JP3962248B2 - セメントモルタル用高分子エマルジョン及びセメントモルタル組成物 - Google Patents

セメントモルタル用高分子エマルジョン及びセメントモルタル組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントモルタル用高分子エマルジョン及び該高分子エマルジョンを配合したセメントモルタル組成物に関するものである。更に詳しくは本発明の合成高分子エマルジョンは、これをセメントモルタル組成物に配合することにより、ベタ付き感がなく、下地素材との接着強度、防水性能、柔軟性等に優れ、かつこれらの耐久性を高めることが可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より水和凝固型の防水用セメントモルタル組成物(以下モルタル組成物という)としては、セメント・骨材に粉末樹脂や合成高分子エマルジョンを添加したものが知られている。
例えば、特開平10−53452号公報では、粉末樹脂として水と練るだけで再乳化するオレフィン系粉末樹脂を使用しているが、この粉末樹脂は再乳化速度が遅く、均一分散が難しい。そのため比較的厚膜に施工すると乾燥収縮に伴う内部歪みが大きく良好な塗膜が得られない問題がある。
合成高分子エマルジョンとしてエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンを用いる技術も従来より知られている。例えば、特公昭47−33054号公報では、酢酸ビニル成分の含有量60〜90質量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンがセメントに対し樹脂固形分として2〜40重量%の割合で混入したセメント組成物が開示されている。また、特開昭55−56050号公報には、アニオン系界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を粒子安定剤として得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンをセメント混和剤として用いることが開示されている。特開昭64−61338号公報には、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子と特定のHLBのノニオン系界面活性剤とを安定化剤とするエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョンをセメント混和剤として用いることが開示されている。
【0003】
しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体は単独では伸度が小さく、これを配合したモルタル組成物は特に低温時の伸びが小さい欠点があるうえ、長期耐久性にも劣る。
また、特開平9−87061号公報では、ノニオン系界面活性剤を乳化剤に用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンにアクリル樹脂エマルジョンを混合し更にアルミン酸石灰を配合してなる塗装用組成物が提案されている。しかし、ノニオン系界面活性剤を乳化剤としたエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂エマルジョンは乾燥が遅く、アルミン酸石灰を主成分とするアルミナセメント以外の普通ポルトランドセメントなどにおいては、工期短縮には対応できず、また乳化剤に起因する塗膜のベタ付き感が大きい上に、エフロ(白華)の発生も大きいという欠点を有している。また、エマルジョン固形分に対してアルミン酸石灰が30〜100重量%であり、強度も十分とは言えない。
【0004】
柔軟性の改良として、エチレン−酢酸ビニル系に第三成分として各種のビニルエステルを共重合させたものが提案されている。例えば、特公昭52−25406号公報では、エチレン含有量5〜17重量%、炭素数が9〜10の分岐脂肪酸ビニルエステル含有量が2〜30重量%、酢酸ビニル含有量が95〜53重量%の範囲内にあって、かつガラス転移温度(Tg)が−15℃〜15℃の範囲内にある共重合体の水性エマルジョンをセメント及び必要に応じて充填剤及び水と混練してなるセメント組成物が開示されている。また、特公昭55−19912号公報では、保護コロイドとして数平均分子量300〜2700、平均ケン化度75〜97%のポリビニルアルコールを用いたエチレン含有量12〜30重量%、第三級脂肪族モノカルボン酸エステル含有量が0.5〜30重量%、及び残部が第一脂肪族モノカルボン酸ビニルエステルからなる共重合体分散液を、セメントに対して樹脂固形分として5〜30重量%の割合で混入して得られるセメントモルタル組成物が開示されている。
かかる第三成分として各種のビニルエステルを用いた場合、クラックへの追随性をかなり改善することが可能であるが、長期の場合、柔軟性が低下し、クラックへの追随性が悪くなるという大きな問題点がある。
【0005】
また、特公平01−126251号公報では、エチレン含有量5〜30重量%、炭素数が9〜11の第三級脂肪族ビニルエステル含有量が30〜65重量%、酢酸ビニル含有量が15〜55重量%からなる共重合体エマルジョンを、セメント100質量部に対して、樹脂固形分として40〜150質量部の割合で混入して得られるセメント組成物が開示されている。しかし、かかるセメント組成物は柔軟性は改良されるものの、強度低下が大きく、更に高価な第三級脂肪族ビニルエステルを多量に使用するため、セメント組成物の価格が高くなり、経済的な問題が大きい。また、耐エフロ性が悪く、ベタ付き感があり短期施工に耐えることが出来ない。
また、特公昭54−27370号公報には、保護コロイドであるヒドロキシエチルセルロース、もしくはこれと少量の乳化剤を併用し、エチレンと酢酸ビニル等の飽和モノカルボン酸ビニルエステルを共重合し、得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体等のエマルジョンをセメント混和剤として用いることが示されている。しかしながら、このような一括仕込みで合成した単独の高分子エマルジョンを用いたモルタル組成物では、長期の耐久性が十分とはいえない。
一方、本出願人らは既に特公平05−45539号公報で、特定のアクリル系高分子エマルジョンが、クラック追随性、下地素材との接着性が改善できることを示したが、柔軟性、塗膜強度、接着性の面で実用上さらに改良の余地が残されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は従来のモルタル組成物が種々の欠点があることに鑑み、塗膜強度を損なうことなく、ベタ付き感がなく、伸度、耐エフロ性に優れ、かつ長期耐久性に優れたモルタル組成物及びこの組成物に配合される高分子エマルジョンを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、保護コロイドを乳化剤とする特定の高分子エマルジョンにノニオン系界面活性剤を乳化剤とする特定の高分子エマルジョンを配合することにより、上記の課題が解決できることを見出し本発明に至った。
即ち、本発明は以下の各項からなる。
(1) 保護コロイドにより乳化重合したエチレン−ビニルエステル系高分子エマルジョン(A成分)を主成分とし、これにノニオン系界面活性剤により乳化重合したエチレン−ビニルエステル系高分子エマルジョン(B成分)及び/またはアクリル系高分子エマルジョン(C成分)を配合したセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(2) 上記保護コロイドが、ポリビニルアルコールにより形成されたものである上記(1)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(3) 上記A成分が、エチレンと酢酸ビニルと酢酸ビニル以外のビニルエステルとの共重合体高分子エマルジョンである上記(1)または(2)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(4) 上記前記共重合体が、エチレン10〜35質量%、酢酸ビニル35〜85質量%、酢酸ビニル以外のビニルエステル5〜30質量%を共重合させたものである上記(3)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
【0008】
(5) 上記酢酸ビニル以外のビニルエステルが、バーサチック酸ビニルである上記(3)または(4)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(6) 上記バーサチック酸ビニルの炭素数が10または11である上記(5)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(7) 上記A成分のガラス転移温度が、−50℃〜10℃の範囲である上記(1)〜(6)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(8) 上記B成分が、エチレン−酢酸ビニル共重合体高分子エマルジョンである上記(1)〜(7)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(9) 上記C成分が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体または共重合体の高分子エマルジョンである上記(1)〜(8)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
【0009】
(10) 上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体または共重合体が、次の(イ)〜(ニ)の共重合体である上記(9)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(イ) 炭素数4〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル
(ロ) アクリロニトリル及び/またはスチレン
(ハ) アクリル酸及び/またはメタクリル酸
(ニ) 2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートのうち1種類以上
(11) 上記(イ)〜(ニ)の組成が、(イ)55〜90質量%、(ロ)5〜40質量%、(ハ)0.5〜10質量%、(ニ)0.9〜10質量%である上記(10)に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(12) 上記B成分及びC成分のガラス転移温度が−60℃〜0℃の範囲である上記(1)〜(11)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(13) 上記A成分、B成分、C成分が、樹脂固形分で、A成分100質量部に対し、B成分及び/またはC成分(A成分及びB成分併用の場合は合計量)が2〜30質量部である上記(1)〜(12)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
(14) セメント物質と骨材の混合物に上記(1)〜(13)のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョンを配合してなるセメントモルタル組成物。
(15) 上記セメント物質と骨材の混合物が100質量部、セメントモルタル用高分子エマルジョンが樹脂固形分で30〜70質量部である上記(14)に記載のセメントモルタル組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、乳化重合によりエチレン−ビニルエステル系エマルジョン(A成分という)を得る際に用いられる保護コロイドとしてはポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセルローズ等の水溶性高分子が適するが、なかでもポリビニルアルコールが好ましい。水溶性高分子の使用量は重合するモノマーの合計量100質量部に対し、一般的には1〜8質量部が適当である。エチレン−ビニルエステル系エマルジョンは界面活性剤を用いて製造することもできるが、本発明において主成分をなすエチレン−ビニルエステル系エマルジョンとしては保護コロイドにより製造したものの方が、界面活性剤を用いて製造したものよりモルタルの作業性、特にレベリング性に優れている。
A成分の重合に用いられるビニルエステル系化合物としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カロン酸ビニル、イソノナン酸ビニル、オレイン酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられる。またこれらは2種以上用いてもよい。特に伸度を高めるためにはエチレンと酢酸ビニルと酢酸ビニル以外のビニルエステルとの共重合体が好ましい。そしてこの場合のビニルエステルとしてはバーサチック酸ビニルが特に好ましい。
【0011】
本発明においてA成分の重合に用いられるエチレンとビニルエステルの割合はエチレンが少なすぎると耐久性、伸度が低下し、逆に多すぎると塗膜強度が低下するので、エチレン10〜35質量%、ビニルエステル90〜65質量%が好ましい。またビニルエステルとして酢酸ビニルとバーサチック酸ビニル等の酢酸ビニル以外のビニルエステルの2種を用いる場合は、エチレン10〜35質量%、酢酸ビニル35〜85質量%、酢酸ビニル以外のビニルエステル5〜30質量%が好ましい。エチレンの量の限定理由は上記と同様であるが、酢酸ビニル以外のビニルエステルについては、5質量%未満の共重合体を使用したモルタル組成物の塗膜(以下単に塗膜という)の伸度が十分でなく、また30質量%を越えるとコストアップになるばかりか塗膜にベタ付き感がある。
本発明においてA成分のガラス転移温度(Tg)は−50℃〜10℃の範囲であることが好ましい。Tgが−50℃より低い場合は塗膜強度が低下し、ベタ付き感が起こり易い。また10℃を越えると低温における塗膜伸度が低下する。A成分の共重合体がエチレン−酢酸ビニル−バーサチック酸ビニルからなる場合、バーサチック酸ビニルは炭素数が10または11のものが好ましい。炭素数が10未満ではTgが高く、伸度が下がり、また11を越えると塗膜にベタ付き感が発生することがある。
【0012】
本発明におけるB成分はノニオン系界面活性剤を安定化剤として乳化重合したエチレン−ビニルエステル系エマルジョンである。この重合体としてはエチレン−酢酸ビニル、エチレン−プロピオン酸ビニル、エチレン−ピバリン酸ビニル等重合方法は異なるが、成分としては前記したA成分と同じものが使用できる。ただし、コストの面からエチレン−酢酸ビニルが好ましい。
本発明におけるC成分はノニオン系界面活性剤を用いて乳化重合したアクリル系高分子エマルジョンである。アクリル系高分子としては(メタ)アクリル酸(アクリル酸またはメタアクリル酸)重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、アクリロニトリル重合体等及び共重合体を挙げることができる。共重合体では好ましい例として(イ)炭素数4〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル、(ロ)アクリロニトリル及び/またはスチレン、(ハ)アクリル酸及び/またはメタクリル酸、(ニ)2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートのうち1種類以上の共重合体を挙げることができる。その組成割合は好ましくは(イ)55〜90質量%、(ロ)5〜40質量%、(ハ)0.5〜10質量%、(ニ)0.9〜10質量%である。
上記B成分及びC成分はイオン系界面活性剤を用いて乳化重合することも可能であるが、A成分に混合した場合は塗膜の強度、伸び、耐久性等の性能改良が十分でない。
【0013】
上記B成分及びC成分のエマルジョンを合成する際に使用されるノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。ノニオン系界面活性剤の使用量は、原料であるモノマーの合計量100質量部に対し、1〜6質量部用いるのが好適である。1質量部未満では、モノマーを充分安定に分散することが難しく、6質量部を越えると十分な塗膜強度が得られない。
B成分及びC成分のガラス転移温度は−60℃〜0℃であることが好ましい。ガラス転移温度が0℃より高い場合は、低温における塗膜伸度が低下し、−60℃より低い場合は塗膜強度は低下しベタ付き感が生じ易くなる。
【0014】
本発明はA成分を主成分とし、これにB成分及び/またはC成分を配合したエマルジョンである。この配合によりセメントの混和性が向上し、塗膜のベタ付き感が生ぜず、更に塗膜強度を損なうことなく伸度が発現し、特に長期の耐久性が改善できる。A成分とB成分及び/またはC成分の配合量は、A成分が主成分、即ち50質量%を超える量、B成分及び/またはC成分(B成分及びC成分併用の場合はその合計量)は50質量%未満である。これらの成分量はいずれも樹脂固形分で表す(以下同じ)。B成分及び/またはC成分が50質量%以上では塗膜の柔軟性が低下し、特に伸度が悪くなる。またB成分及び/またはC成分が少な過ぎると長期の耐久性の改善が十分でない。好ましい配合量はA成分100質量部に対し、B成分及び/またはC成分が2〜30質量部である。
本発明はA成分にB成分及び/またはC成分を配合することにより上記のような効果を有する。その作用については定かではないが、水分が蒸散した後のポリビニルアルコールで表面を覆われているA成分単独のエマルジョン粒子同士の互着による塗膜よりは、粒子間にノニオン界面活性剤で表面を覆われているB成分及び/またはC成分のエマルジョン粒子が介在することで、得られる塗膜の長期耐久性を改善しているものと推測される。
【0015】
A成分とB成分及び/またはC成分の混合は、通常のエマルジョンを合成できる撹拌機付き装置であれば良く、混合時間は5〜60分間でよい。本発明の重合時に用いられる乳化重合触媒は、酸化剤系触媒及び還元剤系触媒であり、還元剤系触媒としては、アスコルビン酸、微量の遷移金属塩を併用した酒石酸、酒石酸塩、重亜硫酸ソーダ、ロンガリット等があげられる。また、酸化剤系触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウムのような過硫酸塩化合物、過酸化水素等があげられる。
また、A成分、B成分及び/またはC成分の合成時またはA成分とB成分及び/またはC成分の混合時に皮張り防止剤等の添加剤を使用することが可能である。皮張り防止剤としては、アクリルアミド等があげられる。
【0016】
使用される合成高分子エマルジョンの量は、セメント物質と骨材のセメント混合物100質量部に対して樹脂固形分として、30〜70質量部である。好ましくは、30〜50質量部であり更に好ましくは35〜45質量部である。30質量部未満では、塗膜の十分な柔軟性、伸度が得られない。一方、70質量部を超える量では十分な塗膜強度が得られない。
セメント物質としては普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、もしくは白色ポルトランドセメント等の使用が可能であり、また中庸熱セメント・高炉セメントやアルミナセメント、超速硬セメントが使用できる。本発明のモルタル組成物から得られる塗膜の厚みは、その使用から通常0.5〜3mmであるため、骨材としては通常珪砂の3号〜8号が用いられる。
【0017】
本発明のモルタル組成物としては上記のものの他に、更に弾性的性質、伸度、強度、美観などを高めるために、少量の活性シリカ粉、高炉スラグ粉、炭酸カルシウム粉、撥水剤、消泡剤、顔料等を性能を低下させない程度に添加することが可能である。
かくして得られたモルタル組成物は安価でセメント混和性が良好で耐エフロ性に優れ、ベタ付き感が生ぜず、更に塗膜強度を損なうことなく伸度が良好で短期施工に耐えうる防水塗膜を得ることができる。
【0018】
【実施例】
本発明の効果を明瞭にするために実施例をあげ説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
1. セメント物質及び骨材
使用した粉体の組成を表1に示した。
【0019】
【表1】
Figure 0003962248
【0020】
2. 使用した合成高分子エマルジョン
1) A成分の合成
(A−1)
内容積60Lのいかり型撹拌機を備えたステンレス製溶解釜に水 7100.0g、PVA(重合度600、鹸化度88%)390.0g、皮張り防止剤としてアクリルアミド200.0g、pH調整剤として酢酸ソーダ15.5gを仕込み、80℃で2時間撹拌溶解し、均一な水溶液とした。続いて均一な水溶液を30℃以下に冷却した。更に上記水溶液に酢酸ビニル6000gと炭素数10のバーサチック酸ビニル(VV−10)1000gを撹拌しながら徐々に添加し、モノマーの乳化液を得た後、還元剤であるアスコルビン酸 10.5gを水に加えて溶かしたものを加えた。
このモノマー乳化液を、内容積30Lのいかり型撹拌機を備えたステンレス製オートクレーブに仕込み、続いてオートクレーブ内の空気を窒素及びエチレンで充分置換した後撹拌下、モノマー乳化液を60℃に昇温すると共にエチレン圧を4.90MPaに昇圧した後、温度を60℃、エチレン圧を4.90MPaにコントロールしながら、過酸化水素を添加して、1時間重合した。その後、酢酸ビニルモノマー2400gとバーサチック酸ビニル400gを7時間にわたって均一に添加し重合を行った。またこの際重合触媒として0.8質量%水溶液の過酸化水素2000gを重合の最初より10時間にわたって、均一に滴下した。
得られたエマルジョンの樹脂固形分濃度は56.1質量%であった。また、エマルジョンから得られたフィルムのガラス転移温度を示差走査熱量計(DSC)により測定した結果、−25℃であった。
【0021】
(A−2)
A−1におけるVV−10をすべて炭素数11のバーサチック酸ビニル(VV−11)(量は同じ)に、更にエチレン圧を3.43MPaに代えた以外はA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
(A−3)
A−1における初期の仕込みのVV−10の1000gをオレイン酸ビニル900gに、更に追添のVV−10の400gをオレイン酸ビニル350gに代えた以外はA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
(A−4)
A−1におけるVV−10のすべてをプロピオン酸ビニル(初期仕込み1000g、追添400g)に代えた以外はA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
比較例
(A−5)
A−1のPVA390.0gをポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノイゲンYX−500ノニオン系乳化剤 第一工業製薬製)200gに代えた以外はA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
以上のA成分のエマルジョンを表2に示す。
【0022】
【表2】
Figure 0003962248
【0023】
2)B成分及びC成分の合成
(B−1)
A−1のVV−10を全て酢酸ビニルに(したがって、初期の仕込みの酢酸ビニル7000g、同追添を2800g)、更にPVAをノニオン系界面活性剤ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノイゲンYX−500ノニオン系乳化剤 第一工業製薬製)390gに全て置き換えてA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
(C−1)
攪拌機、冷却機、温度計を備えた20Lの反応器中にイオン交換水2740gとピロリン酸ソーダ60g及び前記のノイゲンYX−500の80gを仕込み反応器の内温を80℃に昇温する。次に予め準備した2−エチルヘキシルアクリレート8200g、アクリロニトリル2000g、2−ヒドロキシエチルアクリレート200g、メタクリル酸100gのモノマー混合液を、イオン交換水5640gにノイゲンYX−500の720gを溶解したノニオン系乳化剤溶液中に乳化したモノマーエマルジョン16920gのうち1600gを反応器中に加え、続いて過硫酸アンモニウム20gをイオン交換水100gに溶解した開始剤水溶液を加えプレ反応を行う。プレ反応10分後、残りのモノマーエマルジョンを反応器の内温83〜85℃に制御して4時間にわたり均一添加しエマルジョン重合を行う。
これとは別に過硫酸アンモニウム24gをイオン交換水100gに溶解した開始剤水溶液をモノマーエマルジョン滴下開始2時間後から滴下終了時まで均一に滴下する。モノマーエマルジョン滴下終了後83〜85℃で1時間熟成を行い、室温まで冷却し23〜28質量%のアンモニア水60gを加えた。
(C−2)
アクリロニトリル2000gをスチレン2000gに変更した以外はC−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
【0024】
比較例
(B−2)
A−1のVV−10を全て酢酸ビニルに全て置き換えてA−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
(C−3)
C−1のノイゲンXY−500を全てポリビニルアルコール(重合度600、鹸化度88%)に置き換えてC−1と同じ方法でエマルジョンを調製した。
以上のB成分及びC成分のエマルジョンを表3に示す。
【0025】
【表3】
Figure 0003962248
【0026】
3) 合成高分子エマルジョンの混合
(AB−1)
内容積30Lのいかり型撹拌機を備えたステンレス製溶解釜にPVA系エマルジョン(A−1)を13.5kg、乳化剤系エマルジョン(B−1)を1.5kgを仕込み約30分間撹拌し、合成高分子エマルジョン(AB−1)を得た。得られたエマルジョンの濃度は56.1質量%であった。
(AB−2〜10)
A成分及びB成分を表4に記載された量で、(AB−1)と同様の方法で混合した。得られたエマルジョンの濃度を表4に示した。
【0027】
Figure 0003962248
【0028】
3. モルタル組成物
1.で得られた粉体及び2.で得られた合成高分子エマルジョンを、表5の配合組成で混合し、練混ぜはJIS R 5201(セメントの物理試験方法)により機械練り用練混ぜ機を用いて行った。尚、練混ぜ時間は合成高分子エマルジョンを先に入れ、粉体を投入後約30秒間低速で行い、次に高速にして全体で3分間混練りした。そのモルタル組成物を表5に示す。
【0029】
Figure 0003962248
【0030】
4. 評価試験
粉体及び合成高分子エマルジョンから得られたモルタル組成物について、以下の評価試験を行った。数値はすべてN=3の平均値である。
4−1. 引張強度と伸度
平滑な板上にポリエステル製フィルムを平滑に貼り、モルタル組成物を2.0kg/m2塗布して、硬化後ポリエステル製フィルムから剥離して、シート状に成型したものからJIS K6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定するダンベル状2号形試験体を作製した。
本試験体は、温度20℃、湿度65%RHの気中で28日間養生を行ってから測定を行った。尚、この試験方法はJIS A6008(合成高分子系ルーフィングシート)に準拠した。測定温度は20℃と−10℃である。
【0031】
4−2. 接着強度及びベタ付き感
試験体はJIS A6916(建築用下地調整塗材)の6.3(3)試験用基板に規定されるモルタル板を用いて作成した。試験用基板の上に、モルタル組成物を2.0kg/m塗布して、温度20℃、湿度65%RHの気中で28日間養生を行ってから測定を行った。尚、この試験方法はJIS A6916に準拠した。
ベタ付き感は上記の28日間養生を行った塗膜の表面を指触により観察した。
【0032】
4−3. 透水性
JIS A1404の成型板(40t×150φmm)にモルタル組成物を2.0kg/m2塗布して、温度20℃、湿度65%RHの気中で28日間養生を行ってから測定を行った。尚、この試験方法はJIS A1404(建築用セメント防水材の試験方法)に準拠し、0.29MPa(3kgf/cm2)の水圧を1時間かけた後、以下の計算式で算出した。
透水量=W2−W1
W1:透水試験を実施する前の質量 (g)
W2:透水試験を実施した後の質量 (g)
【0033】
4−4. 促進耐候性
1−1と同様の方法で作製及び養生したダンベル状2号形試験体を用いた。
得られた試験体を、スガ試験機社製WE-SUN-HC型サンシャインウエザオメーターに設置し、1000時間試験後、4−1と同様に伸度の測定を行った。
4−5. 屋外暴露
1−1と同様の方法で作製及び養生したダンベル状2号形試験体を用いた。
得られた試験体を、屋上に南向き45度の角度で設置し、3000時間試験後、試験体の表面観察を行った後、4−1と同様に伸度の測定を行った。
5. 結果
各実施例及び参考例、比較例の評価結果を表6にまとめた。
表6の実施例によれば、モルタル組成物は引張強度、接着強度が1.5N/mm2以上、伸度(20℃)が100%以上、伸度(−10℃)が10%以上、透水性が0.3g以下、促進耐候性、屋外暴露後の伸度が100%以上となり、各特性のバランスがとれている。
【0034】
【表6】
Figure 0003962248
【0035】
【発明の効果】
本発明のモルタル組成物は、セメント混和性が向上し、塗膜強度を損なうことがない上に、ベタ付き感がなく、伸度、耐エフロ性に優れ、かつ長期耐久性に優れている。

Claims (13)

  1. 重合するモノマーの合計量100質量部に対し、1〜8質量部の保護コロイドにより乳化重合したエチレン10〜35質量%、ビニルエステル90〜65質量%のエチレン−ビニルエステル系高分子エマルジョン(A成分)に、原料モノマーの合計量100質量部に対し、1〜6質量部のノニオン系界面活性剤により乳化重合したアクリル系高分子エマルジョン(C成分)を、樹脂固形分でA成分が100質量部に対し、2〜30質量部を配合したセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  2. 上記保護コロイドが、ポリビニルアルコールにより形成されたものである請求項1に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  3. 上記A成分が、エチレンと酢酸ビニルと酢酸ビニル以外のビニルエステルとの共重合体高分子エマルジョンである請求項1または2に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  4. 上記共重合体が、エチレン10〜35質量%、酢酸ビニル35〜85質量%、酢酸ビニル以外のビニルエステル5〜30質量%を共重合させたものである請求項3に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  5. 上記酢酸ビニル以外のビニルエステルが、バーサチック酸ビニルである請求項3または4に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  6. 上記バーサチック酸ビニルの炭素数が10または11である請求項5に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  7. 上記A成分のガラス転移温度が、−50℃〜10℃の範囲である請求項1〜6のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  8. 上記C成分が、(メタ)アクリル酸エステル系重合体または共重合体の高分子エマルジョンである請求項1〜7のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  9. 上記(メタ)アクリル酸エステル系重合体または共重合体が、次の(イ)〜(ニ)の共重合体である請求項8に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
    (イ) 炭素数4〜8のアルキル基を持つアクリル酸アルキルエステル
    (ロ) アクリロニトリル及び/またはスチレン
    (ハ) アクリル酸及び/またはメタクリル酸
    (ニ) 2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレートのうち1種類以上
  10. 上記(イ)〜(二)の組成が、(イ)55〜90質量%、(ロ)5〜40質量%、(ハ)0.5〜10質量%、(ニ)0.9〜10質量%である請求項9に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  11. 上記C成分のガラス転移温度が−60℃〜0℃の範囲である請求項1〜10のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョン。
  12. セメント物質と骨材の混合物に上記請求項1〜11のいずれか1項に記載のセメントモルタル用高分子エマルジョンを配合してなるセメントモルタル組成物。
  13. 上記セメント物質と骨材の混合物が100質量部、セメントモルタル用高分子エマルジョンが樹脂固形分で30〜70質量部である請求項12に記載のセメントモルタル組成物。
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