JP2003160613A - シラン変性されたポリビニルアセタール、その製造方法及びその使用 - Google Patents
シラン変性されたポリビニルアセタール、その製造方法及びその使用Info
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Abstract
体上に非常に良好な付着を示すので、接着促進剤の添加
を完全に省くことができるポリビニルアセタールを提供
する。 【解決手段】 ポリビニルアセタールを、ポリビニルア
ルコールからアルデヒド(ヘミアセタール又は完全アセ
タールとしても存在してよい少なくとも1種のアルデヒ
ド)によるポリマー類似反応によって製造する。
Description
リビニルアセタール、その製造方法並びにその使用に関
する。
アルデヒドとのポリマー類似反応によって得られるポリ
ビニルアセタールの製造は既に1924年から公知であ
り、その際、後に多数のアルデヒドが相応のポリビニル
アセタールの製造のために使用されている。ポリビニル
アセタールは3段階法(ポリビニルアセテート→ポリビ
ニルアルコール→ポリビニルアセタール)で製造され、
その際ビニルアセタール基の他にビニルアルコール単位
及びビニルアセテート単位を更に有する生成物が得られ
る。とりわけポリビニルホルマール、ポリビニルアセト
アセタール及びポリビニルブチラール(PVB)は商業
的に重要とされている。以下では変性されたポリビニル
アセタールとは前記の3種の単位ビニルアセテート、ビ
ニルアルコール及びビニルアセタールの他になおも他の
モノマー単位を有するポリビニルアセタールを意味す
る。
応用範囲は自動車構造及び建築物における安全ガラスの
製造であり、その際、軟化されたポリビニルブチラール
シートを中間層としてガラス板中で使用する。この使用
目的のために、改善された遮断性及び塑性に優れたEP
−A−368832号に記載されるスルホネート官能
性、カルボキシレート官能性及びホスフェート官能性の
アセタール単位で変性されたポリビニルブチラールとの
混合物が提案されている。EP−A−634447号か
ら、ポリマー主鎖中にスルホネート基含有のモノマー単
位を有し、かつスルホネート官能性のポリビニルアルコ
ールのアセタール化によって得られる変性されたポリビ
ニルブチラールが公知である。
ルに関してはEP−A−461399号から公知であ
る。これらは沈殿剤として使用される。ポリビニルブチ
ラールに関する他の使用分野は腐蝕保護する被覆におけ
る使用であり、これは例えばEP−A−1055686
号から引用され、そこでは第3級アルカノールアミンで
変性されたポリビニルアセタールが使用される。
てポリビニルブチラールは塗料及び、特に印刷インキに
おけるバインダーとしても使用される。この使用におい
て、ポリビニルブチラールの有機溶剤は、できるだけ高
いバインダー割合の場合に高い固体含量でインキを製造
しうるためには、できるだけ低い溶液粘度を有するべき
ことが要求される。このための例は、DE−A−196
41064号からの低い溶液粘度を有する変性されたポ
リビニルブチラールであり、これらはビニルアルコール
単位及び1−アルキルビニルアルコール単位とのコポリ
マーのアセタール化によって得られる。
セタールが有する欠点は特定の基体への不十分な付着で
ある。それに基づいて、接着促進剤の添加が多くの場合
に必ず必要とされる。EP−B−0346768号にお
いて、結合を他のポリマー、特にポリビニルブチラール
で改善するためにフィルム又はシートをアミノ官能性シ
ラン、例えばN−(2−アミノエチル)−3−アミノプ
ロピルトリメトキシシランで被覆することが記載されて
いる。ポリエチレンシート及びポリエステルシートの場
合の結合の改善のために、ポリエステルシート及びポリ
エチレンシートをビニルトリメトキシシラン又はクロロ
プロピルトリメトキシシランのいずれかで被覆し、これ
はエチレン/ビニルアセテート−コポリマーベースのホ
ットメルト接着剤での効果的な積層をもたらす(E. Ple
uddemann, "Bonding through Coupling Agents", Plenu
m Press, New York, 1985)。更にN−2−アミノエチ
ル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを、イオン
性樹脂(エチレン/メタクリル酸ベースのポリマーの
塩)のガラス又はポリカーボネートシート上での付着を
改善するために(US−A−4663228号)プライ
マー被覆として使用する。EP−B−0636471号
においては、複合ガラスの製造方法の特許の保護を請求
しており、その際、ガラス及び樹脂フィルム(とりわけ
ポリビニルブチラール)の間の付着の改善を2種以上の
シランの混合物で達成している。一方でシランはガラス
及び樹脂フィルムの間の結合力の強化をもたらし、他方
ではシラン付着剤はガラス及び樹脂フィルムの間の結合
を保証するためには不適である。
ルと臨界の基体との間の付着を公知の接着促進剤によっ
て改善するための方法は顕著な欠点を有する。従って、
例えば付着促進作用はしばしば十分に長く留まらない
か、又は結合が時と共に弱くなる。他の欠点はアミノシ
ランの黄変、その不快な臭い及びその皮膚刺激作用であ
る;これらはアミノ官能性化合物の使用における公知の
問題である。別の問題は接着促進剤の添加自体である。
これは常に配合において付加的な時間を費やす工程を意
味する。更に適当な接着促進剤の選択及び添加は多くの
ノウハウを必要とする。それというのも、例えば有機溶
剤中のポリビニルアセタールに接着促進剤を添加する際
に相分離に至ることがある非相容性及び非均質性が生じ
るからである。その上、接着促進剤として後に添加され
る反応性シランの二次反応は排除できない(加水分解反
応、縮合反応)。他の欠点は、臨界の基体へのポリビニ
ルアセタールの極めて良好な付着を達成するために大概
は添加せねばならない大量の接着促進剤であり、この方
法はシランの高値に基づいて非常に高価なことがある。
4種の日本国公開公報から公知である。JP−A−06
−247760号及びJP−A−06−248247号
から、シラン官能性のモノマー単位で変性されたポリビ
ニルアセタールが公知であり、これらはセメント配合物
又は無機繊維材料のためのバインダーとして使用され
る。これらのSi−変性されたポリビニルアセタールは
ビニルアセテートとビニルアルコキシシランとの共重
合、引き続いてのビニルエステル−ビニルシラン−コポ
リマーの鹸化及び最終的なアルデヒドによるアセタール
化によって得られる。JP−A−10−237259号
はインクジェットプリンターによる印刷のための材料の
被覆のための変性されていないポリビニルアセタールと
のシラン変性されたポリビニルアセタールからなる混合
物に関し、その際、ビニルエステル−ビニルシラン−混
合重合体をまず鹸化し、かつ引き続き変性されていない
ポリビニルアルコールと混合し、アルデヒドでアセター
ル化する。該文献から引用される方法における欠点は、
常に純粋なポリビニルアセタール鎖がシラノール基で変
性されたポリビニルアセタール鎖の他に同時に存在する
不均一な重合体が得られることである。これは、非相容
性に導く。更にシラン変性されたポリビニルアセタール
鎖におけるシラノール基の濃縮は強められて(不所望
な)縮合をもたらし、かつ更にゲル体の形成をもたら
す。これらのゲル体は強アルカリ系、例えばセメントコ
ンパウンドにおいてのみ部分的に溶解されうる。中性の
有機溶剤においては、これに反して不均一性及びゲル体
が存在したままであり、これはこの場合顕著な相分離に
おいて不利に現れる。
後にトリエトキシイソシアナトプロピルシランで変性さ
れたポリビニルブチラールが公知である。アルコキシシ
ラン基はこの場合、ウレタン結合(シランのイソシアネ
ート基及びポリビニルブチラールにおけるヒドロキシル
基の反応による)を介してポリマー類似反応によってポ
リマー骨格に結合される。これは、かかる反応がヒドロ
キシル基含有の溶剤、例えば水及びアルコールにおいて
不可能であるという欠点をもたらす。それというのもイ
ソシアネート基はこの場合、二酸化炭素分解下に相応の
(未反応の)アミノシランに定量的に加水分解されるか
らである。
は、単独で既に種々の基体、特に公知の臨界の基体上に
非常に良好な付着を示すので、接着促進剤の添加を完全
に省くことができるポリビニルアセタールを提供するこ
とである。
アルコールからアルデヒド(ヘミアセタール(Halbacet
al)又は完全アセタール(Vollacetal)としても存在し
てよい少なくとも1種のアルデヒド)でのポリマー類似
反応によって明らかに改善された臨界の基体への付着を
有し、更に接着促進剤を省くことができるポリビニルア
セタールが見いだされた。更にまたガラス又は金属への
付着は強力に改善される。付着改善作用はこの場合、変
性されたポリビニルアセタールの場合には非常に低いア
ルコキシシラン基もしくはアルコキシシロキサン基及び
/又はシラノール基の含量においても現れる。
れた≧50モル%のビニルアルコール単位を有するビニ
ルエステル重合体の1種以上のアルデヒド、場合により
少なくとも1種のアルデヒドが加水分解可能なシラン基
を有するそのヘミアセタール又は完全アセタールの形の
アルデヒドによるアセタール化によって得られるシラン
変性ポリビニルアセタールである。
エステル重合体は50〜100モル%のビニルエステル
単位を含有する重合体から導かれる。適当なビニルエス
テルは1〜15個のC原子を有する非分枝鎖状又は分枝
鎖状のカルボン酸のビニルエステルである。有利なビニ
ルエステルはビニルアセテート、ビニルプロピオネー
ト、ビニルブチレート、ビニル−2−エチルヘキサノエ
ート、ビニルラウレート、1−メチルビニルアセテー
ト、ビニルピバレート及び5〜11個のC原子を有する
α−分枝したモノカルボン酸のビニルエステル、例えば
VeoVa9R又はVeoVa10R(シェル社の販売
名)である。ビニルアセテートが特に有利である。
〜15個のC原子を有するアルコールのメタクリル酸エ
ステル及びアクリル酸エステル、オレフィン、ジエン、
ビニル芳香族化合物及びビニルハロゲン化物を含む群か
らの1種以上のモノマーが更に共重合されていてよい。
アクリル酸又はメタクリル酸のエステルの群からの適当
なモノマーは1〜15個のC原子を有する非分枝鎖状又
は分枝鎖状のアルコールのエステルである。有利なメタ
クリル酸エステル又はアクリル酸エステルは、メタクリ
ルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリ
レート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレー
ト、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、イソブチルアクリレート及びt−ブチルアクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート及びt−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシ
ルアクリレート、ノルボルニルアクリレートである。メ
チルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチル
アクリレート、イソブチルアクリレート及びt−ブチル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びノ
ルボルニルアクリレートが特に有利である。適当なジエ
ンは、1,3−ブタジエン及びイソプレンである。重合
可能なオレフィンのための例はエテン及びプロペンであ
る。ビニル芳香族化合物としては、スチレン及びビニル
トルエンを重合導入してよい。ビニルハロゲン化物の群
からは、通常は塩化ビニル、塩化ビニリデン又はフッ化
ビニル、有利には塩化ビニルが使用される。これらのコ
モノマーの割合は、ビニルエステル重合体中のビニルエ
ステルモノマーの割合が≧50モル%であるように見積
もられる。
ビニルエステル重合体の全質量に対して有利には0.0
2〜20質量%の割合で含んでいてよい。このための例
は、エチレン性不飽和のモノカルボン酸及びジカルボン
酸、有利にはアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及び
マレイン酸;エチレン性不飽和カルボン酸アミド及びカ
ルボン酸ニトリル、有利にはN−ビニルホルムアミド、
アクリルアミド及びアクリルニトリル;フマル酸及びマ
レイン酸のモノエステル及びジエステル、例えばジエチ
ルエステル及びジイソプロピルエステル並びにマレイン
酸無水物、エチレン性不飽和スルホン酸もしくはその
塩、有利にはビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸である。更なる例は、前
架橋されたコモノマー、例えば多エチレン性不飽和のコ
モノマー、例えばジビニルアジペート、ジアリルマレエ
ート、アリルメタクリレート、ブタンジオールジアクリ
レート又はトリアリルシアヌレート、又は後架橋される
コモノマー、例えばアクリルアミドグリコール酸(AG
A)、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステ
ル(MAGME)、N−メチロールアクリルアミド(N
MA)、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロ
ールアリルカルバメート、アルキルエーテル、例えばイ
ソブトキシエーテル又はN−メチロールアクリルアミド
の、N−メチロールメタクリルアミドの及びN−メチロ
ールアリルカルバメートのエステルである。
ており、又は公知のように重合を用いて;有利には塊状
重合、懸濁重合又は有機溶剤、特に有利にはアルコール
溶液中での重合によって製造できる。適当な溶剤及び調
整剤は、例えばメタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノールである。重合は還流下に55℃〜
100℃の温度において実施し、かつ通常の開始剤の添
加によってラジカル的に開始される。通常の開始剤のた
めの例は、ペルカーボネート、例えばシクロヘキシルペ
ルオキシ−ジカーボネート又はペルエステル、例えばt
−ブチルペルネオデカノエート又はt−ブチルペルピバ
レートである。分子量の調整は公知のように調整剤の添
加によって、溶剤含有量によって、開始剤濃度の変更に
よって、かつ温度の変更によって行われる。重合の完了
後に、溶剤並びに過剰のモノマー及び調整剤を留去す
る。
に、例えばベルト法(Bandverfahren)又はニーダー法
(Kneterverfahren)に従って酸又は塩基の添加下にア
ルカリ性又は酸性において行われる。有利にはビニルエ
ステル固体樹脂をアルコール、例えばメタノール中に1
5〜70質量%の固体含量に調節して取る。有利には加
水分解は、例えばNaOH、KOH又はNaOCH3の
添加によって塩基性で行われる。塩基は一般にエステル
単位のモル数あたり1〜5モル%の量で使用される。加
水分解は30℃〜70℃の温度で実施する。加水分解の
完了後に溶剤を留去し、かつポリビニルアルコールを粉
末として得る。しかしながらポリビニルアルコールは水
溶液として水の連続的添加によって、他方で溶剤を留去
して得ることができる。
して、ここでは加水分解度≧96モル%の重合体が示さ
れる。部分的に鹸化されたポリビニルエステルとして
は、加水分解度≧50モル%及び<96モル%を有する
ポリビニルエステルを意味する。部分的又は完全に鹸化
されたビニルエステル重合体は、有利には50モル%〜
99.9モル%、特に有利には70モル%〜99.9モ
ル%、最も有利には90モル%〜99.9モル%の加水
分解度を有する。ポリビニルアルコールの粘度(DIN
53015、ヘップラー(Hoeppler)による方法;水中
4%の溶液)は1〜30mPas、有利には1〜6mP
asであり、かつ部分的又は完全に鹸化されたシラン化
されたビニルエステル重合体の分子量及び重合度のため
の尺度として役に立つ。使用されるポリビニルアルコー
ルの重合度は少なくとも130である。
水素化物、ヘミアセタール又は完全アセタール)は以下
の構造式I及びII: I) (R2)3Si−[OSi(R2)2]Y−(C
H2)X−CH(OR1)2、完全アセタール、ヘミア
セタール又はアルデヒド−水素化物、 II) (R2)3Si−[OSi(R2)2]Y−
(CH2)X−CH=O、遊離アルデヒド [式中、それぞれのR1は同一又は異なり、かつH原
子、及び非分枝鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和
の、置換されていてよい1〜12個のC原子を有するア
ルキル基を表し、これらは場合によりN、O、Sの型の
ヘテロ原子によって中断されていてよい。R2は同一又
は異なり、かつハロゲン(有利にはCl又はBr)、非
分枝鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は不飽和の、置換され
ていてよい1〜12個のC原子を有する、1〜3個のC
原子を有するアルキル基又はアルコキシ基及び2〜12
個のC原子を有するアシル基を表し、その際、R2は場
合により更にN、O、Sの型のヘテロ原子によって中断
されていてよい。少なくとも1つの基R2は加水分解さ
れて、1つの遊離シラノール基Si−OHを形成するこ
とがある。Xは2〜40の数を表す。Yは0〜100、
有利には0〜10の数を表す]によって示すことができ
る。
のアルデヒド又はそのヘミアセタールもしくは完全アセ
タールは3,3−ジエトキシプロピルトリエトキシシラ
ン、3,3−ジメトキシプロピルトリエトキシシラン、
3,3−ジエトキシプロピルトリメトキシシラン、3,
3−ジメトキシプロピルトリメトキシシラン、3,3−
ジエトキシプロピルメチルジエトキシシラン、3,3−
ジエトキシプロピルジメチルエトキシシラン、3,3−
ジメトキシプロピルトリプロポキシシラン、3,3−ジ
メトキシプロピルトリイソプロポキシシラン、3,3−
ジプロポキシプロピルトリエトキシシラン、3,3−ジ
エトキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,3−ジ
エトキシプロピルジメチルメトキシシラン、3,3−ジ
メトキシプロピルメチルジメトキシシラン、3,3−ジ
メトキシプロピルジメチルメトキシシラン、3,3−ジ
メトキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(トリ
メトキシシリル)−プロピオンアルデヒド、3−(トリ
エトキシシリル)−プロピオンアルデヒド又は4−(ト
リメトキシシリル)ブチルアルデヒドである。
デヒド又はそのヘミアセタールもしくは完全アセタール
は単独で又は別のアルデヒドとの混合物で使用して、ア
ルコキシシラン基もしくはアルコキシシロキサン基及び
/又は遊離シラノール基を有する変性されたポリビニル
アセタールを得ることができる。適当なシラン不含のア
ルデヒドは、1〜15個のC原子を有する脂肪族及び芳
香族のアルデヒド並びにそのヘミアセタール及び完全ア
セタールを含む群からのアルデヒドである。ホルムアル
デヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド及び
ベンズアルデヒドが有利である。ブチルアルデヒド及び
ブチルアルデヒド及びアセトアルデヒドからなる混合物
が特に有利である。
シラン変性されたポリビニルアセタールの全質量に対し
て0.002〜10質量%、有利には0.005〜5質
量%、特に有利には0.01〜3質量%、最も有利には
0.02〜1質量%のケイ素含量を有する。0.1質量
%〜10質量%のケイ素含量を有するシラン変性された
ポリビニルアセタールは遊離シラノール基又は加水分解
可能なアルコキシシラン基もしくはアルコキシシロキサ
ン基の高い含量に基づいてシラノール基、アルコキシシ
ラン基又はアルコキシシロキサン基のために慣用の架橋
触媒で架橋できる。
アセタール化度は1〜80モル%、有利には1〜20モ
ル%、45〜80モル%の範囲にある。変性されたポリ
ビニルアセタールの粘度(DIN53015;ヘップラ
ーによる方法、エタノール中10%溶液)は4mPas
〜1200mPas、有利には4mPasから80mP
asである。但し本発明によるポリビニルアセタールの
10%エタノール溶液はシラノール基の架橋によって
(シラン含量に応じて多かれ少なかれ顕著な)ゲル状態
(1200mPasより明らかに高い粘度)に変化する
ことがある。
水性懸濁液は、アニオン性、両性イオン性、カチオン性
及び非イオン性の乳化剤並びに保護コロイドによって安
定化できる。有利には両性イオン性又はアニオン性の乳
化剤が、場合により混合物でも使用される。非イオン性
乳化剤としては、有利にはエチレンオキシド又はプロピ
レンオキシドの、8〜18個の炭素原子を有する直鎖状
又は分枝鎖状のアルコール、アルキルフェノール又は8
〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のカル
ボン酸との縮合生成物並びにエチレンオキシド及びプロ
ピレンオキシドのブロックコポリマーが使用される。適
当なアニオン性乳化剤は、例えばアルキルスルフェー
ト、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルフェ
ート、並びにエチレンオキシドと直鎖状又は分枝鎖状の
アルキルアルコール、アルキルフェノール、及びスルホ
コハク酸のモノエステル又はジエステルとの2〜25の
EO単位を有する縮合生成物のスルフェート又はホスフ
ェートである。適当な両性イオン性の乳化剤は、例えば
アルキルジメチルアミンオキシドであり、その際、アル
キル鎖は6〜16個のC原子を有する。カチオン性乳化
剤としては、例えばテトラアルキルアンモニウムハロゲ
ン化物、例えばC6〜C16−アルキルトリメチルアン
モニウムブロミドを使用してよい。同様により長い炭化
水素基(≧5個のC原子)及び2つのより短い炭化水素
基(<5個のC原子)を有するトリアルキルアミンを使
用してよく、これらは強酸性条件下に進むアセタール化
の進行中にプロトン化された形で存在し、かつ乳化剤と
して作用しうる。乳化剤量は母液中の変性されたポリビ
ニルアセタールの全質量に対して0.01〜20質量%
である。0.01〜2質量%の乳化剤が有利であり、シ
ラン変性されたポリビニルアセタールに対して0.01
〜1質量%の量の乳化剤が特に有利である。
に鹸化されたポリビニルエステルを、有利には水性媒体
中に取る。通常は、水溶液の固体含量は5〜30%に調
整される。アセタール化は、酸性触媒、例えば塩酸、硫
酸、硝酸又はリン酸の存在下に行われる。有利には20
%の塩酸の添加によって、溶液のpH値は<1の値に調
整される。
〜+30℃に冷却する。この場合:使用される変性され
たポリビニルアルコールの分子量が低下すればするほ
ど、沈殿温度はより低く選択される。アセタール化反応
は、少なくとも1種のシラン含有アルデヒド又はそのヘ
ミアセタール又は完全アセタールを使用するアルデヒド
の添加によって開始する。添加量は望まれるアセタール
化度に応じて調節される。アセタール化はほぼ完全な変
換で進行するので、添加量は簡単な化学量論的な計算に
よって規定できる。シラン含有アルデヒド及びシラン不
含のアルデヒドからなる混合物で作業する場合には、そ
の比は変性されたポリビニルアセタール中で達成される
べきケイ素含量、望まれるアセタール化度及びアルデヒ
ドの分子量、特にシラン含有アルデヒドの分子量から得
られる。アセタール化はアルデヒドの添加の完了後にバ
ッチの20℃〜60℃までの加熱及び複数の時間の、有
利には1〜6時間の撹拌によって完全にし、かつ粉末状
の反応生成物を濾過及び後続の洗浄工程によって単離す
る。安定化のために、更にアルカリを添加してよい。沈
殿及び後処理の間に、乳化剤で処理して、シラン含有ポ
リビニルアセタールの水性懸濁液を安定化することがで
きる。
ルアルコールの水溶液に1種以上のシラン含有のアルデ
ヒドもしくはそのヘミアセタール又は完全アセタール
を、有利には沈殿温度より高い温度で添加する。僅かな
触媒、例えば塩酸を使用して、pH値を2〜5、有利に
はpH値を4〜5に調整するので、シラン含有のアルデ
ヒドはポリビニルアルコールと前反応することがあり、
引き続き場合により1種以上のシラン不含のアルデヒド
の添加により沈殿温度を調整する。変性されたポリビニ
ルアセタールの沈殿を、引き続き残りの触媒の添加によ
って行う。引き続き前記の後処理法を行う。
リビニルアセタールに対して明らかに良好な臨界の基体
への付着を示すので、接着促進剤の添加を省くことがで
きる変性されたポリビニルアセタールが得られる。
工業においては種々のポリマーの可撓性のシート上にで
きるだけ良好な付着を有し、それによって適用後に基体
と非常に強固に結合し、かつ印刷された基体から引き離
すのが非常に困難な印刷インキを提供できるバインダー
が要求されている。シラン変性されたポリビニルアセタ
ール、特にポリビニルブチラール又は混合されたポリビ
ニルアセタールの優れた付着に基づいて、これらは特に
印刷インキ組成物における使用のために適当である。
あり、かつ一般に5〜20質量%の顔料、例えばジスア
ゾ顔料又はフタロシアニン顔料の割合、5〜15質量%
のポリビニルアセタールバインダー及び溶剤、例えばア
ルコール、例えばエタノール又はエチルアセテートのよ
うなエステルを含有する。場合により更なる添加剤、例
えば抑制剤、可塑剤及び別の添加剤、例えば充填剤又は
蝋を含有していてよい。付着補助剤はもはや全く必要で
はない。
ガラス又はガラスシート(Scheibenfolie)のために
も、シラン変性されたポリビニルアセタールは非常に良
好に適当である。それというのも再び改善されたガラス
への付着の他により高い引裂強度を達成できる。前記の
使用における他のポリマーシート、例えばPETシート
の使用も同様に推奨される。それというのもシラン変性
されたポリビニルアセタール及びそれから製造されるシ
ートはガラス表面の他に前記の別のポリマーシートの表
面にも非常に良好に付着するので、接着促進剤の添加は
不必要である。その他に、また所望の表面粗さはシラン
含有量の選択肢及び、場合によりシラン基の架橋によっ
て調整できる。
基又はスルホネート基を有してよい水溶性の部分的にア
セタール化されたシラン含有のポリビニルアセタール
は、保護コロイドとして、例えば水性分散液のため及び
水性媒体中での重合において、かつ水に再分散可能な分
散粉末の製造において用いられる。1〜20モル%、特
に3〜16モル%のアセタール化度を有するシラン含有
の及び水溶液の(標準状態下に水中に10g/lより高
い溶解度)ポリビニルアセタールが有利である。シラン
変性されたポリビニルアセタールで安定化されたポリマ
ー分散液をベースとする塗料分散液の場合には、それに
よって湿性摩耗耐性を商慣習上の保護コロイドを有する
ポリマー分散液に対して明らかに改善できる。それとい
うのもシラン変性されたポリビニルアセタールによって
顔料の結合もカーボネート豊富な配合かシリケート豊富
な配合のいずれかで改善できるからである。
更に水系の塗料においても使用できる。より高いシラン
含量はシラン変性されたポリビニルアセタールにおい
て、例えばこれらが水分又は触媒の添加によって架橋し
うるように導く。それによって、他の使用分野、例えば
粉末塗料の分野が生じる。シラン変性されたポリビニル
アセタールの更なる使用分野は腐蝕保護剤におけるバイ
ンダーとしての使用であり、その際、より良好な付着が
利点として挙げられる。更に、変性されたポリビニルア
セタールはセラミック工業におけるバインダーとして
も、特にセラミック成形体のためのバインダーとして適
当である。またセラミック粉末及び金属粉末のための射
出成形(粉末射出成形)におけるバインダーとして、か
つ缶(Dose)の内部被覆のためのバインダーとしての使
用も挙げられる。全ての場合において、シラン変性され
たポリビニルアセタールは従来の技術において公知のポ
リビニルアセタールよりもはるかに良好な付着を示す。
明するが、これは本発明を制限するものではない。
3mlの蒸留水、1114mlの20%のHCl及び1
190mlの19.7%の、タイプ03/20、粘度
3.68mPas(DIN53015;ヘップラーによ
る方法;4%水溶液)のポリビニルアルコールの水溶液
を装入した。装入物を撹拌しながら1時間以内で−2℃
に冷却し、かつ引き続き5分の時間内で180mlのブ
チルアルデヒド及び10.6ml(10.0g)の3,
3−ジエトキシプロピルトリエトキシシランの混合物を
−4℃に前冷却して添加した。反応器内部温度はその
際、−0.7℃にまで上昇した。非常に短時間で、更に
−2℃に冷却した。ブチルアルデヒド及びシラン含有の
アルデヒドのジエチルアセタールの添加の3分後にまず
澄明なバッチが乳白色に混濁し、かつ既に5分後に生成
物が沈殿した。−2℃での40分間の反応時間後に、こ
の温度を更に2時間保持した。更に、生成物を吸引分離
し、濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。引き
続き少なくとも98%の固体含量にまで、まず22℃
で、次いで35℃で真空中において乾燥を実施した。
有する変性されたポリビニルアセタールが得られた。ビ
ニルアセテート含量は1.5質量%であった。粘度(D
IN53015;ヘップラーによる方法;10%のエタ
ノール溶液)は59.5mPasであった。Si含量:
0.23質量%。
700mlの蒸留水及び1178mlの19.9%の、
タイプ03/20、粘度3.68mPas(DIN53
015:ヘップラーによる方法;4%の水溶液)のポリ
ビニルアルコールの水溶液を装入した。装入物を撹拌し
ながら1時間以内で5℃に冷却した。引き続き10分の
時間内に5.3ml(5.0g)の3,3−ジエトキシ
プロピルトリエトキシシランを添加した。約10mlの
20%の塩酸を使用してpH値を4.5に調整し、かつ
20分間撹拌した。次いで185ml(149.6g)
のブチルアルデヒドを5分以内で添加した。変性された
ポリビニルアセタールの沈殿を、45分の時間で供給さ
れる1104mlの20%塩酸の添加によって−2℃で
行った。−2℃での40分間の反応時間後に、温度を
3.5時間の時間にわたって25℃に高め、かつこの温
度を更に2時間保持した。更に、該生成物を吸引分離
し、かつ濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。
引き続き少なくとも98%の固体含量にまで、まず22
℃で、次いで35℃で真空中において乾燥を実施した。
有する変性されたポリビニルブチラールが得られた。ビ
ニルアセテート含量は2質量%未満であった。粘度(D
IN53015:ヘップラーによる方法;10%のエタ
ノール溶液)は36.7mPasであった。Si含量は
0.11質量%に算出された。
83mlの蒸留水、1114mlの20%のHCl及び
1190mlの19.7%の完全に鹸化されたポリビニ
ルアルコール(粘度3.68mPas(DIN5301
5:ヘップラーによる方法;4%の水溶液))の水溶液
を装入した。装入物を撹拌しながら−2℃に1時間以内
で冷却した。5分間の時間以内で、2.5gの3,3−
ジエトキシプロピルトリエトキシシラン及び188ml
(151.6g)のブチルアルデヒドからなる混合物を
−4℃に前冷却して添加した。反応器内部温度はその
際、−0.7℃に上昇した。混合物の添加の3分後に、
その時まで澄明なバッチの混濁が確認でき、かつ既に5
分後に生成物が沈殿した。−2℃での40分間の反応時
間後に、3.5時間の時間にわたり25℃に高め、かつ
この温度を更に2時間保持した。更に該生成物を吸引分
離し、かつ濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄し
た。引き続き少なくとも98%の固体含量にまで、まず
22℃において、次いで35℃において真空中で乾燥を
実施した。
1.5質量%のビニルアセテート単位及び80.7質量
%のビニルブチラール単位を有する変性されたポリビニ
ルブチラールが得られた。粘度(DIN53015:ヘ
ップラーによる方法;10%のエタノール溶液)は2
5.1mPasであった。Si含量は0.05質量%に
算出された。
98mlの蒸留水及び1332mlの20.4%の、7
7.2mgKOH/gの鹸化数及び1.87mPas
(DIN53015:ヘップラーによる方法;4%水溶
液)の粘度を有するポリビニルアルコールの水溶液を装
入した。装入物を撹拌しながら10℃で1時間以内で冷
却した。引き続き、10分間の時間以内で21mlの
3,3−ジメトキシプロピルトリイソプロポキシシラン
を添加した。約5mlの20%塩酸を使用して、pH値
を5に調整し、かつ20分間撹拌した。次いで74ml
のアセトアルデヒド及び97mlのブチルアルデヒド
を、−4℃に前冷却して、5分以内に添加した。変性さ
れたポリビニルアセタールの沈殿を、50分の時間で供
給される820mlの20%塩酸の添加によって5℃で
行った。5℃での40分間の反応時間後に温度を3.5
時間の時間にわたり25℃に高め、かつこの温度を更に
2時間保持した。更に該生成物を吸引分離し、かつ濾液
が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。引き続き少な
くとも98%の固体含量にまで、まず22℃で、次いで
35℃で真空中において乾燥を実施した。
有する変性されたポリビニルアセタールが得られた。ビ
ニルアセテート含量は6.5質量%であった。粘度(D
IN53015:ヘップラーによる方法;10%のエタ
ノール溶液)は51.9mPasであった。Si含量は
0.41質量%に算出された。
0mlのアセトアルデヒド及び128mlのブチルアル
デヒドでアセタール化を実施した。この場合、例4で使
用されるポリビニルアルコールに酸及び水を装入した。
沈殿を5℃で、両者のアルデヒドを5分以内に添加する
ことによって実施した。
有するポリビニルブチラールが得られた。粘度(DIN
53015:ヘップラーによる方法;10%のエタノー
ル溶液)は16.8mPasであった。
0mlのブチルアルデヒドでアセタール化を実施した。
1.5質量%のビニルアセテート単位を有するポリビニ
ルブチラールが得られた。粘度(DIN53015:ヘ
ップラーによる方法;10%のエタノール溶液)は2
6.4mPasであった。
液粘度):90.00±0.01gのエタノール及び1
0.00±0.01gのポリビニルアセタールをすり合
わせ栓を有する250mlのエルレンマイヤーフラスコ
中に計量供給し、かつ50℃で振盪器中で完全に溶解さ
せた。引き続き20℃に冷却し、かつ動的粘度(DIN
53015:ヘップラーによる方法)を20℃で適当な
ボール、例えばボール3を用いて測定した。
を、ピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンの存在下
に無水酢酸でヒドロキシル基をアセチル化することによ
って測定した。
ルアセタールを24mlのピリジン及び0.04gの4
−ジメチルアミノピリジン中に50℃で2時間以内に溶
解させた。25℃に冷却された溶液を10mlのピリジ
ン及び無水酢酸(87/13の容量部)からなる混合物
と混合し、かつ1時間激しく混合した。更に30mlの
ピリジン/水(5/1の容量部)からなる混合物を添加
し、かつ更に1時間振盪した。引き続き0.5NのKO
Hを用いてpH7に定量した。
000]×(空試験値)(ml)−試料(ml))。M
wに関してはポリマーの反復単位あたりの平均分子量で
ある。
定:出発材料として使用される部分的又は完全に鹸化さ
れたシラン化された固体樹脂の粘度の測定をポリビニル
アセタールの動的粘度の測定と同様に実施した;4%の
水溶液だけを使用した。
ニルアセタール)によって、(場合により事前にイソプ
ロパノールで浄化した)シート(場合により事前にコロ
ナ処理した)上に気泡のないフィルムを延展し、かつ乾
燥させた。ポリビニルアセタールをこのためにエタノー
ル中に溶解させ、その際、濃度をそれぞれ溶液の粘度に
応じて調整した。試験のためにバイエルスドルフ(Beie
rsdorf)社の幅15mmを有するテサフィルム4150
(Tesafilm)を使用した。付着強度を試験するために、
乾燥され、かつ少なくとも16時間室温で貯蔵されたシ
ートに13cmの長さのテープを貼り付けた。爪で上か
ら一様に強くさすることによって、その際、テサフィル
ムの片方の端部を固定して引き離しのための折り返しを
維持し、接触圧を固定した。試験されるべきシートはそ
の際、硬い台の上にあるべきである。テサフィルムを4
5゜の角度の折り返しで急激に引き離す。試験された部
位を更に、フィルムが印刷素材から離れ、かつテサフィ
ルムに付着するかどうか、並びに幾つのフィルムが印刷
素材から離れ、かつテサフィルムに付着するかを調査し
た。試験を同一条件下に異なる部位で行った。評点は1
〜4の評価段階で行い、その際、1は最良、4は最悪の
評価である。
estigkeit)の機器測定によって塗料又は印刷インキの
下塗り上への付着を数値で表現できた。この調査のため
に、各シート型をそれ自体に張り合わせた。これらのシ
ートを塗料の適用前に予めコロナ処理するのであれば、
積層シートにも同じ前処理を施した。積層の製造のため
に、5kgの質量を有する張り合わせローラーを用い
て、接着剤としてヘンケル(Henkel)社の2K−PUR
系(Liofol UK 3640/Haerter UK 6800)を使用した。こ
の系はPE、PP、PET、PA及びh−PVCからな
る複合シートの製造のために適当である。使用できる接
着剤を製造するために、第1成分の接着剤を35%に希
釈し、かつ引き続き50:1の比で硬化剤と混合した。
この接着剤をシート上に適用し、室温で30秒間乾燥さ
せ、かつもう一方のシートの塗料で被覆された側(例え
ばTesa試験における被覆)に対して、複合体上を押
圧せずに6回ロールを進めて張り合わせた。接着剤を6
0℃の温度で24時間硬化させた。複合体を15mmの
幅のストリップに切断し、付着強度をインストロン(In
stron)社の引っ張り試験装置において測定した。測定
値が高いほど、複合付着は良好である。非常に良好な複
合付着において、シート亀裂までもが生じた。この場
合、定量的な値は示されない。
sa試験及び複合付着の測定を以下の商慣習上のシート
で実施した: DuPont PET Melinex 800; 400Wでの事前のコロナ処
理 DuPont PET Melinex 813; 未処理 OPP Mobil MB 400; 未処理;(ポリプロピレンシート) OPP Mobil MB 400; 600Wでの事前のコロナ処理(ポ
リプロピレンシート) 例もしくは比較例からの生成物の付着の測定結果(第1
表):
ールに関してはTesa試験において全ての試験される
シートによって付着の明らかな改善が得られる。これを
例1〜3と比較例6との比較並びに例4と比較例5との
比較が証明している。この場合、シラン含有ポリビニル
アセタールの場合のTesa試験におけるより良好な付
着は既に比較的低いケイ素含量(もしくはアルコキシシ
ラン基及び/又は遊離シラノール基)でさえも生じ、こ
れは例3に具体的に示されている。
場合にはTesa試験は説得力のあるものではない。そ
れというのも比較型(標準製品)も既に最初から非常に
良好な付着を示すからである。
なる。これを第2表に示す。
裂 本発明によるシラン含有のポリビニルアセタールに関し
ては複合付着は極めて高められた。例1〜3と比較例6
との比較は、ポリエステルシート(DuPont PETMelinex
800 及び813)及び時としてポリプロピレンシート(事
前にコロナ処理されたOPP Mobil MB 400)における複合
付着が完全な又は部分的なシート亀裂を生じるほど強く
高められることを示している。従って本発明によるポリ
ビニルアセタールの基体への付着は使用されるシートの
粘着よりも強く現れている。例3における良好な結果
は、ケイ素(もしくはアルコキシシラン基及び/又は遊
離シラノール基)の比較的低い含量に関してさえも優れ
た付着を、複合での付着の場合に達成できることを改め
て証明している。
素含量に関しては確かに依然として商慣習上のポリビニ
ルアセタールにおけるよりも良好な付着が見られるが、
より低いケイ素含量を有する本発明によるポリビニルア
セタールの付着よりも悪い結果となることを示してい
る。
Claims (20)
- 【請求項1】 ビニルアルコール単位≧50モル%を有
する部分的又は完全に鹸化されたビニルエステル重合体
の、1種以上のアルデヒド、場合により少なくとも1種
のアルデヒドが加水分解可能なシラン基を有するそのヘ
ミアセタール又は完全アセタールの形のアルデヒドによ
るアセタール化によって得られるシラン変性されたポリ
ビニルアセタール。 - 【請求項2】 シラン基を有するアルデヒド又はそのヘ
ミアセタールもしくは完全アセタールが構造式: I) (R2)3Si−[OSi(R2)2]Y−(C
H2)X−CH(OR1)2 又は II) (R2)3Si−[OSi(R2)2]Y−
(CH2)X−CH=O [式中、それぞれのR1は同一又は異なり、かつ1つの
H原子及び1つの非分枝鎖状又は分枝鎖状の、飽和又は
不飽和の、1〜12個のC原子を有する置換されていて
よい、N、O、Sの型のヘテロ原子によって中断されて
いてよいアルキル基を表し、かつR2は同一又は異な
り、かつハロゲン、非分枝鎖状及び分枝鎖状の、飽和及
び不飽和の、1〜12個のC原子を有する置換されてい
てよいアルキル基及びアルコキシ基並びに2〜12個の
C原子を有するアシル基を含む群からの1つの基を表
し、その際、R2はなおもN、O、Sの型のヘテロ原子
によって中断されていてよく、かつXは2〜40の数を
表し、かつYは0〜100の数を表す]を有する、請求
項1記載のシラン変性されたポリビニルアセタール。 - 【請求項3】 シラン含有アルデヒド又はそのヘミアセ
タール及び完全アセタールとして3,3−ジエトキシプ
ロピルトリエトキシシラン、3,3−ジメトキシプロピ
ルトリエトキシシラン、3,3−ジエトキシプロピルト
リメトキシシラン、3,3−ジメトキシプロピルトリメ
トキシシラン、3,3−ジエトキシプロピルメチルジエ
トキシシラン、3,3−ジエトキシプロピルジメチルエ
トキシシラン、3,3−ジメトキシプロピルトリプロポ
キシシラン、3,3−ジメトキシプロピルトリイソプロ
ポキシシラン、3,3−ジプロポキシプロピルトリエト
キシシラン、3,3−ジエトキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3,3−ジエトキシプロピルジメチルメト
キシシラン、3,3−ジメトキシプロピルメチルジメト
キシシラン、3,3−ジメトキシプロピルジメチルメト
キシシラン、3,3−ジメトキシプロピルメチルジエト
キシシラン、3−(トリメトキシシリル)−プロピオン
アルデヒド、3−(トリエトキシシリル)−プロピオン
アルデヒド又は4−(トリメトキシシリル)−ブチルア
ルデヒドを含む群からの1種以上の化合物を使用する、
請求項2記載のシラン変性されたポリビニルアセター
ル。 - 【請求項4】 シラン含有アルデヒド、ヘミアセタール
及び完全アセタールを脂肪族及び芳香族の1〜15個の
C原子を有するアルデヒドを含む群からのシラン不含の
アルデヒド並びにそのヘミアセタール及び完全アセター
ルとの混合物において使用する、請求項1から3までの
いずれか1項記載のシラン変性されたポリビニルアセタ
ール。 - 【請求項5】 ケイ素含量がシラン変性されたポリビニ
ルアセタールの全質量に対して0.002〜10質量%
である、請求項1から4までのいずれか1項記載のシラ
ン変性されたポリビニルアセタール。 - 【請求項6】 シラン変性されたポリビニルアセタール
のアセタール化度が1〜80モル%である、請求項1か
ら5までのいずれか1項記載のシラン変性されたポリビ
ニルアセタール。 - 【請求項7】 部分的に又は完全に鹸化されたビニルエ
ステル重合体が、非分枝鎖状又は分枝鎖状の1〜15個
のC原子を有するカルボン酸のビニルエステルを含む群
からの1種以上のビニルエステルの50〜100モル%
のビニルエステル単位を有する重合体から誘導される、
請求項1から6までのいずれか1項記載のシラン変性さ
れたポリビニルアセタール。 - 【請求項8】 ビニルエステル単位の他に、1〜15個
のC原子を有するアルコールのメタクリル酸エステル及
びアクリル酸エステルを含む群からの1種以上のモノマ
ー、オレフィン、ジエン、ビニル芳香族化合物及びビニ
ルハロゲン化物がなおも共重合されており、かつ該コモ
ノマーの割合はビニルエステルモノマーの割合がビニル
エステル重合体中で≧50モル%になるようにされてい
る、請求項1から7までのいずれか1項記載のシラン変
性されたポリビニルアセタール。 - 【請求項9】 ビニルエステル単位の他にエチレン性不
飽和のモノカルボン酸及びジカルボン酸、エチレン性不
飽和のカルボン酸アミド及び−ニトリル、フマル酸及び
マレイン酸のモノエステル及びジエステル、エチレン性
不飽和のスルホン酸もしくはその塩、多エチレン性不飽
和のコモノマー、後架橋するコモノマー、例えばアクリ
ルアミドグリコール酸、メチルアクリルアミドグリコー
ル酸メチルエステル、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアリ
ルカルバメート、アルキルエーテル、例えばイソブトキ
シエーテル又はN−メチロールアクリルアミド、N−メ
チロールメタクリルアミド及びN−メチロールアリルカ
ルバメートのエステルがビニルエステル重合体の全質量
に対して0.02〜20質量%の割合で共重合されてい
る、請求項1から8までのいずれか1項記載のシラン変
性されたポリビニルアセタール。 - 【請求項10】 部分的に又は完全に鹸化された≧50
モル%のビニルアルコール単位を有するビニルエステル
重合体の水溶液に酸触媒の存在下に、1種以上のアルデ
ヒド、場合により少なくとも1種のアルデヒドが加水分
解可能なシラン基を有するヘミアセタール又は完全アセ
タールの形のアルデヒドを沈殿温度より高い温度で添加
し、かつ引き続き沈殿温度を調整し、かつ更なる触媒の
添加下に沈殿を行う、請求項1から9までのいずれか1
項記載のシラン変性されたポリビニルアセタールの製造
方法。 - 【請求項11】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、印刷イ
ンキ組成物における使用。 - 【請求項12】 印刷インキ組成物が5〜20質量%の
顔料割合、5〜15質量%のシラン変性されたポリビニ
ルアセタール−バインダー及び溶剤並びに、場合により
更に他の添加剤を含有する、請求項11記載の使用。 - 【請求項13】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、複合安
全ガラス、ガラス複合体及びガラスシートにおける使
用。 - 【請求項14】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、水性分
散液のための保護コロイドとしての、水性媒体中での重
合における及び水に再分散可能な分散粉末の製造におけ
る使用。 - 【請求項15】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、シラン
変性されたポリビニルアセタールで安定化されているポ
リマー分散液をベースとする塗料分散液における使用。 - 【請求項16】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、水ベー
スの塗料におけるバインダーとしての使用。 - 【請求項17】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、粉末塗
料におけるバインダーとしての使用。 - 【請求項18】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、腐蝕保
護剤におけるバインダーとしての使用。 - 【請求項19】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、セラミ
ック粉末及び金属粉末のためのバインダーとしての使
用。 - 【請求項20】 請求項1から9までのいずれか1項記
載のシラン変性されたポリビニルアセタールの、缶の内
部被覆のためのバインダーとしての使用。
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