JPH0674304B2 - ポリビニルアルコール系重合体を一成分とするブロツク共重合体の製法 - Google Patents

ポリビニルアルコール系重合体を一成分とするブロツク共重合体の製法

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JPH0674304B2
JPH0674304B2 JP58062673A JP6267383A JPH0674304B2 JP H0674304 B2 JPH0674304 B2 JP H0674304B2 JP 58062673 A JP58062673 A JP 58062673A JP 6267383 A JP6267383 A JP 6267383A JP H0674304 B2 JPH0674304 B2 JP H0674304B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はポリビニルアルコール系重合体を一成分とする
ブロツク共重合体の製法に関する。更に詳しくは、一般
式P・SHで表わされ、Pは下記構造単位A、Bを含み、
Aの含量が100〜50モル%で、その重合度が3500以下で
ある末端のみにメルカプト基を有するポリビニルアルコ
ール系重合体の存在下に、ラジカル重合可能なモノマー
をラジ カル重合することを特徴とするポリビニルアルコール系
重合体を一成分とするブロツク共重合体の製法に関す
る。
性質の異なる重合体成分の結合からなるブロツク共重合
体は、共重合体成分の組合せの多様性に対応して種々の
異なつた物性を有し、耐衝撃性樹脂、高分子乳化剤、分
散剤等としての利用のほか、最近では膜材や医用材料と
しても注目を集めており、グラフト共重合体とともにそ
の研究例は多岐にわたつている。
ポリビニルアルコール系重合体(以下PVA系重合体と略
記)に関しては、PVA系重合体を幹としたグラフト重合
体については多くの研究、応用が行なわれているが、PV
A系重合体を一成分とするブロツク共重合体について
は、ほとんどその例がない。しかしPVA系重合体は周知
の如く、水溶性高分子では数少ない結晶性高分子であ
り、力学的、界面化学的性質がすぐれた水溶性高分子と
して賞用されているものであり、PVA系重合体を一成分
とするブロツク共重合体は、PVA系重合体の有するすぐ
れた性質を保持しつつ、新しい性質を付与した材料とし
て期待されるものである。
本発明者らは、PVA系重合体を一成分とするブロツク共
重合体の製造方法に関して鋭意検討した結果、一般式P
・SHで表わされ、Pは下記構造単位A、Bを含み、Aの
含量が100〜50%で、その重合度が3500以下である末端
のみ(以下の説明において、『末端』とは『末端にみ』
を意味する)にメルカプト基を有するPVA系重合体の存
在下に、ラジカル 重合可能なモノマーをラジカル重合することによつて、
PVA系重合体を一成分とするブロツク共重合体を製造で
きることを見出し、本発明を完成したものである。
本発明で使用される末端にメルカプト基を有するPVA系
重合体はチオール酸の存在下にビニルエステル類モノマ
ーを主体とするビニルモノマーを重合して得たポリビニ
ルエステル系重合体を常法によりけん化して得られる
が、この製造方法については以下に詳述する。
まずここで使用するチオール酸は−COSH基を有する有機
チオール酸を包含する。例えばチオール酢酸、チオール
プロピオン酸、チオール酪酸、チオール吉草酸等があげ
られるが、中でもチオール酢酸が分解性もよく最も好ま
しい。
またビニルエステルはラジカル重合可能なビニルエステ
ルであれば使用できる。例えばギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バーサテイツク酸ビニル、ラ
ウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等があげられる
が、中でも酢酸ビニルが最も重合性がよく、好ましい。
またこれらビニルエステルと共重合可能なモノマーを共
存させ共重合することもできる。例えばエチレン、プロ
ピレン、イソブチレン、アクリル酸、メタクリル酸又は
その塩あるいはこれらのアルキルエステル、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタク
リルアミド、トリメチル−(3−アクリルアミド−3−
ジメチルプロピル)−アンモニウムクロリド、エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロ
リドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フツ化ビニル、塩化
ビニリデン、フツ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン等があげられる。
チオール酸の存在下の酢酸ビニル等のビニルエステル類
を主体とするビニルモノマーの重合はラジカル重合開始
剤の存在下、塊状重合法、溶液重合法、パール重合法、
乳化重合法などいずれの方法でも行なうことができる
が、メタノールを溶媒とする溶液重合法が工業的には最
も有利である。重合中に存在させるチオール酸の重合系
への添加量、添加方法には特に制限はなく、目的とする
ポリビニルエステル系重合体の物性値によつて適宜決定
さるべきものである。重合方式としては回分式、半連続
式、連続式等公知の方式を採用しうる。
ラジカル重合開始剤としては2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化カーボネート等
公知のラジカル重合開始剤が使用できるが、2,2′−ア
ゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系開始剤が取扱いや
すく好ましい。また放射線、電子線等も使用することが
できる。重合温度は使用する開始剤の種類により適当な
温度を採用することが望ましいが、通常30〜90℃の範囲
から選ばれる。所定時間重合した後未重合のビニルエス
テル類を通常の方法で除去することにより末端にチオー
ル酸エステル基を有するポリビニルエステル系重合体が
えられる。
このようにして得られたポリビニルエステル系重合体は
常法によりけん化されるが、通常共重合体をアルコール
溶液とりわけメタノール溶液として実施するのが有利で
ある。アルコールは無水物のみならず少量の含水系のも
のも目的に応じて用いられ、また酢酸メチル、酢酸エチ
ルなどの有機溶媒を任意に含有せしめてもよい。けん化
温度は通常10〜70℃の範囲から選ばれる。けん化触媒と
しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウム
メチラート、カリウムメチラート等のアルカリ性触媒が
好ましく、該触媒の使用量はけん化度の大小および水分
量等により適宜決められるが、ビニルエステル単位に対
しモル比で0.001以上、好ましくは0.002以上用いること
が望ましい。一方アルカリ量が多くなりすぎると残存ア
ルカリをポリマー中より除去することが困難となり、ポ
リマーが着色する等好ましくなく、モル比で0.2以下に
することが望ましい。なおポリビニルエステル系重合体
中にカルボキシル基やそのエステル基等アルカリ触媒と
反応し、アルカリを消費する成分が共重合含有されてい
る場合、その分量を加えた量のアルカリ触媒を使用する
必要がある。このけん化反応により末端にチオール酸エ
ステル基を有するポリビニルエステル系重合体の末端の
チオール酸エステルと主鎖のビニルエステル結合がけん
化され、ポリマー末端はメルカプト基に、主鎖はビニル
アルコールになるが、主鎖のビニルエステル単位のけん
化度は使用目的に応じて変えられる。けん化反応後析出
した重合体は例えばメタノールで洗浄する等公知の方法
で精製し、残存アルカリ、酢酸のアルカリ金属塩等の不
純物を除去して乾燥することにより通常白色粉末として
えることができる。
以上本発明で使用される末端にメルカプト基を有するPV
A系重合体の製造方法について述べたが、このPVA系重合
体の重合度は3500以下、好ましくは2000以下、さらに好
ましくは1000以下である。またAの含量は50〜100モル
%、さらに水溶性の点からは70モル%以上が好ましい。
次に本発明の末端にメルカプト基を有するPVA系重合体
の存在下にラジカル重合を行なう方法について述べる。
本発明の目的を達成するための重合方法としては、通常
公知の方法、たとえばバルク重合、溶液重合、パール重
合、および乳化重合などが採用されうるが、PVA系重合
体を溶解しうる溶剤、たとえば水やジメチルスルホキシ
ドを主体とする媒体中で重合を行なうのが、好ましい。
また重合プロセスとしては回分法、半回分法、連続法の
いづれも採用することができる。
本発明のブロツク共重合体を得るためのラジカル重合
は、通常のラジカル重合開始剤、たとえば2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシ
カーボネート、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等
の中から重合系に合つたものを使用し、行なうことによ
つて達成されるが、水系での重合の場合、PVA末端のメ
ルカプト基と臭素酸カリウム、過硫酸カリウム、過硫酸
アンモニウム、過酸化水素等の酸化剤によるレドツクス
開始も可能であり、この中でも臭素酸カリウムは、通常
の重合条件下では単独ではラジカルを発生せず、PVA末
端のメルカプト基とのレドツクス反応によつてのみ分
解、ラジカルを発生することから、本発明のブロツク共
重合体を合成する上で特に好ましい開始剤である。
本発明の末端にメルカプト基を有するPVA系重合体の存
在下にラジカル重合を行なうに際し、重合系が酸性であ
ることが重要であり、望ましい。これはメルカプト基が
塩基性下においては、モノマーの二重結合へイオン的に
付加、消失する速度が大きく、重合効率が著しく低下す
るためであり、水系の重合であれば、全ての重合操作を
pH4以下で実施することが望ましい。
本発明のPVA系重合体を一成分とするブロツク共重合体
の他成分をなす重合体は、ラジカル重合可能なモノマー
の単独重合体あるいはランダム共重合体によつて構成さ
れ、組成、分子量、分子量分布等には特に制限はない
が、PVA系重合体と他成分重合体の重量比は、好ましく
は(他成分重合体重量)/(PVA系重合体重量)=0.1〜
20であり、更に好ましくは(他成分重合体重量)/(PV
A系重合体重量)=0.5〜10である。
本発明においてラジカル(共)重合可能なモノマーとし
ては、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフ
イン、塩化ビニル、フツ化ビニル、ビニリデンクロリ
ド、ビニリデンフルオライドなどのハロゲン化オレフイ
ン、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バ
ーサチツク酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸、
メタクリル酸およびそのエステルであるアクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデジル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エ
チルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチ
ル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルおよびこれらの
四級化物、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸お
よびそのナトリウム塩のアクリルアミド系モノマー、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸
およびそのナトリウム、カリウム塩等のスチレン系モノ
マー、その他N−ビニルピロリドン等があげられる。
本発明のPVA系重合体を一成分とするブロツク共重合体
の製造方法は、きわめて広範囲の性質を有するPVA系重
合体を一成分とするブロツク共重合体の製造方法を提供
するもので、末端にメルカプト基を有するPVAの重合
度、けん化度、あるいは共重合体の場合の組成を変化さ
せることと、他成分の重合体の組成、分子量をラジカル
重合可能なモノマー群から任意に選択し組合せることに
より達成される。たとえば他成分重合体を与えるモノマ
ーとしてアクリル酸、アクリルアミド、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチルやp−スチレンスルホン酸ナトリウ
ムのような水溶性重合体を与えるモノマーを使用すれば
得られるPVA系ブロツク共重合体は水溶性であり、水系
で重合を実施すれば、重合後そのままブロツク共重合体
の水溶液として使用できる。またアクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル等の重合体が水に不溶である場合
には、水系で重合を実施すると条件にもよるが、エマル
ジヨン状となり、これも重合後そのまま使用できる。
本発明の製造方法の更なる特徴は、本発明の方法によれ
ば、耐アルカリ性のないポリビニルエステル類やポリア
クリル酸エステル類とPVA系重合体のブロツク共重合体
が得られる点にある。PVA系重合体を一成分とするブロ
ツク共重合体は、ポリビニルエステル系重合体を一成分
とするブロツク共重合体をけん化することによつても得
られるが、他成分重合体が耐アルカリ性のない上述した
ようなポリビニルエステル類やポリアクリル酸エステル
類の場合には、けん化工程でこれらの重合体も加水分解
をうけ、目的とするブロツク共重合体は得られない。
本発明で得られるPVA系重合体を一成分とするブロツク
共重合体は、前述したような広範囲な性質を有するもの
であり、さらに重合体のブレンド物とは異なる性質、た
とえばブロツク共重合体の一方の成分の重合体と他方の
成分の重合体の相溶性が良好であるなどの性質を有して
いるので、各種の用途に応用可能である。たとえば紙の
内添サイズ剤、紙表面サイジング剤、紙コーテイング
剤、繊維製品用サイズ剤、経糸糊剤、繊維加工剤、塗
料、グラスフアイバーのコーテイング剤、金属の表面コ
ート剤、防曇剤等の被覆剤関係、木材、紙、アルミ箔、
プラスチツク等の接着剤、不織布バインダー、繊維状バ
インダー、石膏ボードおよび繊維板等の建材用バインダ
ー、各種エマルジヨン系接着剤の増粘剤、尿素樹脂系接
着剤用添加剤、セメント、モルタル用またはセラミツク
などの無機物バインダーまたは添加剤、ホツトメルト型
接着剤、感圧接着剤等の各種接着剤関係、エチレン、ス
チレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル等のエチ
レン系不飽和単量体およびブタジエン系単量体などの乳
化重合用分散剤、塗料、接着剤等の顔料分散安定剤、塩
化ビニル、塩化ビニリデン、スチレン、(メタ)アクリ
ル酸エステル、酢酸ビニル等の各種エチレン性不飽和単
量体の懸濁重合用分散安定剤、繊維、フイルム、シー
ト、パイプ、チユーブ、水溶性繊維、暫定皮膜等の成型
物関係、疎水性樹脂への親水性付与剤、複合繊維、フイ
ルムその他成型物用添加剤等の合成樹脂用ブレンド剤関
係、土質改良剤、土質安定剤、感光性樹脂用途など広範
囲な用途に応用可能である。
以下に実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらによつて何等限定されるものではない。な
お実施例中、部および%はいづれも重量基準を意味す
る。
〔末端にメルカプト基を有するPVA系重合体の合成〕
(No.1) 酢酸ビニル(以下VAcと略記)2400部、メタノール580部
およびチオール酢酸0.93部を反応容器にとり、内部を充
分に窒素置換した後外温を65℃にあげ、内温が60℃に達
したところで、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.8
68部を含むメタノール20部を加えた。直ちにチオール酢
酸17.4部を含むメタノール溶液60部を5時間にわたつて
均一に加えた。5時間後の重合率は50.4%であつた。5
時間後に容器を冷却し、減圧下に残留するVAcをメタノ
ールとともに系外へ追出す操作をメタノールを追加しな
がら行ない、PVAcのメタノール溶液を得た。(濃度64.5
%)このメタノール溶液の一部をとり、PVAc濃度50%、
〔NaOH〕/〔VAc〕=0.05(モル比)となるようにNaOH
のメタノール溶液を加え、40℃でけん化してPVAとし
た。このPVAをメタノールによるソツクスレー洗浄によ
つて精製した後水中30℃で〔η〕を測定し、〔η〕=7.
51×10-3×P−0.64で重合度を計算したところ130であ
り、けん化度を測定すると98.6%であつた。
次にこの精製PVAを用いて、PVA中に含まれるメルカプト
基量をヨウ素酸化による方法で求めたところ、1.87×10
-4当量/g−PVAのメルカプト基の存在が確認された。
(No.2)、(No.3) No.1と同様の方法でチオール酢酸の量を変えて重合し、
けん化して末端にメルカプト基を有するPVA系重合体を
得た。重合条件、結果を表1に示す。
(No.4) No.2で重合して得たPVAcのメタノール溶液の一部をと
り、PVAc濃度40%、〔NaOH〕/〔VAc〕=0.010(モル
比)、40℃の条件下でけん化し、部分けん化物を得た。
結果を表2にまとめた。
実施例1 No.1のPVA10部に蒸留水110部を加え、95℃でPVAを溶解
し、窒素流下に30℃まで冷却し、あらかじめ窒素置換し
たアクリル酸10部を加えた。次に臭素酸カリウム0.32部
を窒素置換した蒸留水10部に溶解した水溶液を全量添加
し、30℃で重合を開始させた。2時間で重合は完了し、
重合率は100.1%、固形分濃度は14.4%のPVA−ポリアク
リル酸のブロツク共重合体水溶液が得られた。
実施例2 No.3のPVA10部に蒸留水108部を加え、95℃でPVAを溶解
し、窒素流下に室温まで冷却し、あらかじめ窒素置換し
たアクリル酸10部を加えた。次に60℃に昇温し、臭素酸
カリウム0.152部を窒素置換した蒸留水12部に溶解した
水溶液の添加を開始し、重合をはじめた。臭素酸カリウ
ム水溶液の添加は2ml/5分の速度で30分間均一に実施し
た。1時間で重合は完了し、重合率101.4%、固形分濃
度14.9%のPVA−ポリアクリル酸のブロツク共重合体水
溶液が得られた。
実施例3 No.2のPVA10部に蒸留水108部を加え、95℃でPVAを溶解
し、室温まで冷却した。N/2−H2SO4を加えてpH=3に調
整し、アクリルアミド10部を加え、溶解させたのち、窒
素置換をして60℃に昇温した。そこで臭素酸カリウム0.
217gを窒素置換した蒸留水に溶解した水溶液の添加を開
始し、重合をはじめた。臭素酸カリウム水溶液の添加は
2ml/5分の速度で、30分間均一に実施した。90分で重合
は完了し、重合率101.7%、固形分濃度14.5%のPVA−ポ
リアクリルアミドのブロツク共重合体水溶液が得られ
た。
実施例3で得られたPVA−ポリアクリルアミドのブロツ
ク共重合体の5%水溶液を流延してフイルムとした。一
方このブロツク共重合体と同一組成のPVAとポリアクリ
ルアミドの5%水溶液を調整し、流延してフイルムとし
た。ブロツク共重合体からのフイルムは透明均一であつ
たが、混合物からのフイルムは白濁し、相分離が認めら
れた。
実施例4〜7 実施例3と同様な方法でPVAを一成分とするブロツク共
重合体を合成した。重合条件、結果を表3にまとめて示
す。
実施例4で得られたPVA−ポリN,N−ジメチルアクリルア
ミドのブロツク共重合体の5%水溶液を流延してフイル
ムとした。一方このブロツク共重合体と同一組成のPVA
とポリN,N−ジメチルアクリルアミドの5%水溶液を調
整し、流延してフイルムとした。ブロツク共重合体から
のフイルムは透明均一であつたが、混合物からのフイル
ムは白濁し、相分離が認められた。
実施例8 No.3のPVA10部に蒸留水110部を加え、95℃でPVAを溶解
し、室温まで冷却した。N/2−H2SO4を加えてpH=3に調
整し、アクリルアミド10部を加え溶解させたのち、窒素
置換をして60℃に昇温した。そこで過硫酸カリウム0.2g
を窒素置換した蒸留水に溶解した水溶液を全量添加し、
重合をはじめた。重合は2時間で終了し、重合率99.7
%、固形分濃度14.3%のPVA−ポリアクリルアミドのブ
ロツク共重合体水溶液が得られた。
実施例8で得られたPVA−ポリアクリルアミドのブロツ
ク共重合体の5%水溶液を流延してフイルムとした。一
方このブロツク共重合体と同一組成のPVAとポリアクリ
ルアミドの5%水溶液を調整し、流延してフイルムとし
た。ブロツク共重合体からのフイルムは透明均一であつ
たが、混合物からのフイルムは白濁し、相分離が認めら
れた。
実施例9 実施例8と同様にしてモノマーをアクリル酸メチルに変
えて重合した。重合は2時間で終了し、重合率99.6%、
固形分濃度14.3%のPVA−ポリアクリル酸メチルのブロ
ツク共重合体がエマルジヨンとして得られた。
実施例10 No.1のPVAの30%水溶液10部に蒸留水43部を加えて溶解
させた後、N/2−H2SO4でpH3に調節し、メタノール40
部、メタクリル酸メチル17部を加え、窒素置換を行なつ
た。次に65℃まで昇温し、2,2′−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.034部を窒素置換したメタノール10部に溶解
した開始剤を添加し、重合を開始した。6時間重合後の
重合率は98%で、PVA−ポリメタクリル酸メチルのブロ
ツク共重合体がエマルジヨン、一部沈殿の形で得られ
た。
実施例11 No.4のPVAを使用する以外は実施例2と全く同様にして
重合した。重合率100.5%、固形分濃度14.7%のPVA−ポ
リアクリル酸のブロツク共重合体水溶液が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式P・SHで表わされ、Pは下記構造単
    位A、Bを含み、Aの含量が100〜50モル%で、その重
    合度が3500以下である末端のみにメルカプト基を有する
    ポリビニルアルコール系重合体の存在下に、ラジカル重
    合可能なモノマーをラジカル重合することを特徴とする
    ポリビニルアルコール系重合体を一成分とするブロツク
    共重合体の製法。 (ここにR1=Hまたは炭素数1から6までの炭化水素基
    をあらわし、R2=Hまたは炭素数1から20までの炭化水
    素基をあらわす。)
  2. 【請求項2】R1=H、R2=CH3である特許請求の範囲第
    1項記載のブロツク共重合体の製法。
JP58062673A 1983-04-08 1983-04-08 ポリビニルアルコール系重合体を一成分とするブロツク共重合体の製法 Expired - Lifetime JPH0674304B2 (ja)

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