JPWO2004084877A1 - 眼科用組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、眼に対する安全性を充分に備えつつ、眼の不快感や乾燥感等の症状を低減し得ると共に、コンタクトレンズに対して、サイズ変化等の悪影響を及ぼすことがなく、また、コンタクトレンズ表面の水濡れ性を有利に向上せしめ得る眼科用組成物を提供することを解決課題とし、水系媒体中に、特定のアミノ糖誘導体の少なくとも1種を、含有せしめて、コンタクトレンズ用液剤組成物を調製するようにした。
Description
本発明は、眼科用組成物に係り、特に、眼の不快感や乾燥感を有利に低減し得ると共に、眼に対する安全性をも充分に備えた眼科用組成物、中でも点眼剤や、コンタクトレンズ用液剤に関するものである。
近年、コンタクトレンズの装用や、VDT(Visual Display Terminal)作業等により、眼の乾燥感や不快感等の症状を訴える患者が、非常に多くなってきている。
そして、そのような症状を訴える患者に対しては、従来から、人工涙液の点眼が薦められているのであるが、そのような人工涙液等の点眼液は、点眼直後においては、乾燥感の低減効果が得られるものの、その効果の持続性に乏しいといった問題があった。
このため、乾燥感の低減効果を持続せしめるべく、かかる点眼液に対して増粘剤等を配合して、湿潤性を向上させたり、角膜上における点眼液の滞留時間を長くする等の工夫が為されてきているものの、充分な効果を得ることが出来ないものであった。また、点眼液に対して増粘剤を多量に配合することによって、液の粘度が高くなり過ぎて、点眼時に、不快感を生じるといった問題が惹起されることもあったのである。
また一方、コンタクトレンズ装用者には、レンズの曇り等の症状を訴える患者も、非常に多い。また、コンタクトレンズ装用時に、眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった症状が惹起せしめられている。このため、コンタクトレンズ用液剤に対して、セルロース系若しくはビニル系親水性ポリマー等、或いは界面活性剤等を配合し、そのような成分をレンズ表面に付着せしめて、レンズの表面張力を下げることにより、レンズ表面に水濡れ性を付与して、レンズの曇り等を始めとする症状の抑制を図っている。しかしながら、このようなコンタクトレンズ用液剤への親水性ポリマーや界面活性剤等の成分の添加だけでは、充分な抑制効果は実現され得ず、コンタクトレンズ装用後において、涙液によりコンタクトレンズ表面の成分が置換されて、短時間で水濡れ性の悪い状態へと戻ってしまうといった問題があった。
更に、そのようなコンタクトレンズ用液剤においては、殺菌効力を向上させるため、殺菌剤の濃度が増加せしめられている傾向にあり、安全性に疑問が内在している。
なお、特開2001−322936号公報には、眼の乾燥感(ドライアイ)の予防及び改善を図るべく、(A)炭酸水素ナトリウムと、(B)炭素数5以下の低級多価アルコール類、糖アルコール類及びテルペノイド類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物とを含有する眼科用組成物が提案され、これらA成分とB成分とを併用することによって、眼の乾燥、違和感等の諸症状が改善されることが、明らかにされている。また、特開2001−192333号公報には、コンタクトレンズ装用に起因する諸症状を改善することを目的として、(A)アミノ酸及び/又はその塩と(B)清涼化剤とを含有するコンタクトレンズ用眼科用組成物が提案され、かかる成分の併用によって、それらを単独で含有せしめた場合に比して、コンタクトレンズ装用により生じた角膜細胞の減少や形状異常の発生が回復され、また、コンタクトレンズ装着時の異物感や不快感が軽減されることが、明らかにされている。更に、特開2001−122774号公報には、清涼化剤と多価アルコールを含有するソフトコンタクトレンズ用眼科用組成物が提案され、これを用いることによって、ソフトコンタクトレンズに対する清涼化剤の吸着を抑制し、同時にソフトコンタクトレンズによる眼の疲れや乾燥感等のトラブルが緩和されることが、明らかにされている。
また一方、特開2002−104971号公報には、アミノ糖等の単糖類をその構造式中に結合含有するメントール配糖体が含有された眼科用組成物が提案され、眼に対する刺激性を強めることなく、清涼感及び持続性の向上が図られているのである。しかしながら、そのような単糖類を結合含有するメントール配糖体は、メントールを基本骨格とするものであって、本発明に採用される特定のアミノ糖誘導体とは、構造が明らかに異なっている。
そして、そのような症状を訴える患者に対しては、従来から、人工涙液の点眼が薦められているのであるが、そのような人工涙液等の点眼液は、点眼直後においては、乾燥感の低減効果が得られるものの、その効果の持続性に乏しいといった問題があった。
このため、乾燥感の低減効果を持続せしめるべく、かかる点眼液に対して増粘剤等を配合して、湿潤性を向上させたり、角膜上における点眼液の滞留時間を長くする等の工夫が為されてきているものの、充分な効果を得ることが出来ないものであった。また、点眼液に対して増粘剤を多量に配合することによって、液の粘度が高くなり過ぎて、点眼時に、不快感を生じるといった問題が惹起されることもあったのである。
また一方、コンタクトレンズ装用者には、レンズの曇り等の症状を訴える患者も、非常に多い。また、コンタクトレンズ装用時に、眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった症状が惹起せしめられている。このため、コンタクトレンズ用液剤に対して、セルロース系若しくはビニル系親水性ポリマー等、或いは界面活性剤等を配合し、そのような成分をレンズ表面に付着せしめて、レンズの表面張力を下げることにより、レンズ表面に水濡れ性を付与して、レンズの曇り等を始めとする症状の抑制を図っている。しかしながら、このようなコンタクトレンズ用液剤への親水性ポリマーや界面活性剤等の成分の添加だけでは、充分な抑制効果は実現され得ず、コンタクトレンズ装用後において、涙液によりコンタクトレンズ表面の成分が置換されて、短時間で水濡れ性の悪い状態へと戻ってしまうといった問題があった。
更に、そのようなコンタクトレンズ用液剤においては、殺菌効力を向上させるため、殺菌剤の濃度が増加せしめられている傾向にあり、安全性に疑問が内在している。
なお、特開2001−322936号公報には、眼の乾燥感(ドライアイ)の予防及び改善を図るべく、(A)炭酸水素ナトリウムと、(B)炭素数5以下の低級多価アルコール類、糖アルコール類及びテルペノイド類からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の化合物とを含有する眼科用組成物が提案され、これらA成分とB成分とを併用することによって、眼の乾燥、違和感等の諸症状が改善されることが、明らかにされている。また、特開2001−192333号公報には、コンタクトレンズ装用に起因する諸症状を改善することを目的として、(A)アミノ酸及び/又はその塩と(B)清涼化剤とを含有するコンタクトレンズ用眼科用組成物が提案され、かかる成分の併用によって、それらを単独で含有せしめた場合に比して、コンタクトレンズ装用により生じた角膜細胞の減少や形状異常の発生が回復され、また、コンタクトレンズ装着時の異物感や不快感が軽減されることが、明らかにされている。更に、特開2001−122774号公報には、清涼化剤と多価アルコールを含有するソフトコンタクトレンズ用眼科用組成物が提案され、これを用いることによって、ソフトコンタクトレンズに対する清涼化剤の吸着を抑制し、同時にソフトコンタクトレンズによる眼の疲れや乾燥感等のトラブルが緩和されることが、明らかにされている。
また一方、特開2002−104971号公報には、アミノ糖等の単糖類をその構造式中に結合含有するメントール配糖体が含有された眼科用組成物が提案され、眼に対する刺激性を強めることなく、清涼感及び持続性の向上が図られているのである。しかしながら、そのような単糖類を結合含有するメントール配糖体は、メントールを基本骨格とするものであって、本発明に採用される特定のアミノ糖誘導体とは、構造が明らかに異なっている。
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、眼に対する安全性を充分に備えつつ、眼の不快感や乾燥感等の症状を低減し得ると共に、コンタクトレンズに対して、サイズ変化等の悪影響を及ぼすことがなく、また、コンタクトレンズ表面の水濡れ性を有利に向上せしめ得る眼科用組成物を提供することにある。
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、眼科用組成物に、特定のアミノ糖誘導体を配合することによって、眼の不快感や乾燥感等が有利に低減され得ると共に、そのような特定のアミノ糖誘導体を含有する眼科用組成物は、コンタクトレンズに対して、サイズ変化等の悪影響を及ぼすものではなく、コンタクトレンズに優れた水濡れ性を付与することを見出したのである。また、かかる特定のアミノ糖誘導体を、殺菌剤が含有せしめられたコンタクトレンズ用液剤に添加すれば、殺菌剤による殺菌効力が効果的に向上せしめられ、これにて、殺菌剤の濃度を増加することなく、眼に対する安全性を高度に確保し得ることも、見出したのである。
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、水系媒体中に、下記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体の少なくとも1種が含有せしめられていることを特徴とする眼科用組成物にある。
[式中、R1,R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示し、R2,R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3の1価の炭化水素基を示し、R5は、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又はOHを示す。また、X−は、OH−,Cl−又はBr−を示す。]
要するに、このような本発明に従う眼科用組成物にあっては、上記一般式(I)にて示される、特定のアミノ糖誘導体が、眼科用組成物を構成する成分の一つとして含有せしめられているところから、かかる特定のアミノ糖誘導体の添加によって、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられることとなるのである。
また、本発明に従って添加される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズを膨潤せしめたり、収縮せしめたりする等の悪影響を及ぼすものではないところから、コンタクトレンズの形状変化やサイズ変化が有利に阻止され、優れたレンズ適合性が実現され得るのである。更に、かかる特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズ表面に付着乃至は吸着して、レンズ表面の親水性を向上させて、優れた水濡れ性を効果的に付与せしめる成分でもあり、これによって、レンズの曇り等の発生も有利に防止され得るようになる。
加えて、そのような特定のアミノ糖誘導体を、殺菌剤を含有するコンタクトレンズ用液剤等の眼科用組成物中に添加すれば、殺菌剤の殺菌作用が、効果的に向上せしめられ得るようになるのであり、これにて、かかる殺菌剤の液中における濃度を低く抑えても、高い殺菌効果を有利に得ることが出来るのである。このため、装用者の眼に対する安全性が、より一層、向上せしめられるといった利点も享受され得ることとなる。
なお、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体としては、R1が−CH2−CH2−CH2−、R2及びR3が−CH3、R4が−CH2−CH2−、R5が−OH、及びX−がCl−である、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムが、好適に採用され得る。
また、本発明に従う眼科用組成物の好ましい態様の一つによれば、前記アミノ糖誘導体は、0.0001〜10w/w%の割合となるように含有せしめられることが、望ましい。このような含有量を採用することにより、眼に対する安全性を有利に確保しつつ、また、コンタクトレンズの規格を変化せしめることなく、眼の不快感や乾燥感等の症状に対する優れた改善効果を享受することが出来る。
さらに、本発明に従う眼科用組成物の好ましい態様の別の一つによれば、殺菌剤が、更に、含有せしめられていることが望ましい。このように殺菌剤を添加すれば、前記アミノ糖誘導体によって、その殺菌効力が効果的に高められ得るようになるのである。なお、かかる殺菌剤としては、ビグアニド化合物又はポリマー性第四級アンモニウム化合物が、有利に採用され得る。
加えて、本発明に従う眼科用組成物の別の好ましい態様の一つによれば、防腐剤、キレート化剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、界面活性剤、消炎剤、充血除去剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、嬌味剤、ビタミン類及びアミノ酸類のうちの少なくとも1種が、更に、含有せしめられ、以てそれらの成分に応じた更なる機能が付加されることとなる。
また、本発明における別の好ましい態様によれば、上述せる如き眼科用組成物は、眼に対する安全性が充分に備えられたものであるところから、点眼剤として用いることが出来る。そして、この所定量を点眼すれば、眼の不快感や乾燥感等の症状が改善され得る。また、かかる点眼剤は、コンタクトレンズに対して何等悪影響を及ぼすものでもないところから、コンタクトレンズを装用したまま点眼することも可能であり、そうすることによって、コンタクトレンズ表面の親水性が前記アミノ糖誘導体によって向上せしめられて、以て、優れた水濡れ性が付与され、レンズの曇り等の発生を効果的に防止することも出来るのである。
さらに、本発明における好ましい別の態様によれば、前述した眼科用組成物が、コンタクトレンズ用液剤として用いられることも、望ましい。このようにコンタクトレンズ用液剤として用いれば、コンタクトレンズ表面の親水性が前記アミノ糖誘導体によって向上せしめられ、以て、優れた水濡れ性が付与され、レンズの曇り等の発生が効果的に抑制されると共に、コンタクトレンズの装用時において、異物感や眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった、コンタクトレンズの装用に起因する各種症状が、有利に低減せしめられることとなる。
そして、本発明者らは、そのような課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、眼科用組成物に、特定のアミノ糖誘導体を配合することによって、眼の不快感や乾燥感等が有利に低減され得ると共に、そのような特定のアミノ糖誘導体を含有する眼科用組成物は、コンタクトレンズに対して、サイズ変化等の悪影響を及ぼすものではなく、コンタクトレンズに優れた水濡れ性を付与することを見出したのである。また、かかる特定のアミノ糖誘導体を、殺菌剤が含有せしめられたコンタクトレンズ用液剤に添加すれば、殺菌剤による殺菌効力が効果的に向上せしめられ、これにて、殺菌剤の濃度を増加することなく、眼に対する安全性を高度に確保し得ることも、見出したのである。
従って、本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、その要旨とするところは、水系媒体中に、下記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体の少なくとも1種が含有せしめられていることを特徴とする眼科用組成物にある。
[式中、R1,R4は、それぞれ独立して、炭素数1〜8の2価の炭化水素基を示し、R2,R3は、それぞれ独立して、炭素数1〜3の1価の炭化水素基を示し、R5は、炭素数1〜8の1価の炭化水素基又はOHを示す。また、X−は、OH−,Cl−又はBr−を示す。]
要するに、このような本発明に従う眼科用組成物にあっては、上記一般式(I)にて示される、特定のアミノ糖誘導体が、眼科用組成物を構成する成分の一つとして含有せしめられているところから、かかる特定のアミノ糖誘導体の添加によって、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられることとなるのである。
また、本発明に従って添加される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズを膨潤せしめたり、収縮せしめたりする等の悪影響を及ぼすものではないところから、コンタクトレンズの形状変化やサイズ変化が有利に阻止され、優れたレンズ適合性が実現され得るのである。更に、かかる特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズ表面に付着乃至は吸着して、レンズ表面の親水性を向上させて、優れた水濡れ性を効果的に付与せしめる成分でもあり、これによって、レンズの曇り等の発生も有利に防止され得るようになる。
加えて、そのような特定のアミノ糖誘導体を、殺菌剤を含有するコンタクトレンズ用液剤等の眼科用組成物中に添加すれば、殺菌剤の殺菌作用が、効果的に向上せしめられ得るようになるのであり、これにて、かかる殺菌剤の液中における濃度を低く抑えても、高い殺菌効果を有利に得ることが出来るのである。このため、装用者の眼に対する安全性が、より一層、向上せしめられるといった利点も享受され得ることとなる。
なお、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体としては、R1が−CH2−CH2−CH2−、R2及びR3が−CH3、R4が−CH2−CH2−、R5が−OH、及びX−がCl−である、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムが、好適に採用され得る。
また、本発明に従う眼科用組成物の好ましい態様の一つによれば、前記アミノ糖誘導体は、0.0001〜10w/w%の割合となるように含有せしめられることが、望ましい。このような含有量を採用することにより、眼に対する安全性を有利に確保しつつ、また、コンタクトレンズの規格を変化せしめることなく、眼の不快感や乾燥感等の症状に対する優れた改善効果を享受することが出来る。
さらに、本発明に従う眼科用組成物の好ましい態様の別の一つによれば、殺菌剤が、更に、含有せしめられていることが望ましい。このように殺菌剤を添加すれば、前記アミノ糖誘導体によって、その殺菌効力が効果的に高められ得るようになるのである。なお、かかる殺菌剤としては、ビグアニド化合物又はポリマー性第四級アンモニウム化合物が、有利に採用され得る。
加えて、本発明に従う眼科用組成物の別の好ましい態様の一つによれば、防腐剤、キレート化剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、界面活性剤、消炎剤、充血除去剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、嬌味剤、ビタミン類及びアミノ酸類のうちの少なくとも1種が、更に、含有せしめられ、以てそれらの成分に応じた更なる機能が付加されることとなる。
また、本発明における別の好ましい態様によれば、上述せる如き眼科用組成物は、眼に対する安全性が充分に備えられたものであるところから、点眼剤として用いることが出来る。そして、この所定量を点眼すれば、眼の不快感や乾燥感等の症状が改善され得る。また、かかる点眼剤は、コンタクトレンズに対して何等悪影響を及ぼすものでもないところから、コンタクトレンズを装用したまま点眼することも可能であり、そうすることによって、コンタクトレンズ表面の親水性が前記アミノ糖誘導体によって向上せしめられて、以て、優れた水濡れ性が付与され、レンズの曇り等の発生を効果的に防止することも出来るのである。
さらに、本発明における好ましい別の態様によれば、前述した眼科用組成物が、コンタクトレンズ用液剤として用いられることも、望ましい。このようにコンタクトレンズ用液剤として用いれば、コンタクトレンズ表面の親水性が前記アミノ糖誘導体によって向上せしめられ、以て、優れた水濡れ性が付与され、レンズの曇り等の発生が効果的に抑制されると共に、コンタクトレンズの装用時において、異物感や眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった、コンタクトレンズの装用に起因する各種症状が、有利に低減せしめられることとなる。
ところで、かかる本発明に従う眼科用組成物は、その必須の成分として、少なくとも1種、或いは2種以上の特定のアミノ糖誘導体を含むものであって、それを水系媒体中に含有せしめることにより、所望の有効な効果が発揮され得るように構成したところに、大きな特徴を有している。
具体的には、この本発明で用いられる特定のアミノ糖誘導体は、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)であって、そのような特定のアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の少なくとも1種以上を含有せしめることによって、眼を酷使するVDT作業等やコンタクトレンズの装用等に起因する、眼の不快感や乾燥感等の諸症状が有利に低減され、また、その低減効果が従来に比して持続し得るのである。
また、そのような一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)は、コンタクトレンズの形状、サイズ等を変化せしめるものではないところから、かかるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた眼科用組成物には、優れたレンズ適合性が付与されているのである。
さらに、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた眼科用組成物に、コンタクトレンズが接触することによって、コンタクトレンズ表面に、かかるアミノ糖誘導体が静電的に吸着乃至は付着して、コンタクトレンズ表面が親水化せしめられ、以て、コンタクトレンズに優れた水濡れ性が付与されるようになるのである。
ところで、かかる一般式(I)において、R1,R4は、それぞれ独立して、炭素数が1〜8の2価の炭化水素基を示している。なお、炭素数が1〜8の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、フェニレン基が挙げられ、これらの中でも、炭素数が2又は3である、エチレン基やトリメチレン基が望ましい。
また、R2,R3は、それぞれ独立して、炭素数が1〜3の1価の炭化水素基を示している。かかる炭素数が1〜3の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基が挙げられ、その中でも、炭素数が1であるメチル基が望ましい。
さらに、上記一般式(I)において、R5は、炭素数が1〜8の1価の炭化水素基、又はOHを示しており、かかる炭素数が1〜8の1価の炭化水素基としては、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。これらの中でも、R5としては、OH基が望ましい。
加えて、X−は、1価の陰イオンであって、OH−,Cl−又はBr−を示している。
なお、上述せる如き一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の中でも、R1がトリメチレン基、R2及びR3がメチル基、R4がエチレン基、R5がヒドロキシル基、及びX−が塩化物イオンである、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(別名:クオタニウム−22)にあっては、眼に対する安全性に優れ、またレンズ表面への親水性付与が更に効果的に実現され得るところから、眼の不快感や乾燥感等の症状がより一層効果的に低減され、且つその低減効果が長時間に亘って持続することとなり、特に好適に採用されることとなる。因みに、一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)は、商業的に入手することが可能であって、例えば、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムは、「セラフィル−60」(ISP Van Dyk Inc.製)の商品名で市販されている。
また、かかる前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の含有量については、目的とする不快感や乾燥感等の軽減効果や、コンタクトレンズ表面の水濡れ性の向上等の効果が、有利に得られるように、適宜に設定されることとなるが、その含有割合が少なくなり過ぎると、アミノ糖誘導体を含有せしめることによる効果が充分に得られない恐れがあり、逆に、余りにも多いと、眼刺激や眼障害を招来する恐れがあると共に、コンタクトレンズに接触せしめた際には、アミノ糖誘導体がコンタクトレンズ表面に吸着し過ぎて、コンタクトレンズや眼に対して悪影響を及ぼす恐れがあるところから、一般に、眼科用組成物の総量の0.0001〜10重量%(w/w%)、好ましくは、0.01〜5重量%となる割合が、好適に採用される。
而して、本発明に従う眼科用組成物は、このような特定のアミノ糖誘導体を、従来と同様に、適当な水系媒体中に適量において添加、溶解せしめることにより、調製されるものであるが、本発明では、そのような特定のアミノ糖誘導体以外にも、更に必要に応じて、一般的な点眼剤やコンタクトレンズ用途の液剤において用いられている添加成分が、通常の範囲内において添加せしめられていても、何等差し支えないのである。なお、そのような添加成分は、生体への安全性が高く、なお且つ眼科的に充分に許容され、しかもコンタクトレンズの形状又は物性に対する影響のないものであることが好ましく、また、そういった要件を満たす量的範囲内で用いられることが望ましいのであり、これによって、本発明の効果を何等阻害することなく、その添加成分に応じた各種の機能を眼科用組成物に対して有利に付与することが出来るのである。
例えば、本発明の眼科用組成物において、眼やコンタクトレンズの消毒効果乃至は殺菌効果、更には、眼科用組成物の防腐・保存効果を有利に発現させるために、殺菌効力乃至は消毒効力を有する殺菌剤が、添加せしめられるのである。
特に、本発明に従う眼科用組成物にあっては、上述せる如き特定のアミノ糖誘導体が含有せしめられているところから、かかる特定のアミノ糖誘導体によって、殺菌剤の殺菌効力が、効果的に向上せしめられ得るのであり、以て、かかる殺菌剤の液中における濃度を極めて低く抑えても、具体的には、殺菌剤濃度を0.1ppm〜10ppm程度、好ましくは0.1ppm〜6ppm程度の濃度としても、充分に高い殺菌効果を有利に得ることが出来るのである。このように、殺菌剤の濃度を可及的に低く抑えることが出来るところから、眼に対する安全性が充分に具備されるのである。
なお、そのような殺菌剤としては、一般に、消毒乃至は殺菌効力を有し、眼やコンタクトレンズへの適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障害の要因となり難いものが望ましく、公知の各種のものの中から、適宜なものが選定されて、単独で或いは複数を組み合わせて用いられることとなるが、それらの中でも、ビグアニド化合物やポリマー性第四級アンモニウム化合物にあっては、他の殺菌剤に比して特に有用な殺菌特性を有することが知られており、また、本発明の必須成分たるアミノ糖誘導体によって、その殺菌効力がより一層効果的に向上せしめられ得るところから、特に好適に用いられることとなる。
ここにおいて、上記したビグアニド化合物としては、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)や、下記の構造式(II)にて示されるビグアニドポリマー等を挙げることが出来る。
[但し、aは、1以上の整数であり、R6,R7は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)である。]
また、ポリマー性第四級アンモニウム化合物としては、例えば、塩化ポリドロニウム(ポリクォーテリウム−1)、Glokill PQ(商品名、ローディア社製)、ユニセンスCP(商品名、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、センカ社製)、WSCP(商品名、ポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド〕を約60重量%含有、バックマン・ラボラトリーズ社製)等の他、下記の構造式(III)〜(V)にて表される第四級アンモニウムポリマーや、特許第2550036号明細書に開示の如き、ジアミン類とジハロゲン化合物との縮合体、特開平4−231054号公報、特表平8−512145号公報、特開平11−249087号公報等に開示されているポリカチオン性のもの等が挙げられる。
[但し、bは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R8,R9は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R10,R11,R12,R13は、それぞれ独立して、CqHrOsにて表わされる1価の基(ここで、q=1〜4、r=2〜9、s=0〜1)である。]
[但し、cは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R14,R15は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R16は、CtHuOvにて表わされる2価の基(ここで、t=1〜4、u=2〜9、v=0〜1)であり、R17,R18は、それぞれ独立して、CqHrOsにて表わされる1価の基(ここで、q=1〜4、r=2〜9、s=0〜1)である。]
[但し、dは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R19,R20は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R21,R22は、それぞれ独立して、CtHuOvにて表わされる2価の基(ここで、t=1〜4、u=2〜9、v=0〜1)である。]
また、本発明に従う眼科用組成物には、上記した殺菌剤以外にも、更に必要に応じて、一般的な点眼剤やコンタクトレンズ用液剤において用いられている、防腐剤や、キレート化剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、界面活性剤、消炎剤、充血除去剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、嬌味剤、ビタミン類、アミノ酸類等、後述する添加成分のうちの1種乃至は2種以上が、適宜に選択されて、含有せしめられても良い。
より具体的には、上述せる如き殺菌剤と同様に、眼科用組成物に対して、防腐・保存効果を発現させるために、防腐剤が、更に添加されても良いのであり、そのような防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸或いはその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、過ホウ酸或いは過ホウ酸ナトリウムのような過ホウ酸塩等を挙げることが出来る。
また、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズには、一般に、涙液からの汚れとして、カルシウム等が沈着乃至は吸着する可能性があることから、そのようなカルシウム等の沈着乃至は吸着を防止するべく、眼科用組成物には、キレート化剤も、また、有利に添加せしめられることとなる。そのようなキレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、例えばエチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等が挙げられる。
さらに、本発明に従う眼科用組成物にあっては、そのpH値や浸透圧が大きくなり過ぎても、逆に小さくなり過ぎても、眼に対して刺激を与えたり、眼障害を招来する恐れがあるところから、通常、そのような眼科用組成物のpH値は、適当なpH調整剤や緩衝剤等の添加によって、5.3〜8.5程度、中でも7.0付近に調整されることが望ましく、また、浸透圧は、等張化剤等を添加せしめることによって、200〜400mOsm/kg程度に調整されていることが、好ましいのである。
なお、そのようなpHの調整のために用いられるpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや塩酸等が利用される一方、眼科用組成物のpHを前記した範囲に有効に且つ眼に対して安全な範囲に保つための緩衝剤としては、従来から公知の各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられることとなる。具体的には、例えば、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、オキシカルボン酸等の酸や、その塩(例えば、ナトリウム塩等)、更にはGood−Bufferやトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、炭酸水素ナトリウム等を、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすることが出来るという理由から、挙げることが出来る。
また、浸透圧の調整に用いられる等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、糖アルコール、及び多価アルコール若しくはそのエーテル又はそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物が、一般に、用いられることとなる。
また、本発明において、眼科用組成物の粘度を適度に調整すると共に、角膜上におけるアミノ糖誘導体の滞留時間を延ばすためには、増粘剤を添加することが出来、かかる増粘剤の添加によって、眼科用組成物中に含有せしめられた成分が効率的に吸収されたり、更には、眼の乾燥感等の低減効果が、より一層長時間に亘って発揮されるようになる。なお、そのような増粘剤としては、例えば、ムコ多糖類、ヘテロ多糖類等の種々のガム類;ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;スターチ誘導体等が有利に用いられることとなる。
さらに、本発明に従う眼科用組成物には、眼の表面における眼脂等の汚れの除去効果(洗浄効果)を有利に発揮せしめたり、また、水系媒体中に非水溶性成分を安定に溶解(可溶化)させるために、公知の各種の界面活性剤が添加、含有せしめられていても良い。なお、界面活性剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズへの影響がないものであれば、従来から公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の何れもが、採用され得るのであり、本発明の作用・効果を損なわない濃度において、有利に添加、含有せしめられる。
そして、そのような界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びその誘導体や、チロキサポールの如きポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物等のポリエチレングリコール誘導体、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、ポリソルベート80)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が、有利に用いられることとなる。また、それらの中でも、特に、非イオン性界面活性剤として市販されている、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーたるプルロニック、プルロニックR、テトロニック、テトロニックR(以上、独国:BASF社製)、具体的には、ポロクサマー124、ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、ポロクサマー407、テトロニック904、テトロニック908、テトロニック1304、テトロニック1107や、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートたるポリソルベート80等を用いることが、望ましいのである。
この他にも、本発明に従う眼科用組成物には、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム等の消炎剤;エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等のサルファ剤;クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等の抗アレルギー剤;ウイキョウ油、d−カンフル、dl−カンフル、クールミントNo.71212、ゲラニオール、ハッカ水、ハッカ油、ベルガモット油、d−ボルネオール、dl−ボルネオール(リュウノウ)、l−メントール、dl−メントール、ユーカリ油、リナロール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(例えば、WS−3;高砂香料工業(株))等の清涼化剤;アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アスパルテーム、アマチャ、アマチャエキス、アマチャ末、アミノエチルスルホン酸、ウイキョウ、ウイキョウチンキ、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エリスリトール、カンゾウ、カンゾウエキス、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、ブドウ糖等の嬌味剤;フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(活性型ビタミンB2)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ビタミンEアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール(ビタミンAパルミテート)等のビタミン類;アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸、アルギニン、アラニン、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類等を、適宜、添加することが出来る。
ところで、かかる本発明に従う眼科用組成物は、上述の如き成分を、従来と同様に、適当な水系媒体中にそれぞれ適量において添加、含有せしめることにより、調製されることとなるのであるが、それに際して用いられる水系媒体としては、水道水や精製水、蒸留水等の水そのものの他にも、水を主体とする溶液であれば、生理食塩水乃至は塩化ナトリウム含有水溶液や、公知の点眼剤、コンタクトレンズ用液剤等を利用することも可能であることは、言うまでもないところである。
また、上述の如き特定のアミノ糖誘導体等を含有せしめてなる、本発明に従う眼科用組成物を調製するにあたっては、何等特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、水系媒体中に各成分を溶解させることにより、容易に得ることが出来るものである。
そして、以上のようにして得られる本発明に従う眼科用組成物は、眼に対する安全性が充分に確保されたものであるところから、例えば、点眼剤や、コンタクトレンズ用液剤として、有利に用いられることとなる。なお、かかるコンタクトレンズ用液剤としては、例えば、コンタクトレンズ用殺菌液や、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用すすぎ液等の他、複数の手入れを1種類の液剤で行なうことの出来る、洗浄・保存液、洗浄・保存・すすぎ液、殺菌・洗浄液等の多目的な液剤(マルチパーパスソリューション:MPS)等が挙げられる。
具体的に、本発明に従う眼科用組成物を、点眼剤として用いて、ドライアイ等の症状の眼に対して処方するに際しては、従来から公知の点眼剤乃至は点眼薬と同様に、適量を点眼せしめれば良いのである。なお、本発明に従って含有される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズの形状等に何等悪影響を及ぼすものではないところから、点眼に際しては、コンタクトレンズの装用の有無が何等問われることはないのである。尤も、コンタクトレンズ装用時に、点眼すれば、コンタクトレンズに接触せしめられた点眼剤によって、コンタクトレンズ表面の親水性が向上せしめられて、レンズの曇り等の発生が顕著に抑制され得るようになると共に、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も効果的に解消され、以て、コンタクトレンズの装用感が飛躍的に高められ得るのである。
また、本発明に従う眼科用組成物を、例えば、コンタクトレンズ用液剤のうちの1種である、コンタクトレンズ用殺菌液として用い、コンタクトレンズの手入れを行なうに際しては、先ず、眼から外したコンタクトレンズを、本発明に従う眼科用組成物で満たした適当な容器中に、所定時間の間、浸漬せしめることにより、殺菌消毒を行なうのである。そして、コンタクトレンズを再び装用する際には、該コンタクトレンズを液中より取り出し、装用することとなるのである。このようにして、本発明に従う眼科用組成物をコンタクトレンズに接触せしめれば、コンタクトレンズ表面に、前記した特定のアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が付着乃至は吸着して、コンタクトレンズ表面の親水性が向上せしめられ、これにより、コンタクトレンズに対して優れた水濡れ性が付与されて、レンズの曇り等の発生が顕著に抑制され得るようになるのである。また、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も有利に低減されて、コンタクトレンズの装用感も向上せしめられるのである。
なお、かかる眼科用組成物をコンタクトレンズ用液剤として用いた際に、その対象とするコンタクトレンズとしては、その種類が何等限定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、高含水等の全てに分類されるソフトコンタクトレンズ、及びハードコンタクトレンズがその対象となり得るのであって、コンタクトレンズの材質等が、本発明の適用に際して何等問われることはない。
具体的には、この本発明で用いられる特定のアミノ糖誘導体は、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)であって、そのような特定のアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の少なくとも1種以上を含有せしめることによって、眼を酷使するVDT作業等やコンタクトレンズの装用等に起因する、眼の不快感や乾燥感等の諸症状が有利に低減され、また、その低減効果が従来に比して持続し得るのである。
また、そのような一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)は、コンタクトレンズの形状、サイズ等を変化せしめるものではないところから、かかるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた眼科用組成物には、優れたレンズ適合性が付与されているのである。
さらに、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた眼科用組成物に、コンタクトレンズが接触することによって、コンタクトレンズ表面に、かかるアミノ糖誘導体が静電的に吸着乃至は付着して、コンタクトレンズ表面が親水化せしめられ、以て、コンタクトレンズに優れた水濡れ性が付与されるようになるのである。
ところで、かかる一般式(I)において、R1,R4は、それぞれ独立して、炭素数が1〜8の2価の炭化水素基を示している。なお、炭素数が1〜8の2価の炭化水素基としては、アルキレン基、フェニレン基が挙げられ、これらの中でも、炭素数が2又は3である、エチレン基やトリメチレン基が望ましい。
また、R2,R3は、それぞれ独立して、炭素数が1〜3の1価の炭化水素基を示している。かかる炭素数が1〜3の1価の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基が挙げられ、その中でも、炭素数が1であるメチル基が望ましい。
さらに、上記一般式(I)において、R5は、炭素数が1〜8の1価の炭化水素基、又はOHを示しており、かかる炭素数が1〜8の1価の炭化水素基としては、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。これらの中でも、R5としては、OH基が望ましい。
加えて、X−は、1価の陰イオンであって、OH−,Cl−又はBr−を示している。
なお、上述せる如き一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の中でも、R1がトリメチレン基、R2及びR3がメチル基、R4がエチレン基、R5がヒドロキシル基、及びX−が塩化物イオンである、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(別名:クオタニウム−22)にあっては、眼に対する安全性に優れ、またレンズ表面への親水性付与が更に効果的に実現され得るところから、眼の不快感や乾燥感等の症状がより一層効果的に低減され、且つその低減効果が長時間に亘って持続することとなり、特に好適に採用されることとなる。因みに、一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)は、商業的に入手することが可能であって、例えば、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムは、「セラフィル−60」(ISP Van Dyk Inc.製)の商品名で市販されている。
また、かかる前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)の含有量については、目的とする不快感や乾燥感等の軽減効果や、コンタクトレンズ表面の水濡れ性の向上等の効果が、有利に得られるように、適宜に設定されることとなるが、その含有割合が少なくなり過ぎると、アミノ糖誘導体を含有せしめることによる効果が充分に得られない恐れがあり、逆に、余りにも多いと、眼刺激や眼障害を招来する恐れがあると共に、コンタクトレンズに接触せしめた際には、アミノ糖誘導体がコンタクトレンズ表面に吸着し過ぎて、コンタクトレンズや眼に対して悪影響を及ぼす恐れがあるところから、一般に、眼科用組成物の総量の0.0001〜10重量%(w/w%)、好ましくは、0.01〜5重量%となる割合が、好適に採用される。
而して、本発明に従う眼科用組成物は、このような特定のアミノ糖誘導体を、従来と同様に、適当な水系媒体中に適量において添加、溶解せしめることにより、調製されるものであるが、本発明では、そのような特定のアミノ糖誘導体以外にも、更に必要に応じて、一般的な点眼剤やコンタクトレンズ用途の液剤において用いられている添加成分が、通常の範囲内において添加せしめられていても、何等差し支えないのである。なお、そのような添加成分は、生体への安全性が高く、なお且つ眼科的に充分に許容され、しかもコンタクトレンズの形状又は物性に対する影響のないものであることが好ましく、また、そういった要件を満たす量的範囲内で用いられることが望ましいのであり、これによって、本発明の効果を何等阻害することなく、その添加成分に応じた各種の機能を眼科用組成物に対して有利に付与することが出来るのである。
例えば、本発明の眼科用組成物において、眼やコンタクトレンズの消毒効果乃至は殺菌効果、更には、眼科用組成物の防腐・保存効果を有利に発現させるために、殺菌効力乃至は消毒効力を有する殺菌剤が、添加せしめられるのである。
特に、本発明に従う眼科用組成物にあっては、上述せる如き特定のアミノ糖誘導体が含有せしめられているところから、かかる特定のアミノ糖誘導体によって、殺菌剤の殺菌効力が、効果的に向上せしめられ得るのであり、以て、かかる殺菌剤の液中における濃度を極めて低く抑えても、具体的には、殺菌剤濃度を0.1ppm〜10ppm程度、好ましくは0.1ppm〜6ppm程度の濃度としても、充分に高い殺菌効果を有利に得ることが出来るのである。このように、殺菌剤の濃度を可及的に低く抑えることが出来るところから、眼に対する安全性が充分に具備されるのである。
なお、そのような殺菌剤としては、一般に、消毒乃至は殺菌効力を有し、眼やコンタクトレンズへの適合性に優れたもの、更には、アレルギー等の障害の要因となり難いものが望ましく、公知の各種のものの中から、適宜なものが選定されて、単独で或いは複数を組み合わせて用いられることとなるが、それらの中でも、ビグアニド化合物やポリマー性第四級アンモニウム化合物にあっては、他の殺菌剤に比して特に有用な殺菌特性を有することが知られており、また、本発明の必須成分たるアミノ糖誘導体によって、その殺菌効力がより一層効果的に向上せしめられ得るところから、特に好適に用いられることとなる。
ここにおいて、上記したビグアニド化合物としては、例えば、ポリヘキサメチレンビグアニド(PHMB)や、下記の構造式(II)にて示されるビグアニドポリマー等を挙げることが出来る。
[但し、aは、1以上の整数であり、R6,R7は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)である。]
また、ポリマー性第四級アンモニウム化合物としては、例えば、塩化ポリドロニウム(ポリクォーテリウム−1)、Glokill PQ(商品名、ローディア社製)、ユニセンスCP(商品名、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、センカ社製)、WSCP(商品名、ポリ〔オキシエチレン(ジメチルイミニオ)エチレン−(ジメチルイミニオ)エチレンジクロライド〕を約60重量%含有、バックマン・ラボラトリーズ社製)等の他、下記の構造式(III)〜(V)にて表される第四級アンモニウムポリマーや、特許第2550036号明細書に開示の如き、ジアミン類とジハロゲン化合物との縮合体、特開平4−231054号公報、特表平8−512145号公報、特開平11−249087号公報等に開示されているポリカチオン性のもの等が挙げられる。
[但し、bは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R8,R9は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R10,R11,R12,R13は、それぞれ独立して、CqHrOsにて表わされる1価の基(ここで、q=1〜4、r=2〜9、s=0〜1)である。]
[但し、cは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R14,R15は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R16は、CtHuOvにて表わされる2価の基(ここで、t=1〜4、u=2〜9、v=0〜1)であり、R17,R18は、それぞれ独立して、CqHrOsにて表わされる1価の基(ここで、q=1〜4、r=2〜9、s=0〜1)である。]
[但し、dは、1以上の整数であり、Y−は、Cl−等の1価のアニオンであり、R19,R20は、それぞれ独立して、CnHmOpにて表わされる2価の基(ここで、n=1〜24、m=2〜48、p=0〜11)であり、R21,R22は、それぞれ独立して、CtHuOvにて表わされる2価の基(ここで、t=1〜4、u=2〜9、v=0〜1)である。]
また、本発明に従う眼科用組成物には、上記した殺菌剤以外にも、更に必要に応じて、一般的な点眼剤やコンタクトレンズ用液剤において用いられている、防腐剤や、キレート化剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、界面活性剤、消炎剤、充血除去剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、嬌味剤、ビタミン類、アミノ酸類等、後述する添加成分のうちの1種乃至は2種以上が、適宜に選択されて、含有せしめられても良い。
より具体的には、上述せる如き殺菌剤と同様に、眼科用組成物に対して、防腐・保存効果を発現させるために、防腐剤が、更に添加されても良いのであり、そのような防腐剤としては、例えば、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、安息香酸或いはその塩、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸メチル、クロロブタノール、過ホウ酸或いは過ホウ酸ナトリウムのような過ホウ酸塩等を挙げることが出来る。
また、コンタクトレンズ、特にソフトコンタクトレンズには、一般に、涙液からの汚れとして、カルシウム等が沈着乃至は吸着する可能性があることから、そのようなカルシウム等の沈着乃至は吸着を防止するべく、眼科用組成物には、キレート化剤も、また、有利に添加せしめられることとなる。そのようなキレート化剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、例えばエチレンジアミン四酢酸・2ナトリウム(EDTA・2Na)、エチレンジアミン四酢酸・3ナトリウム(EDTA・3Na)等が挙げられる。
さらに、本発明に従う眼科用組成物にあっては、そのpH値や浸透圧が大きくなり過ぎても、逆に小さくなり過ぎても、眼に対して刺激を与えたり、眼障害を招来する恐れがあるところから、通常、そのような眼科用組成物のpH値は、適当なpH調整剤や緩衝剤等の添加によって、5.3〜8.5程度、中でも7.0付近に調整されることが望ましく、また、浸透圧は、等張化剤等を添加せしめることによって、200〜400mOsm/kg程度に調整されていることが、好ましいのである。
なお、そのようなpHの調整のために用いられるpH調整剤としては、水酸化ナトリウムや塩酸等が利用される一方、眼科用組成物のpHを前記した範囲に有効に且つ眼に対して安全な範囲に保つための緩衝剤としては、従来から公知の各種のものの中から、適宜に選択されて、用いられることとなる。具体的には、例えば、リン酸、ホウ酸、カルボン酸、オキシカルボン酸等の酸や、その塩(例えば、ナトリウム塩等)、更にはGood−Bufferやトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(TRIS)、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)、炭酸水素ナトリウム等を、眼に対して安全であり、しかもコンタクトレンズに対する影響を少なくすることが出来るという理由から、挙げることが出来る。
また、浸透圧の調整に用いられる等張化剤としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、糖類、糖アルコール、及び多価アルコール若しくはそのエーテル又はそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種以上の化合物が、一般に、用いられることとなる。
また、本発明において、眼科用組成物の粘度を適度に調整すると共に、角膜上におけるアミノ糖誘導体の滞留時間を延ばすためには、増粘剤を添加することが出来、かかる増粘剤の添加によって、眼科用組成物中に含有せしめられた成分が効率的に吸収されたり、更には、眼の乾燥感等の低減効果が、より一層長時間に亘って発揮されるようになる。なお、そのような増粘剤としては、例えば、ムコ多糖類、ヘテロ多糖類等の種々のガム類;ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド等の合成有機高分子化合物;ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等のセルロース誘導体;スターチ誘導体等が有利に用いられることとなる。
さらに、本発明に従う眼科用組成物には、眼の表面における眼脂等の汚れの除去効果(洗浄効果)を有利に発揮せしめたり、また、水系媒体中に非水溶性成分を安定に溶解(可溶化)させるために、公知の各種の界面活性剤が添加、含有せしめられていても良い。なお、界面活性剤としては、生体への安全性が高く、またコンタクトレンズへの影響がないものであれば、従来から公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤及びカチオン系界面活性剤の何れもが、採用され得るのであり、本発明の作用・効果を損なわない濃度において、有利に添加、含有せしめられる。
そして、そのような界面活性剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー及びその誘導体や、チロキサポールの如きポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルホルムアルデヒド縮合物等のポリエチレングリコール誘導体、セスキオレイン酸ソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(例えば、ポリソルベート80)等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、モノステアリン酸グリセリル等のグリセリン脂肪酸エステル、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等のポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等が、有利に用いられることとなる。また、それらの中でも、特に、非イオン性界面活性剤として市販されている、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマーたるプルロニック、プルロニックR、テトロニック、テトロニックR(以上、独国:BASF社製)、具体的には、ポロクサマー124、ポロクサマー188、ポロクサマー237、ポロクサマー338、ポロクサマー407、テトロニック904、テトロニック908、テトロニック1304、テトロニック1107や、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートたるポリソルベート80等を用いることが、望ましいのである。
この他にも、本発明に従う眼科用組成物には、グリチルリチン酸二カリウム、アラントイン、塩化ベルベリン、硫酸ベルベリン、アズレンスルホン酸ナトリウム、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、リゾチーム等の消炎剤;エピネフリン、塩酸エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸フェニレフリン、塩酸テトラヒドロゾリン等の充血除去剤;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン等の抗ヒスタミン剤;スルファメトキサゾール、スルファメトキサゾールナトリウム、スルフイソキサゾール、スルフイソミジンナトリウム等のサルファ剤;クロモグリク酸、クロモグリク酸ナトリウム、トラニラスト、ペミロラストカリウム等の抗アレルギー剤;ウイキョウ油、d−カンフル、dl−カンフル、クールミントNo.71212、ゲラニオール、ハッカ水、ハッカ油、ベルガモット油、d−ボルネオール、dl−ボルネオール(リュウノウ)、l−メントール、dl−メントール、ユーカリ油、リナロール、N−エチル−p−メンタン−3−カルボキシアミド(例えば、WS−3;高砂香料工業(株))等の清涼化剤;アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アスパルテーム、アマチャ、アマチャエキス、アマチャ末、アミノエチルスルホン酸、ウイキョウ、ウイキョウチンキ、ウイキョウ末、ウイキョウ油、エリスリトール、カンゾウ、カンゾウエキス、D−ソルビトール、D−ソルビトール液、ブドウ糖等の嬌味剤;フラビンアデニンジヌクレオチドナトリウム(活性型ビタミンB2)、塩酸ピリドキシン(ビタミンB6)、シアノコバラミン(ビタミンB12)、ビタミンEアセテート、パンテノール、パントテン酸カルシウム、パントテン酸ナトリウム、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール(ビタミンAパルミテート)等のビタミン類;アスパラギン酸及びその塩、アミノエチルスルホン酸、アルギニン、アラニン、リジン、グルタミン酸等のアミノ酸類等を、適宜、添加することが出来る。
ところで、かかる本発明に従う眼科用組成物は、上述の如き成分を、従来と同様に、適当な水系媒体中にそれぞれ適量において添加、含有せしめることにより、調製されることとなるのであるが、それに際して用いられる水系媒体としては、水道水や精製水、蒸留水等の水そのものの他にも、水を主体とする溶液であれば、生理食塩水乃至は塩化ナトリウム含有水溶液や、公知の点眼剤、コンタクトレンズ用液剤等を利用することも可能であることは、言うまでもないところである。
また、上述の如き特定のアミノ糖誘導体等を含有せしめてなる、本発明に従う眼科用組成物を調製するにあたっては、何等特殊な方法を必要とせず、通常の水溶液を調製する場合と同様に、水系媒体中に各成分を溶解させることにより、容易に得ることが出来るものである。
そして、以上のようにして得られる本発明に従う眼科用組成物は、眼に対する安全性が充分に確保されたものであるところから、例えば、点眼剤や、コンタクトレンズ用液剤として、有利に用いられることとなる。なお、かかるコンタクトレンズ用液剤としては、例えば、コンタクトレンズ用殺菌液や、コンタクトレンズ用洗浄液、コンタクトレンズ用保存液、コンタクトレンズ用すすぎ液等の他、複数の手入れを1種類の液剤で行なうことの出来る、洗浄・保存液、洗浄・保存・すすぎ液、殺菌・洗浄液等の多目的な液剤(マルチパーパスソリューション:MPS)等が挙げられる。
具体的に、本発明に従う眼科用組成物を、点眼剤として用いて、ドライアイ等の症状の眼に対して処方するに際しては、従来から公知の点眼剤乃至は点眼薬と同様に、適量を点眼せしめれば良いのである。なお、本発明に従って含有される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズの形状等に何等悪影響を及ぼすものではないところから、点眼に際しては、コンタクトレンズの装用の有無が何等問われることはないのである。尤も、コンタクトレンズ装用時に、点眼すれば、コンタクトレンズに接触せしめられた点眼剤によって、コンタクトレンズ表面の親水性が向上せしめられて、レンズの曇り等の発生が顕著に抑制され得るようになると共に、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も効果的に解消され、以て、コンタクトレンズの装用感が飛躍的に高められ得るのである。
また、本発明に従う眼科用組成物を、例えば、コンタクトレンズ用液剤のうちの1種である、コンタクトレンズ用殺菌液として用い、コンタクトレンズの手入れを行なうに際しては、先ず、眼から外したコンタクトレンズを、本発明に従う眼科用組成物で満たした適当な容器中に、所定時間の間、浸漬せしめることにより、殺菌消毒を行なうのである。そして、コンタクトレンズを再び装用する際には、該コンタクトレンズを液中より取り出し、装用することとなるのである。このようにして、本発明に従う眼科用組成物をコンタクトレンズに接触せしめれば、コンタクトレンズ表面に、前記した特定のアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が付着乃至は吸着して、コンタクトレンズ表面の親水性が向上せしめられ、これにより、コンタクトレンズに対して優れた水濡れ性が付与されて、レンズの曇り等の発生が顕著に抑制され得るようになるのである。また、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も有利に低減されて、コンタクトレンズの装用感も向上せしめられるのである。
なお、かかる眼科用組成物をコンタクトレンズ用液剤として用いた際に、その対象とするコンタクトレンズとしては、その種類が何等限定されるものではなく、例えば、非含水、低含水、高含水等の全てに分類されるソフトコンタクトレンズ、及びハードコンタクトレンズがその対象となり得るのであって、コンタクトレンズの材質等が、本発明の適用に際して何等問われることはない。
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
先ず、滅菌精製水に対して、所定の添加成分を、下記表1〜表9に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、pHが7.3とされた各種眼科用組成物(実施例1〜37、比較例1〜19)を、それぞれ調製した。この際、滅菌精製水の配合量は、上記した各種成分を合わせた全量が100w/w%となる量とした。
なお、かかる眼科用組成物の調製に際しては、本発明における必須成分である前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体として、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(セラフィル−60;ISP Van Dyk Inc.製)を、用いた。また、界面活性剤としては、ポロクサマー407(BASF社製)を用い、キレート化剤としては、EDTA・2Naを用い、増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ60SH−4000;信越化学株式会社製)を用いた。更に、緩衝剤としては、ホウ酸及びホウ砂、Bis−Tris、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トロメタモール;シグマ・アルドリッチ社製)を用い、等張化剤としては、プロピレングリコール又は塩化ナトリウムを用い、また、pH調整剤としては、塩酸又は水酸化ナトリウムを用いた。加えて、殺菌剤としては、ビグアニド化合物であるヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、又はポリマー性第四級アンモニウム化合物である、下記構造式(VI)にて示されるイオネンを、それぞれ、用いた。
[但し、b=15、Y−=Cl−、R8=C6H12、R9=C6H12、R10=CH3、R11=CH3、R12=CH3、R13=CH3である。]
−殺菌効果試験−
そして、上記で得られた実施例1〜12及び比較例1〜6に係る眼科用組成物の各9.9mLを試験管に入れ、これに、供試菌として、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans IFO 1594)、又はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus IFO 13276)を、108〜109cfu/mL含む菌液の0.1mLを加えて攪拌し、最終的に106〜107cfu/mLの菌数を含む菌懸濁液を、それぞれ調製した。その後、それらを23℃で、4時間放置した後に、かかる菌懸濁液の1mLを取り出し、ブドウ糖ペプトン寒天培地の20mLを用いて、平板希釈法によりサンプル1mL中の生菌数を測定した。そして、この生菌数から、処理液1mL中の生菌数を算出した後、下記の計算式に従って、対数に換算した菌減少数(log reduction)を求め、その結果を、下記表1〜表3に示した。
菌減少数=log(調製直後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
−log(処理後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
上記表1〜表3の結果からも明らかなように、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた実施例1〜12に係る眼科用組成物にあっては、それが何等含有せしめられていない比較例1〜6に係る眼科用組成物に比して、カンジタ・アルビカンスに対する殺菌効力が、極めて効果的に向上せしめられていることが、分かる。また、殺菌剤としてPHMBが添加された実施例1〜6にあっては、スタフィロコッカス・アウレウスに対する殺菌効力が、アミノ糖誘導体が含有せしめられていない比較例1〜3と略同程度となっている。更に、殺菌剤としてイオネンが添加された実施例7〜12にあっては、アミノ糖誘導体が含有せしめられていない比較例4〜6に比して、スタフィロコッカス・アウレウスに対する殺菌効力も、効果的に向上せしめられていることが、分かる。
従って、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)を添加せしめれば、殺菌対象となる菌の種類や併用する殺菌剤の種類によって、多少の違いはあるものの、殺菌剤の殺菌効力が有利に増大せしめられるのである。
−レンズ適合性試験−
本発明に係る眼科用組成物のコンタクトレンズに対する適合性を調べるために、以下のような試験を行なった。即ち、先ず、市販のソフトコンタクトレンズ(メニコンソフトMA,メニコンソフト72;株式会社メニコン製)と酸素透過性ハードコンタクトレンズ(メニコンZ,メニコンEX;株式会社メニコン製)の複数枚を準備して、それらを、25℃の温度に保持された生理食塩水(ISO 10344規定)中に浸漬せしめた後、その浸漬状態下において、ソフトコンタクトレンズにあっては、投影機(株式会社ニコン製万能投影機)を用いてそれぞれのレンズ直径を測定する一方、酸素透過性ハードコンタクトレンズにあっては、レンズメーター(株式会社ナイツ製BC測定装置CGX−4)を用いてそれぞれのベースカーブ(曲率半径)を測定し、得られた測定値を、レンズ直径又はベースカーブの初期値としてそれぞれ記録した。
次いで、かくの如くしてレンズ直径又はベースカーブの初期値を求めたコンタクトレンズを、実施例13〜21及び比較例7〜9に係る眼科用組成物中に、25℃の温度条件下で、1週間浸漬せしめた後、かかる浸漬状態を維持せしめたまま、そのレンズ直径又はベースカーブを、前記したものと同様な投影機又はレンズメーターにて測定するという操作を、各眼科用組成物につき、それぞれ3枚ずつのコンタクトレンズに対して実施した。
そして、このようにして得られたレンズ直径又はベースカーブの測定値(浸漬後値)と先に得られたレンズ直径又はベースカーブの初期値との差(d)を、式:d=浸漬後値−初期値、に従って、個々のコンタクトレンズについて計算し、更にその計算値の平均値を、各液剤試料毎に算出した。そこにおいて、かかるレンズ直径又はベースカーブの変化量の値が小さいほど、コンタクトレンズに対する適合性に優れることは言うまでもなく、また、特に、ソフトコンタクトレンズにあっては、レンズ直径変化量の値が±0.2mm以内、酸素透過性ハードコンタクトレンズにあっては、ベースカーブ変化量の値が±0.02mm以内であることが望ましいとされているところから、レンズ直径変化量の値が、そのような範囲内であった眼科用組成物を「合格:◎」とする一方、かかる範囲を超えるものを「不合格:×」と評価して、下記表4,5に、それらの評価を併せて示した。
上記表4,5の結果からも明らかなように、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)を含有せしめた実施例に係る眼科用組成物にあっては、それを含有しない比較例に係る眼科用組成物と同様に、コンタクトレンズの形状(直径や曲率半径)に影響を与えないものであることが認められるのであり、これより、本発明の眼科用組成物は、コンタクトレンズに対する適合性に優れたものであると解することが出来る。従って、かかる眼科用組成物は、コンタクトレンズに接触せしめることが可能であり、コンタクトレンズ装用の有無が何等問われない点眼剤や、コンタクトレンズ用液剤等として、使用することが出来るのである。
−水濡れ性評価試験−
酸素透過性ハードコンタクトレンズ(メニコンZ又はメニコンEX;株式会社メニコン製)の1枚を手のひらに取り、かかるコンタクトレンズに、実施例22〜37及び比較例10〜19に係る眼科用組成物を、3滴垂らし、指の腹で15秒間擦り洗いを行なった。かかる洗浄操作を行なったコンタクトレンズを、精製水で濯いだ後、コンタクトレンズの端をピンセットで挟み、更に、ビーカー中に収容された精製水で濯いだ。次いで、0.9%塩化ナトリウム水溶液中で、上下に5回動かし、6回目のとき、静かに引き上げ、コンタクトレンズ表面上の付着水を観察した。なお、1種類の眼科用組成物につき、各10枚、上記操作を行なって、以下の評価基準にて採点し、10枚の合計評点から、水濡れ性の評価を、○:70点以上、△:50点以上70点未満、×:50点未満として、得られた結果を、下記表6〜表9に示した。
[評価基準]
10点:レンズ全面が濡れている。
7点:レンズ表面の3/4以上が濡れている。
5点:レンズ表面の半分以上が濡れている。
0点:レンズ表面が局部的にしか濡れていない。或いは水を弾いている状態。
かかる表6〜表9の結果からも明らかなように、特定のアミノ糖誘導体(塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム)が含有せしめられていない比較例10〜19に係る眼科用組成物にあっては、何れも○ではなかったのに対して、実施例22〜37に係る眼科用組成物は、何れも、○となっており、水濡れ性に優れていることが分かる。このため、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムによって、コンタクトレンズ表面の親水性が効果的に向上されていることが分かる。また、優れた水濡れ性が実現され得ているところから、そのようなコンタクトレンズを装用すれば、曇り等の発生が効果的に防止され得ると共に、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も良好に軽減され得る。
以上の説明から明らかなように、本発明に従う眼科用組成物にあっては、特定のアミノ糖誘導体の少なくとも1種以上が、含有せしめられているところから、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられるようになっているのである。
また、本発明に従って添加される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズを膨潤せしめたり、収縮せしめたりする等して、コンタクトレンズに悪影響を与えるようなものではないところから、コンタクトレンズのサイズ変化が有利に阻止され、優れたレンズ適合性が実現され得るのである。更に、かかる特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズ表面に付着乃至は吸着して、レンズ表面の親水性を向上させて、優れた水濡れ性を効果的に付与せしめる成分でもあり、これによって、レンズの曇り等の発生も有利に防止され得るようになる。
加えて、上述せる如き特定のアミノ糖誘導体を含有せしめた眼科用組成物に、更に、ビグアニド化合物やポリマー性第四級アンモニウム化合物等の殺菌剤を添加すれば、殺菌剤の殺菌能力が、極めて効果的に向上せしめられ得るといった利点も享受され得ることとなる。これにより、殺菌剤の濃度を低く抑えることが可能となって、生体に対する安全性が、従来に比して、より一層、向上せしめられ得るのである。
また、かかる眼科用組成物を点眼剤として用いた場合には、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられるようになっているのである。特に、コンタクトレンズ装用時に点眼すれば、コンタクトレンズの水濡れ性が向上されて、曇りの発生が効果的に抑制され得るといった利点も併せて享受され得る。
さらに、上記眼科用組成物をコンタクトレンズ用液剤として用いた場合には、かかる液剤に接触せしめられたコンタクトレンズが優れた水濡れ性を実現し、コンタクトレンズの装用時において、異物感や眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった、コンタクトレンズの装用に起因する諸症状が、有利に低減せしめられ、装用感が効果的に高められるようになる。
先ず、滅菌精製水に対して、所定の添加成分を、下記表1〜表9に示される各種割合においてそれぞれ添加せしめることにより、pHが7.3とされた各種眼科用組成物(実施例1〜37、比較例1〜19)を、それぞれ調製した。この際、滅菌精製水の配合量は、上記した各種成分を合わせた全量が100w/w%となる量とした。
なお、かかる眼科用組成物の調製に際しては、本発明における必須成分である前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体として、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(セラフィル−60;ISP Van Dyk Inc.製)を、用いた。また、界面活性剤としては、ポロクサマー407(BASF社製)を用い、キレート化剤としては、EDTA・2Naを用い、増粘剤としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(メトローズ60SH−4000;信越化学株式会社製)を用いた。更に、緩衝剤としては、ホウ酸及びホウ砂、Bis−Tris、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トロメタモール;シグマ・アルドリッチ社製)を用い、等張化剤としては、プロピレングリコール又は塩化ナトリウムを用い、また、pH調整剤としては、塩酸又は水酸化ナトリウムを用いた。加えて、殺菌剤としては、ビグアニド化合物であるヘキサメチレンビグアニド(PHMB)、又はポリマー性第四級アンモニウム化合物である、下記構造式(VI)にて示されるイオネンを、それぞれ、用いた。
[但し、b=15、Y−=Cl−、R8=C6H12、R9=C6H12、R10=CH3、R11=CH3、R12=CH3、R13=CH3である。]
−殺菌効果試験−
そして、上記で得られた実施例1〜12及び比較例1〜6に係る眼科用組成物の各9.9mLを試験管に入れ、これに、供試菌として、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans IFO 1594)、又はスタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus IFO 13276)を、108〜109cfu/mL含む菌液の0.1mLを加えて攪拌し、最終的に106〜107cfu/mLの菌数を含む菌懸濁液を、それぞれ調製した。その後、それらを23℃で、4時間放置した後に、かかる菌懸濁液の1mLを取り出し、ブドウ糖ペプトン寒天培地の20mLを用いて、平板希釈法によりサンプル1mL中の生菌数を測定した。そして、この生菌数から、処理液1mL中の生菌数を算出した後、下記の計算式に従って、対数に換算した菌減少数(log reduction)を求め、その結果を、下記表1〜表3に示した。
菌減少数=log(調製直後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
−log(処理後の菌懸濁液1mL中の生菌数)
上記表1〜表3の結果からも明らかなように、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)が含有せしめられた実施例1〜12に係る眼科用組成物にあっては、それが何等含有せしめられていない比較例1〜6に係る眼科用組成物に比して、カンジタ・アルビカンスに対する殺菌効力が、極めて効果的に向上せしめられていることが、分かる。また、殺菌剤としてPHMBが添加された実施例1〜6にあっては、スタフィロコッカス・アウレウスに対する殺菌効力が、アミノ糖誘導体が含有せしめられていない比較例1〜3と略同程度となっている。更に、殺菌剤としてイオネンが添加された実施例7〜12にあっては、アミノ糖誘導体が含有せしめられていない比較例4〜6に比して、スタフィロコッカス・アウレウスに対する殺菌効力も、効果的に向上せしめられていることが、分かる。
従って、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)を添加せしめれば、殺菌対象となる菌の種類や併用する殺菌剤の種類によって、多少の違いはあるものの、殺菌剤の殺菌効力が有利に増大せしめられるのである。
−レンズ適合性試験−
本発明に係る眼科用組成物のコンタクトレンズに対する適合性を調べるために、以下のような試験を行なった。即ち、先ず、市販のソフトコンタクトレンズ(メニコンソフトMA,メニコンソフト72;株式会社メニコン製)と酸素透過性ハードコンタクトレンズ(メニコンZ,メニコンEX;株式会社メニコン製)の複数枚を準備して、それらを、25℃の温度に保持された生理食塩水(ISO 10344規定)中に浸漬せしめた後、その浸漬状態下において、ソフトコンタクトレンズにあっては、投影機(株式会社ニコン製万能投影機)を用いてそれぞれのレンズ直径を測定する一方、酸素透過性ハードコンタクトレンズにあっては、レンズメーター(株式会社ナイツ製BC測定装置CGX−4)を用いてそれぞれのベースカーブ(曲率半径)を測定し、得られた測定値を、レンズ直径又はベースカーブの初期値としてそれぞれ記録した。
次いで、かくの如くしてレンズ直径又はベースカーブの初期値を求めたコンタクトレンズを、実施例13〜21及び比較例7〜9に係る眼科用組成物中に、25℃の温度条件下で、1週間浸漬せしめた後、かかる浸漬状態を維持せしめたまま、そのレンズ直径又はベースカーブを、前記したものと同様な投影機又はレンズメーターにて測定するという操作を、各眼科用組成物につき、それぞれ3枚ずつのコンタクトレンズに対して実施した。
そして、このようにして得られたレンズ直径又はベースカーブの測定値(浸漬後値)と先に得られたレンズ直径又はベースカーブの初期値との差(d)を、式:d=浸漬後値−初期値、に従って、個々のコンタクトレンズについて計算し、更にその計算値の平均値を、各液剤試料毎に算出した。そこにおいて、かかるレンズ直径又はベースカーブの変化量の値が小さいほど、コンタクトレンズに対する適合性に優れることは言うまでもなく、また、特に、ソフトコンタクトレンズにあっては、レンズ直径変化量の値が±0.2mm以内、酸素透過性ハードコンタクトレンズにあっては、ベースカーブ変化量の値が±0.02mm以内であることが望ましいとされているところから、レンズ直径変化量の値が、そのような範囲内であった眼科用組成物を「合格:◎」とする一方、かかる範囲を超えるものを「不合格:×」と評価して、下記表4,5に、それらの評価を併せて示した。
上記表4,5の結果からも明らかなように、前記一般式(I)にて示されるアミノ糖誘導体(第四級アンモニウム化合物)を含有せしめた実施例に係る眼科用組成物にあっては、それを含有しない比較例に係る眼科用組成物と同様に、コンタクトレンズの形状(直径や曲率半径)に影響を与えないものであることが認められるのであり、これより、本発明の眼科用組成物は、コンタクトレンズに対する適合性に優れたものであると解することが出来る。従って、かかる眼科用組成物は、コンタクトレンズに接触せしめることが可能であり、コンタクトレンズ装用の有無が何等問われない点眼剤や、コンタクトレンズ用液剤等として、使用することが出来るのである。
−水濡れ性評価試験−
酸素透過性ハードコンタクトレンズ(メニコンZ又はメニコンEX;株式会社メニコン製)の1枚を手のひらに取り、かかるコンタクトレンズに、実施例22〜37及び比較例10〜19に係る眼科用組成物を、3滴垂らし、指の腹で15秒間擦り洗いを行なった。かかる洗浄操作を行なったコンタクトレンズを、精製水で濯いだ後、コンタクトレンズの端をピンセットで挟み、更に、ビーカー中に収容された精製水で濯いだ。次いで、0.9%塩化ナトリウム水溶液中で、上下に5回動かし、6回目のとき、静かに引き上げ、コンタクトレンズ表面上の付着水を観察した。なお、1種類の眼科用組成物につき、各10枚、上記操作を行なって、以下の評価基準にて採点し、10枚の合計評点から、水濡れ性の評価を、○:70点以上、△:50点以上70点未満、×:50点未満として、得られた結果を、下記表6〜表9に示した。
[評価基準]
10点:レンズ全面が濡れている。
7点:レンズ表面の3/4以上が濡れている。
5点:レンズ表面の半分以上が濡れている。
0点:レンズ表面が局部的にしか濡れていない。或いは水を弾いている状態。
かかる表6〜表9の結果からも明らかなように、特定のアミノ糖誘導体(塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム)が含有せしめられていない比較例10〜19に係る眼科用組成物にあっては、何れも○ではなかったのに対して、実施例22〜37に係る眼科用組成物は、何れも、○となっており、水濡れ性に優れていることが分かる。このため、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムによって、コンタクトレンズ表面の親水性が効果的に向上されていることが分かる。また、優れた水濡れ性が実現され得ているところから、そのようなコンタクトレンズを装用すれば、曇り等の発生が効果的に防止され得ると共に、コンタクトレンズの装用に起因する不快感や乾燥感も良好に軽減され得る。
以上の説明から明らかなように、本発明に従う眼科用組成物にあっては、特定のアミノ糖誘導体の少なくとも1種以上が、含有せしめられているところから、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられるようになっているのである。
また、本発明に従って添加される特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズを膨潤せしめたり、収縮せしめたりする等して、コンタクトレンズに悪影響を与えるようなものではないところから、コンタクトレンズのサイズ変化が有利に阻止され、優れたレンズ適合性が実現され得るのである。更に、かかる特定のアミノ糖誘導体は、コンタクトレンズ表面に付着乃至は吸着して、レンズ表面の親水性を向上させて、優れた水濡れ性を効果的に付与せしめる成分でもあり、これによって、レンズの曇り等の発生も有利に防止され得るようになる。
加えて、上述せる如き特定のアミノ糖誘導体を含有せしめた眼科用組成物に、更に、ビグアニド化合物やポリマー性第四級アンモニウム化合物等の殺菌剤を添加すれば、殺菌剤の殺菌能力が、極めて効果的に向上せしめられ得るといった利点も享受され得ることとなる。これにより、殺菌剤の濃度を低く抑えることが可能となって、生体に対する安全性が、従来に比して、より一層、向上せしめられ得るのである。
また、かかる眼科用組成物を点眼剤として用いた場合には、眼を酷使するVDT作業や、コンタクトレンズの装用等に起因する不快感や乾燥感等の諸症状が、有利に低減せしめられるようになっているのである。特に、コンタクトレンズ装用時に点眼すれば、コンタクトレンズの水濡れ性が向上されて、曇りの発生が効果的に抑制され得るといった利点も併せて享受され得る。
さらに、上記眼科用組成物をコンタクトレンズ用液剤として用いた場合には、かかる液剤に接触せしめられたコンタクトレンズが優れた水濡れ性を実現し、コンタクトレンズの装用時において、異物感や眼刺激を感じたり、見辛くなる等の不快感や、乾燥感等といった、コンタクトレンズの装用に起因する諸症状が、有利に低減せしめられ、装用感が効果的に高められるようになる。
Claims (8)
- 前記アミノ糖誘導体が、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムである請求の範囲第1項に記載の眼科用組成物。
- 前記アミノ糖誘導体が、0.0001〜10w/w%の割合となるように含有せしめられている請求の範囲第1項又は第2項に記載の眼科用組成物。
- 殺菌剤が、更に、含有せしめられている請求の範囲第1項乃至第3項の何れかに記載の眼科用組成物。
- 前記殺菌剤が、ビグアニド化合物又はポリマー性第四級アンモニウム化合物である請求の範囲第4項に記載の眼科用組成物。
- 防腐剤、キレート化剤、等張化剤、緩衝剤、増粘剤、界面活性剤、消炎剤、充血除去剤、抗アレルギー剤、清涼化剤、嬌味剤、ビタミン剤及びアミノ酸類のうちの少なくとも1種が、更に、含有せしめられている請求の範囲第1項乃至第5項の何れかに記載の眼科用組成物。
- 請求の範囲第1項乃至第6項の何れかに記載の眼科用組成物からなる点眼剤。
- 請求の範囲第1項乃至第6項の何れかに記載の眼科用組成物からなるコンタクトレンズ用液剤。
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