JP2003165988A - 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント - Google Patents

等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Info

Publication number
JP2003165988A
JP2003165988A JP2001367098A JP2001367098A JP2003165988A JP 2003165988 A JP2003165988 A JP 2003165988A JP 2001367098 A JP2001367098 A JP 2001367098A JP 2001367098 A JP2001367098 A JP 2001367098A JP 2003165988 A JP2003165988 A JP 2003165988A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease
constant velocity
velocity joint
oil
constant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001367098A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4181771B2 (ja
Inventor
Mika Obara
美香 小原
Masakazu Hirata
正和 平田
Takashi Okaniwa
隆志 岡庭
Junichi Imai
淳一 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTN Corp
Kyodo Yushi Co Ltd
Original Assignee
NTN Corp
Kyodo Yushi Co Ltd
NTN Toyo Bearing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NTN Corp, Kyodo Yushi Co Ltd, NTN Toyo Bearing Co Ltd filed Critical NTN Corp
Priority to JP2001367098A priority Critical patent/JP4181771B2/ja
Publication of JP2003165988A publication Critical patent/JP2003165988A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4181771B2 publication Critical patent/JP4181771B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Lubricants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 等速ジョイントを効率よく持続的に潤滑し、
有効に摩擦を低減し振動の発生を防止し得る等速ジョイ
ント用グリースおよびこのグリースを封入した等速ジョ
イントを提供する。 【解決手段】 基油に増ちょう剤を配合してなるベース
グリースに、上記基油に溶解するモリブデンジチオカー
バメイトと、上記基油に溶解しないモリブデンジチオカ
ーバメイトとを配合する。また、この等速ジョイント用
グリースが封入された、特にプランジング型等速ジョイ
ントである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車に用いられ
る等速ジョイント用グリースおよびこのグリースを封入
した等速ジョイントに関し、特にプランジング型等速ジ
ョイントに関する。
【0002】
【従来の技術】プランジング型等速ジョイントには、代
表的なものとして、ダブルオフセット型等速ジョイント
とトリポート型等速ジョイントがある。ダブルオフセッ
ト型等速ジョイントは、図1に示すように、外輪1の内
面および球形内輪2の外面に軸方向の六本のトラック溝
3、4を等角度に形成し、そのトラック溝3、4間に組
み込んだボール5をケージ6で支持し、このケージ6の
外周を球面7とし、かつ内周を内輸2の外周に適合する
球面8とし、各球面7、8の中心(イ)、(ロ)を外輪1
の軸心上において軸方向に位置をずらしてある。また、
外輪1の外周とシャフト9の外周とをブーツ10で覆
い、その内部に等速ジョイント用グリース11が密封充
填されている。
【0003】一方、トリポート型等速ジョイントは、図
2に示すように、外輪12の内面に軸方向の三本の円筒
形トラック溝13を等角度に形成し、外輪12の内側に
組み込んだトリポート部材14には三本の脚軸15を設
け、各脚軸15の外側に球面ローラ16を嵌合し、その
球面ローラ16と脚軸15との間にニ一ドル17を組み
込んで球面ローラ16を回転可能に、かつ軸方向にスラ
イド可能に支持し、その球面ローラ16を上記トラック
溝13に嵌合してある。また、外輪12の外周とシャフ
ト9の外周とをブーツ10で覆い、その内部に等速ジョ
イント用グリース11が密封充填されている。
【0004】上記の構成からなるプランジング型等速ジ
ョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5の係
り合い、およびトラック溝13と球面ローラ16の係り
合いによつて回転トルクの伝達が行なわれ、プランジン
グに対しては、ボール5がトラック溝3に沿って、球面
ローラ16がトラック溝13に沿ってそれぞれ転動して
これを吸収する。
【0005】ところで、ジョイントが作動角をとる状態
で回転トルクを伝達する場合、ダブルオフセット型等速
ジョイントにおいては、トラック溝3、4とボール5と
の嵌合において転がりと滑りが発生し、また、ケージ6
と外輪1およびケージ6と内輪2との間において滑りが
発生する。一方、トリポート型等速ジョイントにおいて
は、トラック溝13と球面ローラ16との間において転
がりと滑りが発生する。
【0006】プランジング型等速ジョイントは、上記の
ように転がりに比べて滑りの要素がきわめて多い。この
ため、作動角をもって回転トルクを伝達すると、摺動部
分の摩擦抵抗によって軸力が発生する。例えば、ダブル
オフセット型等速ジョイントは、外輪1の内面に 60゜
の間隔をおいてトラック溝3を設けてあるため、図3に
示すように 1 回転につき、 6回の軸力が発生し、一
方、トリポート型等速ジョイントにおいては、120゜の
間隔をおいてトラック溝13を設けてあるため、図4に
示すように、 1 回転につき、 3 回の軸力が発生する。
【0007】このような軸力の発生サイクルとエンジ
ン、車体、サスペンション等の固有振動数とが合致する
と、車体に共振を誘発して乗員に不快感を与えるため、
上記の軸力は可能な限り低くすることが望ましい。そこ
で、プランジング型等速ジョイントにおいては内部に等
速ジョイント用グリースを充填して摩擦抵抗を下げ、摺
動性の向上を図るようにしている。
【0008】従来、このような等速ジョイント用グリー
スには、ウレア系グリースに有機モリブデン化合物を配
合したグリース(特開昭63−46299)、ウレア系
グリースに二硫化モリブデン、モリブデンジチオカーバ
メイト、ジチオリン酸亜鉛および油性剤とを配合したグ
リース(特開平4−304300)、ウレア系グリース
に二硫化モリブデン、モリブデンジチオカーバメイト、
ジチオリン酸亜鉛、硫黄−リン系極圧剤および脂肪酸ア
ミドとを配合したグリース(特開2001−1148
1)が知られている。
【0009】一方、上記等速ジョイント用グリースに配
合されているモリブデンジチオカーバメイトは、極圧性
能や融点、溶媒に対する溶解度等の性質がその化学構造
により変化することが知られている(特公昭45−24
562、特公昭51−964、特公昭53−3164
6)。また、潤滑組成物に対する添加剤としての有用性
が知られている(特公昭49−6362、特公昭53−
31646)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動車
における静粛性の要求が大きくなるに従い、等速ジョイ
ントから発生する振動の低減がより求められるようにな
り、従来の等速ジョイント用グリースでは要求を満足で
きないという問題がある。特に、自動車における持続的
な静粛性が求められるようになリ、経時的な振動の低減
に対して従来の等速ジョイント用グリースでは要求を満
足できないという問題がある。本発明は、このような問
題に対処するためになされたもので、等速ジョイントを
効率よく持続的に潤滑し、有効に摩擦を低減し振動の発
生を防止し得る等速ジョイント用グリースおよびこのグ
リースを封入した等速ジョイントの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の等速ジョイント
用グリースは、基油に増ちょう剤を配合してなるベース
グリースに、上記基油に溶解するモリブデンジチオカー
バメイト(以下、油溶性MoDTCと略称)と、上記基
油に溶解しないモリブデンジチオカーバメイト(以下、
非油溶性MoDTCと略称)とを配合してなることを特
微とする。また、上記ベースグリースにジチオリン酸亜
鉛を配合してなることを特徴とする。また、上記ベース
グリースにワックス系油性剤を配合してなることを特徴
とする。ベースグリースとなる基油に配合される増ちょ
う剤がウレア系増ちょう剤であることを特徴とする。ま
た、基油が鉱油であることを特徴とする。
【0012】本発明の等速ジョイントは、上記等速ジョ
イント用グリースが封入されてなることを特徴とし、特
に等速ジョイントがプランジング型等速ジョイントであ
ることを特徴とする。
【0013】配合を変えた種々の等速ジョイント用グリ
ースを実機の等速ジョイントに組み込んで、耐振動性の
評価として誘起スラストの測定を行なった。その結果、
基油に対する溶解性が異なる2種類以上のモリブデンジ
チオカーバメイ卜が併用されたグリースを用いること
で、等速ジョイントの振動が初期状態から低く、かつそ
の特性が長期間持続することを見出した。特に、基油に
対する溶解性が異なる2種類以上のモリブデンジチオカ
ーバメイトと、ジチオリン酸亜鉛と、ワックス系油性剤
とを組合せることにより等速ジヨイントの振動低減を初
期特性のみならず、経時的に持続できることを見出し
た。本発明はこのような知見に基づくものである。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に使用できるベースグリー
ス成分の基油としては、ナフテン系、パラフィン系、流
動パラフィン、水素化脱ろう油などの鉱油、ポリアルキ
レングリコールなどのポリグリコール油、アルキルジフ
ェニルエーテル、ポリフェニルエーテルなどのエーテル
系合成油、ジエステル油、ポリオールエステル油などの
エステル系合成油、ポリジメチルシロキサン、ポリフェ
ニルメチルシロキサンなどのシリコーン油、ポリ−α−
オレフィン等の炭化水素系合成油等、また、これらの混
合油が挙げられる。これらの中で、価格が安く工業的に
利用しやく、ブーツを劣化させない耐ブーツ性に優れる
ナフテン系、パラフィン系などの鉱油類が好ましい。
【0015】本発明に使用できる増ちよう剤としては、
リチウム石けん、リチウムコンプレックス石けん、力ル
シウム石けん、カルシウムコンプレックス石けん、アル
ミニウム石けん、アルミニウムコンプレックス石けん等
の石けん類、ジウレア化合物、ポリウレア化合物等のウ
レア系化合物が挙げられる。耐熱性等を考慮するとウレ
ア系化合物が望ましい。
【0016】ウレア系化合物は、例えば、ジウレア化合
物、ポリウレア化合物が挙げられる。ジウレア化合物
は、例えば、ジイソシアネートとモノアミンの反応で得
られる。ジイソシアネートとしては、フェニレンジイソ
シアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニル
メタンジイソシアネート、オクタデカンジイソシアネー
ト、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネー
卜等が挙げられ、モノアミンとしては、オクチルアミ
ン、ドデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ステアリル
アミン、オレイルアミン、アニリン、p−トルイジン、
シクロヘキシルアミン等が挙げられる。ポリウレア化合
物は、例えば、ジイソシアネートとモノアミン、ジアミ
ンとの反応で得られる。ジイソシアネート、モノアミン
としては、ジウレア化合物の生成に用いられるものと同
様のものが挙げられ、ジアミンとしては、エチレンジア
ミン、プロパンジアミン、ブタンジアミン、ヘキサンジ
アミン、オクタンジアミン、フェニレンジアミン、トリ
レンジアミン、キシレンジアミン、ジアミノジフェニル
メタン等が挙げられる。
【0017】ウレア化合物は、イソシアネート化合物と
アミン化合物を反応させることにより得られる。反応性
のある遊離基を残さないため、イソシアネート化合物の
イソシアネート基とアミン化合物のアミノ基とは略当量
となるように配合することが好ましい。基油にウレア化
合物を配合して各種配合剤を配合するためのベースグリ
ースが得られる。ベースグリースは、基油中でイソシア
ネート化合物とアミン化合物とを反応させて作製する。
【0018】ベースグリースの配合割合は、ベースグリ
ース全体に対して増ちょう剤が 1〜40 重量%、好まし
くは 3〜25 重量%配合される。増ちょう剤の含有量が
1 重量%未満では、増ちょう効果が少なくなり、グリー
ス化が困難となり、 40 重量%をこえると得られたベー
スグリースが硬くなりすぎ、所期の効果が得られにくく
なる。
【0019】本発明に使用できるモリブデンジチオカー
バメイトは、硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブ
デンとも称され、下記化1で表される。
【化1】 式中、R1およびR2はそれぞれ炭素数 1〜24、好ましく
は 3〜18 のアルキル基であり、m+n= 4 の整数であ
り、かつmは 0〜3 、nは 4〜1 である。
【0020】上記モリブデンジチオカーバメイトの中
で、油溶性MoDTCと非油溶性MoDTCとを混合し
た混合モリブデンジチオカーバメイトを必須成分として
ベースグリースに配合する。ここで、油溶性MoDTC
とは、溶解後の全重量に対して、0.5 重量%のMoDT
Cを基油に加えて撹拌し、これを 70℃×24 時間保持後
に目視で観察した結果、基油中に不溶解分が析出してい
ないMoDTCをいう。非油溶性MoDTCとは、上記
溶解条件下において基油中に不溶解分が析出しているM
oDTCをいう。不溶解分が析出していると基油が透明
にならず、MoDTCがコロイド状態、あるいは懸濁状
態になリ、目視で判断できる。本発明において、好まし
い非油溶性MoDTCは、上記溶解条件下において基油
中に加えたMoDTC量の 98重量%以上が析出した場
合である。
【0021】油溶性MoDTCのみを配合した場合は低
誘起スラストを示すが低誘起スラストに達するまでの時
間が長く実用的ではない。非油溶性MoDTCのみを配
合した場合は初期から低誘起スラストを示すが、その絶
対値は油溶性MoDTCのみを配合した場合より大き
い。油溶性MoDTCおよび非油溶性MoDTC両方を
配合した場合は、実験の結果、初期から低誘起スラスト
を示し、その誘起スラストの絶対値は非油溶性MoDT
Cのみを配合した場合と同等であり、しかも経時変化特
性に優れる。
【0022】油溶性MoDTCと非油溶性MoDTCと
の配合比は、重量比で( 5〜95 ):( 95〜5 )である
ことが好ましい。より好ましくは( 20〜80 ):( 80
〜20)である。油溶性MoDTCの配合比が 5 重量%
未満であると、誘起スラストの振動低減が経時的に持続
できなくなり、油溶性MoDTCの配合比が 95 重量%
をこえると低誘起スラストに達するまでの時間がかかり
過ぎ、満足する性能が得られない。
【0023】本発明に使用できるジチオリン酸亜鉛はジ
ンクジチオフォスフェートとも称され、下記化2で表さ
れる。
【化2】 式中、Rは炭素数 1〜24 のアルキル基または炭素数 6
〜30 のアリル基である。
【0024】本発明に使用できるワックス系油性剤は、
周知のワックス系油性剤を用いることができる。例え
ば、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミドなどの脂
肪酸アミドが挙げられる。また、これらワックス系油性
剤は単独でも混合しても使用できる。
【0025】本発明の等速ジョイント用グリースには、
その優れた性能を高めるため、必要に応じて公知の添加
剤を含有させることができる。この添加剤として、例え
ば、ジチオリン酸亜鉛以外の有機亜鉛化合物、アミン
系、フェノール系、イオウ系等の酸化防止剤、石油スル
フォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソル
ビタンエステル等のさび止め剤、ベンゾトリアゾール、
亜硝酸ソーダなどの金属不活性剤、ポリメタクリレー
ト、ポリスチレン等の粘度指数向上剤、二硫化モリブデ
ン、グラファイト等の固体潤滑剤、MoDTC以外の有
機モリブデン化合物、硫化油脂、硫化オレフィン、トリ
クレジルフォスフェート、チオフォスフェート、チオフ
ォスファイト等の極圧剤が挙げられる。これらを単独ま
たは 2 種類以上組み合せて添加できる。
【0026】等速ジョイント用グリースの配合割合は、
上述したベースグリースに、油溶性MoDTCが0.1〜1
0 重量%、好ましくは 0.1〜5 重量%、非油溶性MoD
TCが0.1〜10 重量%、好ましくは 0.1〜5 重量%、ジ
チオリン酸亜鉛が 0〜10 重量%、好ましくは 0〜5 重
量%、ワックス系油性剤が 0〜10 重量%、好ましくは
0〜5 重量%、等速ジョイント用グリース全体に対して
それぞれ配合される。油溶性MoDTCまたは非油溶性
MoDTCが 0.1 重量%未満では、所期の効果を十分
に得ることが困難になり、一方、 10 重量%をこえる場
合にも、効果の増大はない。また、価格が高くなり実用
的ではなくなる。ジチオリン酸亜鉛またはワックス系油
性剤は配合されない場合もあるが、 10 重量%をこえる
とグリース特性を低下させる。
【0027】本発明の等速ジョイント用グリースは、摩
擦係数および誘起スラストを小さくでき、その効果を長
期間維持できる。このため、各種等速ジョイントに、好
ましくは自動車用等速ジョイントに用いることができ
る。自動車用等速ジョイントの中でも、転がりに比べて
滑りの要素が多いプランジング型等速ジョイントに好適
に用いられる。
【0028】本発明の等速ジョイントは、図1または図
2に示す、トラック溝と転動体との係り合いによつて回
転トルクの伝達が行なわれ、転動体がトラック溝に沿っ
て転動することによって軸方向移動がなされるプランジ
ング型等速ジョイントが好適であって、潤滑グリースと
して上述の等速ジョイント用グリースが封入されてい
る。プランジング型等速ジョイントは、転がりに比べて
滑りの要素がきわめて多いため、本発明の上述した等速
ジョイント用グリースが好適に用いられる。
【0029】
【実施例】実施例1〜4および比較例1〜4 鉱油( 100℃での動粘度が 13.5mm2/sec )2000g 中
で、ジフェニルメタン−4、4’−ジイソシアネー卜 6
0.6g と、 オクチルアミン 31.3g と、ステアリルアミ
ン 66.2g とを反応させ、生成したウレア化合物を均一
に分散させてベースグリースを得た。このベースグリー
スに、表1に示す配合で配合剤を配合し(単位,重量
%)、得られる化合物を三段ロールミルでJISちょう
度No.1グレードに調整して等速ジョイント用グリー
スを得た。なお、比較例4は、二硫化モリブデンを含む
リチウム石けん系グリースを供試試料とした。これらの
グリースにつき、以下に示す試験方法で誘起スラスト試
験を行ない、得られた結果を表1に併記する。
【0030】誘起スラスト試験 実際のトリポート型等速ジョイント(NTN社製:AC
TJ)を用いて、作動角とトルクをかけて回転させた時
に軸方向に発生する力を誘起スラストとして測定した。 評価基準: 基準グリースの初期値を 100 としたと
きの誘起スラストの割合(%)で示す。ただし、比較例
4の誘起スラストを 100 とする。なお、初期値は運転
開始後 5 分後の値を 100 とした。また 80 分経過後の
誘起スラストを経時特性として評価した。
【0031】
【表1】
【0032】表1における各配合剤は、それぞれ以下の
材料を用いた。 配合剤1:非油溶性MoDTC(商品名:サクラルーブ
600 旭電化工業社製) 配合剤2:油溶性MoDTC(商品名:サクラルーブ1
00 旭電化工業社製) 配合剤3:ジチオリン酸亜鉛(商品名:Lubrizo
l 1097 Lubrizol社製) 配合剤4:ワックス系油性剤(商品名:アーマイドパウ
ダーHT ライオンアクゾ社製)
【0033】表1に示すように、非油溶性MoDTCお
よび油溶性MoDTCを併用した各実施例は、初期およ
び経時誘起スラストも低かった。また、ジチオリン酸亜
鉛やワックス系油性剤を配合することでより優れた誘起
スラスト性能が得られた。一方、比較例1は経時誘起ス
ラストが優れたが、初期性能に劣っていた。油溶性Mo
DTCを含まない比較例2および比較例3は初期性能に
優れていたが、経時誘起スラストに劣っていた。
【0034】
【発明の効果】本発明の等速ジョイント用グリースは、
基油に増ちょう剤を配合してなるベースグリースに、油
溶性MoDTCと、非油溶性MoDTCとを配合してな
るので、誘起スラストを低減し、等速ジョイントに発生
する振動を抑えることができる。また、誘起スラストが
経時的に低く安定する。
【0035】本発明の等速ジョイントは、上記グリース
を封入したプランジング型等速ジョイントであるので、
振動を十分に抑え、自動車の静粛性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ダブルオフセット型等速ジョイントの一部切欠
断面図である。
【図2】トリポート型等速ジョイントの一部切欠断面図
である。
【図3】ダブルオフセット型等速ジョイントの回転角に
対する軸力を示す図である。
【図4】トリポート型等速ジョイントの回転角に対する
軸力を示す図である。
【符号の説明】
1、12 外輪 2 内輪 3、4 トラック溝 5 ボール 6 ケージ 7、8 球面 9 シャフト 10 ブーツ 11 等速ジョイント用グリース 13 トラック溝 14 トリポート部材 15 脚軸 16 球面ローラ 17 ニ一ドル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10M 159/06 C10M 159/06 F16D 3/20 F16D 3/20 C // C10N 10:04 C10N 10:04 10:12 10:12 50:10 50:10 (72)発明者 平田 正和 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 NT N株式会社内 (72)発明者 岡庭 隆志 神奈川県藤沢市辻堂神台1丁目4番地1号 協同油脂株式会社辻堂工場内 (72)発明者 今井 淳一 神奈川県藤沢市辻堂神台1丁目4番地1号 協同油脂株式会社辻堂工場内 Fターム(参考) 4H104 BE13B BG10C BH07C CE14B DA02A DA05C FA02 FA06 QA18

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基油に増ちょう剤を配合してなるベース
    グリースに、前記基油に溶解するモリブデンジチオカー
    バメイトと、前記基油に溶解しないモリブデンジチオカ
    ーバメイトとを配合してなることを特微とする等速ジョ
    イント用グリース。
  2. 【請求項2】 前記ベースグリースにジチオリン酸亜鉛
    を配合してなることを特徴とする請求項1記載の等速ジ
    ョイント用グリース。
  3. 【請求項3】 前記ベースグリースにワックス系油性剤
    を配合してなることを特徴とする請求項1または請求項
    2記載の等速ジョイント用グリース。
  4. 【請求項4】 前記増ちょう剤がウレア系増ちょう剤で
    あることを特徴とする請求項1、請求項2、または請求
    項3記載の等速ジョイント用グリース。
  5. 【請求項5】 前記基油が鉱油であることを特徴とする
    請求項1ないし請求項4のいずれか一項記載の等速ジョ
    イント用グリース。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれか一項
    記載の等速ジョイント用グリースが封入されてなる等速
    ジョイント。
  7. 【請求項7】 前記等速ジョイントがプランジング型等
    速ジョイントであることを特徴とする請求項6記載の等
    速ジョイント。
JP2001367098A 2001-11-30 2001-11-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント Expired - Lifetime JP4181771B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001367098A JP4181771B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001367098A JP4181771B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003165988A true JP2003165988A (ja) 2003-06-10
JP4181771B2 JP4181771B2 (ja) 2008-11-19

Family

ID=19176895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001367098A Expired - Lifetime JP4181771B2 (ja) 2001-11-30 2001-11-30 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4181771B2 (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006004035A1 (ja) * 2004-07-01 2006-01-12 Kyodo Yushi Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
WO2006057368A1 (ja) * 2004-11-25 2006-06-01 Honda Motor Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
JP2006283830A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Ntn Corp 等速自在継手
JP2007056139A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Ntn Corp 等速ジョイント用グリース組成物
WO2007060978A1 (ja) 2005-11-22 2007-05-31 Kyodo Yushi Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
WO2008007671A1 (fr) 2006-07-10 2008-01-17 Kyodo Yushi Co., Ltd. Composition graisseuse pour joint homocinétique et joint homocinétique
JP2008281037A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Ntn Corp 等速自在継手
WO2009136649A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 協同油脂株式会社 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
DE112007003204T5 (de) 2006-12-28 2009-12-31 Kyodo Yushi Co., Ltd. Schmierfettzusammensetzung für ein Gleichlaufgelenk und Gleichlaufgelenk
WO2010027019A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 Ntn株式会社 グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2010059369A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
WO2023224006A1 (ja) * 2022-05-16 2023-11-23 協同油脂株式会社 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5729590B2 (ja) 2010-12-29 2015-06-03 Ntn株式会社 グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1981021B (zh) * 2004-07-01 2010-07-28 协同油脂株式会社 等速联轴节用润滑脂组合物以及封入其的等速联轴节
JP2006016481A (ja) * 2004-07-01 2006-01-19 Kyodo Yushi Co Ltd 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
WO2006004035A1 (ja) * 2004-07-01 2006-01-12 Kyodo Yushi Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
US7910526B2 (en) 2004-07-01 2011-03-22 Kyodo Yushi Co., Ltd. Grease composition for constant velocity joint and constant velocity joint containing the composition sealed therein
WO2006057368A1 (ja) * 2004-11-25 2006-06-01 Honda Motor Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
JP2006283830A (ja) * 2005-03-31 2006-10-19 Ntn Corp 等速自在継手
JP2007056139A (ja) * 2005-08-24 2007-03-08 Ntn Corp 等速ジョイント用グリース組成物
US8377858B2 (en) 2005-11-22 2013-02-19 Kyodo Yushi Co., Ltd. Grease composition for constant velocity joint and constant velocity joint
WO2007060978A1 (ja) 2005-11-22 2007-05-31 Kyodo Yushi Co., Ltd. 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
US8530396B2 (en) 2005-11-22 2013-09-10 Kyodo Yushi Co., Ltd. Grease composition for constant velocity joint and constant velocity joint
WO2008007671A1 (fr) 2006-07-10 2008-01-17 Kyodo Yushi Co., Ltd. Composition graisseuse pour joint homocinétique et joint homocinétique
DE112007003204T5 (de) 2006-12-28 2009-12-31 Kyodo Yushi Co., Ltd. Schmierfettzusammensetzung für ein Gleichlaufgelenk und Gleichlaufgelenk
DE112007003204B4 (de) 2006-12-28 2020-08-06 Kyodo Yushi Co., Ltd. Schmierfettzusammensetzung für ein Gleichlaufgelenk und Gleichlaufgelenk
WO2008139794A1 (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Ntn Corporation 等速自在継手
JP2008281037A (ja) * 2007-05-08 2008-11-20 Ntn Corp 等速自在継手
WO2009136649A1 (ja) 2008-05-09 2009-11-12 協同油脂株式会社 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
WO2010027019A1 (ja) * 2008-09-05 2010-03-11 Ntn株式会社 グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
JP2010059369A (ja) * 2008-09-05 2010-03-18 Ntn Corp グリース組成物、該グリース組成物を封入した転がり軸受および自在継手
US8673829B2 (en) 2008-09-05 2014-03-18 Ntn Corporation Grease composition and grease composition-enclosed rolling bearing and universal joint
WO2023224006A1 (ja) * 2022-05-16 2023-11-23 協同油脂株式会社 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント

Also Published As

Publication number Publication date
JP4181771B2 (ja) 2008-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5019740B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
KR100676443B1 (ko) 등속 조인트용 그리스 조성물
JP5258080B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
WO2005078053A1 (ja) ステアリング用等速ジョイント用グリース組成物及びステアリング用等速ジョイント
WO2006004035A1 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及びそれを封入した等速ジョイント
JPH08157859A (ja) 潤滑グリース組成物
JP2005008745A (ja) 等速ジョイント用ウレアグリース組成物
JP4181771B2 (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JPH09296196A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP4809793B2 (ja) グリース組成物及び機械部材
KR20150063438A (ko) 그리스 조성물
JP4829523B2 (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP2011063659A (ja) 自在継手用グリースおよび自在継手
JP2006335876A (ja) 等速ジョイント用グリースおよび等速ジョイント
JP5028701B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
JPH10273691A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2006283830A (ja) 等速自在継手
JP4112419B2 (ja) グリース組成物
JPH10147791A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP5344422B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物及び等速ジョイント
JP4397977B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JPH0657283A (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP3910686B2 (ja) 等速ジョイント用グリース組成物
JP2007078120A (ja) トリポード型等速自在継手
JP2006316082A (ja) グリース組成物およびグリース封入転がり軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070912

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070925

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071126

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080512

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080410

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080619

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080812

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080901

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4181771

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110905

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120905

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130905

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term