JP2007094020A - 液晶表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自発分極を持つ液晶材料を用いた液晶表示装置において、ディスクリネーションやジグザグ配向欠陥の発生が少なく、広い温度範囲にわたって高コントラスト表示を可能とする液晶表示装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一方の基板12に液晶駆動用電極26が形成された一対の基板12,13を有し、その基板12,13間に自発分極43を持つ液晶材料14が封入されている。液晶材料の液晶分子41は、液晶駆動用電極26に電圧を印加しないときには光学的に等方配向し、液晶駆動用電極26に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起され、その一軸配向の軸方向が前記電圧の大きさに応じて連続的に回転し、その回転の方向が前記電圧の極性によって異なるものである。
【選択図】図2

Description

本発明は、液晶表示装置に関し、更に詳しくは、広告等のインフォメーションディスプレイ又は高品位な動画表示を可能とするパソコン用のモニター若しくはテレビ等の液晶表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、低電圧・低消費電力、薄型・軽量であるという特徴から、パーソナルコンピュータのモニター等のOA機器やテレビジョン等に広く普及している。液晶表示装置としては、種々の装置が知られており、例えば、2枚の基板間で液晶分子の配向処理方向が90°捻れたツイステッド・ネマチック(TN)液晶表示装置、ネマチック液晶分子が基板に対して垂直配向するバーチカル・アライメント(VA)液晶表示装置、ネマチック液晶分子が基板に対して水平配向するインプレーン・スイッチング(IPS)液晶表示装置等が実用化されている。
しかし、TN液晶やVA液晶等の液晶表示装置は、ネマチック液晶を使用しているため、応答時間が遅く、高速動画表示を行おうとすると、残像が残り、高品位な画像表示が難しいという問題がある。
液晶の応答特性を改善するために、最近、ネマチック液晶のベンド配向を利用するオプティカリー・コンペイセイテッド・バイアフリンジェンス(OCB)液晶表示装置等が実用化されている。しかし、液晶の応答時間が数ミリ秒と従来のTN液晶等よりも短縮しているものの、60Hzのフレーム周波数への追随性が十分でなく、動画表示性能を大幅に改善するには至っていない。
一方、カイラルスメクチックC相からなる液晶層での液晶分子が基板に対して平行配向する表面安定化強誘電性液晶を用いた液晶表示装置も実用化され始めている。ここで用いられる表面安定化強誘電性液晶は、その液晶分子が自発分極を持ち、印加電界はその自発分極に大きなトルクを及ぼす。このときのトルクは、従来のネマチック液晶が誘電異方性に及ぼすトルクと比較して数百倍の大きさとなるので、用いられる表面安定化強誘電性液晶の液晶分子は、1ミリ秒以下の応答時間を有する。したがって、表面安定化強誘電性液晶を用いた液晶表示装置は、従来のネマチック液晶を用いた液晶表示装置では困難であった高品位な動画表示を可能とする。
また、上記表面安定化強誘電性液晶を用いた液晶表示装置と同様に高速応答する液晶表示装置として、基板に対してスメクチック層面が平行配列をとり、液晶分子がおおむね垂直配向している強誘電性液晶を用いた液晶表示装置が提案されている(例えば、非特許文献1を参照)。
M.Ozaki, et.al., Jpn.J.Appl.Phys., Vol.30, 2366(1991).
上述したように、高速応答性を有する表面安定化強誘電性液晶を用いた液晶表示装置は、その液晶分子が自発分極を持つため高速応答性に優れると共に、高速動画表示を可能とする高いポテンシャルを有している。
しかしながら、表面安定化強誘電性液晶は、原理的に双安定表示に適しており、薄膜トランジスタによるアクティブマトリックス方式の駆動法で要求される連続階調性を得難いという問題がある。さらに、表面安定化強誘電性液晶を用いた液晶素子においては、スメクチック層の変形に伴ったジグザグ状の配向欠陥が生じ易く、高コントラスト表示を得ることが難しいという問題がある。また、表面安定化強誘電性液晶であっても、単安定配向という連続階調が得られる方法が提案されているが、電圧を印加しながら徐冷する必要があるなど、液晶表示装置の作製プロセス上解決すべき課題が残されている。
一方、非特許文献1で提案されたように、垂直配向した強誘電性液晶を用いた液晶表示装置においては、スメクチック層は基板とほぼ平行に配列し、液晶分子は層の法線方向から一定の角度傾いた配列をしている。そのため、表面安定化強誘電性液晶のようなジグザグ状の欠陥が生じ難いので、透過光の損失が少なく高コントラストが得られ易いという特徴がある。
しかしながら、その表面安定化強誘電性液晶はカイラルスメクチックC相において、液晶分子が基板の垂直方向からチルトするために、ディスクリネーションが発生し易く、コントラストが低下したり、温度変化によるコントラスト変化が大きいという問題がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、自発分極を持つ液晶材料を用いた液晶表示装置において、ディスクリネーションやジグザグ配向欠陥の発生が少なく、広い温度範囲にわたって高コントラスト表示を可能とする液晶表示装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る液晶表示装置は、少なくとも一方の基板に液晶駆動用電極が形成された一対の基板を有し、当該基板間に自発分極を持つ液晶材料が封入されてなる液晶表示装置であって、前記液晶材料の液晶分子は、前記液晶駆動用電極に電圧を印加しないときには光学的に等方配向し、前記液晶駆動用電極に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起され、当該一軸配向の軸方向が前記電圧の大きさに応じて連続的に回転し、当該回転の方向が前記電圧の極性によって異なることを特徴とする。
この発明によれば、液晶駆動用電極に電圧を印加しないときには液晶分子は光学的に等方配向し、液晶駆動用電極に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起される、自発分極を持つ液晶材料が基板間に封入されているので、電圧の大きさを変化させることにより、その電圧の大きさに応じて、一軸配向の軸方向を所定の角度で回転させることができ、優れた階調表示を行うことができる。本発明で用いられる液晶材料は、電圧の印加時・無印加時に上記のような配向挙動を示すので、ディスクリネーションやジグザグ配向欠陥の発生が少なく、広い温度範囲にわたって高コントラスト表示が可能となる。
本発明に係る液晶表示装置においては、前記液晶材料が相転移系列にネマチック相及びスメクチック相を少なくとも有することを特徴とする。また、前記液晶材料が、スメクチック相からなるスメクチック液晶層で構成されたものであり、当該スメクチック液晶層が前記一対の基板と略平行になっていることを特徴とする。
また、本発明に係る液晶表示装置においては、前記液晶分子の自発分極の大きさが10nC(ナノクーロン)/cm以上であることが望ましい。こうした自発分極を持つ液晶材料は、電圧無印加時に液晶分子が光学的に等方配向するので、透過光漏れが無く、最暗状態を得易くなる。なお、前記液晶材料は、強誘電性液晶又は反強誘電性液晶であることが望ましい。
さらに、本発明に係る液晶表示装置においては、前記一対の基板には垂直配向膜が形成されており、前記ネマチック相の温度範囲において、前記液晶分子が垂直配向するように構成することが好ましい。
また、本発明に係る液晶表示装置においては、前記液晶駆動用電極が形成された一方の基板には、前記液晶分子を駆動するための薄膜トランジスタが形成されているように構成することが好ましい。
本発明の液晶表示装置によれば、同一基板上に形成された液晶駆動用電極間に電圧を印加して発生させた横電界によって、高速に液晶分子を駆動することができる。その結果、薄膜トランジスタによるアクティブマトリックス駆動により、階調表示が可能な高品位で高応答の動画表示を行うことができる。さらに、本発明の液晶表示装置によれば、配向欠陥のない均一な液晶配向を実現できるので、広い温度範囲にわたって高品位な動画表示を行うことができる。
こうした本発明の液晶表示装置は、広告等のインフォメーションディスプレイ又は高品位な動画表示を可能とするパソコン用のモニター若しくはテレビ等の液晶表示装置として好ましく用いることができる。
以下に、本発明の液晶表示装置について図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す実施形態はその一例であって、本発明の要旨を有していれば以下の実施形態に限定されないことは言うまでもない。
(液晶表示装置)
本発明の液晶表示装置は、少なくとも一方の基板に液晶駆動用電極が形成された一対の基板を有し、その基板間に自発分極を持つ液晶材料が封入されている。そして、本発明の特徴は、液晶材料が、自発分極を持つものであり、液晶駆動用電極に電圧を印加しないときには光学的に等方配向し、液晶駆動用電極に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起され、その一軸配向の軸方向が電圧の大きさに応じて連続的に回転し、その回転の方向が前記電圧の極性によって異なるというものである。
図1は、本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。図1に例示した液晶表示装置10は、液晶駆動基板12とカラーフィルタ基板13とからなる一対の基板12,13を有し、その一対の基板12,13を所定の間隔で対向させた間隙に、自発分極を持つ液晶材料14が封入されている。
液晶駆動基板12は、基板22と、その基板22の一方の面上に所定のパターンで形成された複数の薄膜トランジスタ24及び液晶駆動用電極である画素電極26及び共通電極26’と、それらの液晶駆動用電極(画素電極26及び共通電極26’)上に形成された垂直配向膜28とを有し、さらに、基板22の他方の面上に設けられた偏光板30と、その偏光板30上に設けられたバックライト32とを有している。この液晶駆動基板12において、基板22上に設けられた隣接する画素電極26と共通電極26’との間には電圧が印加されるようになっており、液晶表示装置10はそのための駆動回路(図示せず)を備えている。その画素電極26と共通電極26’との間に電圧が印加されることにより、基板22に対して水平方向の電界(横電界)が与えられる。
なお、図1に示した薄膜トランジスタ24、画素電極26、共通電極26’等は一例であって、このような構成に限定されず、通常は、一つの画素に複数の画素電極26や共通電極26’が形成されている。このような構成の薄膜トランジスタ、画素電極、共通電極を形成した基板は、ネマチック液晶を用いたIPS液晶表示装置に使用されており、例えば、非特許文献「応用物理、第65巻、第10号、1996年、1052頁〜1055頁」に記載された構成を挙げることができる。
一方、カラーフィルタ基板13は、基板23と、その基板23の一方の面上に所定のパターンで形成された複数色の着色層25及びブラックマトリクス27と、その着色層25及びブラックマトリクス27上に形成された透明保護層29と、その透明保護層29上に形成された垂直配向膜31とを有し、さらに、基板23の他方の面上に設けられた偏光板33と、その偏光板33上に形成された透明保護層35とを有している。なお、偏光板30と偏光板33の光吸収軸は、それぞれ直交して配置することが望ましい。
このカラーフィルタ基板13において、複数色の着色層25は、通常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色の層25R,25G,25Bを指し、ブラックマトリックス27は、個々の着色層25R,25G,25Bの間に形成されている。なお、図1においては、カラー液晶表示装置に対応したカラーフィルタ基板13を用いているが、必ずしもカラーフィルタ基板13である必要はなく、少なくもとも垂直配向膜31を有する基板23であればよい。
図2は、本発明の液晶表示装置の電圧無印加状態での液晶分子配列の一例を示す模式断面図であり、図3は、本発明の液晶表示装置の電圧印加状態での液晶分子配列の一例を示す模式断面図である。
液晶材料14は、自発分極43を持つ液晶分子41からなるものである。自発分極43は、液晶分子41の分子短軸方向に向いているため、基板23の面内方向を向き、画素電極26と共通電極26’との間に駆動用の電界が印加されると、電界方向に自発分極43が基板23面内で回転し、その結果液晶分子41がコーン47上を回転する。したがって、その液晶分子41は、画素電極26に電圧を印加しないときには光学的に等方配向し、隣接する画素電極26と共通電極26’との間に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起され、その一軸方向の軸方向が電圧の大きさに応じて連続的に回転するものである。なお、本発明に係る液晶表示装置においては、駆動用の横電界は自発分極にトルクを及ぼすのであって、この点において、液晶分子の誘電異方性にトルクを及ぼす、ネマチック液晶を用いたIPS液晶表示装置とは異なる。
こうした液晶材料は、相転移系列にネマチック相及びスメクチック相(詳しくは、カイラルスメクチックC相)を少なくとも有するものであり、例えば、強誘電性液晶材料として上市されているFELIX4851/000(AZエレクトリックマテリアルズ社製)、FELIX4851/100(AZエレクトリックマテリアルズ社製)、R2301(AZエレクトリックマテリアルズ社製)、CS−1030(チッソ社製)等を挙げることができる。各液晶材料の相転移系列は以下のとおりである。
Figure 2007094020
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Figure 2007094020
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液晶材料としては、上述した強誘電性液晶材料の他、上記の液晶材料と同様の性質を有する他の強誘電性液晶材料や各種の反強誘電性液晶材料を用いることも可能である。反強誘電性液晶材料は、電圧無印加時には反強誘電性を示し、電圧印加時には自発分極が電界方向に向くという強誘電性を示すので、印加電圧の大きさを変化させることにより、優れた階調表示を行うことができる。
本発明において、液晶材料14は、スメクチックC相からなるスメクチック液晶層45で構成されている。このスメクチック液晶層45は、図2及び図3に示すように、基板22,23に対してほぼ平行に配列している。カイラルスメクチック液晶層45を構成する液晶分子41は、印加された電界に対しコーン47上を回転して応答するが、そのスメクチック液晶層45の層面の法線方向から一定の角度チルトして、コーン47上の任意の場所に位置している。
なお、本願において、「スメクチック液晶層」とは、液晶分子41の長軸方向を層状に配列してなる液晶層である。このスメクチック液晶層において、層の法線方向と液晶分子41の長軸方向とが一致している液晶相を「スメクチックA相」といい、層の法線方向と液晶分子41の長軸方向とが一致していない液晶相を「スメクチックC相」という。スメクチックC相よりなる強誘電性液晶は、電界が加わらない状態において、各層毎に液晶分子のダイレクタが螺旋的に回転している光学的に等方配向構造をとり、「カイラルスメクチックC相」と呼ばれる。また、カイラルスメクチックC相よりなる反強誘電性液晶は、電界が加わらない状態においては反強誘電性を示して各層毎に液晶分子のダイレクタが対向し、光学的に等方配向するが、電界が加わった状態においては強誘電性を示して、光学的に一軸配向する。また、カイラルスメクチックC相よりなる液晶は、不斉炭素を分子構造に有し、これにより自発分極しているため、この自発分極に印加電界が大きなトルクを及ぼすため、一定方向に液晶分子が再配列し、光学特性が制御される。
カイラルスメクチックC相は、ネマチック相に比較して、極めて高速な応答性を有しており、薄膜トランジスタを用いたアクティブマトリックス駆動により、高速スイッチングが可能である。特に、電界方向に対して液晶分子の短軸方向にある自発分極が整列するので、液晶分子のダイレクタが一義的に決定され、液晶分子のダイレクタの制御が容易である。
液晶分子41は、その自発分極43の大きさが10nC/cm以上であることが望ましい。こうした液晶分子41は、画素電極26と共通電極26’との間に電圧が印加されないときには、光学的に等方配向するが、画素電極26と共通電極26’との間に電圧を印加したときには、光学的な一軸配向が誘起され、その一軸配向の軸方向が電圧の大きさに応じて連続的に回転することができる。一方、自発分極43の大きさが10nC/cm未満の場合には、光学的な等方配向し難く、本発明の効果を奏することができない。なお、自発分極の上限は100nC/cm程度である。
本発明で用いられる液晶分子41のチルト方向は、図2の電圧無印加時のように、個々のスメクチック液晶層内では一定方向を向くが、各スメクチック液晶層間では異なる向きに配向する。その結果、電圧無印加時において、液晶材料14全体をみた場合、異なる方向を示す各スメクチック液晶層毎の液晶分子41は厚さ方向で光学的にキャンセルされ、全体としては光学的に等方的になっている。
隣接する画素電極26と共通電極26’との間に電圧が印加されて基板に平行な横電界49,49’が与えられると、図3に示すように、横電界49,49’の上方に存在してその横電界に影響される液晶分子41は、自発分極43が基板22,23に対してほぼ平行に配列する。このように、液晶分子41の自発分極43は、横電界49,49’の極性に応じて一定の方向に向くため、その横電界の発生に伴って、液晶分子41はコーン47上を回転し、光学的な一軸配向性が発現する。すなわち、液晶分子41は、電圧無印加時には光学的に等方配向しているが、電圧印加により横電界が生じた場合には、その電圧の大きさに伴う横電界の強さに応じてコーン47上を連続的に回転移動する。
図4は、本発明の液晶表示装置における印加電圧と透過光量との関係(VT特性)を示すグラフである。上述した本発明の液晶表示装置10において、印加電圧−透過光量曲線(VT曲線)は、図4に示すように、略V字形状を示すので、印加電圧を変化させて電界強度を調整することにより、連続的な階調表示が可能となる。なお、本発明の液晶表示装置10において、基板22上に形成した薄膜トランジスタ24は、アクティブマトリックス法による駆動を行う。
本発明の液晶表示装置10においては、図1に示すように、液晶駆動用基板12及びカラーフィルタ基板13にそれぞれ偏光板30と33を設けることが好ましいが、反射型表示方式等に用いる場合には、いずれか一方のみに配置することもできる。また、図1に示すように、カラー表示を行うためのカラーフィルタ基板13が設けられている場合には、バックライト32として、冷陰極管又は白色LED等の白色光源を用いることが好ましい。さらに、カラーフィルタ基板13によるカラー表示に代えて、RGBの発光ダイオードからなるバックライトを用いてもよく、その場合には、液晶分子の電界応答に同期させて時間分割でRGBの発光ダイオードを高速に点滅させることによって、カラー表示を行うことができる。
次に、各構成要素の構成材料等について説明する。なお、各構成要素は以下の構成材料に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で各種のものを採用可能である。
基板22,23としては、ガラス基板、石英基板、プラスチック基板等を用いることができ、複屈折性の無い透明基板が好ましい。垂直配向膜28,31は、基板22,23表面に対して液晶分子41を垂直配向(ホメオトロピック配向)させる材料であれば特に限定されないが、液晶表示装置用として用いられている一般的な垂直配向剤、シランカップリング剤、SiO蒸着膜等を用いることができる。さらに、ハイプレチルト仕様のポリイミド配向膜でもよい。なお、「垂直配向」とは、ホメオトロピック配向のことであり、基板22,23面に対して液晶分子41が垂直に配向した状態だけではなく、数十°程度までチルトした配向状態も含むものである。両基板22,23を所定間隔で対向させるためにスペーサが用いられるが、そのスペーサとしては、所望の間隔と同じ厚さ又は粒径のシート状部材や粒子等が用いられる。液晶駆動用電極(画素電極26及び共通電極26’)としては、アルミニウム、銅、クロム等の金属や、ITO等の透明電極を用いることができる。
カラーフィルタ基板13に形成される着色層25は、主成分を構成する材料と着色成分からなる材料とを含有し、さらに分散材や開始剤等の添加材料を必要に応じて含有する。主成分を構成する材料としては、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール、アクリル樹脂等を挙げることができ、着色成分からなる材料としては、アゾレーキ系、キナクリドン系等の有機顔料や染料等を挙げることができる。また、ブラックマトリックス27は、クロム等の金属薄膜や、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂層で形成される。なお、本発明の液晶表示装置においては、ブラックマトリックス27を備えないものであってもよい。また、透明保護層29,35は、カラーフィルタ27の表面を平坦化すると共に、着色層25に含有される成分の液晶材料14への溶出を防止するためのものであり、アクリル共重合体等の樹脂材料等が用いられる。
以下、実施例と比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
幅10μmでピッチ20μmのストライプ状の複数のクロム電極が形成されたガラス基板(縦25mm×横20mm×厚さ0.7mm)と、電極が形成されていない同じ大きさのガラス基板とを準備し、両基板を洗浄した。その後、クロム電極が形成されたガラス基板においてはクロム電極が形成された面に、また、電極が形成されていないガラス基板においては一方の面に、垂直配向膜(JALS−2021−R1、JSR社製)を塗布し、焼成した後、各ガラス基板をシリカビーズスペーサを介して垂直配向膜が対向するように張り合わせ、ギャップが1.5μmのセルを作製した。次に、作製したセルに強誘電性液晶材料であるFELIX−4851/100(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を等方相状態下で注入し、室温付近(25℃程度)まで徐冷して液晶評価用の液晶セルを作製した。なお、強誘電性液晶材料であるFELIX−4851/100の自発分極の大きさは17nC/cmであった。この液晶材料の自発分極は、三角波法にて測定した。
作製した液晶セルを直交偏光板下に配置し、顕微鏡観察したところ、液晶セルの透過光量が最小となる最暗状態を確認した。このとき、液晶セルを回転しても同様の最暗状態を保持したことから、液晶分子が光学的に等方配向していることを確認した。
次に、クロム電極が形成されたガラス基板の電極間に三角波電圧を印加してVT特性(電圧−透過光量特性)を測定した。その結果、図2に示すようなV字形状のVT特性が得られたことから、本実施例の液晶セル形態を基本構成として有する液晶表示装置は、薄膜トランジスタによるアクティブマトリックス駆動による階調表示に好適に使用することが可能となる。なお、VT特性は、上記液晶セルに0.1Hz、±10Vの三角波を印加し、透過光量は光電子増倍管(R374、浜松フォトニクス社製)を用いて測定した。
上記液晶セルの明暗コントラストを0℃から60℃の各温度にて測定したところ、最大で150程度の高い明暗コントラストが得られた。また、液晶セルの液晶配向のテクスチャを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が発生していないことが確認され、均一な液晶配向が得られていた。なお、明暗コントラストは、電圧印加時の液晶セルの透過光量と無印加時の液晶セルの透過光量との比で定義した。印加した電圧は、上記同様、0.1Hz、±10Vの三角波を印加し、透過光量は光電子増倍管(R374、浜松フォトニクス社製)を用いて測定した。
(実施例2)
実施例1と同じ方法で作製したセルに強誘電性液晶材料であるCS−1030(チッソ社製)を等方相で注入し、室温付近(25℃程度)まで徐冷して液晶評価用の液晶セルを作製した。なお、強誘電性液晶材料であるCS−1030の自発分極の大きさは18nC/cmであった。
作製した液晶セルを偏光顕微鏡下で観察したところ、実施例1と同様に光学的に等方配向していることを確認した。次に、クロム電極が形成されたガラス基板の電極間に三角波電圧を印加してVT特性を測定した。その結果、実施例1の場合と同様のV字形状のヒステリシスのないVT特性が得られた。
上記液晶セルの明暗コントラストを0℃から70℃の各温度にて測定したところ、120程度の高い明暗コントラストが得られた。また、液晶セルの液晶配向のテクスチャを偏光顕微鏡にて観察したところ、配向欠陥が発生していないことが確認され、均一な液晶配向が得られていた。
(比較例1)
実施例1と同じ方法で作製したセルに強誘電性液晶材料であるFELIX−4851/000(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を等方相で注入し、室温付近(25℃程度)まで徐冷して液晶評価用の液晶セルを作製した。なお、強誘電性液晶材料であるFELIX−4851/000の自発分極の大きさは4nC/cmであった。
作製した液晶セルを偏光顕微鏡下で観察したところ、ディスクリネーションが多数発生した。ディスクリネーションによる液晶セルの透過光漏れのため、液晶セルには実施例1のような最暗状態が得られず、実施例1や実施例2と同様の光学的な等方配向が得られなかった。また、上記液晶セルの明暗コントラストを0℃から60℃の各温度にて測定したところ、10程度の低い明暗コントラストしか得られなかった。
(比較例2)
実施例1と同じ方法で作製したセルに強誘電性液晶材料であるR2301(AZエレクトロニックマテリアルズ社製)を等方相で注入し、室温付近(25℃程度)まで徐冷することにより液晶評価セルを作製した。なお、強誘電性液晶材料であるR2301の自発分極の大きさは4nC/cmであった。
作製した液晶セルを偏光顕微鏡下で観察したところ、比較例1と同様にディスクリネーションが多数発生した。ディスクリネーションによる液晶セルの透過光漏れのため、液晶セルには実施例1のような最暗状態が得られず、実施例1又は実施例2と同様の光学的な等方配向が得られなかった。また、上記液晶セルの明暗コントラストを0℃から60℃の各温度にて測定したところ、15程度の低い明暗コントラストしか得られなかった。
本発明の液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明の液晶表示装置の電圧無印加状態での液晶分子配列の一例を示す模式断面図である。 本発明の液晶表示装置の電圧印加状態での液晶分子配列の一例を示す模式断面図である。 本発明の液晶表示装置における印加電圧と透過光量との関係(VT特性)を示すグラフである。
符号の説明
10 液晶表示装置
12 液晶駆動用基板
13 カラーフィルタ基板
14 液晶材料
22,23 基板
24 薄膜トランジスタ
25,25R,25G,25B 着色層
26 画素電極(液晶駆動用電極)
26’ 共通電極(液晶駆動用電極)
27 ブラックマトリクス
28,31 垂直配向膜
29,35 透明保護層
30,33 偏光板
32 バックライト
41 液晶分子
43 自発分極
45 スメクチック液晶層
47 コーン
49,49’ 横電界

Claims (7)

  1. 少なくとも一方の基板に液晶駆動用電極が形成された一対の基板を有し、当該基板間に自発分極を持つ液晶材料が封入されてなる液晶表示装置であって、
    前記液晶材料の液晶分子は、前記液晶駆動用電極に電圧を印加しないときには光学的に等方配向し、前記液晶駆動用電極に電圧を印加したときには光学的な一軸配向が誘起され、当該一軸配向の軸方向が前記電圧の大きさに応じて連続的に回転し、当該回転の方向が前記電圧の極性によって異なることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 前記液晶材料が、相転移系列にネマチック相及びスメクチック相を少なくとも有することを特徴とする請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶材料が、スメクチック相からなるスメクチック液晶層で構成され、当該スメクチック液晶層が、前記一対の基板と略平行になっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記液晶分子の自発分極の大きさが10nC/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液晶表示装置。
  5. 前記液晶材料が、強誘電性の液晶材料又は反強誘電性の液晶材料であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液晶表示装置。
  6. 前記一対の基板には垂直配向膜が形成されており、前記ネマチック相の温度範囲において、前記液晶分子が垂直配向することを特徴とする請求項2に記載の液晶表示装置。
  7. 前記液晶駆動用電極が形成された一方の基板には、前記液晶分子を駆動するための薄膜トランジスタが形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液晶表示装置。
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