JP6113495B2 - 表面処理材 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な表面処理材に関するものである。
従来、建築物の仕上げとしては、建築物の床、壁、天井、柱、梁等を構成する主な材料であるコンクリート、モルタル、ALC板、PC板、珪酸カルシウム板、プラスター等の無機質基材、あるいは断熱材としてのスチレンフォーム板、ウレタンフォーム板等の有機質材料を下地材とし、これに仕上塗材、陶磁器タイル、壁紙等の仕上材が施工されている。このような下地材は、一般に、不陸、巣穴、欠損部等の凹凸を有することが多く、そのままでは美観性を損なうため、表面処理材を用いて下地の平滑化や欠陥部位の補修が行われている。
このような表面処理材としては、セメントに合成樹脂を配合したものが多く使用されており、例えば、特許文献1には、セメントにエチレン酢酸ビニル樹脂エマルションを配合したセメント組成物が記載されている。しかし、特許文献1のようにセメントに、単に合成樹脂エマルションを配合しただけでは、養生温度等の条件によっては下地材との付着性が不十分となるおそれがある。これに対して、特許文献2には、異なるガラス転移温度を有する粉末ポリマーを2種類以上配合したセメント組成物が記載されており付着性を改善できることが記載されている。
特開平6−329455号公報 特開平9−2860号公報
しかし、特許文献2のように粉末ポリマーを2種以上併用した場合であっても、十分な付着強度が得られない場合があり、特に耐久性が不十分となるおそれがあった。
本発明は、上述のような問題点に鑑みなされたもので、優れた付着性及び耐久性を有する表面処理材を得ることを目的とするものである。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、セメントを含む粉状組成物及び特定の合成樹脂エマルションを含む液状組成物からなる表面処理材に想到し、本発明を完成させるに到った。
すなわち、本発明は以下の特徴を有するものである。
1.セメントを含む粉状組成物及び合成樹脂エマルションを含む液状組成物からなる建築物の内装面、外装面に適用する表面処理材であり、
上記粉状組成物が、セメントを50重量%以上含み、
上記液状組成物における合成樹脂エマルションとして、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション並びに、カチオン性基及び/またはニトリル基含有アクリル樹脂エマルションを含み、
上記カチオン性基は、カチオン性界面活性剤によって付与されたものであり、
上記エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルションと、上記カチオン性基及び/またはニトリル基含有アクリル樹脂エマルションとを固形分重量比99.5:0.5〜10:90で含み、
上記セメントと上記合成樹脂エマルションが固形分重量比で100:1〜50となるように混合されることを特徴とする表面処理材。
2.上記カチオン性界面活性剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルメタクリルアンモニウムクロライドから選ばれる1種または2種であることを特徴とする1.に記載の表面処理材。

本発明の表面処理材は、付着性及び耐久性に優れるものである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
本発明の表面処理材は、セメントを含む粉状組成物(I)(以下、「粉状組成物(I)」ともいう。)及び特定の合成樹脂エマルションを含む液状組成物(II)(以下、「液状組成物(II)」ともいう。)を特定重量比率で含むものであり、液状組成物(II)における合成樹脂エマルションとして、酢酸ビニル樹脂エマルション並びに、カチオン性基及び/またはニトリル基含有合成樹脂エマルションを含むことを特徴とするものである。
本発明の粉状組成物(I)は、少なくともセメント(a)(以下、「(a)成分」ともいう。)を含むものである。(a)成分としては、例えば、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント等のポルトランドセメントのほか、アルミナセメント、超速硬セメント、膨張セメント、酸性リン酸塩セメント、シリカセメント、高炉セメント、フライアッシュセメント、キーンスセメント等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。これらの中でも、ポルトランドセメントが好ましい。
(a)成分の含有比率は、粉状組成物(I)全体に対して50重量%以上(好ましくは55重量%以上80重量%以下、より好ましくは60重量%以上70重量%以下)である。(a)成分がこのような比率であれば、付着性、耐久性において十分な効果を得ることが可能となり、吸水抑制の点でも好適である。
本発明の粉状組成物(I)としては、上記成分に加え、さらに充填材(b)(以下、「(b)成分」ともいう。)を混合することができる。(b)成分を含むことにより、形成される被膜の強度、及び下地材との付着性を高めることができる。このような(b)成分としては、例えば、珪石粉、珪砂、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、フライアッシュ、石灰石粉、タルク、カオリン、クレー、マイカ、シリカフィーム、ガラス中空微粒子、セラミックガラス中空微粒子等の無機質粉体が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。本発明では特に、珪砂を含むことが好ましく、特に平均粒子径0.05〜1mm(より好ましくは0.1〜0.5mm)の珪砂を含むことが好ましい。この場合、平滑な被膜を形成することができるとともに、被膜の強度向上、下地材との付着性においても優れた効果を発揮することができる。(b)成分の含有比率は、上記(a)成分100重量部に対し、好ましくは1〜90重量部(より好ましくは5〜80重量部)である。
本発明の粉状組成物(I)としては、上記成分に加え、さらに、繊維材料(c)(以下、「(c)成分」ともいう。)を混合することができる。(c)成分を含むことにより、形成される被膜の強度、及び下地材との付着性を高めることができる。このような(c)成分としては、アクリル繊維、アセテート繊維、アラミド繊維、銅アンモニア繊維(キュプラ)、ナイロン繊維、ノボロイド繊維、パルプ繊維、ビスコースレーヨン、ビニリデン繊維、ポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリクラール繊維、ボリノジック繊維、ポリプロピレン繊維等の有機繊維;炭素繊維、ロックウール、ワラストナイト、ガラス繊維、シリカ繊維、シリカ−アルミナ繊維、カーボン繊維、炭化珪素繊維等の無機繊維等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。本発明では特に、無機繊維を含むことが好ましい。(c)成分の含有比率は、上記(a)成分100重量部に対し、好ましくは0.1〜20重量部(より好ましくは0.5〜10重量部)である。このような範囲の場合、本発明の効果が得られやすい。
本発明の粉状組成物(I)としては、上記成分に加え、本発明の効果を阻害しない程度に、着色顔料、体質顔料、防錆顔料、増粘剤、分散剤、硬化促進剤、消泡剤、反応調整剤、減水剤、腐食防止剤、防腐剤、防藻剤、防カビ剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を混合することもできる。
本発明の液状組成物(II)は、少なくとも酢酸ビニル樹脂エマルション(d)(以下、「(d)成分」ともいう。)と、カチオン性基及び/またはニトリル含有合成樹脂エマルション(e)(以下、「(e)成分」ともいう。)を含むものである。このような(d)成分と(e)成分を併用して含むことにより、形成される被膜の強度及び付着性を高め、吸水抑制効果も向上し、優れた耐久性を発揮することができる。
(d)成分は、樹脂構成成分として酢酸ビニルを含む合成樹脂エマルションである。(d)成分としては、公知の酢酸ビニル樹脂エマルションであれば特に限定されず使用することができる。例えば、酢酸ビニルエマルション、エチレンと酢酸ビニルを共重合して得られるエチレン−酢酸ビニル共重合体エマルション等が挙げられる。これらは1種または2種以上を混合して使用できる。本発明では特に、エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルションを含むことが好ましい。
(d)成分の最低造膜温度(MFT)は、適宜設定することができるが、10℃以下(好ましくは0℃以下)であることが好ましい。 また、(d)成分の平均粒子径は好ましくは0.1〜5μm(より好ましくは0.2〜3μm、さらに好ましくは0.4〜2μm)である。なお、平均粒子径は、動的光散乱法により測定した値である。
(e)成分としては、カチオン性基及び/またはニトリル基を含有する合成樹脂エマルションであれば特に限定されず使用することができる(ただし上記(d)成分は除く)。このうちカチオン性基含有合成樹脂エマルションとしては、カチオン性基を付与された合成樹脂エマルションであれば特に限定されず使用することができる。合成樹脂エマルションにカチオン性を付与する方法としては、例えば、
・合成樹脂エマルションの製造時にカチオン性基含有モノマーを共重合する方法、
・合成樹脂エマルションを得た後、カチオン性界面活性剤によってエマルション粒子表面電荷をカチオン性に変性する方法、
・カチオン性界面活性剤の存在下に合成樹脂エマルションを得る方法、
等が挙げられる。このような合成樹脂エマルションとしては、例えば、アクリル樹脂エマルション、ウレタン樹脂エマルション、エポキシ樹脂エマルション、塩化ビニル樹脂エマルション、フッ素樹脂エマルション、合成ゴム樹脂エマルション、あるいはこれらの混合・複合樹脂エマルションが挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
本発明では特に、(e)成分としてカチオン性基含有アクリル樹脂エマルションを含むことが好ましい。このようなカチオン性基含有アクリル樹脂エマルションとしては、例えば、
・(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びカチオン性基含有モノマーを含むモノマー群を共重合したもの、
・(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む重合性モノマー群を共重合してアクリル樹脂エマルションを得た後、これをカチオン性界面活性剤によって変性したもの、
・カチオン性界面活性剤の存在下に(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含む重合性モノマー群を共重合することにより得られるもの、
等が使用できる。
(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。なお、本発明では、アクリル酸アルキルエステルとメタクリル酸アルキルエステルを合わせて、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと表記する。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル以外の重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸またはそのモノアルキルエステル、イタコン酸またはそのモノアルキルエステル、フマル酸またはそのモノアルキルエステル等のカルボキシル基含有モノマー;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基含有モノマー;
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系モノマー;
アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル基含有モノマー;
スチレン、2−メチルスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等の芳香族モノマー;
アクリルアミド、メタクリルアミド、マレイン酸アミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアミド基含有モノマー;
グリシジル(メタ)アクリレート、ジグリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有モノマー;
アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン等のカルボニル基含有モノマー;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等のアルコキシシリル基含有モノマー;
塩化ビニリデン、フッ化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン系モノマー;
その他、エチレン、プロピレン、イソプレン、ブタジエン、ビニルピロリドン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルアミド、クロロプレン等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
また、カチオン性基含有モノマーとしては、例えば、
N−メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N−(2−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(2−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド等のアミノ基含有モノマー;
ビニルピリジン等のピリジン系モノマー等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリアルキルアンモニウム塩、ステアリルトリアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩などの第4級アンモニウム塩、アルキルアミン酢酸塩、アルケニルアミン酢酸塩、アルケニルアミン塩などのアミン塩、ラウリルピリジニウム塩、ベンザルコニウム塩、ベンゼトニウム塩、或は、ラウリルアミンアセテート等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。本発明では特に、次式で表される第4級アンモニウム塩を使用することが好ましい。
[NR] (式1)
(Rは、H、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、尿素含有アルキル基、又はアミド結合含有アルキル基を表す。)
これらのカチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルメタクリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
また、上記カチオン性界面活性剤と、非イオン性界面活性剤を混合して使用することもできる。このような非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等が挙げられる。これらは1種または2種以上で使用することができる。
本発明のニトリル基含有合成樹脂エマルションとしては、合成樹脂構成成分としてニトリル基を含有するものであれば特に限定されないが、本発明では、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル及びニトリル基含有モノマーを含む重合性モノマー群を共重合することにより得られるアクリル樹脂エマルションであることが好ましい。ニトリル基含有モノマーの含有比率は、(e)成分を構成する全モノマーに対して、好ましくは5〜50重量%(より好ましくは10〜40重量%)である。その製造方法としては、特に限定されず、例えば、乳化重合、ソープフリー乳化重合、分散重合、フィード乳化重合、フィード分散重合、シード乳化重合、シード分散重合等の各種方法を採用することができる。
特に、本発明の(e)成分としては、カチオン性基及びニトリル基を含有することが好ましい。これにより、形成される被膜の強度及び付着性をより一層高め、優れた耐久性を発揮することができる。
(e)成分の最低造膜温度(MFT)は、適宜設定することができるが、10℃以下(好ましくは0℃以下)であることが好ましい。また、(e)成分の平均粒子径は50〜500nm(好ましくは100〜300nm)であることが好ましい。
本発明の液状組成物(II)は、上記(d)成分と上記(e)成分とを、固形分重量比99.5:0.5〜10:90(より好ましくは99.2:0.8〜50:50、更に好ましくは99:1〜70:30)で混合して使用することが好ましい。このような範囲の場合、本発明の効果が得られやすい。
本発明の液状組成物(II)は、上記成分に加えて、本発明の効果を阻害しない程度に、水、造膜助剤、増粘剤、分散剤、硬化促進剤、消泡剤、反応調整剤、減水剤、腐食防止剤、防腐剤、防藻剤、防カビ剤、抗菌剤、可塑剤、凍結防止剤、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種添加剤を混合することもできる。
本発明の表面処理材は、上記粉状組成物(I)と上記液状組成物(II)を混合して得られるものである。その配合比率は、セメント(上記(a)成分)と合成樹脂エマルション(上記(d)成分と上記(e)成分の合計)が固形分重量比で100:1〜50(好ましくは100:1〜30)となるように混合されるものである。このような範囲の場合、本発明の効果が得られやすい。
本発明の表面処理材は、主に建築物の内装面や外装面等に適用することができる。塗装対象となる下地を構成する基材(下地材)としては、例えば、石膏ボード、合板、コンクリート、モルタル、磁器タイル、レンガ、繊維混入セメント板、セメント珪酸カルシウム板、スラグセメントパーライト板、ALC板、サイディング板、押出成形板等が挙げられる。これら基材は、既に何らかの塗装が施されたもの等であってもよい。
本発明表面処理材の塗付においては、好ましくはこてを使用し、ある程度平坦な面が形成されるように表面処理材を塗付すればよい。下地に不陸、巣穴、欠損部等の凹凸が存在する場合は、その凹凸部分に表面処理材が充填されるように塗装することもできる。
塗付時には、必要に応じ本発明表面処理材を水で希釈することもできる。希釈割合は、好ましくは0〜50重量%程度である。
塗付け量は、特に限定されないが、好ましくは0.2〜10kg/m程度、より好ましくは0.3〜8kg/m程度、さらに好ましくは0.5〜5kg/m程度であり、塗付回数は適宜設定することができる。
乾燥時間は、好ましくは常温で3〜24時間程度である。
本発明の表面処理材を塗付した後には、各種仕上材を塗付することができる。具体的に使用可能な仕上材としては、例えば、合成樹脂エマルションペイント、つや有り合成樹脂エマルションペイント、非水分散形樹脂エナメル等のフラット系塗料、JIS
A 6909に規定される建築用仕上塗材、例えば、リシン塗料、単層弾性塗材等の薄付け仕上塗材、スタッコ塗料等の厚付け仕上塗材及び複層仕上塗材等、その他多彩模様塗料、石材調仕上塗材、砂岩調仕上塗材等が挙げられる。これら仕上材は、各種下塗材等を介して塗付してもよい。また、各種の装飾シート建材、陶磁器タイル等の乾式の仕上材を公知の接着材を介して施工することも可能である。
仕上材または接着材等の塗付においては、公知の塗付器具を用いることができる。塗付器具としては、例えば、スプレー、ローラー、刷毛、コテ等を使用することができる。仕上材の塗付け量は、使用する塗料や塗装器具の種類、仕上塗膜の表面形状等に応じて適宜設定すればよい。塗付時には、必要に応じ塗料を希釈することもできる。
以下に実施例を示し、本発明の特徴をより明確にする。
<粉状組成物(I)の製造>
表1に示す配合(重量%)により、各原料を常法により混合・攪拌することによって粉状組成物I‐1〜4を製造した。
<液状組成物(II)の製造>
表2に示す配合(重量%)により、各原料を常法により混合・攪拌することによって液状組成物II‐1〜10を製造した。なお、原料としては以下のものを使用した。
なお、粉状組成物(I)、液状組成物(II)の原料としては以下のものを使用した
(a)セメント:ポルトランドセメント
(b)充填材:珪砂(平均粒子径0.1〜0.3mm)
(c)無機繊維:ワラストナイト
(d)エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション(固形分:55重量%、平均粒子径:0.9μm、最低造膜温度:0℃以下)
(e1)カチオン性基含有アクリル樹脂エマルション
カチオン性界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)及びノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の存在下で、メタクリル酸メチル:メタクリル酸:アクリル酸ブチル=40:2:58を乳化重合することにより固形分:45重量%、平均粒子径:220nm、最低造膜温度:0℃以下のカチオン性基含有アクリル樹脂エマルション(e1)を得た。
(e2)ニトリル基含有アクリル樹脂エマルション
ノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の存在下で、メタクリル酸メチル:メタクリル酸:アクリル酸ブチル:アクリロニトリル=28:2:58:12を乳化重合することにより固形分:45重量%、平均粒子径:250nm、最低造膜温度:0℃以下のニトリル基含有アクリル樹脂エマルション(e2)を得た。
(e3)カチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション
カチオン性界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)及びノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の存在下で、メタクリル酸メチル:メタクリル酸:アクリル酸ブチル:アクリロニトリル=37:2:58:3を乳化重合することにより固形分:45重量%、平均粒子径:240nm、最低造膜温度:0℃以下のカチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション(e3)を得た。
(e4)カチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション
カチオン性界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)及びノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の存在下で、メタクリル酸メチル:メタクリル酸:アクリル酸ブチル:アクリロニトリル=28:2:58:12を乳化重合することにより固形分:45重量%、平均粒子径:210nm、最低造膜温度:0℃以下のカチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション(e4)を得た。
(e5)カチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション
カチオン性界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド)及びノニオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)の存在下で、メタクリル酸メチル:メタクリル酸:アクリル酸ブチル:アクリロニトリル=10:2:58:30を乳化重合することにより固形分:45重量%、平均粒子径:230nm、最低造膜温度:0℃以下のカチオン性基及びニトリル基含有アクリル樹脂エマルション(e5)を得た。
<表面処理材の製造>
(表面処理材1〜10、13〜15)
表3に示す組み合わせに従い、粉状組成物(I)100重量部、液状組成物(II)25重量部、希釈剤(水)25重量部を常法により混合・攪拌することによって表面処理材1〜10、13〜15を製造した。
(表面処理材11)
表3に示す組み合わせに従い、粉状組成物(I)100重量部、液状組成物(II)45重量部、希釈剤(水)10重量部を常法により混合・攪拌することによって表面処理材11を製造した。
(表面処理材12)
表3に示す組み合わせに従い、粉状組成物(I)100重量部、液状組成物(II)15重量部、希釈剤(水)30重量部を常法により混合・攪拌することによって表面処理材12を製造した。
(試験例1〜15)
<付着強さ試験>
JISA6916:2000、7.13付着強さ試験に規定する方法に準じて、試験体を作製(表面処理材の塗付け量:2.0kg/m、低温養生)し、付着強さ試験を行った。結果を表3に示した。なお、評価基準を以下に示す。
A:1.3N/mm以上
B:1.0N/mm以上1.3N/mm未満
C:0.7N/mm以上1.0N/mm未満
<耐久性試験>
JISA6916:2000、7.17耐久性試験に規定する方法に準じて、試験体を作製(表面処理材の塗付け量:2.0kg/m、複層仕上塗材の種類:複層塗材RS)し、耐久性試験を行った。結果を表3に示した。なお、評価基準を以下に示す。
A:1.4N/mm以上
B:1.2N/mm以上1.4N/mm未満
C:1.0N/mm以上1.2N/mm未満
<吸水試験>
JISA6916:2000、7.14吸水試験に規定する方法に準じて、試験体を作製(表面処理材の塗付け量:2.0kg/m)し、吸水試験を行った。結果を表3に示した。なお、評価基準を以下に示す。
A:0.7g未満
B:0.7g以上0.8g未満
C:0.8g以上1.0g未満
Figure 0006113495
Figure 0006113495
Figure 0006113495

Claims (2)

  1. セメントを含む粉状組成物及び合成樹脂エマルションを含む液状組成物からなる建築物の内装面、外装面に適用する表面処理材であり、
    上記粉状組成物が、セメントを50重量%以上含み、
    上記液状組成物における合成樹脂エマルションとして、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルション並びに、カチオン性基及び/またはニトリル基含有アクリル樹脂エマルションを含み、
    上記カチオン性基は、カチオン性界面活性剤によって付与されたものであり、
    上記エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂エマルションと、上記カチオン性基及び/またはニトリル基含有アクリル樹脂エマルションとを固形分重量比99.5:0.5〜10:90で含み、
    上記セメントと上記合成樹脂エマルションが固形分重量比で100:1〜50となるように混合されることを特徴とする表面処理材。
  2. 上記カチオン性界面活性剤が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルメタクリルアンモニウムクロライドから選ばれる1種または2種であることを特徴とする請求項1に記載の表面処理材。
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