JP2003160482A - 眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤 - Google Patents

眼科用液剤及びコンタクトレンズ用液剤

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    • A61P31/04Antibacterial agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体に対する毒性を可及的に低減せしめて、
充分なる安全性を確保すると共に、優れた殺菌効力乃至
は防腐効力を実現し得る眼科用液剤を提供すること。 【解決手段】 ビグアニド系及び4級アンモニウム塩系
の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を含
有する殺菌液において、等電点が4以上である、分子量
が89以上のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸
の誘導体を1種以上含有せしめると共に、塩化ナトリウ
ム濃度が0〜0.2重量%となるように、且つリン酸塩
の濃度が0〜0.5重量%となるように調整した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、眼科用液剤及びコンタクトレン
ズ用液剤に係り、特に、コンタクトレンズ用殺菌液やコ
ンタクトレンズ用殺菌洗浄液、コンタクトレンズ用殺菌
保存液、コンタクトレンズ用殺菌洗浄保存液、コンタク
トレンズ用洗浄及び/又は保存液、点眼剤の他、化粧品
の防腐剤等として有利に用いられ得、優れた殺菌効果乃
至は防腐効果を発揮したり、コンタクトレンズのサイズ
変化を惹起させない優れたレンズ適合性を発揮したり、
眼や皮膚等に対して良好なる安全性を有する液剤に関す
るものである。
【0002】
【背景技術】よく知られているように、コンタクトレン
ズ用液剤には、コンタクトレンズに付着した、涙液や眼
脂に由来する蛋白質や眼脂等の汚れを除去せしめるため
の洗浄剤成分の他にも、細菌等の微生物やカビ等による
汚染を防ぐための殺菌乃至は防腐成分が、含有せしめら
れている。
【0003】そして、そのようなコンタクトレンズ用液
剤(コンタクトレンズ用殺菌液等)に添加せしめられる
殺菌成分として、従来から、各種の化合物が検討されて
きているが、それらの化合物は、何れも、実用的に高い
殺菌特性を得るには、高濃度で用いられる必要があった
のである。例えば、殺菌成分としては、有機窒素系殺菌
剤たるポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)にて
代表されるビグアニド化合物や、塩化ベンザルコニウム
及びポリクワテリウム等にて代表される4級アンモニウ
ム化合物が、他の殺菌成分に比して特に有用な殺菌特性
等の特徴を有するところから、広範囲に亘って使用され
ているのであるが、それらの殺菌成分にあっても、それ
のみでは、高濃度で使用しないと、充分な殺菌効力や防
腐効力が得られないことが、分かってきている。
【0004】このように、殺菌乃至は防腐の観点より実
用上の要求を満たすには、かかる殺菌成分の使用量を増
大せしめて、液剤中の濃度を高める必要があるのである
が、その高い濃度のものでは、毒性が強くなったり、そ
のような殺菌成分が、コンタクトレンズ、特にソフトコ
ンタクトレンズに吸着され易くなり、そのために、眼の
粘膜等に対して刺激を与え、障害を惹起する恐れがある
ところから、安全性の面で問題が生じることとなる。従
って、現状では、殺菌成分の組成に関して、より少ない
含有量で、より高い殺菌効力が得られるように、検討さ
れてきているのである。
【0005】例えば、特開平10−108899号公報
においては、優れた殺菌効果を発揮すると共に、眼に対
する安全性を備えたコンタクトレンズ用液剤として、ビ
グアニド系殺菌剤たるポリヘキサメチレンビグアニド
を、グリセリンやプロピレングリコール等の非イオン性
等張化剤と共に用いることが、提案されており、また、
特開平11−249087号公報においては、優れた消
毒効果を発揮すると同時に、眼に対する安全性を充分に
備えたコンタクトレンズ用液剤として、ポリクワテリウ
ムを非イオン性等張化剤及び/又はアミノ酸と共に用い
ることが、提案されている。そして、それら液剤構成の
採用によって、コンタクトレンズ用液剤の殺菌効力の向
上は、確かに、図られ得たのであるが、その特性に関し
ては、未だ改善の余地を有するものであったのである。
【0006】また、ポリヘキサメチレンビグアニドやポ
リクワテリウム等の殺菌成分は、低濃度であっても、そ
れがコンタクトレンズに付着乃至は吸着することによ
り、装用者の眼に、炎症や角膜全面染色(フルオレセイ
ン等による角膜染色検査で、角膜の全面が染色される)
等の障害を惹起せしめる懸念があり、更に、使用する非
イオン性等張化剤やアミノ酸の種類によっては、コンタ
クトレンズが膨潤乃至は収縮して、サイズ変化が起こ
り、コンタクトレンズの規格が変わってしまうといった
問題を内在している。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その第一の解決課題と
するところは、生体に対する毒性を可及的に低減せしめ
て、充分なる安全性を確保すると共に、優れた殺菌効力
乃至は防腐効力を実現し得る眼科用液剤、更には、その
ような眼科用液剤からなるコンタクトレンズ用液剤を提
供することにある。
【0008】また、本発明の第二の解決課題とするとこ
ろは、殺菌乃至は防腐成分のコンタクトレンズへの付着
乃至は吸着を抑制して、コンタクトレンズ装用者の眼に
対する安全性を極めて高度に確保し得るコンタクトレン
ズ用液剤を提供することにあり、更には、コンタクトレ
ンズの膨潤や収縮を防止して、サイズ変化を惹起せしめ
ない、優れたレンズ適合性を実現するコンタクトレンズ
用液剤を提供することを、第三の解決課題とするもので
ある。
【0009】
【解決手段】そして、本発明者らは、そのような課題の
うち、第一の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、
ビグアニド系殺菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤が含
有せしめられてなる液中に、その浸透圧を調整すべく一
般的に含有せしめられる塩化ナトリウム等の電解質や、
かかる液のpHを調整するために用いられるリン酸塩等
の、水に溶解せしめられることによって比較的高いイオ
ン強度を示す無機塩系緩衝剤によって、ビグアニド系殺
菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤が元来有している殺
菌能力が阻害せしめられることを知見し、それら塩化ナ
トリウム濃度やリン酸塩の濃度を、零とするか、或いは
可及的に低くすると共に、かかる塩化ナトリウムに代え
て、特定のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の
誘導体を等張化剤として用いることによって、従来に比
して、極めて優れた殺菌効果乃至は防腐効果が発現され
得ることを見出したのである。
【0010】従って、本発明は、かくの如き知見に基づ
いて完成されたものであって、その要旨とするところ
は、ビグアニド系及び4級アンモニウム塩系の殺菌乃至
は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を含有する眼科
用液剤において、等電点が4以上である、分子量が89
以上のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導
体を1種以上含有せしめると共に、塩化ナトリウム濃度
が0〜0.2重量%となるように、且つリン酸塩の濃度
が0〜0.5重量%となるように、それぞれ、調整した
ことを特徴とする眼科用液剤にある。
【0011】要するに、このような本発明に従う眼科用
液剤にあっては、塩化ナトリウム濃度とリン酸塩の濃度
とが可及的に小ならしめられているところから、ビグア
ニド系殺菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤の殺菌能力
が、極めて効果的に発現せしめられ得ることとなるので
あり、以て、かかる殺菌乃至は防腐成分の液中における
濃度を低く抑えても、高い殺菌効果乃至は防腐効果を有
利に得ることが出来ることとなるのであり、また、その
ような殺菌乃至は防腐成分の低濃度化によって、殺菌乃
至は防腐成分の毒性が低減され、生体に対する安全性
が、より一層、向上せしめられ得るのである。
【0012】しかも、本発明にあっては、従来より等張
化剤として一般的な塩化ナトリウムに代えて、等電点が
4以上である、分子量が89以上のアミノ酸若しくはそ
の塩、又は該アミノ酸の誘導体の少なくとも1種以上
を、用いるようにしているところから、上記した殺菌乃
至は防腐成分の殺菌能力に悪影響を及ぼすことなく、液
の浸透圧を調整することが可能となり、以て眼や皮膚等
に刺激を与えるような問題も、効果的に抑制され得るの
である。
【0013】なお、かくの如き本発明に従う眼科用液剤
に係る優れた殺菌のメカニズムについては、未だ充分に
明らかにされてはいないものの、本発明者らの推察によ
れば、細菌等の微生物の表面に点在するマイナスのサイ
トに、液中に含有されている殺菌乃至は防腐成分のプラ
スのサイトが貼りつくことによって、目的とする殺菌作
用が実現され得ることとなるのであるが、その際、かか
る液中に、塩化ナトリウム等の電解質やリン酸塩緩衝剤
等の緩衝剤が溶存せしめられていることによって、比較
的に小さなサイズのプラスイオンとマイナスイオンが、
それら微生物と殺菌成分との間に入り込んで、電気的な
吸引力を減少させて、殺菌成分の殺菌能力を阻害してし
まったり、或いは、電解質によって、溶液中における殺
菌成分自体の構造が変化せしめられて、殺菌成分の殺菌
能力を阻害してしまったりするものと考えられ、本発明
では、そのような阻害作用を排除することによって、殺
菌効力が有利に向上せしめられ得るものと推察されるの
である。
【0014】ところで、かかる本発明に従う眼科用液剤
にあっては、有利には、前記アミノ酸若しくはその塩、
又は該アミノ酸の誘導体の等電点は、5以上であること
が望ましく、これによって、より一層優れた殺菌効力を
発現せしめ得ることとなる。
【0015】また、本発明に従う眼科用液剤の好ましい
態様の一つによれば、前記アミノ酸若しくはその塩、又
は該アミノ酸の誘導体は、中性若しくは塩基性の物質で
あることが望ましく、これによって、優れた殺菌効力が
得られるのである。
【0016】さらに、本発明に従う眼科用液剤の好まし
い態様の別の一つによれば、前記アミノ酸若しくはその
塩、又は該アミノ酸の誘導体は、本発明の目的を有利に
実現する上において、その1分子内に、カルボン酸又は
硫酸由来の酸性基を有すると共に、アミノ又はイミノ由
来の塩基性基を有していることが望ましく、また、それ
ら酸性基と塩基性基の比は、1:1〜1:4であること
が望ましい。
【0017】更にまた、本発明の別の好ましい態様の一
つによれば、前記アミノ酸として、γ−アミノ酪酸、ア
ラニン、システイン、セリン、タウリン、トレオニン、
バリン、ヒスチジン、4−ヒドロキシプロリン、フェニ
ルアラニン、プロリン、ε−アミノカプロン酸、リジ
ン、又はアルギニンが、有利に用いられることとなる。
【0018】また、このようなリジンやアルギニン等の
アミノ酸を用いることによって、高い殺菌効果に加え
て、コンタクトレンズ用液剤として使用した際に、コン
タクトレンズの膨潤が可及的に抑制され得るのである。
【0019】また、本発明に従う眼科用液剤の好ましい
態様の他の一つによれば、グリセリンが、更に、含有せ
しめられている構成が、好適に採用され得るのである。
このグリセリンの添加、含有により、眼や皮膚等に刺激
が与えられるようなことが、極めて有利に抑制され得る
ようになる。
【0020】さらに、本発明に従う眼科用液剤の別の好
ましい態様の一つによれば、前記アミノ酸若しくはその
塩、又は該アミノ酸の誘導体が、その0.1mol/L
水溶液において、50mOsm/kg以上の浸透圧を有
していることが望ましく、このようなアミノ酸若しくは
その塩、又は該アミノ酸の誘導体を用いることによっ
て、その添加量が過大となるようなことを有利に防止す
ることが出来る。
【0021】そして、本発明にあっては、また、上述せ
る如き眼科用液剤からなるコンタクトレンズ用液剤、中
でも特にソフトコンタクトレンズ用液剤をも、その要旨
とするものである。このような本発明に従うコンタクト
レンズ用液剤乃至はソフトコンタクトレンズ用液剤にあ
っては、目的とする殺菌効力を発揮させる上において、
該液剤に添加される殺菌乃至は防腐成分の濃度が低く抑
えられ得るようになっているところから、装用者の眼に
対する安全性が、より一層、高いものとなっているので
ある。
【0022】ところで、本発明者らが、特に、前記した
第二の課題や第三の課題の解決を図るべく、眼科用液剤
の中でもコンタクトレンズ用液剤(殺菌液や防腐液等)
について、更なる検討を行なった結果、ビグアニド系や
4級アンモニウム塩系の殺菌乃至は防止成分を含有する
コンタクトレンズ用液剤中の塩化ナトリウム濃度を、零
とするか、或いは可及的に低くすると共に、かかる塩化
ナトリウムに代えて、グリコール酸や乳酸、グルコン
酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピロリン酸等の酸
性成分を用いることにより、殺菌成分(防腐成分)のコ
ンタクトレンズへの吸着(付着)が効果的に抑制され、
以て、炎症や角膜全面染色等の眼障害の発生が有利に防
止され、眼に対する安全性に優れたコンタクトレンズ用
液剤が得られることを見出したのであり、また、ビグア
ニド系や4級アンモニウム塩系の殺菌成分を含有するコ
ンタクトレンズ用液剤中の塩化ナトリウム濃度を、零と
するか、或いは可及的に低くすると共に、かかる塩化ナ
トリウムに代えて、特定のアミノ酸若しくはその塩、又
は該アミノ酸の誘導体と、特定の酸性化合物とを併用す
ることで、上述せる如き効果、即ち、極めて優れた殺菌
効果乃至は防腐効果と、眼に対する優れた安全性とが共
に実現され、それに加えて、更に、コンタクトレンズに
サイズ変化を惹起せしめない、レンズ適合性に優れたコ
ンタクトレンズ用液剤が得られることをも、見出したの
である。
【0023】従って、本発明にあっては、上述せる如き
知見の前段のものに基づいて完成されたコンタクトレン
ズ用液剤をも、その対象とするものであって、その要旨
とするところは、ビグアニド系及び4級アンモニウム塩
系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を
含有するコンタクトレンズ用液剤において、グリコール
酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸
及びピロリン酸からなる群より選ばれた1種若しくはそ
れ以上の酸性成分を含有せしめると共に、塩化ナトリウ
ム濃度が0〜0.2重量%となるように、調整したこと
を特徴とするコンタクトレンズ用液剤にある。
【0024】すなわち、かくの如き本発明に従うコンタ
クトレンズ用液剤にあっては、上述せる如き眼科用液剤
と同様に、従来より等張化剤として一般的に使用されて
いる塩化ナトリウムの濃度が0〜0.2重量%と、可及
的に小ならしめられているところから、ビグアニド系殺
菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤の殺菌能力を有効に
発揮せしめつつ、塩化ナトリウムに代えて加えられた、
グリコール酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グ
ルタミン酸及びピロリン酸からなる群より選ばれた1種
若しくはそれ以上の酸性成分の存在によって、コンタク
トレンズ用液剤の浸透圧を調整することが可能となると
共に、更に、殺菌乃至は防腐成分のコンタクトレンズへ
の吸着が極めて効果的に抑制され、これにより、炎症や
角膜全面染色等の眼障害が殆ど惹起されることなく、よ
り一層優れた安全性が確保され得るようになっているの
である。
【0025】なお、かかる本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤の好ましい態様の一つによれば、前記酸性成分
の濃度が、0.001〜5重量%であることが望まし
い。
【0026】また、本発明は、前述せる如き知見の後段
のものに基づいて完成された、上記とは異なる他のコン
タクトレンズ用液剤として、ビグアニド系及び4級アン
モニウム塩系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも
1種以上を含有するコンタクトレンズ用液剤において、
等電点が4以上である、分子量が89以上のアミノ酸若
しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体を1種以上含有
せしめると共に、カルボキシル基又はリン酸基を有し、
且つ水溶液としたときに金属イオンを発生することのな
い酸性化合物の1種以上を更に含有せしめ、そして塩化
ナトリウム濃度が0〜0.2重量%となるように、調整
したことを特徴とするコンタクトレンズ用液剤をも、そ
の要旨とするものである。
【0027】このような本発明に従うコンタクトレンズ
用液剤にあっても、上述せる如きコンタクトレンズ用液
剤と同様に、従来より等張化剤として一般的に使用され
ている塩化ナトリウムの濃度が0〜0.2重量%と、可
及的に小ならしめられているところから、ビグアニド系
殺菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤の殺菌能力が阻害
されるようなことが阻止され、低濃度でも、殺菌能力が
極めて効果的に発現せしめられ得るのであり、また、塩
化ナトリウムに代えて、等電点が4以上である、分子量
が89以上のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸
の誘導体の少なくとも1種以上と、カルボキシル基又は
リン酸基を有し、且つ水溶液としたときに金属イオンを
発生することのない酸性化合物の1種以上を組み合わせ
て用いるようにしているところから、上述せる如き液剤
と同様に、アミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の
誘導体によって、殺菌成分(防腐成分)の殺菌能力が効
果的に向上せしめられ、高度な殺菌効力が得られると共
に、酸性化合物によって、殺菌成分のコンタクトレンズ
への吸着が極めて効果的に抑制され、このため、炎症や
角膜全面染色等の眼障害が殆ど惹起されることなく、優
れた安全性が確保されるようになっているのである。し
かも、特定のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸
の誘導体と特定の酸性化合物との併用によって、コンタ
クトレンズの膨潤や収縮といったサイズ変化が有利に阻
止され、優れたレンズ適合性が実現され得るのである。
【0028】なお、上述せる如き酸性化合物としては、
グリコール酸やクエン酸、乳酸、グルコン酸、アスパラ
ギン酸、グルタミン酸、リン酸、ピロリン酸が挙げら
れ、それらのうちの1種又は2種以上が、適宜に選択さ
れることが望ましい。また、かかる酸性化合物の濃度と
しては、0.001〜5重量%が、好適に採用されるこ
ととなる。
【0029】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤における好ましい態様の他の一つによれば、グリセリ
ンが、更に、含有せしめられている構成が、好適に採用
され得るのであり、かかるグリセリンの添加、含有によ
り、眼に刺激が与えられるようなことが、極めて有利に
抑制され得るようになる。
【0030】さらに、この本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤の別の好ましい態様によれば、前記殺菌乃至は
防腐成分の濃度は、0.000001〜0.3重量%
(0.01ppm〜3000ppm)であることが望ま
しい。また一方、前記アミノ酸若しくはその塩、又は該
アミノ酸の誘導体の濃度は、0.01〜5重量%である
ことが望ましい。
【0031】加えて、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤の別の好ましい態様の一つによれば、前記アミノ酸
若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体が、その0.
1mol/L水溶液において、50mOsm/kg以上
の浸透圧を有していることが望ましく、このようなアミ
ノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体を用いる
ことによって、その添加量が過大となるようなことを有
利に防止することが出来るのである。
【0032】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤の好ましい態様の別の一つによれば、液pHが6〜8
に調整されていることが望ましく、このようなpH範囲
を採用することにより、眼に刺激が与えられたり、障害
が惹起されるようなことが、効果的に防止乃至は抑制さ
れることとなる。
【0033】
【発明の実施の形態】ところで、上述せる如き第一の課
題を解決するために完成された、本発明に従う眼科用液
剤は、水を主体とし、その中に、所定の殺菌乃至は防腐
成分(以下、A成分と呼称する)と共に、特定のアミノ
酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体(以下、B
成分と呼称する)を含有せしめ、更に、A成分の殺菌能
力を阻害せしめる塩化ナトリウムの含有量や、リン酸塩
の含有量を、零とするか、或いは可及的に少なくするこ
とにより、殺菌効果を極めて効果的に発揮せしめるよう
にしたものであり、そこに、格別顕著な特徴を有してい
るのである。
【0034】なお、そのような本発明に用いられるA成
分としては、殺菌力と共に、コンタクトレンズや眼、皮
膚への適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障
害の要因となり難いものが望ましく、従来から公知の各
種のビグアニド系殺菌剤及び4級アンモニウム塩系殺菌
剤の中から、適宜なものが選定されて、単独で或いは複
数を組み合わせて用いられることとなる。
【0035】ここにおいて、上記したビグアニド系殺菌
剤としては、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド
(PHMB)や、下記の構造式(I)にて示されるビグ
アニドポリマー等を挙げることが出来る。
【0036】
【化1】
【0037】また、4級アンモニウム塩系殺菌剤として
は、例えば、アルキルトリメチルアンモニウムクロライ
ド等のテトラアルキルアンモニウム塩や、オクタデシル
ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等のトリアル
キルベンジルアンモニウム塩の如きアルキルアンモニウ
ム塩類;ヒドロキシエチルアルキルイミダゾリンクロラ
イドに代表されるアルキルヒドロキシアルキルイミダゾ
リン4級塩類;アルキルイソキノリニウムブロマイドに
代表されるアルキルイソキノリニウム塩類;アルキルピ
リジニウム塩類;アミドアミン類等のカチオン性界面活
性剤の他、下記の構造式(II)〜(IV)にて表される4
級アンモニウムポリマーや、特許第2550036号明
細書に開示の如き、ジアミン類とジハロゲン化合物との
縮合体、特開平4−231054号公報、特表平8−5
12145号公報、特開平11−249087号公報等
に開示されているポリカチオン性のものや、ハロゲン化
ベンザルコニウム等が挙げられる。
【0038】
【化2】
【0039】
【化3】
【0040】
【化4】
【0041】そして、上述せる如きA成分は、通常、
0.000001〜0.3重量%(w/w%)程度、好
ましくは、0.00001〜0.1重量%程度の範囲で
用いられることにより、特に有効な殺菌効果乃至は防腐
効果を示すこととなる。なお、かかるA成分の含有量が
過小である場合には、充分な殺菌効果乃至は防腐効果が
得られないのであり、また0.3重量%を遥かに超える
場合には、毒性が高められる等して、例えば、眼や皮膚
等に対して悪影響を及ぼしたり、また、コンタクトレン
ズ表面へのA成分の吸着が促進される等、安全性の面で
問題が生じる恐れがある。
【0042】また、上述のようなA成分が含有せしめら
れてなる眼科用液剤の殺菌効力乃至は防腐効力を効果的
に発現するために、本発明においては、A成分の殺菌能
力を阻害せしめる、従来より等張化剤として一般的に用
いられてきている塩化ナトリウムや塩化カリウム等の強
電解質を含有せしめないようにすることが望ましく、ま
た、例え、塩化ナトリウム等を含有せしめたとしても、
その濃度は、0.2重量%(w/w%)以下に抑える必
要がある。
【0043】しかしながら、かくの如くして、塩化ナト
リウム濃度が0〜0.2重量%となるように調整される
と、目的とする眼科用液剤の浸透圧が低くなり過ぎると
ころから、本発明にあっては、等電点が4以上、好まし
くは5以上であると共に、分子量が89以上であるB成
分が、等張化剤として、用いられることとなる。けだ
し、かかるB成分の等電点が4に満たない場合には、上
述せる如きA成分の殺菌能力が阻害されて、充分な殺菌
効力が実現され得ず、所望とする殺菌効果が得られない
からであり、また、B成分の分子量が89未満である場
合には、分子サイズが小さなものとなって、それをコン
タクトレンズ用液剤(殺菌液等)として用いると、かか
るB成分が、レンズ表面乃至はレンズ内部に吸着、蓄積
され易くなる等といった問題を惹起することとなるから
である。
【0044】なお、上述せる如き等電点が4以上である
B成分は、一般に、中性乃至は塩基性に分類されるもの
が殆どであって、本発明にあっては、そのような中性若
しくは塩基性のB成分が、好適に採用され得るのであ
る。また、特に、その中でも、1分子中に、カルボン酸
或いは硫酸由来の酸性基と、アミノ或いはイミノ由来の
塩基性基とを共に有しているものが好ましく、更に、そ
れら酸性基と塩基性基とを、1分子内に、1:1〜1:
4の割合において含有するものが、より望ましいのであ
る。そして、そのようなB成分を使用することによっ
て、より一層優れた殺菌効力を発現せしめることが可能
となる。
【0045】具体的に、上述せる如きB成分としては、
上記の条件を満たし、且つ安全性の高いものであれば、
何れのものをも使用することが出来るのである。例え
ば、中性アミノ酸として、アラニン、イソロイシン、バ
リン、ロイシン、プロリン等のアルキル基含有アミノ酸
や、セリン、トレオニン、4−ヒドロキシプロリン等の
水酸基含有アミノ酸、システイン、メチオニン等のチオ
基含有アミノ酸、アスパラギン等を挙げることが出来、
また、塩基性アミノ酸として、リジン、ヒスチジン、ア
ルギニン等を例示することが出来る。更には、上記した
中性アミノ酸や塩基性アミノ酸の他にも、α−アミノ酪
酸、γ−アミノ酪酸、β−アラニン、アロイソロイシ
ン、アロトレオニン、エチオニン、オルニチン、グルタ
ミン、クレアチン、サルコシン、シスタチオニン、タウ
リン、ノルバリン、ノルロイシン、δ−ヒドロキシリシ
ン、フェニルアラニン、ホモセリン、アミノカプロン
酸、テアニン等の中性乃至は塩基性のアミノ酸又はその
誘導体を挙げることが出来る。また、上述せる如きアミ
ノ酸の塩としては、オルニチン塩酸塩、システイン塩酸
塩、塩酸ヒスチジン、リシン塩酸塩、アルギニン塩酸塩
等の塩酸塩や酢酸リシン等の有機塩;グルタミン・リジ
ン複合塩等の2種以上のアミノ酸等からなる複合塩を例
示することが出来る。そして、そのようなアミノ酸若し
くはその塩、又は該アミノ酸の誘導体の中から、少なく
とも1種以上が、適宜に選択されて、B成分として、用
いられることとなるのであり、かかるB成分によって、
上述せる如きA成分による殺菌効果が、より一層向上せ
しめられ得るのである。なお、アミノ酸に関しては、中
性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸の順で、A
成分の殺菌効果を高い状態に保つことが出来る。また、
A成分の殺菌効果を高い状態に保ち、且つ、レンズ適合
性にも優れているのは塩基性アミノ酸であり、特に、リ
ジン及びアルギニンにあっては、その特徴が有利に発揮
され得るのである。
【0046】ところで、上例のB成分は、前述せる如
く、従来より眼科用液剤の浸透圧を調整するために用い
られてきた強電解質の無機塩、具体的には、塩化ナトリ
ウムや塩化カリウム等の代替として用いられるものであ
って、本発明に従う眼科用液剤を使用した際に、眼や皮
膚等に刺激が生じないように生理的な浸透圧を考慮し
て、通常、250〜400mOsm/kg程度の、実質
的に生理的浸透圧に等しい範囲内となるように添加、含
有せしめられるのであり、一般に0.5〜6.0重量%
(w/w%)、好ましくは1.0〜4.5重量%の濃度
において、眼科用液剤中に含有せしめられることとな
る。それらB成分の含有量が少な過ぎる場合には、眼科
用液剤の浸透圧が低くなり、また多過ぎる場合にあって
は、同液の浸透圧を著しく高める等の問題を惹起する。
【0047】また、かかるB成分にあっては、その添加
量が過大とならないようにすべく、通常、その0.1m
ol/L水溶液において、50mOsm/kg以上、よ
り好ましくは、80mOsm/kg以上の浸透圧を有す
るものが、特に好適に用いられることとなる。けだし、
かかる浸透圧が小さ過ぎると、所望とする浸透圧を実現
するために必要とされるB成分の添加量が多くなって、
そのために、前記A成分の殺菌作用が妨害され易くなっ
て、殺菌効果が低減する恐れがあると共に、B成分が析
出したり、溶けきれないという溶解度の問題や、コスト
アップ、また、粘度が高くなって感触が悪くなるといっ
た液の性質変化が惹起される恐れがあるからである。
【0048】このように、本発明に従う眼科用液剤にあ
っては、高いイオン強度を示す塩化ナトリウム等の強電
解質の代わりに、所定のアミノ酸若しくはその塩、又は
該アミノ酸の誘導体(B成分)の少なくとも1種以上
が、等張化剤として用いられているところから、ビグア
ニド系殺菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤の殺菌能力
が、極めて効果的に発現せしめられ得るようになってい
るのである。
【0049】ところで、上述せる如き本発明に従う眼科
用液剤には、必要に応じて、上記したB成分に加えて、
更に、グリセリン(D成分)を、等張化剤として含有せ
しめることも可能であり、このようなグリセリンを添加
することによって、眼や皮膚等への刺激を、より一層有
利に抑えることが可能となる。
【0050】加えて、本発明に従う眼科用液剤にあって
は、その用途等に応じて、更に、pH調整剤や、緩衝
剤、界面活性剤、キレート化剤、増粘剤等、従来から点
眼剤やコンタクトレンズ用殺菌液等のコンタクトレンズ
用液剤、及び化粧品等の液剤等に添加、含有せしめられ
ている公知の各種の添加剤が、適宜に選択されて、含有
せしめられていても何等差支えないのである。
【0051】例えば、かかる本発明に従う眼科用液剤
が、点眼剤やコンタクトレンズ用殺菌液等のコンタクト
レンズ用液剤及び化粧品等、眼や皮膚を対象とする製品
として用いられる場合にあっては、眼や皮膚に対して刺
激を与えたり、障害を惹起することがないように、その
pH値が4.0〜9.0、特に、コンタクトレンズ用液
剤にあっては、6.0〜8.0、中でも7.0付近に調
整されていることが好ましく、このようなpH範囲を有
利に実現するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ム、塩酸等のpH調整剤を添加することが出来るのであ
る。但し、そのようなpH調整剤も、塩化ナトリウムと
同様に、強電解質であるところから、その使用量を可及
的に低く抑える必要があるのであり、また、それら強ア
ルカリや強酸の添加に起因して、液中に塩化ナトリウム
等の強電解質無機塩を構成するイオンが含有せしめられ
ることとなる場合には、そのようにして形成される塩化
ナトリウムも含めて、液中の塩化ナトリウム濃度が、
0.2重量%以下とされなければならないことは、勿
論、言うまでもないところである。
【0052】また、眼科用液剤のpHを前記した範囲に
有効に且つ眼や皮膚等に対して安全な範囲に保つために
は、前記pH調整剤の他に、緩衝剤が添加されることも
何等差支えなく、その緩衝剤としては、従来から公知の
各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられるこ
ととなる。具体的には、クエン酸塩緩衝剤やリン酸塩緩
衝剤、ホウ酸塩緩衝剤、炭酸塩緩衝剤、トリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン(TRIS)緩衝剤や、更に
はBis−Tris等のGood−Buffer等を、
特に、眼や皮膚に対して安全であり且つコンタクトレン
ズへの影響を少なくすることが出来るという理由から、
例示することが出来る。なお、かかる緩衝剤の添加量
は、一般に、0.01〜2重量%(w/w%)程度とさ
れるのであるが、水に溶解せしめられることによって比
較的大きなイオン強度を示す緩衝剤、例えば、リン酸塩
やクエン酸塩等を用いる場合にあっては、それらの緩衝
剤によって、A成分の殺菌能力が阻害される恐れがある
ところから、その添加量を零とするか、可及的に低くす
る必要がある。
【0053】具体的には、リン酸塩緩衝剤やクエン酸塩
緩衝剤を用いてpHを調整する場合には、その濃度が、
0〜0.5重量%となるように添加する必要があり、か
かる緩衝剤の濃度が上記の範囲を超える場合には、塩化
ナトリウム等の強電解質の添加量を低く抑えても、緩衝
剤によってA成分の作用が阻害せしめられるために、目
的とする殺菌能力が充分に発現され得なくなってしまう
のである。
【0054】さらに、本発明に従う眼科用液剤には、眼
脂等の汚れの除去効果(洗浄効果)を有利に発揮させる
ために、洗浄剤としての界面活性剤が添加せしめられて
もよく、そのような界面活性剤としては、生体への安全
性が高く、またコンタクトレンズ素材等への影響がない
ものであれば、従来から公知の如何なるものも採用可能
であり、本発明の作用・効果を損なわない濃度におい
て、有利に添加、含有せしめられる。
【0055】そして、そのような界面活性剤の具体例と
しては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキ
シエチレン・ポリオキシプロピレンエチレンジアミン、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒ
ド縮合物、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキ
シエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソ
ルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ
油、ポリオキシエチレンステロール、ポリオキシエチレ
ン水素添加ステロール、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンラノリンアルコー
ル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエ
チレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエ
ーテルリン酸、ポリソルベート等を挙げることが出来
る。
【0056】なお、この界面活性剤の添加量は、一般に
0.001〜5重量%(w/w%)程度とされ、好まし
くは0.005〜2重量%程度とされるのであり、更に
好ましくは0.01〜1重量%程度とされる。けだし、
その添加量が過小である場合には、得られる洗浄効果が
不充分となるからであり、また過大である場合には、そ
の洗浄効果は変わらず、むしろ眼刺激の原因となりかね
ないからである。
【0057】また、本発明に従う眼科用液剤には、必要
に応じて、増粘剤も更に添加され得、例えば、ヘテロ多
糖類等の種々のガム類、合成有機高分子化合物、例えば
ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、
ポリアクリルアミド等や、更にはセルロース誘導体、ス
ターチ誘導体等の増粘剤を、適宜に用いることが出来
る。
【0058】また、その他の添加成分として、キレート
化剤等を挙げることが出来るが、そのような添加成分
は、生体に対して安全であり、且つコンタクトレンズの
素材等に対して悪影響を与えないものであれば、従来よ
り公知の如何なるものをも用いることが出来、それら
を、必要に応じて、本発明に従う眼科用液剤中に含有せ
しめることが可能である。
【0059】特に、本発明に従う眼科用液剤をコンタク
トレンズ用液剤として使用する場合には、涙液中のカル
シウム等の金属イオンがコンタクトレンズ、特にソフト
コンタクトレンズに吸着するのを防ぐために、金属キレ
ート化剤を含有せしめることが好ましく、そのような金
属キレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四
酢酸(EDTA)及びその塩、例えばエチレンジアミン
四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレン
ジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等
が挙げられる。なお、そのような金属キレート化剤の添
加量は、本発明の作用・効果を阻害しない量的範囲にお
いて、液中に含有せしめられることとなり、一般に、
0.01〜1.0重量%(w/w%)程度の割合におい
て添加せしめられる。
【0060】ところで、上述の如きA成分やB成分等を
含有せしめてなる、本発明に従う眼科用液剤を調製する
にあたっては、何等特殊な方法を必要とせず、通常の水
溶液を調製する場合と同様に、精製水、蒸留水等の水系
媒体中に各成分を溶解させることにより、容易に得るこ
とが出来るものである。
【0061】そして、以上のようにして得られた本発明
に従う眼科用液剤は、例えば、コンタクトレンズ用液
剤、中でも特にソフトコンタクトレンズ用液剤の他、点
眼剤等として、また、化粧品等に添加される防腐剤とし
て、好適に用いられることとなる。
【0062】例えば、本発明に従う眼科用液剤をコンタ
クトレンズ用液剤として用い、コンタクトレンズの手入
れを行なうに際しては、先ず、眼から外したコンタクト
レンズを、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤で満た
した適当な容器中に、所定時間の間、浸漬せしめること
により、消毒を行なうのである。そして、コンタクトレ
ンズを再び装用する際には、該コンタクトレンズを液中
より取り出し、洗浄した後、装用することとなるのであ
るが、かかる装用に際して、前記消毒したコンタクトレ
ンズを生理食塩水等で濯ぐだけでもよく、更には、本液
剤は、眼に対して安全であるところから、本液剤に浸漬
されたコンタクトレンズを取り出して、そのまま、直接
に、眼に装用することも可能である。また更に、本液剤
を用いたコンタクトレンズの消毒は、コンタクトレンズ
を洗浄した後に実施されるようにしても何等差支えな
い。
【0063】なお、かかるコンタクトレンズ用液剤の対
象としているコンタクトレンズとしては、その種類が何
等限定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、
高含水等の全てに分類されるソフトコンタクトレンズ、
及びハードコンタクトレンズがその対象となり得るので
あって、コンタクトレンズの材質等が、本発明に従うコ
ンタクトレンズ用液剤の適用に際して問われることはな
い。中でも、特に消毒が必要とされるソフトコンタクト
レンズに対して、有利に適用することが可能となってい
るのである。
【0064】一方、前述せる如き第二の課題を解決する
ため完成された、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤
は、水を主体とし、その中に、所定の殺菌乃至は防腐成
分(A成分)と共に、所定の酸性成分(以下、C成分と
呼称する)を含有せしめ、更に、A成分の殺菌能力を阻
害せしめる塩化ナトリウムの含有量を、零とするか、或
いは可及的に少なくすることにより、殺菌効果の低下を
抑制しつつ、A成分のコンタクトレンズへの吸着を効果
的に防止して、より一層優れた安全性を発現せしめるよ
うにしたものであり、そこに、大きな特徴を有している
のである。
【0065】なお、そのような本発明に用いられるA成
分としては、殺菌力と共に、コンタクトレンズや眼への
適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障害の要
因となり難いものが望ましく、従来から公知の各種のビ
グアニド系殺菌剤及び4級アンモニウム塩系殺菌剤の中
から、上述せる如き、第一の課題を解決するために完成
された眼科用液剤と同様な殺菌乃至は防腐成分が、適宜
に選定されて、単独で或いは複数を組み合わせて用いら
れることとなる。
【0066】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤にあっても、そのようなA成分は、通常、0.000
001〜0.3重量%(w/w%)程度、好ましくは、
0.00001〜0.1重量%程度の範囲で用いられる
ことが望ましい。この理由は、かかるA成分の含有量が
過小である場合には、充分な殺菌効果乃至は防腐効果が
得られないからであり、また、A成分の含有量が過大で
ある場合には、コンタクトレンズ表面へのA成分の吸着
(付着)が促進され、A成分のコンタクトレンズへの吸
着を阻止しきれなくなって、コンタクトレンズ装用者の
眼に対して悪影響を及ぼしたりする等、安全性の面で問
題が生じる恐れがあるからである。
【0067】そして、A成分が含有せしめられてなるコ
ンタクトレンズ用液剤の殺菌効力乃至は防腐効力を有効
に発現するために、本発明にあっても、A成分の殺菌能
力を阻害せしめる、従来より等張化剤として一般的に用
いられてきている塩化ナトリウムや塩化カリウム等の強
電解質を含有せしめないようにすることが望ましく、ま
た、例え、塩化ナトリウム等を含有せしめたとしても、
その濃度は、0.2重量%(w/w%)以下に抑える必
要がある。尤も、塩化ナトリウム濃度が0〜0.2重量
%となるように調整されると、目的とするコンタクトレ
ンズ用液剤の浸透圧が低くなり過ぎるところから、本発
明にあっては、酸性成分(C成分)が、等張化剤とし
て、用いられることとなるのである。
【0068】なお、かかるC成分としては、グリコール
酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸
及びピロリン酸が挙げられ、それらの中から1種若しく
は2種以上が、適宜に選択されて用いられるのである。
そして、そのようなC成分の存在によって、本発明にあ
っては、A成分のコンタクトレンズへの付着が効果的に
防止され得ることとなるのであるが、そのメカニズムに
ついては、未だ充分に明らかにされてはおらず、本発明
者等の推察によれば、プラスの電荷を有するA成分のコ
ンタクトレンズへの付着が、コンタクトレンズ用液剤中
に、マイナスの電荷を有して存在するC成分によって、
阻害されるためであると考えられるのである。
【0069】加えて、かかるC成分は、液剤に浸漬した
コンタクトレンズに対して、大きなサイズ変化を招来す
るようなものでもないところから、本発明に従うコンタ
クトレンズ用液剤には、適度なレンズ適合性も付与され
得ているのである。
【0070】また、そのようなC成分は、眼に刺激が生
じないように生理的な浸透圧を考慮して、通常、250
〜400mOsm/kg程度の、実質的に生理的浸透圧
に等しい範囲内となるように添加、含有せしめられ、一
般に0.001〜5.0重量%(w/w%)、好ましく
は0.01〜4.0重量%の濃度において、コンタクト
レンズ用液剤中に含有せしめられることとなる。なぜな
らば、C成分の含有量が少な過ぎる場合には、C成分の
添加による効果が充分に発揮され得なくなるからであ
り、また多過ぎる場合にあっては、液剤の浸透圧を著し
く高める等の問題を惹起するからである。
【0071】このように、本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤にあっては、高いイオン強度を示す塩化ナトリ
ウム等の強電解質の代わりに、グリコール酸、乳酸、グ
ルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及びピロリン
酸からなる群より選ばれた1種若しくはそれ以上のC成
分が、等張化剤として用いられているところから、A成
分の殺菌能力の低下が抑制されると共に、かかるA成分
のコンタクトレンズへの吸着が効果的に阻止され得て、
炎症や角膜全面染色等の眼障害が殆ど惹起されることな
く、眼に対する安全性が有利に向上せしめられ得るよう
になっているのである。
【0072】ところで、このような本発明に従うコンタ
クトレンズ用液剤にあっても、上述せる如き本発明に従
う眼科用液剤と同様に、必要に応じて、グリセリン(D
成分)を、等張化剤として、更に含有せしめることも可
能であり、かかるグリセリンを添加することによって、
眼がしみる等といった眼刺激を、より一層有利に抑える
ことが可能となる。
【0073】また、本発明にあっても、眼に対して刺激
を与えたり、障害を惹起することがないように、一般
に、そのpH値が6.0〜8.0、中でも7.0付近に
調整されていることが好ましく、このようなpH範囲を
有利に実現するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム、塩酸等のpH調整剤、緩衝剤等を添加することも
可能である。但し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ム、塩酸等のpH調整剤は、塩化ナトリウムと同様に、
強電解質であるところから、その使用量を可及的に低く
抑えることが必要であり、また、それら強アルカリや強
酸の添加に起因して、コンタクトレンズ用液剤中に塩化
ナトリウム等の強電解質無機塩を構成するイオンが含有
せしめられることとなる場合には、そのようにして形成
される塩化ナトリウムも含めて、コンタクトレンズ用液
剤中の塩化ナトリウム濃度が、0.2重量%以下とされ
なければならないことは、勿論、言うまでもないところ
である。また、その緩衝剤としては、従来から公知の各
種のものの中から、適宜に選択されて、用いられること
となるが、本発明の作用・効果を阻害しない量的範囲に
おいて、コンタクトレンズ用液剤中に添加、含有せしめ
られることとなる。
【0074】さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤には、界面活性剤やキレート化剤、増粘剤等、従来
からコンタクトレンズ用液剤に、添加、含有せしめられ
ている公知の各種の添加剤が、適宜に選択されて、含有
せしめられていても何等差支えなく、前述せる如き眼科
用液剤に含有せしめられ得る、界面活性剤やキレート化
剤、増粘剤と同様なものが、適宜に選択され、同様の濃
度範囲にて、添加、含有せしめられるのである。
【0075】ここにおいて、上述の如きA成分やC成分
等を含有せしめてなる、本発明に従うコンタクトレンズ
用液剤を調製する場合にも、前述せる如き眼科用液剤と
同様に、何等特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を
調製する場合と同様に、精製水、蒸留水等の水系媒体中
に各成分を溶解させることにより、容易に得ることが出
来るのであり、そのようにして得られた本発明に従うコ
ンタクトレンズ用液剤は、例えば、コンタクトレンズ用
殺菌液や、コンタクトレンズ用殺菌洗浄液、コンタクト
レンズ用殺菌保存液、コンタクトレンズ用殺菌洗浄保存
液、コンタクトレンズ用洗浄及び/又は保存液として、
前述せる如き眼科用液剤をコンタクトレンズ用液剤とし
て用いる場合と同様にして、有利に用いられることとな
る。また、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤の対象
とするコンタクトレンズにあっても、その種類が何等限
定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、高含
水等の全てに分類されるソフトコンタクトレンズ、及び
ハードコンタクトレンズがその対象となり得るのであ
る。
【0076】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤にあっては、眼に対して、優れた安全性が確保され得
るところから、点眼剤としても使用することが出来る。
【0077】他方、前述せる如き第三の課題を解決する
ため完成された、本発明に従うコンタクトレンズ用液剤
は、前述せる如き第一の課題を解決するために完成され
た眼科用液剤と、第二の課題を解決するために完成され
たコンタクトレンズ用液剤のそれぞれの効果を共に実現
すると共に、更に、コンタクトレンズに、膨潤や収縮と
いったサイズ変化を招来するものではなく、優れたレン
ズ適合性を有しているのである。
【0078】具体的には、この本発明に従うコンタクト
レンズ用液剤は、水を主体とし、その中に、所定の殺菌
乃至は防腐成分(A成分)と共に、特定のアミノ酸若し
くはその塩、又は該アミノ酸の誘導体(B成分)と特定
の酸性化合物(以下、C′成分と呼称する)を併せて含
有せしめ、更に、A成分の殺菌能力を阻害せしめる塩化
ナトリウムの含有量を、零とするか、或いは可及的に少
なくしたものであり、かかるB成分の導入によって、A
成分が低濃度であっても、その殺菌効果が有利に向上せ
しめられると共に、C′成分によって、A成分のコンタ
クトレンズへの吸着が有利に抑制され、更に、それらB
成分とC′成分の併用によって、コンタクトレンズのサ
イズ変化が極めて効果的に防止乃至は阻止されるように
なっているのである。
【0079】なお、そのような本発明に用いられるA成
分としては、殺菌力と共に、コンタクトレンズや眼への
適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障害の要
因となり難いものが望ましく、従来から公知の各種のビ
グアニド系殺菌剤及び4級アンモニウム塩系殺菌剤の中
から、前述せる如き眼科用液剤等と同様な殺菌乃至は防
腐成分が、適宜に選択されて、単独で或いは複数を組み
合わせて用いられることとなる。
【0080】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤にあっても、そのようなA成分は、前述せる如き本発
明に従う眼科用液剤やコンタクトレンズ用液剤と同様な
理由から、通常、0.000001〜0.3重量%(w
/w%)程度、好ましくは、0.00001〜0.1重
量%程度の範囲で用いられることが望ましい。
【0081】そして、A成分が含有せしめられてなるコ
ンタクトレンズ用液剤の殺菌効力乃至は防腐効力を有効
に発現するために、本発明にあっても、A成分の殺菌能
力を阻害せしめる、従来より等張化剤として一般的に用
いられてきている塩化ナトリウムや塩化カリウム等の強
電解質を含有せしめないようにすることが望ましく、ま
た、例え、塩化ナトリウム等を含有せしめたとしても、
その濃度は、0.2重量%(w/w%)以下に抑える必
要がある。
【0082】而して、塩化ナトリウム濃度が0〜0.2
重量%となるように調整されると、目的とするコンタク
トレンズ用液剤の浸透圧が低くなり過ぎるところから、
本発明にあっては、塩化ナトリウムに代わる等張化剤と
して、所定のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸
の誘導体(B成分)と所定の酸性化合物(C′成分)と
が、組み合わせられて、用いられることとなるのであ
る。
【0083】なお、かかるB成分としては、前述せる如
き眼科用液剤と同様な理由から、等電点が4以上、好ま
しくは5以上であると共に、分子量が89以上であるB
成分が、用いられることとなる。また、それらの中で
も、中性若しくは塩基性のB成分が、好適に用いられ得
るのであり、特に、その中でも、1分子中に、カルボン
酸或いは硫酸由来の酸性基と、アミノ或いはイミノ由来
の塩基性基とを共に有しているものがより好ましく、更
には、それら酸性基と塩基性基を、1分子内に、1:1
〜1:4の割合において含有するものが、より望ましい
のである。
【0084】加えて、かかるB成分にあっては、前述せ
る如き第一の課題を解決するために完成された眼科用液
剤の場合と同様に、その添加量が過大とならないように
すべく、通常、その0.1mol/L水溶液において、
50mOsm/kg以上、より好ましくは、80mOs
m/kg以上の浸透圧を有するものが、特に好適に用い
られることとなる。なぜならば、かかる浸透圧が小さす
ぎると、所望とする浸透圧を実現するために必要とされ
るB成分の添加量が多くなって、そのために、前記A成
分の殺菌作用が妨害され易くなって、殺菌効果が低減す
る恐れがあると共に、B成分が析出したり、溶けきれな
いという溶解度の問題や、コストアップ、また、粘度が
高くなって感触が悪くなるといった液の性質変化が惹起
される恐れがあるからである。そして、そのようなB成
分を使用することによって、より一層優れた殺菌効力を
発現せしめることが出来る。
【0085】また、上述せる如きB成分と組み合わされ
て使用されるC′成分としては、カルボキシル基又はリ
ン酸基を有し、且つ水溶液としたときに金属イオンを発
生することのないもの、つまり、カルボキシル基又はリ
ン酸基を有し、水溶液としたときに、ナトリウムイオン
やカリウムイオン等の金属イオンを発生するナトリウム
塩やカリウム塩等の金属塩ではないものが用いられるこ
ととなる。
【0086】具体的には、上記したC′成分としては、
第二の課題を解決するために完成されたコンタクトレン
ズ用液剤に含有される酸性成分(C成分)が何れも用い
られ得るのであって、例えば、グリコール酸や乳酸、グ
ルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピロリン酸
の他、クエン酸、リン酸、ニコチン酸、安息香酸、コハ
ク酸、酒石酸、マロン酸、マレイン酸等を例示すること
が出来、それらの中でも、グリコール酸や乳酸、グルコ
ン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、ピロリン酸、ク
エン酸、リン酸が、好適に用いられる。
【0087】そして、そのようなC′成分のうちの1種
又は2種以上が、適宜に選択されて用いられるのであ
り、かかるC′成分の存在によって、A成分のコンタク
トレンズへの吸着が極めて効果的に抑制され、炎症や角
膜全面染色等の眼障害を殆ど惹起せしめることのない、
眼に対する安全性に優れたコンタクトレンズ用液剤が得
られるようになるのである。
【0088】また、上述せる如きB成分とC′成分とを
組み合わせて用いることにより、それらB成分とC′成
分を併用しない場合に比して、コンタクトレンズの膨潤
や収縮といったサイズ変化を殆ど生じず、優れたレンズ
適合性が実現され得るのである。
【0089】因みに、かくの如き優れたレンズ適合性が
得られるのは、以下の如き作用によるものと推察され
る。即ち、C′成分を含有せしめることなく、B成分を
含有せしめたコンタクトレンズ用液剤にあっては、それ
に浸漬されたコンタクトレンズを膨潤せしめる、つま
り、レンズサイズを大きくさせる傾向があるのに対し
て、B成分を含有せしめることなく、C′成分を含有せ
しめたコンタクトレンズ用液剤にあっては、それに浸漬
されたコンタクトレンズを収縮せしめる、つまり、レン
ズサイズを小さくさせる傾向があるところから、それら
B成分とC′成分とを併用することによって、コンタク
トレンズの膨潤と収縮が打ち消されて、サイズ変化が殆
ど起こらなくなるものと推察されるのである。
【0090】また、上述せる如き種々の効果を有利に得
るためには、コンタクトレンズ用液剤中における、B成
分の含有量としては、0.01〜5重量%(w/w
%)、好ましくは0.5〜4.0重量%の濃度が好適に
採用される一方、C′成分の含有量としては、0.00
1〜5.0重量%(w/w%)、好ましくは0.01〜
2.0重量%の濃度が好適に採用されることとなる。但
し、それらは、塩化ナトリウムに代替する等張化剤とし
ての役割を果たすものであるところから、通常、250
〜400mOsm/kg程度の、実質的に生理的浸透圧
に等しい範囲内となるように、各々の濃度が適宜に設定
され、添加、含有せしめられることとなる。
【0091】このように、本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤にあっては、高いイオン強度を示す塩化ナトリ
ウム等の強電解質の代わりに、B成分の少なくとも1種
以上と、C′成分の少なくとも1種以上とが組み合わさ
れて用いられているところから、ビグアニド系殺菌剤や
4級アンモニウム塩系殺菌剤(A成分)の殺菌能力が、
極めて効果的に発現せしめられ得、また、A成分のコン
タクトレンズへの吸着が効果的に阻止されて、眼に対す
る安全性が、有利に向上せしめられ得るようになると共
に、コンタクトレンズのサイズ変化が抑制され、優れた
レンズ適合性が実現され得るようになっているのであ
る。
【0092】なお、このような本発明に従うコンタクト
レンズ用液剤にあっても、前述せる如き第一、第二の課
題を解決するために完成された眼科用液剤やコンタクト
レンズ用液剤と同様に、必要に応じて、グリセリン(D
成分)を、等張化剤として、更に含有せしめることも可
能であり、このグリセリンの添加によって、眼に対する
刺激を、可及的に低く抑えることが可能となる。
【0093】また、本発明にあっても、眼に対して刺激
を与えたり、障害を惹起することがないように、一般
に、そのpH値が6.0〜8.0、中でも7.0付近に
調整されていることが好ましく、このようなpH範囲を
有利に実現するために、水酸化ナトリウムや水酸化カリ
ウム、塩酸等のpH調整剤、緩衝剤等を添加することも
可能である。但し、水酸化ナトリウムや水酸化カリウ
ム、塩酸等のpH調整剤は、塩化ナトリウムと同様に、
強電解質であるところから、その使用量を可及的に低く
抑える必要があるのであり、また、それら強アルカリや
強酸の添加に起因して、コンタクトレンズ用液剤中に塩
化ナトリウム等の強電解質無機塩を構成するイオンが含
有せしめられることとなる場合には、そのようにして形
成される塩化ナトリウムも含めて、コンタクトレンズ用
液剤中の塩化ナトリウム濃度が、0.2重量%以下とさ
れなければならないことは、勿論、言うまでもないとこ
ろである。また、その緩衝剤としては、従来から公知の
各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられるこ
ととなるが、本発明の作用・効果を阻害しない量的範囲
において、コンタクトレンズ用液剤中に添加、含有せし
められることとなる。
【0094】さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤には、界面活性剤やキレート化剤、増粘剤等、従来
からコンタクトレンズ用液剤に、添加、含有せしめられ
ている公知の各種の添加剤が、適宜に選択されて、含有
せしめられていても何等差支えなく、前述せる如き眼科
用液剤に含有せしめられ得る、界面活性剤やキレート化
剤、増粘剤と同様なものが、適宜に選択され、同様の濃
度範囲にて、添加、含有せしめられるのである。
【0095】なお、上述の如きA成分やB成分、C′成
分等を含有せしめてなる、本発明に従うコンタクトレン
ズ用液剤を調製する場合にも、前述せる如き眼科用液剤
やコンタクトレンズ用液剤と同様に、何等特殊な方法を
必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、精
製水、蒸留水等の水系媒体中に各成分を溶解させること
により、容易に得ることが出来るのであり、そのように
して得られた本発明に従うコンタクトレンズ用液剤は、
例えば、コンタクトレンズ用殺菌液や、コンタクトレン
ズ用殺菌洗浄液、コンタクトレンズ用殺菌保存液、コン
タクトレンズ用殺菌洗浄保存液、コンタクトレンズ用洗
浄及び/又は保存液として、前述せる如き眼科用液剤を
コンタクトレンズ用液剤として用いる場合と同様にし
て、有利に用いられることとなる。
【0096】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤の対象とするコンタクトレンズにあっても、その種類
が何等限定されるものではなく、例えば、非含水、低含
水、高含水等の全てに分類されるソフトコンタクトレン
ズ、及びハードコンタクトレンズがその対象となり得る
のである。中でも、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤は、優れたレンズ適合性を有しているところから、サ
イズ変化が惹起され易い、ソフトコンタクトレンズに対
して、特に有利に適用することが可能となっているので
ある。
【0097】加えて、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤にあっても、眼に対して、優れた安全性が確保され
得るところから、点眼剤として使用することも可能であ
る。
【0098】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体
的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【0099】実施例 1 所定量の蒸留水に対して、殺菌成分(A成分)、アミノ
酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体(B成
分)、及びキレート化剤を、下記表1に示される各種割
合において、それぞれ添加せしめ、更に、必要に応じ
て、pH調整剤(塩酸又は水酸化ナトリウム)を適量に
おいて添加することにより、浸透圧が290mOsm/
kg程度、及びpHが7.3程度とされた、実験例1〜
14に係る液剤を、それぞれ、調製した。なお、A成分
としては、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)
を用い、等張化剤たるB成分としては、下記表2に示さ
れる如き、等電点を有するものを用いた。なお、かかる
表2には、B成分の0.1mol/L水溶液におけるp
Hと浸透圧、及び、分子量を併せて示した。また、キレ
ート化剤としては、エチレンジアミン四酢酸・2ナトリ
ウム(EDTA・2Na)を使用した。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】そして、上記で得られた液剤の各9.9m
Lを試験管に入れ、これに、カンジダ・アルビカンス
(Candida albicans IFO 1594)を108〜109cfu
/mL含む菌液の0.1mLを加えて攪拌し、最終的に
106〜107cfu/mLの菌数を含む菌懸濁液を、そ
れぞれ調製した。その後、それらを23℃で、1時間又
は4時間(実験例14)放置した後に、かかる菌懸濁液
の1mLを取り出し、ブドウ糖ペプトン寒天培地の20
mLを用いて、平板希釈法によりサンプル1mL中の生
菌数を測定した。そして、この生菌数から、処理液1m
L中の生菌数を算出した後、下記の計算式に従って、対
数に換算した菌減少数(log reduction)を求め、その
結果を、下記表3に示した。 菌減少数=log(調製直後の菌懸濁液1mL中の生菌
数)−log(処理後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
【0103】また、上記菌減少数(log reduction)の
値から、殺菌効力の評価を行ない、その結果を、下記表
3に併せ示した。なお、かかる評価基準は、ISO14
729におけるFirst Criteria(殺菌に関する)を満た
す場合に○、満たさない場合に×、とした。
【0104】
【表3】
【0105】かかる表3の結果からも明らかなように、
塩化ナトリウム及びリン酸塩が何等含有せしめられてお
らず、且つ、等張化剤として、等電点が4以上である、
分子量が89以上のB成分が含有せしめられてなる、実
験例1〜14に係る液剤にあっては、優れた殺菌効果が
実現され得ている。中でも、実験例1〜13に係る液剤
にあっては、その効果が、短時間(1時間)で実現され
ている。
【0106】実施例 2 所定量の蒸留水に対して、殺菌成分(A成分)やアミノ
酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体(B成分)
等の各種成分を、下記表4に示される各種割合において
添加せしめることにより、pHが7.3、浸透圧が29
0mOsm/kgである、実験例15,16に係るコン
タクトレンズ用液剤を、それぞれ、調製した。なお、A
成分としては、PHMBを用いる一方、B成分として
は、アルギニン(等電点:10.76、分子量:17
4.20、0.1mol/L水溶液におけるpH:1
1.20、0.1mol/L水溶液における浸透圧:1
00mOsm/kg)又は塩酸リジン(表2中、実験例
12参照)を用いた。また、界面活性剤として、Pol
oxamer407(BASF社製)を、キレート化剤
として、EDTA・2Naを、増粘剤として、HPMC
2910(信越化学工業株式会社製)、及び、pH調整
剤として、水酸化ナトリウム(NaOH)又は塩酸(H
Cl)を使用した。
【0107】そして、得られた実験例15,16に係る
コンタクトレンズ用液剤について、上記実施例1と同様
にして菌減少数を求めると共に、殺菌効力の評価を行な
い、得られた結果を、下記表4に示した。なお、放置時
間は、上記実施例1の実験例14と同様に、4時間とし
た。
【0108】
【表4】
【0109】上記表4の結果からも明らかなように、実
験例15,16に係るコンタクトレンズ用液剤にあって
は、優れた殺菌効果が実現され得ていることが、認めら
れるのである。
【0110】実施例 3 所定量の蒸留水に対して、殺菌成分(A成分)や酸性成
分(C成分)等の各種成分を、下記表5に示される各種
割合において添加せしめることにより、下記表5に示さ
れるpHと浸透圧を有する、実験例17〜21のコンタ
クトレンズ用液剤を、それぞれ、調製した。
【0111】そして、市販品のソフトコンタクトレンズ
(メニコンフォーカス、メニコンソフトMA、メニコン
ソフト72;メニコン製)を、それぞれ、25℃に保た
れた実験例17〜21に係るコンタクトレンズ用液剤中
に浸漬し、浸漬せしめた状態下において、コンタクトレ
ンズのサイズ(直径)を、20倍の倍率にセットした投
影機(製造元:ニコン(株)、型番:V12A)を用い
て、測定した。そして、得られた値(D1 )を、予め、
同様にして求めたレンズサイズ(D0 )から減算するこ
とで、レンズサイズの変化量を算出し、得られた結果
を、下記表5に示した。
【0112】そして、算出されたサイズ変化の値から、
実験例17〜21に係るコンタクトレンズ用液剤のレン
ズ適合性の評価を、以下の評価基準にて行ない、その結
果も、下記表5に示した。 評価基準 ○:全てコンタクトレンズにおいてサイズ変化が殆どな
い △:一部のコンタクトレンズにおいてサイズ変化が殆ど
ない ×:全てのコンタクトレンズにおいてサイズ変化が多い
【0113】
【表5】
【0114】上記表5の結果からも明らかなように、酸
性成分(C成分)が添加された実験例17〜21に係る
コンタクトレンズ用液剤のうち、実験例17,18に係
るものにあっては、どのレンズにも適合性を有している
ことが分かる。また、実験例19〜21に係るものにあ
っては、一部のレンズに対して適合性を有していること
が分かる。
【0115】実施例 4 所定量の蒸留水に対して、殺菌成分(A成分)やアミノ
酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体(B成
分)、酸性化合物(C′成分)等の各種成分を、下記表
6,7に示される各種割合において添加せしめることに
より、同表6,7に示されるpHと浸透圧を有する、実
験例22〜33のコンタクトレンズ用液剤を、それぞ
れ、調製した。
【0116】そして、得られた実験例22〜33に係る
コンタクトレンズ用液剤について、上記実施例1と同様
にして菌減少数を求めると共に、殺菌効力の評価を行な
い、得られた結果を、下記表6,7に示した。なお、放
置時間は、上記実施例1の実験例14と同様に、4時間
とした。
【0117】また、25℃に保たれた実験例22〜33
に係るコンタクトレンズ用液剤を用い、上記実施例3と
同様にして、レンズサイズの測定を行ない、レンズサイ
ズの変化量を算出すると共に、レンズ適合性の評価を行
ない、得られた結果を、下記表6,7に示した。
【0118】
【表6】
【0119】
【表7】
【0120】かかる表6,7の結果からも明らかなよう
に、A,B,C′成分が含有せしめられてなる実験例2
2〜33に係るコンタクトレンズ用液剤にあっては、優
れた殺菌効果とレンズ適合性が共に実現されていること
が、認められる。
【0121】実施例 5 所定量の蒸留水に対して、各種成分を、下記表8に示さ
れる各種割合において添加せしめることにより、同表8
に示されるpHと浸透圧を有する、実験例34〜37の
コンタクトレンズ用液剤を、それぞれ、調製した。
【0122】そして、得られた実験例34〜37に係る
コンタクトレンズ用液剤中に、それぞれ、市販品のソフ
トコンタクトレンズ(メニコンソフト72)を、4時間
浸漬した後、該液剤からコンタクトレンズを取り出し、
そのまま、濯ぐことなく、下記表8に示される人数の被
験者に、装用させ、以下の基準により該被験者にコンタ
クトレンズ用液剤の点数評価をさせ、かかる点数の平均
値を求めることで、眼刺激の評価を行なった。なお、下
記表8には、得られた平均値を示し、かかる平均値が小
さい程、眼刺激が無いことを表わしている。
【0123】
【表8】
【0124】かかる表8の結果からも明らかなように、
実験例34〜37に係るコンタクトレンズ用液剤は、何
れも、平均値が1未満となっており、眼刺激を与えるよ
うなものではないことが、分かる。また、pHが同程度
の実験例34と37を比較すると、グリセリン(D成
分)が添加された実験例34に係る液剤の方が、眼刺激
が低減されていることが、認められる。
【0125】これに対して、比較のために、市販のコン
タクトレンズ用液剤であるReNu MultiPlus(ボシュ・ア
ンド・ロム社製)とOpti-Free Express(アルコン社
製)を、HCl又はNaOHを用いて、pHを、それぞ
れ、6.5及び6.48に調整し、上記と同様にして眼
刺激の評価(被験者数は、それぞれ、5名)を行なった
ところ、平均値は、それぞれ、2.0及び3.0であっ
た。この結果から、実験例34〜37に係るコンタクト
レンズ用液剤の方が、市販品のコンタクトレンズ用液剤
よりも、眼刺激が低減せしめられていることが、明らか
となった。
【0126】実施例 6 所定量の蒸留水に対して、各種成分を、下記表10に示
される各種割合において添加せしめることにより、同表
10に示されるpHと浸透圧を有する、実験例38〜4
3に係るコンタクトレンズ用液剤を、それぞれ、調製し
た。
【0127】そして、得られた実験例38〜43に係る
コンタクトレンズ用液剤中に、それぞれ、市販品のソフ
トコンタクトレンズ(メニコンソフト72)を、1時間
浸漬し保存した後、該液剤からコンタクトレンズを取り
出し、そのまま、濯ぐことなく、被験者(予め、染色検
査を行なって、角膜前眼部に問題のない人)に、2時間
以上装用させた。次いで、コンタクトレンズをはずし、
染色検査を行ない、被験者の角膜前眼部を、細隙灯顕微
鏡を用いて観察した。そして、下記表9の基準に従っ
て、染色の程度に応じて、眼に惹起された障害の程度を
グレード分けすることにより、眼障害の評価を行ない、
得られた結果を、下記表10に示した。
【表9】
【0128】また、比較のために、実験例38のコンタ
クトレンズ用液剤において、アルギニン及びグリコール
酸を除き、それらの代わりに塩化ナトリウムを、0.9
%となるように添加した液剤(その他の成分は実験例3
8と同様)の眼障害の評価を、上記と同様にして行なっ
たところ、G1が2眼、G2が6眼、G3が2眼であっ
た。
【0129】
【表10】
【0130】かかる表10の結果からも明らかなよう
に、実験例38〜43に係るコンタクトレンズ用液剤
は、何れも、等張化剤として塩化ナトリウムを含有せし
めたコンタクトレンズ用液剤に比して、眼障害が惹起さ
れなくなっていることが、認められる。また、それら実
験例38〜43を対比すると、グリコール酸(C乃至は
C′成分)を含有せしめることによって、より一層眼障
害の発生が防止され、極めて良好な安全性が実現され得
ることが分かるのである。
【0131】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う眼科用液剤にあっては、塩化ナトリウム濃度とリ
ン酸塩の濃度とが零乃至は可及的に小ならしめられ、且
つ殺菌乃至は防腐成分としてビグアニド系殺菌剤及び4
級アンモニウム塩系殺菌剤のうちの少なくとも1種以上
が含有せしめられていると共に、等電点が4以上であ
る、分子量が89以上のアミノ酸若しくはその塩、又は
該アミノ酸の誘導体の1種以上が、塩化ナトリウムに代
わる等張化剤として含有せしめられているところから、
ビグアニド系殺菌剤や4級アンモニウム塩系殺菌剤の殺
菌能力が、極めて効果的に発現せしめられ得ることとな
るのであり、以て、かかる殺菌成分の眼科用液剤中の濃
度を低く抑えても、高い殺菌効果乃至は防腐効果を有利
に得ることが出来るのであり、またこれによって、生体
に対する安全性が、より一層、向上せしめられ得るので
ある。
【0132】また、本発明に従うコンタクトレンズ用液
剤の一つにあっては、ビグアニド系及び4級アンモニウ
ム塩系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以
上を含有し、且つその殺菌能力を阻害する塩化ナトリウ
ムの濃度が零乃至は可及的に小ならしめられていると共
に、グリコール酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン
酸、グルタミン酸及びピロリン酸からなる群より選ばれ
た1種若しくはそれ以上の酸性成分が、塩化ナトリウム
に代わる等張化剤として含有せしめられているところか
ら、殺菌乃至は防腐成分の殺菌効力の低下を抑制しつ
つ、酸性成分の存在によって、殺菌乃至は防腐成分のコ
ンタクトレンズへの吸着が極めて効果的に抑制され、以
て、コンタクトレンズ装用者の眼において、炎症や角膜
全面染色等の眼障害が惹起されることが極めて効果的に
防止され、より一層優れた安全性が確保されるのであ
る。
【0133】さらに、本発明に従うコンタクトレンズ用
液剤の別の一つにあっては、たるビグアニド系及び4級
アンモニウム塩系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なく
とも1種以上を含有し、且つその殺菌能力を阻害する塩
化ナトリウムの濃度が零乃至は可及的に小ならしめられ
ていると共に、等電点が4以上である、分子量が89以
上のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミノ酸の誘導体
の1種以上とカルボキシル基又はリン酸基を有し、且つ
水溶液としたときに金属イオンを発生することのない酸
性化合物の1種以上とが組み合わされ、塩化ナトリウム
に代わる等張化剤として含有せしめられているところか
ら、コンタクトレンズの膨潤や収縮といったサイズ変化
が有利に阻止され、優れたレンズ適合性が実現され得る
のである。また、アミノ酸若しくはその塩、又は該アミ
ノ酸の誘導体や、酸性化合物を添加することにより得ら
れる効果が、何れも享受され得ることとなるのである。
つまり、殺菌乃至は防腐成分が低濃度であっても、殺菌
能力が極めて効果的に発現せしめられ得ると共に、殺菌
成分のコンタクトレンズへの吸着が極めて効果的に抑制
され、このため、炎症や角膜全面染色等の眼障害が殆ど
惹起されることのない、優れた安全性が確保されるよう
になっているのである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A01N 47/44 A01N 47/44 A61K 9/08 A61K 9/08 31/785 31/785 47/02 47/02 47/04 47/04 47/10 47/10 47/18 47/18 47/20 47/20 47/22 47/22 A61P 27/02 A61P 27/02 31/04 31/04 (72)発明者 都築 章 愛知県春日井市高森台五丁目1番地10 株 式会社メニコン総合研究所内 Fターム(参考) 4C076 AA12 BB24 CC31 DD23 DD26 DD51 FF14 FF39 4C086 AA01 AA02 FA03 MA03 MA05 MA09 MA10 MA17 MA58 NA08 NA14 ZB35 4C206 AA01 AA02 FA41 MA03 MA05 MA29 MA37 MA78 NA08 ZA33 ZB35 4H011 AA01 AA03 BA01 BB04 BB11 BC06 DA13 DD07 DG16

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビグアニド系及び4級アンモニウム塩系
    の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を含
    有する眼科用液剤において、等電点が4以上である、分
    子量が89以上のアミノ酸若しくはその塩、又は該アミ
    ノ酸の誘導体を1種以上含有せしめると共に、塩化ナト
    リウム濃度が0〜0.2重量%となるように、且つリン
    酸塩の濃度が0〜0.5重量%となるように、それぞ
    れ、調整したことを特徴とする眼科用液剤。
  2. 【請求項2】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該ア
    ミノ酸の誘導体の等電点が、5以上である請求項1に記
    載の眼科用液剤。
  3. 【請求項3】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該ア
    ミノ酸の誘導体が、中性若しくは塩基性の物質である請
    求項1又は請求項2に記載の眼科用液剤。
  4. 【請求項4】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該ア
    ミノ酸の誘導体が、その1分子内に、カルボン酸又は硫
    酸由来の酸性基を有すると共に、アミノ又はイミノ由来
    の塩基性基を有している請求項1乃至請求項3の何れか
    に記載の眼科用液剤。
  5. 【請求項5】 前記酸性基と前記塩基性基の比が、1:
    1〜1:4である請求項4に記載の眼科用液剤。
  6. 【請求項6】 前記アミノ酸が、γ−アミノ酪酸、アラ
    ニン、システイン、セリン、タウリン、トレオニン、バ
    リン、ヒスチジン、4−ヒドロキシプロリン、フェニル
    アラニン、プロリン、又はε−アミノカプロン酸である
    請求項1乃至請求項5の何れかに記載の眼科用液剤。
  7. 【請求項7】 前記アミノ酸が、リジン又はアルギニン
    である請求項1乃至請求項5の何れかに記載の眼科用液
    剤。
  8. 【請求項8】 グリセリンが、更に、含有せしめられて
    いる請求項1乃至請求項7の何れかに記載の眼科用液
    剤。
  9. 【請求項9】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該ア
    ミノ酸の誘導体が、その0.1mol/L水溶液におい
    て、50mOsm/kg以上の浸透圧を有している請求
    項1乃至請求項8の何れかに記載の眼科用液剤。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9の何れかに記載
    の眼科用液剤からなるコンタクトレンズ用液剤。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項9の何れかに記載
    の眼科用液剤からなるソフトコンタクトレンズ用液剤。
  12. 【請求項12】 ビグアニド系及び4級アンモニウム塩
    系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を
    含有するコンタクトレンズ用液剤において、グリコール
    酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸
    及びピロリン酸からなる群より選ばれた1種若しくはそ
    れ以上の酸性成分を含有せしめると共に、塩化ナトリウ
    ム濃度が0〜0.2重量%となるように、調整したこと
    を特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
  13. 【請求項13】 前記酸性成分の濃度が、0.001〜
    5重量%である請求項12に記載のコンタクトレンズ用
    液剤。
  14. 【請求項14】 ビグアニド系及び4級アンモニウム塩
    系の殺菌乃至は防腐成分のうちの少なくとも1種以上を
    含有するコンタクトレンズ用液剤において、等電点が4
    以上である、分子量が89以上のアミノ酸若しくはその
    塩、又は該アミノ酸の誘導体を1種以上含有せしめると
    共に、カルボキシル基又はリン酸基を有し、且つ水溶液
    としたときに金属イオンを発生することのない酸性化合
    物の1種以上を更に含有せしめ、そして塩化ナトリウム
    濃度が0〜0.2重量%となるように、調整したことを
    特徴とするコンタクトレンズ用液剤。
  15. 【請求項15】 前記酸性化合物が、グリコール酸、ク
    エン酸、乳酸、グルコン酸、アスパラギン酸、グルタミ
    ン酸、リン酸及びピロリン酸からなる群より選ばれる請
    求項14に記載のコンタクトレンズ用液剤。
  16. 【請求項16】 前記酸性化合物の濃度が、0.001
    〜5重量%である請求項14又は請求項15に記載のコ
    ンタクトレンズ用液剤。
  17. 【請求項17】 グリセリンが、更に、含有せしめられ
    ている請求項12乃至請求項16の何れかに記載のコン
    タクトレンズ用液剤。
  18. 【請求項18】 前記殺菌乃至は防腐成分の濃度が、
    0.000001〜0.3重量%である請求項12乃至
    請求項17の何れかに記載のコンタクトレンズ用液剤。
  19. 【請求項19】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該
    アミノ酸の誘導体の濃度が、0.01〜5重量%である
    請求項14乃至請求項18の何れかに記載のコンタクト
    レンズ用液剤。
  20. 【請求項20】 前記アミノ酸若しくはその塩、又は該
    アミノ酸の誘導体が、その0.1mol/L水溶液にお
    いて、50mOsm/kg以上の浸透圧を有している請
    求項14乃至請求項19の何れかに記載のコンタクトレ
    ンズ用液剤。
  21. 【請求項21】 液pHが、6〜8に調整されている請
    求項12乃至請求項20の何れかに記載のコンタクトレ
    ンズ用液剤。
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