JP3259634B2 - 反強誘電性液晶表示素子 - Google Patents

反強誘電性液晶表示素子

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JP3259634B2 JP15183496A JP15183496A JP3259634B2 JP 3259634 B2 JP3259634 B2 JP 3259634B2 JP 15183496 A JP15183496 A JP 15183496A JP 15183496 A JP15183496 A JP 15183496A JP 3259634 B2 JP3259634 B2 JP 3259634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は反強誘電性液晶
(AFLC、AntiFerroelectric Liquid Crystal)を用
いた液晶表示素子に関し、特に、階調表示が可能なAF
LC液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】強誘電性液晶を用いる強誘電性液晶表示
素子は、ネマティック液晶を用いるTNモードの液晶表
示素子と比較して、高速応答、広い視野角が得られる等
の点で注目されている。
【0003】強誘電性液晶表示素子として、強誘電性液
晶を用いた強誘電性液晶表示素子と反強誘電性液晶を用
いた反強誘電性液晶表示素子とが知られている。
【0004】反強誘電性液晶表示素子は、反強誘電性液
晶が備える配向状態の安定性を利用して画像を表示する
ものである。即ち、反強誘電性液晶は、液晶分子の配向
に3つの安定状態を有し、第1のしきい値以上の電圧を
該液晶に印加したとき、印加電圧の極性に応じて液晶分
子が第1の配向方向に配列する第1の強誘電相または第
2の配向方向に配列する第2の強誘電相に配向し、前記
第1のしきい値より低い第2のしきい値以下の電圧を印
加したとき、第1と第2の強誘電相の中間の配列状態で
ある反強誘電相に配向する。液晶表示素子の両側に配置
する一対の偏光板の透過軸の方向を反強誘電相の光学軸
を基準にして設定することにより、図20にその印加電
圧−透過率特性を示すように、光の透過率を制御して画
像を表示することができる。
【0005】反強誘電性液晶は、印加電圧が変化して
も、上記第1と第2のしきい値の間の範囲であれば、第
1または第2の強誘電相または反強誘電相に配向した状
態を維持するというメモリ性を有している。従来の反強
誘電性液晶表示素子は、このメモリ性を利用して単純マ
トリクス駆動されている。
【0006】反強誘電性液晶の配向状態のメモリ性は、
液晶が第1または第2の強誘電相から反強誘電相に相転
移する電圧と、反強誘電相から第1または第2の強誘電
相に相転移する電圧との電圧差によって定まり、この電
圧差が大きいほど、配向状態のメモリ性が高い。即ち、
光学特性のヒステリシスが大きい程メモリ性が高い。こ
のため、従来の単純マトリクス駆動される反強誘電性液
晶表示素子では、反強誘電性液晶として、上記電圧差が
大きい液晶を用いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、メモリ性の高
い反強誘電性液晶を用いる従来の反強誘電性液晶表示素
子は、光の透過率を任意に制御することができず、表示
階調の制御がほとんど不可能で、階調表示を実現するこ
とはできなかった。
【0008】この発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、明確な階調表示を実現できる反強誘電性液晶表示素
子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかる反強誘電性液晶表示
素子は、対向する一対の基板の一方に画素電極を、他方
の基板に前記画素電極に対向する対向電極をそれぞれ形
成し、前記一対の基板間に、液晶分子がほぼ第1の配向
方向に配列する第1の配向状態と液晶分子がほぼ第2の
配向方向に配列する第2の配向状態の2つの配向状態の
液晶分子が混在する配向状態を形成し、印加電圧に応じ
前記第1の配列状態と前記第2の配向状態のうちの
方の配向状態の液晶分子が他方の配向状態に変化して異
なった配向状態の領域を可視光帯域の波長よりも小さい
距離内に複数形成すると共に、印加電圧に応じて前記液
晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿って移動す
ことにより、ダイレクタが印加電圧に応じて連続的に
変化する反強誘電性液晶を封入し、階調表示を可能とし
たことを特徴とする
【0010】また、この発明の第2の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、画素電極と画素電極に接続され
たアクティブ素子がマトリックス状に複数配列された一
方の基板と、前記画素電極に対向する対向電極が形成さ
れた他方の基板と、前記基板間に封入された状態で、液
晶分子がほぼ第1の配向方向に配列した第1の強誘電相
と液晶分子がほぼ第2の配向方向に配列した第2の強誘
電相と、第1の配向方向に配列した液晶分子と第2の配
向方向に配列した液晶分子が混在することにより、ダイ
レクタがスメクチックCA相の層構造の層の方線方向
にほぼ一致する反強誘電相を形成し、印加電圧に応じ
て、前記第1の配列方向と前記第2の配向方向の一方に
配列した液晶分子が他方の配向方向に配列を変化して異
なった配向状態の領域が可視光帯域の光の波長よりも
さい距離内に複数形成すると共に、印加電圧に応じて前
記液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿って移
動することにより、ダイレクタが変化して前記強誘電相
と前記反強誘電相の間の中間の状態をとる反強誘電性液
晶、を備えたことを特徴とする。
【0011】また、この発明の第3の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、一方の基板と、前記一方の基板
に対向して配置された他方の基板と、前記一方と他方の
基板の間に封止された状態で、液晶分子がほぼ第1の配
向方向に配列した第1の強誘電相と液晶分子がほぼ第2
の配向方向に配列した第2の強誘電相と、第1の配向方
向に配列した液晶分子と第2の配向方向に配列した液晶
分子が混在することにより、ダイレクタがスメクチック
CA相の層構造の層の方線方向にほぼ一致する反強誘
電相を形成し、印加電圧に応じて、前記第1の配列方向
と前記第2の配向方向の一方に配列した液晶分子が他方
の配向方向に配列を変化して異なった配向状態の領域が
可視光帯域の波長よりも小さい距離内に複数形成すると
共に印加電圧に応じて前記液晶分子がスメクチックC
A 相のコーンに沿って移動することにより、ダイレク
が変化して前記強誘電相と前記反強誘電相の間の中間
の状態をとる反強誘電性液晶と、前記反強誘電性液晶に
電圧を印加して、この印加電圧を変えることにより、前
記異なった配向状態の領域の割合を制御すると共に前記
液晶分子を前記コーンに沿って移動させ、反強誘電性液
晶のダイレクタを前記第1と第2の配向方向の間の任意
の方向に設定する制御手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0012】この発明の第1乃至第3の観点にかかる反
強誘電性液晶表示素子によれば、印加電圧に応じて一方
の配向状態の液晶分子が他方の配向状態に変化するた
め、2つの配向状態の液晶分子の割合が印加電圧に応じ
て変化し、配向状態の異なる微小な領域が可視光帯域の
光の波長の内に複数存在し、これらの領域の光学特性が
平均化される。また、印加電圧に応じて、液晶分子のチ
ルトが変化する。これらの複合的作用により、ダイレク
タ(液晶分子の長軸の平均的方向)が印加電圧に応じて
連続的に変化し、多数の中間的配向状態が発生する。こ
の中間的配向状態を用いて中間調を表示することができ
る。
【0013】また、この発明の第4の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、対向する一対の基板の一方に画
素電極を、他方の基板に前記画素電極に対向する対向電
極をそれぞれ形成し、前記一対の基板間に、液晶分子が
ほぼ第1の配向方向に配列する第1の配向状態と液晶分
子がほぼ第2の配向方向に配列する第2の配向状態の2
つの配向状態の液晶分子がスメクチックCA 相の各層
毎に交互に混在する反強誘電性相を形成し、印加電圧に
応じて前記液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに
沿って移動すると共に、各液晶分子が印加電圧に応じて
その分子長軸の回りに回転する自由回転の前記印加電圧
と自発分極の相互作用による抑制により電界と垂直な方
向に傾くことにより、ダイレクタが印加電圧に応じて連
続的に変化する反強誘電性液晶を封入し、階調表示を可
能としたことを特徴とする。
【0014】また、この発明の第5の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、画素電極と画素電極に接続され
たアクティブ素子がマトリックス状に複数配列された一
方の基板と、前記画素電極に対向する対向電極が形成さ
れた他方の基板と、前記基板間に封入された状態で、液
晶分子がほぼ第1の配向方向に配列した第1の強誘電相
と液晶分子がほぼ第2の配向方向に配列した第2の強誘
電相と、第1の配向方向に配列した液晶分子と第2の配
向方向に配列した液晶分子が混在することにより、ダイ
クがタスメクチックCA相の層構造の層の方線方向
にほぼ一致する反強誘電相を形成し、印加電圧に応じて
前記液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿って
移動すると共に、各液晶分子が印加電圧に応じてその分
子長軸の回りに回転する自由回転の前記印加電圧と自発
分極の相互作用による抑制により電界と垂直な方向に
くことにより、ダイレクタが変化して前記強誘電相と前
記反強誘電相の間の中間の状態をとる反強誘電性液晶、
を備えたことを特徴とする。
【0015】また、この発明の第6の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、一方の基板と、前記一方の基板
に対向して配置された他方の基板と、前記一方の基板の
間に封止された状態で、液晶分子がほぼ第1の配向方向
に配列した第1の強誘電相と液晶分子がほぼ第2の配向
方向に配列した第2の強誘電相と、第1の配向方向に配
列した液晶分子と第2の配向方向に配列した液晶分子が
混在することにより、ダイレクがタスメクチックCA
相の層構造の層の方線方向にほぼ一致する反強誘電相を
形成し、印加電圧に応じて前記液晶分子がスメクチック
CA 相のコーンに沿って移動すると共に、各液晶分子
が印加電圧に応じてその分子長軸の回りに回転する自由
回転の前記印加電圧と自発分極の相互作用による抑制に
より電界と垂直な方向に傾くことによりダイレクタが
化し、前記強誘電相と前記反強誘電相の間の中間の状態
とる反強誘電性液晶と、前記反強誘電性液晶に印加す
る電圧を制御して、液晶分子にコーンを描かせて動かす
と共に、電界に対して垂直方向に傾かせることにより、
前記ダイレクタを前記第1と第2の配向方向の間の任意
の方向に設定する制御手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0016】この発明の第4乃至第6の観点にかかる反
強誘電性液晶表示素子によれば、印加電圧に対応して液
晶分子のチルトが変化すると共に液晶分子の回転が抑制
されて、液晶分子が傾く。これらの複合的作用により、
ダイレクタの平均的な方向が印加電圧に応じて連続的に
変化し、多数の中間的配向状態が発生する。この中間的
配向状態を用いて中間調を表示することができる。
【0017】また、この発明の第7の観点にかかる反強
誘電性液晶表示素子は、対向する一対の基板の一方に画
素電極を、他方の基板に前記画素電極に対向する対向電
極をそれぞれ形成し、前記一対の基板間に、液晶分子が
ほぼ第1の配向方向に配列する第1の配向状態と液晶分
子がほぼ第2の配向方向に配列する第2の配向状態の2
つの配向状態の液晶分子が混在する反強誘電性相を形成
し、印加電圧に応じて前記第1の配列状態と前記第2の
配向状態のうちの一方の配向状態の液晶分子が他方の配
向状態に変化して異なった配向状態の領域が可視光帯域
の波長よりも小さい距離内に複数形成すると共に、印加
電圧に応じて前記液晶分子がスメクチックCA 相のコ
ーンに沿って移動し、かつ各液晶分子が印加電圧に応じ
てその分子長軸の回りに回転する自由回転の前記印加電
圧と自発分極の相互作用による抑制によって電界と垂直
な方向に傾かせることにより、液晶のダイレクタが印加
電圧に応じて連続的に変化する反強誘電性液晶を封入
し、階調表示を可能としたことを特徴とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】この発明の第7の観点にかかる反強誘電性
液晶表示素子によれば、印加電圧に応じて2つの配向状
態の液晶分子の割合が変化し、また印加電圧に対応して
液晶分子のチルトが変化すると共に液晶分子の回転の抑
制により液晶分子が傾く、これらの複合的作用により、
ダイレクタが印加電圧に応じて連続的に変化し、多数の
中間的配向状態が発生する。この中間的配向状態を用い
て中間調を表示することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。 (第1の実施の形態)まず、第1の実施の形態の反強誘
電性液晶表示素子の構成を説明する。図1は反強誘電性
液晶表示素子の断面図、図2は画素電極とアクティブ素
子を形成した基板の平面図である。
【0023】この反強誘電性液晶表示素子は、アクティ
ブマトリクス方式のものであり、一対の透明基板(例え
ば、ガラス基板)11、12のうち、図1において下側
の基板(以下、下基板)11には透明な画素電極13と
画素電極13に接続されたアクティブ素子14とがマト
リクス状に配列形成されている。
【0024】アクティブ素子14は、例えば、薄膜トラ
ンジスタ(以下、TFT)から構成される。TFT14
は、基板11上に形成されたゲート電極と、ゲート電極
を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に形成された
半導体層と、半導体層の上に形成されたソース電極及び
ドレイン電極とから構成される。
【0025】さらに、下基板11には、図2に示すよう
に、画素電極13の行間にゲートライン(走査ライン)
15が配線され、画素電極13の列間にデータライン
(階調信号ライン)16が配線されている。各TFT1
4のゲート電極は対応するゲートライン15に接続さ
れ、ドレイン電極は対応するデータライン16に接続さ
れている。
【0026】ゲートライン15は、端部15aを介して
行ドライバ(行駆動回路)31に接続され、データライ
ン16は端部16aを介して列ドライバ(列駆動回路)
32に接続される。行ドライバ31は、後述するゲート
信号を印加して、ゲートライン15をスキャンする。一
方、列ドライバ32は、表示データ(階調データ)を受
け、データライン16に表示データに対応するデータ信
号を印加する。
【0027】ゲートライン15は端部15aを除いてT
FT14のゲート絶縁膜(透明膜)で覆われており、デ
ータライン16は前記ゲート絶縁膜の上に形成されてい
る。画素電極13は前記ゲート絶縁膜の上に形成されて
おり、その一端部においてTFT14のソース電極に接
続されている。
【0028】図1において、上側の基板(以下、上基
板)12には、下基板11の各画素電極13と対向する
透明な対向電極17が形成されている。対向電極17は
表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され、
基準電圧V0が印加されている。
【0029】下基板11と上基板12の電極形成面に
は、それぞれ配向膜18、19が設けられている。配向
膜18、19はポリイミド等の有機高分子化合物からな
る水平配向膜であり、その対向面には同一方向にラビン
グによる配向処理が施されている。
【0030】下基板11と上基板12は、その外周縁部
において枠状のシール材20を介して接着されており、
基板11、12間のシール材20で囲まれた領域には液
晶21が封入されている。
【0031】液晶21は、スメクチックCA*相(SmC
A*相)を有する反強誘電性液晶(以下、AFLC)から
構成され、その層の厚さは、透明なギャップ材22によ
り規制されている。ギャップ材22は液晶封入領域内に
点在状態で配置されている。
【0032】AFLC21は、十分高い電圧が印加され
た時、印加された電圧の極性に応じて、液晶分子が図3
に示す第1の配向方向21Aに配列した第1の強誘電相
と前記第1の配向方向と異なる第2の配向方向に配列し
た第2の強誘電相、及びダイレクタ(液晶分子の平均的
配向方向)がSmCA*相の層構造の層(スメクチック
層)の法線方向21Cにほぼ一致した状態の反強誘電相
と、これらの中間状態を呈する。
【0033】液晶表示素子の上下には、一対の偏光板2
3、24が配置されている。偏光板23、24の光学軸
(以下、透過軸とする)は、AFLC21の液晶分子の
配向方向に基づいて設定されている。即ち、図3に示す
ように、下側の偏光板23の透過軸23Aはスメクチッ
ク層の法線方向21Cにほぼ一致するスメクチック層の
法線方向とほぼ平行に設定され、上側偏光板24の透過
軸24Aは下偏光板23の透過軸23Aにほぼ直角に設
定されている。
【0034】図3に示すように、偏光板23、24の透
過軸23A,23Bを設定した反強誘電性液晶表示素子
は、AFLC21のダイレクタが第1又は第2の配向方
向21A、21Bにほぼ配向した強誘電相の時に透過率
がほぼ最大(表示が最も明るく)になり、ダイレクタの
平均的方向がスメクチック層の法線方向21Cに向くよ
うにほぼ配向した反強誘電相の時に透過率がほぼ最小
(表示が最も暗く)になる。
【0035】すなわち、液晶分子が第1又は第2の配向
方向21A、21Bを向いた状態では、入射側の偏光板
23の透過軸23Aを通過した直線偏光はAFLC21
の複屈折作用により非直線偏光となり、出射側偏光板2
4の透過軸24Aと平行な成分が出射し、表示は明るく
なる。一方、AFLC21のダイレクタがスメクチック
層の法線方向21Cを向いた状態では、その光学軸がス
メクチック層の法線方向に向くため、入射側の偏光板2
3を通った直線偏光はAFLC21の複屈折作用をほと
んど受けず、直線偏光のままAFLC21を通過し、そ
のほとんどが出射側の偏光板24で吸収され、表示が暗
くなる。また、AFLC21が光学的中間状態の時は、
ダイレクタの平均的な方向に応じた階調が得られる。
【0036】次に、AFLC21について詳細に説明す
る。AFLC21は、例えば、コーンアングルが30゜
から45゜(望ましくは、35゜以上)と大きく、I、
SmA、SmCA*というシーケンスで相転移するSmC
A*相の液晶から構成され、図4に示すように、バルクの
状態では分子配列の層構造と螺旋構造を有している。通
常の強誘電性液晶と異なり、隣接する液晶分子は層毎に
コーンのほぼ180゜シフトして螺旋を描いた二重螺旋
構造を有する。
【0037】AFLC21の層の厚さ(セルギャップ)
は、AFLC21の螺旋構造のピッチ(ナチュラルピッ
チ)よりも小さく形成されている。このため、AFLC
21は、図5に模式的に示すように、二重螺旋構造を消
失した状態で基板11、12間に封止されている。な
お、セルギャップをAFLC21の螺旋構造の1ピッチ
よりも大きくし、代わりに、配向膜18、19の表面を
安定化することにより、表面安定化効果により、二重螺
旋構造を消失させてもよい。
【0038】この実施の形態のAFLC21は、反強誘
電相を維持しようとする反強誘電性的相互作用が弱く、
強誘電相になり易い相互作用である強誘電的相互作用が
比較的強く、また、分子長軸回りの回転力が強い。
【0039】このような特性を有するAFLC21は、
例えば、化1−(I)に示す骨格構造を有する液晶と化
1−(II)に示す骨格構造を有する液晶とを、それぞれ
60重量%と40重量%で混合することにより得られ
る。この液晶は、コーンアングルが約30°、I、Sm
A、SmCA*というシーケンスで相転移するSmCA*
相の液晶であり、バルクの状態では分子配列の層構造と
二重螺旋構造を有している。
【0040】
【化1】
【0041】次に、図6を参照して、印加電圧による液
晶分子の配向の変化を説明する。電圧無印加の状態で
は、図5及び図6(A)に示すように、液晶分子は第1
と第2の配向方向21Aと21Bを層毎に交互に向いた
状態となる。即ち、層毎に第1の配向状態と第2の配向
状態を繰り返す状態になる。この状態では、層内では自
発分極が発生するが、隣接する層の永久双極子が互いに
反対方向を向き、双極子モーメントが互いに打ち消しあ
って総合的には自発分極は存在せず、反強誘電相とな
る。空間的に平均されたAFLC21の光学軸は液晶分
子の平均的な配向方向、即ち、ダイレクタの方向である
スメクチック層の法線方向21Cとなる。また、この状
態では、液晶分子は、反強誘電的相互作用により拘束さ
れながらその長軸の回りに回転している。
【0042】前述のように、AFLC21は、強誘電的
相互作用が強い。即ち、液晶分子は並列に配向しやすい
性質を有する。このため、AFLC21に飽和電圧Ec
未満の電圧Eを印加すると、第2の配向状態にある液晶
分子の一部が、図7に示すコーンを描いて、図6(B)
及び(C)に示すように、第1の配向状態に変化する。
第1の配向状態の液晶分子の数(割合)は、印加電圧E
が大きくなるに従って多くなる。
【0043】また、AFLC21は、反強誘電的相互作
用の弱い液晶である。即ち、反強誘電相の配向状態を維
持する相互作用が弱い。このため、正の電界Eが印加さ
れると、第2の配向状態の液晶分子は、コーン(液晶分
子が通常の配向の切り替わり時に描く軌跡)に沿って所
定量(所定角度)動く(傾く)。一方、第1の配向状態
に配向していた液晶分子は自発分極との相互作用による
力が大きいので動かない。
【0044】さらに、印加電圧により、液晶分子の長軸
周りの回転が抑制されて自発分極が発生する。この自発
分極と電界の相互作用により、電界Eと垂直な面(y−
z面)内で液晶分子は傾く。この動きは、コーンをはず
れた動きとなる。
【0045】これらが総合的に作用するため、液晶分子
の配向方向は、図6(B)及び(C)に破線で示すよう
に、無電界時の第1の配向方向又は第2の配向方向に配
列した状態からずれる。即ち、第2の配向状態にある液
晶分子の傾き角δ2は、電界によるコーン上の動きと回
転の抑制によるコーンからはずれた動きの総合的な作用
により、第1の配向状態にある液晶分子の傾き角δ1は
回転の抑制によるものであり、傾き角δ1とδ2の大きさ
は共に印加電界の強度に応じて変化する。
【0046】正極性の印加電圧Eの上昇に伴う第1の配
向状態の液晶分子の増加と、各液晶分子の傾きの増加と
の複合作用により、印加電圧の上昇に伴ってダイレクタ
はスメクチック層の法線方向21Cから第1の配向方向
21Aに向かって連続的に変化する。
【0047】また、逆極性で飽和電圧Ec未満の電圧E
を印加すると、図6(E)及び(F)に示すように、印
加電圧Eの大きさに応じて、第1の配向状態にある液晶
分子の一部が第2の配向状態に変化する。配向状態が変
化する分子の数(割合)は印加電圧が大きくなるに従っ
て大きくなる。
【0048】また、印加電圧に応じて液晶分子がコーン
に沿って動き、第2の配向方向21Bに向かって動く。
しかし、第2の配向方向21Bに配向していた液晶分子
は自発分極との相互作用による力が大きいので動かな
い。
【0049】また、印加電圧Eの大きさに応じて液晶分
子の長軸回りの回転が抑制されて、自発分極が発生す
る。この自発分極と電界の相互作用により、電界と垂直
な方向に液晶分子は傾く。コーンに沿った動きと回転の
抑制による傾きにより、各液晶分子は、例えば、図6
(E)及び(F)に破線で示すように、第1又は第2の
配向状態の位置からずれる。第1の配向状態にある液晶
分子の傾き角(ずれ角)δ3は、コーン上の傾きと回転
の抑制によるものであり、第2の配向状態にある液晶分
子の傾き角δ4は回転の抑制によるものであり、傾き角
δ3とδ4の大きさは共に印加電界の強度に応じて変化す
る。
【0050】負極性の印加電圧の上昇に伴って、第2の
配向状態の液晶分子の増加と液晶分子の傾きの増加とが
複合的に増加する。このため、負極性の印加電圧の上昇
に伴い、ダイレクタは第2の配向方向21Bに向かって
連続的に変化する。
【0051】一方、AFLC21にある一定値Ec以上
の電圧(飽和電圧)を印加することにより、図6(D)
及び(G)に示すように、印加電圧の極性に応じて液晶
分子は第1又は第2の配向状態の一方になる。この状態
では、隣接する層の永久双極子が互いに同一方向を向
き、自発分極が存在し、第1又は第2の強誘電相とな
る。この状態では、印加電界により液晶分子の回転は強
く抑制されており、大きな分極が現れる。
【0052】上述の液晶分子の動作が総合的に発生する
結果、AFLC21内には、図8に模式的に示すよう
に、第1の配向状態に液晶分子が配列した微小領域と第
2の配向状態に液晶分子が配列した微小領域が、可視光
帯域の光の波長よりも短い距離内に多数形成され、これ
らの微小領域の面積又は数の割合が印加電圧に応じて変
化する。また、各微小領域内のAFLC21のダイレク
タは、液晶分子のコーンに沿った傾き及び回転の抑制に
より傾く。
【0053】各微小領域のサイズが可視領域の光の波長
よりも小さいため、光学的には、これらの微小領域の光
学特性が平均化される。従って、ダイレクタの方向がA
FLC21の実質的な光学軸となる。そして、この光学
軸は印加電圧の変化に伴う液晶分子の配向の変化に応じ
て連続的かつほぼ第1の配向方向と第2の配向方向との
間で連続的に変化する。
【0054】このため、偏光板23、24を図3に示す
ように配置し、0.1Hz程度の十分低周波の三角波電
圧を画素電極13と対向電極17との間に印加して得ら
れる光学特性は、例えば、図9又は図10に示すよう
に、印加電圧0V近傍において平坦な部分がなく、印加
電圧の絶対値の上昇に伴って光学特性も連続的になめら
かに変化し、閾値が存在しないものとなる。さらに、印
加電圧の極性に対して透過率のカーブも対称となる。ま
た、絶対値が一定の値(Ec)以上の電圧が印加される
と、ほぼ全ての液晶分子が第1又は第2の配向状態に配
向し、透過率はほぼ飽和するものの、液晶分子の回転の
抑制による傾きのために、わずかに透過率が上昇する。
さらに、ヒステリシスが小さくなる。
【0055】以上説明したように、この実施の形態の液
晶表示表示素子によれば、印加電圧に対し表示階調が一
義的に定まり、しかも、任意の階調を得ることができ
る。従って、上述のように、液晶表示素子をアクティブ
マトリクス型として、各画素の非選択期間に、印加電圧
を表示階調に対応するほぼ一定値に維持することによ
り、任意の階調が表示可能となる。
【0056】次に、上記構成の液晶表示素子に階調表示
を行わせる場合の駆動方法について説明する。図11
(A)は、行ドライバ31が第1行のTFT14に接続
されたゲートライン15に印加するゲート信号の波形を
示し、図11(B)は、列ドライバ32がデータライン
16に印加するデータ信号の波形を示し、図11(C)
は各画素に保持される電圧を示す。なお、理解を容易に
するため、第1行の画素用のデータ信号のみ示し、他の
行用のデータ信号は図示しない。
【0057】図11(A)〜図11(C)において、T
Fは1フレーム期間、TSは第1行の画素の選択期間、
TOは非選択期間を示す。各選択期間TSは、例えば、
約60μ秒である。図11(B)に示すように、連続す
る2つのフレームの選択期間TSに、表示階調に応じ、
極性が反対で絶対値が同一の電圧値VD、−VDを有す
る駆動パルス(書き込みパルス)をデータライン16に
印加する。即ち、1つの映像信号(表示データ)につい
て、電圧値が+VDと−VDの2つの駆動パルスを2つ
のフレームの各選択期間TSにそれぞれ1つずつAFL
C21に印加する。駆動パルスの極性及び電圧値は、デ
ータ信号の基準電圧V0に対する極性と電圧である。基
準電圧V0は対向電極17に印加する電圧と同一であ
る。
【0058】この駆動方法では、書き込み電圧VDの最
小値をV0とし、最大値Vmaxを透過率の飽和が起こる
電圧ECよりも若干低い値として、V0〜Vmaxの範囲で
書き込み電圧VDを制御する。
【0059】上記のような波形のゲート信号とデータ信
号とを用いて上記反強誘電性液晶表示素子を駆動する
と、各行の選択期間TSに、駆動パルスの電圧(書き込
み電圧)VDがゲート信号によりオンしているTFT1
4を介して画素電極13に印加される。ゲート信号がオ
フし、非選択期間TOになると、TFT14がオフ状態
になり、図11(C)に示すように、書き込み電圧VD
が、画素電極13と対向電極17とその間のAFLC2
1とで形成される容量(画素容量)に保持される。この
ため、図11(C)に示すように非選択期間TOの間、
その画素の透過率が、画素容量の保持電圧に対応する値
に維持される。
【0060】この実施の形態では、AFLC21として
印加電圧の変化に対する明確な閾値を有さず、透過率が
連続的に変化するものを使用し、しかも、図3に示す光
学配置を採用して。従って、書き込み電圧VDの絶対値
に対する透過率が一義的に定まり、書き込み電圧VDの
絶対値により透過率を制御して、明確な階調表示を実現
できる。また、連続する2つのフレームにより、1つの
画素データに対する正負逆極性の電圧+VDと−VDを
AFLC21に印加しているので、正負の電圧に対する
光学特性が若干異なっていてもこれらの光学的変化の平
均値として観察されるので、正負逆極性の電圧に対する
光学的特性に差があっても明確な階調表示が可能であ
る。
【0061】また、連続する2つのフレームで、極性が
逆で絶対値が等しい電圧+VDと−VDを各画素(AF
LC21)に印加するので、AFLC21に直流電圧成
分が片寄って印加されることがない。従って表示の焼き
付き現象やAFLC21の劣化を生ずることもない。
【0062】(第2の実施の形態)第1の実施の形態に
おいては、印加電圧により、液晶分子の長軸回りの回転
が抑制されることにより、液晶分子が傾く反強誘電性液
晶を使用したが、印加電圧による液晶分子の長軸回りの
回転の抑制によっても液晶分子の傾きが発生しにくい反
強誘電性液晶を使用することも可能である。以下、この
ような液晶を使用する第2の実施の形態を説明する。
【0063】なお、この実施の形態の液晶表示素子の構
造は、図1〜図3に示す構成と同一である。この実施の
形態のAFLC21は、反強誘電相を維持しようとする
反強誘電性的相互作用が比較的弱く、強誘電相になり易
い相互作用である強誘電的相互作用が比較的強い液晶組
成物からなる。
【0064】このような特性を有するAFLC21は、
例えば、化2−(I)〜(III)に示す主構造を有する液
晶を、それぞれ20重量%と40重量%と40重量%の
割合で混合することにより得られる。この液晶は、コー
ンアングルが約30°、I、SmA、SmCA*という
シーケンスで相転移するSmCA*相の液晶であり、バ
ルクの状態では分子配列の層構造と二重螺旋構造を有し
ている。
【0065】
【化2】
【0066】この種の液晶をAFLC21として使用し
た場合、電圧無印加の状態では、図12(A)に示すよ
うに、液晶分子は第1と第2の配向方向21Aと21B
を層毎に交互に向いた状態となる。この状態では、層内
では自発分極が発生するが、隣接する層の永久双極子が
互いに反対方向を向き、双極子モーメントが互いに打ち
消し合って総合的には自発分極は存在せず、反強誘電相
となる。空間的に平均されたAFLC21の光学軸は液
晶分子の平均的な配向方向、即ち、ダイレクタの方向で
あるスメクチック層の法線方向21Cとなる。
【0067】前述のように、AFLC21は、強誘電的
相互作用が強い。即ち、液晶分子は並列に配向しやすい
性質を有する。このため、AFLC21に飽和電圧Ec
未満の正極性の電圧Eを印加すると、図12(B)及び
(C)に示すように、印加電圧Eの大きさに応じて、第
2の配向状態にある液晶分子の一部が第1の配向状態に
変化する。配向状態が変化する分子の数(割合)は、印
加電圧Eが大きくなるに従って多くなる。
【0068】また、分子長軸が第2の配向方向21Bに
配向した第2の配向状態の液晶分子に、電界との相互作
用による力が働いて、図12(B)及び(C)に破線で
示すように、第2の配向状態の液晶分子はコーンに沿っ
て所定量(所定角度)動く。この移動量(移動角度)は
印加電圧の値に対応する。
【0069】正極性の印加電圧Eの上昇に伴い、第1の
配向状態の液晶分子が増加すると共に第2の配向状態の
液晶分子の傾きが増加する。このため、ダイレクタは、
印加電圧の上昇に伴って、スメクチック層の法線方向2
1Cから第1の配向方向21Aに向かって連続的に変化
する。
【0070】また、負極性で飽和電圧Ec未満の電圧E
を印加すると、図12(E)及び(F)に示すように、
印加電圧Eの大きさに応じて、第1の配向状態にある液
晶分子の一部は第2の配向状態に変化する。
【0071】また、第1の配向状態にある液晶分子が、
印加電圧に応じて、コーンに沿って、第2の配向方向2
1Bに向かって動く。しかし、第2の配向方向21Bに
配向していた液晶分子は自発分極との相互作用による力
が大きいので動かない。
【0072】このように、負極性の印加電圧の上昇に伴
なって、第2の配向状態の液晶分子と第1の配向状態の
液晶分子の傾きが複合的に増加する。このため、負極性
の印加電圧の上昇に伴い、ダイレクタは第2の配向方向
21Bに向かって連続的に変化する。
【0073】一方、AFLC21にある一定値Ec以上
の電圧(飽和電圧)を印加することにより、図12
(D)及び(G)に示すように、印加電圧の極性に応じ
て液晶分子は第1又は第2の配向状態の一方になる。こ
の状態では、隣接する層の永久双極子が互いに同一方向
を向き、自発分極が存在し、第1又は第2の強誘電相と
なる。この状態では、印加電界により液晶分子の回転は
強く抑制されており、大きな分極が現れる。
【0074】以上説明した現象により、この実施の形態
のAFLC21も、その内部に、図8に示すように、第
1の配向状態に液晶分子が配列した微小領域と第2の配
向状態に液晶分子が配列した微小領域が、可視光帯域の
光の波長よりも短い距離内に多数形成される。これらの
微小領域の面積又は数の割合が印加電圧に応じて変化す
る。また、各微小領域内のAFLC21のダイレクタ
は、液晶分子のコーンに沿った傾きにより傾く。
【0075】各微小領域のサイズが可視領域の光の波長
よりも小さいため、これらの微小領域の光学特性が平均
化される。従って、ダイレクタの方向がAFLC21の
実質的な光学軸となる。そして、この光学軸は印加電圧
の変化に伴う液晶分子の配向の変化に応じて連続的かつ
ほぼ第1の配向方向と第2の配向方向との間で連続的に
変化する。従って、この種の反強誘電性液晶を用いて、
階調表示が可能である。
【0076】(参考例1) 第1及び第2の実施の形態では、スメクチックCA
二重螺旋構造消失させた状態でAFLC21を基板11
と12の間に封入したが、以下に説明する参考例1の
13に示したように、螺旋構造を保持したままAFLC
21を基板間に封入してもよい。
【0077】この参考例1の液晶としては、例えば、化
1又は化2に示す構成の反強誘電性液晶を使用すること
ができる。
【0078】例えば、化1の反強誘電性液晶を使用した
場合、電圧無印加の状態では、図13に示すように、液
晶分子は180゜シフトした2つの螺旋を描く。AFL
C21の空間的に平均された光学軸は液晶分子の平均的
な配向方向であるスメクチック層の法線方向21Cに平
行な方向になる。
【0079】AFLC21にある一定値Ec以上の電圧
(飽和電圧)を印加することにより、図6(D)と
(G)に示すように、螺旋構造が消失し、印加電圧の極
性に応じて液晶分子が第1又は第2の配向方向21A,
21Bに配向した第1又は第2の強誘電相となる。
【0080】また、AFLC21に中間レベルの電圧を
印加すると、液晶分子の永久双極子と電界との相互作用
により、印加電圧の極性及び印加電圧の絶対値に応じ
て、液晶分子の描く二重螺旋構造が歪む。この歪みに伴
って平均的な光学軸が傾く。
【0081】また、印加電圧Eの極性及び大きさに応じ
て、第1又は第2の配向状態にある液晶分子の一部が第
2又は第1の配向状態に変化する。配向状態が変化する
分子の数(割合)は、印加電圧Eが大きくなるに従って
多くなる。また、液晶分子の、印加電圧に応じたコーン
上を動く。さらに、印加電圧に応じて、液晶分子の回転
が抑制され、液晶分子が電界に垂直な方向に傾く。
【0082】即ち、印加電圧による二重螺旋構造の歪み
と、配向状態の切り替わり、液晶分子のコーン上の動
き、回転の抑制による傾きの複合作用により、液晶分子
の平均的な配向方向は印加電圧に応じて連続的に変化す
る。
【0083】これらのことは、印加電圧に応じて液晶分
子の二重螺旋構造が歪むと共に、螺旋の軸が印加電圧に
応じて傾く(スメクチック層の法線に対し)ことに実質
的に等価である。液晶分子の平均的な配向方向は印加電
圧に応じて連続的に変化する。従って、第1の実施の形
態と同様に、液晶分子の平均的な配向方向を連続的に変
化させて、任意の中間階調を表示させることができる。
【0084】化2の液晶組成物を使用する場合も、ほぼ
同様の動作により、AFLC21のダイレクタが印加電
圧に応じて連続的に変化し、任意の階調を表示すること
ができる。
【0085】第1〜第3の実施の形態においては、強誘
電的相互作用の強いAFLC21を使用したが、強誘電
的相互作用の弱いAFLC21を使用してもよい。この
場合、印加電圧に応じて第1又は第2の配向状態にある
液晶分子が順次第2又は第1の配向状態に変化するとい
う現象は起こりにくくなる。
【0086】このため、例えば、飽和電圧Ec以下の電
圧を印加した場合には、図14(A)〜図14(C)に
示すように、第1の配向状態の液晶分子と第2の配向状
態の液晶分子が、SmCA*相の層毎に順次反転する状態
が維持されるが、破線で示すように、各液晶分子が印加
電圧に対応するコーン上の動きと回転の抑制による傾き
のため、そのチルトが変化する。このため、ダイレクタ
の方向は第1と第2の配向方向21A、21Bとの間で
連続的に変化し、無数の中間配向状態を設定することが
できる。
【0087】この場合も、印加電圧の変化に伴う第1の
配向状態にある液晶分子と第2の配向状態の液晶分子の
割合の変化と、前駆現象による液晶分子の傾き角の変化
との複合作用により、ダイレクタはほぼ第1と第2の配
向方向21A、21Bとの間で連続的に変化する。従っ
て、無数の中間配向状態を設定することができる。
【0088】この発明の液晶表示素子の素子の構造、駆
動方法、駆動波形等は、上記実施の形態に限定されず、
任意に変更可能である。例えば、偏向板23と24の透
過軸23A、24Aを互いに平行に配置してもよい。ま
た、偏光板の光学軸は吸収軸でもよい。また、一方の偏
光板の光学軸を第1又は第2の配向方向21A又は21
Bに平行又は直角とし、他方の偏光板の光学軸を一方の
偏光板の光学軸に平行又は直交させてもよい。
【0089】また、本発明はTFTをアクティブ素子と
する強誘電性液晶表示素子に限らず、MIMをアクティ
ブ素子とする強誘電性液晶表示素子にも適用可能であ
る。
【0090】
【実施例】
(第1の実施例)この発明の反強誘電性液晶を用いた液
晶表示素子の印加電圧に対する透過率の関係を図15に
示す。図15はAFLC21として化1に示す組成を有
し、I−SA転移温度が68℃、SA−SCA*転移温度が
54℃、自発分極が138nc/cm2、チルト角が3
0.4゜(コーン角60.8゜)の反強誘電性液晶を螺
旋が解けた状態で使用し、配向処理方向及び偏光板の透
過軸の方向を図3に示したように設定し、各選択期間T
Sを60μ秒とし、図11(B)に示すように絶対値が
同一の電圧を有する駆動パルスを2つのフレームで異な
った極性とし、書き込み電圧を0V〜10Vの範囲で変
化させた時の印加電圧と透過率の関係を示す。このグラ
フから明らかなように、この液晶表示素子及びこの駆動
方法によれば、書き込み電圧を変化させることにより、
透過率が連続的に変化し、さらに、書き込み電圧に応じ
て表示階調がほぼ一義的に定まり、階調表示が可能にな
る。
【0091】(第2の実施例)図16はAFLC21と
して化2に示す組成を有する反強誘電性液晶を螺旋が解
けた状態で使用し、配向処理方向及び偏光板の透過軸の
方向を図3に示したように設定し、各選択期間TSを6
0μ秒とし、対向する電極17と13との間に±20
V、0.1Hzの三角波を印加して得られたものであ
る。
【0092】この液晶において、印加電圧に応じた上述
の分子の挙動が行われていることは、例えば、図17
(A)〜(I)に示す偏光顕微鏡写真の図等から判別す
ることができる。例えば、図17(I)〜(A)は、こ
の順に、無電界状態から充分高い電圧を印加した状態ま
でのテストセルの偏光顕微鏡による透過率の変化を示し
ている。
【0093】ここで、無電界状態では、図17(I)に
示すように、ほとんど全面が「黒」、即ち、光遮断状態
であり、点状にごくわずかに「白」、即ち、光透過状態
の領域が存在するにすぎない。
【0094】印加電圧を順次増加すると、図17(I)
〜(G)に示すように、「黒」の領域と「白」の面積は
ほとんど変化しないが、全体が明るくなる。このこと
は、「黒」領域の液晶分子が印加電界との相互作用によ
り、コーンに沿って動き、その配向状態を変化させてい
ることを示している。
【0095】さらに、印加電圧を上昇すると、図17
(G)〜(C)に示すように、「白」の領域の面積が増
加し、「黒」の領域の面積が減少する。このことは、
「黒」の領域の液晶分子(第1の配向状態にあるとす
る)がほぼドメイン単位で第2の配向状態に変化したこ
とを示している。即ち、その微小領域の液晶が強誘電相
に変化したことを示している。また、「黒」の領域の透
過率が高くなる。このことは、印加電界との相互作用に
より、「黒」の領域の液晶分子が、コーンに沿って動い
ていることを示している。
【0096】さらに、印加電圧を上昇すると、図17
(C)〜(A)に示すように、「白」の領域の面積が増
加し、「黒」の領域の面積が減少する。この段階では、
この「黒」の領域の透過率はほとんど変化していない。
このことは、液晶分子の配向状態が微小領域単位で一括
して変化していることを示している。
【0097】(参考例2) 図18はAFLC21として化1に示す組成を有する反
強誘電性液晶を螺旋を維持した状態で使用し、配向処理
方向及び偏光板の透過軸の方向を図3に示したように設
定し、対向する電極17と13との間に±20V、0.
1Hzの三角波を印加して得られるものである。
【0098】この液晶において印加電圧に応じた上述の
分子の挙動が行われていることは、例えば、この液晶の
コノスコープ像から判別することができる。例えば、図
19(B)は、無電界時のこの液晶のコノスコープ像を
示す。この像には、上下左右の4方向に互いに分離した
明部が存在している。このことは、無電界時に螺旋構造
が存在することを示している。
【0099】また、正極性の電圧を印加した状態では、
図19(A)に示すように、図19(B)に示す左右方
向の白部が連結し、上下方向の白部は分離している。こ
のことは、液晶分子がコーンに沿って動き、螺旋構造が
ある程度解けていることを示している。しかも、印加電
圧の極性を反転する(負極性とする)ことにより、図1
9(C)に示すように、コノスコープ像はほぼ点対象的
に反転する。このことから、上記液晶は、液晶分子が印
加電圧に応じてコーン上で傾くと共に回転の抑止により
コーンから離れて傾いていることが判別できる。
【0100】従って、この液晶をAFLC21として使
用することにより、図18に示す特性により、任意の階
調を表示することができる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の反強誘電
性液晶表示素子は、強誘電相と反強誘電相の間の無数の
中間配向状態を有するので、この中間配向状態を用いて
中間調を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる液晶表示素子の
構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す液晶表示素子の下基板の構成を示す
平面図である。
【図3】偏光板の透過軸と液晶分子の配向方向の関係を
示す図である。
【図4】反強誘電性液晶の液晶分子の描く二重螺旋構造
を説明するための図である。
【図5】基板間に封止された液晶分子の配向状態を説明
するための図である。
【図6】印加電圧と液晶分子の配向との関係を示す図で
あり、(A)は電圧を印加していない時の液晶分子の配
向を説明するための図であり、(B)と(C)は第1の
極性の中間電圧を印加した時の液晶分子の配向を説明す
るための図であり、(D)は第1の極性で十分大きい電
圧を印加した時の液晶分子の配向を説明するための図で
あり、(E)と(F)は第2の極性の中間電圧を印加し
た時の液晶分子の配向を説明するための図であり、
(G)は第2の極性で十分大きい電圧を印加した時の液
晶分子の配向を説明するための図である。
【図7】液晶分子の描くコーンを説明する図である。
【図8】可視光帯域の光の波長より短い距離内に配向状
態の異なる領域が形成された状態を模式的に示した図で
ある。
【図9】この発明の第1の実施の形態の反強誘電性液晶
表示素子に低周波の三角波電圧を印加した時の印加電圧
−透過率特性の一例を示すグラフである。
【図10】この発明の第1の実施の形態の反強誘電性液
晶表示素子に低周波の三角波電圧を印加した時の印加電
圧−透過率特性の他の例を示すグラフである。
【図11】この発明の一実施の形態の液晶表示素子の駆
動方法を説明するためのタイミングチャートであり、
(A)はゲート信号、(B)はデータ信号、(C)は各
画素に保持される電圧を示すタイミングチャートであ
る。
【図12】印加電圧と液晶分子の配向との関係を示す図
であり、(A)は電圧を印加していない時の液晶分子の
配向を説明するための図であり、(B)と(C)は第1
の極性の中間電圧を印加した時の液晶分子の配向を説明
するための図であり、(D)は第1の極性で十分大きい
電圧を印加した時の液晶分子の配向を説明するための図
であり、(E)と(F)は第2の極性の中間電圧を印加
した時の液晶分子の配向を説明するための図であり、
(G)は第2の極性で十分大きい電圧を印加した時の液
晶分子の配向を説明するための図である。
【図13】二重螺旋構造を保持した状態でAFLCを基
板間に配置した状態を説明するための図である。
【図14】反強誘電性的相互作用の小さい液晶表示素子
に中間電圧を印加したときの液晶分子の配向とその傾き
を説明するための図であり、(A)は電圧無印加時の配
向状態を示す図、(B)は第1の極性の中間電圧を印加
した時の配向状態を示す図であり、(C)は第2の極性
の中間電圧を印加した時の配向状態を示す図である。
【図15】この発明の第1の実施の形態の液晶表示素子
の実施例の印加電圧−透過率特性を示す図である。
【図16】この発明の第2の実施の形態の液晶表示素子
の実施例の印加電圧−透過率特性を示す図である。
【図17】図16に示す特性を示す液晶表示素子の偏光
顕微鏡写真を示す図である。
【図18】参考例2の液晶表示素子における印加電圧−
透過率特性を示す図である。
【図19】(A)乃至(C)は、図18に示す特性を示
す液晶表示素子のコノスコープ像を示す図である。
【図20】従来の反強誘電性液晶表示素子に低周波の三
角波電圧を印加した時の、印加電圧−透過率特性を示す
グラフである。
【符号の説明】
11・・・透明基板(下基板)、12・・・透明基板(上基
板)、13・・・画素電極、14・・・アクティブ素子(TF
T)、15・・・ゲートライン(走査ライン)、16・・・デ
ータライン(階調信号ライン)、17・・・対向電極、1
8・・・配向膜、19・・・配向膜、20・・・シール材、21・
・・反強誘電性液晶(AFLC)、22・・・ギャップ材、
23・・・偏光板(下偏光板)、24・・・偏光板(上偏光
板)、31・・・行ドライバ(行駆動回路)、32・・・列ド
ライバ(列駆動回路)
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−222930(JP,A) 特開 平4−246623(JP,A) 特開 平6−194626(JP,A) 特開 平5−100208(JP,A) 特開 平5−188350(JP,A) 特開 平7−134276(JP,A) 特開 平7−306421(JP,A) 特開 平5−19261(JP,A) 特開 平4−29219(JP,A) 特開 平4−212126(JP,A) 特開 平6−208106(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/141 G02F 1/133 G02F 1/1337

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向する一対の基板の一方に画素電極を、
    他方の基板に前記画素電極に対向する対向電極をそれぞ
    れ形成し、前記一対の基板間に、液晶分子がほぼ第1の
    配向方向に配列する第1の配向状態と液晶分子がほぼ第
    2の配向方向に配列する第2の配向状態の2つの配向状
    態の液晶分子が混在する配向状態を形成し、印加電圧に
    応じて前記第1の配列状態と前記第2の配向状態のうち
    一方の配向状態の液晶分子が他方の配向状態に変化し
    て異なった配向状態の領域を可視光帯域の波長よりも小
    さい距離内に複数形成すると共に、印加電圧に応じて前
    記液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿って移
    動することにより、ダイレクタが印加電圧に応じて連続
    的に変化する反強誘電性液晶を封入し、階調表示を可能
    としたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  2. 【請求項2】画素電極と画素電極に接続されたアクティ
    ブ素子がマトリックス状に複数配列された一方の基板
    と、 前記画素電極に対向する対向電極が形成された他方の基
    板と、 前記基板間に封入された状態で、液晶分子がほぼ第1の
    配向方向に配列した第1の強誘電相と液晶分子がほぼ第
    2の配向方向に配列した第2の強誘電相と、第1の配向
    方向に配列した液晶分子と第2の配向方向に配列した液
    晶分子が混在することにより、ダイレクタがスメクチッ
    クCA相の層構造の層の方線方向にほぼ一致する反強
    誘電相を形成し、印加電圧に応じて、前記第1の配列方
    向と前記第2の配向方向の一方に配列した液晶分子が他
    方の配向方向に配列を変化して異なった配向状態の領域
    可視光帯域の光の波長よりも小さい距離内に複数形成
    すると共に、印加電圧に応じて前記液晶分子がスメクチ
    ックCA 相のコーンに沿って移動することにより、
    イレクタが変化して前記強誘電相と前記反強誘電相の間
    の中間の状態をとる反強誘電性液晶、 を備えたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  3. 【請求項3】一方の基板と、 前記一方の基板に対向して配置された他方の基板と、 前記一方と他方の基板の間に封止された状態で、液晶分
    子がほぼ第1の配向方向に配列した第1の強誘電相と液
    晶分子がほぼ第2の配向方向に配列した第2の強誘電相
    と、第1の配向方向に配列した液晶分子と第2の配向方
    向に配列した液晶分子が混在することにより、ダイレク
    タがスメクチックCA相の層構造の層の方線方向にほ
    ぼ一致する反強誘電相を形成し、印加電圧に応じて、前
    記第1の配列方向と前記第2の配向方向の一方に配列し
    た液晶分子が他方の配向方向に配列を変化して異なった
    配向状態の領域が可視光帯域の波長よりも小さい距離内
    複数形成すると共に印加電圧に応じて前記液晶分子
    スメクチックCA 相のコーンに沿って移動すること
    により、ダイレクタが変化して前記強誘電相と前記反強
    誘電相の間の中間の状態をとる反強誘電性液晶と、 前記反強誘電性液晶に電圧を印加して、この印加電圧を
    変えることにより、前記異なった配向状態の領域の割合
    を制御すると共に前記液晶分子を前記コーンに沿って移
    動させ、反強誘電性液晶のダイレクタを前記第1と第2
    の配向方向の間の任意の方向に設定する制御手段と、 を備えたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  4. 【請求項4】対向する一対の基板の一方に画素電極を、
    他方の基板に前記画素電極に対向する対向電極をそれぞ
    れ形成し、前記一対の基板間に、液晶分子がほぼ第1の
    配向方向に配列する第1の配向状態と液晶分子がほぼ第
    2の配向方向に配列する第2の配向状態の2つの配向状
    態の液晶分子がスメクチックCA 相の各層毎に交互に
    混在する反強誘電性相を形成し、印加電圧に応じて前記
    液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿って移動
    すると共に、各液晶分子が印加電圧に応じてその分子長
    軸の回りに回転する自由回転の前記印加電圧と自発分極
    の相互作用による抑制により電界と垂直な方向に傾くこ
    とにより、ダイレクタが印加電圧に応じて連続的に変化
    する反強誘電性液晶を封入し、階調表示を可能としたこ
    とを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  5. 【請求項5】画素電極と画素電極に接続されたアクティ
    ブ素子がマトリックス状に複数配列された一方の基板
    と、 前記画素電極に対向する対向電極が形成された他方の基
    板と、 前記基板間に封入された状態で、液晶分子がほぼ第1の
    配向方向に配列した第1の強誘電相と液晶分子がほぼ第
    2の配向方向に配列した第2の強誘電相と、第1の配向
    方向に配列した液晶分子と第2の配向方向に配列した液
    晶分子が混在することにより、ダイレクがタスメクチッ
    クCA相の層構造の層の方線方向にほぼ一致する反強
    誘電相を形成し、印加電圧に応じて前記液晶分子がスメ
    クチックCA 相のコーンに沿って移動すると共に、各
    液晶分子が印加電圧に応じてその分子長軸の回りに回転
    する自由回転の前記印加電圧と自発分極の相互作用によ
    る抑制により電界と垂直な方向に傾くことにより、ダイ
    レクタが変化して前記強誘電相と前記反強誘電相の間の
    中間の状態をとる反強誘電性液晶、を備えたことを特徴
    とする反強誘電性液晶表示素子。
  6. 【請求項6】一方の基板と、 前記一方の基板に対向して配置された他方の基板と、 前記一方の基板の間に封止された状態で、液晶分子がほ
    ぼ第1の配向方向に配列した第1の強誘電相と液晶分子
    がほぼ第2の配向方向に配列した第2の強誘電相と、第
    1の配向方向に配列した液晶分子と第2の配向方向に配
    列した液晶分子が混在することにより、ダイレクがタス
    メクチックCA相の層構造の層の方線方向にほぼ一致
    する反強誘電相を形成し、印加電圧に応じて前記液晶分
    子がスメクチックCA 相のコーンに沿って移動すると
    共に、各液晶分子が印加電圧に応じてその分子長軸の回
    りに回転する自由回転の前記印加電圧と自発分極の相互
    作用による抑制により電界と垂直な方向に傾くことによ
    りダイレクタが変化し、前記強誘電相と前記反強誘電相
    の間の中間の状態をとる反強誘電性液晶と、 前記反強誘電性液晶に印加する電圧を制御して、液晶分
    子にコーンを描かせて動かすと共に、電界に対して垂直
    方向に傾かせることにより、 前記ダイレクタを前記第1と第2の配向方向の間の任意
    の方向に設定する制御手段と、 を備えたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素子。
  7. 【請求項7】対向する一対の基板の一方に画素電極を、
    他方の基板に前記画素電極に対向する対向電極をそれぞ
    れ形成し、前記一対の基板間に、液晶分子がほぼ第1の
    配向方向に配列する第1の配向状態と液晶分子がほぼ第
    2の配向方向に配列する第2の配向状態の2つの配向状
    態の液晶分子が混在する反強誘電性相を形成し、印加電
    圧に応じて前記第1の配列状態と前記第2の配向状態の
    うちの一方の配向状態の液晶分子が他方の配向状態に変
    化して異なった配向状態の領域が可視光帯域の波長より
    も小さい距離内に複数形成すると共に、印加電圧に応じ
    て前記液晶分子がスメクチックCA 相のコーンに沿っ
    て移動し、かつ各液晶分子が印加電圧に応じてその分子
    長軸の回りに回転する自由回転の前記印加電圧と自発分
    極の相互作用による抑制によって電界と垂直な方向に傾
    かせることにより、液晶のダイレクタが印加電圧に応じ
    て連続的に変化する反強誘電性液晶を封入し、階調表示
    を可能としたことを特徴とする反強誘電性液晶表示素
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