JPH0117485B2 - - Google Patents

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JPH0117485B2
JPH0117485B2 JP4836582A JP4836582A JPH0117485B2 JP H0117485 B2 JPH0117485 B2 JP H0117485B2 JP 4836582 A JP4836582 A JP 4836582A JP 4836582 A JP4836582 A JP 4836582A JP H0117485 B2 JPH0117485 B2 JP H0117485B2
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JP
Japan
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polymerization
vinyl
parts
modified pva
copolymer
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JP4836582A
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JPS58164604A (ja
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Hitoshi Maruyama
Koichi Kajitani
Makoto Shiraishi
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0117485B2 publication Critical patent/JPH0117485B2/ja
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はケイ素を含有する変性ポリビニルアル
コール(以後ポリビニルアルコールをPVAと略
記する)の製造法に関し、更に詳しくはアルコー
ルの存在下でビニルエステルと一般式() (ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級ア
ルキル基、アリル基又はアリル基を有する低級ア
ルキル基、R2は炭素数1〜40の飽和分岐又は非
分岐のアルコキシル基であり、該アルコキシル基
は酸素を含有する置換基を有していてもよい)で
表わされる分子内にケイ素を含有するオレフイン
性不飽和単量体とを、ビニルエステルと一般式
()で表わされる単量体との濃度比率が、重合
期間を通じて常に一定であるような条件下で共重
合させ、該共重合体をケン化することを特徴とす
るケイ素含有単量体単位を実質的に均一な組成で
含有する変性PVAの製造方法に関する。 従来ケイ素含有変性PVAの製造方法としては
(1)有機溶媒中でメチルトリクロルシラン等のシリ
ル化剤を粉末状PVAに反応させ、PVAの水酸基
の一部の水素原子を置換ケイ素原子によつて置換
する方法(特開昭55−164614)または(2)ビニルト
リエトキシシラン等のビニルアルコキシシランと
酢酸ビニルとの共重合体を酸あるいはアルカリに
よつてケン化する方法(英国特許1271500あるい
は特開昭50−123189)が知られている。しかしな
がら(1)の方法は組成の均一な変性物が得られに
くいPVAの製造とは別に再度反応しなければ
ならず経済的に非常に不利である等の欠点を有し
ている。又(2)の方法においてはビニルアルコキシ
シランと酢酸ビニルとの共重合については、具体
的にはビニルアルコキシシランと酢酸ビニルとを
トルエンあるいは酢酸エチル溶媒中に一括して仕
込み回分方式で共重合させる方法が知られている
にすぎない。ビニルアルコキシシランと酢酸ビニ
ルとを一括して仕込み、回分式で重合し、これを
ケン化するという方法で得られる変性PVAは、
本発明者らの詳細な実験によれば、ビニルアルコ
キシシランの添加比率が小さい場合、耐水性ある
いは無機物に対する反応性が小さく、ビニルアル
コキシシランの添加比率を高めると変性PVAは
水に溶解しにくくなり、これを溶解するためには
大量のアルカリを添加しなければならず、又、こ
の水溶液は増粘しやすい傾向があつて安定性が乏
しく、更に、耐水性あるいは無機物に対する反応
性が十分でない等種々の欠点があつた。 本発明者らは上述の欠点を克服する目的で鋭意
検討した結果、アルコールの存在下でビニルエス
テルと一般式() (ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級ア
ルキル基、アリル基又はアリル基を有する低級ア
ルキル基、R2は炭素数1〜40の飽和分岐または
非分岐のアルコキシル基であり、該アルコキシル
基は酸素を含有する置換基を有していてもよい)
で示される分子内にケイ素を含有するオレフイン
性不飽和単量体とをこれらの単量体の濃度比率が
重合期間を通じて常に一定であるような条件下で
共重合させ、得られた共重合体をケン化すること
によつて得られるケイ素含有変性PVAは意外に
も、耐水性あるいは無機物に対する反応性および
接着性に著るしくすぐれていることを見い出し本
発明を完成するに至つた。 上述のごとく、本発明の方法で得られる変性
PVAは従来の方法で得られるものにくらべビニ
ルアルコキシシランによる性率が低い場合にも、
無機物に対する反応性および接着性にすぐれてお
り、更にビニルアルコキシシランによる変性率が
比較的高い場合においても、比較的少量のアルカ
リの添加で水に溶解することが可能であり、更に
耐水性あるいは無機物に対する反応性および接着
力に著るしくすぐれているのであるが、この理由
としては以下のように考えられる。すなわちビニ
ルアルコキシシランとビニルエステルとを一括し
て仕込み回分方式で重合する従来の方法の場合に
は、これら単量体の反応性比(r1、r2)に従がつ
て重合率とともに反応系中の単量体の濃度比率が
変動し、それにともなつて生成する共重合体の組
成が変動するため単量体単位の組成分布が著るし
く異なつた共重合体の混合物となり、平均より変
性率の低い共重合体分子から得られるPVAは性
能が低く、平均より高い変性率の共重合体分子か
ら得られるPVAは水に溶解する場合大量のアル
カリが必要となると考えられる。これに対し、本
発明の方法によれば重合期間を通じて単量体の濃
度比率が一定であるため、共重合体分子中のケイ
素含有単量体単位の含有率は重合期間中一定とな
り、均質な組成分布を有する変性PVA分子が得
られるため上述のような効果が得られるものと考
えられる。 本発明において用いられるビニルエステルとし
ては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ギ酸ビニ
ル等が挙げられるが経済的にみて酢酸ビニルが好
ましい。また本発明において用いられる一般式
()で表わされるケイ素含有オレフイン性不飽
和単量体としては、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルジメチル
メトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルメチルジエトキシシラン、ビニルジメチルエ
トキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリ
ルメチルジメトキシシラン、アリルジメチルメト
キシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリル
ジメチルエトキシシラン、ビニルトリス(β−メ
トキシエトキシ)シラン、ビニルイソブチルジメ
トキシラン、ビニルエチルジメトキシシラン、ビ
ニルメトキシジブトキシシラン、ビニルジメトキ
シブトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、
ビニルメトキシジヘキシロキシシラン、ビニルジ
メトキシヘキシロキシシラン、ビニルトリヘキシ
ロキシシラン、ビニルメトキシジオクチロキシシ
ラン、ビニルジメトキシオクチロキシシラン、ビ
ニルトリオクチロキシシラン、ビニルメトキシジ
ラウリロキシシラン、ビニルジメトキシラウリロ
キシシラン、ビニルメトキシジオレイロキシシラ
ン、ビニルジメトキシオレイロキシシラン、一般
(ここでmは前記と同じ、xは1〜20を示す) で表わされるビニルメトキシシランのポリエチレ
ングリコール誘導体等が挙げられるが経済的にみ
てビニルトリメトキシシランが好ましい。また本
発明において用いられるアルコールとしては、メ
タノール、エタノール等低級アルコールが挙げら
れるが工業的にはメタノールが好ましく用いられ
る。重合は回分方式、連続方式のいずれにても実
施可能であるが、回分方式の場合、共重合反応性
比(r1、r2)に従がつて、重合の進行にともない
単量体の一方あるいは両方を連続的に添加し、重
合反応液中の単量体の濃度比率が重合期間を通じ
て常に一定であるような条件に調節することが必
要である。この場合の添加量の算出方法の一例と
してはR.J.HannaがIndustrial and Engineering
Chemistry.vol.49、No.2、208〜209(1957)に提
出している式が挙げられる。多塔式の連続共重合
の場合にも、同様に各塔内の単量体濃度比率が一
定となるように各塔に単量体を添加することが必
要である。重合開始剤としては、2,2′−アゾビ
スイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル、過酸化アセチル等公知のラジカル
重合開始剤が使用できる。重合反応温度は通常50
℃〜重合系の沸点の範囲から選ばれる。 又、かかる重合を行なうに当つては上記2成分
以外にかかる単量体と共重合可能な他の不飽和単
量体、例えばスチレン、アルキルビニルエーテ
ル、バーサチツク酸ビニル、(メタ)アクリルア
ミド、エチレン、プロピレン、2−ヘキセン、2
−オクテン等のオレフイン、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等の不飽和酸、及びこれらのアルキルエ
ステル、アルカリ塩、2−アクリルアミド−2−
メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸含有単
量体及びそのアルカリ塩、トリメチル−3−(1
−アクリルアミド−1,1−ジメチルプロピル)
アンモニウムクロリド、トリメチル−3−(1−
アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリ
ド、1−ビニル−2−メチルイミダゾールおよび
その4級化物等のカチオン性単量体等を小割合で
存在させることも可能である。 共重合体中のケイ素含有重合性単量体単位の量
は用途に応じて適宜選択され特に制限はなく、任
意の組成の共重合体を合成し得る。また共重合体
の重合度は溶媒のアルコールの種類と量によつて
任意に調節しえる。共重合を完了した後、反応液
中にビニルエステルが残存している場合には蒸留
等によつて除去する必要がある。 ケイ素含有重合体単量体が残存している場合、
ビニルエステルとは別に除去してもよく、また少
量であれば残存させたままでも、一般的目的には
支障がない。 こうして得られた共重合体は次いでケン化され
る。ケン化反応は通常共重合体をアルコール溶液
として実施し、アルコリシスにより反応を行なわ
しめるのが有利である。アルコールは無水物のみ
ならず少量の含水系のものも目的に応じて用いら
れる。またアルコールに酢酸メチル、酢酸エチル
などの有機溶媒を任意に含有せしめてもよい。ケ
ン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属の水酸化物、ナトリウム
メチラート、カリウムメチラートなどのアルコラ
ートあるいはアンモニアなどのアルカリ性触媒が
用いられ、また塩酸、硫酸などの酸触媒もまた用
いられ得る。これらのうちケン化反応速度が速い
という点でアルカリ触媒が有利であり、中でも水
酸化ナトリウムが工業的には経済的に有利であ
る。ケン化温度は通常10〜50℃の範囲から選ばれ
る。 ケン化反応によりビニルエステル単位は部分的
にあるいは高度にケン化されてビニルアルコール
単位に転換されるが、この転換率は該変性PVA
の使用目的に応じて任意の値とすることができ
る。 またビニルアルコキシシラン単位も部分的ある
いは高度にケン化されてビニルシラノール単位、
そのアルカリ塩あるいはその相互縮合物に転換さ
れる。 本発明のケイ素含有変性PVAは粉体で保存、
輸送が可能であり、使用に際しては、粉末状、液
体中に分散した状態でも使用しうるが均一水溶液
として使用する場合には使用時に水に分散後、場
合によつては少量の水酸化ナトリウム、水酸化ア
ンモニウム等のアルカリを加え、撹拌しながら加
温することにより均一な糊液を得ることができ
る。更に、上記水溶液にアルカリ土類金属等を添
加し、ケイ素に結合した水酸基の一部を、アルカ
リ土類金属塩として使用することもできる。前述
したように本発明の方法で得られたケイ素含有変
性PVAは耐水性あるいは無機物に対する反応性
および接着性に優れた性能を有しており、この性
能とビニルエステル基の有する性能を生かした
種々の用途において優れた性能を発揮しうる。例
えば紙の内添サイズ剤、紙用コーテイング剤、繊
維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、塗
料、グラスフアイバーのコーテイング剤、金属の
表面コート剤、防曇剤等の被覆剤関係、木材、
紙、アルミ箔、プラスチツク等の接着剤、不織布
バインダー、繊維状バインダー、石膏ボードおよ
び繊維板等の建材用バインダー、各種エマルジヨ
ン系接着剤の増粘剤、尿素樹脂系接着剤用添加
剤、セメントおよびモルタル用添加剤、ホツトメ
ルト型接着剤、感圧接着剤等の各種接着剤関係、
エチレン、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アク
リル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
アクリロニトリル等のエチレン系不飽和単量体お
よびブタジエン系単量体の乳化重合用分散剤、塗
料、接着剤等の顔料分散安定剤、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、スチレン、(メタ)クリル酸エス
テル、酢酸ビニル等の各種エチレン性不飽和単量
体の懸濁重合用分散安定剤、繊維、フイルム、シ
ート、パイプ、チユーブ、水溶性繊維、暫定皮膜
等の成型物関係、疎水性樹脂への親水性付与剤、
複合繊維、フイルムその他成型物用添加剤等の合
成樹脂用ブレンド剤関係、土質改良剤、土質安定
剤等の用途に使用される。 次に実施例を挙げて本発明について更にくわし
く説明するが、これらの実施例は本願発明を何ら
限定するものではない。実施例中、部または%は
ことわりのないかぎり重量部または重量%を示
す。 実施例 1 撹拌機、温度計、滴下ロート、チツ素ガス導入
管および還流冷却器を付した反応容器中に酢酸ビ
ニル1400部、メタノール1000部、ビニルトリエト
キシシラン48.5部を仕込み撹拌しながら系内を窒
素置換した後内温を60℃まで上げた。この系に
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル42部を含む
メタノール溶液1142部を添加し重合を開始した。
重合開始時点より重合率および反応系内の残存単
量体の濃度比をガスクロマトグラフで測定しなが
ら、ビニルトリエトキシシランとビニルエステル
との濃度比が常に一定となるようにビニルエトキ
シシラン10.1部を含むメタノール溶液101部を連
続的に系に添加しながら5時間重合を継続した。
重合停止時の系内固形分濃度は35.9%であつた。
メタノール蒸気の導入により未反応の酢酸ビニル
単量体を追い出した後、共重合体の50%メタノー
ル溶液を得た。この共重合体は核磁気共鳴分析に
よりビニルトリエトキシシラン単位を1.9モル%
と酢酸ビニル単位を98.1モル%含有することが確
認された。この共重合体のメタノール溶液100部
を40℃で撹拌しながらこの中に水酸化ナトリウム
0.7部を含むメタノール溶液7部を添加してケン
化反応を行なつた。得られた白色ゲルを粉砕し、
メタノールで十分洗浄して未反応のビニルトリエ
トキシシランを除去した後、乾燥して変性PVA
を得た。 得られた変性PVAは原子吸光分析によりケイ
素をビニルシラン単位として1.9モル%含有し、
又化学分析により酢酸ビニル単位のケン化度が
98.5モル%であると測定された。この変性PVA
は、変性PVAに対して0.5%の水酸化ナトリウム
の添加で水に溶解することができ、該変性PVA4
%水溶液の20℃における粘度は(ブルツクフイー
ルド型粘度計による)6.5センチポイズ(以下セ
ンチポイズをCPと略記する)であつた。このア
ルカリ性水溶液をポリエチレンフイルム上に流延
し、室温で3日間乾燥して皮膜化した後この皮膜
を沸騰水中に浸漬したが、この皮膜は沸騰水に溶
解せず、耐水性が著るしく高いことがわかつた。 比較例 1 実施例1と同様の反応容器中に酢酸ビニル1400
部、メタノール1000部、ビニルトリエトキシシラ
ン59部を仕込み、撹拌しながら系内を窒素置換し
た後、内温を60℃まで上げた。この系に2,2′−
アゾビスイソプチロニトリル42部を含むメタノー
ル溶液1142部を添加し重合を開始し5時間重合を
継続した。重合開始時点より重合率および反応系
内の残存単量体の濃度比をガスクロマトグラフに
より測定したところ、重合率0%、50%および90
%における酢酸ビニルとビニルトリエトキシシラ
ンとのモル濃度比はそれぞれ、52.4、63、93であ
つた。重合停止時の系内固形分濃度は36.9%であ
つた。メタノール蒸気の導入により実施例1と同
様にして共重合体の50%メタノール溶液を得た。
この共重合体は核磁気共鳴分析によりビニルトリ
エトキシシラン単位を平均値として1.9モル%と
酢酸ビニル単位を98.1モル%含有することが確認
された。実施例1と同様にして、ケイ素としてビ
ニルシラン単位を平均値として1.9モル%含有し、
ケン化度98.5モル%の変性PVAを得た。この変
性PVAは、水に溶解するには水酸化ナトリウム
を変性PVAに対して1%以上添加する必要があ
つた。この変性PVAの4%水溶液の20℃におけ
る粘度は6.2CPであつた。実施例1と同様にして
アルカリ性水溶液から皮膜を作成し、沸騰水中に
入れたところ短時間で溶解した。 参考例 実施例1で得られた変性PVAのアルカリ性5
%水溶液を豊浦産標準砂上に注いだところ、砂の
表面で変性PVA水溶液が砂と反応してゲル化し、
砂中へのPVA水溶液の浸透は見られなかつた。
一方、比較例1で得られた変性PVAを用いて上
記と同様に砂に注いだところ、水溶液は砂の中に
浸透して表面には残らず砂に対する反応性が低い
ことがわかつた。 実施例 2 実施例1と同様の反応容器中に酢酸ビニル2800
部、メタノール400部、ビニルトリメトキシシラ
ン19.7部を仕込み撹拌しながら系内を窒素置換し
た後内温を60℃まで上げた。この系に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル1.96部を含むメタノー
ル溶液300部を添加し、重合を開始した。重合開
始時点より重合率および残存単量体の濃度比を実
施例1と同様にして測定しながら残存単量体の濃
度比が常に一定となるようにビニルトリメトキシ
シラン2.3部を含むメタノール溶液46部を連続的
に系に添加しながら4時間重合を継続した。重合
停止時の系内固形分濃度は50%であつた。メタノ
ール蒸気の導入により未反応の酢酸ビニル単量体
を追い出した後、共重合体の35%メタノール溶液
を得た。この共重合体は核磁気共鳴分析によりビ
ニルトリメトキシシラン単位を0.5モル%と酢酸
ビニル単位を99.5モル%含有することが確認され
た。この共重合体のメタノール溶液100部を40℃
で撹拌しながらこの中に水酸化ナトリウム0.32部
を含むメタノール溶液3.2部を添加してケン化反
応を行ない、得られた白色ゲルを粉砕、メタノー
ル洗浄、乾燥して変性PVAを得た。得られた変
性PVAは実施例1と同様にして分析したところ ビニルシラン単位 0.5モル% 酢酸ビニル単位のケン化度 99.0モル% 4%水溶液の20℃における粘度(水酸化ナトリウ
ムを変性PVAに対して1%含む水溶液) 29.5Cp であつた。 この変性PVAのアルカリ性5%水溶溶液(水
酸化ナトリウムを変性PVAに対して2%含む)
を表面PHが10の石綿スレート板および表面PHが12
のモルタル板に乾燥固形分として50g/m2となる
ように塗布し、その上に補強剤として綿布をの
せ、3日間室温で乾燥した。その後、石綿および
モルタル板上のPVA皮膜を1cmの巾にナイフで
切れ目を入れ、室温の水に3日間浸漬した後オー
トグラフ(島津製作所、IM−100型)にて、剥離
角度90゜、引張り速度500mm/分で耐水接着力を測
定した。結果は第1表に示したとおりである。 実施例 3 実施例1と同様の反応容器に、酢酸ビニル8000
部、メタノール2000部、ビニルトリメトキシシラ
ン28.1部を仕込み撹拌しながら系内を窒素置換し
た後内温を60℃まで上げた。この系に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル5.6部を含むメタノー
ル溶液390部を添加し重合を開始した。重合開始
時点より、重合率および残存単量体の濃度比を実
施例1と同様にして測定しながら、残存単量体の
濃度比が常に一定となるようにビニルトリメトキ
シシラン4.3部を含むメタノール溶液43部を連続
的に系を添加しながら4時間重合を継続した。重
合停止時の系内固形分濃度は50%であつた。メタ
ノール蒸気の導入により未反応の酢酸ビニル単量
体を追い出した後、共重合体の35%メタノール溶
液を得た。この共重合体は核磁気共鳴分析により
ビニルトリメトキシシラン単位を0.25モル%と酢
酸ビニル単位を99.75モル%含有することが確認
された。この共重合体のメタノール溶液100部を
40℃で撹拌しながらこの中に水酸化ナトリウム
0.25部を含むメタノール溶液2.5部を添加してケ
ン化反応を行ない、得られた白色ゲルを粉砕、メ
タノール洗浄、乾燥して変性PVAを得た。得ら
れた変性PVAは、実施例1と同様にして分析し
たところ、以下の分析値を有していることが確認
された。又、この変性PVAは、不存在下で水に
可溶であり、水溶液のPHは6.5であつた。 ビニルシラン単位 0.25モル% 酢酸ビニル単位のケン化度 98.5モル% 4%水溶液の20℃における粘度 27.5cp この変性PVAの中性5%水溶液を用い、実施
例2と同様にして石綿ストレート板およびモルタ
ル板に対する耐水接着力を測定した。結果を合せ
て第1表に示す。 比較例 2 実施例1と同様の反応容器中に酢酸ビニル2800
部、メタノール400部、ビニルトリメトキシシラ
ン22.4部を仕込み撹拌しながら系内を窒素置換し
た後内温を60℃まで上げた。この系に2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル1.96部を含むメタノー
ル溶液300部を添加し、重合を開始した。4時間
重合を継続した後重合を停止した。この時点での
系内固形分濃度は50%であつた。得られた共重合
体は核磁気共鳴分析よりビニルトリメトキシシラ
ン単位を平均値として0.5モル%と酢酸ビニル単
位を99.5モル%含有することが確認された。実施
例2と同様にしてこの共重合体をケン化し、変性
PVAを得た。この変性PVAは実施例1と同様に
して分析したところ ビニルシラン単位(平均値として) 0.5モル% 酢酸ビニル単位のケン化度 98.5モル% 4%水溶液の20℃における粘度(水酸化ナトリウ
ムを変性PVAに対して5%含む水溶液) 27.5cp であつた。 この変性PVAのアルカリ性5%水溶液(水酸
化ナトリウムを変性PVAに対し5%含む)を用
いて実施例2と同様にして石綿ストレート板およ
びモルタル板に対する耐水接着力を測定した。結
果を第1表に合せて示す。 比較例 3 比較例2におけるビニルトリメトキシシラン
22.4部にかえて11.2部を用いた以外は比較例2と
同様にして共重合を行なつた。得られた共重合体
は核磁気共鳴分析により、ビニルトリメトキシシ
ラン単位を平均値として0.25モル%含み、酢酸ビ
ニル単位を99.75モル%含有することが確認され
た。この共重合体を実施例3と同様にしてケン化
し、変性PVAを得た。この変性PVAは水溶液と
するためには変性PVAに対して2.5%の水酸化ナ
トリウムが必要であり、以下の分析値を有してい
た。 ビニルシラン単位(平均値として) 0.25モル% 酢酸ビニル単位のケン化度 99.5モル% 4%水溶液の20℃における粘度(水酸化ナトリウ
ムを変性PVAに対して2.5%含む水溶液) 24cp この変性PVAのアルカリ性5%水溶液(水酸
化ナトリウムを変性PVAに対して2.5%含む)を
用いて実施例3と同様にして石綿スレート板およ
びモルタル板に対する耐水接着力を測定した。結
果を第1表に合せて示す。
【表】 第1表より、本発明の方法によつて得られる変
性PVAは著るしく耐水性、無機物に対する接着
性にすぐれていることがわかる。 実施例 4〜6 第2表に示す条件を用いた以外は実施例2と同
様にして変性PVAを得た。得られた変性PVAの
分析値を第2表に合せて示す。更にこれらの変性
PVA水溶液の砂に対する反応性、石綿ストレー
ト板およびモルタル板に対する耐水接着力を第3
表に示す。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アルコールの存在下でビニルエステルと式
    ()で示される分子内にケイ素を含有するオレ
    フイン性不飽和単量体とを、これら2種の単量体
    の濃度比率が重合期間を通じて常に一定であるよ
    うな条件下で共重合させ、得られた共重合体をケ
    ン化することを特徴とするケイ素を含有する変性
    ポリビニルアルコールの製造方法。 (ここでnは0〜1、mは0〜2、R1は低級ア
    ルキル基、アリル基又はアリル基を有する低級ア
    ルキル基、R2は炭素数1〜40の飽和分岐又は非
    分岐のアルコキシル基であり、該アルコキシル基
    は酸素を含有する置換基を有していてもよい)。 2 ビニルエステルが酢酸ビニルであり、アルコ
    ールがメタノールである特許請求の範囲第1項に
    記載の変性ポリビニルアルコールの製造方法。 3 式()において、nとmが0であり、R2
    がメトキシル基である特許請求の範囲第2項に記
    載の変性ポリビニルアルコールの製造方法。
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