピラゾロ〔3,4−b〕
ピリジン−3,6−ジオンを得た。この化合物3.1g
にメタノール200mlとトリエチルアミン1.4ml
を加えて溶かした後、N,N−ジエチル−4−ニトロソ
メタトルイジン1.92gと無水酢酸0.94mlとを
加え、室温で30分攪拌した。酢酸0.7mlを加えた
後水500mlに注入しクロロホルムで抽出した。抽出
物をシリカゲルクロマトグラフイーにて2回精製し青緑
色の部分を集め、溶媒を留去して0.6gの化合物12
を得た。融点は300℃以上であった。
【0169】≪合成例7 化合物14の合成≫3−(3
−クロロフェニルアミノ)−1−フェニル−2−ピラゾ
リン−5−オン5.7gに酢酸30mlとアセト酢酸エ
チル4gを加え浴温150℃で10時間20分加熱攪拌
した。不溶物を反応液が熱いうちに濾取し、イソプロパ
ノールで洗い風乾して、2.3gの7−(3−クロロフ
ェニル)−2−フェニル−4−メチルピラゾロ〔3,4
−b〕ピリジン−3,6−ジオンを得た。融点は278
〜282℃であった。この化合物1.5gにメタノール
100mlとトリエチルアミン0.6mlとを加え、微
量の不溶物を濾過して除いた後、1.1gのN,N−ジ
エチル−3,5−ジメチル−4−ニトロソアニリン塩酸
塩と0.41mlの無水酢酸を加え室温で30分間攪拌
した。析出した結晶を濾取し、メタノールで洗浄した
後、クロロホルムとメタノールの混合物を用いて再結晶
し、0.2gの化合物14を得た。融点は178−18
0℃であった。
【0170】≪合成例8 化合物36の合成≫2−(4
−カルボキシフェニル)−4−メチルピラゾロ〔3,4
−b〕ピリジン−3,6−ジオン2.8g、4−ジメチ
ルアミノベンズアルデヒド1.6g、酢酸25ml、無
水酢酸5mlを混合し、内温70〜75℃で2時間加熱
攪拌した。生じた結晶を濾取し、メタノールで洗浄し
た。この結晶をメタノール30mlに分散し、1時間還
流した。不溶の結晶を濾取し、メタノールで洗浄し、乾
燥して2.1gの化合物36を得た。融点は300℃以
上であった。また、λmax=559nm、ε=4.1
8×104(ジメチルスルホキシド)であった。
【0171】≪合成例9 化合物37の合成≫2−(4
−カルボキシフェニル)−4−メチルピラゾロ〔3,4
−b〕ピリジン−3,6−ジオン2.8g、4−ジメチ
ルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド1.8g、酢酸
25ml、無水酢酸5mlを混合し、内温80〜85℃
で2時間攪拌した。生じた結晶を濾取し、メタノールで
洗浄した。この結晶をメタノール50mlに分散し、1
時間還流した。不溶の結晶を濾取し、メタノールで洗浄
し、乾燥して2.7gの化合物37を得た。融点は30
0℃以上であった。また、λmax=582nm、ε=
4.23×104(ジメチルスルホキシド)であった。
【0172】≪合成例10 化合物39の合成≫2−
(4−カルボキシフェニル)−4,7−ジ−メチルピラ
ゾロ〔3,4−b〕ピリジン−3,6−ジオン6.0
g、4−ジメチルアミノ−2−メチルベンズアルデヒド
3.6g、酢酸30ml、無水酢酸10mlを混合し、
内温80〜85℃で2時間加熱攪拌した。生じた結晶を
濾取し、メタノールで洗浄した。この結晶をメタノール
100mlに分散し、1時間還流した。不溶の結晶を濾
取し、メタノールで洗浄し、乾燥して6.8gの化合物
39を得た。融点は300℃以上であった。また、λm
ax=585nm、ε=4.35×104(ジメチルス
ルホキシド)であった。
【0173】≪合成例11 化合物42の合成≫2−
(4−カルボキシフェニル)−4−メチルピラゾロ
〔3,4−b〕ピリジン−3,6−ジオン2.8g−ジ
メチルアミノケイ皮アルデヒド1.9g、酢酸25m
l、無水酢酸5mlを混合し、内温80〜85℃で2.
5時間加熱攪拌した。生じた結晶を濾取し、メタノール
で洗浄した。この結晶をメタノール100mlに分散
し、1時間還流した。不溶の結晶を濾取し、メタノール
で洗浄し、乾燥して1.7gの化合物42を得た。融点
は300℃以上であった。また、λmax=628n
m、ε=6.16×104(ジメチルスルホキシド)で
あった。
【0174】一般に、一般式(A)の染料は感光材料上
の面積1m2当り1〜1000mg程度用いられる。好
ましくは、1m2当り1〜250mg程度である。一般
式(A)に示される染料をフィルター染料又はアンチハ
レーション染料として使用するときは、効果のある任意
の量を使用できるが、光学濃度が0.05〜3.5の範
囲になるように使用するのが好ましい。添加時期は塗布
される前のいかなる工程でもよい。上記染料は、乳剤層
やその他の親水性コロイド層のいずれにも用いることが
できる。上記染料を微結晶分散体として分散させる方法
としては分散剤の存在下に公知の粉砕化手段、例えばボ
ールミリング(ボールミル、振動ボールミル、遊星ボー
ルミルなど)、サンドミリング、コロイドミリング、ジ
ェットミリング、ローラーミリングなどによって形成さ
せる方法(その場合は溶媒(例えば水、アルコールな
ど)を共存させてもよい)を用いることができる。或い
は上記の化合物を適当な溶媒中で溶解させた後、上記の
化合物の貧溶媒を添加して微結晶粉末を析出させてもよ
く、その場合には分散用界面活性剤を用いてもよい。或
いは上記の化合物をpHコントロールすることによって
まず溶解させ、その後pHを変化させて微結晶化させて
もよい。分散体中における一般式(A)の化合物の微結
晶粒子は、平均粒径が10μm以下、より好ましくは2
μm以下であり、特に好ましくは0.5μm以下であ
り、場合によっては0.1μm以下の微粒子であること
が更に好ましい。
【0175】親水性コロイドとしては、ゼラチンが代表
的なものであるが、その他写真用に使用しうるものとし
て従来知られているものはいずれも使用できる。
【0176】本発明において、好ましく用いられる染料
に対する上記分散助剤の使用量としては、質量比で好ま
しくは0.05〜0.5、より好ましくは0.1〜0.
3である。分散助剤の使用量がこの範囲であると塗布面
の均一性良化の点で好ましい。また固体微粒子分散物の
調製時に分散物の安定化や低粘度化の目的でポリビニル
アルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリ
コール、多糖類、ゼラチンなどの親水性コロイドを共存
させることもできる。本発明においては後述する一般式
(VI)の化合物を共存させることが特に好ましい。
【0177】本発明で好ましく用いられる染料の固体微
粒子分散物は、好ましくは、特開平5−216166号
公報に開示されているような方法で、分散前、分散中又
は分散後に加熱処理される。
【0178】本発明による染料は感光材料中に組み込む
前に熱処理を行うことにより、本発明の効果を得るのに
好ましい。本発明において、染料分散物に好ましく適用
される熱処理としては、染料粉体を溶媒中で加熱するな
ど固体状に微分散する工程の前に行う方法と、染料を分
散剤の存在下で水あるいは他の溶媒中に分散する際冷却
せず、あるいは温度をかけて分散を行う方法、及び分散
後の液や塗布液を加熱処理する方法とがあるが、分散後
に行うのが特に好ましい。
【0179】一般式(I)の染料を含有する固体微粒子
分散物が、特定の層に複数種用いられているときは少な
くとも1種が熱処理されていればよい。
【0180】分散時及び分散後熱処理中のpHは分散物
が安定に存在する条件であればよく、好ましくはpH
2.0以上8.0以下、より好ましくは2.0以上6.
5以下、更に好ましくは2.5以上4.5未満である。
熱処理中のpHがこの範囲であると塗布物の膜強度改良
の点で好ましい。分散物のpH調整は、例えば硫酸、塩
酸、酢酸、クエン酸、リン酸、しゅう酸、炭酸、炭酸水
素ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウムやそれらからなる緩衝液を用いることがで
きる。
【0181】熱処理をする温度としては熱処理をする工
程、粉体ないし粒子の大きさ形状、熱処理条件、溶媒な
どによって異なるので一概には云えず40℃以上で染料
が分解しない範囲であれば何度でもよいが、粉体で熱処
理する場合には40℃〜200℃が適当であり、好まし
くは50℃〜150℃が適当であり、溶媒中で熱処理す
る場合には40℃〜150℃、好ましくは50℃〜15
0℃、分散中に熱処理する場合には40℃〜90℃が適
当であり、好ましくは50℃〜90℃、分散後の分散液
を熱処理する場合には40℃〜100℃が適当であり、
好ましくは50℃〜95℃である。熱処理の温度が40
℃より低いと効果が乏しく好ましくない。
【0182】熱処理が溶媒中で行われる場合、その溶媒
の種類としては、染料を実質的に溶解しないものであれ
ば制限はなく、例えば水、アルコール類(例えば、メタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノ
ール、イソアミルアミルコール、オクタノール、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、エチルセロソル
ブ)、ケトン類(例えば、アセトン、メチルエチルケト
ン)、エステル類(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル)、アルキルカルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオ
ン酸)、ニトリル類(例えば、アセトニトリル)、エー
テル類(例えば、ジメトキシエタン、ジオキサン、テト
ラヒドロフラン)、アミド類(例えば、ジメチルホルム
アミド)等を挙げることができる。
【0183】また、これらの溶媒単独では染料が溶解し
てしまう場合でも、水や他の溶媒と混合したり、pHを
調節することで染料が実質溶解しなければ使用すること
ができる。
【0184】熱処理する時間についても一概には云え
ず、温度が低ければ長時間を要し、高ければ短時間で済
む。製造工程上影響のない範囲内で熱処理が実現できる
ように任意に設定することができるが、通常1時間〜4
日であることが好ましい。
【0185】写真感光材料に染料の微粒子を含有してな
る層を設けるには、このようにして得た微粒子を適当な
バインダー中に分散させることによってほぼ均一な粒子
の固体分散物として調製した後、これを所望の支持体上
に塗設することによって設けることが出来る。上記バイ
ンダーは感光性乳剤層や、非感光性層に用いることがで
きる親水性のコロイドであれば特に制限はないが、通常
ゼラチン又はポリビニルアルコールやポリアクリルアミ
ド等の合成ポリマーが用いられる。
【0186】固体分散物中の微粒子は、平均粒子径0.
005μm〜10μm、好ましくは0.01μm〜1μ
m、より好ましくは0.01μm〜0.7μmであるこ
とが好ましい。この範囲であると微粒子の非凝集性、光
の吸収効率の点で好ましい。本発明で好ましく用いられ
る一般式(I)の染料の固体微粒子分散物は、単独又は
複数の固体微粒子分散物と併用して使用することができ
る。
【0187】さらに、固体微粒子を添加する親水性コロ
イド層はただ一層でもよいし、複数層であってもよい。
例えば、単独の固体微粒子分散物をただ一層に添加する
場合、複数層に分割して添加する場合、複数の固体微粒
子分散物をただ一層に同時に添加する場合、それぞれ別
層に添加する場合などが例として挙げられるが、上記に
限られるものではない。
【0188】さらに、固体微粒子分散物は、アンチハレ
ーション層として必要な量を組み込まれたうえ、イラジ
エーション防止用に感光性ハロゲン化銀乳剤層に必要量
を添加されることもできる。本発明で好ましく用いられ
る一般式(I)で表される染料の固体微粒子分散物を含
有する親水性コロイド層は、支持体とこれに最も近いハ
ロゲン化銀乳剤層の間に設けられる。ここで、支持体と
これに最も近いハロゲン化銀乳剤層の間には、固体微粒
子分散物を含有する親水性コロイド層以外の他の非感光
性親水性コロイド層を有していてもよい。
【0189】本発明で好ましく用いられる染料の固体微
粒子分散物は、ハロゲン化銀写真感光材料において、染
料の色相に応じて非感光性親水性コロイド層に含有され
るが、該非感光性層が複数層設けられている態様の感光
材料においては、これらの複数層に含有させることもで
きる。本発明の好ましく用いられる固体微粒子分散物中
の染料濃度は0.1〜50質量%が適当であり、好まし
くは2〜30質量%である。染料濃度がこの範囲である
と分散物の粘度の点で好ましい。また、固体微粒子染料
の好ましい塗布量は、約0.05〜0.5g/m2であ
る。
【0190】本発明においては、固体微粒子分散物とと
もに下記一般式(VI)で表される化合物を同一写真構成
層に含有することが好ましい。 一般式(VI); P−((S)m−R)n 一般式(VI)中、Rは水素原子、疎水性基又は疎水性重
合体を表し、Pは下記構層単位A、B及びCのうちの少
なくとも1つを含み、Pの重合度が10以上3500以
下の重合体を表す。nは1又は2を表す。mは1又は0
を表す。
【0191】
【化42】
【0192】ここで、R1は−H又は炭素数1〜6のア
ルキル基を表し、R2は−H又は炭素数1〜10のアル
キル基を表し、R3は−H又は−CH3を表し、R4
H、−CH3、−CH2COOH(アンモニウム基又は金
属塩を含む)又は−CNを表し、Xは−H、−COOH
(アンモニウム基又は金属塩を含む)又は−CONH2
を表し、Yは−COOH(アンモニウム基又は金属塩を
含む)、−SO3H(アンモニウム基又は金属塩を含
む)、−OSO3H(アンモニウム基又は金属塩を含
む)、−CH2SO3H(アンモニウム基又は金属塩を含
む)、−CONHC(CH32CH2SO3H(アンモニ
ウム基又は金属塩を含む)又は−CONHCH2CH2
2+(CH33Cl-を表す。
【0193】本発明で好ましく使用される一般式(VI)
で表される化合物の詳細(具体的な説明、好ましい限
定、例示化合物、使用量、合成法等)は特開平11−9
5371号公報の24頁46欄27行目〜33頁63欄
2行目(段落番号0090〜0128)に記載されてお
り、本発明の明細書の一部として取り込まれる。
【0194】次に本発明のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の写真層等について記載する。本発明のハロゲン化
銀カラー写真感光材料は、透過型支持体を有するハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料であり、該支持体上に、実質
的に感色性の異なる複数のハロゲン化銀乳剤層から成る
感光性層を少なくとも1つ有するハロゲン化銀写真感光
材料である。本発明はカラーネガフィルム、反転フィル
ム、映画用カラーネガフィルム、カラーポジフィルム、
映画用ポジフィルムなど一般用、映画用カラー感光材料
に適用することができる。特に映画用カラーポジ感光材
料に適用するのが好ましい。
【0195】本発明に使用できる写真用添加剤は以下の
リサーチディスクロジャー誌(RD)に記載されてお
り、下記の表に関連する記載箇所を示した。
【0196】
【表9】
【0197】本発明の感光材料には、種々の色素形成カ
プラーを使用することができるが、以下の色素形成カプ
ラーが特に好ましく用いられる。 イエローカプラー:EP502,424Aの式(I),
(II)で表されるカプラー;EP513,496Aの式
(1),(2)で表されるカプラー(特に18頁のY−
28);特開平5−307248号公報の請求項1の一
般式(I)で表されるカプラー;US5,066,57
6のカラム1の45〜55行の一般式(I)で表される
カプラー;特開平4−274425号公報の段落000
8の一般式(I)で表されるカプラー;EP498,3
81A1の40頁のクレーム1に記載のカプラー(特に
18頁のD−35);EP447,969A1の4頁の
式(Y)で表されるカプラー(特にY−1(17頁),
Y−54(41頁));US4,476,219におけ
るカラム7の36〜58行の式(II)〜(IV)で表
されるカプラー(特にII−17,19(カラム1
7),II−24(カラム19))。
【0198】マゼンタカプラー;特開平3−39737
(L−57(11頁右下),L−68(12頁右下),
L−77(13頁右下));EP456,257のA−
4−63(134頁),A−4−73,−75(139
頁);EP486,965のM−4,−6(26頁),
M−7(27頁);特開平6−43611の段落002
4のM−45,特開平5−204106の段落0036
のM−1;特開平4−362631の段落0237のM
−22。 シアンカプラー:特開平4−204843のCX−1,
3,4,5,11,12,14,15(14〜16
頁);特開平4−43345のC−7,10(35
頁),34,35(37頁),(I−1),(I−1
7)(42〜43頁);特開平6−67385の請求項
1の一般式(Ia)又は(Ib)で表されるカプラー。 ポリマーカプラー:特開平2−44345のP−1,P
−5(11頁)。また、特開平5−313324号,特
開平6−347906号等に記載されているカプラーも
好ましく用いられる。 サウンドトラック形成用赤外カプラー:特開平63−1
43546号及び該特許に引用されている特許に記載の
カプラー。
【0199】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、US4,366,237、GB2,1255
70、EP96,873B、DE3,234,533に
記載のものが好ましい。発色色素の不要吸収を捕正する
ためのカプラーは、EP456,257A1の5頁に記
載の式(CI),(CII),(CIII),(CIV)で表
されるイエローカラードシアンカプラー(特に84頁の
YC−86)、該EPに記載のイエローカラードマゼン
タカプラーExM−7(202頁、EX−1(249
頁)、EX−7(251頁)、US4,833,069
に記載のマゼンタカラードシアンカプラーCC−9(カ
ラム8)、CC−13(カラム10)、US4,83
7,136の(2)(カラム8)、W092/1157
5のクレーム1の式(A)で表される無色のマスキング
カプラー(特に36〜45頁の例示化合物)が好まし
い。
【0200】現像主薬酸化体と反応して写真的に有用な
化合物残基を放出する化合物(カプラーを含む)として
は、以下のものが挙げられる。現像抑制剤放出化合物:
EP378,236A1の11頁に記載の式(I),
(II),(III),(IV)で表される化合物(特にT−
101(30頁),T−104(31頁),T−113
(36頁),T−131(45頁),T−144(51
頁),T−158(58頁)),EP436,938A
2の7頁に記載の式(I)で表される化合物(特にD−
49(51頁))、特開平5−307248の式(1)
で表される化合物(特に段落0027の(23))、E
P440,195A2の5〜6頁に記載の式(I),
(II),(III)で表される化合物(特に29頁のI−
(1));漂白促進剤放出化合物:EP310,125
A2の5頁の式(I),(I’)で表される化合物(特
に61頁の(60),(61))及び特開平6−594
11の請求項1の式(I)で表される化合物(特に段落
0022の(7));リガンド放出化合物:US4,5
55,478のクレーム1に記載のLIG−Xで表され
る化合物(特にカラム12の21〜41行目の化合
物);ロイコ色素放出化合物;US4,749,641
のカラム3〜8の化合物1〜6;蛍光色素放出化合物:
US4,774,181のクレーム1のCOUP−DY
Eで表される化合物(特にカラム7〜10の化合物1〜
11);現像促進剤又はカブラセ剤放出化合物:US
4,656,123のカラム3の式(1)、(2)、
(3)で表される化合物(特にカラム25の(I−2
2))及びEP450,637A2の75頁36〜38
行目のExZK−2;離脱して初めて色素となる基を放
出する化合物: US 4,857,447のクレーム
1の式(I)で表される化合物(特にカラム25〜36
のY−1〜Y−19)。
【0201】カプラー以外の添加剤としては、以下のも
のが好ましい。 油溶性有機化合物の分散媒:特開昭62−215272
のP−3,5,16,19,25,30,42,49,
54,55,66,81,85,86,93(140〜
144頁);油溶性有機化合物の含浸用ラテックス:U
S4,199,363に記載のラテックス;現像主薬酸
化体スカベンジャー:US4,978,606のカラム
2の54〜62行の式(I)で表される化合物(特にI
−,(1),(2),(6),(12)(カラム4〜
5)、US4,923,787のカラム2の5〜10行
の式(特に化合物1(カラム3);ステイン防止剤:E
P298321Aの4頁30〜33行の式(I)〜(II
I),特にI−47,72,III−1,27(24〜48
頁);褪色防止剤:EP 298321AのA−6,
7,20,21,23,24,25,26,30,3
7,40,42,48,63,90,92,94,16
4(69〜118頁),US5,122,444のカラ
ム25〜38のII−1〜III−23,特にIII−10,E
P471347Aの8〜12頁のI−1〜III−4,特
にII−2,US5,139,931のカラム32〜40
のA−1〜48,特にA−39,42;発色増強剤又は
混色防止剤の使用量を低減させる素材:EP41132
4Aの5〜24頁のI−1〜II−15,特にI−46;
ホルマリンスカベンジャー:EP477932Aの24
〜29頁のSCV−1〜28,特にSCV−8;
【0202】硬膜剤:特開平1−214845の17頁
のH−1,4,6,8,14,US4,618,573
のカラム13〜23の式(VII)〜(XII)で表される化
合物(H−1〜54),特開平2−214852の8頁
右下の式(6)で表される化合物(H−1〜76),特
にH−14,US3,325,287のクレーム1に記
載の化合物;現像抑制剤プレカーサー:特開昭62−1
68139のP−24,37,39(6〜7頁);US
5,019,492のクレーム1に記載の化合物,特に
カラム7の28〜29;防腐剤、防黴剤:US4,92
3,790のカラム3〜15のI−1〜III−43,特
にII−1,9,10,18,III−25;安定剤、かぶ
り防止剤:US4,923,793のカラム6〜16の
I−1〜(14),特にI−1,60,(2),(1
3),US4,952,483のカラム25〜32の化
合物1〜65,特に36:化学増感剤:トリフェニルホ
スフィンセレニド,特開平5−40324の化合物5
0;染料:特開平3−156450の15〜18頁のa
−1〜b−20,特にa−1,12,18,27,3
5,36,b−5,27〜29頁のV−1〜23,特に
V−1,EP445627Aの33〜55頁のF−I−
1〜F−II−43,特にF−I−11,F−II−8,E
P457153Aの17〜28頁のIII−1〜36,特
にIII−1,3,W088/04794の8〜26のD
ye−1〜124の微結晶分散体,EP319999A
の6〜11頁の化合物1〜22,特に化合物1,EP5
19306Aの式(1)〜(3)で表される化合物D−
1〜87(3〜28頁),US4,268,622の式
(I)で表される化合物1〜22(カラム3〜10),
US4,923,788の式(I)で表される化合物
(1)〜(31)(カラム2〜9);UV吸収剤:特開
昭46−3335の式(1)で表される化合物(18
b)〜(18r),101〜427(6〜9頁),EP
520938Aの式(I)で表される化合物(3)〜
(66)(10〜44頁)及び式(III)で表される化
合物HBT−1〜HBT−10(14頁),EP521
823Aの式(1)で表される化合物(1)〜(31)
(カラム2〜9)。
【0203】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
感光材料は、乳剤層を有する側の、全親水性コロイド層
の膜厚の総和が28μm以下であることが好ましく、2
3μm以下がより好ましく、18μm以下が更に好まし
く、16μm以下が特に好ましい。また膜膨潤速度T1
/2は30秒以下が好ましく、20秒以下がより好まし
い。T1/2は、発色現像液で30℃、3分15秒処理
した時に到達する最大膨潤膜厚の90%を飽和膜厚とし
たとき、その膜厚が1/2に到達するまでの時間と定義
する。膜厚は、25℃相対湿度55%調湿下(2日)で
測定した膜厚を意味し、T1/2は、エー・グリーン
(A.Green)らのフォトグラフィック・サイエン
ス・アンド・エンジニアリング(Photogr.Sc
i.Eng),19巻、2,124〜129頁に記載の
型のスエロメーター(膨潤計)を使用することにより測
定できる。T1/2は、バインダーとしてのゼラチンに
硬膜剤を加えること、あるいは塗布後の経時条件を変え
ることによって調整することができる。また、膨潤率は
150〜400%が好ましい。膨潤率とは、先に述べた
条件下での最大膨潤膜厚から、式:(最大膨潤膜厚−膜
厚)/膜厚 により計算できる。
【0204】ここで膨潤率とは、本発明のハロゲン化銀
写真感光材料を35℃の蒸留水に浸し膨潤させたときの
平衡膨潤量を表す尺度であり、 膨潤率(単位:%)=膨潤時の全膜厚/乾燥時の全膜厚
×100 と定義される。膨潤率は170%以上280%以下が好
ましく、190%以上250%以下がより好ましい。膨
潤率はゼラチン硬化剤の添加量を調節することにより上
記範囲とすることができる。
【0205】以下、支持体について説明する。プラスチ
ックフィルム支持体としては、例えばポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレンナフタレート、セルロースト
リアセテート、セルロースアセテートブチレート、セル
ロースアセテートプロピオネート、ポリカーボネート、
ポリスチレン、ポリエチレンのフィルムを挙げることが
できる。
【0206】中でも、ポリエチレンテレフタレートフィ
ルムが好ましく、特に2軸延伸、熱固定されたポリエチ
レンテレフタレートフィルムが、安定性、強靱さなどの
点からも特に好ましい。
【0207】支持体の厚さに特に制限はないが、15〜
500μmの範囲が一般的で、特に40〜200μmの
範囲のものが取扱易さ、汎用性などの点から有利なため
好ましく、100〜150μmが最も好ましい。透過型
支持体とは、好ましくは可視光が90%以上透過するも
のを意味し、光の透過を実質的に妨げない量であれば染
料化ケイ素、アルミナゾル、クロム塩、ジルコニウム塩
などを含有していてもよい。
【0208】上記プラスチックフィルム支持体の表面
に、感光層を強固に接着させるために、一般に下記の表
面処理が行われる。帯電防止層(バック層)が形成され
る側の表面も、一般に同様な表面処理が行われる。 (1)薬品処理、機械的処理、コロナ放電処理、火焔処
理、紫外線処理、高周波処理、グロー放電処理、活性プ
ラズマ処理、レーザー処理、混酸処理、オゾン酸素処
理、などの表面活性処理した後、直接に写真乳剤(感光
層形成用塗布液)を塗布して接着力を得る方法と、
(2)一旦これらの表面処理した後、下塗層を設けこの
上に写真乳剤層を塗布する方法との二法がある。
【0209】これらのうち(2)の方法がより有効であ
り広く行われている。これらの表面処理はいずれも、本
来は疎水性であった支持体表面に、多少とも極性基を形
成させること、表面の接着に対してマイナスの要因にな
る薄層を除去すること、表面の架橋密度を増加させ接着
力を増加させるものと思われ、その結果として下塗層用
溶液中に含有される成分の極性基との親和力が増加する
ことや、接着表面の堅牢度が増加すること等により、下
塗層と支持体表面との接着性が向上すると考えられる。
【0210】上記プラスチックフィルム支持体上の感光
層が設けられない側の表面には、本発明の導電性金属酸
化物粒子を含有する非感光性層(本発明の帯電防止層)
が設けられる。本発明の非感光性層のバインダーとして
は、アクリル樹脂、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂及び
ポリエステル樹脂が好ましく使用される。本発明の非感
光性層は硬膜されているのが好ましく、硬膜剤として
は、アジリジン系、トリアジン系、ビニルスルホン系、
アルデヒド系、シアノアクリレート系、ペプチド系、エ
ポキシ系、メラミン系などが用いられるが、導電性金属
酸化物粒子を強固に固定する観点からは、メラミン系化
合物が特に好ましい。
【0211】導電性金属酸化物粒子の材料としては、Z
nO、TiO2、SnO2、Al23、In23、Mg
O、BaO、MoO3及びV25及びこれらの複合酸化
物、そしてこれらの金属酸化物に更に異種原子を含む金
属酸化物を挙げることができる。
【0212】金属酸化物としては、SnO2、ZnO、
Al23、TiO2、In23、MgO、及びV25
好ましく、さらにSnO2、ZnO、In23、TiO2
及びV 25が好ましく、SnO2及びV25が特に好ま
しい。異種原子を少量含む例としては、ZnOに対して
AlあるいはIn、TiO2に対してNbあるいはT
a、In23に対してSn、及びSnO2に対してS
b、Nbあるいはハロゲン元素などの異種元素を0.0
1〜30モル%(好ましくは0.1〜10モル%)ドー
プしたものを挙げることができる。異種元素の添加量
が、0.01モル%未満の場合は酸化物又は複合酸化物
に充分な導電性を付与することができず、30モル%を
超えると粒子の黒化度が増し、帯電防止層が黒ずむため
感材用としては適さない。従って、導電性金属酸化物粒
子の材料としては、金属酸化物又は複合金属酸化物に対
し異種元素を少量含むものが好ましい。また結晶構造中
に酸素欠陥を含むものも好ましい。
【0213】導電性金属酸化物粒子は、非感光性層全体
に対し、体積比率が50%以下である必要があるが、好
ましくは3〜30%である。塗設量としては1〜300
mg/m2が好ましく、2〜200mg/m2がより好ま
しく、100〜250mg/m2が最も好ましい。体積
比率が50%を越えると処理済カラー写真の表面に汚れ
が付着しやすく、また3%を下回ると帯電防止能が十分
に機能しない。
【0214】導電性金属酸化物粒子の粒子径は、光散乱
をできるだけ小さくするために小さい程好ましいが、粒
子と結合剤の屈折率の比をパラメーターとして決定され
るべきものであり、ミー(Mie)の理論を用いて求め
ることができる。一般に、平均粒子径が0.001〜
0.5μmの範囲であり、0.003〜0.2μmの範
囲が好ましい。ここでいう、平均粒子径とは、導電性金
属酸化物粒子の一次粒子径だけでなく高次構造の粒子径
も含んだ値である。
【0215】上記金属酸化物の微粒子を帯電防止層形成
用塗布液へ添加する際は、そのまま添加して分散しても
よいが、水等の溶媒(必要に応じて分散剤、バインダー
を含む)に分散させた分散液の形で添加することが好ま
しい。
【0216】非感光性層は、導電性金属酸化物粒子を分
散、支持する結合剤として前記バインダーと硬膜剤との
硬化物を含んでいるのが好ましい。本発明では、良好な
作業環境の維持、及び大気汚染防止の観点から、バイン
ダーも硬膜剤も、水溶性のものを使用するか、あるいは
エマルジョン等の水分散状態で使用することが好まし
い。また、バインダーは、硬膜剤との架橋反応が可能な
ように、メチロール基、水酸基、カルボキシル基及びグ
リシジル基のいずれかの基を有するのが好ましい。水酸
基及びカルボキシル基が好ましく、特にカルボキシル基
が好ましい。バインダー中の水酸基又はカルボキシル基
の含有量は、0.0001〜1当量/1kgが好まし
く、特に0.001〜1当量/1kgが好ましい。
【0217】以下に前記のバインダーとして好ましく用
いられる樹脂について説明する。アクリル樹脂として
は、アクリル酸;アクリル酸アルキル等のアクリル酸エ
ステル類;アクリルアミド;アクリロニトリル;メタク
リル酸;メタクリル酸アルキル等のメタクリル酸エステ
ル類;メタクリルアミド及びメタクリロニトリルのいず
れかのモノマーの単独重合体、又はこれらのモノマー2
種以上の重合により得られる共重合体を挙げることがで
きる。これらの中では、アクリル酸アルキル等のアクリ
ル酸エステル類、及びメタクリル酸アルキル等のメタク
リル酸エステル類のいずれかのモノマーの単独重合体、
又はこれらのモノマー2種以上の重合により得られる共
重合体が好ましい。例えば、炭素原子数1〜6のアルキ
ル基を有するアクリル酸エステル類及びメタクリル酸エ
ステル類のいずれかのモノマーの単独重合体又はこれら
のモノマー2種以上の重合により得られる共重合体を挙
げることができる。
【0218】上記アクリル樹脂は、上記組成を主成分と
し、硬膜剤との架橋反応が可能なように、例えば、メチ
ロール基、水酸基、カルボキシル基及びグリシジル基の
いずれかの基を有するモノマーを一部使用して得られる
ポリマーであるのが好ましい。
【0219】上記ビニル樹脂としては、ポリビニルアル
コール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニルホリ
マール、ポリビニルブチラール、ポリビニルメチルエー
テル、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共重合
体、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合体
及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましくはエチ
レン/酢酸ビニル/(メタ)アクリル酸エステル共重合
体)を挙げることができる。これらの中で、ポリビニル
アルコール、酸変性ポリビニルアルコール、ポリビニル
ホリマール、ポリオレフィン、エチレン/ブタジエン共
重合体及びエチレン/酢酸ビニル系共重合体(好ましく
はエチレン/酢酸ビニル/アクリル酸エステル共重合
体)が好ましい。
【0220】上記ビニル樹脂は、硬膜剤との架橋反応が
可能なように、ポリビニルアルコール、酸変性ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルホリマール、ポリビニルブチ
ラール、ポリビニルメチルエーテル及びポリ酢酸ビニル
では、例えば、ビニルアルコール単位をポリマー中に残
すことにより水酸基を有するポリマーとし、他のポリマ
ーについては、例えば、メチロール基、水酸基、カルボ
キシル基及びグリシジル基のいずれかの基を有するモノ
マーを一部使用することにより得られるポリマーとす
る。
【0221】上記ポリウレタン樹脂としては、ポリヒド
ロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン)、ポ
リヒドロキシ化合物と多塩基酸との反応により得られる
脂肪族ポリエステル系ポリオール、ポリエーテルポリオ
ール(例、ポリ(オキシプロピレンエーテル)ポリオー
ル、ポリ(オキシエチレン−プロピレンエーテル)ポリ
オール)、ポリカーボネート系ポリオール、及びポリエ
チレンテレフタレートポリオールのいずれか一種、ある
いはこれらの混合物とポリイソシアネートから誘導され
るポリウレタンを挙げることができる。上記ポリウレタ
ン樹脂では、例えば、ポリオールとポリイソシアネート
との反応後、未反応として残った水酸基を硬膜剤との架
橋反応が可能な官能基として利用することができる。
【0222】上記ポリエステル樹脂としては、一般にポ
リヒドロキシ化合物(例、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパ
ン)と多塩基酸との反応により得られるポリマーが使用
される。上記ポリエステル樹脂では、例えば、ポリオー
ルと多塩基酸との反応終了後、未反応として残った水酸
基、カルボキシル基を硬膜剤との架橋反応が可能な官能
基として利用することができる。勿論、水酸基等の官能
基を有する第三成分を添加してもよい。上記ポリマーの
中で、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂が好ましく、
特にアクリル樹脂が好ましい。
【0223】硬膜剤として好ましく用いられるメラミン
化合物としては、メラミン分子内に二個以上(好ましく
は三個以上)のメチロール基及び/又はアルコキシメチ
ル基を含有する化合物及びそれらの縮重合体であるメラ
ミン樹脂あるいはメラミン・ユリア樹脂などを挙げるこ
とができる。メラミンとホルマリンの初期縮合物の例と
しては、ジメチロールメラミン、トリメチロールメラミ
ン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラ
ミン、ヘキサメチロールメラミンなどがあり、その具体
的な市販品としては、例えばスミテックス・レジン(S
umitex Resin)M−3、同MW、同MK及
び同MC(住友化学(株)製)などを挙げることができ
るが、これらに限定されるものではない。
【0224】上記縮重合体の例としては、ヘキサメチロ
ールメラミン樹脂、トリメチロールメラミン樹脂、トリ
メチロールトリメトキシメチルメラミン樹脂等を挙げる
ことができる。市販品としては、MA−1及びMA−2
04(住友ベークライト(株)製)、ベッカミン(BE
CKAMINE)MA−S、ベッカミンAPM及びベッ
カミンJ−101(大日本インキ化学工業(株)製)、
ユーロイド344(三井化学(株)製)、大鹿レジンM
31及び大鹿レジンPWP−8(大鹿振興(株)製)等
を挙げることができるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0225】メラミン化合物としては、分子量を1分子
内の官能基数で割った値で示される官能基当量が50以
上300以下であることが好ましい。ここで官能とはメ
チロール基及び/又はアルコキシメチル基を示す。この
値が300を超えると硬化密度が小さく高い強度が得ら
れず、メラミン化合物の量を増やすと塗布性が低下す
る。硬化密度が小さいとスリ傷が発生しやすくなる。ま
た硬化する程度が低いと導電性金属酸化物を保持する力
も低下する。官能基当量が50未満では硬化密度は高く
なるが透明性が損なわれ、減量しても良化しない。水性
メラミン化合物の添加量は、上記ポリマーに対して0.
1〜100質量%、好ましくは10〜90質量%であ
る。
【0226】帯電防止層には必要に応じて、マット剤、
界面活性剤、滑り剤などを併用して使用することができ
る。マット剤としては、0.001μm〜10μmの粒
径をもつ酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化マグネシウ
ムなどの酸化物や、ポリメチルメタクリレート、ポリス
チレン等の重合体あるいは共重合体等が挙げられる。
【0227】界面活性剤としては公知のアニオン系界面
活性剤、カチオン系界面活性剤、両性系界面活性剤、非
イオン系界面活性剤等が挙げられる。滑り剤としては、
炭素数8〜22の高級アルコールのリン酸エステルもし
くはそのアミノ塩;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘ
ン酸及びそのエステル類;及びシリコーン系化合物等を
挙げることができる。
【0228】帯電防止層の層厚は、0.01〜1μmの
範囲が好ましく、さらに0.01〜0.2μmの範囲が
好ましい。0.01μm未満では塗布剤を均一に塗布し
にくいため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超え
る場合は、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。帯
電防止層の上には、表面層を設けるのが好ましい。表面
層は、主として滑り性及び耐傷性を向上させるため、及
び帯電防止層の導電性金属酸化物粒子の脱離防止の機能
を補助するために設けられる。
【0229】表面層の材料としては、[1]エチレン、
プロピレン、1−ブテン及び4−メチル−1−ペンテン
等の1−オレフィン系不飽和炭化水素の単独又は共重合
体からなるワックス、樹脂及びゴム状物(例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−
4−メチル−1−ペンテン、エチレン/プロピレン共重
合体、エチレン/1−ブテン共重合体及びプロピレン/
1−ブテン共重合体)、[2]上記1−オレフィンの二
種以上と共役又は非共役ジエンとのゴム状共重合体(例
えば、エチレン/プロピレン/エチリデンノルボルネン
共重合体、エチレン/プロピレン/1,5−ヘキサジエ
ン共重合体及びイソブテン/イソプレン共重合体)、
[3]1−オレフィンと共役又は非共役ジエンとの共重
合体(例えば、エチレン/ブタジエン共重合体及びエチ
レン/エチリデンノルボルネン共重合体)、[4]1−
オレフィン、特にエチレンと酢酸ビニルとの共重合体及
びその完全もしくは部分ケン化物、[5]1−オレフィ
ンの単独又は共重合体に上記共役もしくは非共役ジエン
又は酢酸ビニル等をグラフトさせたグラフト重合体及び
その完全もしくは部分ケン化物、などを挙げることがで
きるが、これらに限定されるものではない。上記化合物
は、特公平5−41656号公報に記載されている。
【0230】上記のポリオレフィンであって、カルボキ
シル基及び/又はカルボン酸塩基を有するものが好まし
い。通常水溶液あるいは水分散液として使用する。
【0231】上記表面層には、メチル基置換度2.5以
下の水溶性メチルセルロースを添加してもよく、その添
加量は表面層を形成する全結合剤に対して0.1質量%
〜40質量%が好ましい。上記水溶性メチルセルロース
については、特開平1−210947号公報に記載され
ている。
【0232】上記表面層は、本発明の帯電防止層上に一
般によく知られた塗布方法、例えばディップコート法、
エアーナイフコート法、カーテンコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラビアコート法、エクストル−ジョンコ
ート法などにより上記バインダー等を含む塗布液(水分
散液又は水溶液)を塗布することにより形成することが
できる。上記表面層の層厚は、0.01〜1μmの範囲
が好ましく、さらに0.01〜0.2μmの範囲が好ま
しい。0.01μm未満では塗布剤を均一に塗布しにく
いため製品に塗布むらが生じやすく、1μmを超える場
合は、帯電防止性能や耐傷性が劣る場合がある。
【0233】本発明の感光材料の被膜pHは、4.6〜
6.4が好ましく、5.5〜6.3の範囲がより好まし
い。本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料の被膜p
Hとは、塗布液を支持体上に塗布することによって得ら
れた全写真層のpHであり、塗布液のpHとは必ずしも
一致しない。その被膜pHは特開昭61−245153
号公報に記載されているような以下の方法で測定でき
る。即ち、(1)ハロゲン化銀乳剤が塗布された側の感
材表面に純水を0.05ml滴下する。次に、(2)3分
間放置後、表面pH測定電極(東亜電波製GS−165
F)にて被膜pHを測定する。被膜pHの調整は、必要
に応じて酸(例えば硫酸、クエン酸)又はアルカリ(例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム)を用いて行う
ことができる。
【0234】本発明に使用する非脱色性着色物は、現像
処理時に溶出あるいは消色することがなく、処理前後で
その膜中における光吸収特性が実用上変化しないもので
ある。その種類については特に制限はなく、公知の物質
を含む種々の染料、顔料を使用することができる。
【0235】公知の染料については、例えばオキソノー
ル染料、アゾメチン染料、アゾ染料、ベンゾキノン染
料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、アリーリ
デン染料、スチリル染料、ジフェニルメタン染料、トリ
フェニルメタン染料、キサンテン染料、アクリジン染
料、アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料、ペリ
ノン染料、メロシアニン染料、シアニン染料、インドア
ニリン染料、フタロシアニン染料、インジゴ染料、チオ
インジゴ染料などを挙げることができる。
【0236】顔料については、例えばアゾ顔料(不溶性
モノアゾ顔料、不溶性ジスアゾ顔料、アゾレーキ顔料、
縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料)、フタロシアニン顔
料、染付けレーキ顔料(酸性染料レーキ、塩基性染料レ
ーキ)、縮合多環顔料(キナクリドン顔料、チオインジ
ゴ顔料、ペリレン顔料、アントラキノン系顔料、ペリノ
ン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、ジ
ケトピロロピロール顔料)、その他(ニトロソ顔料、ア
リザリンレーキ顔料、アルカリブルー)などの有機顔料
を挙げることができる。
【0237】具体的な化合物については「新版染料便
覧」(有機合成化学協会編;丸善,1970)、「カラ
ーインデックス」(The Society of D
yers and colourists)、「色材工
学ハンドブック」(色材協会編;朝倉書店、198
9)、「改訂新版顔料便覧」などに記載されている。好
ましい染料及び顔料の具体例として、特開平11−95
371号の明細書段落番号0191〜段落番号0250
に記載のD−1〜D−35及びP−1〜P−30を好ま
しく挙げることができ、またこれらの感光材料中への添
加方法も該特許の段落番号0206〜0215に詳細に
記載され、これらの記載部分は本願の明細書の一部とし
て取り込まれる。
【0238】本発明においては、迅速処理適性も有して
おり、発色現像時間が2分30秒以下(下限は6秒以上
が好ましく、より好ましくは10秒以上、更に好ましく
は20秒以上、最も好ましくは30秒以上)、より好ま
しくは2分以下(下限は2分30秒と同じ)である場合
であっても、本発明の効果が著しく、好ましい。また、
サウンドトラックを色素画像で形成する場合、以後の実
施例1に記載するECP−2プロセスにおいて、6.第
一定着浴、7.水洗浴、12.サウンド現像及び13.
水洗の各工程を削減でき、処理簡易化において、極めて
好ましい態様になる。さらに、レジンバック層を除去す
ることにより、該プロセスの1.プレバス浴と2.水洗
浴の工程を削減できる。本発明の感光材料はこのような
処理工程においても優れた性能を発現できる。
【0239】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではな
い。
【0240】(実施例1) <支持体の準備>乳剤塗設面側に下塗りを施し、乳剤塗
設面の反対側に下記の導電性ポリマー(0.05g/m
2)と酸化スズ微粒子(0.20g/m2)を含有するア
クリル樹脂層を塗設したポリエチレンテレフタレートフ
ィルム支持体(厚さ120μm)を準備した。
【0241】
【化43】
【0242】<ハロゲン化銀乳剤の準備> −青感性ハロゲン化銀乳剤の調製− ・大サイズ乳剤(B1) 石灰処理ゼラチン32gを蒸留水1000mlに添加
し、40℃にて溶解後、塩化ナトリウム3.3gを添加
して温度を74℃に上昇させた。この溶液にN,N′−
ジメチルイミダゾリジン−2−チオン(1%水溶液)を
1.2ml添加した。続いて硝酸銀32.0gを蒸留水
200mlに溶解した液と塩化ナトリウム11.0gを
蒸留水200mlに溶解した液とを、74℃を保ちなが
ら14分間かけて前記の液に添加混合した。更に硝酸銀
128.0gを蒸留水560mlに溶解した液と塩化ナ
トリウム44.0g、及び臭化カリウム2.24g、及
びヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム5.65×
10-6モルを蒸留水560mlに溶解した液とを、74
℃を保ちながら40分間かけて添加混合した。40℃に
て脱塩及び水洗を施した後、石灰処理ゼラチン90.0
gを加え、更に塩化ナトリウム及び水酸化ナトリウムに
てpAgを7.5に、pHを6.8に調整した。続いて
後述する構造式で表される増感色素A、B及びCをハロ
ゲン化銀1モル当たり、それぞれ3.5×10-5、2.
4×10-4、1.8×10-4モル加えた後、トリエチル
チオ尿素と塩化金酸を用いて65℃にて最適に金硫黄増
感を施した。このようにして得られた塩臭化銀乳剤を乳
剤B1とした。電子顕微鏡写真から粒子の形状、サイ
ズ、及び、粒子サイズ分布を求めた。粒子サイズは粒子
の投影面積と等価な円の直径の平均値を持って表し、粒
子サイズ分布は粒子径の標準偏差を平均粒子サイズで割
った値を用いた。その結果、粒子サイズ0.71μm、
粒子サイズ分布0.09、Br2.0モル%含有の立方
体粒子であった。
【0243】・中サイズ乳剤(B2) (立方体、粒子サイズ0.52μm、粒子サイズ分布
0.09、ハロゲン組成Br/Cl=2/98)当業界
で知られたコントロールダブルジェット法により、硝酸
銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶液
を添加することにより、調製した。イリジウム含有量は
6×10-6モル/モル銀となるように調製した。この乳
剤に後述する構造式で表される増感色素(A〜C)を下
記のように添加した。 青色増感色素(A);4.6×10-5モル/モル銀 青色増感色素(B);4.6×10-4モル/モル銀 青色増感色素(C);2.7×10-5モル/モル銀 更に、塩化金酸とトリエチルチオ尿素を用いて最適に金
硫黄増感した。
【0244】・小サイズ乳剤(B3) (立方体、粒子サイズ0.31μm、粒子サイズ分布
0.08、ハロゲン組成Br/Cl=1.8/98.
2)B3乳剤の調製において、粒子形成温度を下げたこ
と以外はB2乳剤と同様にした。後述する構造式で表さ
れる増感色素(A〜C)を下記のように添加した。 青色増感色素(A);1.2×10-4モル/モル銀 青色増感色素(B);4.9×10-4モル/モル銀 青色増感色素(C);6.0×10-5モル/モル銀
【0245】また、前記B1、B2、及びB3乳剤の調
製において、ハロゲン組成を下記表10に記載のように
変更したこと以外は全く同様の方法で、B4、B5、及
びB6乳剤を調製した。
【0246】−赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製− ・大サイズ乳剤(R1) (立方体、粒子サイズ0.23μm、粒子サイズ分布
0.11、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)当業界
で知られているコントロールダブルジェット法により硝
酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水溶
液を添加することにより調製した。この乳剤に後述する
構造式で表される増感色素(H)及び(I)を下記のよ
うに添加し分光増感した。 赤感性増感色素(H);3.1×10-5モル/モル銀 赤感性増感色素(I);1.8×10-5モル/モル銀 更に、塩化金酸と、トリエチルチオ尿素を用いて、最適
に金硫黄増感した後、後述する構造式で表されるCpd
−31をハロゲン化銀1モル当たり、9.0×10-4
ル添加した。
【0247】・中サイズ乳剤(R2) (立方体、粒子サイズ0.174μm、粒子サイズ分布
0.12、ハロゲン組成Br/Cl=2/98)粒子形
成温度を変更し、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリ
ウムを添加したこと以外は、R1乳剤と同様な方法で、
後述する構造式で表される増感色素(H)及び(I)を
下記のように使用した。 赤感性増感色素(H);4.3×10-5モル/モル銀 赤感性増感色素(I);2.3×10-5モル/モル銀
【0248】・小サイズ乳剤(R3) (立方体、粒子サイズ0.121μm、粒子サイズ分布
0.13、ハロゲン組成Br/Cl=3/97)粒子形
成温度を変更し、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリ
ウムを添加したこと以外は、R1乳剤と同様な方法で、
後述する構造式で表される増感色素(H)及び(I)を
下記のように使用した。 赤感性増感色素(H);5.5×10-5モル/モル銀 赤感性増感色素(I);3.6×10-5モル/モル銀
【0249】また、前記R1、R2、及びR3乳剤の調
製において、ハロゲン組成を下記表10に記載のように
変更したこと以外は全く同様の方法で、R4、R5、及
びR6乳剤を調製した。
【0250】
【表10】
【0251】−緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製− ・大サイズ乳剤(G1) (立方体、粒子サイズ0.33μm、粒子サイズ分布
0.11、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)当業
界で知られているコントロールダブルジェット法により
硝酸銀水溶液と、塩化ナトリウム、臭化カリウム混合水
溶液を添加することにより調製した。この乳剤に後述す
る構造式で表される増感色素(D〜G)を下記のように
添加し分光増感した。 緑感性増感色素(D);0.5×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(E);1.6×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(F);1.0×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(G);1.0×10-4モル/モル銀 更に、塩化金酸と、トリエチルチオ尿素を用いて、最適
に金硫黄増感した。
【0252】・中サイズ乳剤(G2) (立方体、粒子サイズ0.24μm、粒子サイズ分布
0.12、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)粒子
形成温度を変更したこと以外は、G1乳剤と同様にし
て、後述する構造式で表される増感色素(D〜G)を下
記のように使用した。 緑感性増感色素(D);0.8×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(E);2.4×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(F);1.2×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(G);1.0×10-4モル/モル銀
【0253】・小サイズ乳剤(G3) (立方体、粒子サイズ0.18μm、粒子サイズ分布
0.10、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)粒子
形成温度を変更したこと以外はG1乳剤と同様にして、
後述する構造式で表される増感色素(D〜G)を下記の
ように使用した。 緑感性増感色素(D);1.3×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(E);3.0×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(F);1.4×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(G);1.2×10-4モル/モル銀
【0254】・小サイズ乳剤(G4) (立方体、粒子サイズ0.13μm、粒子サイズ分布
0.10、ハロゲン組成Br/Cl=25/75)粒子
形成温度を変更したこと以外はG1乳剤と同様な方法
で、後述する構造式で表される増感色素(D〜G)を下
記のように使用した。 緑感性増感色素(D);1.7×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(E);3.5×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(F);1.9×10-4モル/モル銀 緑感性増感色素(G);1.2×10-4モル/モル銀
【0255】また、前記G1、G2、G3、及びG4乳
剤の調製において、ハロゲン組成を下記表11に記載の
ように変更したこと以外は全く同様の方法で、G5〜G
28乳剤を調製した。
【0256】
【表11】
【0257】<試料101の作製>下塗りを施したポリ
エチレンテレフタレートフィルム支持体(厚さ120μ
m、乳剤塗設面の反対側に後記の導電性ポリマー1
(0.07g/m2)と酸化スズ微粒子(0.22g/
2)を含有する親水性コロイド層が塗設してある。)
に下記に示すような組成の各層を重層塗布し、多層カラ
ー写真感光材料である試料101を作製した。各写真構
成層の塗布液は以下のようにして調製した。
【0258】各試料で用いた染料固体微粒子分散物は、
以下のようにして調製した。 ≪染料固体微粒子分散物の調製≫例示化合物(IV−1)
及び(II−25)のメタノールウエットケーキを、化合
物の正味量がそれぞれ240g、120gになるように
秤量し、分散助剤として例示化合物(V−12)を48
g秤量し、水を加えて4000gとした。“流通式サウ
ンドグラインダーミル(UVM−2)”(アイメックス
K.K製)にジルコニアビーズ(0.5mm径)を1.
7リットル充填し、排出量0.5リットル/min、周
速10m/sで2時間粉砕した。その後、分散物を化合
物濃度が3質量%となるように希釈し、下記化合物(VI
−2)を染料に対し、質量比で3%添加した(分散物A
と称する)。この分散の平均粒子サイズは0.45μm
であった。また、加熱処理を行う場合、化合物(VI−
2)は加熱処理後に添加した。
【0259】
【化44】
【0260】≪第6層塗布液調製≫マゼンタカプラー
(E×M)83.3g、添加物(Cpd−9)1.5
g、添加物(Cpd−11)0.1g及び添加物(Cp
d−13)2.0gを溶媒(Solv−1)80g及び
酢酸エチル80mlに溶解し、この溶液を、10%ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム40mlを含む10
%ゼラチン水溶液1000gに乳化分散させて、乳化分
散物Mを調製した。一方、前述した塩臭化銀乳剤G1〜
G4を用いて、前記乳化分散物Mとこの塩臭化銀乳剤と
を混合溶解し、後記組成となるように第6層塗布液を調
製した。乳剤塗布量は銀換算塗布量を示す。第1層〜第
7層用の塗布液も第6層塗布液と同様な方法で調製し
た。各層のゼラチン硬膜剤としては、1−オキシ−3,
5−ジクロロ−s−トリアジンナトリウム塩を用いた。
【0261】各感光性乳剤層の塩臭化銀乳剤には以下の
分光増感色素をそれぞれ用いた。 −青感性乳剤層−
【0262】
【化45】
【0263】−緑感性乳剤層−
【0264】
【化46】
【0265】−赤感性乳剤層−
【0266】
【化47】
【0267】さらに、以下の化合物を赤感性乳剤層にハ
ロゲン化銀1モル当たり9.0×10-4モル添加した。
【0268】
【化48】
【0269】また、イラジエーション防止のために、乳
剤層に以下の染料を添加した。
【0270】
【化49】
【0271】≪層構成≫以下に各層の組成を示す。数字
は塗布量(g/m2)を表す。ハロゲン化銀乳剤は銀換
算塗布量を表す。
【0272】−支持体− 下塗りを施したポリエチレンテレフタレートフィルム支
持体(厚さ120μm、乳剤塗設面の反対側に下記の導
電性ポリマー(0.05g/m2)と酸化スズ微粒子
(0.20g/m2)を含有する親水性コロイド層が塗
設してある。)
【0273】 −第1層(ハレーション防止層)− ・ハレーション防止層の組成 ゼラチン 0.80 染料固体微粒子分散物A 0.12
【0274】 −第2層(青感性乳剤層)− 塩臭化銀乳剤(前記B1、B2、B3の2:2:6の混合物;銀モル比) 0.53 ゼラチン 2.10 イエローカプラー(E×Y) 1.18 (Cpd−1) 0.0005 (Cpd−2) 0.03 (Cpd−3) 0.02 (Cpd−4) 0.006 (Cpd−5) 0.019 (Cpd−6) 0.002 溶媒(Solv−1) 0.27 (Cpd−14) 0.140 (Cpd−15) 0.010
【0275】 −第3層(混色防止層)− ゼラチン 0.31 (Cpd−9) 0.02 (Cpd−3) 0.04 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.04 溶媒(Solv−5) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.002 (SA−1) 0.050 (SA−4) 0.008
【0276】 −第4層(赤感性乳剤層)− 塩臭化銀乳剤(前記R1、R2、R3の2:3:5の混合物;銀モル比) 0.47 ゼラチン 2.44 シアンーカプラー(E×C) 0.69 (Cpd−7) 0.05 (Cpd−8) 0.05 (Cpd−10) 0.03 (Cpd−13) 0.06 溶媒(Solv−1) 0.47 溶媒(Solv−2) 0.26 溶媒(Solv−3) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.02
【0277】 −第5層(混色防止層)− ゼラチン 0.31 (SA−2) 0.90 (SA−3) 0.16 (SA−5) 0.40 (Cpd−9) 0.02 (Cpd−3) 0.03 溶媒(Solv−1) 0.05 溶媒(Solv−4) 0.04 溶媒(Solv−5) 0.01 溶媒(Solv−6) 0.002
【0278】 −第6層(緑感性乳剤層)− 前記乳剤G1、G2、G3、G4の混合物 0.55 ゼラチン 1.28 マゼンタカプラー(E×M) 0.68 (Cpd−9) 0.014 (Cpd−5) 0.001 溶媒(Solv−1) 0.12
【0279】 −第7層(保護層)− ゼラチン 0.96 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体(変性度17%) 0.02 (Cpd−12) 0.04
【0280】
【化50】
【0281】
【化51】
【0282】
【化52】
【0283】
【化53】
【0284】
【化54】
【0285】
【化55】
【0286】
【化56】
【0287】
【化57】
【0288】<処理液の準備>映画用カラーポジフィル
ムの標準的な処理方法として、イーストマンコダック社
から公表されているECP−2プロセスに対し、第一定
着液とそれに続く水洗浴及びサウンド現像工程を除いた
処理プロセスを準備した。作製した全試料について、塗
布銀量の約30%が現像されるような画像を露光した。
露光の終了した試料は上記処理プロセスにて発色現像浴
の補充液量がタンク容量の2倍となるまで連続処理(ラ
ンニングテスト)を実施し、ランニング平衡にある現像
処理状態を作製した。
【0289】 ECP−2プロセス ≪工程≫ 工程名 処理温度 (℃) 処理時間(秒) 補充量 (ml 35mm×30.48m当たり) 1. プレバス 27±1 10〜20 400 2. 水洗 27±1 ジェット水洗 ――― 3. 現像 36.7±0.1 180 690 4. 停止 27±1 40 770 5. 水洗 27±3 40 1200 6. 第一定着 27±1 40 200 7. 水洗 27±3 40 1200 8. 漂白促進 27±1 20 200 9. 漂白 27±1 40 200 10.水洗 27±3 40 1200 11.乾燥 12.サウンド現像 室温 10〜20 ―――(塗り付け) 13.水洗 27±3 1〜2 ―――(スプレー) 14.第二定着 27±1 40 200 15.水洗 27±3 60 1200 16.リンス 27±3 10 400 17.乾燥
【0290】 ≪処理液処方≫ 1リットル当たりの組成を示す 工程名 薬品名 タンク液 補充液 プレバス ボラックス(商品名) 20g 20g 硫酸ナトリウム 100g 100g 水酸化ナトリウム 1.0g 1.5g 現像 コダック アンチカルシウムNo.4(商品名) 1.0ml 1.4ml 亜硫酸ナトリウム 4.35g 4.50g CD−2 2.95g 6.00g 炭酸ナトリウム 17.1g 18.0g 臭化ナトリウム 1.72g 1.60g 水酸化ナトリウム ――― 0.6g 硫酸(7N) 0.62ml ――― 停止 硫酸(7N) 50ml 50ml 定着 (第一 チオ硫酸アンモニウム(58%) 100ml 170ml 第二共通) 亜硫酸ナトリウム 2.5g 16.0g 亜硫酸水素ナトリウム 10.3g 5.8g ヨウ化カリウム 0.5g 0.7g 漂白促進 メタ亜硫酸水素ナトリウム 3.3g 5.6g 酢酸 5.0ml 7.0ml PBA−1 3.3g 4.9g (Kodak Persulfate Bleach Accelerator、商品名) EDTA−4Na 0.5g 0.7g 漂白 ゼラチン 0.35g 0.50g 過硫酸ナトリウム 33g 52g 塩化ナトリウム 15g 20g リン酸二水素ナトリウム 7.0g 10.0g リン酸(85%) 2.5ml 2.5ml サウンド現像 Natrosal250HR 2.0g 水酸化ナトリウム 80g ヘキシルグリコール 2.0ml 亜硫酸ナトリウム 60g ヒドロキノン 60g エチレンジアミン(98%) 13ml リンス Kodak Stabilizer Additive 0.14ml 0.17ml Dearcide702(商品名) 0.7ml 0.7ml なお、上記において、現像工程で使用するCD−2は現
像主薬であり、リンス工程で使用するDearcide
702は防黴剤である。
【0291】<試料102〜129の作製>次に、前記
感光材料101の作製において、下記に示したことを変
更した点以外は全く同様の方法で、試料102〜129
を作製した。
【0292】a)第2層中の乳剤、第4層中の乳剤、第
6層中の乳剤を表12のように変更したこと。また表1
2中の乳剤のミックス比を任意に変更して表12に示す
ような平均粒子サイズに調節したこと。 b)第5層中の化合物(SA−2)添加量及び第7層、
第6層中のゼラチン種を任意に変化させ表12に示すよ
うな感光材料中のFe量を調製したこと。
【0293】<試験及び評価>前記試料101〜129
について、粒状性、処理安定性、及び生保存性について
評価する目的で、下記試験を行った。
【0294】−粒状性評価− 感光計(富士写真フィルム(株)製FW型、光源の色温
度3200K)を用い、それぞれの試料で濃度Dmin
+1.0になるように緑色のフィルターを介して1/1
00秒露光を与え、イーストマンコダック社から公表さ
れているECP−2プロセスに従って処理をした。緑感
層の粒状性を評価するために、48μmφのアパーチャ
ーを用いて緑色フィルターでRMS粒状度を測定した。
濃度Dmin+1.0のRMS値×1000をRMS粒
状度と定義し、試料101のRMS粒状度の相対値をも
って評価した。(Dminとは最低画像濃度を表す)こ
の値が小さいほど粒状性がよいことを表す。
【0295】−処理安定性評価− 感光計(富士写真フィルム(株)製FW型、光源の色温
度3200K)を用い、最大濃度が出るようなグレーフ
ィルターを介して1/100秒6万ルクスでセンシトメ
トリー用の階調露光を与え、イーストマンコダック社か
ら公表されているECP−2プロセスに従って処理をし
た。処理済の試料を緑色フィルターで濃度測定した。感
度表示には光学濃度がDmin+1.5だけ高くなるの
に必要な露光量の逆数の対数値についての相対値をもっ
て感度とした。この工程を、各試料についてN=7で行
い、マゼンタ感度について、△G=(N7平均マゼンタ
感度)−(N7中の最小マゼンタ感度)をもって、処理
安定性の尺度とした。このそれぞれの値が低いほど、N
7での処理バラツキが少ないことを示し、処理安定性が
高いと評価した。
【0296】−生保存性評価− 試料作製後、それぞれの試料について以下の条件で保管
後、下記に示す処理を実施した。 (1)25℃相対湿度55%条件下で7日間保存 (2)45℃相対湿度70%条件下で7日間保存
【0297】感光計(富士写真フィルム(株)製FW
型、光源の色温度3200K)を用い、最大濃度が出る
ようなグレーフィルターを介して1/100秒6万ルク
スでセンシトメトリー用の階調露光を与え、イーストマ
ンコダック社から公表されているECP−2プロセスに
従って処理をした。処理済の試料を緑色フィルターで濃
度測定した。感度表示には光学濃度がDmin+1.5
だけ高くなるのに必要な露光量の逆数の対数値について
の相対値をもって感度とした。それぞれの試料について
マゼンタ感度を求め、SG=(1)マゼンタ感度−
(2)マゼンタ感度、をもって生保存性の尺度とした。
この値の絶対値が小さい程生保存性が良好であると評価
した。前記粒状性、処理安定性、及び生保存性について
の試験結果及びその評価を下記表12に示す。
【0298】
【表12】
【0299】前記表12の評価結果より、本発明の効果
は以下のように明らかとなった。即ち、緑感光性乳剤の
平均粒子サイズが大きい比較試料107、108、及び
109においては、RMS粒状度が大きい。このために
もっとも重要な(視感度が高い)マゼンタについてざら
つき感ある絵柄しか得ることができず、つまりは高画質
な絵を得ることが困難であり実用に供さない。また、緑
感光性乳剤が高塩化銀乳剤でない比較試料101、10
3、及び104においては、処理安定性に問題があり、
市場で均一な性能を得ることは困難であると思われる。
さらに、緑感光性乳剤以外(青感光性乳剤及び赤感光性
乳剤)の乳剤が高塩化銀でない比較試料105、10
6、120、及び121においても、上記同様な現象が
生じ実用に供することはできない。また、緑感光性乳剤
中にIr化合物を含有しない乳剤を用いた比較試料10
2についても処理安定性が悪いことが分かる。感光材料
中のFe含有量が多い比較試料である114、115、
116、及び121は、生保存での感度変化(減感)が
大きく問題である。常に安定した写真性能が要求される
中でこの性能変化は致命的であり、これも実用に供すこ
とはできない。またこの現象は緑感光性乳剤が高塩化銀
であり、かつ平均粒子サイズが小さい場合に特徴に起き
ていることがわかる。つまりFe濃度が高くても、緑感
光性乳剤が高塩化銀でない(試料102)、平均粒子サ
イズが比較的大きい(試料108)等では生じていない
ことが分かる。一方、含有するハロゲン化銀乳剤粒子す
べてにおけるハロゲン組成が、塩化銀含有率95モル%
以上の塩臭化銀、塩沃化銀、塩沃臭化銀又は塩化銀であ
り、かつ緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の少なくとも一
種にIrがドープされており、かつ緑感光性ハロゲン化
銀乳剤粒子の平均球相当径サイズが0.25μm以下で
あり、かつ感光材料中のFe量が8×10-6mol/m
2以下である、本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材
料(試料110〜113、117〜119、122、1
23、及び125〜129)は、高画質であり、ラボで
の仕上がり均一性、及び安定性が向上していることが確
認された。また、緑感性乳剤粒子の平均粒子サイズが小
さく、より好ましい態様である試料111、112、1
13、及び129においては、RMS粒状度、処理安定
性がさらに改良されていること、ならびに感光材料中の
Fe含有量がより好ましい態様である試料(8×10-6
mol/m2以下)も同様に保存性がより改良されてい
ることも確認された。
【0300】(実施例2)実施例1で作製した感光材料
の試料110、113、119、123、127及び1
29のそれぞれの第7層中の界面活性剤(Cpd−1
2)を表13のように変更したことのみ異なる感光材料
の試料130〜136を作製した。なお、変更に用いた
化合物の構造と組成を以下に記す。
【0301】
【化58】
【0302】さらに、 (3)25℃相対湿度55%条件下で21日間保存 (4)45℃相対湿度70%条件下で21日間保存 にて保管後、同様な処理を実施し、それぞれの試料につ
いてマゼンタ感度を求め、LSG=(3)マゼンタ感度
−(4)マゼンタ感度、をもって長期生保存性の尺度と
した。この値の絶対値が小さい程生保存性が良好である
と評価した。この結果を下記表13に示す。
【0303】
【表13】
【0304】表13から明らかなように、本発明で好ま
しく使用される一般式(FS)で表されるフッ素系界面
活性剤を用いた場合、長期保存時の生保存性も改良され
ることを確認した。なお、実施例1で評価した各評価項
目〔粒状性(RMS)、処理安定性(ΔS)、生保存性
(SG)〕も、一般式(FS)で表されるフッ素系界面
活性剤を用いた場合、さらに優れていることが確認され
た。
【0305】(実施例3)実施例1で作製した試料及び
実施例2で作製した試料について、現像処理時に実施例
1で用いた簡易化したECP−2プロセスから、更にプ
レバス浴とそれに続く水洗浴を省略し、さらに現像液の
pHを高くし、かつ処理時間を180秒から135秒に
短縮させて、さらに簡易化した処理工程にて現像処理を
行った。その結果、実施例1及び2と同様な結果が得ら
れ、簡易化した現像処理においても本発明の効果が発現
することが確認された。
【0306】(実施例4)実施例1及び2で作製した試
料について、アンチハレーション層中の化合物をIV−
1、II−25の混合物から、II−25、化合物37の混
合物に変更したこと以外は、全く同様な試料201〜2
36を作製し、同様な試験及び評価を行った。その結
果、実施例1及び2と同様な結果が得られ、この態様で
も本発明の効果が発現することが確認された。
【0307】
【発明の効果】本発明によると、高画質であり、保存
性、ラボでの仕上がり均一性、ならびに処理安定性に優
れ、かつマゼンタ濃度のバラツキが少ないハロゲン化銀
カラー写真感光材料、特に、映画用カラーポジ感光材料
として好適に用いられるハロゲン化銀カラー写真感光材
料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳 輝一 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H023 BA02 BA03 CD05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透過型支持体上に、イエロー、マゼン
    タ、及びシアン色素形成カプラーのうちいずれか少なく
    とも一つを含有し、かつ互いに感色性の異なるハロゲン
    化銀乳剤粒子を含有する少なくとも3種の感光性親水性
    コロイド層を有してなるハロゲン化銀カラー写真感光材
    料であって、 前記ハロゲン化銀乳剤粒子すべてにおけるハロゲン組成
    が、塩化銀含有率95モル%以上の塩臭化銀、塩沃化
    銀、塩沃臭化銀、又は塩化銀であり、かつ緑感光性ハロ
    ゲン化銀乳剤粒子の少なくとも一種にIrがドープされ
    ており、かつ緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の平均球相
    当径サイズが0.25μm以下であり、かつハロゲン化
    銀カラー写真感光材料中のFe量が2×10-5mol/
    2以下であることを特徴とするハロゲン化銀カラー写
    真感光材料。
  2. 【請求項2】 前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料中
    に下記一般式(FS)で表される化合物を少なくとも1
    種含有する請求項1に記載のハロゲン化銀カラー写真感
    光材料。 【化1】 前記一般式(FS)において、A、Bは、各々独立に、
    フッ素原子又は水素原子を表す。a、bは、各々独立
    に、1〜6の整数を表す。c、dは、各々独立に、4〜
    8の整数を表す。xは、0又は1を表す。Mはカチオン
    を表す。
  3. 【請求項3】 前記ハロゲン化銀カラー写真感光材料中
    のFe量が、8×10-6mol/m2以下である請求項
    1又は2に記載のハロゲン化銀カラー写真感光材料。
  4. 【請求項4】 前記緑感光性ハロゲン化銀乳剤粒子の平
    均球相当径サイズが、0.20μm以下である請求項1
    から3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀カラー写真
    感光材料。
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