JP4351722B2 - アミノ官能性ポリビニルアセタール - Google Patents

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Description

本発明は、アミノ官能性ポリビニルアセタール、その製造方法並びにその使用に関する。
相応のポリビニルアルコールから相応のアルデヒドとのポリマー類似反応によって得られるポリビニルアセタールの製造は、既に1924年以来知られており、その際、その後に、多くのアルデヒドが相応のポリビニルアセタールの製造のために使用されている。ポリビニルアセタールは、3段階法(ポリビニルアセテート−>ポリビニルアルコール−>ポリビニルアセタール)で製造され、その際、ビニルアセタール基の他に更にビニルアルコール単位及びビニルアセテート単位を有する生成物が得られる。とりわけポリビニルホルマール、ポリビニルアセトアセタール及びポリビニルブチラール(PVB)が産業上重要となっている。
ポリビニルアセタールに関する最も大規模な利用分野は、自動車の構造及び建造物における安全ガラスの製造であり、その際、可塑化されたポリビニルブチラール−シートがガラス板中の中間層として使用される。ポリビニルブチラールに関する更なる利用分野は、腐食防止性被覆中での使用である。とりわけそれらの良好な顔料結合力に基づき、ポリビニルブチラールは、塗料におけるバインダーとしても、特に印刷インキ中でも使用される。前記の用途においては、ポリビニルブチラールの有機溶剤ができる限り低い溶液粘度を有することが望ましく、それにより高い固体含量を有する染料ができる限り高いバインダー割合において製造できるべきであるという要求が課される。このための例は、DE−A19641064号による低い溶液粘度を有する変性ポリビニルブチラールであり、それはビニルアルコール単位と1−アルキル−ビニルアルコール単位とを有するコポリマーのアセタール化によって得られる。
先行技術に記載される全てのポリビニルアセタールが有する欠点は、特定の基体への不十分な付着性である。前記の理由から、多くの場合に定着剤の添加がどうしても必要である。EP−B0346768号においては、被膜又はシートを、アミノ官能性シラン、例えばN−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランで被覆して、もう一方のポリマー、特にポリビニルブチラールとの結合を向上させることが記載されている。
先行技術に記載される、ポリビニルアセタールと困難な基体との間の付着性を公知の定着剤を添加することによって向上させるための方法は、目立った欠点を有する。例えば、しばしば定着作用は十分に長く保持されず、又は付着が経時的に弱くなる。別の問題は、定着剤の添加それ自体である。これは、とにかく配合時に追加的で時間のかかる工程を意味する。更に、好適な定着剤の選択と添加には多くのノウハウが必要であり、それというのも、定着剤をポリビニルアセタールに添加する際に(例えば有機溶剤中で)、相分離に至らしめうる非相溶性と不均質性をもたらしうるからである。そのうえ、定着剤として後に添加されるべき反応性シランの二次反応も例外ではない(加水分解反応、縮合反応)。更なる欠点は、困難な基体へのポリビニルアセタールの目立った良好な付着性を達成するために大抵添加せねばならない多量の定着剤であり、そうしてこの方法は、シランの高い価格に基づき非常に高価になりうる。
従って、本発明の課題は、種々異なる困難な基体、特に公知の臨界的な基体に対して単独で既に非常に良好な付着性を示すため、定着剤の添加を理想的には完全に省くことができるポリビニルブチラールを提供することにあった。
驚くべきことに、ポリビニルアルコールからアルデヒドとのポリマー類似反応によって得られるポリビニルアセタールであって、水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールとしても存在できる少なくとも1種のアルデヒドがアミノ基又はアンモニウム基を有するポリビニルアセタールは、困難な基体に対して明らかに改善された付着性を有し、それどころかその付着性は定着剤を省くことができるほど広範囲に及ぶことが判明した。更にまた、ガラス又は金属に対する付着性も大きく改善される。付着向上効果は、この場合には、変性ポリビニルアセタールにおいては、既に非常に低いアミノ基もしくはアンモニウム基の含量でも生ずる。
EP−A617166号A1は、アミノ官能性ポリビニルアルコールを再生紙の特性の向上のために用いる使用に関する。その製造の代替法として、ポリビニルアルコールとアミノアルデヒドジアルキルアセタールとの反応が示されている。その生成物は、この場合、ビニルアルコール単位の他に、ビニルアセタール単位としてアミノアセタール基のみを有する。かかる生成物は、またWO02/072361号A1からも公知であり、そこではアミノ官能性ポリビニルアルコールをインクジェット紙用のバインダーとして記載している。EP552702号A1では、ビニルアミン−ビニルアルコール−混合重合体であって場合によりアセタール化されていてよい重合体を製紙に際して使用することを記載している。そこに挙げられる生成物では、アミノ基はポリマー鎖に直接結合されている。同様の生成物、つまりビニルアミン−ビニルアルコール−混合ポリマーであって場合により更にエステル基、アミド基及び/又はアセタール基を有するポリマーは、EP461399号A2に記載されている。
本発明の対象は、アミノ基又はアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールであって、≧50モル%のビニルアルコール単位を有する部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体を、1〜15個の炭素原子を有する1種又は複数種の脂肪族アルデヒド並びにそれらのヘミアセタール及び完全アセタールと、アミノ基又はアンモニウム基を有する少なくとも1種のアルデヒド又はそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールとでアセタール化することによって得られるポリビニルアセタールである。
好適な部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体は、50〜100モル%のビニルエステル単位を有する重合体から誘導される。好適なビニルエステルは、1〜15個の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のカルボン酸のビニルエステルである。有利なビニルエステルは、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニル−2−エチルヘキサノエート、ビニルラウレート、1−メチルビニルアセテート、ビニルピバレート及び、5〜15個の炭素原子を有するα−分枝したモノカルボン酸のビニルエステル、例えばVeoVa9(登録商標)又はVeoVa10(登録商標)(Resolutions社の商品名)である。特にビニルアセテートが好ましい。
ビニルエステル単位の他に、場合により更に、1〜15個の炭素原子を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びアクリル酸エステル、オレフィン、ジエン、ビニル芳香族化合物及びビニルハロゲン化物を含む群からの1種又は複数種のモノマーが共重合されていてもよい。アクリル酸又はメタクリル酸のエステルの群からの好適なモノマーは、1〜15個の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルコールのエステルである。有利なメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート及びt−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート及びt−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノルボルニルアクリレートである。特に、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート及びt−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート及びノルボルニルアクリレートが好ましい。好適なジエンは、1,3−ブタジエン及びイソプレンである。重合可能なオレフィンのための例は、エテン及びプロペンである。ビニル芳香族化合物として、スチレン及びビニルトルエンが重合導入されてよい。ビニルハロゲン化物の群からは、通常は、塩化ビニル、塩化ビニリデン又はフッ化ビニル、有利には塩化ビニルが使用される。前記コモノマーの割合は、ビニルエステルモノマーの割合が、ビニルエステル重合体中に≧50モル%であるように決定される。
場合により、更に他のコモノマーが、ビニルエステル重合体の全質量に対して、有利には0.01〜20質量%の割合で含まれていてよい。このための例は、エチレン性不飽和のモノカルボン酸及びジカルボン酸、有利にはクロトン酸、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸及びマレイン酸;エチレン性不飽和のカルボン酸アミド及びカルボン酸ニトリル、有利にはN−ビニルホルムアミド、アクリルアミド及びアクリルニトリル;また環状アミドであってその窒素原子上に不飽和基を有するアミド、例えばN−ビニルピロリドン;フマル酸及びマレイン酸のモノエステル及びジエステル、例えばジエチルエステル及びジイソプロピルエステル並びに無水マレイン酸、エチレン性不飽和のスルホン酸もしくはそれらの塩、有利にはビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸である。補助モノマーとしては、カチオン性モノマー、例えばジアリル−ジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、3−トリメチルアンモニウムプロピル−(メタ)アクリルアミドクロリド(MAPTAC)及び2−トリメチルアンモニウム−エチル(メタ)アクリレートクロリドも適している。更に補助モノマーとしては、ビニルエーテル、ビニルケトン、ヘテロ原子を有してもよい更なるビニル芳香族化合物が適している。
好適な補助モノマーは、また重合可能なシランもしくはメルカプトシランである。γ−アクリル−もしくはγ−メタクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シラン、α−メタクリルオキシメチルトリ(アルコキシ)シラン、γ−メタクリルオキシプロピル−メチルジ(アルコキシ)シラン、ビニルアルキル−ジ(アルコキシ)シラン及びビニルトリ(アルコキシ)シランが好ましく、その際、アルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、メトキシエチレン基、エトキシエチレン基、メトキシプロピレングリコールエーテル基もしくはエトキシプロピレングリコールエーテル基を使用することができる。このための例は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロポキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリス(1−メトキシ)−イソプロポキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルメチル−ジメトキシシラン、メタクリルオキシメチルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピル−トリス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、トリスアセトキシビニルシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物シランである。また、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン及び3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシランも好ましい。
更なる例は、官能化された(メタ)アクリレート、特にエポキシ官能性の(メタ)アクリレート、例えばグリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル又はヒドロキシ−アルキル官能性の(メタ)アクリレート、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート又は置換された又は非置換のアミノアルキル(メタ)アクリレートである。
更なる例は、予備架橋性コモノマー、例えば多エチレン性不飽和のコモノマー、例えばジビニルアジペート、ジアリルマレエート、アリルメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート又はトリアリルシアヌレート、又は後架橋性コモノマー、例えばアクリルアミドグリコール酸(AGA)、メチルアクリルアミドグリコール酸メチルエステル(MAGME)、N−メチロールアクリルアミド(NMA)、N−メチロールメタクリルアミド、N−メチロールアリルカルバメート、アルキルエーテル、例えばイソブトキシエーテル又はN−メチロールアクリルアミドの、N−メチロールメタクリルアミドの及びN−メチロールアリルカルバメートのエステルである。
これらのビニルエステル重合体は、市販されており、又は該重合体は、公知のように重合によって、有利には、塊状重合、懸濁重合又は有機溶剤中、特に有利にはアルコール性溶液中での重合によって製造することができる。好適な溶剤及び調節剤は、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールである。該重合は、還流下に温度40℃〜100℃で実施され、そして通常の開始剤の添加によってラジカル的に開始される。通常の開始剤のための例は、アゾ開始剤又はペルカーボネート、例えばシクロヘキシルペルオキシジカーボネート又はペルエステル、例えばt−ブチルペルネオデカノエート又はt−ブチルペルピバレート並びにペルオキシド、例えばt−ブチルヒドロペルオキシドである。分子量の調整は、公知のようにして、調節剤の添加によって、溶剤含量を通じて、開始剤濃度の変更によって、そして温度の変更によって実施することができる。重合の完了後に、溶剤並びに場合により過剰のモノマー及び調節剤は留去される。
ビニルエステル重合体の鹸化は、自体公知のように、例えばベルト法(Bandverfahren)又はニーダー法(Kneterverfahren)により、アルカリ中又は酸中で酸又は塩基を添加しつつ行われる。ビニルエステル固体樹脂を、アルコール、例えばメタノール中に供給して、10〜80質量%の固体含量に調節することが好ましい。加水分解を、例えばNaOH、KOH又はNaOCH3の添加によって塩基性で実施することが好ましい。塩基は、一般にエステル単位1モルあたり1〜5モル%の量で使用される。加水分解は、25℃〜80℃の温度で実施される。加水分解の完了後に、溶剤を留去すると、ポリビニルアルコールは粉末として得られる。しかしながらポリビニルアルコールは、水を連続的に添加する一方で、溶剤を留去することによって、水溶液としても得ることができる。
この場合に、加水分解度≧96モル%である重合体を、完全鹸化されたビニルエステル重合体と呼称する。加水分解度≧50モル%で<96モル%を有するものを、部分鹸化されたポリビニルエステルと呼称する。部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体は、有利には、50モル%〜99.9モル%、特に有利には70モル%〜99.9モル%、最も有利には96モル%〜99.9モル%の加水分解度を有する。ポリビニルアルコールの粘度(DIN53015、ヘップラー法;水中4%溶液)は、1〜40mPas、有利には1〜6mPasであり、その粘度は、部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体の分子量及び重合度についての尺度として用いられる。使用されるポリビニルアルコールの重合度は、少なくとも130である。
アミノ基又はアンモニウム基を有する有利なアルデヒド並びにそれらの水和物、ヘミアセタールもしくは完全アセタールは、以下の構造式I〜IVによって示すことができる:
I)(R)2N−(CH2n−CH(OR)2、中性アミノアルデヒドの完全アセタール、ヘミアセタール又はアルデヒド水和物、
II)(R)2N−(CH2n−CH=O、遊離の中性アミノアルデヒド、
III)X-(R)3+−(CH2n−CH(OR)2、カチオン性のアンモニウムアルデヒドの完全アセタール、ヘミアセタール又はアルデヒド水和物、
IV)X-(R)3+−(CH2n−CH=O、遊離のカチオン性アンモニウムアルデヒド
[式中、
それぞれのRは、同一又は異なっており、かつ水素原子の意味を有してよく、かつ1〜12個の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和の置換されていてよいアルキル基を表してよく、前記基は場合によりN、O、Sの種類のヘテロ原子によって中断されていてよく、
-は、アニオンを表し、その際、Xは、ハロゲン、例えばF、Cl、Br又はIであってよく、又はXは、無機酸又は有機酸の残基、リン酸、リン酸水素、リン酸二水素、亜リン酸、塩酸、硝酸、亜硝酸、硫酸、硫酸水素、亜硫酸、亜硫酸水素、酢酸、炭酸、炭酸水素を表し、
nは、0〜40、有利には1〜10の数を表す]。
構造式I〜IVによる有利なアルデヒド又はそれらのヘミアセタールもしくは完全アセタールは、ホルムアミド、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、アミノプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、アミノプロピオンアルデヒドジエチルアセタール、アミノブチルアルデヒドジメチルアセタール、アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール並びにそれらのカチオン性のアンモニウム塩である。
特に、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、アミノプロピオンアルデヒドジメチルアセタール及びアミノブチルアルデヒドジメチルアセタール又はそれらの相応のカチオン性のアンモニウム塩が好ましい。構造式I〜IVによるアミノ基もしくはアンモニウム基を有するアルデヒド又はそれらの水和物、ヘミアセタール及び完全アセタールは、1種又は複数種の非置換の脂肪族のアルデヒド、特にブチルアルデヒド又はアセトアルデヒドとの混合物で使用して、アミノ基もしくはアンモニウム基を有する変性ポリビニルアセタールが得られる。
好適な非置換の脂肪族のアミノ基もしくはアンモニウム基を有さないアルデヒドは、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルデヒドを含む群からのアルデヒド並びにそれらのヘミアセタール及び完全アセタールである。ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒドが好ましい。特に、ブチルアルデヒド又はブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとの混合物が好ましい。
アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラールは、アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールの全質量に対して、0.001〜5質量%、有利には0.005〜2質量%、特に有利には0.01〜1質量%、最も有利には0.02〜0.9質量%の窒素含量(ケルダール法により測定)を有する。
アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールのアセタール化度は、1〜80モル%であり、有利な範囲では1〜25モル%及び40〜80モル%である。アセタール単位の全含量に対するアミノ−アセタール単位もしくはアンモニウム−アセタール単位の含量は、アセタール単位のモル%での全含量に対して、それぞれ0.001〜95%、有利には0.005〜50%、特に有利には0.01〜30%である。変性ポリビニルアセタールの粘度(DIN53015;ヘップラー法、エタノール中10%溶液)は、4mPas〜1200mPas、有利には4〜120mPasである。
アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールの水性懸濁液は、アニオン性、両性イオン性、カチオン性及び非イオン性の乳化剤並びに保護コロイドによって安定化することができる。有利には、両性イオン性又はアニオン性の乳化剤が、場合により混合物で使用される。非イオン性の乳化剤としては、有利には、エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、8〜18個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状のアルコール、8〜18個の炭素原子を有するアルキルフェノール又は直鎖状又は分枝鎖状のカルボン酸との縮合生成物並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーが使用される。好適なアニオン性の乳化剤は、例えばアルキルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルフェート並びに、エチレンオキシドと直鎖状又は分枝鎖状のアルキルアルコールとの2〜25個のEO単位を有する縮合生成物、アルキルフェノールとの縮合生成物のスルフェート又はホスフェート、及びスルホコハク酸のモノエステル又はジエステルである。好適な両性イオン性乳化剤は、例えばアルキルジメチルアミンオキシドであり、その際、アルキル鎖は、6〜16個の炭素原子を有する。カチオン性の乳化剤としては、例えばテトラアルキルアンモニウムハロゲニド、例えばC6〜C16−アルキルトリメチルアンモニウムブロミドを使用することができる。同様に、1個の長鎖(≧5個の炭素原子)及び2個の短鎖(<5個の炭素原子)の炭化水素基を有するトリアルキルアミンを使用することができ、該トリアルキルアミンは、強酸性条件下で進行するアセタール化の経過においてプロトン化された形で存在して、乳化剤として作用することができる。乳化剤量は、母液中の変性ポリビニルアセタールの全質量に対して0.01〜20質量%である。変性ポリビニルアセタールに対して、0.01〜2質量%の乳化剤の量が好ましく、特に0.01〜1質量%の乳化剤の量が好ましい。
アセタール化のために、部分鹸化又は完全鹸化されたポリビニルエステルは、有利には水性媒体中に取り込まれる。通常は、該水溶液の固体含量は、5〜30%に調整される。アセタール化は、酸性触媒、例えば塩酸、硫酸、硝酸又はリン酸の存在下に行われる。有利には、20%の塩酸を添加することによって、溶液のpH値は、<1に調整される。
触媒の添加後に、該溶液は、有利には−10℃〜+30℃に冷却される。この場合に、使用される変性ポリビニルアルコールの分子量が小さいほど、沈殿温度は低く選択される。アセタール化反応は、1種又は複数種のアルデヒドの添加によって開始され、その際、アミノ基もしくはアンモニウム基を有するアルデヒドもしくはそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールの他に、少なくとも1種の非置換の脂肪族アルデヒドが使用される。その場合に、添加量は、所望のアセタール化度に応じて左右される。アセタール化は、ほぼ完全な転化率で進行するので、添加量は簡単な化学量論的計算によって決定することができる。アミノ基もしくはアンモニウム基を有するアルデヒドと窒素不含のアルデヒドとの混合物を用いて作業するのであれば、その比率は、達成されるべき窒素含量、所望のアセタール化度及びアミノ基もしくはアンモニウム基を有するアルデヒドの分子量からもたらされる。
アセタール化は、アルデヒドの添加が完了した後に、バッチを20℃〜60℃に加熱し、かつ数時間、有利には1〜6時間撹拌することによって完全なものとなり、そして粉末状の反応生成物は、濾過に引き続き洗浄工程を行うことによって単離される。安定化のためには、更にアルカリを添加することができる。沈殿と後処理の間に、乳化剤を用いて作業して、アミノ基もしくはアンモニウム基を有するポリビニルアセタールの水性懸濁液を安定化させることができる。
特に有利な方法では、まず、ポリビニルアルコールの水溶液に、アミノ基もしくはアンモニウム基を有する1種又は複数種のアルデヒドもしくはそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールを、有利には沈殿温度より高い温度で添加する。触媒、例えば塩酸を用いて、pH値を0〜5に調整して、アミノ基もしくはアンモニウム基を有するアルデヒドとポリビニルアルコールとを予備反応させることができる。引き続き、沈殿温度において、窒素不含の1種又は複数種のアルデヒドを添加することによって、アミノ変性されたポリビニルアセタールの沈殿を行う。沈殿のために、場合により更なる触媒を添加することができる。引き続き、前記の後処理法を行う。
本発明による方法では、アミノ変性ポリビニルアセタール、有利にはアミノ変性ポリビニルブチラールが得られ、これは、今までに知られるポリビニルアセタールに対して明らかにより良好な付着性を困難な基体に対して示すので、定着剤の添加を省くことができる。
冒頭に挙げたように、とりわけ印刷インキ産業では、種々のポリマーの可撓性シートに対してできる限り良好な付着性を有し、従って適用した後にその基体と非常に強固に結合し、さらに印刷された基体から非常に困難にのみ剥離するにすぎない印刷インキを提供することができるバインダーに需要がある。アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタール、特にアミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラールの優れた付着性と、顔料との有用な相互作用と、それにより生じる有利な(印刷インキ)レオロジーとに基づき、これらは、特に印刷インキ組成物での使用のために適している。
好適な印刷インキ配合物は、当業者に公知であり、かつ一般に、5〜25質量%の顔料成分、例えばジスアゾ顔料又はフタロシアニン顔料、5〜25質量%のポリビニルアセタールバインダー及び溶剤、例えばアルコール、例えばエタノール又はエステル、例えばエチルアセテートを含有する。場合により、更に他の添加剤、例えば遅延剤、可塑剤及び別の添加剤、例えば充填剤又はロウが含まれていてよい。定着剤は、もはや必要がない。
複合安全ガラス及び複合ガラス、高安全性ガラス又は平板シート(Scheibenfolie)のためにも、アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタール、特にアミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラールは、非常によく適しているのは、ガラスに対する更に改善された付着性の他に、より高い耐亀裂性を達成することができるからである。前記の用途における別のポリマーシート、例えばPETシートの使用も同様に推奨される。それというのもアミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラール及びそれらから製造されるシートは、ガラス表面の他にも、これらの別のポリマーシートの表面に対しても非常に良好に付着するため、定着剤の添加が不必要となるからである。
更に、水溶性の部分アセタール化された、アミノ基もしくはアンモニウム基を有するポリビニルアセタール、特にアミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラールは、例えば水性分散液用の保護コロイドとして、そして水性媒体中での重合において、そして水中に再分散可能な分散粉末の製造において用いられる。この場合に、アミノ基もしくはアンモニウム基を有し、かつ水溶性(定常条件下に水中10g/lより高い溶解度)のポリビニルブチラールは、1〜40モル%、特に3〜25モル%のアセタール化度を有することが好ましい。
アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタール、特にアミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルブチラールは、更に、水系又は有機溶剤系の塗料においても使用することができる。アミノ基による官能化によって、本発明によるポリビニルアセタールは、この基を介して、好適な試薬、例えばエポキシ基を有する試薬と架橋することができる。これによって、更なる利用分野、例えば粉末塗料における利用ももたらされる。
アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールの更なる利用分野は、腐食防止剤中のバインダーとしての使用であり、その際、利点としては、より良好な付着性を挙げることができる。更に、変性ポリビニルアセタールは、セラミック産業におけるバインダーとしても、特にセラミック未焼結体用のバインダーとしても適している。また、射出成形におけるセラミック粉末及び金属粉末用のバインダー(粉末射出成形)として、そしてノズルの内部被覆用のバインダーとしての使用を挙げることができる。
全ての場合において、アミノ基もしくはアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールは、先行技術で知られるポリビニルアセタールよりはるかに良好な付着性を示す。
以下の実施例は、本発明の更なる説明に役立つが、本発明を何ら制限するものではない。
実施例1:
6リットルのガラス反応器中に、蒸留水2690ml及び完全鹸化されたポリビニルアルコールの20.2%水溶液(粘度2.5mPas(DIN53015);ヘップラー法、4%水溶液)1160mlを装入した。前記装入物の測定されたpH値は、5.4であった。20%塩酸10mlの添加によって、pH値を4.2に調整した。ここで、撹拌しながら10℃に冷却し、そしてこの温度で、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール2.5gを添加した。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールを、ポリビニルアルコールと事前に10℃で30分間反応させ、それにより効果的な結合を行った。引き続き、2.7℃に冷却し、そして20%塩酸1104mlを添加した。酸の添加によって、スモーク発生が観察された。その際に、内部温度が8℃に高まった。更に−3.8℃に冷却した後に、引き続き5分の時間内でブチルアルデヒド151.1gを添加した。その際に、反応器内部温度が−1.2℃に高まった。非常に短時間で、再び−2℃に冷却した。ブチルアルデヒドの添加3分後に、まず澄明なバッチは白濁し、そして既に5分後に生成物が沈殿した。−2℃での40℃の反応時間後に、その温度を3.5時間の期間にわたり25℃に高め、そしてこの温度を更に2時間保持した。そうして生成物を濾別し、濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。引き続き、乾燥を、まず22℃で、次いで35℃で真空中で、少なくとも98%の固体含量になるまで行った。アンモニウム基で変性された、17.84質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.71質量%であった。ブチラール含量は、79.63質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、0.82質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.084%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、19.4mPasであった。
実施例2:
6リットルのガラス反応器中に、蒸留水2690ml、20%HClを1114ml及び完全鹸化されたポリビニルアルコールの20.2%水溶液(粘度2.5mPas(DIN53015);ヘップラー法、4%水溶液)1160mlを装入した。該装入物を、撹拌しながら10℃に冷却し、そして引き続き5gのアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールと混合した。アミノアルデヒドアセタールの添加により、スモーク発生が起こった。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールを、ポリビニルアルコールと事前に10℃で30分間反応させ、それにより効果的な結合を行った。更に−4.2℃に冷却した後に、引き続き5分の時間内でブチルアルデヒド148.6gを添加した。その際に、反応器内部温度が−1.7℃に高まった。非常に短時間で、再び−2℃に冷却した。ブチルアルデヒドの添加3分後に、それまで澄明であったバッチの混濁が確認でき、そして既に5分後に生成物が沈殿した。−2℃での40分の反応時間後に、その温度を3.5時間の期間にわたり25℃に高め、そしてこの温度を更に2時間保持した。そうして生成物を濾別し、濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。引き続き、乾燥を、まず22℃で、次いで35℃で真空中で、少なくとも98%の固体含量になるまで行った。アンモニウム基で変性された、18.49質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.73質量%であった。ブチラール含量は、78.14質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、1.64質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.171%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、19.7mPasであった。
実施例3:
実施例2と同様に行ったが、相違点として、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール10gとブチルアルデヒド143.6gでアセタール化を実施した。アンモニウム基で変性された、18.42質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.73質量%であった。ブチラール含量は、76.52質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、3.33質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.350%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、19.1mPasであった。
実施例4:
実施例2と同様に行ったが、相違点として、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール20gとブチルアルデヒド133.6gでアセタール化を実施した。アンモニウム基で変性された、18.33質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.73質量%であった。ブチラール含量は、73.13質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、6.81質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.704%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、18.6mPasであった。
実施例5:
6リットルのガラス反応器中に、蒸留水2617ml、20%HClを826ml及び完全鹸化されたポリビニルアルコールの20.0%水溶液(粘度2.5mPas(DIN53015);ヘップラー法、4%水溶液)1355mlを装入した。該装入物を、撹拌しながら10℃に冷却し、そして引き続き5gのアミノアセトアルデヒドジメチルアセタールと混合した(スモーク発生)。アミノアセトアルデヒドジメチルアセタールを、ポリビニルアルコールと事前に10℃で40分間反応させ、それにより効果的な結合を行った。更に5℃の沈殿温度に冷却した後に、アセトアルデヒド73.6gを5分以内に添加した。反応器内部温度5℃で20分後に、ブチルアルデヒド103.5gを添加した。約15分後に、まず澄明なバッチが白濁し、そして20分後に生成物が沈殿した。この時点から、温度をなおも40分間保持し、引き続き3.5時間の期間にわたり25℃に高めた。この温度を、更に2時間保持した。そうして生成物を濾別し、濾液が中性に反応するまで蒸留水で洗浄した。引き続き、乾燥を、まず22℃で、次いで35℃で真空中で、少なくとも98%の固体含量になるまで行った。
アンモニウム基で変性された、14.81質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.75質量%であった。ブチラール含量は、42.48質量%であり、アセトアセタール含量は、39.68質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、1.28質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.122%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、20.5mPasであった。
実施例6:
実施例5と同様に行ったが、相違点として、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール10gと、アセトアルデヒド68.2gと、ブチルアルデヒド103.5gでアセタール化を実施した。
アンモニウム基で変性された、17.34質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.81質量%であった。ブチラール含量は、42.00質量%であり、アセトアセタール含量は、36.32質量%であり、かつアンモニウム基を有するアセタール含量は、2.53質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.259%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、20.4mPasであった。
実施例7:
合成は、実施例2と同様に実施した。後処理の経過中に、実施例2による変性された粉末状のポリビニルブチラールを水中に10%で再懸濁させ、NaOHでpHを12に調整し、そして30℃で10時間撹拌した。引き続き更に、実施例2と同様に、後処理法、単離法及び乾燥法を行った。アミノ基で変性された、18.49質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.73質量%であった。ブチラール含量は、78.14質量%であり、かつアミノ基を有するアセタール含量は、1.64質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.167%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、19.8mPasであった。
実施例8:
合成は、実施例3と同様に実施した。
後処理の経過中に、実施例3による変性された粉末状のポリビニルブチラールを水中に10%で再懸濁させ、NaOHでpHを12に調整し、そして30℃で24時間撹拌した。引き続き更に、実施例2と同様に、後処理法、単離法及び乾燥法を行った。アミノ基で変性された、18.42質量%のビニルアルコール単位を有するポリビニルブチラールが得られた。ビニルアセテート含量は、1.73質量%であった。ブチラール含量は、76.52質量%であり、かつアミノ基を有するアセタール含量は、3.33質量%に達した。窒素含量(N含量)は、ケルダール法により0.343%と測定された。粘度(DIN53015;ヘップラー法;10%のエタノール性溶液)は、19.2mPasであった。
比較例9:
Wacker Polymer Systems社製の、ビニルブチラール単位80.0質量%、ビニルアセテート単位2.0質量%及びビニルアルコール単位18.0質量%を有する市販のポリビニルブチラール(BN18)。
測定法:
1. ポリビニルブチラールの動粘度(溶液粘度)の測定:
90.00±0.01gのエタノールと10.00±0.01gの変性ポリビニルブチラールを、すり合わせキャップを有する250mlのエルレンマイヤーフラスコ中に量り入れ、そして50℃で振とう器において完全に溶解させた。引き続き20℃に冷却し、動粘度(DIN53015;ヘップラー法)を20℃で好適なボール、例えばボール3を用いて測定した。
2. ビニルアルコール含量の測定:
変性ポリビニルブチラール中のビニルアルコール基の含量を、ポリマー中のアミノ基の含量(事前に方法3により測定した)に注意して、ヒドロキシル基と無水酢酸とのピリジン及び4−ジメチルアミノピリジンの存在下でのアセタール化によって測定した。
そこに、ピリジン24ml中のポリビニルアセタール1g±0.001gと4−ジメチルアミノピリジン0.04gを50℃で2時間以内に溶解させた。25℃に冷却された溶液を、ピリジンと無水酢酸との混合物(87/13 容量部)10mlと混合し、そして1時間激しく混和した。そうして、ピリジン/水の混合物(5/1 容量部)30mlを添加し、そして更に1時間振とうした。引き続き、メタノール性の0.5NのKOHでpH7に滴定した。
計算:
ビニルアルコール(質量%)=[(100×Mw)/2000]×(見掛け値(ml)−試料(ml))その際、Mwは、ポリマーの反復単位あたりの平均分子量である。
3. 窒素含量(N含量)の測定:
該測定は、ケルダールによる公知法で実施した。窒素含量は、質量%で示される。
4. ポリビニルアルコール溶液の粘度の測定
出発物質として使用される部分鹸化又は完全鹸化された固体樹脂の粘度の測定は、ポリビニルブチラールの動粘度の測定と同様に実施した;その際、4%だけの水溶液を使用した。
5. 付着性の応用技術的測定:
Tesa−試験:
調査されるべき試料(例えば変性ポリビニルブチラール)から、(場合により事前にイソプロパノールで浄化した)シート(場合により事前にコロナ処理した)上に気泡のない被膜を延展して、乾燥させた。このためにポリビニルブチラールをエタノール中に溶解させ、その際、濃度をそれぞれ溶液の粘度に応じて調整した。該試験のためにBeiersdorf AG社製の幅15mmを有するTesaフィルム4150を使用した。付着強度を試験するために、乾燥され、かつ少なくとも16時間室温で貯蔵されたシートに約13cmの長さのテープを貼り付けた。指により画一的に一様に強く上からさするが、Tesaフィルムの片方の端部を固定して引き離しのための折り返しを維持して、接触圧を固定した。試験されるべきシートはその際、硬い台の上にあることが望ましい。Tesaフィルムを45゜の角度の折り返しで急激に引き離す。試験された部位を更に、被膜が印刷素材から離れ、かつTesaフィルムに付着するかどうか、並びにどれ程の被膜が印刷素材から離れ、かつTesaフィルムに付着するかを調査した。試験を同一条件下に複数の部位で行った。評点は1〜4の評価段階で行い、その際、1は最良、4は最悪の評価である。
評点の詳細:
1=非常に良好な付着(剥離部分無し)
2=引き離された部分で被覆が剥離した
3=複数の部位で被覆が剥離した
4=被覆の付着無し(完全な剥離)
応用技術的結果:
付着性の調査のために、ポリビニルブチラールの付着に関連する困難な基体として適用されたシートOPP Mobil MB 400(ポリプロピレンシート、600Wでコロナ前処理)を用いてTesa試験を実施した。
実施例もしくは比較例による生成物の付着性の測定結果を第1表に示す。
第1表:
Figure 0004351722
第1表から明らかなように、変性されていない市販のポリビニルブチラールは、付着に関して非常に困難な前記基体に対して不十分な付着性が示されるに過ぎない(比較例9)。ポリビニルブチラールをアンモニウム基もしくはアミノ基で僅かに変性しただけで、付着性の明らかな向上が達成され、そして優れた値を達成することができる(実施例1〜8)。

Claims (8)

  1. ≧50モル%のビニルアルコール単位を有する部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体を、1〜15個の炭素原子を有する1種又は複数種の脂肪族アルデヒド並びにそれらのヘミアセタール及び完全アセタールと、アミノ基又はアンモニウム基を有する少なくとも1種のアルデヒド又はそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールとでアセタール化することによって得られるアミノ基又はアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールを、印刷インキ組成物中に用いる使用。
  2. アミノ基又はアンモニウム基で変性されたポリビニルアセタールが、≧50モル%のビニルアルコール単位を有する部分鹸化又は完全鹸化されたビニルエステル重合体を、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルデヒド並びにそれらのヘミアセタール及び完全アセタールを含む群からの1種又は複数種の化合物と、アミノ基又はアンモニウム基を有するアルデヒド又はそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールを含む群からの少なくとも1種の化合物とでアセタール化することによって得られる、請求項1記載の使用。
  3. 請求項2記載の使用において、アミノ基又はアンモニウム基を有するアルデヒド並びにそれらの水和物、ヘミアセタールもしくは完全アセタールとして、
    I)(R)2N−(CH2n−CH(OR)2
    II)(R)2N−(CH2n−CH=O
    III)X-(R)3+−(CH2n−CH(OR)2
    IV)X-(R)3+−(CH2n−CH=O
    [式中、
    それぞれのRは、同一又は異なっており、かつ水素原子の意味を有してよく、かつ1〜12個の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状の飽和又は不飽和の置換されていてよいアルキル基を表し、
    -は、アニオンを表し、
    nは、0〜40の数を表す]で示される構造式を有するものを使用することを特徴とする使用。
  4. 請求項2記載の使用において、ホルムアミド、アミノアセトアルデヒドジメチルアセタール、アミノアセトアルデヒドジエチルアセタール、アミノプロピオンアルデヒドジメチルアセタール、アミノプロピオンアルデヒドジエチルアセタール、アミノブチルアルデヒドジメチルアセタール、アミノブチルアルデヒドジエチルアセタール並びにそれらのそれぞれのカチオン性のアンモニウム塩を含む群からの1種又は複数種の化合物を使用することを特徴とする使用。
  5. 請求項2又は3記載の使用において、脂肪族アルデヒドとして、1〜15個の炭素原子を有する脂肪族アルデヒドを含む群からのアルデヒド並びにそれらのヘミアセタール及び完全アセタールを使用することを特徴とする使用。
  6. 請求項5記載の使用において、ブチルアルデヒド又はブチルアルデヒドとアセトアルデヒドとの混合物を使用することを特徴とする使用。
  7. 請求項2から6までのいずれか1項記載の使用において、アセタール化度が、1〜80モル%であることを特徴とする使用。
  8. 請求項2から7までのいずれか1項記載の使用において、アミノ基又はアンモニウム基を有するアルデヒド並びにそれらの水和物、ヘミアセタール又は完全アセタールを、アセタール単位の全含量に対するアミノ−アセタール単位及びアンモニウム−アセタール単位の含量が、アセタール単位のモル%での全含量に対して0.001〜95%である量で使用することを特徴とする使用。
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