JP2003156747A - 液晶表示装置の製造方法および液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置の製造方法および液晶表示装置

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    • C09K2323/00Functional layers of liquid crystal optical display excluding electroactive liquid crystal layer characterised by chemical composition
    • C09K2323/02Alignment layer characterised by chemical composition

Abstract

(57)【要約】 【課題】耐摩耗性が高く、帯電性が低く、配向規制力が
大きいという特性を兼ね備えたラビング布を用いるラビ
ング処理工程を含み、信頼性の高い液晶表示装置を製造
する方法を提供する。 【解決手段】配向膜を備えた基板をラビング布によりラ
ビング処理する工程を含み、ラビング布として、繊維を
起毛させたパイル部を有し、パイル部には、酢酸セルロ
ースにより構成された繊維が含まれているものを用い
る。酢酸セルロースにより構成された繊維は、捲縮が付
与されたフィラメント加工糸であるものを用いることが
できる。酢酸セルロースは、酢化度が45%以上である
ものを用いることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルの製造
工程で、ラビング布で基板をラビングすることにより液
晶分子の配向を制御する工程を有する液晶表示装置の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】透過式の液晶表示装置に使用される液晶
表示素子は、薄膜トランジスタからなる駆動素子(TF
T)を形成したTFT基板と、カラーフィルタを形成したカ
ラーフィルタ基板(以下CF基板と略称する)とを微小な
間隔をあけて対向して配置し、その間隙に液晶を封入し
た構成である。TFT基板の表面には、画素電極としてパ
ターン化されたITO電極が配置され、ITO電極の表面を覆
うように配向膜が配置されている。一方、CF基板の表面
には共通電極としてITO膜が配置され、ITO膜表面に配向
膜が配置されている。これらTFT基板とCF基板は、配向
膜同士が向かい合うように対向して配置され、両基板の
配向膜は、いずれも封入される液晶と接触する。
【0003】TFT基板とCF基板の配向膜には、液晶分子
を配列させるために配向処理が施されている。配向処理
方法としては、ラビング布で配向膜の表面を擦るラビン
グ法が主に用いられている。ラビング布は通常、アルミ
やステンレスのローラの外周面に貼り付けられ、ローラ
を回転させながら外周面のラビング布を配向膜表面に接
触させることにより、ラビング布で配向膜の表面を擦
る。このように配向膜の表面にラビング処理を施すこと
により、配向膜がラビング布で擦られた方向に液晶分子
が配列し、均一な表示特性が得られる。
【0004】ラビング布としては、一般的に、基布と繊
維を起毛させたパイルからなるベルベットが用いられて
いる。ラビング布用のベルベットは、パイルの太さや基
布に使用する糸の太さを変えることによってパイル密度
が調整され、また、基布からのカット位置によってパイ
ル長さが調整されている。パイル部分に使用する繊維素
材は、レーヨンやナイロンといった長繊維(フィラメン
ト)を用いたものと、コットンのような短繊維を用いた
ものとが知られている。
【0005】また、特開平7−2707098号公報に
は、アラミド繊維をラビング布に用いることが開示され
ている。また、特開平6−194662号公報には、繊
維状タンパク質をラビング布に用いた配向膜の配向処理
方法が開示されている。また、特開平6−194661
号公報には、カゼインを材料としたラビング布を用いた
配向膜の配向処理方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、パイル
がレーヨン製のラビング布は、レーヨンの耐摩耗性が不
十分であるという問題がある。すなわち、レーヨン製の
ラビング布は、ラビングの最中にパイルが摩耗して異物
(以下、摩耗粉異物と呼ぶ)が発生しやすく、摩耗粉異
物が配向膜表面に付着すると、液晶表示素子の対向する
2枚のガラス基板面の間隔(液晶セルギャップ)が不均
一になり、表示むらなどの不良が発生する。また、摩耗
粉異物はラビング布に巻き込まれやすく、その状態で配
向膜をラビングした場合、配向膜表面に傷を生じさせ
る。この傷は、液晶表示素子に白く光り抜けする部分を
生じさせる原因となる。また、摩耗したラビング布は均
一性に欠け、摩耗したまま用いるとラビング処理が不均
一になり、液晶表示素子の表示ムラの原因となるため、
早めに交換する必要がある。このように、レーヨン製の
ラビング布は、レーヨンの耐摩耗性が不十分であるとい
う問題がある。
【0007】一方、パイルがコットン製のラビング布
は、パイルの耐摩耗性についてはレーヨンよりも若干改
善される。これは、コットンもレーヨンも基本骨格はセ
ルロースであるものの、コットンの方がレーヨンよりも
分子量が大きく、材料強度が高いためである。しかし、
コットンは天然の短繊維であるため、パイル糸は短繊維
を紡績した紡績糸となり、パイル1本1本の太さは、パ
イル糸がフィラメントで構成されるナイロンやレーヨン
等の合成繊維や半合成繊維と比較して太くなる。また、
短繊維であるため、ラビングの最中に、コットンの短繊
維が基板上に脱落しやすい。さらに、コットンは天然繊
維であるため、産地の違い等により繊維そのものの品質
のばらつきが合成繊維や半合成繊維より大きく、ラビン
グ布のパイル均一性は、レーヨンやナイロンよりも低下
する。このため、コットンのラビング布を用いた場合、
ナイロンやレーヨン等の合成繊維や半合成繊維と比較し
て、液晶表示素子にラビング筋と呼ばれる筋状の輝度む
らが発生しやすい。このように、コットン製のラビング
布は、レーヨン製のラビング布と比較して、耐摩耗性が
若干改善されるが、パイル糸が太い、パイルの均一性が
低いという問題がある。
【0008】また、パイルがナイロン製のラビング布
は、一般にレーヨンやコットン製のラビング布よりも耐
摩耗性に優れるとされ、摩耗粉異物の発生は、レーヨン
やコットン製のラビング布よりも抑制される。しかしな
がら、ナイロン製のラビング布は、ラビング時に生じる
静電気によりラビング布が高電圧に帯電するという問題
がある。具体的には、ナイロン製のラビング布のラビン
グ時の帯電圧は2000Vを越える高電圧となるため、
これが基板とショートする時にTFT素子や配線を損傷
する。さらに、ナイロン製のラビング布でラビング処理
した配向膜は、液晶分子の配向規制力が弱く、液晶封入
時に流動状配向が発生したり、均一に配向しても液晶の
応答が遅く残像が発生し易い問題があった。このように
ナイロン製のラビング布は、レーヨン製のラビング布と
比較して、耐摩耗性は優れるが、帯電圧が高い、配向規
制力が弱いという問題がある。
【0009】また、特開平7−2707098号公報に
はアラミド繊維を用いることにより、ラビング布のパイ
ルの耐摩耗性を改善できると記載されているが、アラミ
ド繊維は結晶化度が高く、引っ張り強度には優れるが、
ラビング時にパイルが受けるせん断力には弱く、繊維が
縦方向に裂ける傾向がある。このため、繊維が縦方向に
裂けることにより、大量のフィブリルが脱落し、配向膜
上の異物となるという問題がある。また、特開平6−1
94662号公報には、繊維状タンパク質を用いたラビ
ング布に用いることが記載されているが、繊維状タンパ
ク質は、絹や羊毛等であるため耐熱性に乏しく、レーヨ
ンの熱分解温度(260から300℃)に対して、絹で
は65℃から25℃低く、羊毛に至っては170℃から
130℃も低い。このため、ラビング時に発生する摩擦
熱によって容易に変性し、ラビング布としては使用に耐
えない。また、特開平6−194661号公報のように
カゼインを材料としたラビング布は、タンパク質である
カゼインが、ラビング時に発生する摩擦熱によって容易
に変性するという問題がある。
【0010】本発明は、耐摩耗性が高く、帯電性が低
く、配向規制力が大きいという特性を兼ね備えたラビン
グ布を用いるラビング処理工程を含み、信頼性の高い液
晶表示装置を製造することのできる液晶表示装置の製造
方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、以下のような液晶表示装置の製造
方法が提供される。
【0012】すなわち、配向膜を備えた基板をラビング
布によりラビング処理する工程を含み、前記ラビング布
として、繊維を起毛させたパイル部を有し、前記パイル
部には、酢酸セルロースにより構成された繊維が含まれ
ているものを用いることを特徴とする液晶表示装置の製
造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の液晶表示
装置の製造方法について説明する。
【0014】本実施の形態の液晶表示装置の製造方法
は、ラビング処理工程を含み、このラビング処理工程に
おいて、以下のようなラビング布を用いる。
【0015】(ラビング布の製造)発明者らは、種々の
繊維素材を用いてラビング布を試作し、鋭意検討の結
果、パイル部分にアセテート繊維を用いることにより、
配向規制力が大きく、耐摩耗性が高く、しかも、帯電性
が低いという特性を有するラビング布が得られることを
見いだした。以下、これについて具体的に説明する。
【0016】図1のように、本実施の形態のラビング布
2は、繊維を起毛させたパイル3とこれを固定する基布
6とバックコート層7とを有する起毛布である。パイル
3を構成するパイル糸には、アセテート繊維が含まれて
いる。
【0017】アセテート繊維は、酢酸セルロース製の繊
維であり、下記化学式のように表される酢酸セルロース [C672(OCOCH3x(OH)3-xn (ただし、0<x≦3) であって、繊維状に加工できるものであればどのような
酢化度のものでもよいが、例えば、酢化度45%以上の
酢酸セルロースを用いることができる。具体的には、セ
ルローストリアセテート(三酢酸セルロース)や、セル
ロースジアセテート(二酢酸セルロース)を用いること
ができる。ここではアセテート繊維として、セルロース
トリアセテート(三酢酸セルロース)製の繊維(以下、
トリアセテート繊維と称する)を用いる。
【0018】本実施の形態では、アセテート繊維のフィ
ラメントに仮撚り法により旋回性のある捲縮加工(らせ
ん状の縮れ加工)を施こし、フィラメント加工糸とした
ものを用いる。
【0019】パイル糸に含まれるアセテート繊維は、効
果発現の観点から、パイル糸全体の20%以上であるこ
とが望ましい。例えば、アセテート繊維と他の繊維との
混用でパイル3を構成することができる。また、ラビン
グ時に配向膜に直接接触するパイル3の先端部分のみを
アセテート繊維またはアセテート繊維の混用とすること
もできる。本実施の形態では、パイル3のすべてがトリ
アセテート繊維で構成された、すなわち、100%トリ
アセテート製のパイル3を有する3種類のラビング布を
作製した。3種類のラビング布の構成を表1のNo.1
〜3に示す。アセテート繊維の1本のフィラメントの太
さは、1デニール以上5デニール以下が望ましく、本実
施の形態では、3.75デニールのフィラメントを用い
る。さらに太いフィラメントや細いフィラメントを選択
することもできる。但し、フィラメントの太さを0.5
デニール以下にした場合、パイル3はほとんど起毛しな
いため、フィラメントを樹脂加工したりパイル保持用の
太い繊維を、アセテート繊維と混用してパイル3を構成
する等の処理が必要となる。
【0020】製織時に、パイル3を構成するための糸と
して用いられるパイル糸は、上記フィラメントを所定の
本数撚り合わせたものを用いる。本実施の形態では、フ
ィラメントの太さが3.75デニールのトリアセテート
繊維を20本撚ったものをパイル糸として3種類のラビ
ング布(表1のNo.1〜3)を作製した。
【0021】
【表1】
【0022】また、ラビング布の布組織は、起毛布であ
ればよく、パイルを構成するパイル糸が経糸となるたて
パイル組織でも、緯糸となるよこパイル組織であっても
よい。本実施の形態では、表1のNo.1およびNo.
2のラビング布の布組織をベルベットとした。表1のN
o.3のラビング布の布組織は、編物組織である経編み
のトリコットのパイル部分をカットし起毛したものとし
た。このほかに、モケット、ダブルラッセル丸編みのシ
ンカーパイルのループをシャーリングしたものなどが使
用できる。
【0023】パイル3を固定する基布6を構成する地糸
は、ラビング時に直接配向膜を擦る部分ではないので、
パイル糸を固定できる素材であればよいが、本実施の形
態の表1のNo.1およびNo.2のラビング布では、
経糸および緯糸のいずれもポリエステル製の繊維を用い
た。なお、ポリエステル繊維の他に酢酸セルロース繊
維、綿、レーヨン、ポリアミド、ポリエステル、アクリ
ル、アラミド繊維が使用できる。また、地糸の太さも、
パイル糸を固定できる太さであればよい。本実施の形態
では、表1のNo.1、No.2のいずれのラビング布
も、地糸の経糸として、50デニールのポリエステルフ
ィラメント糸を2本撚り合わせ100デニールとしたも
のを用い、地糸の緯糸として、75デニールのポリエス
テルフィラメント糸を追撚としたものを使用した。
【0024】また、パイル3を構成するトリアセテート
繊維(フィラメント)の密度は、1平方センチあたり、
少なくとも5000本以上であることが望ましく、好ま
しくは10000本以上であることが望ましい。1平方
センチあたりのフィラメント本数が5000本より少な
くなると、配向膜を擦るフィラメント本数が著しく少な
くなるため、ラビング処理が不均一となり、適切な配向
処理はできなくなる。フィラメント本数の上限はラビン
グ布が作製可能な範囲により決まる。フィラメントの太
さにも依るが、1平方センチあたり約500000本程
度が織り込めるフィラメント数の上限となる。本実施の
形態では、表1のNo.1〜3のいずれのラビング布
も、パイル3のフィラメント密度が1平方センチあたり
約15000本になるように織布し、パイル3のフィラ
メントをやや傾斜させた後、おおよそ一定方向に並ぶよ
うに配置した。
【0025】また、基布6からパイル3の先端までの布
厚さは、パイル3のフィラメントが傾斜した状態の厚さ
で、1.2mm以上3.5mm以下にすることができる
が、本実施の形態では、1.8mm〜2.2mm(表1
のNo.1〜3)とした。また、布の厚さの布の面内方
向のばらつきは、公差0.3mm以内にすることが望ま
しい。
【0026】つぎに、本実施の形態のラビング布の製造
方法について説明する。
【0027】まず、加工を施していない所定の太さの生
糸トリアセテート繊維(フィラメント)を、表1の記載
の本数束ね、仮撚り法により捲縮加工した。具体的に
は、仮撚り加工機で仮撚りした状態で、乾熱あるいは湿
熱で処理して捲縮を固定した後、解撚することにより、
パイル糸を作製した。これにより、パイル糸を構成する
トリアセテート繊維は1本1本のフィラメントがらせん
状に捲縮した。
【0028】つぎに、パイル糸に、ポバールを主成分と
した通常のベルベットに用いられる糊剤を、スラッシャ
で糊付けした。糊付けしたパイル糸と、上述したポリエ
ステル地糸とを用いて、ベルベット組織を製織した。ベ
ルベット組織は、経地糸1本に対しパイル糸2本を並
べ、3本の緯地糸でパイル糸を固定する公知のファスト
パイルと呼ばれる組織とした。このとき、パイル3のト
リアセテート繊維のフィラメント密度が、上述のように
1平方センチあたり約15000本になるように織布し
た。
【0029】織布した組織のパイル糸を切断して起毛
し、パイル糸を所定の厚さに切りそろえる剪毛を行った
後、糊抜き、精錬(洗浄等)を行い、乾燥後パイル糸を
ブラッシングした。これにより、複数本のトリアセテー
トフィラメントを撚り合わせることにより構成されてい
たパイル糸がほぐれて、フィラメント1本1本が起毛し
たパイル3を得ることができる。この後、パイル3のフ
ィラメントをやや傾斜させたのち、おおよそ一定方向に
並ぶように配置した。
【0030】つぎに、基布6の裏面に樹脂を塗布してベ
ーキングすることにより、バックコート層7を形成す
る。このバックコート処理は、ラビング時にパイル部分
の繊維の脱落を防止するとともに、図1のようにラビン
グローラ1にラビング布を貼り付ける際に皺が寄るのを
防止するために行う処理であり、ベルベットをラビング
布として使用するために必要な工程である。バックコー
ト層7を形成する樹脂としては、アクリル樹脂、ポリ酢
酸ビニル樹脂等を使用することができる。今回はアクリ
ル系樹脂の原料を主成分とした樹脂原料を、ナイフコー
ターで塗布し基布6の裏面に塗布しベーキングすること
により、アクリル系樹脂のバックコート層7を形成し
た。
【0031】このように、本実施の形態では、パイル糸
として、フィラメントを所定の本数仮撚り後、加熱した
ものを用いることにより、所望のフィラメント密度で、
1本1本の起毛した構成のパイル3を有するラビング布
を作製することができた。これは、フィラメントを束ね
て仮撚り後、加熱することにより、フィラメントに捲縮
を固定した状態のパイル糸を用いて、製織したためであ
る。例えば、仮撚り加工のみを行い、熱による捲縮の固
定を施さないパイル糸を用いた場合、布の作製自体は可
能であるが、ベルベット生産工程に存在する熱工程(例
えば基布の裏樹脂加工など)でパイル糸に捲縮が発現し
て収縮するとともに、繊維密度が増大するために、フェ
ルト状になる。よって、ラビング布として好適な、フィ
ラメントの1本1本が起毛した構成のパイル3を形成す
るためには、本実施の形態のようにフィラメントを仮撚
り後、加熱して、捲縮を固定したパイル糸を用いること
が望ましい。
【0032】また、比較例として、レーヨン、コット
ン、ポリノジック、ポリエステル、ナイロン、ビニロン
についても、ほぼ同様の手法により、これらの繊維10
0%からなるパイル3のラビング布を作製した。ただ
し、コットンおよびポリノジックについては、フィラメ
ントではなく、紡績糸を用いた。表1のNo.4〜9に
比較例のラビング布の作製条件を示す。
【0033】(ラビング布の評価1:配向規制力)次
に、本実施の形態のトリアセテート繊維を用いた3種類
のラビング布(表1のNo.1〜3)ならびに、比較例
のラビング布(表1のNo.4〜9)について、液晶分
子の配向規制力の評価を行った。
【0034】まず、ラビング処理対象である配向膜4付
き基板5を作製した。ここでは、基板5として、図1の
ように薄膜トランジスタからなる駆動素子(TFT)5
aが予め形成された10cm角のガラス基板(TFT基
板)と、ITO膜が予め形成された10cm角のガラス
基板(ITO基板)の2種類を用意した。これら2種類
の基板5の上に、それぞれ、ポリイミド前駆体溶液を塗
布し、200℃〜300℃でベークすることにより、ポ
リイミド製配向膜4を形成した。
【0035】一方、本実施の形態および比較例のラビン
グ布2を、それぞれ、φ50mmのステンレス製ラビン
グローラ1に両面テープで張り付け、ラビング装置に取
り付けた。
【0036】ラビング装置によりラビングローラ1を回
転数1500rpmで回転させながら、ラビング布2の
パイル3を配向膜4に近づけ、パイル3を先端から厚さ
0.5mmの部分まで配向膜4の表面に押しつけた。こ
の状態を押し込み量0.5mmと呼ぶ。この状態で、基
板5を搭載したステージを移動速度30mm/secで
一定方向に移動させ、ラビング処理を行った。このラビ
ング処理を、1種類のラビング布で、TFT基板5とI
TO基板5に対してそれぞれ行った後、これら2枚の基
板5をラビング処理方向がアンチパラレル(反平行)と
なるように配向膜4を向かい合わせてセルを形成した。
次いで、2枚の基板5の間隙に液晶を封入した。最終的
な液晶セルのギャップは、約5μmとした。
【0037】作製した液晶セルを2枚の偏光板の間に挟
み、光を透過して観察し、液晶の配向状態を観察した。
その結果、本実施の形態のトリアセテート製の3種のラ
ビング布(表1のNo.1〜3)ならびに、比較例のレ
ーヨン製、コットン製のラビング布(表1のNo.5,
6)は、ラビング処理した液晶セルが均一に配向してお
り、十分な配向規制力が得られていた。これに対し、ポ
リエステル製、ナイロン製、ビニロン製のラビング布
(表1のNo.4,8,19)は、ラビング処理した液
晶セルに、液晶封入時に液晶が流動した跡が残り、液晶
の配向規制力が弱いことが判明した。
【0038】また、本実施の形態のトリアセテート製の
3種のラビング布(表1のNo.1〜3)ならびに、比
較例のポリノジック製のラビング布(表1のNo.7)
は、比較例のレーヨン製およびコットン製のラビング布
(表1のNo.5,6)と比較して、ラビング処理した
液晶セルの配向の均一性が特に大きく、配向規制力が大
きかった。
【0039】(ラビング布の評価2:動摩擦係数)ま
た、発明者らは、ラビング処理が、ラビング布2のパイ
ル3と配向膜4との摩擦を利用して液晶の配向規制を行
う処理であることから、ラビング布2と配向膜4との摩
擦力と配向規制力とに相関があるのではないかと推測
し、本実施の形態および比較例のラビング布と配向膜と
の動摩擦係数を測定した。測定は、新東科学(株)製の
表面性測定機(TYPE14DR)を用いて行った。
【0040】この表面性測定機は、図3に示すように、
測定対象であるラビング布を取り付けるヘッド部分11
と、支点13,14を中心にヘッド部分11とのバラン
スを取るバランス用荷重15と、基板5を固定するステ
ージ9と、荷重変換器16とを含む。ヘッド部分11に
は、φ50mmのローラ1と同じ曲率(R=25mm)
を有する治具10が取り付けられており、この治具10
に30mm角に切り出した測定対象のラビング布2を両
面テープで貼り付けた。ラビング布2の取付方向は、基
板5の移動方向に対し、たて糸(経糸)が平行になるよ
うにした。ラビング布2と基板5とを接触させ、ヘッド
部分11上に搭載した加重用おもり12により垂直荷重
50gをかけ、ステージ9の移動速度5mm/secで
基板5を移動させたときのラビング布2と基板5との摩
擦によって、ヘッド部分11が引きずられる力を荷重変
換器16を通してパソコン(不図示)で解析した。その
結果を、図2に示す。
【0041】図2からわかるように、本実施の形態のト
リアセテート繊維を用いた3種のラビング布2(No.
1〜3)および、レーヨン製、コットン製、ポリノジッ
ク製の比較例のラビング布(No.5,6,7)は、動
摩擦係数が0.48以上あり、ナイロン、ポリエステル
では0.31以下であった。これら動摩擦係数が0.4
8のラビング布は、上記液晶分子の配向状態の観察から
配向規制力が十分であると判定されたラビング布と一致
する。また、動摩擦係数0.48以上のラビング布のう
ち、本実施の形態のトリアセテート繊維を用いた3種の
ラビング布2(No.1〜3)およびポリノジック製の
ラビング布(No.7)は、動摩擦係数が0.53以上
あり、特に動摩擦係数が大きかった。これらは、上記液
晶分子の配向状態の観察から、特に配向規制力が大きい
と判定されたラビング布と一致する。これらのことか
ら、配向規制力と動摩擦係数には、正の相関があり、動
摩擦係数が0.53以上のラビング布を用いることによ
り、従来よりも大きな配向規制力が得られることがわか
った。
【0042】(ラビング布の評価3:配向膜の光学異方
性)つぎに、本実施の形態のトリアセテート繊維を用い
たラビング布(表1のNo.1)によりラビング処理を
施した配向膜について、配向特性の一指標である光学異
方性を測定した。
【0043】一般に、配向膜をラビングすると、ラビン
グ方向とラビング方向に垂直な方向とで誘電率(屈折
率)に異方性が生じる。このため、配向膜試料を回転さ
せつつエリプソメトリでP波、S波の位相差(Δ)を測
定し、試料回転角(θ)に対してΔをプロットすると、
図6のような曲線が得られる。この曲線の最大値と最小
値との差(DΔ)は、配向膜の光学異方性(以下、配向
膜異方性)の指標として用いることができ、DΔが大き
いほど、ラビングによって配向膜異方性が増大したと評
価できることが知られている(例えば、I.Hirosawa,Jp
n.J.Appl.Phys.36,5192(1997)、I.Hirosawa,T.Matsushi
ta,H.Miyairi,and A.Saito,Jpn.J.Appl.Phys.38,2851(1
999)など)。
【0044】そこで、本実施の形態のトリアセテート繊
維を用いたラビング布(表1のNo.1)および比較例
のポリエステル製、レーヨン製およびコットン製ラビン
グ布(表1のNo.4、No.5、No.6、)を用い
て、ラビングした配向膜についてDΔを測定した。測定
には、上記原理を用いて配向膜異方性を測定する装置で
ある(株)東陽テクニカ製液晶配向膜評価装置PI-Check
er型式PI-φ280を用いた。ラビング対象としては、上述
の評価1と同様に、基板5上に配向膜4を形成したもの
を用いた(図1参照)。配向膜4の形成方法は、上述の
評価1と同じであるので説明を省略する。また、ラビン
グ布は、上述の評価1と同様に、ステンレス製ラビング
ローラ1に張り付け、ラビング装置に取り付けた。ロー
ラ回転数1500rpm、パイル3先端の配向膜4表面
への押し込み量0.5mm、ステージ移動速度30mm
/secでそれぞれラビングした。
【0045】ラビング後の配向膜4について、上記装置
により配向膜異方性を測定した結果、図7に示したよう
に、本実施の形態のトリアセテート繊維を用いたラビン
グ布(表1のNo.1)でラビングした配向膜4のDΔ
が最も大きく0.85度以上である。ついで比較例のコ
ットン製ラビング布(表1のNo.6)、レーヨン製ラ
ビング布(表1のNo.5)となり、ポリエステル製ラ
ビング布(表1のNo.4)が最も小さかった。
【0046】このように、配向膜の異方性DΔの測定結
果から、本実施の形態のトリアセテート繊維を用いたラ
ビング布(表1のNo.1)が比較例よりも大きな配向
規制力を有することが確認された。
【0047】また、図7は、測定値DΔと、上述の評価
2で測定した動摩擦係数との対応関係を示している。図
7により、動摩擦係数の増加に伴って配向膜異方性が増
大することが確認できる。このことから、評価2で述べ
たように、動摩擦係数の大きいセルロース骨格をもつ素
材でパイルを構成したラビング布を用いてラビング処理
を行うことにより、大きな配向規制力が得られることが
裏付けられた。評価2でも説明したように、本実施の形
態のトリアセテート繊維を用いたラビング布(表1のN
o.1〜3)は種々の比較例のラビング布の中で、最も
大きい動摩擦係数を示しており(図2)、液晶への配向
規制力を配向膜に付与するラビング布として優れている
ことがより明確になった。
【0048】(ラビング布の評価4:耐摩耗性)つぎ
に、本実施の形態のトリアセテート繊維を用いた3種の
ラビング布(表1のNo.1〜3)、ならびに、比較例
のレーヨン製及びコットン製のラビング布(表1のN
o.5、6)について、摩耗性試験を行った。
【0049】まず、試験対象のラビング布2を図1のよ
うに、φ50mmのステンレス製ローラ1に両面テープ
で張り付けた後、ラビング装置にそれぞれ取り付け、表
面にCr層を形成した10cm角のガラス基板(洗浄済
みのもの)を、ローラ回転数1500rpm、パイル部
先端のCr層への押し込み量0.5mm、ステージ移動
速度30mm/secで連続200回ラビングした。ラ
ビング後のCr基板表面の外観を光学顕微鏡で観察した
画像を、CCDカメラで取り込み、異物付着量を測定し
た。その結果、本実施の形態のトリアセテート製のラビ
ング布(表1のNo.1〜3)の異物付着量が最も少な
く、次いでコットン製、レーヨン製ラビング布の順で異
物付着量は増大した。これを、図4に示す。なお、図4
において、トリアセテートとして示した異物付着量は、
本実施の形態の3種のラビング布(No.1〜3)につ
いての測定結果の平均で示している。
【0050】図4のように、本実施の形態のトリアセテ
ート製のラビング布は、比較例のレーヨン製やコットン
製のラビング布と比較して、耐摩耗性が高く、基板への
異物付着量が格段に少ないことがわかった。
【0051】(ラビング布の評価5:ラビング布の帯電
圧)ラビング時に発生する静電気は、液晶基板に搭載さ
れているTFT素子を破壊するほどのポテンシャルがあ
るため、出来るだけ発生しない方が良い。一般に繊維学
上では、トリアセテート製繊維は、レーヨンやコットン
の繊維と比較して、静電気が発生しやすいとされてい
る。そこで、本実施の形態のトリアセテート製のラビン
グ布(表1のNo.1〜3)、ならびに、比較例のレー
ヨン製及びコットン製、ナイロン製のラビング布(表1
のNo.5、6、8)について、ラビング時のローラ帯
電圧を測定した。
【0052】まず、前述の評価1の配向規制力の測定時
と同じ条件で、図1のように基板5上の配向膜4をラビ
ング処理した。ただし、ガラス基板は、コーニング社製
ガラス基板(code1737)を使用し、配向膜4を形成
するポリイミド前駆体溶液としては、日産化学製SE−
7492を使用した。ラビング条件は、評価1の配向規
制力の時と同じく、ローラ回転数1500rpm、パイ
ル部先端の基板表面への押し込み量0.5mm、ステー
ジ移動速度30mm/secである。
【0053】ラビング処理中の布表面電位を測定したと
ころ、図5に示したように、比較例のナイロン製ラビン
グ布(表1のNo.8)は2000V以上の帯電圧を示
したのに対し、本実施の形態のトリアセテート製のラビ
ング布(表1のNo.1,2,3)は、比較例のレーヨ
ン製、コットン製ラビング布(No.5,6)と同等の
500Vより小さい帯電圧を示した。なお、図5のトリ
アセテート製のラビング布の帯電圧は、表1のNo.
1,2,3のラビング布それぞれについて測定した帯電
圧の平均を示している。また、本実施の形態のトリアセ
テート製ラビング布(表1のNo.1,2,3)で駆動
素子(TFT)5aを表面に備えた基板5をラビングし
たところ、特に駆動素子(TFT)5aの破壊は観察さ
れなかった。
【0054】このように、本実施の形態のトリアセテー
ト製のラビング布の帯電圧は、従来より実用されたきた
帯電圧の低いレーヨン製、コットン製と同等であり、基
板上のTFT素子を破壊することなく、実用レベルであ
ることがわかった。なお、ここでは、トリアセテート製
ラビング布を使用したが、ジアセテート繊維によりパイ
ル3を構成することにより、帯電圧がより小さくなるこ
とが期待できる。
【0055】(ラビング布の評価6:基板の帯電圧)ラ
ビング時に発生するTFT基板5の帯電は、駆動素子5
a間や配線間で放電し、液晶表示装置の不良原因となる
ため、ラビング布の帯電以上に発生を抑制する必要があ
る。そこで、本実施の形態のトリアセテート製ラビング
布(表1のNo.1,2,3)および比較例のレーヨン
製、コットン製ラビング布(No.5,6)で基板をラ
ビングし、基板の帯電圧を測定した。
【0056】測定に用いた基板は、中央に5.5cm角
のITO膜(透明導電膜)を備える10cm角のガラス
基板であり、ITO膜を覆うように全面にポリイミド製
配向膜を形成したものである。このようにITO膜をガ
ラス基板と配向膜との間に挟み込むことにより、ITO
膜が存在する領域の内側は電位がほぼ一定となるため、
安定した表面電位を測定することができると共に、擬似
的にTFT基板を再現することになるため、実際の液晶
表示装置の基板と近い条件で基板の帯電圧を測定するこ
とができる。なお、中央部にのみITO膜を備えたガラ
ス基板は、予め全面にITO膜を備えたガラス基板のI
TO膜を部分的にエッチングすることにより作製した。
配向膜は、評価5と同様に、ポリイミド前駆体溶液とし
て日産化学製SE−7492を使用し、評価1の配向膜
4と同様の方法で作製した。ラビング条件は、評価5と
同様に、ローラ回転数1500rpm、パイル部先端の
基板表面への押し込み量0.5mm、ステージ移動速度
30mm/secとした。
【0057】ラビング後の基板中央部の配向膜の表面電
位を測定した結果、図8に示したように、比較例のコッ
トン製ラビング布(表1のNo.6)でラビングした基
板の帯電圧が最も大きく、本実施の形態のトリアセテー
ト製ラビング布(表1のNo.1,2,3)でラビング
した基板の帯電圧が最も小さかった。なお、図8には、
本実施の形態の3種のトリアセテート製ラビング布(表
1のNo.1,2,3)でラビングした基板の帯電圧の
平均値を示している。
【0058】このように、本実施の形態のトリアセテー
ト製ラビング布(表1のNo.1,2,3)は、ラビン
グ時の基板の帯電圧も、比較例と比較して小さいことが
わかった。また、本実施の形態のトリアセテート製ラビ
ング布で駆動素子(TFT)5aが形成された基板5の
配向膜4をラビングしたところ、特に駆動素子5aの破
壊は観察されなかった。
【0059】上述してきたように、本実施の形態では、
ラビング布2のパイル3部分にアセテート繊維を用いる
ことにより、配向規制力が大きく、耐摩耗性が高く、し
かも、帯電性が低いという特性を持ち合わせたラビング
布を提供することができる。よって、本実施の形態のア
セテート製のラビング布を用いることにより、従来のレ
ーヨン製ラビング布のように、配向規制力が大きく帯電
性が低いが、耐摩耗性が低いという特性を改善すること
ができ、摩耗による異物の発生が少なく、しかも、大き
な配向規制力が得られ、静電気によるTFT素子の破壊
も生じにくいラビング処理を行うことができる。
【0060】なお、一般的にはトリアセテート繊維は、
耐摩耗性があまり大きくなく、しかも、帯電圧が大きい
とされているのに対し、本実施の形態のトリアセテート
繊維を用いたラビング布は、上述の評価実験により、耐
摩耗性が大きく、しかも、帯電圧が低いという特性が得
られた。その理由の詳細は不明であるが、パイル3を構
成するトリアセテート繊維に捲縮を施しているため、パ
イルが基板に点接触し、かつパイルがバネのように伸縮
する効果があるため摩耗しにくく、しかも、パイルのフ
ィラメント同士が多点で点接触するため、放電しやすい
のではないか推測している。
【0061】なお、本実施の形態では、フィラメントに
仮撚り法により旋回性のある捲縮加工を施しているが、
加工方法としては、仮撚り法に限らず、加撚機を用いて
強撚し、加熱して撚りを熱セット後、解撚する方法によ
り旋回性のある加工を行う方法や、フィラメントを擦過
することにより緩やかなコイル状の加工を行う擦過法を
用いることも可能である。また、フィラメントに与える
加工形状としては、旋回性のある形状に限定されるもの
でなく、非直線状の形状であればよく、例えば、ジグザ
グ状等の加工形状のフィラメントを用いることが可能で
ある。具体的には、フィラメントをボックス内に座屈さ
せながら押し込んで熱固定する押し込み法や、2個の歯
車の間にフィラメントを通して歯形を与え熱固定するギ
ア法等や、フィラメントを一旦編み込んで熱固定した
後、ときほぐすニットデニット法により加工したフィラ
メントを用いることが可能である。
【0062】また、上述の実施の形態では、セルロース
の水酸基の少なくとも一部がアセチル基に置換された酢
酸セルロースの繊維により、パイルを構成したラビング
布を構成したが、本発明は、これに限られるものではな
く、パイル部分に用いる繊維がセルロース誘導体の繊維
を含むものであればよい。これらセルロース誘導体の繊
維を用いる場合も、上述した酢酸セルロース繊維と同様
に、繊維に捲縮加工を施した加工糸とすることが可能で
ある。
【0063】例えば、セルロース誘導体としては、セル
ロースの水酸基にエステル結合した化1のセルロースエ
ステル誘導体を用いることができる。
【0064】
【化1】
【0065】(ただし、化1において、R1, R2, R3は、
それぞれ、炭素数1〜18の飽和炭化水素基、炭素数2
〜18の不飽和炭化水素基、炭素数3〜8のシクロアル
キル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭素数
2〜18のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜18のシ
アノアルキル基、炭素数1〜18のカルボキシアルキル
基、アリール基とアルキル基とを共に有する炭素数6〜
25の有機基、ヘテロ原子を含む炭素数5〜25のアリ
ール基、ヘテロ原子を含むアリール基とアルキル基とを
共に有する炭素数6〜25の有機基、および、ヘテロ原
子を含む炭素数3〜8のシクロアルキル基のうちのいず
れかである。具体的には、R1, R2, R3は、それぞれ、メ
チル、エチル、プロピル、ビニル、シクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフ
ルオロメチル、テトラフルオロエチル、エトキシエチ
ル、オキシエチル、シアンエチル、カルボキシメチル、
カルボキシエチル、フェニル、フェニルメチル、トリ
ル、ナフチル、ナフチルメチル、ピリジル、ピリジルメ
チル、ピリミジル、ピリミジルメチル、キノリル、キノ
リルメチル、イミダゾリル、イミダゾリルメチル、フリ
ル、および、チエニルなどのうちのいずれかとすること
ができる。
【0066】また、セルロース誘導体として、セルロー
スの水酸基にエーテル結合した化2のセルロースエーテ
ル誘導体を用いることができる。
【0067】
【化2】
【0068】ただし、化2において、R4, R5, R6
は、それぞれ、炭素数1〜18の飽和炭化水素基、炭素
数2〜18の不飽和炭化水素基、炭素数3〜8のシクロ
アルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭
素数2〜18のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜18
のシアノアルキル基、炭素数1〜18のカルボキシアル
キル基、アリール基とアルキル基とを共に有する炭素数
6〜25の有機基、ヘテロ原子を含む炭素数5〜25の
アリール基、ヘテロ原子を含むアリール基とアルキル基
とを共に有する炭素数6〜25の有機基、および、ヘテ
ロ原子を含む炭素数3〜8のシクロアルキル基のうちの
いずれかである。具体的には、R4, R5,R6は、それぞ
れ、メチル、エチル、プロピル、ビニル、シクロプロピ
ル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、
トリフルオロメチル、テトラフルオロエチル、エトキシ
エチル、オキシエチル、シアンエチル、カルボキシメチ
ル、カルボキシエチル、フェニル、フェニルメチル、ト
リル、ナフチル、ナフチルメチル、ピリジル、ピリジル
メチル、ピリミジル、ピリミジルメチル、キノリル、キ
ノリルメチル、イミダゾリル、イミダゾリルメチル、フ
リル、および、チエニルなどのうちのいずれかとするこ
とができる。
【0069】また、上記セルロース誘導体として、セル
ロースの水酸基の少なくとも一部に硫酸基を導入したセ
ルロース誘導体を用いることができる。
【0070】また、上記セルロース誘導体として、セル
ロースの水酸基の少なくとも一部にリン酸基を導入した
セルロース誘導体を用いることができる。
【0071】また、上記セルロース誘導体として、セル
ロースの水酸基部分をウレタンにした化3のウレタン誘
導体を用いることができる。
【0072】
【化3】
【0073】ただし、化3において、R7, R8, R9
は、それぞれ、炭素数1〜18の飽和炭化水素基、炭素
数2〜18の不飽和炭化水素基、炭素数3〜8のシクロ
アルキル基、炭素数1〜18のフルオロアルキル基、炭
素数2〜18のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜18
のシアノアルキル基、炭素数1〜18のカルボキシアル
キル基、アリール基とアルキル基とを共に有する炭素数
6〜25の有機基、ヘテロ原子を含む炭素数5〜25の
アリール基、ヘテロ原子を含むアリール基とアルキル基
とを共に有する炭素数6〜25の有機基、および、ヘテ
ロ原子を含む炭素数3〜8のシクロアルキル基のうちの
いずれかにすることができる。具体的には、R7, R8,
R9は、それぞれ、メチル、エチル、プロピル、ビニ
ル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル、トリフルオロメチル、テトラフルオロ
エチル、エトキシエチル、オキシエチル、シアンエチ
ル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、フェニル、
フェニルメチル、トリル、ナフチル、ナフチルメチル、
ピリジル、ピリジルメチル、ピリミジル、ピリミジルメ
チル、キノリル、キノリルメチル、イミダゾリル、イミ
ダゾリルメチル、フリル、および、チエニルなどのうち
のいずれかとすることができる。
【0074】(液晶表示装置の製造方法)本実施の形態
のトリアセテート製ラビング布(表1のNo.1〜3)
を用いて、液晶表示装置を製造する方法を説明する。
【0075】まず、駆動素子(TFT)が予め形成され
たTFT基板と、カラーフィルタが予め形成された基板
とを用意し、それぞれに、ポリイミド前駆体溶液(日産
化学製SE−7492)を印刷法により塗布し、ホット
プレートで加熱することにより溶剤乾燥処理、熱硬化処
理を行った。これにより、各基板上に、厚さ80nmの
ポリイミド製の配向膜を形成した。なお、配向膜の形成
に用いるワニスとして、上記溶液に限定されるものでは
なく、他のタイプのものを用いることも可能である。例
えば、ポリアミック酸混合系のワニスを使用することが
できる。
【0076】次に、配向膜を形成したTFT基板および
カラーフィルタ基板にそれぞれ、本実施の形態のトリア
セテート製ラビング布(表1のNo.1〜3)を用い
て、ラビング処理を施した。ラビングの条件は、例え
ば、ローラ回転数1500rpm、パイル部先端の基板
表面への押し込み量0.5mm、ステージ移動速度30
mm/secにすることができる。
【0077】次に、TFT基板の表面の縁部に、注入口
となる部分を除いてシール剤をディスペンサーで塗布
し、一方のカラーフィルタ基板には、TFT基板との所
定のセルギャップを確保するためのスペーサービーズを
分散した。これらTFT基板とカラーフィルター基板と
を重ね合わせ、所定の条件で加圧および加熱して、シー
ル剤を硬化させるとともに、ギャップを形成し、液晶セ
ルを形成した。TFT基板とカラーフィルタ基板との最
終的な間隔(ギャップ)は、5.5μmとした。
【0078】その後、上記液晶セルの注入口から内部空
間に、液晶組成物を注入・充填した後、紫外線硬化樹脂
を用いて注入口を封止した。また、封止用の樹脂を塗布
する際に、液晶表示素子を加圧することにより、液晶表
示素子の基板間隔が面内で均一になるように調整した。
このときの基板の間隔は、5.4μmであった。なお、
液晶組成物としては、公知の液晶組成物を用いることが
でき、例えば、シアノ系、フルオロ系、シアノフルオロ
系、ビフェニル系、シクロヘキサン系、フェニルシクロ
ヘキサン系液晶等を用いることができる。
【0079】TFT基板上のTFT素子を、別途用意し
た表示制御回路装置に電気的に接続し、液晶表示装置を
完成させた。
【0080】また、比較のために、ラビング処理工程の
みを、比較例のレーヨン製ラビング布(表1のNo.
5)、コットン製ラビング布(表1のNo.6)を用い
て行い、他の工程は同じにして比較例の液晶表示装置を
作製した。
【0081】以上のように作製した液晶表示装置の表示
特性を評価した。評価は、ラビング筋やラビングむらが
最も見やすい中間調表示で、ラビング筋とラビングむら
を確認することにより行った。その結果、コットン製ラ
ビング布(表1のNo.6)を用いてラビング処理を行
った液晶表示装置のラビング筋とラビングむらが最も多
く、本実施の形態のトリアセテート製ラビング布(表1
のNo.1〜3)を用いてラビング処理を行った液晶表
示装置のビング筋とラビングむらが最も少なかった。
【0082】本実施の形態のトリアセテート製ラビング
布は、配向規制力が大きく、耐摩耗性が高く、しかも、
帯電性が低いという特性を持ち合わせているため、本実
施の形態のラビング布をラビング処理に用いることによ
り、より均一に液晶を配向させることができるだけでな
く、ラビング布耐久性が向上し、ラビング時の摩耗粉異
物の発生が抑制できる。このため、液晶の不均一配向に
よる表示むらや、異物起因のギャップ不均一による表示
むらの少ない液晶表示素子を製造できる。また、本実施
の形態のラビング布を用いることにより、ラビング時の
筋状のむらの発生も抑制でき、静電気によるTFT素子
の破壊も生じにくい。
【0083】このように、本実施の形態のアセテート繊
維製のラビング布を用いた液晶表示装置の製造方法は、
均一な液晶の配向が得られ、配向膜表面に対する汚染が
極めて少なく、ラビング筋やむらの少ない液晶表示装置
の製造であり、信頼性の高い液晶表示装置を製造するこ
とができる。
【0084】
【発明の効果】上述してきたように、本発明によれば、
耐摩耗性が高く、帯電性が低く、配向規制力が大きいと
いう特性を兼ね備えたラビング布を用いるラビング処理
工程を含み、信頼性の高い液晶表示装置を製造すること
のできる製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施の形態のラビング布2
を用いて、基板5にラビング処理する工程を説明する説
明図である。
【図2】図2は、本実施の形態のトリアセテートを用い
たラビング布2と比較例のラビング布について、動摩擦
係数を測定した結果を示すグラフである。
【図3】図3は、図2の動摩擦係数の測定に用いる装置
の概略構成を示す説明図である。
【図4】図4は、本実施の形態のトリアセテートを用い
たラビング布2と比較例のラビング布について、基板の
異物付着量を測定した結果を示すグラフである。
【図5】図5は、本実施の形態のトリアセテートを用い
たラビング布2と比較例のラビング布について、ラビン
グ時の帯電圧を測定した結果を示すグラフである。
【図6】図6は、配向膜の光学異方性と配向膜試料の回
転角との関係を示すグラフである。
【図7】図7は、本実施の形態のトリアセテートを用い
たラビング布と比較例のラビング布でラビングした配向
膜の光学異方性と、ラビング布の動摩擦係数との関係を
示すグラフである。
【図8】図8は、本実施の形態のトリアセテートを用い
たラビング布と比較例のラビング布について、ラビング
時の基板の帯電圧を測定した結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ラビングローラ、2…ラビング布、3 …パイル、
4…配向膜、5…基板、6…基布、7…バックコート、
8…両面テープ、9…ステージ、10…曲率治具、11
…ヘッド、12…荷重用おもり、13,14…支点、1
5…バランスおもり、16…加重変換器。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配向膜を備えた基板をラビング布によりラ
    ビング処理する工程を含み、 前記ラビング布として、繊維を起毛させたパイル部を有
    し、前記パイル部には、酢酸セルロースにより構成され
    た繊維が含まれているものを用いることを特徴とする液
    晶表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の液晶表示装置の製造方法
    において、 前記酢酸セルロースにより構成された繊維は、捲縮が付
    与されたフィラメント加工糸であることを特徴とする液
    晶表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の液晶表示装置の
    製造方法において、前記酢酸セルロースは、酢化度が4
    5%以上であることを特徴とする液晶表示装置の製造方
    法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法
    において、前記酢酸セルロースは、三酢酸セルロースで
    あることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の液晶表示装置の製造方法
    において、前記酢酸セルロースは、二酢酸セルロースで
    あることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2、3、4または5に記載の液晶表
    示装置の製造方法において、前記捲縮は旋回性のある捲
    縮であることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。
  7. 【請求項7】配向膜を備えた基板をラビング布によりラ
    ビング処理する工程を含み、 前記ラビング布として、繊維を起毛させたパイル部を有
    し、前記パイル部には、セルロース誘導体により構成さ
    れた繊維が含まれているものを用いることを特徴とする
    液晶表示装置の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法
    において、前記セルロース誘導体は、下記化1に示した
    セルロースエステル誘導体であることを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。 【化1】 ただし、R1, R2, R3は、それぞれ、炭素数1〜18
    の飽和炭化水素基、炭素数2〜18の不飽和炭化水素
    基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜18
    のフルオロアルキル基、炭素数2〜18のヒドロキシア
    ルキル基、炭素数2〜18のシアノアルキル基、炭素数
    1〜18のカルボキシアルキル基、アリール基とアルキ
    ル基とを共に有する炭素数6〜25の有機基、ヘテロ原
    子を含む炭素数5〜25のアリール基、ヘテロ原子を含
    むアリール基とアルキル基とを共に有する炭素数6〜2
    5の有機基、および、ヘテロ原子を含む炭素数3〜8の
    シクロアルキル基のうちのいずれかである。
  9. 【請求項9】請求項7に記載の液晶表示装置の製造方法
    において、前記セルロース誘導体は、下記化2に示した
    セルロースエーテル誘導体であることを特徴とする液晶
    表示装置の製造方法。 【化2】 ただし、R4, R5, R6は、それぞれ、炭素数1〜18
    の飽和炭化水素基、炭素数2〜18の不飽和炭化水素
    基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜18
    のフルオロアルキル基、炭素数2〜18のヒドロキシア
    ルキル基、炭素数2〜18のシアノアルキル基、炭素数
    1〜18のカルボキシアルキル基、アリール基とアルキ
    ル基とを共に有する炭素数6〜25の有機基、ヘテロ原
    子を含む炭素数5〜25のアリール基、ヘテロ原子を含
    むアリール基とアルキル基とを共に有する炭素数6〜2
    5の有機基、および、ヘテロ原子を含む炭素数3〜8の
    シクロアルキル基のうちのいずれかである。
  10. 【請求項10】請求項7に記載の液晶表示装置の製造方
    法において、前記セルロース誘導体は、下記化3に示し
    たウレタン誘導体であることを特徴とする液晶表示装置
    の製造方法。 【化3】 ただし、R7,R8, R9は、それぞれ、炭素数1〜18
    の飽和炭化水素基、炭素数2〜18の不飽和炭化水素
    基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜18
    のフルオロアルキル基、炭素数2〜18のヒドロキシア
    ルキル基、炭素数2〜18のシアノアルキル基、炭素数
    1〜18のカルボキシアルキル基、アリール基とアルキ
    ル基とを共に有する炭素数6〜25の有機基、ヘテロ原
    子を含む炭素数5〜25のアリール基、ヘテロ原子を含
    むアリール基とアルキル基とを共に有する炭素数6〜2
    5の有機基、および、ヘテロ原子を含む炭素数3〜8の
    シクロアルキル基のうちのいずれかである。
  11. 【請求項11】配向膜を備えた基板をラビング布により
    ラビング処理する工程を含み、 前記ラビング布として、前記配向膜との動摩擦係数が
    0.53以上のものを用いることを特徴とする液晶表示
    装置の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項11に記載の液晶表示装置の製造
    方法において、 前記ラビング布は、繊維を起毛させたパイル部を有し、
    前記パイル部には、酢酸セルロースにより構成された繊
    維が含まれていることを特徴とする液晶表示装置の製造
    方法。
  13. 【請求項13】基板と、前記基板上に配置された配向膜
    とを含み、 前記配向膜は、前記基板を主平面内で回転させた場合の
    S波とP波の位相差の最大値と最小値との差が0.85
    度以上の光学異方性を有することを特徴とする液晶表示
    装置。
  14. 【請求項14】基板と、前記基板上に配置された配向膜
    とを含み、 前記配向膜は、酢酸セルロースにより構成された繊維を
    含むパイル部をもつラビング布によりラビング処理が施
    されたものであることを特徴とする液晶表示装置。
  15. 【請求項15】基板と、前記基板上に配置された配向膜
    とを含み、 前記配向膜は、セルロース誘導体により構成された繊維
    を含むパイル部をもつラビング布によりラビング処理が
    施されたものであることを特徴とする液晶表示装置。
  16. 【請求項16】請求項14または15に記載の液晶表示
    装置において、前記配向膜は、前記基板を主平面内で回
    転させた場合のS波とP波の位相差の最大値と最小値と
    の差が0.85度以上の光学異方性を有することを特徴
    とする液晶表示装置。
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