JP2003164207A - 粉粒体吐出機 - Google Patents

粉粒体吐出機

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JP2003164207A JP2001367793A JP2001367793A JP2003164207A JP 2003164207 A JP2003164207 A JP 2003164207A JP 2001367793 A JP2001367793 A JP 2001367793A JP 2001367793 A JP2001367793 A JP 2001367793A JP 2003164207 A JP2003164207 A JP 2003164207A
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塩崎  孝秀
Hitoshi Yamazaki
仁史 山崎
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Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッパ内
の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられた粉粒体吐出機に
おいて、繰出部及びその周辺部のメンテナンスを容易に
行えるようにする。 【解決手段】 繰出部61をホッパ60に対して移動可
能に設ける。また、繰出部61を機体に固定された固定
部分78aと該固定部分から離脱させることのできる離
脱部分78bとに分割し、側面視で前記離脱部分78b
を離脱させる方向に投影した区域外までホッパ60を移
動させられるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、施肥機等の粉粒体
吐出機に関し、特に粉粒体繰出部及びその周辺部のメン
テナンスの容易化を図った技術に関する。
【0002】
【従来の技術】粉粒体ホッパ内の粉粒体をその下側に設
けた繰出部によって繰り出し、繰り出された粉粒体をエ
アチャンバから供給されるエアによって圃場まで搬送す
るようにした粉粒体吐出機がある。前記繰出部は外周面
に凹部が形成された繰出ロールを内蔵し、この繰出ロー
ルが一定方向に回転することにより、ホッパの粉粒体が
凹部に収容されて一定量づつ下方に繰り出すようになっ
ている。また、繰出部の内部には、繰出ロールの凹部に
収容される粉粒体の表面を均すブラシや、ホッパ内に残
存する粉粒体の回収するための排出口を開閉するシャッ
タが設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、繰出部の
内部には多くの重要な部材が内蔵されており、点検や清
掃等のメンテナンスをかなりの頻度で行う必要がある。
しかしながら、従来の粉粒体吐出機の繰出部は、外ケー
スの一部分にメンテンス用の開口部が形成されているに
過ぎなかったので、繰出部内部のメンテナンスがしにく
かった。そこで、繰出部内部のメンテナンスを容易に行
えるようにすることが本発明の課題である。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して本発明
は下記の技術的手段を講じた。すなわち、請求項1に記
載の粉粒体吐出機は、粉粒体を貯蔵するホッパの下方に
該ホッパ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられた粉粒
体吐出機において、前記繰出部を前記ホッパに対して移
動可能に設けたことを特徴としている。これにより、繰
出部内部に収容されている部材を外部に露出させられる
ので、これらの部材のメンテナンスが行いやすくなる。
【0005】その場合、請求項2に記載されているよう
に、前記繰出部を機体に固定された固定部分と該固定部
分から離脱させることのできる離脱部分とに分割し、側
面視で前記離脱部分を離脱させる方向に投影した区域外
まで前記ホッパを移動させられるようにすると、繰出部
の固定部分から離脱部分を離脱させる際に当該離脱部分
がホッパに干渉しない。
【0006】また、請求項3に記載されているように、
前記ホッパを支持する支持部材を左右方向に配列された
複数の繰出部の間に設けると、繰出部のメンテナンスを
行う際に支持部材が邪魔にならない。
【0007】請求項4に記載の粉粒体吐出機は、粉粒体
を貯蔵するホッパの下方に該ホッパ内の粉粒体を繰り出
す繰出部が設けられた粉粒体吐出機において、前記繰出
部を走行車体側に固定された固定部分と該固定部分から
離脱させられる離脱部分とに分割し、前記ホッパ内に残
存する粉粒体を回収するための排出口を前記繰出部の固
定部分に設けたことを特徴としている。この構成である
と、排出口を開閉するシャッタが繰出部の固定部分にあ
るので、離脱部分の構成が簡略になる。
【0008】請求項5に記載の粉粒体吐出機は、粉粒体
を貯蔵するホッパの下方に該ホッパ内の粉粒体を繰り出
す繰出部が設けられ、かつ、この繰出部の前方又は後方
に当該繰出部により繰り出された粉粒体を散布位置まで
搬送するための圧風を供給するエアチャンバを設けた粉
粒体吐出機において、前記繰出部を走行車体側に固定さ
れた固定部分と該固定部分から離脱させられる離脱部分
とに分割し、その分割面の延長が前記エアチャンバの上
端よりも下側に位置するとともに、側面視で前記離脱部
分を離脱させる方向に投影した区域外に前記エアチャン
バが位置することを特徴ととしている。この構成である
と、エアチャンバ側から繰出部の離脱部分を離脱させる
作業を行いやすい。
【0009】請求項6に記載の粉粒体吐出機は、粉粒体
を貯蔵するホッパの下方に外周部に凹部が形成された繰
出ロールを内蔵する繰出部が設けられ、前記繰出ロール
が回転することにより前記ホッパ内の粉粒体が前記凹部
に収容されて下方に繰り出される粉粒体吐出機におい
て、前記繰出部を機体に固定された固定部分と該固定部
分から離脱させられる離脱部分とに分割し、前記離脱部
分に前記繰出ロールの凹部に収容される粉粒体の表面を
均すブラシを設けたことを特徴としている。この構成で
あると、離脱部分と一緒にブラシが取り外されるので、
ブラシのメンテナンスを行いやすい。
【0010】請求項7に記載の粉粒体吐出機は、粉粒体
を貯蔵するホッパの下方に該ホッパ内の粉粒体を繰り出
す繰出部が設けられた粉粒体吐出機において、繰出部全
体を取り外すことも、繰出部の一部分だけを分割して取
り外すこともできるように構成したことを特徴としてい
る。この構成であると、メンテナンスの箇所や種類に応
じ、繰出部全体を取り外す場合と、繰出部の一部分だけ
を分割して取り外す場合とを選択できる。
【0011】請求項8に記載の粉粒体吐出機は、粉粒体
を貯蔵するホッパの下方に該ホッパ内の粉粒体を繰り出
す繰出部が設けられ、かつ、この繰出部の前方又は後方
に当該繰出部により繰り出された粉粒体を散布位置まで
搬送するための圧風を供給するエアチャンバを設けた粉
粒体吐出機において、前記繰出部を前記エアチャンバの
一部と共に着脱することができようにし、そのエアチャ
ンバの着脱される部分を他の部分に対し変形しやすい構
造としたことを特徴としている。この構成であると、繰
出部とエアチャンバとの連結、及び繰出部の着脱が容易
になる。
【0012】
【発明の効果】請求項1乃至3の場合は、繰出部をホッ
パに対して移動可能に設けることにより、繰出部内部に
収容されている部材を外部に露出させられるので、これ
らの部材のメンテナンスが行いやすくなる。特に、請求
項2に記載の構成とすると、繰出部の固定部分から離脱
部分を離脱させる際に当該離脱部分がホッパに干渉しな
いので、離脱部分を離脱しやすいという効果を奏する。
また、請求項3に記載の構成とすると、支持部材を無理
なく配置でき、繰出部のメンテナンスを行う際に支持部
材が邪魔にならないという効果を奏する。
【0013】請求項4の場合は、粉粒体の排出口を繰出
部の固定部分に設けることにより、排出口を開閉するシ
ャッタも繰出部の固定部分に位置するようになり、離脱
部分の構成が簡略になる。
【0014】請求項5の場合は、繰出部の分割面がエア
チャンバ側を低位とする傾斜面になるので、エアチャン
バ側から繰出部の離脱部分を離脱させる作業を行いやす
くなる。
【0015】請求項6の場合は、繰出部を分割して離脱
部分を離脱させると、繰出ロールの凹部に収容される粉
粒体の表面を均すブラシが繰出部の離脱部分と一緒に取
り外されるので、ブラシのメンテナンスを行いやすい。
【0016】請求項7の場合は、メンテナンスの箇所や
種類に応じ、繰出部全体を取り外す場合と、繰出部の一
部分だけを分割して取り外す場合とを選択できるので、
メンテナンス全般が容易になる。
【0017】請求項8の場合は、繰出部を粉粒体吐出機
の他の部分から分離して取り外すことができ、繰出部の
メンテナンスが容易になる。また、エアチャンバの着脱
される部分を他の部分に対し変形しやすい構造とするこ
とにより、繰出部とエアチャンバとの連結、及び繰出部
の着脱が容易になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づき、本発明の好
ましい実施の形態について説明する。図1及び図2は本
発明による粉粒体吐出機の一例である施肥田植機を表し
ている。この施肥田植機1は、走行車体2の後側に昇降
リンク装置3を介して苗植付部4が昇降可能に装着さ
れ、走行車体2の後部上側に施肥装置5の本体部分が設
けられている。
【0019】走行車体2は、駆動輪である各左右一対の
前輪10,10及び後輪11,11を備えた四輪駆動車
両であって、機体の前部にミッションケース12が配置
され、そのミッションケース12の左右側方に前輪ファ
イナルケース13,13が設けられ、該前輪ファイナル
ケースの変向可能な前輪支持部から外向きに突出する前
輪車軸に前輪10,10が取り付けられている。また、
ミッションケース12の背面部にメインフレーム15の
前端部が固着されており、そのメインフレーム15の後
端左右中央部に前後水平に設けた後輪ローリング軸を支
点にして後輪ギヤケース18,18がローリング自在に
支持され、その後輪ギヤケース18,18から外向きに
突出する後輪車軸に後輪11,11が取り付けられてい
る。
【0020】エンジン20はメインフレーム15の上に
搭載されており、該エンジンの回転動力が、第一ベルト
伝動装置21及び第二ベルト伝動装置23を介してミッ
ションケース12に伝達される。ミッションケース12
に伝達された回転動力は、該ケース内のトランスミッシ
ョンにて変速された後、走行動力と外部取出動力に分離
して取り出される。そして、走行動力は、一部が前輪フ
ァイナルケース13,13に伝達されて前輪10,10
を駆動すると共に、残りが後輪ギヤケース18,18に
伝達されて後輪11,11を駆動する。また、外部取出
動力は、走行車体2の後部に設けた植付クラッチケース
25に伝達され、それから植付伝動軸26によって苗植
付部4へ伝動されるとともに、施肥伝動機構27によっ
て施肥装置5へ伝動される。
【0021】エンジン20の上部はエンジンカバー30
で覆われており、その上に座席31が設置されている。
座席31の前方には各種操作機構を内蔵するフロントカ
バー32があり、その上方に前輪10,10を操向操作
するハンドル34が設けられている。エンジンカバー3
0及びフロントカバー32の下端左右両側は水平状のフ
ロアステップ35になっている。フロアステップ35の
後部は、後輪フェンダを兼ねるリヤステップ36となっ
ている。また、走行車体2の前部左右両側には、補給用
の苗を載せておく予備苗載台38,38が機体よりも側
方に張り出す位置と内側に収納した位置とに回動可能に
設けられている。
【0022】昇降リンク装置3は平行リンク構成であっ
て、1本の上リンク40と左右一対の下リンク41,4
1を備えている。これらリンク40,41,41は、そ
の基部側がメインフレーム15の後端部に立設した背面
視門形のリンクベースフレーム42に回動自在に取り付
けられ、その先端側に縦リンク43が連結されている。
そして、縦リンク43の下端部に苗植付部4に回転自在
に支承された連結軸44が挿入連結され、連結軸44を
中心として苗植付部4がローリング自在に連結されてい
る。メインフレーム15に固着した支持部材と上リンク
40に一体形成したスイングアーム45の先端部との間
に昇降油圧シリンダ46が設けられており、該シリンダ
を油圧で伸縮させることにより、上リンク40が上下に
回動し、苗植付部4がほぼ一定姿勢のまま昇降する。
【0023】苗植付部4は6条植の構成で、フレームを
兼ねる伝動ケース50、マット苗を載せて左右往復動し
苗を一株分づつ各条の苗取出口51a,…に供給すると
ともに横一列分の苗を全て苗取出口51a,…に供給す
ると苗送りベルト51b,…により苗を下方に移送する
苗載台51、苗取出口51a,…に供給された苗を苗植
付具52aで圃場に植付ける苗植付装置52,…、次行
程における機体進路を表土面に線引きする左右一対の線
引きマーカ53,53等を備えている。苗植付部4の下
部には中央にセンターフロート55、その左右両側にサ
イドフロート56,56がそれぞれ設けられている。こ
れらフロートを圃場の泥面に接地させた状態で機体を進
行させると、フロートが泥面を整地しつつ滑走し、その
整地跡に苗植付装置52,…により苗が植付けられる。
各フロート55,56,56は圃場表土面の凹凸に応じ
て前端側が上下動するように回動自在に取り付けられて
おり、植付作業時にはセンターフロート55の前部の上
下動が上下動検出機構57により検出され、その検出結
果に応じ前記昇降油圧シリンダ46を制御する油圧バル
ブを切り替えて苗植付部4を昇降させることにより、苗
の植付深さを常に一定に維持する。
【0024】施肥装置5は、肥料ホッパ60に貯留され
ている粒状の肥料を繰出部61,…によって一定量づつ
繰り出し、その肥料を施肥ホース62,…でフロート5
5,56,56の左右両側に取り付けた施肥ガイド6
3,…まで導き、施肥ガイド63,…の前側に設けた作
溝体64,…によって苗植付条の側部近傍に形成される
施肥溝内に落とし込むようになっている。モータ66で
駆動のブロア67で発生させたエアが、左右方向に長い
エアチャンバ68を経由して施肥ホース62,…に吹き
込まれ、施肥ホース62,…内の肥料を風圧で強制的に
搬送するようになっている。
【0025】以下、図3〜図12に示す施肥装置本体部
の各部の構成について説明する。肥料ホッパ60は各条
共用で、上部に開閉可能な蓋60aが取り付けられてい
る。肥料ホッパ60の下部は施肥条数分に分岐して漏斗
状になっており、その下部が繰出部61,…の上端に接
続されている。肥料ホッパ60は、左右方向に長い施肥
フレーム70に支持された左右2箇所の回動アーム71
に取り付けられていて、この回動アーム71の下端部を
支点に後方に回動させて繰出部61,…から分離させら
れるようになっている。回動アーム71は外側から1条
目の繰出部と2条目の繰出部との間に配置されている。
肥料ホッパ60の下部を肥料繰出部61,…の上端に接
続した通常位置では、係止具72により肥料ホッパ60
を固定しておく。
【0026】図16に示すように、肥料ホッパ60と肥
料繰出部61を接続する蛇腹状の変形可能な接続ブーツ
160の下端にホッパ支持用回動アーム71の回動支点
を設けると、接続ブーツ160が外れにくくなるという
効果が得られる。
【0027】繰出部61は、肥料ホッパ60内の肥料を
下方に繰り出す2個の繰出ロール73A,73Bを内蔵
している。これらの繰出ロール73A,73Bは、外周
部に溝状の凹部74,…が形成された回転体で、左右方
向に設けた共通の繰出軸75の角軸部75a(図示例は
四角軸)にそれぞれ一体回転するように嵌合している。
繰出ロール73A,73Bが図7の矢印方向に回転する
ことにより、肥料ホッパ60から落下供給される肥料が
凹部74に収容されて下方に繰り出される。両繰出ロー
ル73A,73Bにより繰り出された肥料は、下端の吐
出口61aから吐出される。
【0028】図示例の繰出ロール73A,73Bの凹部
の数は6個であり、両者の凹部の位相が異ならせてあ
る。このため、両繰出ロール73A,73Bの凹部が交
互に肥料を繰り出すこととなり、吐出口61aから吐出
される肥料の量が時間的に均等化されている。いずれか
の繰出ロールを繰出軸75から外し位相を適当に変更し
て付け直すことにより、両繰出ロール73A,73Bの
凹部の位相を等しくすることもできる。これで、圃場に
点状に肥料を散布する場合に適用可能となる。
【0029】また、繰出部61の内部には、凹部74が
下方に移動する側(前側)の繰出ロール73の外周面に
摺接するブラシ76が着脱自在に設けられている。この
ブラシ76によって繰出ロール73A,73Bの凹部7
4に肥料が摺り切り状態で収容され、繰出ロール73
A,73Bによる肥料繰出量が一定に保たれる。
【0030】さらに、ブラシ76の上側には、繰出ロー
ル73A,73Bの上方に突出して肥料ホッパ60から
繰出部61に肥料が落下供給されなくする繰出停止シャ
ッタ77A,77Bが設けられている。繰出停止シャッ
タ77A,77Bは、繰出部ケース78のスライド支持
部79にスライド自在に支持されていて、ケース外の前
端部に形成された把手77aをつかんでスライドさせる
ようになっている。
【0031】繰出部61の吐出口61aには、前後方向
に連通する接続管80が接続されている。そして、この
接続管80の後端部に施肥ホース62が接続されてい
る。施肥ホース62の外周螺旋溝に施肥フレーム70の
下端部が係合しているので、施肥ホース62が接続管8
0から抜けにくい。一方、各条の接続管80の前端部は
エアチャンバ68の背面部に挿入連結されている。エア
チャンバ68の左端部はエア切替管81を介してブロア
67に接続されており、該ブロアからのエアがエアチャ
ンバ68を経由し接続管80から施肥ホース62に吹き
込まれるようになっている。
【0032】エアチャンバ68は、接続管80が取り付
けられたゴム管68aと、中間部分の樹脂管68bとを
交互に繋ぎ合わせて構成されている。この構成とする
と、エアチャンバ68を簡単に分解、組み立てできるの
で、繰出部61を一体的に取り外してのメンテナンスが
容易である。ゴム管68aの長さを一対の繰出部の間隔
よりも長くしておくと、樹脂管68bからゴム管68a
を抜きやすい。
【0033】また、繰出部ケース78の背面部には、肥
料ホッパ内の肥料を取り出すための肥料排出口83が形
成されている。この肥料排出口83には、上端側を支点
にして開閉自在な排出シャッタ84が取り付けられてい
る。各繰出部の肥料排出口83は、繰出部61の後方に
設けた左右方向に長い肥料回収管85に接続されてい
る。肥料回収管85の左端部は、前記エア切替管81を
介してブロア67に接続されている。エア切替管81は
二股状の管であって、一方にエアチャンバ68が接続さ
れ、他方に肥料回収管85が接続されている。エア切替
管81にはエア切替シャッタ86が設けられ、ブロア6
7から吹き出されるエアをエアチャンバ側に供給する状
態と肥料回収管側に供給する状態とに切り替えられよう
になっている。肥料回収管85の右端部は肥料回収口8
7になっている。
【0034】図9は上記各シャッタ84,…,86の開
閉機構を示す図である。肥料回収口87の近傍に肥料回
収レバー90が回動自在に設けられている。この肥料回
収レバー90の回動支点軸90aと同軸上に、繰出部6
1の前側に配置された左右方向に長いシャッタ開閉伝達
軸91が設けられている。シャッタ開閉伝達軸91には
扇形プレート92が取り付けられており、この扇形プレ
ート92に形成された円弧状の長穴92aに、肥料回収
レバー90に固着されたピン90bが遊嵌している。シ
ャッタ開閉伝達軸91には各繰出部ごとに開閉ギヤ93
が取り付けられ、該ギヤが排出シャッタ84の回動軸8
4aに取り付けた半円形ギヤ94と噛み合っている。な
お、半円形ギヤ94の端部には当該ギヤの歯よりも径の
大きいストッパ部94aが形成されているので、両ギヤ
の噛み合いが外れることはない。また、肥料回収レバー
90には、エア切替ワイヤ95の一端が繋がれている。
エア切替ワイヤ95の他端は、エア切替シャッタ86の
回動軸86aに取り付けたアーム96に引張りスプリン
グ97を介して繋がれている。
【0035】肥料回収レバー90を回動操作すると、エ
ア切替ワイヤ95が引かれてエア切替シャッタ86を切
り替え、ブロア67から引き出されるエアが肥料回収管
85に供給されるようになる。肥料回収レバー90の回
動操作量が少ないうちは、ピン90bが長穴92aの中
を移動するだけにすぎないので、シャッタ開閉伝達軸9
1は回動しない。しかしながら、肥料回収レバー90を
一定量以上回動操作すると、ピン90bが扇形プレート
92に係合し、シャッタ開閉伝達軸91が回動する。こ
れにより、排出シャッタ84,…が開き、肥料ホッパ6
0内の肥料が肥料回収管85に排出される。つまり、1
本のレバー操作だけでエア切替シャッタ86及び排出シ
ャッタ84,…を操作することができるのである。しか
も、必然的に、始めにエアが肥料回収管85に供給さ
れ、その後で肥料が肥料回収管85に排出されるのであ
る。このため、肥料回収管85での肥料の搬送が円滑に
行われ、肥料回収管85での肥料詰まりが生じない。ま
た、肥料回収レバー90が肥料回収口87の近傍に設け
られているので、肥料回収容器等を肥料回収口87の下
側に容易に確保でき、さらに肥料回収の状況を確認しな
がら作業を行え好都合である。
【0036】肥料回収レバー90はレバーガイド98に
沿って回動操作するようになっている。このレバーガイ
ド98にはガイド穴98a,98bが形成されており、
肥料回収レバー90の撓みを利用して肥料回収レバー9
0の係合部(図示せず)をガイド穴98a,98bに係
合させることにより、肥料回収レバー90をエア切替シ
ャッタ86だけが切り替えられる位置P1と、エア切替
シャッタ86及び排出シャッタ84,…の両方が切り替
えられる位置P2とに固定することができるようになっ
ている。
【0037】繰出部ケース78は、側面視で前下がりに
傾斜した分割面F−Fで、下側の固定部分78aと上側
の離脱部分78bとに分割されている。繰出ロール73
A,73B及び排出シャッタ84(肥料排出口83)は
固定部分78aに設けられている。一方、ブラシ76及
び繰出停止シャッタ77は離脱部分78bに設けられて
いる。肥料ホッパ60が接続される上部開口部及び吐出
口61aは分割されていないので、両者の気密性が良好
に保たれる。
【0038】肥料ホッパ60を最も後方に回動させる
と、側面視で前記離脱部分78bを離脱させる方向に投
影した区域外に肥料ホッパが位置するようになってい
る。このため、離脱部分78bを無理なく離脱させられ
る。また、分割面F−Fの延長先はエアチャンバ68の
上端よりも下側に位置するとともに、側面視で離脱部分
78bを離脱させる方向に投影した区域外にエアチャン
バ68が位置している。このため、離脱部分78bを取
り外した状態で、走行車体2上から繰出ロール73A,
73Bのメンテナンスを行いやすい。
【0039】次に、施肥伝動機構27について説明す
る。前記植付クラッチケース25から、施肥動力が上向
きに取り出される。その施肥動力が、リングコーン式の
無段変速装置100を経由して繰出伝動ケース101に
伝達される。繰出伝動ケース101には、伝動方向を前
向きに変更する第一ベベルギヤ機構102と、クラッチ
ピン103aで伝動入切操作する施肥クラッチ103
と、前後方向のクラッチ軸103bの回転を左右方向の
繰出駆動軸105に伝動する第二ベベルギヤ機構104
とが設けられている。繰出駆動軸105に伝達された施
肥動力は、施肥畦クラッチ106を介して繰出駆動軸1
05に回転自在に外嵌する筒軸107に伝動され、さら
に一対の繰出伝動ギヤ108を介して筒軸107から繰
出軸75へ伝動される。無段変速装置100を調節操作
して繰出軸105の回転速度を変更することにより、繰
出部61の肥料吐出量が変わる。また、無段変速装置1
00のリングコーンに駆動力が「0」となる位置を設定
しておけば、無段変速装置100を操作するだけで簡単
に施肥を停止させられる。
【0040】左から1・2条目の筒軸107,107は
一体化されていて、共通の施肥畦クラッチ106Lで伝
動入切するようになっている。この施肥畦クラッチ10
6Lを操作する畦クラッチレバー110Lは左から2・
3条目の繰出部間に配置されている。また、左から3・
4条目の筒軸107,107も一体化されていて、共通
の施肥畦クラッチ106Cで伝動入切するようになって
いる。この施肥畦クラッチ106Cを操作する畦クラッ
チレバー110Cも左から2・3条目の繰出部間に配置
されている。一方、左から5・6条目の筒軸107,1
07は互いに独立していて、別々の施肥畦クラッチ10
6R1,106R2でそれぞれ伝動入切するようになっ
ている。両施肥畦クラッチ106R1,106R2は、
左から5・6条目の繰出部間に配置された共通の畦クラ
ッチレバー110Rで操作される。
【0041】図11は左から1・2条目用畦クラッチレ
バーの操作機構を表している。なお、左から3・4条目
用畦クラッチレバーの操作部は図11と左右対称にな
る。施肥畦クラッチ106Lのシフタ111が軸112
回りに回動自在に設けられている。シフタ111のクラ
ッチ操作部と反対側の端部はカム受け部111aになっ
ている。一方、畦クラッチレバー110Lは、回動軸1
13と一体回転するカムプレート114に取り付けられ
ている。カムプレート114の一側面にはシフタ操作用
の凸部114aが形成されており、畦クラッチレバー1
10Lを回動操作すると、カムプレートの凸部114a
がカム受け部111aを押し上げることにより、圧縮ス
プリング115の張力に抗してシフタ111が軸112
回りに回動し、施肥畦クラッチ106Lが切操作され
る。
【0042】図12は左から5・6条目用畦クラッチレ
バーの操作部を表している。施肥畦クラッチ106R
1,106R2(施肥畦クラッチ106R2は図示省
略)のシフタ111,111はそれぞれ軸112,11
2回りに回動自在で、両シフタ111のクラッチ操作部
と反対側の端部同士がロッド116を介して連結されて
いる。5条目のシフタ111と一体回動する入力アーム
117が設けられ、この入力アームの先端部にカム受け
部117aが形成されている。畦クラッチレバー110
Rは、1・2条目と同様に、回動軸113と一体回転す
るカムプレート114に取り付けられている。畦クラッ
チレバー110Rを回動操作すると、カムプレートの凸
部114aがカム受け部117aを押し上げることによ
り、圧縮スプリング115,115の張力に抗してシフ
タ111,111が軸112,112回りに回動し、両
施肥畦クラッチ106R1,106R2が切操作され
る。
【0043】また、各畦クラッチレバー110L,11
0C,110Rには、苗植付装置52及び苗送りベルト
51bの駆動を2条単位で入切するためのワイヤ120
が繋がれている。このワイヤ120は先端側で2本に分
岐し、一方120aの先端部は植付畦クラッチ121の
シフタ121aに繋がれ(図14参照)、他方120b
の先端部は苗送りベルトの従動ローラ軸に繋がれている
(図15参照)。
【0044】なお、植付伝動軸26によって苗植付部4
へ伝動される回転動力は、左右方向の植付駆動軸123
からチェーン124を介して苗植付装置52へ伝動され
る。植付駆動軸123とチェーン124との伝動連結部
に植付畦クラッチ121が設けられている。畦クラッチ
レバー110L,110C,110Rを操作して施肥畦
クラッチ106L,106C,106R1,106R2
を「切」にすると、それに連動して植付畦クラッチ12
1も「切」になり、対応する2条の苗植付装置52が駆
動停止になる。
【0045】また、苗送りベルト51bは、駆動ローラ
125と従動ローラ126とに掛けられている。従動ロ
ーラ126は駆動ローラ125に対して遠近方向に移動
させられるようになっており、従動ローラ126を駆動
ローラ125に近づけることにより、苗送りベルト51
bが弛んで苗送り停止状態になる。畦クラッチレバー1
10L,110C,110Rを操作して施肥畦クラッチ
106L,106C,106R1,106R2が「切」
にすると、それに連動して対応する2条の苗送りベルト
51bが苗送り停止状態になる。
【0046】前記植付クラッチケース25は図13に示
す内部構造になっている。入力軸130から植付クラッ
チ軸131へ、株間変速ギヤ132,…,133,…を
介して回転動力が伝達される。駆動側の株間変速ギヤ1
32,…はそれぞれ独立に入力軸130に回転自在に嵌
合し、シフタキー134を介していずれか一つだけが入
力軸130と一体化されている。一方、従動側の株間変
速ギヤ133,…は互いに一体に形成されており、クラ
ッチピン135aで操作される植付クラッチ135を介
して伝動入切自在に植付クラッチ軸131と連結されて
いる。シフトロッド134aでシフタキー134をスラ
イドさせると、有効な株間変速ギヤ132,133の組
み合わせが変更される。これにより、入力軸130から
から植付クラッチ軸131への伝動比を4段階に調節す
ることができる。
【0047】入植軸130と同軸上に施肥クラッチ軸1
37が設けられている。そして、植付クラッチ軸131
から施肥クラッチ軸137へ一対の偏心ギヤ138,1
39によって伝動される。施肥クラッチ軸137にはク
ラッチピン140aで操作される施肥クラッチ140が
設けられ、この施肥クラッチ140から一対のベベルギ
ヤ141,142を介して施肥出力軸143へ伝動され
る。また、施肥クラッチ軸137の回転動力の一部は、
一対の等速ギヤ145,146を介して植付出力軸14
7へ伝動される。偏心ギヤ138,139及び等速ギヤ
145,146を株間変速ギヤ132,…,133,…
と同列にまとめて配置することにより、植付クラッチケ
ース25をコンパクト化することができる。
【0048】偏心ギヤ138,139は、苗植付具52
aが描く移動軌跡Tの下死点付近で最も速く苗植付具5
2aが作動するように組み合わされている。これによ
り、苗植付具52aが土壌内で引きずられて形成される
植付跡をなるべく小さくするとともに、苗取出口51a
から苗を取り出すときの苗載台51の左右移動速度を遅
くしている。また、株間変速した動力で苗植付部4及び
施肥装置5を駆動するので、株間に適正に施肥を行うこ
とができる。
【0049】以上に説明した施肥装置本体部は、リンク
ベースフレーム42の上端部に固定した施肥フレーム7
0に支持されている。詳しくは、施肥フレーム70の上
に各条の繰出部61,…をスペーサ150を介してボル
ト151で取り付けるとともに、前述のように、施肥フ
レーム70に取り付けた左右2箇所の回動アーム71に
よって肥料ホッパ60を後方に回動自在に支持してい
る。繰出部61は上下に分割可能であるが、場合によっ
てはボルト151を抜いて繰出部61を一体的に取り外
すこともできる。施肥フレーム70の前後にはエアチャ
ンバ68及び肥料回収管85が設けられ、これらがフレ
ームとしての役割をなし、全体強度の向上に貢献してい
る。側面視で肥料回収管85の後方を通る伝動経路で繰
出部61を伝動する構成とすることにより、繰出部6
1,…と肥料回収管85を近接させることが可能にな
り、繰出部の支持強度向上に役立っている。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用施肥田植機の側面図である。
【図2】乗用施肥田植機の平面図である。
【図3】施肥装置の背面図である。
【図4】施肥装置の平面図である。
【図5】施肥装置の一断面の側面断面図である。
【図6】施肥装置の図5とは異なる断面の側面断面図で
ある。
【図7】粉粒体繰出部の側面断面図である。
【図8】図6のS−S断面図である。
【図9】肥料回収レバー及びその関連部材の側面図であ
る。
【図10】繰出伝動ケースの断面図である。
【図11】左から1・2条目用畦クラッチレバーの操作
機構の(a)平面図、及び(b)側面図である。
【図12】左から5・6条目用畦クラッチレバーの操作
機構の(a)正面図、及び(b)側面図である。
【図13】植付クラッチケースの断面図である。
【図14】苗植付部の伝動機構図である。
【図15】苗送りベルトの平面図である。
【図16】異なるホッパ支持部の構造を示す(a)側面
図、及び(b)背面図である。
【符号の説明】
1 施肥田植機(粉粒体吐出機) 2 走行車体 3 昇降リンク装置 4 苗植付部 5 施肥装置 60 肥料ホッパ 61 繰出部 62 施肥ホース 68 エアチャンバ 73A,73B 繰出ロール 78 ケース 78a 固定部分 78b 離脱部分 83 肥料排出口 84 排出シャッタ 85 肥料回収管

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッ
    パ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられた粉粒体吐出
    機において、前記繰出部を前記ホッパに対して移動可能
    に設けたことを特徴とする粉粒体吐出機。
  2. 【請求項2】 前記繰出部を機体に固定された固定部分
    と該固定部分から離脱させることのできる離脱部分とに
    分割し、側面視で前記離脱部分を離脱させる方向に投影
    した区域外まで前記ホッパを移動させられるようにした
    請求項1に記載の粉粒体吐出機。
  3. 【請求項3】 前記ホッパを支持する支持部材を左右方
    向に配列された複数の繰出部の間に設けた請求項1又は
    2に記載の粉粒体吐出機。
  4. 【請求項4】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッ
    パ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられた粉粒体吐出
    機において、前記繰出部を走行車体側に固定された固定
    部分と該固定部分から離脱させられる離脱部分とに分割
    し、前記ホッパ内に残存する粉粒体を回収するための排
    出口を前記繰出部の固定部分に設けたことを特徴とする
    粉粒体吐出機。
  5. 【請求項5】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッ
    パ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられ、かつ、この
    繰出部の前方又は後方に当該繰出部により繰り出された
    粉粒体を散布位置まで搬送するための圧風を供給するエ
    アチャンバを設けた粉粒体吐出機において、前記繰出部
    を走行車体側に固定された固定部分と該固定部分から離
    脱させられる離脱部分とに分割し、その分割面の延長が
    前記エアチャンバの上端よりも下側に位置するととも
    に、側面視で前記離脱部分を離脱させる方向に投影した
    区域外に前記エアチャンバが位置することを特徴とする
    粉粒体吐出機。
  6. 【請求項6】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に外周部
    に凹部が形成された繰出ロールを内蔵する繰出部が設け
    られ、前記繰出ロールが回転することにより前記ホッパ
    内の粉粒体が前記凹部に収容されて下方に繰り出される
    粉粒体吐出機において、前記繰出部を機体に固定された
    固定部分と該固定部分から離脱させられる離脱部分とに
    分割し、前記離脱部分に前記繰出ロールの凹部に収容さ
    れる粉粒体の表面を均すブラシを設けたことを特徴とす
    る粉粒体吐出機。
  7. 【請求項7】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッ
    パ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられた粉粒体吐出
    機において、繰出部全体を取り外すことも、繰出部の一
    部分だけを分割して取り外すこともできるように構成し
    たことを特徴とする粉粒体吐出機。
  8. 【請求項8】 粉粒体を貯蔵するホッパの下方に該ホッ
    パ内の粉粒体を繰り出す繰出部が設けられ、かつ、この
    繰出部の前方又は後方に当該繰出部により繰り出された
    粉粒体を散布位置まで搬送するための圧風を供給するエ
    アチャンバを設けた粉粒体吐出機において、前記繰出部
    を前記エアチャンバの一部と共に着脱することができよ
    うにし、そのエアチャンバの着脱される部分を他の部分
    に対し変形しやすい構造としたことを特徴とする粉粒体
    吐出機。
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