JP2002244138A - 高コントラスト比液晶表示素子の製造方法 - Google Patents
高コントラスト比液晶表示素子の製造方法Info
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Abstract
子の作製において、コントラスト比低下の原因となるジ
グ−ザグ欠陥及びヘアピン欠陥の発生を抑えて少なくと
もコントラスト比が200:1程度またはそれ以上とな
るC−2一様相を再現性よく実現する。 【解決手段】無欠陥強誘電性液晶(FLCD)ディスプ
レイを作製する工程において、TFTなどの駆動用半導
体素を備えた基板1a側は光配向により液晶分子を配向
し、それに対向する基板1b側はラビング処理により液
晶を配向する。また、液晶配向膜4a、4b及びその下
地となる透明導電膜3a、3bそれぞれの表面構造の表
面粗さを少なくともRMS値で1nm程度またはそれ以
下、前記表面構造の傾き角を2°程度あるいはそれ以
下、また、前記表面構造の周期を50nm程度またはそ
れ以下とするように平滑化処理を行う。
Description
に強誘電性液晶電気光学または表示素子において高いコ
ントラスト比を実現するための製造方法に関する。
れた強誘電性液晶表示素子〔特開昭56−107216
号公報〕は双安定性を示し、且つ高速度応答であるため
動画表示用液晶表示素子として期待されてきた。しか
し、ジグ−ザグ欠陥という欠陥が生じ易く、そのため光
漏れが生じ高コントラスト比の液晶の表示を実現するの
が難しかった。過去においてもC−1及びC−2一様
相の定義(J.Kanbeet al:Ferroel
ectrics,114,3−26,1991;M.K
oden et al:Jpn.J.Apple.Ph
ys.31,3632−3635(1992)、プレ
ティルトの値(Kanbe et al;Koden
et al;P.Watson,P.J.Bos;Ph
ys.Rev.E56 R3769−R3711(19
97))、配向膜表面の粗さの関係(P.Watso
n,P.J.Bos;H.Furue et al;M
ol.Cryst.Liq.Cryst.,32
8))、光配向技術(R.Kurihara et
al:SID Digest of Tech.Pap
ers 30,807−809(2000))について
の報告はある。しかしこれら〜はそれぞれ断片的で
あり、そしてかつそれらの一つのみまたは一部のみが充
足してもC−1、C−2一様相は作り出すことは出来な
い。またアクティブマトリクス駆動表示装置に対するよ
り進んだ対応はなされていない。高性能アクティヴマト
リクス強誘電性液晶素子を製作するためには総合的対策
と新規な技術的アプローチを採用する必要がある。
の二次元アレイの基板を持った強誘電性液晶ディスプレ
イにおいて、無欠陥C−2一様状態を実現し望ましくは
200:1以上のコントラスト比を得るために断片的で
なく総括的な必要事項に漏れがない実際的な製造方法を
提供することにある。
決するために広くかつ深く研究を進め、1)TFTまた
はC−MOSなどの駆動素子側の基板は光配向処理し、
他方の基板はラビング配向処理を行う、2)ポリイミド
などの液晶配向膜の表面構造の粗さ、傾き角及び周期の
値に一定の許容値以下に抑えたときある大きさのコント
ラスト比を得ることができる、3)配向膜の下地となる
透明導電膜についても、表面構造の粗さ、傾き角、周期
の値を一定の許容値以下に抑える必要がある、4)さら
に無欠陥C−2相を実現するためには、極角アレカリン
グエネルギーAθ、方位角アレカリングエネルギー
Aψ、プレティルト角、液晶層の厚さ及び弾性定数に特
定な許容値または許容範囲がある。そしてなおかつ、こ
れら2)〜4)の項目
ならない。
法、(B)光配向法、および(C)ラビング法と光配向
法の組合せとあるが、これらのうち(A)と(B)はそ
れ自体、公知であるので本発明では(C)のみとした。
ただし、(A)および(B)の液晶配向法を用いた場合
でも
事柄を総合的に明らかにし上記課題を解決できることを
見出し本発明を提供するに至った。
とC−2の層構造を、さらに図3にC−2相における界
面近傍の液晶分子に関する角度の関係を示す。
液晶素子表示を得る方法において、TFTやC−MOS
など駆動素子が二次元的に配置されている基板側では液
晶分子の配向法として光配向法を用い、またそれと対向
する基板ではラビング配向法を用いる。
ントラスト比が200:1程度またはそれ以上となるよ
うな無欠陥C−2一様相を得るためには、プレティルト
角θP、相傾き角δ、コーン角θCの間にθP<θC−
δの関係を満足していなければならない。この意味でプ
レティルト角θP=0.3°〜2°位となるようにす
る。これは高分子配向膜を選ぶことにより光配向法でも
ラビング法でも共に可能である。これらの記号を記入し
たC−2一様相の液晶分子(ダイレクターn)、基板面
Z方向、層傾き角δ、プレティルト角θP、コーン角θ
C、ダイレクターの方位角Ψなどを図3に示す。
ト比が200:1程度またはそれ以上となるような無欠
陥C−2一様相を得るためには極角アンカリングエネル
ギーを10−4J/m2程度またはそれ以上とする。
スト比が200:1程度またはそれ以上となるような無
欠陥C−2一様相を得るためには方位角アンカリングエ
ネルギーを2×10−6J/m2程度またはそれ以上と
する。
ト比が200:1程度またはそれ以上となるような無欠
陥C−2一様相を得るためには下地の透明導電膜と液晶
配向膜を含めた形で、配向膜の構造表面の粗さはRMS
値で1nm程度またはそれ以下、表面構造の傾き角2°
程度またはそれ以下、そして構造の周期は50nm程度
またはそれ以下とする必要がある。
図1に示す。液晶セルは2枚の偏光板6a,6bに挟ま
れている。下方の基板には薄膜トランジスタQ(TF
T)7と画素電極PX3a配置された例を示している。
上下基板それぞれに液晶配向膜4a,4bが塗布されて
いる。
のポリイミドRN1199を用いた。下方のTFTを配
置した方の配向膜4aは紫外線斜方照射により光配向処
理を行った。紫外光の照射条件は波長340nm、照射
エネルギーは200J/cm2である。この様な照射で
プレティルト角約1.5°〜2°を持った一様な強誘電
性液晶の配向が得られる。また上方の配向膜はラビング
処理され、方位角アンカリング強度1〜5×10−4J
/m2程度の強い配向を得ることができる。この様なハ
イブリッド型の配向処理をすることにより光配向の長所
を生かすことができる。その長所は、静電気の発生が
なくTFTの破壊がない、塵の発生がなく工程の管理
が容易である。一方、光配向はラビング処理と比較して
方位角アンカリングが弱いという点は上方配向膜の強い
アンカリングで補うことができ液晶相2を無欠陥C−2
一様相とすることができる。
を行った。それらのうち良好な結果を得た強誘電性液晶
材料を挙げると、FELIXM−4851−100(ク
ラリアントジャパン)及びCS1014(チッソ石油化
学)であった。
1〜8を満たすように予め整調された。そのため必要に
応じて透明導電膜3a,3b、カラーフィルター5に平
滑処理を施した。なおフィールドシークェンシャルフル
カラー表示方式ではカラーフィルター5は不要である。
説明する。
る液晶表示素子は一対の透明基板(たとえばガラス基
板)1a,1bで液晶セルを構成し、その内部に液晶層
2(この場合は強誘電性液晶スメクティックC*相)を
保持する。上下の基板には透明電極3a(PX),3b
を配置し液晶に電圧を印加する。透明導電膜として通常
ITOを用いる。
bが塗布されている。
いる。フィールドシークェンシャル方式ではカラーフィ
ルターは不要である。アクティヴマトリクス表示では薄
膜トランジスタ(TFT)Q(7)、ピクセル電極PX
(3a)、ブラックストライプB5が用いられる。TF
Tの代わりに結晶シリコントランジスターなどを用いて
もよい。液晶表示として用いるための2枚の基板と液晶
よりなるセルを2枚の偏光板6a,6bに挟んだ形で用
いられる。反射型で用いるときは下側の基板1aの上に
光反射板を配し、偏光板は一枚でよい。
electric LiquidCrystal=FL
C)セルの断面図を示している。ラビング方向または光
配向方向を8a,8bの矢印のようにとると、液層分子
9は折れ曲がった層構造(シェブロン型)10をとる。
なるようにとると、上下の基板においてプレティルト角
11a,11bが生じる。プレティルトの方向は矢印8
a,8bの方向に立ち上がる方向をとる。シェブロン層
の傾きの角度はδ 12で示されている。
の向きとの関係でC−1相13とC−2相14が生じ
る。一般にC−2相の方がC−1相より安定であるので
本発明はC−2一様相を得ることを目的としている。
が生じ、それらは稲妻欠陥(またはジグザグ欠陥)15
およびヘアピン欠陥16を生じる。これらの欠陥は液晶
セルを2枚の偏光板で挟んで用いたとき光漏れが生じコ
ントラスト比を低下させてしまう。
の駆動用半導体素が付いた側をラビングなしの光配向を
用いて配向し、対向する側をラビング処理を施すことに
より、これら2種類の配向法の長所を生かした形で用い
られている。液晶層の厚さ17に比べて界面配向層の厚
さはほぼ10nm位で極めて薄い。
るいろいろな液晶分子に関する角度関係を示している。
n18は液晶分子のダイレクター18であり、プレティ
ルト角が19である。シェブロン傾き角はδ 20であ
る。セルの基板方向がZ21、セル基板垂直方向がY2
2である。FLC分子はコーン23の上を動く、そのと
き分子ダイレクターn18の一方の端が原点024の方
向に向かうような状態を保ちながら動く、そしてコーン
角がθC25である。また液晶分子の方位角はΨ 26
である。
ベクトル27が回転し角度φ28を変える形で生じる。
そのとき自発分極P29が反転する形となる、これが強
誘電性液晶の分極反転スウィッチングである。
べられているように、FLCDにおいて、少なくともコ
ントラスト比が200:1またはそれ以上となるような
C−2一様相を得るために、1)光配向とラビング配向
の組合せ、2)透明導電膜図1の3a,3bの表面粗さ
または平坦性に対する数値的必要条件、3)液晶配向膜
4a,4bは目的とする方向に、目的とする値をもつプ
レティルト角(図2,11a,11b)、(図3,1
9)を生じ、かつ液晶配向膜の表面の粗さまたは平坦性
にある数値的条件が付される。4)極角(それはプレテ
ィルト角の方向にとった角度)(図3,19)、方向ア
ンカリングエネルギーおよび方位角(図3,26方向)
のアンカリングエネルギーに数値的条件が付けられる。
これらの条件は請求項1〜8に数値的に述べられてい
る。そして請求項1〜8が同時に満足しなければならな
い。
膜として日産化学工業のポリイミドRN1199、また
強誘電性液晶としてクライアントジャパン社のFELI
XM−46540100,FELIXM−4851−1
00,およびチッソ石油化学のCS1014を用いてC
−2一様相を得ることができた。
表示素子は一般的にはジグ−ザグ欠陥が発生し易く、そ
のため光漏れが生じて高いコントラスト比を得るのが難
しい。本発明はコントラスト比200:1程度またはそ
れ以上の強誘電性液晶電気光学素子及び表示素子を総括
的かつ総合的な方法により実現する。
ある。
ピン欠陥の分子構造を示す。
晶分子に係わる角度の関係を示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 少なくても一方の透明基板にその基板
面内の所定の方向にスメクティック液晶、カイラルスメ
クティック液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶分子を
配向させる積極的配向構造を有する一対の透明基板また
は一方が透明基板となる一対の基板と、前記一対の基板
間に挟まれた液晶層とを有し、液晶の配向に極力欠陥が
生じないようにした液晶表示素子。 - 【請求項2】 前記積極的配向構造は一対の高分子配
向膜または無機配向膜であり、それら配向膜の一方たと
えばTFTやC−MOSなどの駆動素子側の配向膜は光
配向処理され、もう一方の配向膜はラビング処理されて
いる。この二つの配向方法を組合せて用いる方式は液晶
として強誘電性液晶のみならず他の液晶たとえばネマテ
ィック液晶を用いた場合にも適用できる。 - 【請求項3】 液晶セル内においてその厚さが1μm
〜2μm程度である強誘電性液晶に生じるジグ−ザグ欠
陥の発生を抑えてC−2一様相を作り、少なくともコン
トラスト比を200:1程度またはそれ以上とするため
に高分子配向膜の下地となるたとえば透明導電膜ITO
の表面粗さは少なくともRMS値で1nm程度またはそ
れ以下、表面構造の傾き角2°程度またはそれ以下、ま
た構造の周期は50nm程度またはそれ以下とする。こ
れらの条件を満たすために必要に応じて平滑化処理を行
う。 - 【請求項4】 液晶セル内においてそこに介在する液
晶層の厚さが1μm〜2μm程度である強誘電性液晶に
生じるジグ−ザグ欠陥の発生を抑えC−2一様相を作
り、少なくともコントラスト比を200:1以上とする
ために少なくとも高分子配向膜の粗さはRMS値で少な
くとも0.5nm程度またはそれ以下、傾き角1°程度
またはそれ以下、周期100nm程度またはそれ以下と
する。 - 【請求項5】 上記請求事項1〜4の条件下で、方位
角アンカリングの強度は10−4J/m2程度またはそ
れ以上の強いアンカリングであることが望ましい。 - 【請求項6】 上記の請求事項1〜5の条件下で極角
方向のアンカリング強度は10−5J/m2程度または
それ以上の強いアンカリングとする。 - 【請求項7】 上記の請求項1〜6の条件下で光配向
のアンカリング強度も強く10−4J/m2程度である
ことが望ましいが、光配向の方位角アンカリング強度は
10−5J/m2〜10−6/m2程度でも止むを得な
いとする。このようなアンカリングエネルギーに対応し
てC−2一様相を与えるための液晶材料の弾性エネルギ
ー値はほぼ1×10−12N〜5×10−12Nの範囲
である。 - 【請求項8】 上記請求項1〜7が一つまたは一部の
みが充足されただけでは充分でなく、1〜7の事項がす
べて同時に満足されること。
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JP2001086398A JP2002244138A (ja) | 2001-02-16 | 2001-02-16 | 高コントラスト比液晶表示素子の製造方法 |
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