JPH06247760A - セメント混和剤 - Google Patents

セメント混和剤

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JPH06247760A
JPH06247760A JP3653993A JP3653993A JPH06247760A JP H06247760 A JPH06247760 A JP H06247760A JP 3653993 A JP3653993 A JP 3653993A JP 3653993 A JP3653993 A JP 3653993A JP H06247760 A JPH06247760 A JP H06247760A
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JP
Japan
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silicon
functional group
containing functional
modified polyvinyl
meth
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JP3653993A
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English (en)
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Naoki Fujiwara
直樹 藤原
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B24/00Use of organic materials as active ingredients for mortars, concrete or artificial stone, e.g. plasticisers
    • C04B24/40Compounds containing silicon, titanium or zirconium or other organo-metallic compounds; Organo-clays; Organo-inorganic complexes
    • C04B24/42Organo-silicon compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0068Ingredients with a function or property not provided for elsewhere in C04B2103/00

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性などの機械的
強度に優れるとともに、被着体に対する接着力が飛躍的
に向上するセメント組成物を与えるセメント混和剤を提
供すること。 【構成】 分子内にケイ素含有官能基0.01〜10モル
%を含有する変性ポリビニルアセタール樹脂からなるセ
メント混和剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセメント混和剤に関し、
さらに詳しくは、曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性(表面
強度)などの機械的強度に優れるとともに、被着体に対
する接着力が飛躍的に向上するセメント組成物を与える
セメント混和剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、セメントの機械的諸特性を改
良する目的で、高分子エマルジョン,ラテックス、ある
いはポリビニルアルコール,メチルセルロースなどの水
溶性高分子化合物をセメントに混和する方法が広く行わ
れており、ある程度の効果を奏することが知られてい
る。しかしながら、これらの方法によっても、セメント
の本質的欠点である曲げ強度や表面強度を弱くするレイ
タンス層の発生防止という点では、ほとんど改善効果が
期待できないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで、曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性(表面強
度)などの機械的強度に優れるとともに、被着体に対す
る接着力が飛躍的に向上するセメント組成物を与えるセ
メント混和剤を提供することを目的としてなされたもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい性質を有するセメント混和剤を開発すべく鋭意研究
を重ねた結果、分子内にケイ素含有官能基を特定の割合
で含有する変性ポリビニルアセタール樹脂からなるセメ
ント混和剤が前記目的に適合しうることを見出した。本
発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。す
なわち、本発明は、分子内にケイ素含有官能基0.01〜
10モル%を含有する変性ポリビニルアセタール樹脂か
らなるセメント混和剤を提供するものである。
【0005】本発明のセメント混和剤は、分子内にケイ
素含有官能基0.01〜10モル%を含有する変性ポリビ
ニルアセタール樹脂からなるものであって、該変性ポリ
ビニルアセタール樹脂の原料としては、分子内にケイ素
含有官能基0.01〜10モル%を含有する変性ポリビニ
ルアルコールが用いられる。この分子内にケイ素含有官
能基を有する変性ポリビニルアルコールについては、分
子内にケイ素含有官能基を有するものであればいずれで
もよく、特に制限はない。分子内に導入されるケイ素含
有官能基がアルコキシル基又はアシロキシル基あるいは
これらの加水分解物であるシラノール基又はその塩など
の反応性置換基であるものが、無機物のバインダー効果
の点から、特に好ましく用いられる。
【0006】このような変性ポリビニルアルコールの製
造方法としては、(1)変性ポリビニルアルコール又は
カルボキシル基や水酸基を含有する変性ポリ酢酸ビニル
に、適当な薬剤を用いて後変性によりケイ素含有官能基
を導入する方法、(2)ビニルエステルとケイ素含有官
能基を有するオレフィン性不飽和単量体との共重合体を
けん化する方法、(3)ケイ素含有官能基を有するメル
カプタンの存在下でビニルエステルを重合させることに
よって得られる末端にケイ素含有官能基を有するポリビ
ニルエステルをけん化する方法などが挙げられる。
【0007】上記(1)のポリビニルアルコール又は変
性ポリ酢酸ビニルに適当な薬剤を用いて後変性する方法
においては、通常該薬剤に対して不活性な有機溶媒、例
えばベンゼン,トルエン,キシレン,ヘキサン,ヘプタ
ン,ジエチルエーテル,アセトンなどに該薬剤を溶解さ
せ、この溶液中に粉末状ポリビニルアルコール又は上記
変性ポリ酢酸ビニルを攪拌下に懸濁させ、常温ないし該
薬剤の沸点の範囲の温度において、該薬剤とポリビニル
アルコール又は上記変性ポリ酢酸ビニルとを反応させる
さことにより、あるいは、さらにアルカリ触媒などを用
いて酢酸ビニル単位をけん化することにより、ケイ素含
有官能基を有する変性ポリビニルアルコールを得ること
ができる。
【0008】後変性に用いられる該薬剤としては、例え
ばトリメチルクロロシラン;ジメチルジクロロシラン;
メチルトリクロロシラン;ビニルトリクロロシラン;ジ
フェニルジクロロシラン;トリエチルフルオロシランな
どのオルガノハロゲノシラン、トリメチルアセトキシシ
ラン;ジメチルジアセトキシシランなどのオルガノシリ
コーンエステル、トリメチルメトキシシラン;ジメチル
ジメトキシシランなどのオルガノアルコキシシラン、ト
リメチルシラノール;ジエチルシランジオールなどのオ
ルガノシラノール、N−アミノエチルアミノプロピルト
リメトキシシランなどのアミノアルキルシラン、トリメ
チルシリコーンイソシアネートなどのオルガノシリコー
ンイソシアネートなどが挙げられる。ケイ素含有官能基
の導入率、すなわち変性率は、用いられる該薬剤の量、
反応時間などによって任意に調節することができる。ま
た、得られるケイ素含有官能基を有する変性ポリビニル
アルコールの重合度,けん化度は用いられるポリビニル
アルコールの重合度やけん化度、あるいは上記変性ポリ
酢酸ビニルの重合度やけん化反応によって、任意に調節
することができる。
【0009】一方、上記(2)のビニルエステルとケイ
素含有官能基を有するオレフィン性不飽和単量体との共
重合体をけん化する方法では、例えばアルコールなどの
適当な溶媒中において、ビニルエステルとケイ素含有官
能基を有するオレフィン性不飽和単量体とを、ラジカル
開始剤を用いて共重合させたのち、この溶液にアルカリ
又は酸触媒を加えて、得られた共重合体をけん化させる
ことによって、ケイ素含有官能基を有する変性ポリビニ
ルアルコールを得ることができる。
【0010】上記方法において用いられるビニルエステ
ルとしては、例えば酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,
ギ酸ビニル,バーサチック酸ビニルなどの脂肪酸ビニル
や、安息香酸ビニルなどの芳香族系ビニルエステルなど
が挙げられる。これらは一種用いてもよく、また、二種
以上を組み合わせて用いてもよいが、これらの中で、経
済性の点から酢酸ビニルが最も好適である。また、上記
方法において用いられるケイ素含有官能基を有するオレ
フィン性不飽和単量体としては、一般式(I)で表され
るビニルシラン、一般式(II)又は(III)で表される
(メタ)アクリルアミド−アルキルシランなどを好まし
いものとして挙げることができる。
【0011】
【化1】
【0012】(式中、R1 は水素原子,ハロゲン原子,
低級アルキル基,アリール基又はアリール基を有する低
級アルキル基、R2 はハロゲン原子,アルコキシル基,
アシロキシル基(ここで、アルコキシル基又はアシロキ
シル基は酸素原子若しくは窒素原子を含有する置換基を
有していてもよい。)、水酸基又はアルキル基、R3
水素原子又はメチル基、R4 は低級アルキル基、R5
アルキレン基又は連鎖炭素原子が酸素原子若しくは窒素
原子によって相互に結合された二価の有機残基、nは0
〜10の整数、mは0,1又は2を示す。)
【0013】上記一般式(I),(II),(III)におい
て、R2 としてはハロゲン原子,アルコキシル基,アシ
ロキシル基,水酸基又はアルキル基であるが、ケイ素含
有官能基の反応性及び得られる共重合体溶液の粘度安定
性の点から、アルコキシル基及びアシロキシル基が好ま
しく、特にアルコキシル基が好適である。R2 がハロゲ
ン原子の場合、ケイ素含有官能基の反応性が強すぎるた
めに、塗料溶液が保存中に増粘やゲル化を起こしやすく
なるため、溶液中の水分について充分に注意を払う必要
がある。また、mは0,1又は2であるが、mが小さい
ほど、ケイ素含有官能基の反応性が大となり、共重合体
中に導入されたケイ素含有官能基の効果を効率よく引き
出すことが可能となる。逆にmが大きいほど、塗料溶液
の保存安定性が良くなる傾向がある。したがって、共重
合体中のケイ素含有官能基の導入量やR2 基の種類など
により、mの値を適宜選択するのがよい。
【0014】上記一般式(I)で表されるケイ素含有官
能基を有するオレフィン性不飽和単量体の具体例として
は、ビニルトリメトキシシラン,ビニルトリクロロシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリアセトキシ
シラン,ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラ
ン,ビニルトリイソプロポキシシラン,ビニルトリフェ
ノキシシラン,ビニルメチルジクロロシラン,ビニルメ
チルジメトキシシラン,ビニルジメチルエトキシシラ
ン,ビニルジメチルジクロロシランなどのビニル基含有
シラン化合物、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジクロロ
シラン,3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシ
シランなどのメタクリロキシ基含有シラン化合物、3−
アクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリ
ロキシ基含有シラン化合物、アリルトリエトキシシラ
ン,3−アリルチオプロピルトリメトキシシシラン,ア
リルメチルジクロロシランなどのアリル基含有シラン化
合物などが挙げられる。
【0015】また、上記一般式(II),(III)で表され
るケイ素含有官能基を有するオレフィン性不飽和単量体
の具体例としては、3−(メタ)アクリルアミド−プロ
ピルトリメトキシシラン,3−(メタ)アクリルアミド
−プロピルトリエトキシシラン,3−(メタ)アクリル
アミド−プロピルトリ(β−メトキシエトキシ)シラ
ン,3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリ(N−
メチルアミノエトキシ)シラン,2−(メタ)アクリル
アミド−エチルトリメトキシシラン,1−(メタ)アク
リルアミド−メチルトリメトキシシラン,2−(メタ)
アクリルアミド−2−メチルトリメトキシシラン,2−
(メタ)アクリルアミド−イソプロピルトリメトキシシ
ランなどの(メタ)アクリルアミド−直鎖又は分岐アル
キルトリアルコキシシラン、N−〔2−(メタ)アクリ
ルアミド−エチル〕−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン,〔3−(メタ)アクリルアミド−プロピル〕−オキ
シプロピルトリメトキシシランなどの(メタ)アクリル
アミド−含窒素又は含酸素アルキルトリアルコキシシラ
ン、3−(メタ)アクリルアミド−プロピルトリアセト
キシシラン,2−(メタ)アクリルアミド−エチルトリ
アセトキシシラン,4−(メタ)アクリルアミド−ブチ
ルトリアセトキシシラン,3−(メタ)アクリルアミド
−プロピルトリプロピオニロキシシラン,2−(メタ)
アクリルアミド−2−メチルプロピルトリアセトキシシ
ラン,N−〔2−(メタ)アクリルアミド−エチル〕−
2−アミノプロピルトリアセトキシシランなどのアクリ
ルアミド−アルキルトリアシロキシシラン、3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルイソブチルジメトキシシ
ラン,2−(メタ)アクリルアミド−エチルジメチルメ
トキシシラン,3−(メタ)アクリルアミド−プロピル
オクチルジアセトキシシラン,1−(メタ)アクリルア
ミド−メチルフェニルジアセトキシシラン,3−(メ
タ)アクリルアミド−プロピルベンジルジエトキシシラ
ン,2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロピル
モノクロロジメトキシシラン,2−(メタ)アクリルア
ミド−2−メチルプロピルハイドロジメトキシシランな
どの(メタ)アクリルアミド−アルキルジ又はモノアル
コキシあるいはジ又はモノアシロキシシラン、3−〔N
−メチル−(メタ)アクリルアミド〕−プロピルトリメ
トキシシラン,2−〔N−エチル−(メタ)アクリルア
ミド〕−エチルトリアセトキシシランなどの〔N−アル
キル−(メタ)アクリルアミド〕−アルキルトリアルコ
キシ又はトリアシロキシシラン、N,N−ジ−トリメチ
ルシリル(メタ)アクリルアミドなどのN,N−ジ−ト
リアルキルシリル(メタ)アクリルアミドなとが挙げら
れる。
【0016】また、該方法において、ビニルエステルと
ケイ素含有官能基を有するオレフィン性不飽和単量体と
の共重合を行うに当たって、上記2成分以外に、かかる
単量体と共重合可能な他の不飽和単量体、例えば、スチ
レン,アルキルビニルエーテル,バーサチック酸ビニ
ル,(メタ)アクリルアミド,エチレン,プロピレン,
α−ヘキセン,α−オクテンなどのオレフィン、(メ
タ)アクリル酸,クロトン酸,(無水)マレイン酸,フ
マル酸,イタコン酸などの不飽和酸及びそのアルキルエ
ステルやアルカリ塩、2−アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸などのスルホン酸含有単量体及びそ
のアルカリ塩、トリメチル−3−(1−アクリルアミド
−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド,ト
リメチル−3−(1−アクリルアミドプロピル)アンモ
ニウムクロリド,1−ビニル−2−メチルイミダゾール
及びその四級化物などのカチオン性単量体などを少割合
で存在させることも可能である。
【0017】また、上記(3)のケイ素含有官能基を有
するメルカプタンの存在下で、ビニルエステルを重合さ
せることによって得られる末端にケイ素含有官能基を有
するポリビニルエステルをけん化する方法においては、
例えばビニルエステルをラジカル開始剤を用いて重合さ
せる際、ケイ素含有官能基を有するメルカプタンを重合
系に一括又は分割あるいは連続して添加し、重合系中に
ケイ素含有官能基を有するメルカプタンを存在させ、メ
ルカプタンへの連鎖移動によって末端にケイ素含有官能
基を有するポリビニルエステルを生成させたのち、アル
コールなどの適当な溶媒中にて、このポリビニルエステ
ルにアルカリ又は酸触媒に加えて、該ポリビニルエステ
ルをけん化することによって、ケイ素含有官能基を有す
る変性ポリビニルアルコールを得ることができる。該方
法において用いられるケイ素含有官能基を有するメルカ
プタンとしては、例えば3(−トリメトキシシリル)−
プロピルメルカプタン,3(−トリエトキシシリル)−
プロピルメルカプタンなどが挙げられる。この方法で変
性ポリビニルアルコールを製造するに当たっては、上記
(2)の方法で説明したビニルエステルと共重合可能な
不飽和単量体を少割合で存在させることも可能である。
【0018】本発明において用いられる分子内にケイ素
含有官能基を有する変性ポリビニルアルコールの製造方
法としては、上記の3つの方法の中で、(2)のビニル
エステルとケイ素含有官能基を有するオレフィン性不飽
和単量体との共重合体をけん化する方法、及び(3)の
ケイ素含有官能基を有するメルカプタンの存在下でビニ
ルエステルを重合させて得られる末端にケイ素含有官能
基を有するポリビニルエステルをけん化する方法が、工
業的製造の容易性及び得られる変性ポリビニルアルコー
ルの均質性の点で好ましく用いられる。
【0019】本発明において、ケイ素含有官能基0.01
〜10モル%を有する変性ポリビニルアセタール樹脂の
原料として用いられるケイ素含有官能基を有する変性ポ
リビニルアルコール中のけん化度及び重合度については
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択される。ケイ素
含有官能基の含有量は比較的少量の含有量でも効果が発
揮されるが、本発明においては、ケイ素含有官能基を含
む単量体単位として0.01〜10モル%、好ましくは0.
1〜2.5モル%の範囲で選ばれる。この含有量が0.01
モル%未満では本発明の効果が充分に発揮されない。け
ん化度は通常70〜100モル%の範囲が好ましい。ま
た、重合度は、通常100〜5000、好ましくは30
0〜4000、さらに好ましくは500〜3000の範
囲で選ばれる。この重合度が100未満ではセメント混
和剤としての効果が発揮されない場合があり、5000
を超える場合には特殊なポリビニルアルコールの製造方
法が必要となることがあり、ポリビニルアルコールの供
給の点から実用的でない。
【0020】このようにして得られたケイ素含有官能基
を有する変性ポリビニルアルコールは、次にアセタール
化され、ポリビニルアセタール樹脂とされる。このポリ
ビニルアセタール樹脂の中では、ポリビニルブチラール
樹脂が、本発明の目的に好適である。アセタール化は、
従来のポリビニルアセタール樹脂の製造方法と同様にし
て実施される。以上は、ケイ素含有官能基を有する変性
ポリビニルアルコールを製造したのち、これをアセター
ル化する方法を中心に述べたが、ケイ素含有官能基を有
する変性ポリビニルアルコールの製造途中のけん化工程
において、けん化反応とアセタール化を同時に実施して
も本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂を得ることが
できる。このアセタール化は、通常5〜80モル%の範
囲で選ばれる。変性ポリビニルアセタール樹脂を水に溶
解させて使用する場合は、アセタール化度を約5〜15
モル%に低下させることが好ましく、該樹脂を粉末状で
用いる場合は、上記の範囲で目的に応じて適宜選択され
る。
【0021】本発明における分子内にケイ素含有官能基
を有する変性ポリビニルアセタール樹脂としては、特
に、ビニルエステルと分子内にケイ素含有官能基を有す
るオレフィン性不飽和単量体との共重合体をけん化及び
アセタール化して得られたものが好適である。そして、
該分子内にケイ素含有官能基を有するオレフィン性不飽
和単量体としては、ビニルアルコキシシラン及び(メ
タ)アクリルアミド−アルキルアルコキシシランが好ま
しい。本発明において用いられる上記ケイ素含有官能基
を有する変性ポリビニルアセタール樹脂を水に溶解する
に当たっては、通常該変性ポリビニルアセタール樹脂を
水に分散後、場合によっては水酸化ナトリウムなどのア
ルカリを添加し、攪拌しながら、加温することによって
均一な水溶液を得ることができる。
【0022】本発明のセメント混和剤は、セメント及び
必要に応じて細骨材又は骨材など(例えば砂,砂利な
ど)を加えたものに混合することによって使用される。
本発明において、上記変性ポリビニルアセタール樹脂か
らなるセメント混和剤の添加量は、セメントに対して0.
01〜30重量%、特に0.05〜10重量%の範囲が好
ましい。この量が0.01重量%未満では添加しない場合
と実質的に同じで効果がみられず、30重量%を超える
とその量の割には効果の向上は認められず、むしろセメ
ントとの流動性が悪化する傾向がみられることがある。
また、添加方法としては、該変性ポリビニルアセタール
樹脂の微粉末を用いるのが、作業性の点から最も便利で
あるが、水溶液を添加する方法も用いることができる。
本発明の変性ポリビニルアセタール樹脂は、単独で使用
しても高い効果を発揮するが、他の混和剤、例えば高分
子エマルジョン又はラテックス,ポリビニルアルコー
ル,変性ポリビニルアルコール、あるいはセルロース誘
導体などを併用することもさしつかえなく、目的によっ
ては、併用により良好な結果が得られる。
【0023】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。 実施例1 ビニルトリメトキシシラン単位0.4モル%と酢酸ビニル
単位99.6モル%とからなる共重合体をけん化すること
により、ケイ素含有官能基をビニルシラン単位として0.
4モル%含有し、酢酸ビニル単位のけん化度が98.1モ
ル%,重合度1800のケイ素含有官能基を有する変性
ポリビニルアルコールを得た。次に、この変性ポリビニ
ルアルコール10重量部を水90重量部に入れ、攪拌下
で加熱溶解したのち、40℃まで冷却した。40℃で攪
拌しながら35重量%濃度の濃塩酸6.5重量部を添加
し、さらにブチルアルデヒド3.0重量部を加えると変性
ポリビニルブチラールの白色沈澱が生成した。40℃で
さらに4時間熟成を行ったのち、反応を終了し、樹脂を
中和,水洗して、ブチラール化度31モル%,ケイ素含
有官能基をビニルシラン単位として0.4モル%含有する
変性ポリビニルブチラール樹脂を得た。
【0024】この変性ポリビニルブチラール樹脂の微粉
末を、ポルトランドセメント100重量部及び豊浦標準
砂300重量部の混合物に対して0.5重量部を添加し、
さらにモルタルのフロー値が170になるように水65
重量部を加えて混練したのち、JIS R−5201
「セメントの物理試験法」に準じて成形し、4週間標準
状態(20℃,65%RH)で養生後強度を測定した。
また、これを水中に浸漬してセメントからの水酸化カル
シウムの溶出の有無を測定した。
【0025】さらに、混練後のモルタルを20分後に予
め製造したモルタル板(セメント−砂が重量比1:2の
4週間養成したもの、40×40mm)に厚さ3mmの
厚さになるように塗り、ただちにスレート板を貼り合わ
せた。4週間標準状態で養生後、測定用治具を使用し、
オートクラブで引張速度1mm/分で接着力を測定し
た。測定結果を第1表に示す。
【0026】比較例1〜3 実施例1における変性ポリビニルブチラール樹脂を用い
ない場合(比較例1)、変性しないポリビニルアルコー
ル(けん化度90モル%,重合度1800)を用いた場
合(比較例2)及び変性していないポリビニルブチラー
ル樹脂(けん化度90モル%,ブチラール化度34モル
%,重合度1800)を用いた場合(比較例3)につい
て、実施例1と同様に測定を実施した。その結果を第1
表に示す。第1表から、分子内にケイ素含有官能基を有
する本発明の変性ポリビニルブチラール樹脂を用いたも
のでは(実施例1)、各比較例に比べ、モルタルの強度
及び接着力が著しく優れるとともに、水酸化カルシウム
溶出が著しく小さいことが分かる。
【0027】
【表1】
【0028】注1)JIS R−5201による。 2)セメント100重量部をpH6.5の水道水100重
量部中に1週間浸漬した際の水のpHである。pHが高
いほど溶出が大であることを示す。
【0029】実施例2〜4 実施例1で用いた変性ポリビニルブチラール樹脂に代え
て、下記に示す変性ポリビニルブチラール樹脂を用いた
以外は、実施例1と同様に行った。結果を第2表に示
す。いずれも強度及び接着力が高いことが分かる。実施例2で用いた変性ポリビニルブチラール樹脂 3−アクリルアミド−プロピルトリエトキシシランと酢
酸ビニルとの共重合体をけん化して得られるケイ素含有
官能基とアクリルアミド単位として0.2モル%含有し、
酢酸ビニル単位のけん化度93モル%,重合度165
0,ブチラール化度61モル%の変性ポリビニルブチラ
ール樹脂。実施例3で用いた変性ポリビニルブチラール樹脂 3−トリメトキシシリルプロピルメルカプタンの存在下
に、酢酸ビニルを重合して得られる末端にケイ素含有官
能基を有する変性ポリ酢酸ビニルをけん化して得られる
ケイ素含有官能基単位2モル%を含有し、酢酸ビニル単
位のけん化度99.0モル%,重合度60,ブチラール化
度14モル%の変性ポリビニルブチラール樹脂の10重
量%水溶液。実施例4で用いた変性ポリビニルブチラール樹脂 ビニルトリアセトキシシランと酢酸ビニルとの共重合体
をけん化して得られるケイ素含有官能基をビニルシラン
単位として0.3モル%含有し、酢酸ビニル単位のけん化
度が98.7モル%,重合度2000,ブチラール化度2
9モル%の変性ポリビニルブチラール樹脂。
【0030】
【表2】
【0031】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、本発明
のセメント混和剤は曲げ強度,圧縮強度,耐摩耗性(表
面強度)などの機械的強度に優れ、かつ被着体に対する
接着力の高いセメント組成物を与えることができる。本
発明の混和剤がこのような顕著な性能を有する理由につ
いては必ずしも明確ではないが、次のことが推定され
る。すなわち、分子内にケイ素含有官能基を有する変性
ポリビニルアセタール樹脂中の該ケイ素含有官能基は、
セメント成分であるケイ酸カルシウム化合物あるいは骨
材との反応性が高く、セメントの結晶粒子と骨材とを強
固に結合させるとともに、変性ポリビニルアセタール樹
脂の保水性によって、セメントからの遊離水の表面への
移行を抑制し、さらに遊離水中に多く含まれる水酸化カ
ルシウムと変性ポリビニルアセタール樹脂中のケイ素含
有官能基とが反応することによって、セメント表面に水
酸化カルシウムを主な成分とする弱い層(レイタンス
層)の形成を抑制することによって、上記のような顕著
な性能が発揮されるものと推定される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子内にケイ素含有官能基0.01〜10
    モル%を含有する変性ポリビニルアセタール樹脂からな
    るセメント混和剤。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6756442B2 (en) 2001-08-16 2004-06-29 Wacker Polymer Systems Gmbh & Co. Kg Silane-modified polyvinyl acetals
US6794477B2 (en) 2001-08-16 2004-09-21 Wacker Polymer Systems Gmbh & Co. Kg Silane-modified polyvinyl acetals
US7368515B2 (en) 2002-07-25 2008-05-06 Wacker Polymer Systems Gmbh & Co. Kg Polyvinyl alcohols and polyvinyl acetals containing silane
JP2014095059A (ja) * 2012-11-12 2014-05-22 Kuraray Co Ltd 無機物用バインダー
JP2016117596A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社日本触媒 セメント混和剤用ポリマー、セメント混和剤、およびセメント組成物

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