JPS6339026B2 - - Google Patents

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JPS6339026B2
JPS6339026B2 JP5465582A JP5465582A JPS6339026B2 JP S6339026 B2 JPS6339026 B2 JP S6339026B2 JP 5465582 A JP5465582 A JP 5465582A JP 5465582 A JP5465582 A JP 5465582A JP S6339026 B2 JPS6339026 B2 JP S6339026B2
Authority
JP
Japan
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emulsion
polymerization
vinyl
polyvinyl alcohol
modified polyvinyl
Prior art date
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Application number
JP5465582A
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English (en)
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JPS58171457A (ja
Inventor
Hitoshi Maruyama
Koichi Kajitani
Makoto Shiraishi
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP5465582A priority Critical patent/JPS58171457A/ja
Publication of JPS58171457A publication Critical patent/JPS58171457A/ja
Publication of JPS6339026B2 publication Critical patent/JPS6339026B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はセメント系、ケイ酸カルシウム系、石
こう系などの多孔性無機質材料に対し優れた接着
性を有する被覆剤に関し、更にくわしくは、分子
内にケイ素を含有する変性ポリビニルアルコール
(以下ポリビニルアルコールをPVAと略記する)
を含む合成樹脂エマルジヨンよりなる多孔性無機
質材料用被覆剤に関する。 従来より、多孔性無機質材料からなる建材など
の表面を保護し、上塗り塗料あるいは仕上げ剤と
の接着性をよくする目的で、ウレタン樹脂系、エ
ポキシ樹脂系、塩化ビニル樹脂系などの有機溶剤
系被覆剤あるいは酢酸ビニル重合体エマルジヨ
ン、アクリル酸エステルエマルジヨンまたはこれ
らの共重合体エマルジヨン等の水性エマルジヨン
型被覆剤が使用されている。しかしながら有機溶
剤型被覆剤は有機溶剤を使用するため安全衛生上
の問題があり又強アルカリ性の多孔質建材におい
ては樹脂の分解ないしは変質により長期間にわた
り接着力および耐剥離性を維持することが困難で
あるなどの欠点があつた。また水性エマルジヨン
型被覆剤は有機溶剤は全く使用しないという利点
はあるものの、耐アルカリ性および耐水性が劣る
ため、接着力および耐剥離性が低いという欠点が
あつた。 本発明者らは上記欠点を克服すべく鋭意研究し
た結果、分子内にケイ素を含有する変性PVAの
存在下でエチレン性不飽和単量体を乳化重合もし
くは重合体を後乳化することによつて得られる合
成樹脂エマルジヨンは多孔性無機質材料に含浸、
塗布する時、耐水性、耐アルカリ性が高く、無機
質材料及び該無機質材料に使用される上塗り塗料
あるいは仕上げ剤との接着性が著るしく優れてい
ることを見い出し本発明を完成するに至つた。 本発明の被覆剤が塗布される多孔性無機質材料
としてはセメント系、ケイ酸カルシウム系、石膏
系などの無機質材料を主成分とするものであり、
具体的には、軽量コンクリート、プレキヤストコ
ンクリート、軽量気泡コンクリート(ALC)、モ
ルタル、石綿セメント板、ケイ酸カルシウム板、
パルプセメント板、木毛セメント板、石膏ボー
ド、ハードボード、しつくい、石膏プラスター、
ドロマイトプラスター、硬プラスターなどが挙げ
られる。 本発明において使用される分子内にケイ素を含
有する変性PVAは例えば次の如き方法で製造す
ることができる。 PVAあるいはカルボキシル基又は水酸基を
含有する変性ポリ酢酸ビニルに、シリル化剤を用
いて後変性によりケイ素を導入する方法、ビニ
ルエステルとケイ素含有オレフイン性不飽和単量
体との共重合体をケン化する方法などが挙げられ
る。PVAあるいは変性ポリ酢酸ビニルにシリル
化剤を用いて後変性する方法においては例えば、
シリル化剤と反応しない有機溶媒、たとえばベン
ゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタ
ン、エーテル又はアセトンなどにシリル化剤を溶
解させ、該溶液中に粉末状PVAあるいは上記変
性ポリ酢酸ビニルを撹拌下に懸濁させ、常温〜シ
リル化剤の沸点の範囲の温度においてシリル化剤
とPVAあるいは上記変性ポリ酢酸ビニルを反応
させることによつてあるいは更にアルカリ触媒等
によつて酢酸ビニル単位をケン化することによつ
てケイ素含有変性PVAを得ることができる。こ
のような後変性において用いられるシリル化剤と
しては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジク
ロルシラン、メチルトリクロルシラン、ビニルト
リクロルシラン、ジフエニルジクロルシラン、ト
リエチルフルオルシラン等のオルガノハロゲンシ
ラン、トリメチルアセトキシシラン、ジメチルジ
アセトキシシランなどのオルガノシリコンエステ
ル、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメト
キシシランなどのオルガノアルコキシシラン、ト
リメチルシラノール、ジエチルシランジオール等
のオルガノシラノール、N―アミノエチルアミノ
プロピルトリメトキシシラン等のアミノアルキル
シラン、トリメチルシリコンイソシアネート等の
オルガノシリコンイソシアネート等が挙げられ
る。シリル化剤の導入率すなわち変性率は用いら
れるシリル化剤の量、反応時間によつて任意に調
節することができる。また得られるケイ素含有変
性PVAの重合度、ケン化度は用いられるPVAの
重合度、ケン化度あるいは上記変性ポリ酢酸ビニ
ルの重合度およびケン化反応によつて任意に調節
することができる。 またビニルエステルとケイ素含有オレフイン性
不飽和単量体との共重合体をケン化する方法にお
いては、例えば、アルコール中においてビニルエ
ステルとケイ素含有オレフイン性不飽和単量体と
をラジカル開始剤を用いて共重合せしめ、しかる
後に該共重合体のアルコール溶液にアルカリある
いは酸触媒を加えて該共重合体をケン化せしめる
ことによつてケイ素含有変性PVAを得ることが
できる。このような方法において用いられるビニ
ルエステルとしては酢酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル、ギ酸ビニル等が挙げられるが経済的にみて
酢酸ビニルが好ましい。一方、またこのような方
法において用いられるケイ素含有オレフイン性不
飽和単量体としては次式()で示されるビニル
シランまたは()で示される(メタ)アクリル
アミド―アルキルシランが挙げられる。 (ここでnは0〜4、mは0〜2、R1は水素、
ハロゲン、低級アルキル基、アリル基またはアリ
ル基を有する低級アルキル基、R2はアルコキシ
ル基、アシロキシル基(ここでアルコキシル基又
はアシロキシル基は酸素を含有する置換基を有し
ていてもよい)又は水素基、R3は水素又はメチ
ル基、R4は低級アルキル基、R5はアルキレン基
又は連鎖炭素原子が酸素によつて相互に結合され
た2価の有機残基をそれぞれ示す)。 式()で示されるビニルシランの具体例とし
ては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリス―(β―メト
キシエトキシ)シラン、ビニルトリアセトキシシ
ラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリア
セトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラ
ン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルメチ
ルジエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシ
ラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニル
ジメチルアセトキシシラン、ビニルイソブチルジ
メトキシシラン、ビニルメトキシジブトキシシラ
ン、ビニルジメトキシブトキシシラン、ビニルト
リブトキシシラン、ビニルメトキシジヘキシロキ
シシラン、ビニルジメトキシヘキシロキシシラ
ン、ビニルトリヘキシロキシシラン、ビニルメト
キシジオクチロキシシラン、ビニルジメトキシオ
クチロキシシラン、ビニルトリオクチロキシシラ
ン、ビニルメトキシジラウリロキシシラン、ビニ
ルジメトキシラウリロキシシラン、ビニルメトキ
シジオレイロキシシラン、ビニルジメトキシオレ
イロキシシラン、一般式 (ここでmは前記と同じ、Xは1〜20を示す) で表わされるビニルメトキシシランのポリエチレ
ングリコール誘導体等が挙げられる。また式
()で表わされる(メタ)アクリルアミド―ア
ルキルシランの具体例としては例えば、3―(メ
タ)アクリルアミド―プロピルトリメトキシシラ
ン、3―(メタ)アクリルアミド―プロピルトリ
エトキシシラン、3―(メタ)アクリルアミド―
プロピルトリ(β―メトキシエトキシ)シラン、
2―(メタ)アクリルアミド―エチルトリメトキ
シシラン、1―(メタ)アクリルアミド―メチル
トリメトキシシラン、2―(メタ)アクリルアミ
ド―2―メチルプロピルトリメトキシシラン、2
―(メタ)アクリルアミド―2―メチルプロピル
トリエトキシシラン、2―(メタ)アクリルアミ
ド―イソプロピルトリメトキシシラン、N―(2
―(メタ)アクリルアミド―エチル)―アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、3―(メタ)アクリ
ルアミド―プロピルトリアセトキシシラン、3―
(メタ)アクリルアミド―プロピルイソブチルジ
メトキシシラン、2―(メタ)アクリルアミド―
プロピル―ジメチルメトキシシラン、2―(メ
タ)アクリルアミド―エチルジメチルメトキシシ
ラン、3―(メタ)アクリルアミド―プロピルベ
ンジルジエトキシシラン、3―(N―メチル―
(メタ)アクリルアミド)―プロピルトリメトキ
シシラン等が挙げられる。 本発明において使用される変性PVAを製造す
る際に用いられるアルコールとしては、メタノー
ル、エタノール等の低級アルコールが挙げられる
が、経済的にみてメタノールが好ましい。 重合は回分方式、連続方式のいずれにても実施
可能であるが、回分方式の場合、共重合反応性比
(r1、r2)に従がつて、重合の進行にともない単
量体の一方あるいは両方を連続的に添加し、重合
反応液中の単量体の濃度比率が重合期間を通じて
常に一定であるような条件に調節することが好ま
しい。この場合の添加量の算出方法の一例として
はR.J.HannaがIndustrial and Engineering
Chemistry.Vol.49、No.2、208〜209(1957)に提
出している式が挙げられる。多塔式の連続共重合
の場合にも同様に、各塔内の単量体濃度比率が一
定となるように各塔に単量体を添加することが好
ましい。重合開始剤としては、2,2′―アゾビス
イソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化
ラウロイル、過酸化アセチル等公知のラジカル重
合開始剤が使用できる。重合反応温度は通常50℃
〜重合系の沸点の範囲から選ばれる。 又、かかる重合を行なうに当つては上記2成分
以外にかかる単量体と共重合可能な他の不飽和単
量体、例えばスチレン、アルキルビニルエーテ
ル、バーサチツク酸ビニル、(メタ)アクリルア
ミド、エチレン、プロピレン、2―ヘキセン、2
―オクテン等のオレフイン、(メタ)アクリル酸、
クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸等の不飽和酸、及びこれらのアルキルエ
ステル、アルカリ塩、2―アクリルアミド―2―
メチルプロパンスルホン酸等のスルホン酸含有単
量体及びそのアルカリ塩、トリメチル―3―(1
―アクリルアミド―1,1―ジメチルプロピル)
アンモニウムクロリド、トリメチル―3―(1―
アクリルアミドプロピル)アンモニウムクロリ
ド、1―ビニル―2―メチルイミダゾールおよび
その4級化物等のカチオン性単量体等を小割合で
存在させることも可能である。 共重合体中のケイ素含有重合性単量体単位の量
は目的に応じて適宜選択されうるが、通常0.1〜
5モル%の範囲から選ばれる。また共重合体の重
合度は溶媒として使用するアルコールの量によつ
て任意に調節しうる。共重合を完了した後、反応
液中にビニルエステルが残存している場合には蒸
留等によつて除去する必要がある。 ケイ素含有重合性単量体が残存している場合、
ビニルエステルとは別に除去してもよく、また少
量であれば残存させたままでも、一般的目的には
支障がない。 こうして得られた共重合体は次いでケン化され
る。ケン化反応は通常共重合体をアルコール溶液
として実施し、アルコリシスにより反応を行なわ
しめるのが有利である。アルコールは無水物のみ
ならず少量の含水系のものも目的に応じて用いら
れる。またアルコールに酢酸メチル、酢酸エチル
などの有機溶媒を任意に含有せしめてもよい。ケ
ン化触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム等のアルカリ金属の水酸化物、ナトリウム
メチラート、カリウムメチラートなどのアルコラ
ートあるいはアンモニアなどのアルカリ性触媒が
用いられ、また塩酸、硫酸などの酸触媒もまた用
いられ得る。これらのうちケン化反応速度が速い
という点でアルカリ触媒が有利であり、中でも水
酸化ナトリウムが工業的には経済的に有利であ
る。ケン化温度は通常10〜50℃の範囲から選ばれ
る。 ケン化反応によりビニルエステル単位は部分的
にあるいは高度にケン化されてビニルアルコール
単位に転換されるが、この転換率は該変性PVA
の使用目的に応じて任意の値とすることができ
る。 また、ビニルアルコキシシラン単位も部分的あ
るいは高度にケン化されてビニルシラノール単位
そのアルカリ塩あるいはその相互縮合物に転換さ
れる。 本発明において用いられる合成樹脂エマルジヨ
ンは、前述した如き分子内にケイ素を含有する変
性PVAの存在下でエチレン性不飽和単量体を乳
化重合するか又は前記変性PVAの存在下で合成
樹脂を後乳化することによつて得られるものであ
ることが必須の条件であり、単に後の方法で得ら
れた合成樹脂エマルジヨンに該変性PVAを添加
するだけでは本発明の如き効果は十分には得られ
ない。 上述した、エチレン性不飽和化合物の乳化重合
を実施するにあたつては、水、重合開始剤および
分子内にケイ素を含有する変性PVAの存在下に
エチレン性不飽和化合物を一時又は連続的に添加
して加熱、撹拌する如き通常の乳化重合方法がい
ずれも実施しうる。この際、分子内にケイ素を含
有する変性PVAに、他の公知の乳化安定剤、例
えば、通常の未変性PVA、ノニオン界面活性剤、
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、セル
ロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、メチルセルロースな
ど)などを適宜併用して使用することもできる。
また、その他通常の乳化重合で用いられる種々の
添加剤、調整剤なども適宜使用することができ
る。 変性PVAの使用量は通常エチレン性不飽和単
量体100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲から
適宜選択して用いられる。 上述の乳化重合において用いられるエチレン性
不飽和単量体としては、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニルおよび高級脂肪酸ビニルエステルである
バーサチツク酸ビニルなどのビニルエステル類、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ブチルおよび(メタ)
アクリル酸オクチルなどの(メタ)アクリル酸エ
ステル類あるいは塩化ビニル、塩化ビニリデン、
(メタ)アクリロニトリル、スチレン、エチレン、
プロピレン、(メタ)アクリルアミド、N―メチ
ロール―(メタ)アクリルアミド、マレイン酸ジ
エステル、フマル酸ジエステル、イタコン酸ジエ
ステルあるいはブタジエン、イソプレンなどが挙
げられ、いずれも単独あるいはこれらの混合物と
して使用することができる。 乳化重合開始剤としては通常の乳化重合に用い
られる開始剤、例えば、過酸化水素、過硫酸アン
モニウム、第3級ハイドロパーオキシド、等公知
の過酸化物あるいはこれらと重亜硫酸ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナ
トリウムスルホキシラート等の還元剤の組合わせ
による公知のレドツクス系が採用される。これら
の重合開始剤はオレフイン性不飽和化合物100重
量部に対して0.01〜5重量部の範囲で使用され
る。 乳化重合を実施する際の温度としては30〜100
℃好ましくは40〜90℃が採用されうる。 一方、合成樹脂を後乳化することによつてエマ
ルジヨンを得る場合においては、前述した分子内
にケイ素を含有する変性PVAの存在する水中に、
水に不溶性で比較的低沸点の有機溶媒に溶解した
合成樹脂溶液を添加し撹拌して乳化した後、該有
機溶媒を留去する方法あるいは前記の変性PVA
の存在する水中に熱可塑性合成樹脂を添加し、該
熱可塑性合成樹脂の軟化点以上の高温下撹拌又は
混練して乳化し、冷却する方法等、通常の後乳化
方法がいずれも実施しうる。この際、前述した分
子内にケイ素を含有する変性PVAと共に、他の
公知の乳化安定剤などを適宜併用することは可能
である。後乳化法によつて合成樹脂エマルジヨン
を得る場合における前記変性PVAの使用量は通
常合成樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範
囲から適宜選択して用いられる。 上記の方法で用いられる合成樹脂としては、前
述したエチレン性不飽和単量体の単独あるいは共
重合体が挙げられる。 本発明の被覆剤は前述した如き、種々の方法で
得られる。ケイ素含有変性PVAを含有する合成
樹脂エマルジヨンを基礎とするものであるが、該
合成樹脂エマルジヨン中には必要に応じて通常の
未変性のPVA、セルロース誘導体、可塑剤、顔
料、染料などの着色剤を添加することもできる。 該被覆剤は、通常は固形分濃度5〜50(重量)
%、好ましくは10〜30%の範囲で使用される。無
機質建材への塗布方法はハケ塗り、吹付け塗り、
ローラー塗り、浸漬など一般の塗装方法がいずれ
も可能である。塗布量は10〜300g/m2が好まし
く、乾燥は室温で十分であるが加熱乾燥しても何
等差し支えない。 本発明の被覆剤によつて処理された建材は、上
塗り塗料および仕上げ剤との接着性が極めてすぐ
れており、耐剥離性、耐水性、耐アルカリ性、耐
エフロレツセンス性にすぐれた工業用材料として
極めて利用価値の高いものである。 本発明の被覆剤が前述の如く極めて優れた性能
を発揮する理由については詳細は不明であるが以
下のように推定される。すなわち、本発明に用い
られる分子内にケイ素を含有する変性PVA中の
ケイ素置換基は無機質建材中のAl、Ca、Mg、Si
等のイオンおよびこれらの酸化物あるいはその水
和物と容易に反応し強固な結合を生成するととも
に、更に変性PVA中のケイ素置換基同志も該変
性PVA水溶液が乾燥によつて被膜化する際アル
カリ性条件下においても容易に反応して架橋体を
形成する性質を有しているため、無機質建材中に
無制限に浸透することなく無機質材料表面層に歩
留り、アルカリ性条件下においても耐水性のすぐ
れた強な被膜を形成するため無機質建材の表面層
が強化され、耐剥離性、耐水性、耐エフロレツセ
ンス性および上塗塗料又は仕上げ剤との接着性が
顕著に向上するものと考えられる。 以下実施例によつて本発明を具体的に説明する
が、これらの実施例は発明を何等制限するもので
はない。尚、特にことわりのないかぎり、部ある
いは%はすべて重量基準である。 実施例 1 ビニルトリメトキシシランと酢酸ビニルとの共
重合体をケン化して得られた、ケイ素をビニルシ
ラン単位として0.25モル%含有し、酢酸ビニル単
位のケン化度が87.5モル%、4%水溶液の20℃に
おける粘度(ブルツクフイールド型粘度計によ
る。以下同様)が30センチポイズ(以下センチポ
イズをcpと記述する)であるケイ素含有変性
PVAを乳化安定剤として酢酸ビニルの乳化重合
を次の如く実施した。 即ち、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度
計を備えたセパラブルフラスコに上記変性PVA8
部と水85部を入れ撹拌昇温して変性PVAを溶解
後冷却した。酢酸ビニル10部を加え、撹拌しなが
らフラスコの内温を60℃に昇温した。フラスコ内
にチツ素ガスを導入して系内をチツ素置換しなが
ら、重合開始剤として過酸化水素水溶液およびピ
ロ亜硫酸ナトリウム水溶液を添加し、重合を開始
した。初期重合を30分間行ない、残りの酢酸ビニ
ル40部を2時間かけて滴下し、その後70℃で1時
間熟成した後冷却した。得られたエマルジヨンは
樹脂分40%で30℃における粘度(ブルツクフイー
ルド型粘度計)、回転数20r.p.m)31000センチポ
イズ(以下、センチポイズをcpと略記する)で
あつた。 このエマルジヨン100部に可塑剤としてジブチ
ルフタレート10部を加えた後、表面PHが12のモル
タル板および表面PHが10の石綿スレート板上に乾
燥皮膜が200μ(マイクロメーター)となるように
塗布しその上に、補強剤として綿布をおいて3日
間風乾して皮膜を形成せしめた。この皮膜をカツ
ターナイフで巾1cmに切れ目を入れ、温度20℃、
相対湿度65%RHの恒温室にて3日間調湿した
後、および更に20℃の水中に3日間浸漬した後、
オートグラフにて90゜の角度で剥離強度を測定し
た。結果を第1表に示す。 実施例 2 ビニルトリアセトキシシランと酢酸ビニルとの
共重合体をケン化して得られた、ケイ素をビニル
シラン単位として0.3モル%含有し、酢酸ビニル
単位のケン化度が91モル%、4%水溶液の20℃に
おける粘度が27cpであるケイ素含有変性PVAを
乳化安定剤として酢酸ビニルの乳化重合を次の如
く実施した。 即ち、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度
計を備えたセパラブルフラスコに上記の変性
PVA8部と水92部を入れ、撹拌、昇温して変性
PVAを溶解し、次いで冷却した。過硫酸カリウ
ム0.185部を加えて溶解した後、酢酸ビニル18部
を加え、撹拌しながらフラスコ内にチツ素ガスを
導入して系内をチツ素置換しながら内温を64〜65
℃に昇温して重合を開始した。初期重合を20分間
行なつた後、酢酸ビニル32部を2.5時間にわたつ
て滴下し、その後、70℃で1時間熱成した後、冷
却した。得られたエマルジヨンは樹脂分38%で、
30℃における粘度29000cpであつた。このエマル
ジヨンを用いて実施例1と同様にしてモルタルお
よび石綿スレート板に対する剥離強度を測定し
た。結果を合せて第1表に示す。 比較例 1 実施例2の変性PVAに代えてケン化度88モル
%、4%水溶液の20℃における粘度22.5cpの
PVAを用いる以外は実施例2と同様にして樹脂
分39.5%、30℃における粘度20000cpのエマルジ
ヨンを得た。このエマルジヨンを用いて実施例1
と同様にしてモルタルおよび石綿スレート板に対
する接着力を測定した。結果を第1表に合せて示
す。 実施例 3 ビニルジメチルエトキシシランと酢酸ビニルと
の共重合体をケン化して得られた、ケイ素をビニ
ルシラン単位として1モル%含有し、酢酸ビニル
単位のケン化度87.5モル%、4%水溶液の20℃に
おける粘度6.5cpであるケイ素含有変性PVAを乳
化安定剤として次の如くエチレン―酢酸ビニル系
の乳化共重合法を実施した。 即ち、撹拌機、温度検出端、液体仕込装置を付
した耐圧反応槽中に上記変性PVA6部と蒸留水
100部を入れ、撹拌昇温して上記の変性PVAを溶
解した。冷却後、撹拌しながらこの系に酢酸ビニ
ルを120部加え、更にエチレンガスを導入して系
の圧力を45Kg/cm2に調節しながら系内を60℃に昇
温した。60℃の温度で過酸化水素水溶液およびピ
ロ亜硫酸ナトリウム水溶液を加え3時間乳化重合
し、重合終了後、アンモニア水溶液でPHを6.0に
調節した。得られたエチレン―酢酸ビニル共重合
エマルジヨンはエチレン単位45.2モル%、樹脂分
49.5%、30℃における粘度85cpであつた。実施例
1と同様にしてモルタルおよび石綿スレート板に
対する接着力を測定した。結果を第1表に合せて
示す。 比較例 2 実施例3の変性PVAに代えて、ケン化度88モ
ル%、4%水溶液の20℃における粘度が5.5cpの
PVAを用いる以外は実施例5と同様にして樹脂
分50%、30℃における粘度79cpのエマルジヨン
を得た。このエマルジヨンを用いてモルタル板お
よび石綿スレート板に対する接着力を実施例1と
同様の方法で測定した。結果を第1表に合せて示
す。
【表】 第1表より、本発明の被覆剤はアルカリ性の多
孔性無機質建材に対しても著るしく耐水接着力が
高いことがわかる。 実施例 4 ビニルトリエトキシシランと酢酸ビニルとの共
重合体をケン化して得られた、ケイ素をビニルシ
ラン単位として0.25モル%含有し、酢酸ビニル単
位のケン化度87モル%、4%水溶液の20℃におけ
る粘度6.5cpであるケイ素含有変性PVAを乳化安
定剤として酢酸ビニル―アクリル酸エチル系の共
重合を次の如く実施した。 即ち、撹拌機、温度計、滴下ロートおよび還流
冷却器を付した反応槽中に上記変性PVAの7%
水溶液450部、アクリル酸エチル10部および酢酸
ビニル50部を仕込み、均一に乳濁させた後、6%
の過硫酸アンモニウム41部および10%の重亜硫酸
ナトリウム60部を添加し、系内の温度を60℃に昇
温して重合を開始した。温度60℃で重合を継続し
ながらアクリル酸エチル55部と酢酸ビニル275部
の混合物と2%の過硫酸アンモニウム水溶液80部
を滴下しながら3時間乳化重合した。滴下終了
後、70℃に昇温し、30分間熱成した後、室温まで
冷却して10%アンモニア水溶液でPHを5.0に調節
した。得られた共重合体エマルジヨンは樹脂分が
40%で、30℃における粘度は100cpであつた。こ
のエマルジヨンをケイ酸カルシウム板(ケイカル
板)にハケでウエツト塗布量が100g/m2となるよ
うに塗布し、2時間室内に放置した。その後固形
分濃度40%の酢酸ビニル樹脂系エマルジヨンをロ
ーラーブラシで約120g/m2のウエツト塗布量で塗
布した後、室内に7日放置した。この試験片を屋
外で6ケ月暴露した後、カツターナイフで塗面を
クロスカツトし、ついでカツト部についてガムテ
ープで基材―被覆剤―上塗り塗膜の各境界面での
接着性を調べた。その結果を第2表に示す。 比較例 3 実施例4の変性PVAに替えて、ケン化度88モ
ル%、4%水溶液の20℃における粘度5.3cpの
PVAを用いた以外は実施例4と同様にしてエマ
ルジヨン重合し、得られたエマルジヨンの接着性
を実施例4と同様にして測定した。結果を第2表
に合せて示す。
【表】 実施例 5 セメント:砂:砂利=1:3:3でセメント/
水比が65%のコンクリートを合板製の型枠に流し
込み、相対湿度85〜95%、温度20℃の室内で1日
湿室養生した後脱型し、更に20℃の水中で6日間
水中養生した。次いでこのコンクリートの合板製
型枠が接していた面に、実施例3で得られたエチ
レン―酢酸ビニル共重合体エマルジヨンを乾燥固
形分で65g/m2となるように塗布し、一昼夜放置
後、セメント:砂=1:3でセメント/水比が60
%のモルタルを打ちつぎ、前記条件の室内で1日
湿室養生し、更に室内(25℃60〜70%RH)又は
20℃の水中に7日間放置後曲げ強度を測定し、コ
ンクリートとモルタル仕上げ層との接着性を調べ
た。結果を第3表に示す。 比較例 4 実施例5におけるエマルジヨンに替えて比較例
2で得られたエチレン―酢酸ビニル共重合体エマ
ルジヨンを用いる以外は実施例5と同様にして曲
げ強度を測定した。結果を第3表に合せて示す。
【表】 ルの継目を支点とする曲げ試験法でア
ムスラー型引張試験機を用いた。
第3表より本発明の被覆剤は乾燥時の接着力お
よび湿潤時の耐水接着力が著るしくすぐれている
ことがわかる。 実施例 6 実施例1で用いられた分子内にケイ素を含有す
る変性PVA10部を含む水18部に、溶液重合法で
得られた酢酸ビニル重合体樹脂100部を加え、加
圧ニーダーで、70℃において20分間混練した後、
混練物を強くかきまぜながら水120部を徐々に加
え冷却して酢酸ビニル重合体の後乳化エマルジヨ
ン(固形分44%)を得た。 このエマルジヨンを用いて実施例5と同様にし
てコンクリートとモルタル仕上げ層との接着性を
調べた。7日間室内養生後および水中養生後の曲
げ強度はそれぞれ27.5Kg/cm2、23.6Kg/cm2であつ
た。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 分子内にケイ素を含有する変性ポリビニルア
    ルコールを乳化剤として含有する合成樹脂エマル
    ジヨンよりなる多孔性無機質材料用被覆剤。 2 分子内にケイ素を含有する変性ポリビニルア
    ルコールを乳化剤として含有する合成樹脂エマル
    ジヨンが前記変性ポリビニルアルコールの存在下
    でエチレン性不飽和単量体を乳化重合したもので
    ある特許請求の範囲第1項に記載の多孔性無機質
    材料用被覆剤。 3 分子内にケイ素を含有する変性ポリビニルア
    ルコールを乳化剤として含有する合成樹脂エマル
    ジヨンが前記変性ポリビニルアルコールの存在下
    で合成樹脂を後乳化したものである特許請求の範
    囲第1項に記載の多孔性無機質材料用被覆剤。 4 分子内にケイ素を含有する変性ポリビニルア
    ルコールがビニルエステルと分子内にケイ素を含
    有するエチレン性不飽和単量体との共重合体をケ
    ン化して得られる変性ポリビニルアルコールであ
    る特許請求の範囲第1項に記載の多孔性無機質材
    料用被覆剤。 5 エチレン性不飽和単量体が酢酸ビニル、エチ
    レン、(メタ)アクリル酸エステルよりなる群か
    ら選ばれた1種又は2種以上の混合物である特許
    請求の範囲第2項に記載の多孔性無機質材料用被
    覆剤。
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JPH0764657B2 (ja) * 1986-12-01 1995-07-12 株式会社クラレ 多孔性無機板用シ−ラ−組成物
JPH0764658B2 (ja) * 1986-12-01 1995-07-12 株式会社クラレ 多孔性の無機板用のシ−ラ−組成物
JPH0274577A (ja) * 1988-09-08 1990-03-14 Masao Ose 軽量人工石材
DE4231312C2 (de) * 1992-09-18 1996-10-02 Siemens Ag Antireflexschicht und Verfahren zur lithografischen Strukturierung einer Schicht

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