JPH10273691A - 等速ジョイント用グリース組成物 - Google Patents
等速ジョイント用グリース組成物Info
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- JPH10273691A JPH10273691A JP8012197A JP8012197A JPH10273691A JP H10273691 A JPH10273691 A JP H10273691A JP 8012197 A JP8012197 A JP 8012197A JP 8012197 A JP8012197 A JP 8012197A JP H10273691 A JPH10273691 A JP H10273691A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 摩擦係数が低く、誘起スラスト低減効果が大
きく、耐久性に優れた等速ジョイント用グリース組成物
を提供すること。 【解決手段】 下記の成分を含む等速ジョイント用グリ
ース組成物。 (a) 基油、(b) 次式で表されるジウレア系増ちょう剤 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る）、(c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(d) 二硫化モリブデン、(e) ジチオリン酸亜鉛化合
物、及び(f) リン分を含まない硫黄系極圧添加剤。
きく、耐久性に優れた等速ジョイント用グリース組成物
を提供すること。 【解決手段】 下記の成分を含む等速ジョイント用グリ
ース組成物。 (a) 基油、(b) 次式で表されるジウレア系増ちょう剤 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る）、(c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(d) 二硫化モリブデン、(e) ジチオリン酸亜鉛化合
物、及び(f) リン分を含まない硫黄系極圧添加剤。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の等速ジョ
イント、特にしゅう動式の等速ジョイント用グリース組
成物に関する。さらに詳細には、摩耗し易く、異常振動
などを発生しやすい等速ジョイントの潤滑箇所を効率よ
く潤滑し、有効に摩擦を低減し、振動を抑制し、更に耐
久寿命を向上し得る等速ジョイント用グリース組成物に
関する。
イント、特にしゅう動式の等速ジョイント用グリース組
成物に関する。さらに詳細には、摩耗し易く、異常振動
などを発生しやすい等速ジョイントの潤滑箇所を効率よ
く潤滑し、有効に摩擦を低減し、振動を抑制し、更に耐
久寿命を向上し得る等速ジョイント用グリース組成物に
関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、自動車の軽量化、車内居住空間の
確保などの観点から、ＦＦ車が急激に増加し、また、機
能的な４ＷＤ車も増加し、これに適する等速ジョイント
（ＣＶＪ）が広く用いられている。このＣＶＪの中で、
しゅう動式ジョイントとして用いられているダブルオフ
セットジョイント（ＤＯＪ）の一例を、図１に示す。こ
のダブルオフセットジョイントにおいて、ジョイントが
作動角をとった状態で回転トルクを伝達する場合、外輪
１のトラック溝３と内輪２のトラック溝４とボール５と
の嵌合において複雑な転がりと滑り運動が発生し、摺動
部分の摩擦抵抗によって軸方向に力が発生する。この力
は、誘起スラストと言われている。このダブルオフセッ
トジョイントは、外輪１の内面に６０°の間隔でトラッ
ク溝３が設けられているため、１回転につき、６回の誘
起スラストが発生する。このような誘起スラストの発生
サイクルとエンジン、車体、サスペンション等の固有振
動数とが合致すると車体に共振を誘発して乗員に不快感
を与えるため、上記の誘起スラストは、可能な限り低く
することが望ましい。実装車においては、高速走行時に
おけるビート音やこもり音が発生するという不都合があ
る。また、自動車の軽量化や高出力化に伴いダブルオフ
セットジョイントにおける潤滑条件はさらに厳しくな
り、ジョイントの耐久性を向上させる必要がある。従来
の硫黄−リン系極圧添加剤を含有するリチウム系極圧グ
リースや二硫化モリブデンを含有するリチウム系極圧グ
リースでは、耐振動性の点で問題があり、又、高面圧下
で摩耗が大きく耐久性の点からも満足のいくものではな
い。また、特開昭６２−２０７３９７号公報には、硫化
ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンと、硫化油
脂、硫化オレフィン、トリクレジルフォスフェート、ト
リアルキルチオフォスフェート、ジアルキルジチオリン
酸亜鉛からなる群から選択された１種または２種以上の
組合せよりなる硫黄−リン系極圧添加剤を必須成分とし
て含有する極圧グリースが開示されているが静粛性と耐
久性の点で十分とは言えない。
確保などの観点から、ＦＦ車が急激に増加し、また、機
能的な４ＷＤ車も増加し、これに適する等速ジョイント
（ＣＶＪ）が広く用いられている。このＣＶＪの中で、
しゅう動式ジョイントとして用いられているダブルオフ
セットジョイント（ＤＯＪ）の一例を、図１に示す。こ
のダブルオフセットジョイントにおいて、ジョイントが
作動角をとった状態で回転トルクを伝達する場合、外輪
１のトラック溝３と内輪２のトラック溝４とボール５と
の嵌合において複雑な転がりと滑り運動が発生し、摺動
部分の摩擦抵抗によって軸方向に力が発生する。この力
は、誘起スラストと言われている。このダブルオフセッ
トジョイントは、外輪１の内面に６０°の間隔でトラッ
ク溝３が設けられているため、１回転につき、６回の誘
起スラストが発生する。このような誘起スラストの発生
サイクルとエンジン、車体、サスペンション等の固有振
動数とが合致すると車体に共振を誘発して乗員に不快感
を与えるため、上記の誘起スラストは、可能な限り低く
することが望ましい。実装車においては、高速走行時に
おけるビート音やこもり音が発生するという不都合があ
る。また、自動車の軽量化や高出力化に伴いダブルオフ
セットジョイントにおける潤滑条件はさらに厳しくな
り、ジョイントの耐久性を向上させる必要がある。従来
の硫黄−リン系極圧添加剤を含有するリチウム系極圧グ
リースや二硫化モリブデンを含有するリチウム系極圧グ
リースでは、耐振動性の点で問題があり、又、高面圧下
で摩耗が大きく耐久性の点からも満足のいくものではな
い。また、特開昭６２−２０７３９７号公報には、硫化
ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンと、硫化油
脂、硫化オレフィン、トリクレジルフォスフェート、ト
リアルキルチオフォスフェート、ジアルキルジチオリン
酸亜鉛からなる群から選択された１種または２種以上の
組合せよりなる硫黄−リン系極圧添加剤を必須成分とし
て含有する極圧グリースが開示されているが静粛性と耐
久性の点で十分とは言えない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、摩擦係数が低く、誘起スラスト低減効果が大きく、
耐久性に優れた等速ジョイント用グリース組成物を提供
することである。
は、摩擦係数が低く、誘起スラスト低減効果が大きく、
耐久性に優れた等速ジョイント用グリース組成物を提供
することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】摩擦係数と発生する誘起
スラストとに相関があることが知られており、摩耗し易
く、かつ振動の発生し易い潤滑条件で使用するグリース
としては、より低摩擦係数のグリースが適していると考
えられる。そこで種々の試料について、耐振動性の評価
として、実ジョイントでの誘起スラストと良く相関して
いるサバン式摩擦摩耗試験機による摩擦係数の測定、及
び、実ジョイントによる誘起スラストの測定を行い、耐
久性については、実ジョイントを用いた台上試験によ
り、評価した。本発明はこのような評価試験により得ら
れた知見に基づいて完成されたものである。
スラストとに相関があることが知られており、摩耗し易
く、かつ振動の発生し易い潤滑条件で使用するグリース
としては、より低摩擦係数のグリースが適していると考
えられる。そこで種々の試料について、耐振動性の評価
として、実ジョイントでの誘起スラストと良く相関して
いるサバン式摩擦摩耗試験機による摩擦係数の測定、及
び、実ジョイントによる誘起スラストの測定を行い、耐
久性については、実ジョイントを用いた台上試験によ
り、評価した。本発明はこのような評価試験により得ら
れた知見に基づいて完成されたものである。
【０００５】本発明は、下記の成分を含む等速ジョイン
ト用グリース組成物である。 (a) 基油、(b) 次式で表されるジウレア系増ちょう剤 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る）、(c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(d) 二硫化モリブデン、(e) ジチオリン酸亜鉛化合
物、及び(f) リン分を含まない硫黄系極圧添加剤。 本発明の組成物を使用するのが特に好ましい等速ジョイ
ントは、しゅう動式等速ジョイントである。
ト用グリース組成物である。 (a) 基油、(b) 次式で表されるジウレア系増ちょう剤 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る）、(c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(d) 二硫化モリブデン、(e) ジチオリン酸亜鉛化合
物、及び(f) リン分を含まない硫黄系極圧添加剤。 本発明の組成物を使用するのが特に好ましい等速ジョイ
ントは、しゅう動式等速ジョイントである。
【０００６】
【発明の実施の形態】本発明に使用する成分(a) の基油
としては、鉱物油、エステル系合成油、エーテル系合成
油、炭化水素系合成油等が挙げられる。これらは単独で
も２種以上を混合して使用してもよい。本発明に使用す
る成分(b) のジウレア系増ちょう剤は、次式で表される
ものである。 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る） このようなジウレア系増ちょう剤は、アニリン、ｐ−ト
ルイジン、シクロヘキシルアミン等のモノアミンとジフ
ェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートとの反応に
よって得られる。
としては、鉱物油、エステル系合成油、エーテル系合成
油、炭化水素系合成油等が挙げられる。これらは単独で
も２種以上を混合して使用してもよい。本発明に使用す
る成分(b) のジウレア系増ちょう剤は、次式で表される
ものである。 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る） このようなジウレア系増ちょう剤は、アニリン、ｐ−ト
ルイジン、シクロヘキシルアミン等のモノアミンとジフ
ェニルメタン−４，４’−ジイソシアネートとの反応に
よって得られる。
【０００７】本発明に使用する成分(c) の硫化ジアルキ
ルジチオカルバミン酸モリブデンとしては、次式で表さ
れるものが特に好ましい。 [R3R4 Ｎ−ＣＳ−Ｓ] 2 −Ｍｏ2 ＯｍＳｎ （式中、R3、R4は炭素数１〜２４のアルキル基を表し、
またｍ＋ｎ＝４で、かつｍは０〜３、ｎは４〜１であ
る。） この化合物は公知の固体潤滑剤であり、例えば特公昭４
５−２４５６２号公報（ｍ＝2.３５〜３、ｎ＝1.６５〜
１のもの）、特公昭５１−９６４号公報（ｍ＝０、ｎ＝
４のもの）、特公昭５３−３１６４６号公報（ｍ＝0.５
〜2.３、ｎ＝3.５〜1.７のもの）等に開示されている。
ルジチオカルバミン酸モリブデンとしては、次式で表さ
れるものが特に好ましい。 [R3R4 Ｎ−ＣＳ−Ｓ] 2 −Ｍｏ2 ＯｍＳｎ （式中、R3、R4は炭素数１〜２４のアルキル基を表し、
またｍ＋ｎ＝４で、かつｍは０〜３、ｎは４〜１であ
る。） この化合物は公知の固体潤滑剤であり、例えば特公昭４
５−２４５６２号公報（ｍ＝2.３５〜３、ｎ＝1.６５〜
１のもの）、特公昭５１−９６４号公報（ｍ＝０、ｎ＝
４のもの）、特公昭５３−３１６４６号公報（ｍ＝0.５
〜2.３、ｎ＝3.５〜1.７のもの）等に開示されている。
【０００８】本発明に使用する成分(d) の二硫化モリブ
デンは、一般に固体潤滑剤として広く用いられているも
のである。この化合物は層状格子構造をしており、すべ
り運動によって容易に薄層状にせん断され、金属接触を
妨げ、焼付き防止効果を有するものである。しかしなが
ら、その添加量が多いと摩擦係数を増大させ、耐振動性
に対して悪影響を及ぼす。又、潤滑条件によっては、摩
耗を増加させることもある。
デンは、一般に固体潤滑剤として広く用いられているも
のである。この化合物は層状格子構造をしており、すべ
り運動によって容易に薄層状にせん断され、金属接触を
妨げ、焼付き防止効果を有するものである。しかしなが
ら、その添加量が多いと摩擦係数を増大させ、耐振動性
に対して悪影響を及ぼす。又、潤滑条件によっては、摩
耗を増加させることもある。
【０００９】本発明に使用する成分(e) のジチオリン酸
亜鉛化合物の好ましい例としては次式で表されるものが
挙げられる。 [(R5Ｏ)2−ＰＳ−Ｓ]2−Ｚｎ （式中、R5は炭素数１〜２４のアルキル基又は炭素数６
〜３０のアリール基を示す。） 特に好ましいものは、R5が炭素数３〜８の一級又は二級
アルキルのものである。
亜鉛化合物の好ましい例としては次式で表されるものが
挙げられる。 [(R5Ｏ)2−ＰＳ−Ｓ]2−Ｚｎ （式中、R5は炭素数１〜２４のアルキル基又は炭素数６
〜３０のアリール基を示す。） 特に好ましいものは、R5が炭素数３〜８の一級又は二級
アルキルのものである。
【００１０】本発明に使用する成分(f) のリン分を含ま
ない硫黄系極圧添加剤の好ましい例としては、硫黄分が
３５〜５０重量％のものが挙げられる。本発明において
好ましくは、全組成物中、ジウレア系増ちょう剤の含有
量は１〜２５重量％、硫化ジアルキルジチオカルバミン
酸モリブデンの含有量は0.１〜５重量％、二硫化モリブ
デンの含有量は0.１〜１重量％、ジチオリン酸亜鉛化合
物の含有量は0.１〜３重量％、リン分を含まない硫黄系
極圧添加剤の含有量は0.１〜5 重量％である。
ない硫黄系極圧添加剤の好ましい例としては、硫黄分が
３５〜５０重量％のものが挙げられる。本発明において
好ましくは、全組成物中、ジウレア系増ちょう剤の含有
量は１〜２５重量％、硫化ジアルキルジチオカルバミン
酸モリブデンの含有量は0.１〜５重量％、二硫化モリブ
デンの含有量は0.１〜１重量％、ジチオリン酸亜鉛化合
物の含有量は0.１〜３重量％、リン分を含まない硫黄系
極圧添加剤の含有量は0.１〜5 重量％である。
【００１１】(b)成分の含有量が１重量％未満、 (c)成
分の含有量が0.1 重量％未満、 (d)成分の含有量が0.1
重量％未満、 (e)成分の含有量が0.1 重量％未満、 (f)
成分の含有量が0.1 重量％未満では、目的とする効果の
発現が不十分な場合があり、一方、 (b)成分の含有量を
２５重量％より多く、 (c)成分の含有量を１重量％より
多く、 (d)成分の含有量を３重量％より多く、 (e)成分
の含有量を５重量％より多く、 (f)成分の含有量を５重
量％より多くしても効果の増大はない。
分の含有量が0.1 重量％未満、 (d)成分の含有量が0.1
重量％未満、 (e)成分の含有量が0.1 重量％未満、 (f)
成分の含有量が0.1 重量％未満では、目的とする効果の
発現が不十分な場合があり、一方、 (b)成分の含有量を
２５重量％より多く、 (c)成分の含有量を１重量％より
多く、 (d)成分の含有量を３重量％より多く、 (e)成分
の含有量を５重量％より多く、 (f)成分の含有量を５重
量％より多くしても効果の増大はない。
【００１２】
【実施例】次に本発明を実施例及び比較例により説明す
る。容器に基油４１００ｇとジフェニルメタン−４，
４’−ジイソシアネート１０１２ｇをとり、混合物を７
０〜８０℃に加熱した。別容器に基油４１００ｇとシク
ロヘキシルアミン５６３ｇ、アニリン２２５ｇをとり、
７０〜８０℃に加熱後、先の容器に加えた。混合物をよ
く攪拌しながら、３０分間反応させ、その後攪拌しなが
ら１６０℃まで昇温し、放冷し、ベースウレアグリース
Ａを得た。このベースグリースＡに、表１に示す配合
で、添加剤を添加し、適宜基油を加え、得られた混合物
を、三段ロールミルにて、ちょう度No.1グレードに調整
した。
る。容器に基油４１００ｇとジフェニルメタン−４，
４’−ジイソシアネート１０１２ｇをとり、混合物を７
０〜８０℃に加熱した。別容器に基油４１００ｇとシク
ロヘキシルアミン５６３ｇ、アニリン２２５ｇをとり、
７０〜８０℃に加熱後、先の容器に加えた。混合物をよ
く攪拌しながら、３０分間反応させ、その後攪拌しなが
ら１６０℃まで昇温し、放冷し、ベースウレアグリース
Ａを得た。このベースグリースＡに、表１に示す配合
で、添加剤を添加し、適宜基油を加え、得られた混合物
を、三段ロールミルにて、ちょう度No.1グレードに調整
した。
【００１３】上記実施例及び比較例において、いずれも
グリースの基油としては、以下の特性を有する鉱油を使
用した。 また比較例５として、市販有機モリブデングリースを、
比較例６として、市販二硫化モリブデングリースを使用
した。各グリースの性能を以下に示す試験方法に従って
評価した。結果を、各グリースのちょう度（６０Ｗ）
（ＪＩＳ Ｋ ２２２０による）及び滴点（℃）（ＪＩ
Ｓ Ｋ ２２２０による）とともに表１に示す。
グリースの基油としては、以下の特性を有する鉱油を使
用した。 また比較例５として、市販有機モリブデングリースを、
比較例６として、市販二硫化モリブデングリースを使用
した。各グリースの性能を以下に示す試験方法に従って
評価した。結果を、各グリースのちょう度（６０Ｗ）
（ＪＩＳ Ｋ ２２２０による）及び滴点（℃）（ＪＩ
Ｓ Ｋ ２２２０による）とともに表１に示す。
【００１４】1.摩擦摩耗試験 サバン型摩擦摩耗試験機を用いて摩擦係数を測定した。
ここでサバン型摩擦摩耗試験機は、図２に示すように、
直径４０mm×厚さ４mmの回転リング６に１／４インチの
鋼球７を圧接させたものであり、摩擦係数の測定に際し
ては、回転リング６を周速１０８ｍ／分で回転し、荷重
１kgf をかけ、回転リングの下端からスポンジ８を介し
て回転リングの表面にグリースを供給し、鋼球を支持す
るエアスライド９の動きをロードセル１０で検出した。
試験時間は１０分間とし、１０分後の摩擦係数を測定し
た。
ここでサバン型摩擦摩耗試験機は、図２に示すように、
直径４０mm×厚さ４mmの回転リング６に１／４インチの
鋼球７を圧接させたものであり、摩擦係数の測定に際し
ては、回転リング６を周速１０８ｍ／分で回転し、荷重
１kgf をかけ、回転リングの下端からスポンジ８を介し
て回転リングの表面にグリースを供給し、鋼球を支持す
るエアスライド９の動きをロードセル１０で検出した。
試験時間は１０分間とし、１０分後の摩擦係数を測定し
た。
【００１５】2.誘起スラスト測定試験 実ジョイント（ダブルオフセット型ジョイント）を用い
て、作動角とトルクをかけて回転させた時に軸方向に発
生する力を誘起スラストとして測定し、市販二硫化モリ
ブデングリース（比較例６）の誘起スラストに対する低
減率（％）で示した。 測定条件 回転数 ９００rpm トルク １５kgf・ｍ 角度 ５° 試験時間 ５分後
て、作動角とトルクをかけて回転させた時に軸方向に発
生する力を誘起スラストとして測定し、市販二硫化モリ
ブデングリース（比較例６）の誘起スラストに対する低
減率（％）で示した。 測定条件 回転数 ９００rpm トルク １５kgf・ｍ 角度 ５° 試験時間 ５分後
【００１６】3.耐久寿命試験 実ジョイント（ダブルオフセット型ジョイント）を用い
て下記条件により実施し、評価した。 測定条件 回転数 １５００rpm トルク ３０kgf・ｍ 角度 ５° 評価基準 ◎：優れる、○：良好、△：やや不良、×：不良
て下記条件により実施し、評価した。 測定条件 回転数 １５００rpm トルク ３０kgf・ｍ 角度 ５° 評価基準 ◎：優れる、○：良好、△：やや不良、×：不良
【００１７】
【表１】 実施例 比較例 1 2 3 4 1 2 3 4 5 6 基グリース グリースＡ 93.5 92.0 95.8 93.5 94.5 96.5 95.95 93.95 − − 添加剤 1) 3.0 3.0 3.0 − 3.0 − 0.05 3.0 − − 2) − − − 3.0 − − − − − − 3) 0.5 1.0 0.2 0.5 0.5 0.5 1.0 1.0 − − 4) 1.0 2.0 0.5 1.0 − 1.0 1.0 0.05 − − 5) 2.0 2.0 0.5 2.0 2.0 2.0 2.0 2.0 − − 合 計 100 100 100 100 100 100 100 100 − − ちょう度(60W) 328 325 326 327 326 329 324 325 325 285 滴点（℃） 260＜ 260＜ 260＜ 260＜ 260＜ 260＜ 260＜ 260＜ 236 196 摩擦係数 0.042 0.041 0.042 0.042 0.090 0.083 0.075 0.082 0.080 0.119 誘起スラスト -74 -76 -68 -72 -35 -39 -40 -41 -38 ±0 耐久性評価 ◎ ◎ ◎ ◎ △ × △ ○ × ×
【００１８】1) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モ
リブデン Ａ（商品名Molyvan A, R.T.Vanderbilt 社
製） 2) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン Ｂ
（商品名Molyvan 822, R.T.Vanderbilt 社製） 3) 二硫化モリブデン (Molysulfide, CLIMAX MOLYBDEN
UM社製, 平均粒径0.45μｍ） 4) ジチオリン酸亜鉛化合物（Lubrizol 1360, 日本ル
ブリゾール社製) 5) 硫黄系極圧添加剤（Anglamol 33, 日本ルブリゾー
ル社製)
リブデン Ａ（商品名Molyvan A, R.T.Vanderbilt 社
製） 2) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデン Ｂ
（商品名Molyvan 822, R.T.Vanderbilt 社製） 3) 二硫化モリブデン (Molysulfide, CLIMAX MOLYBDEN
UM社製, 平均粒径0.45μｍ） 4) ジチオリン酸亜鉛化合物（Lubrizol 1360, 日本ル
ブリゾール社製) 5) 硫黄系極圧添加剤（Anglamol 33, 日本ルブリゾー
ル社製)
【００１９】
【発明の効果】本発明のグリース組成物は、摩擦係数が
低く、誘起スラスト低減効果が大きく、耐久性に優れて
いる。
低く、誘起スラスト低減効果が大きく、耐久性に優れて
いる。
【図１】本発明のグリース組成物を適用するのに適した
ダブルオフセット型ジョイントの一例を示す一部切欠側
面図である。
ダブルオフセット型ジョイントの一例を示す一部切欠側
面図である。
【図２】サバン型摩擦摩耗試験機で摩擦係数を測定する
状態を示す説明図である。
状態を示す説明図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 ＦＩ Ｃ１０Ｍ 137:10） Ｃ１０Ｎ 10:04 10:12 30:00 30:06 40:04 50:10 (72)発明者 浅原 恭雄 静岡県磐田郡福田町大原2088−22 (72)発明者 長澤 敬三 静岡県磐田市見付4164−１
Claims (3)
- 【請求項１】 下記の成分を含む等速ジョイント用グリ
ース組成物。 (a) 基油、(b) 次式で表されるジウレア系増ちょう剤 R1NH-CO-NH-C6H4-p-CH2-C6H4-p-NH-CO-NHR2 （式中、R1及びR2は、同一もしくは異なる、炭素原子数
６または７のアリール基もしくはシクロヘキシル基であ
る）、(c) 硫化ジアルキルジチオカルバミン酸モリブデ
ン、(d) 二硫化モリブデン、(e) ジチオリン酸亜鉛化合
物、及び(f) リン分を含まない硫黄系極圧添加剤。 - 【請求項２】 全組成物中、ジウレア系増ちょう剤の含
有量が１〜２５重量％、硫化ジアルキルジチオカルバミ
ン酸モリブデンの含有量が0.１〜５重量％、二硫化モリ
ブデンの含有量が0.１〜１重量％、ジチオリン酸亜鉛化
合物の含有量が0.１〜３重量％、リン分を含まない硫黄
系極圧添加剤の含有量が0.１〜5 重量％、である請求項
１記載の等速ジョイント用グリース組成物。 - 【請求項３】 等速ジョイントがしゅう動式等速ジョイ
ントである請求項１または２記載の等速ジョイント用グ
リース組成物。
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