JP4508696B2 - 液晶パネルとそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶TVまたはパソコン用液晶モニタ等に用いることのできる、液晶パネル、液晶表示装置に関し、特にアクティブマトリックス駆動型の液晶表示装置に好適に用いることのできる、強誘電性液晶を用いた液晶パネル、液晶表示装置に関する。
近年、フラットディスプレイとして、液晶表示装置の市場が急拡大している。液晶表示装置には、互いに直交するストライプ状の電極で液晶を駆動する単純マトリックス駆動型と、薄膜トランジスタ(TFT)素子等によるアクティブマトリックス駆動型とに大別されるが、近年、アクティブマトリックス駆動型の液晶表示装置のコストダウンと大画面化が進展し、液晶TV用途等の動画表示の利用に供されている。
このように液晶表示装置は、動画表示に利用されているが、従来使用されているネマチック液晶は、電圧印加に対する応答が遅いために、特に液晶表示装置を大画面化した際に、動画表示の速い動きに追随することができないため画質が低下するという問題があり、この問題の解決が課題となっている。
こうした中、ネマチック液晶と比較して応答が速い強誘電性液晶を液晶表示装置へ適用することが検討されている。
特開昭56−107216号公報には、双安定性を有する強誘電性液晶のメモリー性を利用した液晶表示装置が開示されている。しかしながら、このように双安定強誘電性液晶は、電圧−光透過率曲線(VT曲線)にヒステリシスを有するので、TFT素子等によるアクティブマトリックス駆動法の適用が困難であることから、主に単純マトリックス駆動型の液晶表示装置への適用が検討されてきた。
しかし、近年、電圧無印加時に単安定分子配向を有する強誘電性液晶を用いて前記VT曲線のヒステリシスを解消することで、アクティブマトリックス駆動に適した強誘電性液晶表示装置を実現することが提案されている((1)特許第2921577号公報、(2)特許第3403114号公報、(3)特開2003−5223号公報、(4)特許第3466635号公報)。特に特許文献(2)および特許文献(3)には、相転移系列として、等方液体相−コレステリック相−カイラルスメクチックC相、または、等方液体相−カイラルスメクチックC相を示す強誘電性液晶に着目し、電界を印加しながら強誘電性液晶相に徐冷すること(以下、電界印加徐冷という。)によって、ヒステリシスのないV字状またはハーフV字状のVT曲線が得られることが開示されており、また、特許文献(2)には液晶性光反応性モノマーを強誘電性液晶に混合し、強誘電性液晶の高温相で液晶層に電界印加と紫外線照射を行ない室温まで徐冷する方法(以下、高分子安定化法という。)等によっても、ヒステリシスのないV字状またはハーフV字状のVT曲線が得られることが開示されている。
また、特許文献(4)には、相転移系列にスメクチックA相を有する強誘電性液晶を用いても、所定の電界を印加して徐冷することにより単安定分子配向した強誘電性液晶が得られることが開示してあり、当該強誘電性液晶と三原色の各光を継続的に切り替え照射させるバックライトの構成により、アナログ階調が可能な高速応答性に優れたフルカラー表示が得られることが開示されている。
特許第2921577号公報 特許第3403114号公報 特開2003−5223号公報 特許第3466635号公報
しかしながら、上記電界印加徐冷法においては、コレステリック相からカイラルスメクチックC相(強誘電性液晶相)へ相転移する際に、液晶表示装置の各画素に電圧を印加するという余分のプロセスが必要であり、コストアップの要因となる。さらに、上記高分子安定化法においても、コレステリック相またはスメクチックA相からカイラルスメクチックC相(強誘電性液晶)へ相転移する際に、液晶表示装置の各画素に電圧を印加しながら紫外光を照射するという複雑なプロセスが必要であり、コストアップの要因となる。
本発明は、このような課題を解決するするためになされたものであって、その目的は、コスト上昇要因である上述の電界印加処理や紫外線照射のプロセスを不要としつつ、TFT素子等によるアクティブマトリックス駆動に適した液晶パネルを提供し、さらには、高品質で高速なフルカラー動画表示を実現できる液晶表示装置を提供することにある。
本発明者は、各種相転移系列を有する強誘電性液晶を用いて、液晶パネルにおける各種配向膜材料および配向処理方法を検討した。その結果、一方の基板は一方向への配向処理が施され、他方の基板は、異なる方向に配向処理が施された単一または複数の領域を有するものとすることによって、前記電界印加徐冷および前記紫外線照射のプロセスを使用することなく、ヒステリシスのないVT曲線を得ることができ、前記強誘電性液晶を用いた液晶表示装置をTFT素子等によるアクティブマトリックス駆動できることを見出した。
上記課題を解決するための本発明の液晶表示装置は、上記知見に基づいてなされたものである。
即ち、本発明に係る液晶パネルは、一対の基板間に、相転移系列として、等方液体相−コレステリック相−スメクチックA相−カイラルスメクチックC相を有する液晶が封入されてなる液晶パネルであって、前記基板のうち、第1の基板は配向処理が施され、第2の基板は少なくともその一部が、第1の基板に施された少なくとも一部の配向処理方向と異なる方向に配向処理が施され、電圧無印加時に前記カイラルスメクチックC相において、前記液晶が一様な単安定分子配向を有し、前記単安定分子配向の方向が、前記基板の法線方向からみて前記第1の基板に施した配向処理方向からチルトしていることを特徴とするものである。
なお、本発明に係る液晶パネルでは、前記第2の基板は、前記第1の基板に施した配向処理方向と異なる方向に単一の配向処理が施されていてもよいが、隣接する領域が相互に異なる方向に配向処理が施されてなる複数の配向処理領域を有していてもよい。
さらに、本発明に係る液晶パネルでは、好ましくは前記コレステリック相において、当該液晶の分子配向が、前記第1の基板から前記第2の基板に向かってツイストしていることができ、特に好ましくは前記複数の配向領域を有する場合には、前記コレステリック相において、前記液晶が前記複数の配向処理領域で配向分割されていることができる。
なお、本発明においては、第1の基板の配向膜と、第2の基板の配向膜とが、表面をラビング配向処理または偏光紫外光照射による配向処理が施されたポリイミド配向膜であっても良く、第1の基板の配向膜と、第2の基板の配向膜とが、表面に紫外光照射による配向処理が施された光配向膜であっても良い。さらに、第1の基板の配向膜がポリイミド配向膜であり、第2の基板の配向膜が光配向膜であっても良い。さらに、本発明においては、前記第2の基板の方位角アンカリングエネルギーが、前記第1の基板の方位角アンカリングエネルギーよりも小さいことが好ましい。
また、本発明に係る液晶パネルは、前記第1基板または前記第2基板に、各画素に対応してアクティブマトリックス駆動を行うための薄膜トランジスタを有することを特徴とする。
なお、本発明に係る液晶表示装置は、好ましくは前記第1基板または前記第2基板に、各画素に対応してアクティブマトリックス駆動を行うための薄膜トランジスタを有する液晶パネルと、複数色のLEDからなるバックライトと、前記薄膜トランジスタに電圧を供給して前記液晶をスイッチングさせるための駆動回路を有し、さらに、好ましくは前記液晶のスイッチングに同期して、前記LEDを色順次に点灯することによりカラー表示を行う液晶表示装置であることができる。
また、好ましくは前記第1の基板または第2の基板に、カラーフィルタを有し、前記カラーフィルタを有する基板とは異なる基板に、前記薄膜トランジスタを有していても良いが、前記第1の基板または前記第2の基板に、薄膜トランジスタと、当該薄膜トランジスタ上に複数色の着色層からなるオンアレイタイプのカラーフィルタを有していても良い。
本発明に係る液晶表示装置の他の構成は、好ましくは前記カラーフィルタまたはオンアレイタイプのカラーフィルタおよび前記薄膜トランジスタを有する、前記液晶パネルと、複数の冷陰極管または白色LEDからなるバックライトと、前記薄膜トランジスタに電圧を供給して前記液晶をスイッチングさせる駆動回路を有することができる。
本発明によれば、前記カイラルスメクチックC相(強誘電性液晶相)において単安定分子配向が得られ、且つ、ヒステリシスのないVT曲線が得られるので、TFT素子等によるアクティブマトリックス駆動による階調表示が可能となる。また特に、コスト上昇要因である液晶層に対する電界印加処理や紫外線照射等のプロセスが不要となるので、高品質かつ高速で動画表示可能なアクティブマトリックス駆動に適した液晶パネル、液晶表示装置の提供を低コストで実現できる。
以下、本発明の液晶パネル、液晶表示装置について、図面を参照して説明する。
(液晶パネル、液晶表示装置)
図1は本発明に係る液晶パネルの一例を示す概略断面図である。この液晶パネル1は、共通電極112および配向膜113が形成された第1の基板115と、TFT素子121、画素電極122、および配向膜123が形成された第2の基板125とを所定の間隔で対向させた間隙に強誘電性液晶層131が形成され、第1の基板と第2の基板とを、所定の間隔で対向させるために、基板間に、ガラスまたは樹脂からなるスペーサ132が配置されている。さらに、基板115上には、液晶層131に並列に保持容量が形成されているのが好ましい(図示せず)。保持容量は、自発分極の大きさにも依存するが、自発分極が2〜10nC/cm2の大きさの範囲にあるとき、各画素の液晶層に対応した静電容量の1倍〜10倍程度の大きさが好ましい。
なお、図1の、前記配向膜113には、一方向に配向処理が施されており、前記配向膜123は、配向膜113に施した配向方向とは異なる方向に配向処理が施された単一または複数の領域を有している。
図2は本発明に係る液晶パネルの他の例を示す概略断面図である。この液晶パネル2は、カラーフィルタ211、共通電極212および配向膜213が形成された第1の基板215と、TFT素子221、画素電極222、配向膜223が形成された第2の基板225とを所定の間隔で対向させた間隙に強誘電性液晶層231が形成され、第1の基板と第2の基板とを、所定の間隔で対向させるために、基板間に、ガラスまたは樹脂からなるスペーサ232が配置されている。さらに、基板215上には、液晶層231に並列に保持容量が形成されているのが好ましい(図示せず)。保持容量は、自発分極の大きさにも依存するが、自発分極が2〜10nC/cm2の大きさの範囲にあるとき、各画素の液晶層に対応した静電容量の1倍〜10倍程度の大きさが好ましい。
なお、図2の、前記配向膜213には、一方向に配向処理が施されており、前記配向膜223は、配向膜213に施した配向方向とは異なる方向に配向処理が施された単一または複数の領域を有している。
図3は本発明に係る液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。この液晶表示装置は、図1に示した液晶パネル1、前記液晶パネル1の上面に形成された偏光板314、該液晶パネル1の下面に形成され、偏光板314と偏光軸が直交する偏光板324、およびR、G、Bの3原色等のLEDバックライト342から構成されてなる液晶表示装置である。なお、本液晶表示装置には、液晶表示を行うための駆動回路が具備されている(図示せず)。
図3に示した本発明に係る液晶表示装置においては、フィールドシーケンシャルカラー駆動法によるカラー液晶表示を好適に実現できる。このフィールドシーケンシャルカラー駆動法によるカラー液晶表示は、前記R、G、Bの3原色等のLEDのバックライト等を前記強誘電性液晶のスイッチングに同期して、色順次に点灯することにより達成することができる。
なお、例えば、テレビ表示の映像信号の方式であるNTSC(National Television Standards Committee)方式では、垂直走査周波数が60Hzとなるので、1画面の表示時間は約16.7msである。一方、前記フィールドシーケンシャルカラー駆動法では、1フィールド期間内でR,G.BのLED等のバックライトを色順次に点灯させるために、垂直走査周波数は180Hzとなり、1画面の表示時間は約5.56msと短くなる。したがって、ネマチック液晶の応答時間は数m秒乃至数十m秒と遅いことから、ネマチック液晶を用いた液晶表示装置では、前記フィールドシーケンシャルカラー駆動法で画像表示を行おうとすると、前記垂直走査周波数(180Hz)の駆動波形に追随することができずに、高品質な動画表示を行うことが困難となる。これに対して、強誘電性液晶の応答時間は1m秒以下と高速であるため、図3の本発明に係る液晶表示装置においては、前記垂直走査周波数180Hzの駆動波形に十分追随することができ、しかもヒステリシスのないVT曲線が得られるので、フィールドシーケンシャルカラー駆動法を用いて、前記アクティブマトリックス駆動により、高品質かつ高速な動画表示が可能となる。
このフィールドシーケンシャルカラー駆動法によると、カラーフィルタが不要となるので、前記カラーフィルタによる光吸収がなく、明るい表示が得られ、バックライトの消費電力も少なくて済む。また、前記フィールドシーケンシャル駆動法によるカラー表示は、画素をR,G,B3原色等のカラーフィルタ毎に空間的に分割する必要がないため、開口率が高く高精細なカラー液晶表示が可能となるというメリットがある。
ただし、フィールドシーケンシャル駆動法を用いた液晶表示装置は、上述したメリットを有するのではあるが、例えば対角20インチ以上の大画面液晶表示装置に対しては、バックライトに使用するLEDの数量が面積に概略比例して増加するために、このような大型の液晶表示装置においては、輝度およびコスト等で制約があるため、カラーフィルタを用いた方式が有利となり得る。
上述したように、本発明に係る液晶表示装置は、前記強誘電性液晶の高速応答性を有効に活用できるフィールドシーケンシャルカラー駆動法による画像表示おいて最も大きな効果が得られるが、図4に示した本発明に係る液晶表示装置によれば、カラーフィルタ方式によるアクティブマトリックス駆動法を用いたカラー液晶表示に際しても、従来のネマチック液晶を用いた液晶表示装置よりも、動画像の表示品質の優れたカラー液晶表示を実現できる。
すなわち、図4は本発明に係る液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。この液晶表示装置は、図2に示した液晶パネル2、該液晶パネル2の上面に形成された偏光板414、該液晶パネル2の下面に形成され、偏光板414と偏光軸が直交する偏光板424、および冷陰極管または白色LED等のバックライト442から構成されてなる液晶表示装置である。なお、本液晶表示装置には、液晶表示を行うための駆動回路が具備されている(図示せず)。図4に示す強誘電性液晶パネル2では(図2参照)、カラーフィルタを有する基板とは異なる基板上に、薄膜トランジスタを有するが、その他にも、カラーフィルタと薄膜トランジスタとが同一の基板上に形成されていてもよい。
上述したように、前記垂直走査周波数60Hzの場合であっても、図4の本発明に係る液晶表示装置は、ヒステリシスのないVT曲線を有するので、前記アクティブマトリックス駆動法を用いることができ、従来のネマチック液晶を用いた液晶表示装置よりも、高品質かつ高速な動画表示が可能である。
なお、これらの発明においては、2枚の基板間に設けられるスペーサの形成方法としては、球状のスペーサを予め基板上に散布により配置してもよく、あるいはフォトリソ工程で、柱状突起物あるいは壁状構造物を基板上に設けてもよい。
(液晶配列)
前記強誘電性液晶は、自発分極を有するという特質を有する。したがって、従来のネマチック液晶は、自発分極を持たないため、駆動回路から供給される電界がネマチッック液晶の誘電率の異方部分に作用することで応答するのに対して、強誘電性液晶は自発分極に直接作用するため、ネマチック液晶の数百倍程度の大きなトルクが液晶分子に加わり、その結果、1ms以下で高速に応答することができる。特に、パネルギャップが小さい場合には、基板界面の配向規制力によって、一様に配向した表面安定化強誘電性液晶が実現し、かかる場合には前記強誘電性液晶が双安定分子配列を示すことがクラーク等により見いだされている(特開昭56−107216号公報)。図5Aと図5Bには、前記表面安定化強誘電性液晶の分子配列の概略図を示してある。図5に示すように、強誘電性液晶分子551Aおよび551Bは、基板(515A、525A、515B、525B)に平行配向し、自発分極561Aおよび561Bは基板に対して上向きまたは下向きの双安定配置をとる。駆動回路(図示せず)から駆動電圧を加えることによって、その電圧の極性に応じて自発分極の向きが上向きまたは下向きに反転し、電圧切断後はそのままの配列を維持するというメモリー性を有する。
なお、図5Aと図5Bの前記基板には通常ポリイミド樹脂等の配向膜(図示せず)が形成されており、前記配向膜の表面は一方向にラビング処理等が施されている。
図6には表面安定化強誘電性液晶のVT曲線の概略図を示す。前記表面安定化強誘電性液晶はメモリー性を有するので、VT曲線はヒステリシスを有し、電圧無印加時(V=0)に明と暗の2状態をとる。このため、表面安定化強誘電性液晶は、従来、主に単純マトリックス駆動方式による液晶表示装置に使用されており、階調表示が困難なため、TFT素子等によるアクティブマトリックス駆動法の適用がむずかしいと考えられていた。
本発明に係る液晶表示装置においては、この液晶表示装置に使用される強誘電性液晶として前記表面安定化強誘電性液晶を用いるが、前記強誘電性液晶の双安定分子配向ではなく単安定分子配向を利用することによって、VT曲線の形状を、図7Aおよび図7Bに示すように、ヒステリシスのないV字またはハーフV字形状を得ることができ、アクティブマトリックス駆動法による階調表示が容易に実現可能となる。
本発明においては、相転移系列として、
Iso.→ Ch → SA → Sc*
のように、等方液体相(Iso.)の低温相に、コレステリック相(Ch)、スメクチックA相(SA)とカイラルスメクチックC相(Sc*)を有する強誘電性液晶を用いて、前記コレステリック相の温度範囲において、図8に示すように第1の基板から第2の基板に向って液晶の平均的な分子配列がツイスト(以下、基板間ツイストという)をしている単一または複数の領域を有する場合に、強誘電性液晶の単安定分子配向を実現し、V字形状、または、ハーフV形状の、TFT素子駆動に適合する強誘電性液晶表示装置を得ることができる。
図8は、図1または図2に示した本発明に係る液晶パネルの例のコレステリック相の温度範囲での上面図を模式的に示したものである。図8の実線で示した液晶分子811は、前記第1の基板界面での液晶の平均的な分子配列を示しており、一方、点線で示した液晶分子821は、前記第2の基板界面での液晶の平均的な分子配列を示している。したがって、液晶分子は前記第1の基板界面の前記分子配列(実線)から前記第2の基板界面の前記分子配列まで連続的にねじれた構造(ツイスト)をとっていることになる。なお、図8には、一例として、前記第2の基板の配向処理方向が異なる4個の領域(812、822、832、842)の分子配列が示してあるが、図8のツイスト構造は、前記第1の基板の配向処理方向は共通であり、前記第2の基板の配向処理方向が、単一の配向領域または隣接する領域で異なっている複数の配向領域を有することなどにより実現できる。
本発明者は、上記コレステリック相において、液晶が前記基板間ツイストする領域を有する場合に、コレステリック相から、スメクチックA相を経由して強誘電性液晶相であるカイラルスメクチックC相へ徐冷することにより、前記スメクチックAおよびカイラルスメクチックC相において上記基板間ツイストが消失するため、強誘電性液晶相において、コントラストの高い一様に液晶分子配列した単安定分子配向が実現し、TFT素子駆動に適合するV形状またはハーフV形状のVT特性を発現することを見出した。
従来、相転移系列にスメクチックA相を有する強誘電性液晶においては双安定性が得られやすく単安定分子配向が得られにくかった。これは、スメクチックA相からカイラルスメクチックC相に相転移する際に、液晶分子がスメクチック層の法線方向から傾く方向には、エネルギー的に同等な2方向があるからである。
これに対し、本発明では、コレステリック相からスメクチックA相に徐冷すると、前記コレステリック相の前記基板間ツイストがスメクチック層の弾性力によって消失し、ほぼ一様なスメクチックAの分子配列が得られる。この際、前記基板間ツイスト構造に由来した弾性エネルギーがスメクチックA相の液晶状態に内包されているため、スメクチックA相からカイラルスメクチックC相に相転移する際に、その弾性エネルギーが解放され、その結果、液晶分子がチルトする方向が一方向に規定され、単安定状態の実現が促進されると考えられる。
さらに、コントラストの高い、前記単安定分子配向が安定に発現するためには、前記2枚の基板に形成した配向膜の方位角アンカリングエネルギーの大きさが異なることが好ましい。具体的には、前記第2の基板に形成した配向膜の方位角アンカリングエネルギーが、前記第1の基板に形成した方位角アンカリングエネルギーよりも小さいことが望ましい。これは、前記方位角アンカリングエネルギーの大きさが異なる場合には、前記コレステリック相から前記カイラルスメクチックA相に相転移して前記ツイスト構造が消失する際に、前記方位角アンカリングエネルギーが大きな基板の配向膜の配向処理方向に液晶分子がほぼ一様に単安定分子配列するため、乱れのないスメクチック層構造が形成され、コントラストの高い液晶表示装置が得られるからである。
方位角アンカリングエネルギーの測定は、通常、トルクバランス法によって行われる。トルクバランス法は、強い配向規制力を有する基板と弱い配向規制力を有する基板を組み合わせて、上下基板の配向処理方向が交差するように液晶パネルを作製すると、ネマチック相またはコレステリック相において、液晶の平均的は分子配列が、一方の基板から他方への基板にツイストした配列をとるが、そのツイスト角は、液晶のツイスト弾性エネルギーと基板界面の配向規制力からのトルクとのバランスで決定され、上記交差角よりも小さくなるという原理に基づいている。具体的には、方位角アンカリングエネルギーUは、K22がツイスト弾性定数、dがパネルギャップ、Δψが上下基板間の液晶ツイスト角、Δφが交差角と液晶ツイスト角との差であるとき、下記式(1)で表される。
Figure 0004508696
ここで、パネルギャップdは、少なくとも5μm程度と測定波長よりも十分長いことが必要である。なお、測定は偏光顕微鏡のステージに液晶パネルを配置し、光源に可視単色光を使用して消光位を観測することによって、上記液晶ツイスト角と交差角が得られるので、上記数式(1)により方位角アンカリングネルギーを求めることができる。ツイスト弾性定数は、常法であるフレデリクス転移法によって測定することができる。
前記2枚の基板の配向膜の方位角アンカリングエネルギーの大きさを異なる値とするためには、前記第1の基板と前記第2の基板が、表面にポリイミド配向膜を形成したものである場合には、分子骨格の異なるポリイミド膜を選択すること、または/および、ポリイミド膜へのラビング配向処理が、前記2枚の基板で異なる条件で実施されれば良く、具体的には、ラビングローラの押し込み量やラビング回数を異なる値に設定することにより実現できる。前記第1の基板と前記第2の基板が、表面に光配向膜を形成したものである場合には、分子骨格の異なる光配向膜を選択すること、または/および、前記光配向膜への紫外線照射強度を異なる値に設定することにより実現することができる。前記第1の基板が、表面にポリイミド配向膜を形成したものであり、前記第2の基板が、表面に光配向膜を形成したものである場合も同様である。
本発明では、前記第1の基板の方位角アンカリングエネルギーが、前記第2の基板の方位角アンカリングエネルギーよりも大きいことが望ましいが、この場合において、コレステリック相における前記基板間ツイストが、スメクチックA相で解消したとき、消光位が第1の基板の配向処理方向にほぼ一致する分子配列となり、液晶の単安定分子配列が得られやすい。一方、前記第1の基板と第2の基板の方位角アンカリングエネルギー差が小さい場合は、前記第1の基板の配向処理方向に消光位がある第1の領域と前記第2の基板の配向処理方向に消光位がある第2の領域とが混在した分子配列となりやすく、液晶の単安定分子配列を実現することが困難となる。
なお、光配向膜への誘電率異方性(複屈折異方性)の付与(配向処理)は、基板表面に塗布した前記有機膜に典型的には紫外線を照射し、分解、異性化、二量化等の光誘起反応を誘起することにより行うことができる。例えば、光分解は、有機膜(例えば、ポリイミド膜)に波長が300nm以下の偏光紫外光を照射し、ポリイミド分子鎖が異方的に分解することによって、誘電率異方性を生じさせている。一方、光異性化は、例えばアゾベンゼン分子からなる有機膜において波長が365nmの紫外光を照射することによってシス・トランス異性化反応が生じることによって、誘電率異方性を生じさせている。また、偏光紫外線光照射による二量化反応によっても配向膜に誘電率異方性を付与することができる。
また、本発明における配向処理方向の用語は、屈折率楕円体の長軸方向に対応するものとして用いる。例えば、ラビング配向処理では、擦る方向とその反対方向を区別せず、両者が同等のものであるとして用いる。したがって、本明細書においては、配向処理方向が180°異なるものは、同一の配向処理方向であるとして扱っている。
さらに、前記2枚の基板のうち、第1の基板は一方向の配向処理が施された単一の領域を有し、第2の基板は、例えば、異なる方向に配向処理が施された複数の領域を有する(隣接する領域が相互に異なる方向に配向処理がなされ、配向処理方向が2以上の方向を有する)ことが好ましい。さらに、前記第1の基板の配向処理方向と、前記第2の基板の前記複数の領域の一の配向処理方向とのなす角度(鋭角)が、10°以上80°未満の範囲にあることが望ましい。ここで、前記第1の基板の配向処理方向と、前記第2の基板の前記複数の領域の一の配向処理方向とのなす角度(鋭角)が10°未満の場合は、前記2枚の基板の配向処理方向はほぼ平行で前記コレステリック相でのツイストの角度が10°未満と小さくなるため、カイラルスメクチックC相の単安定化に及ぼす前記ツイストの効果が小さいものとなるからであり、前記第1の基板の配向処理方向と、前記第2の基板の前記複数の領域の一の配向処理方向とのなす角度(鋭角)が80°以上90°以下の場合は、前記ツイストの効果が大きくなり、液晶の単安定配向がむずかしくなる。なお、上記複数の配向領域の一の領域の大きさは、10μm以上の範囲が好ましい。ここで、前記領域の大きさの下限を10μmとしたのは、10μm以下の場合には前記紫外線照射またはラビングによって配向処理を施すのが難しくなるからである。
上記のコレステリック相での液晶の平均的な分子配列を基板間でツイストさせるためには、前記2枚の基板に形成した配向膜がポリイミド樹脂からなる場合は、図9に示すように矢印900A方向と900B方向にラビング配向処理を施せば良く、第1の基板915の配向膜がポリイミド樹脂、第2の基板925に形成した配向膜が光配向膜のときは、矢印900A方向にラビングを行い、矢印900B方向に偏光する紫外線を照射すればよく、第1の基板915に形成した配向膜が光配向膜、第2の基板925に形成した配向膜が光配向膜のときは、矢印900A方向および矢印900B方向に偏光する紫外光を照射すれば良い。また、上記紫外光は、偏光光に限らず、無偏光光の場合であってもよい。
また、前記第2の基板に形成した配向膜に複数の配向領域を形成するためには、配向膜が光配向膜の場合にあっては、複数の配向領域に対応して光線透過領域が形成されたフォトマスクを配向膜の上面に配置して、配向制御のための紫外線を照射することによって達成することができる。また、配向膜がポリイミド膜の場合には、当該配向領域に対応した穴空孔領域が形成されているマスクを配向膜上に押し当て、マスク上からラビングを施すこと等によって達成することができる。
次に実施例を示して本発明を詳細に説明する。
一対のITO付きガラス基板の一方(第1の基板)にポリイミド膜(AL-1254、JSR製)をスピンコートし、焼成後、一方向にラビング処理を施した。次に、他のITO付き基板(第2の基板)には光配向膜(Staralign2100、Rolic社製)を塗布し、180℃で20分間乾燥した後、図10に示す格子状パターンの光線透過領域と遮光領域を有するフォトマスクを、該光配向膜に押し当てて偏光紫外光照射装置(UX-1000SM、ウシオ電機製)により、偏光紫外光の照射を行った(第1の照射)。次に、このフォトマスクを取り去った後に、前記紫外光の偏光方向と45°の角度をなす方向に偏光する紫外光を照射した(第2の照射)。これにより、前記フォトマスクの隣接する光線透過領域と遮光領域(マスク部分)で配向処理方向が異なった領域を形成した。次に、当該一対の基板を、第1の基板に施したラビング方向と前記第1の照射の紫外光の偏光方向とがほぼ45°の配置になるように貼り合わせセルを作製した。作製したセルに、カイラルスメクチックC(Sc*)相の高温域にスメクチックA(SA)相およびコレステリック(Ch)相を有する強誘電性液晶(Clariant Japan社製、FELIX-M4851)を等方液体(Iso.)相に加熱後、大気圧下で毛細管現象を利用して注入し、そのまま室温まで1℃/分の割合で徐冷した。この液晶の相転移温度のカタログ値は、
72℃ 69℃ 63.5℃
Iso. → Ch → SA → Sc*
である。
徐冷中の液晶セルを偏光顕微鏡観察したところ、コレステリック相の温度域では前記フォトマスクの格子状の光線透過領域と遮光領域に対応して配向分割されており、しかも偏光顕微鏡下で消光位が存在しないこと、および、別途作製した上下基板の配向処理方向が平行なセルに前記強誘電性液晶を注入したセルでは、コレステリック相において、偏光顕微鏡下で消光位が存在していたことから、前記配向分割領域では上下の基板間でツイスト構造を有していることがわかった。
しかし、前記基板間ツイスト構造および前記配向分割領域は、コレステリック相からスメクチックA相に徐冷することによって消滅し、第1の基板の配向処理方向に一様に液晶分子配向していた。さらに徐冷し、スメクチックA相からカイラルスメクチックC相(強誘電性液晶相)に徐冷したところ、前記強誘電性液晶が、第1の基板の配向処理方向からチルトして、一様に単安定分子配向した液晶セルが得られた。
この液晶セルに、周波数100Hz、電圧5Vの矩形波を印加して、液晶の電界応答を偏光顕微鏡下にて観察したところ、セル全体にわたって均一な電界応答が行なわれ、0.5msの応答時間と200程度の明暗コントラストが得られた。
なお、前記格子状パターンの各格子のサイズは、25μm〜200μmの範囲で検討したが、格子サイズが200μmでも、強誘電性液晶の一様な単安定分子配向が得られるものの、格子サイズが25μmの場合が最もコントラストの高い単安定分子配向が得られた。ただし、格子サイズが100μm〜25μmまでの各場合においては、液晶分子配向特性に顕著な差異はなかった(以下の実施例においても同様である)。
次に、前記液晶セルに周波数が0.1Hz、電圧が5Vの三角波を印加して、透過光強度と電圧値との関係を測定したところ、図11に示すように、ハーフV状の曲線が得られた。当該ハーフV状のVT曲線は、正の電圧印加とともに連続的に透過光強度が変化するので、TFT素子駆動に適合することがわかった。
また、前記第1の基板に形成したポリイミド配向膜の方位角アンカリングエネルギーは、トルクバランス法による測定で、7.5×10-4N/m2の値が得られ、第2の基板に形成した前記光配向膜の方位角アンカリングエネルギーは、トルクバランス法による測定で、1.1×10-5J/m2の値が得られ、前記第2の基板のアンカリングエネルギーは前記第1の基板のアンカリングエネルギーよりも、一桁程度小さい値を示した。
なお、実施例1において、上記第2の照射における上記偏光紫外線の偏光方向が、上記第1の照射における上記偏光紫外線の偏光方向と45°としたものの他に、10°以上80°以下の様々な角度としたものについても、良好な単安定配向を得ることができる。
一対のITOの付きガラス基板の一方(第1基板)に 光配向膜A(Staralign2110、Rolic社製)をスピンコートにより形成し、150℃で20分間乾燥後、偏光紫外光照射装置(UX-1000SM、ウシオ電機製)により、偏光紫外光照射を行った。次に、他のITO基板(第2の基板)には光配向膜B(Staralign2100、Rolic社製)をスピンコートし、150℃で20分間乾燥後に、図10に示すパターンの光線透過領域と遮光領域を有するフォトマスクを、該光配向膜Bに押し当てて前記偏光紫外光照射装置により、偏光紫外光照射を行った(第1の照射)。次に、このフォトマスクを取り去った後に、前記偏光紫外光の偏光方向と30°の角度をなす方向に偏光する紫外光を照射した(第2の照射)。これにより、前記フォトマスクの隣接する光線透過領域と遮光領域(マスク部分)で配向処理方向が異なった領域を形成した。次に、当該一対のITO基板を、前記第1の基板の配向処理方向と前記第2の基板の第1の照射の偏光方向とがほぼ30°の配置になるように貼り合わせセルを作製した。作製したセルに、実施例1と同一の強誘電性液晶を同一条件で注入し室温まで1℃/分の割合で徐冷した。
徐冷中の液晶セルを偏光顕微鏡観察したところ、コレステリック相の温度域では前記フォトマスクの格子状の光線透過領域と遮光領域に対応して配向分割されており、しかも実施例1と同様に、前記配向分割領域では上下の基板間でツイスト構造を有していることがわかった。
得られた液晶セルに、周波数100Hz、電圧5Vの矩形波を印加して、液晶の電界応答を偏光顕微鏡にて観察したところ、セル全体にわたって均一な電界応答が行なわれ、0.5msの応答時間と250程度の明暗コントラストが得られた。
さらに、前記液晶セルに周波数が0.1Hz、電圧が5Vの三角波を印加して、透過光強度と電圧値との関係を測定したところ、図11に示した図と同様な、ハーフV状の曲線が得られた。当該ハーフV状のVT曲線は、電圧印加とともに連続的に透過光強度が変化するので、TFT素子駆動に適合することがわかった。
なお、前記第1の基板に形成した光配向膜の方位角アンカリングエネルギーは、トルクバランス法による測定で、3.4×10-5J/m2の値が得られ、第2の基板に形成した前記光配向膜の方位角アンカリングエネルギーは、トルクバランス法による測定で、1.1×10-5J/m2の値が得られ、前記第2の基板のアンカリングエネルギーは前記第1の基板のアンカリングエネルギーよりも、1/3程度小さい値を示した。
なお、本実施例において、上記第2の照射における上記紫外光の偏光方向が、上記第1の照射における上記紫外光の偏光方向と30°としたものの他に、10°以上80°以下の様々な角度としたものについても、良好に配向した単安定性を得ることができる。
実施例2では、前記第2の基板に前記フォトマスクを押し当て紫外光を照射し(第1の照射)、次にフォトマスクを取り去った後に第2の照射を行ったが、本実施例3は、フォトマスクを使用しないで、前記第2の基板全体に偏光紫外光を1回のみ照射し、他の作製条件は実施例2と同一の条件でセルを作製した。ただし、第1の基板の配向処理方向と第2の基板の配向処理方向は40°の角度になるように設定した。
作製したセルに、実施例2と同一の強誘電性液晶を同一条件で注入し室温まで1℃/分の割合で徐冷した。
徐冷中の液晶セルを偏光顕微鏡観察したところ、コレステリック相の温度域では、偏光顕微鏡下で消光位が存在しないこと、および、別途作製した上下基板の配向処理方向が平行なセルに前記強誘電性液晶を注入したセルでは、コレステリック相において、偏光顕微鏡下で消光位が存在していたことから、上下の基板間でツイスト構造を有していることがわかった。
この液晶セルに、周波数100Hz、電圧5Vの矩形波を印加して、液晶の電界応答を偏光顕微鏡にて観察したところ、セル全体にわたって均一な電界応答が行なわれ、0.5msの応答時間と150程度の明暗コントラストが得られた。
さらに、前記液晶セルに周波数が0.1Hz、電圧が5Vの三角波を印加して、透過光強度と電圧値との関係を測定したところ、図11に示した図と同様なハーフV状の曲線が得られた。当該ハーフV状のVT曲線は、電圧印加とともに連続的に透過光強度が変化するので、TFT素子駆動に適合することがわかった。
なお、前記第1および第2の基板に形成した光配向膜の方位角アンカリングエネルギーは、実施例2の場合と同様である。
本発明に係る液晶パネルの一例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶パネルの他の例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶表示装置の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る液晶表示装置の他の例を示す概略断面図である。 強誘電性液晶相の双安定分子配列とスメクチック層構造の概略図である。 双安定性を示す強誘電性液晶の電圧−透過光量曲線の形状の一例である。 図7Aは、単安定性を示す強誘電性液晶の電圧−透過光量曲線(VT特性)の形状(ハーフV字形状)の一例を示すグラフである。図7Bは、単安定性を示す強誘電性液晶の電圧−透過光量曲線(VT特性)の形状(V字形状)の一例を示すグラフである。 コレステリック相における分子配列のツイスト配列の概略上面図である。 上下基板に施した配向処理方向を示す概略斜視図である。 複数の配向領域を形成するためのフォトマスクの形状の概略上面図である。 単安定配向化した強誘電性液晶の電圧−透過光量曲線(VT特性)の形状(ハーフV字形状)の一例を示すグラフである。
符号の説明
112、212 共通電極
113、123、213、223 配向膜
115、215、915 第1の基板
121、221 TFT素子
122、222 画素電極
125、225、925 第2の基板
131、231 強誘電性液晶層
132、232 スペーサ
211 カラーフィルタ
314、324、414、424 偏光板
342、442 バックライト
551A、551B 強誘電性液晶分子
515A、525A、515B、525B 基板
561A、561B 自発分極
811 第1の基板界面での液晶の平均的な分子配列
821 第2の基板界面での液晶の平均的な分子配列
812、822、832、842 第2の基板の配向処理方向が異なる4個の領域
900A、900B ラビング配向処理方向

Claims (13)

  1. 一対の基板間に、相転移系列として、等方液体相−コレステリック相−スメクチックA相−カイラルスメクチックC相を有する液晶が封入されてなる液晶パネルであって、
    前記基板のうち、第1の基板は配向処理が施され、第2の基板は少なくともその一部が、第1の基板に施された配向処理方向と10°以上80°未満の角度をなす方向に配向処理が施され、
    前記第2の基板の方位角アンカリングエネルギーが、前記第1の基板の方位角アンカリングエネルギーよりも小さく、
    電圧無印加時に前記カイラルスメクチックC相において、前記液晶が一様な単安定分子配向を有し、
    前記単安定分子配向の方向が、前記基板の法線方向からみて前記第1の基板に施した配向処理方向からチルトしていることを特徴とする、液晶パネル。
  2. 前記第2の基板は、隣接する領域が相互に異なる方向に配向処理が施されてなる複数の配向処理領域を有してなる、請求項1に記載の液晶パネル。
  3. 前記コレステリック相において、当該液晶の分子配向が、前記第1の基板から前記第2の基板に向かってツイストしている、請求項1に記載の液晶パネル。
  4. 前記コレステリック相において、当該液晶の分子配向が、前記第2の基板の複数の配向処理領域で配向分割されている、請求項2に記載の液晶パネル。
  5. 前記第1の基板と前記第2の基板が、表面にポリイミド配向膜を形成したものであり、前記ポリイミド配向膜表面には、ラビング配向処理または紫外光の照射による配向処理が施されてある、請求項1に記載の液晶パネル。
  6. 前記第1の基板と前記第2の基板が、表面に光配向膜を形成したものであり、前記光配向膜表面には、紫外光の照射による配向処理が施されている、請求項1に記載の液晶パネル。
  7. 前記第1の基板が、表面にポリイミド配向膜を形成したものであり、前記第2の基板が、表面に光配向膜を形成したものであり、前記ポリイミド配向膜表面には、ラビング配向処理または紫外光の照射による配向処理が施され、前記光配向膜表面には、紫外光の照射による配向処理が施されている、請求項1に記載の液晶パネル。
  8. 前記第1の基板または前記第2の基板に、各画素に対応してアクティブマトリックス駆動を行うための薄膜トランジスタを有する、請求項1に記載の液晶パネル。
  9. 請求項に記載の液晶パネルと、複数色のLEDからなるバックライトと、前記薄膜トランジスタに電圧を供給して前記液晶をスイッチングさせる駆動回路を有する、液晶表示装置。
  10. 前記液晶のスイッチングに同期して、前記複数色のLEDを色順次に点灯することによりカラー表示を行う、請求項に記載の液晶表示装置。
  11. 前記第1の基板または第2の基板に、カラーフィルタを有し、前記カラーフィルタを有する基板とは異なる基板に、各画素に対応してアクティブマトリックス駆動を行うための薄膜トランジスタを有する、請求項1に記載の液晶パネル。
  12. 前記第1の基板または前記第2の基板に、各画素に対応してアクティブマトリックス駆動を行うための薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に形成された複数色の着色層からなるオンアレイタイプのカラーフィルタを有する、請求項1に記載の液晶パネル。
  13. 請求項1または1に記載の液晶パネルと、複数の冷陰極管または白色LEDからなるバックライトと、前記薄膜トランジスタに電圧を供給して前記液晶をスイッチングさせる駆動回路を有する、液晶表示装置。
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