JP2005234254A - 液晶表示装置およびその製造方法 - Google Patents

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【課題】ラビング処理によって、配向制御を行うと共に、表示上の欠陥を防止することの可能な垂直配向モード液晶表示装置、およびその製造方法を提供する。
【解決手段】液晶表示装置は、対向配置された第1および第2の基板1,2と、前記第1の基板の対向表面上に形成され、プレティルト付与用のラビング処理が行われ、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mである第1の垂直配向膜15と、前記第2の基板の対向表面上に形成された第2の垂直配向膜25と、前記第1および第2の基板間に挟持された垂直配向モードの液晶層3と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関し、特に垂直配向モードの液晶表示装置とその製造方法に関する。
垂直配向モード液晶表示装置は、液晶層内の液晶分子が、電圧オフ時に、基板に対して垂直に配列する。多くの場合、液晶分子は負の誘電率異方性を有し、基板に垂直方向の電界を印加することにより、液晶分子は基板と平行な方向に倒れる。クロスニコル配置の偏光板と組み合わせると、電圧無印加時の黒レベルが非常に良好である。厚さ方向に負の屈折率異方性を有する光学補償板を積層することにより、垂直配向した液晶分子の光学的異方性を補償することができ、非常に良好な視角特性を提供することができる。
電圧印加時に液晶分子の倒れる方向を規定するため、液晶分子を垂直方向から所定の方向にある程度倒すことが好ましい。これをプレティルトと呼ぶ。基板面からの角度でプレティルト角を表す。プレティルトがない場合、基板法線方向が90度であり、プレティルトを付与するにつれ、プレティルト角は、90度から89度、88度、…と減少する。
プレティルトを付与する方法として、水平配向モードの液晶表示装置同様、配向膜に対するラビング処理を用いることができる。垂直配向膜は著しく疎水性な物質であるため、洗浄したガラス板などの親水性物質への塗布性にとぼしく、水平配向膜にくらべて密着性が悪いのが一般的である。このような垂直配向膜にラビングを行うと、配向膜に傷をつけたり、表示においてラビングした方向に沿った筋(ラビング筋)を生じることになる。現在知られている垂直配向モード液晶表示装置は、ラビング筋を避けるため、ラビングは行っていない。プレティルト付与の他の手段を行っていない場合、液晶分子にプレティルトは付与されていず、液晶分子は垂直に配向している。
配向処理方法、又は配向制御方法としては、ラビングのほか、斜め蒸着、光配向(特許文献4)などの方法も知られている。しかし、これらの方法も実用的レベルに達していない又はコスト的に不利なため、量産技術には採用できない。斜め電界を利用する方法(特許文献5)も可能であるが、設計上の制約も大きい。ラビング処理を用い、欠陥を目立たなくする方法として、複数回のラビングを行う方法(特許文献1)、段差の少ない片方の基板のみにラビングを行う方法(特許文献2)、一対の基板上のラビング方向を10度〜30度程度の角度でクロスさせる方法(特許文献3)等が提案されている。しかし、未だ本質的解決は得られていない。基板上に斜面を有する突起を設け、電圧印加時に液晶分子が倒れる方向を規制する方法(特許文献6)も知られている。
対向基板間に液晶材料を注入し、一旦等方相温度まで加熱し、その後降温して液晶層に戻すことにより液晶注入時の流れの痕跡を消去して、配向の均一性を向上させる方法が知られている。しかし、垂直配向モード液晶表示装置において、等方相まで昇温し、その後降温するとブロッホウォールと呼ばれる配向欠陥が生じる場合がある。このため、垂直配向モード液晶表示装置においては液晶材料注入後の熱処理は行われていない。
なお、液晶セル内における配向欠陥の1つとして液晶分子配向の不連続によるものがある。等方相まで昇温する前は配向が均一だったが昇温した後、再び元のネマティック相にもどすと結晶物理で言う「ディスロケーション」と同様な効果で欠陥が生じる場合がある。配向欠陥としては基板面内の配向不連続性によるネールウォール欠陥と基板面外のそれにあたる「ブロッホウォール欠陥」がある。いずれの欠陥も基板表面における配向膜の液晶に対する配向規制力が弱い場合にこれらの欠陥があらわれると考えらている。(ネールウォール欠陥と配向規制力に関する文献として非特許文献1参照)
特開平11−174454号公報 特開2000−29030号公報 特開2002−006323号公報 特開平9−211468号公報 特開平06−194656号公報 特開平11−242225号公報 「光二量化反応性高分子膜を用いた液晶配向制御」、応用物理第64巻、第10号 1007頁〜1012頁(1995年)、応用物理学会
ラビングを行ってプレティルトを与え、かつ表示欠陥を防止できれば、製造工程が簡単で表示品質の高い垂直配向モード液晶表示装置を提供することができる。
本発明の目的は、ラビング処理によって、配向制御を行うと共に、表示上の欠陥を防止することの可能な垂直配向モード液晶表示装置、およびその製造方法を提供することである。
本発明の他の目的は、表示上の欠陥の発生を抑制しつつ、電圧印加時の液晶分子の配向制御を向上した垂直配向モード液晶表示装置、およびその製造方法を提供することである。
本発明の1観点によれば、対向配置された第1および第2の基板と、前記第1の基板の対向表面上に形成され、プレティルト付与用のラビング処理が行われ、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mである第1の垂直配向膜と、前記第2の基板の対向表面上に形成された第2の垂直配向膜と、前記第1および第2の基板間に挟持された垂直配向モードの液晶層と、を有する液晶表示装置が提供される。
発明の他の観点によれば、(a)第1の基板の表面上に表面自由エネルギが35N/m〜39N/mの第1の垂直配向膜を形成する工程と、(b)前記第1の垂直配向膜にラビング処理を行う工程と、(c)第2の基板上に第2の垂直配向膜を形成する工程と、(e)前記第1の基板と前記第2の基板とを対向させ、その間に垂直配向液晶層を配置した液晶セルを形成する工程と、を含む液晶表示装置の製造方法が提供される。
垂直配向膜の表面自由エネルギを、35N/m〜39N/mに選択することにより、表示上のラビング筋を抑制することが可能となった。ラビング筋を抑制可能な垂直配向膜を用いると、ブロッホウォールも抑制できることがわかった。
本発明者らは、ラビング筋は配向膜上の傷や、プレティルトの不均一によって生じると考えた。配向膜上の傷は、垂直配向膜のガラス基板等に対する密着性が不足すると膜がはがれやすくなるため生じやすいであろう。配向膜に傷がつくと、電圧を印加しなくてもプレティルト角ムラによって筋が目視できる。密着性の高い垂直配向膜を得るには、表面自由エネルギの高い配向膜が有効であろうと考えた。但し、表面自由エネルギを高くしすぎると垂直配向は得られず、水平配向になってしまう。なお、表面自由エネルギは、液晶の分野でよく知られるように、N/mを単位とする物理量であり、面積を乗算した時エネルギのディメンションになる。
プレティルトが不均一になると、電圧を印加した時に、閾値電圧が場所によって不均一になるため液晶分子の倒れ方に不均一が生じ、筋のように見えることがあろう。ラビングでプレティルトを与える場合、物理的にラビング布で配向膜を擦るため、全面に全く均一なラビングを行うことは難しい。ラビングに不均一があれば、プレティルトの不均一を招くことになろう。垂直配向膜に対するラビング処理では上記密着性の問題もあるので水平配向膜に比べてラビングの均一性をより高める必要があると考えられる。
ブロッホウォールは配向膜の液晶配向規制が不足するために生じると考えられる。等方相から降温する時、液晶分子が配向膜表面に接しているものから配向を始めれば、配向膜の配向にしたがって全面で一様な配向が実現できよう。ところが、配向膜表面の配向性が弱い場合は、液晶層の中央から相転移が始まる傾向があり、液晶層中央では配向を規制するものがないので、勝手な方向に配向が進むためにこれがブロッホウォールを生むと考えられる。
本発明者らは、まず表面自由エネルギを増大させた時の影響を調べた。
図1に、垂直配向型液晶表示装置の代表的構成例を示す。第1の基板1と第2の基板2が対向し、その間に液晶層3を挟持する。第1の基板1は、透明基板13の対向表面上に透明電極14を形成し、その上に高分子垂直配向膜15を塗布し、その表面を18で示す方向にラビング処理したものであり、外側表面上には視角補償板12と偏光板11が配置されている。第2の基板2は、第1の基板1同様、透明基板23の対向表面上に透明電極24を形成し、その表面を高分子の垂直配向膜25で覆い、矢印28の方向にラビング処理したものである。外側表面上には視覚補償板22と偏光板21が配置されている。液晶層3は、基板1、2の面に垂直に配向する性質を有する液晶分子を含み、ラビング処理18、28により、基板の法線方向から一定の角度のプレティルト19、29を有する。
図2A‐2Cは、基板1、2の製造工程の概略を示す。
図2Aに示すように、透明基板13(23)の上に、表示パターンに合わせた透明電極14(24)を形成する。透明電極14(24)の上に、高分子の垂直配向膜15(25)を塗布する。例えば、アニロックスと呼ばれるインク転写機構を用いて直刷り法の凹板の上に配向液を塗布し、透明電極14(24)上に転写するフレキソ印刷を用いて垂直配向膜15(25)を塗布する。なお、この塗布法によれば、電極引出し部には配向膜を形成せず、透明電極の接続部を露出させることができる。
図2Bに示すように、ラビング布を表面に備えたラビングローラ5を用い、配向膜15(25)の表面をラビング処理する。ラビング布としては、綿とレーヨンが一般的に用いられている。レーヨンは耐久性にかける性質を有するので最近では綿が多くもちいられる。但し、ここのラビングでは配向膜に傷をつけないようにしたいので布が柔らかいレーヨン製のラビング布を採用した。ラビング布として毛足1.8mm、フィラメント本数24000本/cmの吉川化工製レーヨン製ラビング布(以下Aと呼ぶ)を用いた。ローラ径約75mm、ローラ回転数1500rpm、基板12(23)の搬送速度50mm/secとした。
図2Cに示すように、ラビング布は平織の布に対しほぼ垂直な起毛を有する。この起毛の長さfを毛足と呼び、繊維の本数をフィラメント本数と呼ぶ。
又、ラビングの条件として押し込み量も制御する。押し込み量とは、ラビング布が配向膜に接触し始めてからどの程度押しつけるかを表わす数値であり、図中dで示す量である。すなわち、押し込み量を増加させると、ラビング布と配向膜とが接触し始めてから離れるまでの接触距離も長くなる。
水平配向モード液晶表示装置に用いられる水平配向膜は、おおむね40N/m以上の表面自由エネルギを有するが、垂直配向膜の表面自由エネルギは水平配向膜のそれよりも低い。垂直配向膜に対して水平配向モードと同様のラビング処理を施すと、作成した液晶表示素子においてはラビング方向に沿って筋状の表示むら(ラビング筋)が表れる。
図3Aは、ラビング筋の表われた表示面の写真である。矢印方向のラビングが行われ、ラビング方向に沿った筋状の表示欠陥が表示面に表れている。
本発明者は、垂直配向膜の表面自由エネルギを変化させたとき、ラビング後の状態にどのような変化が生じるかを調べた。表面自由エネルギを変化させた垂直配向膜は、日産化学工業株式会社で試作した。
図3Bに示す表1は、試作した5種類の配向膜の性質及びその実験結果をまとめて示す。配向膜1は表面自由エネルギ31〜32N/mであり、配向膜2は表面自由エネルギ33〜34N/m、配向膜3は表面自由エネルギ36〜37N/m、配向膜4は表面自由エネルギ37〜39N/m、配向膜5は表面自由エネルギ37〜39N/mである。
このような配向膜を用い、図1に示すように対向基板の配向膜2をフレキソ印刷により塗布し、180℃で60分間焼成した。このようにして、膜厚約50nm程度の垂直配向膜を得た。垂直配向膜に対し、上述の吉川化工製レーヨン製ラビング布Aを用い、ローラ回転数1500rpm、基板搬送速度50mm/sec、押し込み量0.4nmのラビングを行った。ラビング後の基板をアンチパラレル配向で対向配置し、その間に液晶を注入し、液晶セルを形成した。液晶材料はΔεが負でΔnが0.15の物を用いた。
液晶セルに電圧を無印加又は印加した状態を偏光顕微鏡で観察し、ラビング筋の有無を調べた。電圧無印加の状態ではラビング筋のない表示セルであっても、電圧を印加するとラビング筋が現れるセルもあった。
図3Bは、ラビング筋の有無もまとめて示す。図3Aに示すようなラビング筋が一部にでもあるサンプルは、ラビング筋有りと判断した。
配向膜1は、電圧の無印加、印加にかかわらずラビング筋が出現する。配向膜2は、電圧無印加の時にはラビング筋が出現しないが、電圧を印加するとラビング筋が表われる。すなわち、配向膜1、2は、従来の垂直配向膜をラビングした状態と同等である。これらの配向膜は、表面自由エネルギが31〜34N/mであった。
配向3、4、5は、電圧無印加時にも電圧を印加した時にも、ラビング筋は表われなかった。これらの配向膜の表面自由エネルギは、36〜39N/mである。配向膜1、2の結果と合わせて考えると、表面自由エネルギを35〜39N/mとすることにより、ラビング筋を抑制することが可能と考えられる。また、表面自由エネルギを40N/m以上にすると、初期状態で垂直配向を実現することが困難となってしまう。
図3Bに示す結果は、表面自由エネルギが上昇すると、垂直配向膜の密着性が改善されるためラビング筋が発生し難くなると解釈できる。垂直配向を実現し、かつラビング筋を抑制するためには、表面自由エネルギ35〜39N/mの垂直配向膜を用いるのが好ましいと言える。
図3Cは、配向膜5を用いたサンプルにおける電圧印加時の偏光顕微鏡観察像の例を示す。電圧印加時においても、ラビング筋は全く見られない。
ラビング筋と共に、液晶セルに液晶を注入した後、等方相温度以上の温度に放置した後、再び室温に戻すと表れるブロッホウォールと呼ばれる配向欠陥についても考察した。
図4Aは、対向基板間に屈折率異方性Δnが0.15、液晶相−等方相転移温度が90℃以上の液晶材料を注入した状態を示す。特に配向欠陥は観察されない。この液晶セルを一旦等方相以上の120℃に加熱し、その後室温まで降温した。
図4Bは、等方相温度放置後再び室温に降温したサンプルの写真を示す。明かな配向欠陥(ブロッホウォール)が発生している。この欠陥はどの様な方法を取っても元に戻らない状態になる場合がある。液晶材料にカイラル剤が混入されていると、この配向欠陥はより顕著に表われる。又、基板にラビング処理を施すことによってもこの配向欠陥が発生しやすくなる傾向がある。
本発明者は、上述の配向膜の内、配向膜1、2、3、5及びJSR(株)製の有機物配向膜6、7を用い、ブロッホウォール配向欠陥及びラビング筋による表示欠陥を調べた。水とジオドメタン(又はジヨードメタン)を用い、配向膜6、7に対する接触角を測定し、配向膜6、7の表面自由エネルギを調べた。配向膜6の表面自由エネルギは33−34N/m、配向膜7の表面自由エネルギは36−37N/mであった。
ラビングは上述の表1の場合と同一条件で行った。液晶材料にはΔn=0.15、誘電率異方性Δε<0、液晶相−等方相転移温度100℃以上である液晶材料に、カイラルピッチpとセル厚dとの関係がd/p=0.4になるようにカイラル剤S‐811を添加したものを用いた。すなわち、カイラル剤の添加とラビングによりブロッホウォールが発生しやすい状態となっている。
図4Cの表2に示すように、配向膜1、2は、ラビング筋の欠陥を生じると共に、ブロッホウォールによる配向欠陥も生じる。これに対し、配向膜3、5は、ラビング筋による表示欠陥がないと共に、ブロッホウォールによる配向欠陥もない。新たに追加した配向膜6、7は、配向膜6がラビング筋、ブロッホウォールの配向欠陥を有するのに対し、配向膜7はラビング筋の表示欠陥が無く、ブロッホウォールの配向欠陥もない。
このように、ラビング筋による表示欠陥と、ブロッホウォールによる配向欠陥とは密接な関係を有している。ラビング筋による表示欠陥を抑制することが出来れば、ブロッホウォールによる配向欠陥も抑制することが可能となる。配向膜6は、表面自由エネルギが33−34N/mと低く、ラビング筋、ブロッホウォールを生じている。配向膜7は、表面自由エネルギが36−37N/mと高く、表示欠陥も、配向欠陥も生じていない。
以上のラビングはレーヨンのラビング布を用いて行った。耐久性の高い綿のラビング布を用いることができればより好ましい。そこでラビング布の条件を変えて、その影響を調べた。
図5Aは、用いたラビング布の特性をまとめて示す表である。ラビング布Aは、上述の配向膜1〜7の表示欠陥、配向欠陥の検証に用いたラビング布である。
ラビング布Bは、フィラメント本数がラビング布Aの約2倍程度に高くなる布の織り方がなされているヒロキ製の綿製ラビング布である。毛足は2.2mmであり、ローラ径はラビング布Aと同様約75mmである。
ラビング布Cは、材質がレーヨンであり、繊維の太さが著しく細く、フィラメント密度が非常に高く約80000本/cmである吉川化工製のラビング布であり、毛足は1.65mmである。ローラ径はラビング布A、Bと同様約75mmである。
ラビング布Dは、材質が綿でフィラメント密度がラビング布Bよりも若干高く(1割増し)、毛足が3.3mmと長くされた綿製ラビング布である。ローラ径は約140mmと大きくされている。
ラビング布Aを用いた時、配向膜3〜5、7は表示欠陥、配向欠陥を示さなかった。
ラビング布B、Cを用いた時、配向膜7を使用した液晶表示装置がどのように表示を行うかを調べた。
配向膜は、JSR製配向膜7をフレキソ印刷で塗布し、180℃で60分焼成した。ラビングは、ラビング布B、Cを用い、ローラ回転数500rpm、基板搬送速度50mm/sec、押し込み量0.2mmとした。2枚の基板を、ラビング方向がアンチパラレルになるようにセル厚5μmで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε<0のカイラル剤が混入されていない液晶材料を真空注入、封止した。
図5B、5Cは、このようにして作成した液晶セルに電圧を無印加の状態で斜め45度から観察した時の外観写真を示す。図1に示す素子構造の視角補償板は挿入していない。図5Bに示すように、ラビング布Bを用いた場合には、明かにラビング方向に沿った筋状のムラが観察される。図5Cに見られるように、ラビング布Cを用いた時にはラビング筋は全く観察されない。
綿製ラビング布Bは、レーヨン製ラビング布A、Cではラビング筋が生じない場合にもラビング筋を発生させてしまうことが分かる。ラビング布Bはラビング布Aの約2倍のフィラメント密度を有するが、材質が綿であるため、毛が硬くラビング筋を発生させてしまうものと考えられる。これに対し、ラビング布A、Cは、材質がレーヨンであり、柔らかいためラビング筋を発生させないものと考えられる。特にラビング布Cは高いフィラメント密度を有し、ラビング筋の発生抑制に効果的と考えることができる。ラビング布B、Cを用いたサンプルの外観観察から、ラビング布C使用のサンプルの方がプレティルト角が90度に近いと予想される。プレティルト角が90度に近い方がラビング筋が出難いとも考えられる。
さらに、写真では示さないが、ラビング布Dを用いたサンプルも形成した。ラビング布Dは、材質が綿であるが毛足が3.3mmと高くされフィラメント密度も若干高くされている。ラビング布Dを用いた場合、ラビング筋の発生は観察されなくなった。毛足が長くなったことにより、毛自体がソフトになったためと考えることができる。フィラメント密度は高く、毛が柔らかいソフトなタイプのラビング布がラビング筋除去に有効であると考えられる。
さらに、ナイロン製、ポリエステル製のラビング布も試験した。一般的にフィラメント密度が高いナイロン製はラビング筋の無い良好なラビング処理を実現可能であるが、静電気の発生が懸念される。静電気が発生すると、静電破壊により構造を破壊する可能性がある。従って、TFT基板を用いる場合にはナイロン製のラビング布は避けるべきであろう。ポリエステル製ラビング布は、ラビング筋の除去が可能であるが、ラビング条件が非常にシビアであり、量産性に乏しいと考えられる。このように、ラビングを行うラビング布は、材質の柔らかいレーヨン又は綿を用い、毛足は長く設定した方が好ましいと考えられる。レーヨンの場合は、毛足は1.6mm以上あれば有効であろう。綿の場合は、2.8mm以上の毛足が望ましいであろう。フィラメント本数はレーヨンの場合は20000本/cm以上、綿の場合は約50000本/cm以上が好ましいであろう。
綿のラビング布を用いても、毛足を2.8mm以上、フィラメント密度を50000本/cm以上とすれば、ラビング筋を生じないラビングが可能であろう。
次に、ラビング布ローラの回転数及び押し込み量による影響を調べた。配向膜としてはJSR製配向膜7を用い、フレキソ印刷で塗布した後180℃で60分焼成した。ラビング布は吉川化工製レーヨン製ラビング布Cを用い、押し込み量を0〜0.3mm、ローラ回転数を500〜1500rpmの間で変化させた。ラビングを行った2枚の基板をアンチパラレルの関係でセル厚5μmで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε<0の液晶材料を真空注入した。注入後、注入口を封止し、120℃で60分間の熱処理を行ったサンプルも作成した。
図6Aは、熱処理を行なわなかった場合のサンプルの結果を示す。回転数が高くなるほど、押し込み量が大きくなるほど、プレティルト角は減少する傾向が明らかに観察される。
図6Bは、熱処理を行ったサンプルの結果を示す。回転数が高くなるほど、押し込み量が大きくなるほど、プレティルト角が減少する傾向は図6Aの場合と同様であるが、プレティルト角自身がより90度に近い値を保っている。120℃の熱処理を行うことにより、プレティルト角は上昇する傾向がある。ここで、熱処理を行わないサンプルの一部には、電圧印加時にラビング筋による表示欠陥が観察されることがあったが、熱処理を行ったサンプルではそのような表示欠陥は全く観察されなかった。ラビング処理に若干の処理ムラがあり、プレティルトのムラが生じても、熱処理を行なうとそのムラが解消され、ラビング筋が消滅すると考えられる。すなわち、熱処理はプレティルト角を上昇させるが、処理ムラを解消する傾向がある。
熱処理及び押し込み量の影響を他の場合についても検討した。図7Aは、日産化学工業製配向膜5を用い、ラビング布Cでラビングを行った場合を示す。押し込み量は0.2mm〜0.4mmの範囲で変化させ、熱処理無し、120℃熱処理、130℃熱処理の場合を調べた。基板搬送速度は30mm/sec、ローラ回転数は1500rpmとした。基板はアンチパラレルの関係でセル厚5μmで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε<0の液晶材料を真空注入した。熱処理を行った場合の時間は60分間である。押し込み量増加によりプレティルト角の減少が観察されるが、熱処理を行った場合には減少の程度が少なくなる。特に120℃の熱処理の場合、押し込み量による変化は極めて少ない。前述の配向膜7の場合と同様、熱処理を行なわない場合には表示欠陥が発生する場合があるが、熱処理を行ったサンプルにおいては表示欠陥は全く観察されなかった。
図7Bは、上述の配向膜5を用い、ラビング布としてヒロキ製ラビング布Dを用いた場合の結果を示す。垂直配向膜5をフレキソ印刷で塗布し、180℃で60分焼成した。ヒロキ製ラビング布Dを用い、ローラ押し込み量を0.2〜0.8mmの間で変化させた。ローラ径は約140mmであり、ローラ回転数は1200rpm、基板搬送速度は50mm/secとした。基板をアンチパラレルになるように対向させ、セル厚4μmで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε<0の液晶材料を真空注入した。真空注入後、封止した後、120℃で60分の熱処理を行った。図7Bが押し込み量に対するプレティルト角変化の結果を示す。押し込み量増加によりプレティルト角がほぼ線形に低下していることが分かる。熱処理を行った全てのサンプルにおいて外観観察よりラビング筋による表示欠陥は観察されなかったことが確認された。
このように、配向膜をラビングし、液晶を注入した後、等方相以上の温度で熱処理を行うと、ラビング筋の欠陥が解消されることが確認された。従って、熱処理は必ず行なうことが望ましい。
次に、プレティルト角により液晶の光学的特性がどのように変化するかを調べた。配向膜としてはJSR製配向膜7を用い、フレキソ印刷で塗布した後、180℃で60分焼成した。
ラビングは、吉川化工製ラビング布Cを用い、ローラ回転数500〜1500rpm、押し込み量0.15〜0.5mmの間で変化させた。ローラ径は約75mm、基板搬送速度は50mm/secである。2枚の基板をアンチパラレル配向になるように対向させ、セル厚5μmで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε<0の液晶材料を真空注入した。封止後、液晶材料が等方相となる120℃で60分間の熱処理を行った。作成した素子のプレティルト角をクリスタルローテンション法で測定し、大塚電子製LCD5000AGSで電気光学特性を測定した。測定時に用いた偏光板は偏光プリズムで、透過率100%を偏光プリズムがパラレルニコルの場合と定義した。
図8Aは、電気光学特性における最大透過率Tmaxのプレティルト角依存性を示す。プレティルト角が90度から減少するにつれて、最大透過率Tmaxは急激に増加する。この範囲で素子外観を観察すると、閾値電圧以上でリバースティルト欠陥による表示ムラが観察された。
89.7度未満の領域においては、リバースティルト欠陥は観察されなかった。89.7度以下の領域において、特に、89.5度以下の領域において、プレティルト角低下と共に全体的に最大透過率が緩やかに低下する傾向が見られる。但し、この領域において外観的には均一な配向が得られており、表示欠陥は見られなかった。89.5度以下の領域を採用すれば、安全に欠陥のない表示を得やすいであろう。なお、ローラ回転数による差はほとんど認められない。
図8Bは、最大透過率Tmaxを100%とした時、透過率が5%に達する時の印加電圧V5のプレティルト角に対する関係を示す。5%時印加電圧V5は、プレティルト角の減少に伴い、ほぼリニアに減少する傾向が見られた。駆動電圧を低減化するためには、プレティルト角を小さく設定する(90度に近くなる様に設定する)方が有利である。
図8A、8Bの結果からは、プレティルト角は89.7度以下に設定することが好ましく、より安全には89.5度以下に設定することが望ましい。
次に、設計上設定したプレティルト角を実現するために、製造上のパラメータをどのように制御すべきかの観点から押し込み量、熱処理温度を変えた時のプレティルト角とV5およびプレティルト角とコントラスト(CR)の関係を調べた。
垂直配向膜として日産化学製配向膜5を用い、フレキソ印刷で塗布後、180℃で60分焼成した。ラビングは、吉川化工製ラビング布Cを用い、押し込み量を0.3〜0.5mmの間で変化させた。ラビングした基板をアンチパラレル配向になるように対向させ、4μmのギャップで貼り合わせ、Δn=0.15、Δε>0の材料を真空注入して封止した。その後、110〜130℃で60分の熱処理を行った。なお、熱処理を行わない素子も作成した。作成後、素子のプレティルト角と電気光学特性を測定した。
図9Aは、プレティルト角に対する電気光学特性におけるV5の変化を示す。サンプルとしては熱処理なし、熱処理110℃60分、120℃60分、130℃60分の4種類に分類して示す。グラフから明らかなように、全サンプルの測定点はほぼリニアな関係を示す直線上にばらついており、プレティルト角が小さく、V5が低い領域から熱処理なし、110℃熱処理、120℃熱処理、130℃熱処理の順に並んでいる。この結果からは熱処理温度を制御することにより、押し込み量が変化してもほぼ所望のプレティルト角が得られ、それに関連するV5が得られることが推測される。熱処理は、上述のように表示欠陥回復の機能を有するため、必ず行なうことが望ましい。熱処理を行なった場合、プレティルト角の設定範囲はほぼ88.4度〜89.6度の範囲であれば熱処理温度により制御することが可能である。他の条件も制御することにより、88.4度〜89.7度の範囲で制御することが可能であろう。
図9Bは、1/8デューティ、1/4バイアスマルチプレックス駆動の場合の実験結果を示す。駆動電圧(ピーク電圧)は8.1V、駆動周波数120Hzとし、選択非選択電圧間のコントラスト(CR)のプレティルト角依存性を評価した。プレティルト角が88.5未満になると、コントラストCRが100を下回る可能性が増大する。100以上のコントラストを実現するためには、プレティルト角は88.5度以上に設定することが好ましい。平均的には、処理温度が高いほうが高いコントラストが得易い傾向を示している。
以上、液晶層を挟持する2枚の基板のそれぞれに垂直配向膜を形成し、同様にラビング処理を行う場合を説明した。ラビング処理を一方の基板のみに行うことも可能である。
図10は、一方の基板のみにラビング処理を行った液晶表示装置の構成を概略的に示す。図1に示す構成と異なるところは、第2の基板2の垂直配向膜27はラビング処理されていない点である。従って、第1の基板に接する液晶分子は、プレティルト角19を示すが、第2基板の垂直配向膜27に接する液晶分子は基板表面に垂直に立つ。液晶層の厚さ方向でプレティルト角がリニアに変化するとすれば、液晶層の中央で図1の構成と同様のプレティルト角を得ようとすると、第1の基板の配向膜15の与えるプレティルト角は、図1の構成の倍の傾きが必要となる。従って、両方の基板にラビングを行なう場合、プレティルト角としては88度〜89.5度が好ましい場合、図10に示す構成においては、プレティルト角としては87度〜89度が好ましい。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、液晶の駆動方式は種々可能である。図11(A)はセグメント型の電極例を示す。7つのセグメント電極31が平面状の対向電極32と対向し、セグメント形状の表示を行う。図11(B)は、単純マトリックス型の電極例を示す。平行に配置された複数のセグメント電極33と平行に配置された複数のコモン電極34が直交ないし交差して配置されている。図11(C)は、アクティブマトリックス型の電極例を示す。アクティブマトリックス基板上には走査線(ゲート配線)35とデータ線(ドレイン配線)36が交差するように配置され、各交点に薄膜トランジスタ37、画素電極38が接続されている。コモン基板上にはコモン電極39が形成されている。その他、垂直配向モード液晶表示装置として公知の構成を種々採用することが可能である。その他、種々の変更、改良、組合わせが可能なことは当業者に自明であろう。
垂直配向液晶表示装置の構成を概略的に示す断面図である。 図1に示す液晶表示装置の製造方法の主要工程を概略的に示す断面図である。 液晶表示装置のサンプルの写真である。 液晶表示装置のサンプルの種類と実験結果を示す表である。 液晶表示装置のサンプルの写真である。 液晶表示装置のサンプルの写真である。 液晶表示装置のサンプルの写真である。 液晶表示装置のサンプルの実験結果をまとめて示す表である。 ラビング布の種類を示す表である。 ラビング布による液晶表示装置の表示例を示す写真である。 ラビング布による液晶表示装置の表示例を示す写真である。 ラビング条件によるプレティルト角の変化を示すグラフである。 ラビング条件によるプレティルト角の変化を示すグラフである。 最大透過率Tmaxのプレティルト角に対する関係を示すグラフ及び5%透過時の印加電圧V5のプレティルト角に対する関係を示すグラフである。 電気光学特性における5%透過時印加電圧V5及びコントラストCRのプレティルト角に対する関係を示すグラフである。 他の垂直配向モードによる液晶表示装置の構成を示す概略断面図である。 異なる駆動形式の液晶表示装置を概略的に示す平面図である。
符号の説明
1、2 基板
3 液晶層
11、21 偏光板
12、22 視覚補償板
13、23 透明基板
14、24 透明電極
15、25 高分子垂直配向膜
18、28 ラビング方向
19、29 プレティルト角
27 (ラビング処理をしていない)高分子垂直配向膜

Claims (20)

  1. 対向配置された第1および第2の基板と、
    前記第1および第2の基板の対向表面上に形成され、プレティルト付与用のラビング処理が行われ、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mである第1および第2の垂直配向膜と、
    前記第1および第2の基板間に挟持されたプレティルト角を有する垂直配向モードの液晶層と、
    を有する液晶表示装置。
  2. 表示状態において、ラビング筋も配向欠陥も有さない請求項1記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1および第2の垂直配向膜が、ポリイミドまたはポリアミック酸を主鎖骨格に有する有機高分子材料で形成されている請求項1または2記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶層は前記第1および第2の垂直配向膜表面で88.4度以上、89.7度未満のプレティルト角を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶層は前記第1および第2の垂直配向膜表面で88.5度〜89.5度のプレティルト角を有する請求項4記載の液晶表示装置。
  6. 前記第1の垂直配向膜のラビングと前記第2の垂直配向膜のラビングがアンチパラレル配向である請求項1〜5のいずれか1項記載の液晶表示装置。
  7. 前記液晶層は素子を液晶の等方相温度以上に昇温後、冷却して液晶相にもどした時液晶配向に欠陥が生じない請求項1〜6のいずれか1項記載の液晶表示素子。
  8. 対向配置された第1および第2の基板と、
    前記第1の基板の対向表面上に形成され、プレティルト付与用のラビング処理が行われ、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mである第1の垂直配向膜と、
    前記第2の基板の対向表面上に形成され、ラビング処理されていない、表面自由エネルギが35N/m〜39N/mである第2の垂直配向膜と、
    前記第1および第2の基板間に挟持された垂直配向モードの液晶層と、
    を有する液晶表示装置。
  9. 前記液晶層は前記第1の垂直配向膜表面で87度〜89度のプレティルト角を有する請求項8記載の液晶表示装置。
  10. 前記第1および第2の垂直配向膜が、ポリイミドまたはポリアミック酸を主鎖骨格に有する有機高分子材料で形成されている請求項8または9記載の液晶表示装置。
  11. (a)第1および第2の基板の表面上に表面自由エネルギが35N/m〜39N/mの第1および第2の垂直配向膜を形成する工程と、
    (b)前記第1および第2の垂直配向膜にラビング処理を行う工程と、
    (c)前記第1の基板と前記第2の基板とを対向させ、その間に垂直配向液晶層を配置した液晶セルを形成する工程と、
    を含む液晶表示装置の製造方法。
  12. さらに、前記工程(c)の後、
    (d)前記液晶セルに対して、液晶相−等方相の相転移温度以上の温度で熱処理を行う工程、
    を含む請求項11記載の液晶表示装置の製造方法。
  13. 前記工程(b)は、綿またはレーヨンのラビング布を用いて行われる請求項11記載の液晶表示装置の製造方法。
  14. 前記ラビング布は、綿の場合は2.8mm以上の毛足と50000本/cm以上のフィラメント密度を有し、レーヨンの場合は20000本/cm以上のフィラメント密度を有する請求項13記載の液晶表示装置の製造方法。
  15. 前記工程(b)および(d)は、前記液晶層が前記第1および第2の垂直配向膜表面で88.5度〜89.5度のプレティルト角を有するように設定されている請求項12〜14のいずれか1項記載の液晶表示装置。
  16. 前記工程(c)において、前記第1の基板と前記第2の基板とが、ラビング方向に関して、アンチパラレルの方向で対向させられる請求項11〜15のいずれか1項記載の液晶表示装置の製造方法。
  17. (a)第1の基板の表面上に表面自由エネルギが35N/m〜39N/mの第1の垂直配向膜を形成する工程と、
    (b)前記第1の垂直配向膜にラビング処理を行う工程と、
    (c)第2の基板の表面上に表面自由エネルギが35N/m〜39N/mの第2の垂直配向膜を形成する工程と、
    (d)前記第2の垂直配向膜はラビングしない状態で、前記第1の基板と前記第2の基板とを対向させ、その間に垂直配向液晶層を配置した液晶セルを形成する工程と、
    を含む液晶表示装置の製造方法。
  18. さらに、前記工程(d)の後、
    (e)前記液晶セルに対して、液晶相−等方相の相転移温度以上の温度で熱処理を行う工程、
    を含む請求項17記載の液晶表示装置の製造方法。
  19. 前記工程(b)は、綿またはレーヨンのラビング布を用いて行われ、 ラビング布は、綿の場合は2.8mm以上の毛足と50000本/cm以上のフィラメント密度を有し、レーヨンの場合は20000本/cm以上のフィラメント密度を有する請求項18記載の液晶表示装置の製造方法。
  20. 前記工程(b)および(e)は、前記液晶層が前記第1の垂直配向膜表面で87度〜89度のプレティルト角を有するように設定されている請求項18または19記載の液晶表示装置。
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