JP2000292792A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

Info

Publication number
JP2000292792A
JP2000292792A JP9951599A JP9951599A JP2000292792A JP 2000292792 A JP2000292792 A JP 2000292792A JP 9951599 A JP9951599 A JP 9951599A JP 9951599 A JP9951599 A JP 9951599A JP 2000292792 A JP2000292792 A JP 2000292792A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubbing
liquid crystal
cloth
alignment
substrate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9951599A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Shibata
諭 柴田
Kiyoshi Minoura
潔 箕浦
Masayuki Okamoto
正之 岡本
Seiichi Mitsui
精一 三ツ井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP9951599A priority Critical patent/JP2000292792A/ja
Publication of JP2000292792A publication Critical patent/JP2000292792A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間調表示の表示欠陥が発現しない最適なラ
ビング条件を見出し、より表示品位の高い液晶表示素子
の製造方法を提供する。 【解決手段】 液晶配向膜を有する液晶表示素子の製造
方法において、配向処理工程での処理面の各領域がラビ
ング布と接触する正味の時間(布当たり時間)を5〜1
0 secの範囲に設定し、ラビング処理を行うことを
特徴とする。さらに、ラビング処理は、静電植毛で、毛
の太さが1〜2デニールであるラビング布をラビングロ
ーラーに巻き付けて行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示素子の液晶配向基板とし
て、ポリイミドなどの配向膜を透明電極基板上に塗布し
たものを用い、この基板表面上をレーヨン、ナイロン、
ポリエステルなどからなる布をローラーに貼り付けたラ
ビングマシンによって擦ることにより、均一な液晶配向
を得る方法が、ラビング法として広く用いられている
(特開昭55−143525)。
【0003】一般にTN(Twist Nematic)型液晶表示素
子は、アクティブ素子を備えたガラス基板と透明電極を
備えたガラス基板とが対向して配置され、双方の間隙に
ネマチック液晶が注入された構造を有している。
【0004】一方のガラス基板上には、トランジスタ等
のアクティブ素子を構成する半導体層及び絶縁層が形成
されると共に、前記半導体層に電気的に接続された配線
が表示画素の周囲を取り囲むようにしてパターン形成さ
れている。また、もう一方のガラス基板上には透明電極
が形成されている。更に、透明電極上には配向膜が形成
されている。そして、一対のガラス基板はその配向膜が
対向するように配置され、配向膜間の間隙にネマチック
液晶を注入することにより液晶層が設けられている。こ
の液晶層は液晶分子の長軸方向が配向膜により約90゜
捻られた配向をなしており、TN型液晶素子を構成して
いる。
【0005】通常、ネマチック液晶にカイラル剤を添加
することにより、液晶分子が捻れる方向を一方向に安定
化させている。また、上述の如く、配向膜のプレチルト
角に応じてガラス基板の近傍の液晶分子を基板に対して
若干傾斜させることにより、液晶分子が捻れる方向を一
方向に安定化させている。
【0006】このように構成されるTN型液晶表示素子
においては、透明電極に電圧を印加すると、この透明電
極間の液晶分子の配列が変化することにより、表示デー
タに対応した文字等を表示することができる。
【0007】しかしながら、TN型液晶表示素子はアク
ティブ素子を構成する半導体層、絶縁層及び配線層を備
えているため、これらを備えていない液晶表示素子に比
べ、基板表面に凹凸が多い。このように基板表面に凹凸
が多いと液晶層の配向性が乱れるため、液晶分子がプレ
チルト角の逆方向に傾斜するリバースチルトが発生し、
更に液晶分子が逆方向に捻れるリバースツイストが発生
する。そして、このような配向不良が発生すると、液晶
層の正常配向部分と異常配向部分との間に境界(ディス
クリネーション)が形成される。
【0008】そこで、従来のアクティブマトリックス液
晶表示素子においては、カイラルピッチ(液晶分子が外
部の影響なしに360゜捻れるのに必要とする距離)が
約70〜150μmである液晶を使用すると共に、配向
膜のプレチルト角を約1゜から2°にすることにより、
上述のリバースツイスト及びリバースチルト等の配向不
良の発生を防止しようとしている。上記配向不良を防ぐ
方法として、特許公報第2554875号には、ラビン
グ処理の際、ラビングローラーの直径と回転数、および
基板の移動速度で規定されるラビング密度をある範囲に
限定することで均一配向を得る方法が開示されている。
【0009】また、STN(スーパー・ツイステッド・
ネマティック)型の液晶分子配向を有する液晶表示装置
(以下、STN型液晶表示装置)でも同様に、優れた表
示性能を得るには、チルト角を一般に6度以上に設定す
る必要がある。特開平5−158045号公報には、ラ
ビング処理された配向膜の複屈折量と臨界表面張力を制
御することにより均一な液晶配向を可能にする手法が開
示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、電界無印加時
及び電界印加時に、セル全体にわたって一様な液晶分子
の配向状態を得るためには、液晶分子のプレチルト角を
ある程度大きく設定することが実用上重要である。従
来、液晶分子の配向状態を得るために、直径20μmの
ナイロンやレーヨン、ポリエステルなどの素材の布を用
いてラビングを行っているが、ラビング布の繊維の断面
形状が大きく、液晶を封入した際ラビング筋状の表示ム
ラが生じやすいなどの問題を有する。これは、配向膜表
面がラビングすることにより傷付けられるため表面の凹
凸が大きくなり、その結果配向膜基板上の不純物が洗浄
により落ちにくくなったり、また液晶分子のプレチルト
角のばらつきが大きくなるため、わずかなラビング強度
の差で液晶分子の傾き角度が変化しやすくなったりする
ことにより起こると考えられている。
【0011】ラビング法を用いて均一な配向を得るため
に、特許第2554875号公報ではラビングローラー
の直径と回転数、および基板の移動速度で規定されるラ
ビング密度を規定する方法が開示されているが、同じラ
ビング密度でも、均一な配向が得られる条件と配向不良
が生じる条件が複数存在する。これはラビング布の毛が
基板に接触する際の押し込み量や、ラビング回数、基板
の移動速度などを種々変更することで異なるラビング効
果を与える複数のラビング条件が存在するためである。
上記ラビング密度は扱うパラメータが非常に多いので、
製造工程管理項目として導入するためには、ラビング効
果を制御する主要なパラメータをさらに明確にする必要
がある。
【0012】上述した従来のTN型液晶表示素子では、
スイッチが切られている停止状態及び表示画素に低電圧
が印加されているOFF状態のときは配向不良が発生し
ないものの、表示画素に高電圧が印加されているON状
態には配向不良が発生する。即ち、ON状態において
は、透明電極間に高電圧が印加されているため、液晶層
の厚さ方向の中央付近に存在する液晶分子は、透明電極
に対して略垂直に配向する。
【0013】一方、透明電極の近傍の液晶分子は配向膜
の影響により約1゜のプレチルト角をもって透明電極に
対して略平行に配向しようとする。ところが、トランジ
スタ等のアクティブ素子を駆動するための電圧が配線に
印加されているため、この配線からの電界の影響により
配線の近傍の液晶分子は中央付近の液晶分子とは異なる
方向のチルト角をもって透明電極に対して略平行に配向
し、リバースチルト及びリバースツイスト等の配向不良
が発生する。これにより、液晶層において配線近傍の液
晶分子と中央の液晶分子との間にディスクリネーション
が発生する。
【0014】また、STN(スーパー・ツイステッド・
ネマティック)型の液晶分子配向を有する液晶表示装置
(以下、STN型液晶表示装置)の場合、優れた表示性
能を得るには、プレティルト角(液晶分子の傾き角度)
が大きく、安定していることが重要である。また、適量
のカイラル成分を含む混合液晶において、アンダーツイ
ストドメインあるいは電圧印加時にストライプドメイン
が発生せず、液晶分子が安定して配向する必要がある。
【0015】この条件を満たすためには、配向膜に削れ
等の欠陥がないことが必要である。このようなことか
ら、従来のラビング方法を用いて配向処理をした場合に
は、プレティルト角が安定せず、同一パターン表示時の
残像、駆動周波数によるクロストーク、筋の発現といっ
たような問題が発生し、良好な表示性能を得ることがで
きない。特開平5−158045号公報において、配向
膜のラビング処理後の複屈折量と臨界表面張力を一定の
範囲に制御する方法が開示されており、液晶注入前に表
示品位を見積もることで、製造の歩留まりを向上させる
ことができるが、所望の配向効果を得るためのラビング
条件をいかにして設定するかが主要な問題である。
【0016】さらに、ラビング法をノーマリーブラック
の垂直配向モードに適用した場合、従来のラビング法で
は中間調表示の際に、目視で確認できるレベルの細かい
スジ状の表示欠陥が生ずる問題があった。このスジ状の
表示欠陥は液晶分子のチルト角に分散があることにより
発現すると考えられており、垂直配向モードにおいて
は、水平配向モードよりもさらに分散の低いチルトの制
御が必要であることを本願発明者らは見出している。
【0017】図5に水平配向モードについて、図6に垂
直配向モードについて、プレチルト角の変化と液晶表示
素子の明度変化の関係を示す。水平配向についてはプレ
チルト角3°、垂直配向はプレチルト角87°の液晶表
示素子を基準にとり、それぞれプレチルト角の変化に対
して、V−T曲線の各電圧における明度の差をプロット
した。図中の角度はプレチルト角の3°(垂直配向の場
合は87°)からの差を表している。垂直配向モードで
は、プレチルト角変化に対する明度変化が水平配向モー
ドと比較して約二倍の値を示した。即ち、垂直配向モー
ドにおいて、明度変化をある範囲内に設定するためには
水平配向モードの場合と比較して二倍の精度でプレチル
ト角を制御する必要がある。
【0018】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、液晶層において配向不良が発生することを
防止でき、ラビング筋の無いTN型液晶表示素子、ST
N型液晶表示素子、垂直配向型液晶表示装置を得るため
の液晶表示素子の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の液晶表示素子の製造方法は、ラビング布と基板が
接触している正味の時間、即ち布当たり時間を5〜10
secの範囲に設定し、ラビング処理を行うことを特徴
としている。上記布当たり時間を5sec〜10sec
の範囲に設定する理由は、5secよりも短くすると十
分な配向性が得られず、10secより長くすると配向
膜の剥離が発生することにより、いずれもスジ状の表示
欠陥が発生するためである。
【0020】請求項2記載の液晶表示素子の製造方法
は、静電植毛で、毛の太さが1〜2デニールであるラビ
ング布をラビングローラーに巻き付けてラビング処理す
ることを特徴としている。上記ラビング布の毛の太さを
1〜2デニールとする理由は、1デニールよりも細くす
ると十分な配向性が得られず、2デニールよりも太くす
ると配向膜の剥離が発生することにより、いずれもスジ
状の表示欠陥が発生するためである。
【0021】請求項3記載の液晶表示素子の製造方法
は、ラビング処理において、ラビング布の毛の基板に対
する押し込み量、即ち毛当たり量が0.2〜0.4mm
の範囲であることを特徴としている。毛当たり量を0.
2mm〜0.4mmの範囲に設定する理由は、毛当たり
量が0.2mmより小さい場合十分な配向性が得られ
ず、0.4mmより大きい場合は配向膜の剥離が発生す
るため、いずれもスジ状の表示欠陥が発生するためであ
る。
【0022】また、上記のラビング処理によって、配向
させる配向膜は垂直配向性あるいは水平配向性のどちら
の配向性を示す膜でも適用可能なことは言うまでもな
い。
【0023】
【発明の実施の形態】TN型液晶表示素子および垂直配
向型液晶表示装置は1対のガラス基板の対向面に形成さ
れた透明電極間に電圧を印加すると、この透明電極間の
液晶分子の配列が変化することにより、印加電圧のパタ
ーンに応じた文字等を表示することができる。また、T
N型液晶表示素子はガラス基板にアクティブ素子を構成
する半導体層、絶縁層及び配線層を備えており、前記ガ
ラス基板の表面に凹凸が比較的多い。
【0024】本発明は、プレチルト角及びその方位が均
一で、かつ安定な液晶配向を与える液晶配向膜の形成方
法であり、ガラス基板の表面に凹凸が多くても、また前
記配線層等の電界が前記液晶層に影響しても、液晶分子
の捻れ方向を従来に比して安定化させることができる。
このため、前記液晶層にリバースチルト及びリバースツ
イスト等の配向不良が発生することを防止でき、前記液
晶層にディスクリネーションが発生することを防止でき
る。従って、TN型液晶表示素子にラビング筋、焼付現
象及び残像現象等の不都合が発生することはなく、文字
等を鮮明に表示することができる。また、特に垂直配向
型液晶表示素子においてはラビング筋が発生せずに良好
な表示特性を示す。
【0025】以下、実施形態により本発明を詳細に説明
する。◆ <実施形態1>図1に示すように、透明なガラスやプラ
スチックからなる基板1、9の表面にITO(Indi
um Tin Oxide)からなる所定形状の電極2、
8を600Åの厚みに形成し、その上にSiO2からな
る絶縁層3、7を300Åの厚みに形成し、さらにその
上にポリイミド系の配向処理剤からなる配向層(ポリイ
ミド)4、6を600Åの厚みに形成した。配向層4、
6の表面を図2のラビングマシンを用い、基布から先端
までの毛足の長さが1.15mmでパイルの太さが1デ
ニールのレーヨン製のラビング布でこする(ラビング)
ことにより、液晶分子を所定の方向に配向させるための
配向制御方法を用いた。垂直配向膜としてはポリイミド
系JALS204(JSR社製)、水平配向膜としては
ポリイミド系AL4552(JSR社製)を用いた。
【0026】このような布でラビング処理された水平配
向層の基板の間にZLI−4792(メルク社製)から
なる液晶層を封入して、液晶表示素子を作製した。ま
た、垂直配向層の基板の間については、MLC2037
(メルク社製)からなる液晶層を封入して、液晶表示素
子を作製した。
【0027】今回は一番制御の難しい垂直配向膜につい
てより詳しく説明する。◆ラビングマシンのローラー回
転数や基板の移動速度、ラビング回数について複数条件
を振り、ラビング条件の検討を行った。また各ラビング
条件と表示品位との関係を導くため、ラビング布が基板
と接触する正味の時間、即ち布当たり時間と表示品位と
の関係に着目した。その結果を図3、図4に示す。ラビ
ング条件については、ラビングローラー半径75mm、
毛当たり量0.3mm、ローラー回転数50r.p.
m.、250r.p.m.、350r.p.m.、50
0r.p.m.、基板移動速度10mm/sec、30
mm/sec、ラビング回数3回、6回、10回、合計
24条件について液晶表示素子を作製し、検討を行っ
た。
【0028】図3のラビング密度パラメータとは、次式
で与えられる。(Yumiko Sato, Kazutoshi Sato and Ta
tsuo Uchida,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.31 (1992) pp.L579-
581)
【0029】
【数1】 ここでL:ラビング密度パラメータ、N:ラビング回
数、l:布と基板の接触長(mm)、R:ラビングロー
ラーの中心から布の毛の先端までの距離(mm)、n:
ラビングローラーの回転数(r.p.m)、v:基板の
移動速度(mm/sec)である(図2)。上記接触長
lは、ラビング布の毛の基板に対する押し込み量、即ち
毛当たり量と、ラビングローラーの中心から布の毛の先
端までの距離Rから計算される。前記毛当たり量を0.
3mmに設定した理由は、実施形態3で述べる。
【0030】図3のラビング布と基板の相対速度は、次
式で与えられる。◆
【0031】
【数2】 図3の表示品位の評価方法を以下に示す。液晶表示素子
に駆動電圧を0V〜5Vまで0.1V間隔で加え、目視
および偏光顕微鏡観察により表示品位を評価した。特に
中間調表示におけるラビング筋の有無を観察した。図3
で○は、中間調表示におけるラビング筋が目視では観察
されず、偏光顕微鏡下でわずかに観察される良好なレベ
ルをあらわし、△は目視ではほとんど確認できないが、
偏光顕微鏡下でははっきり観察される許容レベル、×は
目視および偏光顕微鏡下ではっきりラビング筋が確認で
きる不良レベルを表している。
【0032】図3で、良好な表示が得られる条件(○)
が直線状に分布しているが、この直線の傾きは次式で与
えられる。
【0033】
【数3】 これはラビング布と基板が接触している正味の時間、即
ち布当たり時間を表している。この布当たり時間を5〜
10秒に設定することにより表示欠陥のない液晶表示素
子を製造することができることを我々は鋭意検討の結果
始めて見出した。図4には布当たり時間と表示品位の関
係を示す。布当たり時間が5秒以下の条件では十分な配
向性が得られていないためラビング筋が発現し、一方布
当たり時間が10秒を超える条件では配向膜の剥離が起
こり、同様な筋状の表示欠陥が発生することがわかっ
た。
【0034】<実施形態2>毛の太さや、毛織りの方法
の異なる複数の布を用いてラビング効果を検討した結
果、ラビング処理に適した布を見出した。
【0035】材質は、ナイロン、ビニロン、ポリエステ
ル、アクリル、レーヨン等の一般的な布を用い、毛織り
の方法として織物、静電植毛の二種類について検討した
結果、静電植毛で、毛の太さが1〜2デニールである布
がラビングに適していることが分かった。結果を表1に
示す。これを適用した液晶表示素子においては、表示ム
ラや配向欠陥のない均一で安定した配向を得ることがで
きた。
【0036】
【表1】 上記実施形態においては、垂直配向膜の例について述べ
たが、水平配向を用いたTN型液晶表示装置でも同様の
効果を確認している。配向膜の材料としては上記オプト
マーAL(ポリイミド)に限らず、配向膜として用いら
れている素材を適用することができる。
【0037】<実施形態3>実施形態2に従い、素材が
レーヨン及びナイロンの、静電植毛で毛の太さが1デニ
ールのラビング布を用い、複数の毛当たり条件でラビン
グ効果を検討した結果、毛当たり量を0.2mm〜0.
4mmの範囲に設定することにより、表示欠陥のない良
好な配向効果が得られることが本検討により見出され
た。毛当たり量が0.2mmより小さい場合十分な配向
性が得られず、0.4mmより大きい場合は配向膜の剥
離が発生したため、いずれもスジ状の表示欠陥が発生し
た。結果を表2に示す。
【0038】
【表2】 <実施形態4>STN型液晶表示装置の製造方法を説明
する。まず、透明基板としてはガラス基板あるいはプラ
スチック基板を用意する。続いて、各透明基板上にIT
O膜を600Å〜2500Åの膜厚で形成する。そし
て、このITO膜をフォトエッチングにより所望の電極
形状にパターン化して、透明電極を得る。
【0039】次に、上記透明電極が形成されたプラスチ
ック基板面上に、ポリイミドからなる配向膜を印刷法に
より形成する。本焼成後の膜厚が300Å〜800Åの
配向膜が得られる。なお、塗膜の形成は、印刷法以外の
方法を用いてもよく、例えば、スピンコートによって形
成してもよい。ポリイミドとしては、例えば、日産化学
製サンエバー150が使用できる。
【0040】次に、上記配向膜を140℃〜160℃の
温度で、60〜120分熱処理を行う。このときの雰囲
気は、窒素あるいは空気である。また、雰囲気は常圧の
みならず、加圧あるいは減圧処理してもかまわない。こ
の本焼成後の配向膜4の膜厚は、300Å〜800Åで
ある。
【0041】次に、焼成後の配向膜に、上記2枚のプラ
スチック基板2を貼り合わせたときのツイスト角度が2
10°〜270゜となるように、かつ、配向膜の剥離
(削れ)がないように、ラビング法を用いて配向処理す
る。この配向処理において使用するラビング布は、実施
形態1と同じく、材質がレーヨンで太さが1デニールの
静電植毛の布である。
【0042】次に、洗浄処理を受けた2枚の透明基板の
うちの一方に、ガラス繊維、あるいは、プラスチック製
あるいはガラス製のミクロビーズ(50〜150個/1
mmφ、つまり、直径が1mmの円当たり50〜150
個)からなるギャップ保持材を散布し、スペーサとす
る。続いて、上記透明基板を貼り合わせ、液晶を真空注
入し、STN型液晶表示装置が完成する。
【0043】本発明によるラビング条件を適用すると配
向処理時の膜剥離がなく、プレティルト角はそれぞれ
5.27と高く、液晶配向は安定しており、ラビング筋
も発現無く、本発明のSTN型液晶表示装置が良好な表
示性能を有することがわかる。
【0044】
【発明の効果】ラビング布と基板が接触している正味の
時間、即ち布当たり時間を5〜10sec 、毛当たり
量を0.2〜0.4mmの範囲に設定し、かつ静電植毛
で、毛の太さが1〜2デニールである布をもちいてラビ
ング処理を行うことにより、スジ状の表示欠陥のない良
好な表示品位の液晶表示素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液晶表示素子の構成断面図であ
る。
【図2】ラビングマシンの構造図である。
【図3】ラビング密度と表示品位の関係図である。
【図4】布当たり時間と表示品位の関係図である。
【図5】水平方向におけるプレチルト角変化と明度変化
の関係図である。
【図6】垂直方向におけるプレティルト角変化と明度変
化の関係図である。
【符号の説明】
1,9 ガラス基板 2,8 透明電極 3,7 絶縁層 4,6 液晶配向膜 5 液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡本 正之 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 三ツ井 精一 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2H090 HB08Y HC06 KA05 KA08 MA01 MA02 MA10 MA11 MB01 MB02 MB03 MB05

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶を配向させるためのラビング処理に
    おいて、処理面の各領域がラビング布と接触する正味の
    時間(布当たり時間)を5〜10secとすることを特
    徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 液晶を配向させるためのラビング処理に
    おいて、静電植毛で毛の太さが1〜2デニールであるラ
    ビング布をラビングローラーに巻き付けてラビング処理
    を行うことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 液晶を配向させるためのラビング処理に
    おいて、ラビング布の毛の基板に対する押し込み量(毛
    当たり量)を0.2〜0.4mmとすることを特徴とす
    る請求項1または2記載の液晶表示素子の製造方法。
JP9951599A 1999-04-07 1999-04-07 液晶表示素子の製造方法 Pending JP2000292792A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9951599A JP2000292792A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 液晶表示素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9951599A JP2000292792A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 液晶表示素子の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000292792A true JP2000292792A (ja) 2000-10-20

Family

ID=14249400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9951599A Pending JP2000292792A (ja) 1999-04-07 1999-04-07 液晶表示素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000292792A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180923A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子およびその製造方法
JP2008180886A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子
CN108681156A (zh) * 2018-04-28 2018-10-19 新辉开科技(深圳)有限公司 一种不同背景色的电子车牌液晶显示器
CN111142290A (zh) * 2018-11-06 2020-05-12 Dic株式会社 液晶显示元件

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180886A (ja) * 2007-01-24 2008-08-07 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子
US8164697B2 (en) 2007-01-24 2012-04-24 Stanley Electric Co., Ltd. Liquid crystal display device
JP2008180923A (ja) * 2007-01-25 2008-08-07 Stanley Electric Co Ltd 液晶表示素子およびその製造方法
US8179509B2 (en) 2007-01-25 2012-05-15 Stanley Electric Co., Ltd. Liquid crystal display device and its manufacture method
CN108681156A (zh) * 2018-04-28 2018-10-19 新辉开科技(深圳)有限公司 一种不同背景色的电子车牌液晶显示器
CN111142290A (zh) * 2018-11-06 2020-05-12 Dic株式会社 液晶显示元件

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5324754B2 (ja) 液晶表示装置
JP2005234254A (ja) 液晶表示装置およびその製造方法
JPH06294959A (ja) 液晶表示装置とその製造方法
JPH04258924A (ja) カイラルスメクチック液晶素子およびその製造方法
JPH06175133A (ja) 液晶表示素子の製造方法
KR19990068243A (ko) 액정 배향 처리 방법 및 이것을 이용한 액정 표시 소자
JP3806340B2 (ja) 液晶表示装置の製造方法および液晶表示装置
JP2000292792A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP3209328B2 (ja) 液晶表示素子の製造方法
JPH07333632A (ja) 液晶表示装置
JP2769944B2 (ja) 強誘電性液晶素子の製造方法
JPH07168186A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP2003015162A (ja) 強誘電性液晶表示素子の製造方法
JPH11249139A (ja) ラビング布および液晶表示装置
JPH10123529A (ja) 強誘電性液晶装置の製造方法
JP2003043490A (ja) 液晶表示素子の製造方法およびこれに用いるラビング布
JPH11352484A (ja) 液晶素子とその製造方法
JP2000075308A (ja) 液晶表示装置及びその製造方法
JPH05181139A (ja) 液晶表示素子の製造方法
JP2766784B2 (ja) 強誘電性液晶表示素子
JP2003114435A (ja) 液晶表示パネルの製造方法および製造装置
JP5797676B2 (ja) 液晶表示装置
US20040131798A1 (en) Liquid crystal display device and method of producing the same
JPH10197868A (ja) 液晶素子の製造方法
JP2772837B2 (ja) カイラルスメクチック液晶素子の製造方法