JP2984788B2 - 表示素子装置及び表示素子の駆動方法 - Google Patents
表示素子装置及び表示素子の駆動方法Info
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- JP2984788B2 JP2984788B2 JP9184608A JP18460897A JP2984788B2 JP 2984788 B2 JP2984788 B2 JP 2984788B2 JP 9184608 A JP9184608 A JP 9184608A JP 18460897 A JP18460897 A JP 18460897A JP 2984788 B2 JP2984788 B2 JP 2984788B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電相を有す
る液晶を用いた表示素子装置及び表示素子の駆動方法に
関する。
る液晶を用いた表示素子装置及び表示素子の駆動方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より広く使用されていてるネマチッ
ク液晶を用いた液晶表示素子に代えて、高速応答特性及
び広い視野角特性が期待される強誘電性液晶、反強誘電
性液晶等を用いた液晶表示素子が開発されている。これ
らの液晶表示素子は、対向する内面に電極を形成した対
向する一対の基板間に、強誘電性液晶或いは反強誘電性
液晶を介在させたものである。
ク液晶を用いた液晶表示素子に代えて、高速応答特性及
び広い視野角特性が期待される強誘電性液晶、反強誘電
性液晶等を用いた液晶表示素子が開発されている。これ
らの液晶表示素子は、対向する内面に電極を形成した対
向する一対の基板間に、強誘電性液晶或いは反強誘電性
液晶を介在させたものである。
【0003】強誘電性液晶を用いたものでは、対向する
電極間に一方の極性の所定の電圧を印加することにより
液晶分子を一方の強誘電性相に配向させた第1の配向安
定状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を印加する
ことにより液晶分子を他方の強誘電性相に配向させた第
2の配向安定状態との双安定性を利用して駆動すること
により所望の画像を表示させる。
電極間に一方の極性の所定の電圧を印加することにより
液晶分子を一方の強誘電性相に配向させた第1の配向安
定状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を印加する
ことにより液晶分子を他方の強誘電性相に配向させた第
2の配向安定状態との双安定性を利用して駆動すること
により所望の画像を表示させる。
【0004】また、反強誘電性液晶を用いたものでは、
対向する電極間に一方の極性の所定の電圧を印加するこ
とにより液晶分子を一方の強誘電性相に配向させた第1
の配向安定状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を
印加することにより液晶分子を他方の強誘電性相に配向
させた第2の配向安定状態と、さらに電界を印加しない
ときの反強誘電性相に配向した第3の配向安定状態との
3安定性を利用して駆動することにより所望の画像を表
示させる。
対向する電極間に一方の極性の所定の電圧を印加するこ
とにより液晶分子を一方の強誘電性相に配向させた第1
の配向安定状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を
印加することにより液晶分子を他方の強誘電性相に配向
させた第2の配向安定状態と、さらに電界を印加しない
ときの反強誘電性相に配向した第3の配向安定状態との
3安定性を利用して駆動することにより所望の画像を表
示させる。
【0005】これらの液晶表示素子では、液晶分子を、
強誘電性相或いは反強誘電性相の安定した状態に配向さ
せて、そのメモリ効果を利用して2値表示を行うもので
あり、再現性の良い階調表示を行うことは困難である。
強誘電性相或いは反強誘電性相の安定した状態に配向さ
せて、そのメモリ効果を利用して2値表示を行うもので
あり、再現性の良い階調表示を行うことは困難である。
【0006】階調表示が可能な強誘電性液晶表示素子と
して、DHF液晶(Deformed Helical Ferroelectric L
iquid Crystal)を使用した液晶表示素子が提案されてい
る。DHF液晶表示素子は、ショートピッチの強誘電性
液晶を螺旋が存在する状態で基板間に介在させ、対向す
る電界に応じて螺旋を歪ませることにより、一方の強誘
電性相から他方の強誘電性相まで液晶のダイレクタを連
続的に変化させるものである。
して、DHF液晶(Deformed Helical Ferroelectric L
iquid Crystal)を使用した液晶表示素子が提案されてい
る。DHF液晶表示素子は、ショートピッチの強誘電性
液晶を螺旋が存在する状態で基板間に介在させ、対向す
る電界に応じて螺旋を歪ませることにより、一方の強誘
電性相から他方の強誘電性相まで液晶のダイレクタを連
続的に変化させるものである。
【0007】また、近時、一部の反強誘電性液晶が示す
中間配向状態を用いて階調表示を行う反強誘電性液晶表
示素子等も提案されている。
中間配向状態を用いて階調表示を行う反強誘電性液晶表
示素子等も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した強誘電性液晶
及び反強誘電性液晶は、液晶分子が分子長軸とほぼ直交
する方向に永久双極子を持ち、この永久双極子と電界と
の直接的な相互作用により液晶分子が挙動する。このた
め、応答速度が速く、又液晶のダイレクタの変化が基板
と平行な面内で動くので、視野角が広くなる。
及び反強誘電性液晶は、液晶分子が分子長軸とほぼ直交
する方向に永久双極子を持ち、この永久双極子と電界と
の直接的な相互作用により液晶分子が挙動する。このた
め、応答速度が速く、又液晶のダイレクタの変化が基板
と平行な面内で動くので、視野角が広くなる。
【0009】しかしながら、これらの液晶は、液晶分子
の永久双極子による自発分極を持っているため、基板側
にその自発分極と逆極性の電荷が蓄積されて基板との相
互作用が大きくなって、液晶分子が電界に応じて十分自
由に挙動できなくなり、画像が残像として残ってしまう
という、表示の焼き付き現象が生じる。
の永久双極子による自発分極を持っているため、基板側
にその自発分極と逆極性の電荷が蓄積されて基板との相
互作用が大きくなって、液晶分子が電界に応じて十分自
由に挙動できなくなり、画像が残像として残ってしまう
という、表示の焼き付き現象が生じる。
【0010】従来の強誘電性液晶素子及び反強誘電性液
晶素子では、表示の焼き付き現象を低減する方法とし
て、液晶に印加する電圧の極性をフレーム毎に、或いは
ライン毎に反転させる駆動方法が提案されている。ま
た、駆動パルス毎に逆極性の補償パルスを印加する駆動
方法も提案されている。
晶素子では、表示の焼き付き現象を低減する方法とし
て、液晶に印加する電圧の極性をフレーム毎に、或いは
ライン毎に反転させる駆動方法が提案されている。ま
た、駆動パルス毎に逆極性の補償パルスを印加する駆動
方法も提案されている。
【0011】しかし、これらの方法では、電荷の片寄り
を十分無くすことができず、焼き付きを無くすことがで
きない。また、正極性と逆極性のパルスに対する液晶の
応答が異なるためにフリッカが発生するという問題があ
る。
を十分無くすことができず、焼き付きを無くすことがで
きない。また、正極性と逆極性のパルスに対する液晶の
応答が異なるためにフリッカが発生するという問題があ
る。
【0012】この発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、高速応答性及び広視野角特性を有し、さらに、焼き
付き現象を低減でき、フリッカを低減することができる
表示素子装置及び表示素子の駆動方法を提供することを
目的とする。
で、高速応答性及び広視野角特性を有し、さらに、焼き
付き現象を低減でき、フリッカを低減することができる
表示素子装置及び表示素子の駆動方法を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかる表示素子装置は、対
向面に電極がそれぞれ形成された一対の基板と、前記一
対の基板の間に配置され、前記電極間に印加された一方
極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ
配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記
電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応じて液晶
分子が第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す
第2の配向状態と、前記第1の電圧と第2の電圧との中
間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダ
イレク夕を前記第1の方向と前記第2の方向との間の方
向に向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の
基板を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第
1と第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とによ
り挟まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一
方の光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置さ
れた一対の偏光板と、前記電極に接続され、対向する電
極領域とその間の前記液晶を含む各画素を順次選択し、
選択した画素の前記液晶に、液晶のダイレクタを前記第
1の方向と第2の方向により挟まれる角度範囲であっ
て、この角度範囲よりも狭い角度の範囲で変化させ、且
つ、固定の第1の駆動電圧と、該第1の駆動電圧を印加
した後に印加され、表示階調に対応する第2の駆動電圧
を含む駆動電圧を印加する駆動手段と、を備えることを
特徴とする。
め、この発明の第1の観点にかかる表示素子装置は、対
向面に電極がそれぞれ形成された一対の基板と、前記一
対の基板の間に配置され、前記電極間に印加された一方
極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ
配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記
電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応じて液晶
分子が第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す
第2の配向状態と、前記第1の電圧と第2の電圧との中
間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダ
イレク夕を前記第1の方向と前記第2の方向との間の方
向に向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の
基板を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第
1と第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とによ
り挟まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一
方の光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置さ
れた一対の偏光板と、前記電極に接続され、対向する電
極領域とその間の前記液晶を含む各画素を順次選択し、
選択した画素の前記液晶に、液晶のダイレクタを前記第
1の方向と第2の方向により挟まれる角度範囲であっ
て、この角度範囲よりも狭い角度の範囲で変化させ、且
つ、固定の第1の駆動電圧と、該第1の駆動電圧を印加
した後に印加され、表示階調に対応する第2の駆動電圧
を含む駆動電圧を印加する駆動手段と、を備えることを
特徴とする。
【0014】このような構成によれば、液晶を強誘電相
に配向させることなく、且つ、最大階調と最小階調を表
示することができる。液晶を強誘電相に配向させること
なく駆動することにより、表示の焼き付き現象を抑える
ことができる。また、印加電圧に応じて表示階調が一義
的に定まるため、直流的な駆動が可能になり、フリッカ
を抑えることができる。また、強誘電相を示す液晶を使
用することにより、高速応答性及び広視野角特性を確保
することができる。
に配向させることなく、且つ、最大階調と最小階調を表
示することができる。液晶を強誘電相に配向させること
なく駆動することにより、表示の焼き付き現象を抑える
ことができる。また、印加電圧に応じて表示階調が一義
的に定まるため、直流的な駆動が可能になり、フリッカ
を抑えることができる。また、強誘電相を示す液晶を使
用することにより、高速応答性及び広視野角特性を確保
することができる。
【0015】しかも、駆動手段が、表示階調に対応する
第2の駆動電圧を印加する前に固定の第1の駆動電圧を
液晶に印加しているので、第2の駆動電圧を印加する直
前の液晶の配向状態がほぼ一定になり、光学特性のヒス
テリシスの影響を受けずに、安定して所望の階調を表示
することができる。
第2の駆動電圧を印加する前に固定の第1の駆動電圧を
液晶に印加しているので、第2の駆動電圧を印加する直
前の液晶の配向状態がほぼ一定になり、光学特性のヒス
テリシスの影響を受けずに、安定して所望の階調を表示
することができる。
【0016】前記駆動手段は、前記第1の駆動電圧と絶
対値が同一で極性が反対の第3の駆動電圧、又は、前記
第1の駆動電圧と前記第2の駆動電圧の和と絶対値が同
一で極性が反対の第4の電圧の一方を、選択した画素の
前記液晶に前記第1の駆動電圧を印加する前に印加する
手段を備えてもよい。また、前記駆動手段は、前記第1
の駆動電圧と絶対値が同一で極性が反対の第5の駆動電
圧と、前記第2の駆動電圧と絶対値が同一で極性が反対
の第6の駆動電圧とを、選択した画素の前記液晶に前記
第1の駆動電圧を印加する前に印加する手段を備えても
よい。この構成によれば、液晶に印加する電圧の直流成
分を低減し、液晶の劣化を予防することができる。
対値が同一で極性が反対の第3の駆動電圧、又は、前記
第1の駆動電圧と前記第2の駆動電圧の和と絶対値が同
一で極性が反対の第4の電圧の一方を、選択した画素の
前記液晶に前記第1の駆動電圧を印加する前に印加する
手段を備えてもよい。また、前記駆動手段は、前記第1
の駆動電圧と絶対値が同一で極性が反対の第5の駆動電
圧と、前記第2の駆動電圧と絶対値が同一で極性が反対
の第6の駆動電圧とを、選択した画素の前記液晶に前記
第1の駆動電圧を印加する前に印加する手段を備えても
よい。この構成によれば、液晶に印加する電圧の直流成
分を低減し、液晶の劣化を予防することができる。
【0017】前記液晶としては、前記第1の方向と第2
の方向とのなす交角が45°より大きい角度で夫々配向
する強誘電性相をもっているものを使用でき、この場
合、前記駆動手段は、液晶のダイレクタを前記第1の方
向と第2の方向とにより挟まれる角度範囲内のほぼ45
°の角度範囲で変化させる電圧を印加することができ
る。
の方向とのなす交角が45°より大きい角度で夫々配向
する強誘電性相をもっているものを使用でき、この場
合、前記駆動手段は、液晶のダイレクタを前記第1の方
向と第2の方向とにより挟まれる角度範囲内のほぼ45
°の角度範囲で変化させる電圧を印加することができ
る。
【0018】前記液晶としては、前記第1の方向と第2
の方向とのなす交角がほぼ60°より大きい角度で夫々
配向する強誘電性相をもっているものが望ましい。この
場合、前記一対の偏光板の一方は、前記第1の方向と第
2の方向のいずれかに対して、前記交角より45°を差
し引いた角度の1/2から前記交角より45°を差し引
いた角度の範囲に、その光学軸の方向が配置され。例え
ば、前記第1の方向と第2の方向とのなす交角がほぼ6
0°のとき、前記第1の方向と第2の方向のいずれかに
対して、ほぼ7.5°以上、15°未満の角度に光学軸
の方向が配置される。
の方向とのなす交角がほぼ60°より大きい角度で夫々
配向する強誘電性相をもっているものが望ましい。この
場合、前記一対の偏光板の一方は、前記第1の方向と第
2の方向のいずれかに対して、前記交角より45°を差
し引いた角度の1/2から前記交角より45°を差し引
いた角度の範囲に、その光学軸の方向が配置され。例え
ば、前記第1の方向と第2の方向とのなす交角がほぼ6
0°のとき、前記第1の方向と第2の方向のいずれかに
対して、ほぼ7.5°以上、15°未満の角度に光学軸
の方向が配置される。
【0019】前記一対の偏光板は、例えば、いずれか一
方の光学軸が、前記駆動手段によって変化させられるダ
イレクタの角度範囲の一方の側の方向と実質的に平行に
なるように配置される。
方の光学軸が、前記駆動手段によって変化させられるダ
イレクタの角度範囲の一方の側の方向と実質的に平行に
なるように配置される。
【0020】前記液晶としては、前記第1の方向と第2
の方向とのなす交角が90°より大きい角度で夫々配向
する強誘電性相をもっているものを用いても良い、この
場合、前記一対の偏光板の一方は、例えば、前記液晶の
スメクティック層の法線方向とほぼ平行に、その光学軸
の方向を配置する。
の方向とのなす交角が90°より大きい角度で夫々配向
する強誘電性相をもっているものを用いても良い、この
場合、前記一対の偏光板の一方は、例えば、前記液晶の
スメクティック層の法線方向とほぼ平行に、その光学軸
の方向を配置する。
【0021】前記液晶は、例えば、対向する電極間に電
圧が印加されていないときに、前記液晶のダイレクタが
前記第1の方向と第2の方向とでなす角度のほぼ2等分
線と平行な方向に向いた反強誘電性相を示す反強誘電性
液晶から構成される。
圧が印加されていないときに、前記液晶のダイレクタが
前記第1の方向と第2の方向とでなす角度のほぼ2等分
線と平行な方向に向いた反強誘電性相を示す反強誘電性
液晶から構成される。
【0022】前記一対の偏光板の一方は、例えば、前記
第1の方向と第2の方向のいずれかに対して、前記交角
より45°を差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方
向が配置される。
第1の方向と第2の方向のいずれかに対して、前記交角
より45°を差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方
向が配置される。
【0023】前記駆動手段は、例えば、前記第1と第2
の電圧の絶対値よりも小さい前記第1の駆動パルスを印
加した後に、各前記画素の表示状態を定めるための画像
データに対応したパルスを各前記画素の前記液晶に印加
する駆動回路を備えている。
の電圧の絶対値よりも小さい前記第1の駆動パルスを印
加した後に、各前記画素の表示状態を定めるための画像
データに対応したパルスを各前記画素の前記液晶に印加
する駆動回路を備えている。
【0024】上記の表示素子装置は、例えば、アクティ
ブマトリックス型素子でも、シンプルマトリックス型
(パッシブマトリックス型)素子でも良い。
ブマトリックス型素子でも、シンプルマトリックス型
(パッシブマトリックス型)素子でも良い。
【0025】アクティブマトリックス型素子の場合、ア
クティブ素子は、薄膜トランジスタ等から構成される。
この場合、前記駆動手段は、例えば、各前記画素の前記
薄膜トランジスタにゲート信号を印加してオンさせるゲ
ート駆動回路と、各前記画素の表示状態を定めるための
1つの画像データに対応した前記第2の駆動電圧を有す
るパルスを、ゲート信号により前記薄膜トランジスタが
オンして各書き込み期間に、各前記画素の前記液晶に印
加するデータ駆動回路と、を備える。
クティブ素子は、薄膜トランジスタ等から構成される。
この場合、前記駆動手段は、例えば、各前記画素の前記
薄膜トランジスタにゲート信号を印加してオンさせるゲ
ート駆動回路と、各前記画素の表示状態を定めるための
1つの画像データに対応した前記第2の駆動電圧を有す
るパルスを、ゲート信号により前記薄膜トランジスタが
オンして各書き込み期間に、各前記画素の前記液晶に印
加するデータ駆動回路と、を備える。
【0026】上記目標を達成するため、この発明の第2
の観点にかかる表示素子の駆動方法は、対向面に電極が
それぞれ形成された一対の基板と、前記一対の基板の間
に配置され、前記電極間に印加された一方極性の第1の
電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ配列した第1
の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記電極間に印加
された他方極性の第2の電圧に応じて液晶分子が第2の
方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す第2の配向状
態と、前記電極間に電圧を印加していないときにスメク
ティック相の層の法線方向とほぼ一致する第3の方向に
液晶分子がそのダイレクタを向けて配向する第8の配向
状態とを有し、前記第1の電圧と第2の電圧との中間の
任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダイレ
ク夕を前記第1の方向と前記第2の方向との間の方向に
向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の基板
を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第1と
第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とにより挟
まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一方の
光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置された
一対の偏光板と、を備える表示素子の駆動方法であっ
て、対向する電極とこれらの電極が互いに対向する領域
の前記液晶とにより形成される各画素を順次選択する選
択ステップと、該選択ステップで選択した画素の前記液
晶に、固定の電圧を有する第1のパルスを印加する第1
の駆動ステップと、該第1の駆動ステップで前記第1の
パルスを印加した画素の前記液晶に、前記第1の方向と
第2の方向により挟まれる角度範囲であって、この角度
範囲よりも狭い角度の範囲で液晶のダイレクタを変化さ
せ、且つ、表示階調に対応する電圧を有する第2のパル
スを印加する第2の駆動ステップとを、含むことを特徴
とする。
の観点にかかる表示素子の駆動方法は、対向面に電極が
それぞれ形成された一対の基板と、前記一対の基板の間
に配置され、前記電極間に印加された一方極性の第1の
電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ配列した第1
の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記電極間に印加
された他方極性の第2の電圧に応じて液晶分子が第2の
方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す第2の配向状
態と、前記電極間に電圧を印加していないときにスメク
ティック相の層の法線方向とほぼ一致する第3の方向に
液晶分子がそのダイレクタを向けて配向する第8の配向
状態とを有し、前記第1の電圧と第2の電圧との中間の
任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダイレ
ク夕を前記第1の方向と前記第2の方向との間の方向に
向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の基板
を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第1と
第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とにより挟
まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一方の
光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置された
一対の偏光板と、を備える表示素子の駆動方法であっ
て、対向する電極とこれらの電極が互いに対向する領域
の前記液晶とにより形成される各画素を順次選択する選
択ステップと、該選択ステップで選択した画素の前記液
晶に、固定の電圧を有する第1のパルスを印加する第1
の駆動ステップと、該第1の駆動ステップで前記第1の
パルスを印加した画素の前記液晶に、前記第1の方向と
第2の方向により挟まれる角度範囲であって、この角度
範囲よりも狭い角度の範囲で液晶のダイレクタを変化さ
せ、且つ、表示階調に対応する電圧を有する第2のパル
スを印加する第2の駆動ステップとを、含むことを特徴
とする。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1はこの実施の形態の表示素
子の断面図、図2は画素電極とアクティブ素子を形成し
た透明基板の平面図である。この表示素子は、アクティ
ブマトリクス方式のものであり、図1に示すように、一
対の透明基板(例えば、ガラス基板)11、12と、透
明基板11、12の間に配置された液晶21と、透明基
板11、12を挟んで配置された一対の偏光板23、2
4と、から構成されている。
面を参照して説明する。図1はこの実施の形態の表示素
子の断面図、図2は画素電極とアクティブ素子を形成し
た透明基板の平面図である。この表示素子は、アクティ
ブマトリクス方式のものであり、図1に示すように、一
対の透明基板(例えば、ガラス基板)11、12と、透
明基板11、12の間に配置された液晶21と、透明基
板11、12を挟んで配置された一対の偏光板23、2
4と、から構成されている。
【0028】図1において下側の透明基板(以下、下基
板)11には、ITO等の透明導電材料から構成された
画素電極13と画素電極13にソースが接続された薄膜
トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transisto
r))14とがマトリクス状に形成されている。
板)11には、ITO等の透明導電材料から構成された
画素電極13と画素電極13にソースが接続された薄膜
トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transisto
r))14とがマトリクス状に形成されている。
【0029】図2に示すように、画素電極13の行間に
ゲートライン(走査ライン)15が配線され、画素電極
13の列間にデータライン(階調信号ライン)16が配
線されている。各TFT14のゲート電極は対応するゲ
ートライン15に接続され、ドレイン電極は対応するデ
ータライン16に接続されている。
ゲートライン(走査ライン)15が配線され、画素電極
13の列間にデータライン(階調信号ライン)16が配
線されている。各TFT14のゲート電極は対応するゲ
ートライン15に接続され、ドレイン電極は対応するデ
ータライン16に接続されている。
【0030】ゲートライン15は、行ドライバ31に接
続され、データライン16は列ドライバ32に接続され
ている。行ドライバ31は、後述するゲート電圧を印加
して、ゲートライン15をスキャンする。一方、列ドラ
イバ32は、画像データ(階調信号)を受け、データラ
イン16に画像データに対応するデータ信号を印加す
る。
続され、データライン16は列ドライバ32に接続され
ている。行ドライバ31は、後述するゲート電圧を印加
して、ゲートライン15をスキャンする。一方、列ドラ
イバ32は、画像データ(階調信号)を受け、データラ
イン16に画像データに対応するデータ信号を印加す
る。
【0031】図1において、上側の透明基板(以下、上
基板)12には、下基板11の各画素電極13と対向
し、基準電圧V0が印加されている対向(共通)電極1
7が形成されている。対向電極17は、例えば、ITO
等から形成された透明電極である。下基板11と上基板
12の電極形成面には、それぞれ配向膜18、19が設
けられている。配向膜18、19は、例えば、厚さが2
5〜35nm程度のポリイミド等の有機高分子化合物か
らなる水平配向膜であり、分散力esdが30〜50、
極性力espが比較的弱く3〜20程度のものが使用さ
れる。これらの配向膜18、19の対向する面の少なく
とも一方には、互いに平行で且つ逆方向に1回ずつラビ
ングする配向処理が施されている。
基板)12には、下基板11の各画素電極13と対向
し、基準電圧V0が印加されている対向(共通)電極1
7が形成されている。対向電極17は、例えば、ITO
等から形成された透明電極である。下基板11と上基板
12の電極形成面には、それぞれ配向膜18、19が設
けられている。配向膜18、19は、例えば、厚さが2
5〜35nm程度のポリイミド等の有機高分子化合物か
らなる水平配向膜であり、分散力esdが30〜50、
極性力espが比較的弱く3〜20程度のものが使用さ
れる。これらの配向膜18、19の対向する面の少なく
とも一方には、互いに平行で且つ逆方向に1回ずつラビ
ングする配向処理が施されている。
【0032】下基板11と上基板12は、その外周縁部
において枠状のシール材20を介して接着され、液晶セ
ル25を構成している。配向膜18、19の間隔は、シ
ール材20及びギャップ材22により、例えば、1.4
μm〜2.4μmの一定間隔に規制されている。液晶2
1は、基板11、12とシール材20で囲まれた領域に
封入されている。
において枠状のシール材20を介して接着され、液晶セ
ル25を構成している。配向膜18、19の間隔は、シ
ール材20及びギャップ材22により、例えば、1.4
μm〜2.4μmの一定間隔に規制されている。液晶2
1は、基板11、12とシール材20で囲まれた領域に
封入されている。
【0033】液晶21の分子(以下、液晶分子という)
は、バルクの状態では、一重螺旋構造(強誘電性液晶の
場合)又は二重螺旋構造(反強誘電性液晶の場合)を有
し、液晶セルのギャップ長が螺旋ピッチよりも短いた
め、螺旋が解けた状態で液晶セル25に封入されてい
る。また、液晶21は、各分子が自発分極Psを有し、
分子が描くコーンの軸とコーンの成す角(チルト角)θ
の2倍(コーンアングル)2θが45゜より大きい(望
ましくは、60゜以上)カイラルスメクティックC相又
はCA相(SmC*又はSmCA*)の液晶組成物(強誘
電性液晶又は反強誘電性液晶)からなる。
は、バルクの状態では、一重螺旋構造(強誘電性液晶の
場合)又は二重螺旋構造(反強誘電性液晶の場合)を有
し、液晶セルのギャップ長が螺旋ピッチよりも短いた
め、螺旋が解けた状態で液晶セル25に封入されてい
る。また、液晶21は、各分子が自発分極Psを有し、
分子が描くコーンの軸とコーンの成す角(チルト角)θ
の2倍(コーンアングル)2θが45゜より大きい(望
ましくは、60゜以上)カイラルスメクティックC相又
はCA相(SmC*又はSmCA*)の液晶組成物(強誘
電性液晶又は反強誘電性液晶)からなる。
【0034】液晶21のダイレクタ(液晶21を構成す
る複数の液晶分子の長軸の平均的な配向方向)の水平方
向成分(基板11、12の主面に平行な面上に投影した
方向)は印加電圧に応じて連続的に変化する。
る複数の液晶分子の長軸の平均的な配向方向)の水平方
向成分(基板11、12の主面に平行な面上に投影した
方向)は印加電圧に応じて連続的に変化する。
【0035】このよう特性を有する液晶としては、例え
ば、化学式1に示す骨格構造を有する液晶物質I〜III
をそれぞれ20重量%、40重量%、40重量%の割合
で混合することにより得られる反強誘電性液晶がある。
ば、化学式1に示す骨格構造を有する液晶物質I〜III
をそれぞれ20重量%、40重量%、40重量%の割合
で混合することにより得られる反強誘電性液晶がある。
【0036】
【化1】
【0037】これらの液晶化合物は、エーテル結合され
たカイラル末端鎖を有し、オプショナリーにフッ素置換
されたフェニル環を有する反強誘電性液晶化合物であ
る。このような反強誘電性液晶化合物を用いた液晶表示
素子は、反強誘電性液晶の電場誘起転移のしきい値を低
下させ、前駆現象が顕著に現れる。その結果、液晶21
は、その電気光学特性において明確なしきい値を有して
いない。
たカイラル末端鎖を有し、オプショナリーにフッ素置換
されたフェニル環を有する反強誘電性液晶化合物であ
る。このような反強誘電性液晶化合物を用いた液晶表示
素子は、反強誘電性液晶の電場誘起転移のしきい値を低
下させ、前駆現象が顕著に現れる。その結果、液晶21
は、その電気光学特性において明確なしきい値を有して
いない。
【0038】また、このような構成及び物性を有する液
晶は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が通常の反強誘電性液晶に比較して小さく、通常
の反強誘電性液晶に比較して、反強誘電相の秩序が乱れ
やすく、相転移前駆現象が大きいという特徴を有する。
相転移前駆現象は、反強誘電相を形成している液晶分子
に印加する電界強度を徐々に強くしたとき、反強誘電相
から強誘電相に相転移が起こる前に、液晶素子(一対の
偏光板それぞれの透過軸を互いに直交させ、一方の偏光
板の透過軸をスメクティック層の法線方向ほぼ一致させ
た光学配置)の透過率が高くなる現象を指しており、透
過率の上昇は、液晶分子が相転移前に挙動することを意
味している。そして、この相転移前の液晶分子の挙動
は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの
障壁が小さいことを意味している
晶は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が通常の反強誘電性液晶に比較して小さく、通常
の反強誘電性液晶に比較して、反強誘電相の秩序が乱れ
やすく、相転移前駆現象が大きいという特徴を有する。
相転移前駆現象は、反強誘電相を形成している液晶分子
に印加する電界強度を徐々に強くしたとき、反強誘電相
から強誘電相に相転移が起こる前に、液晶素子(一対の
偏光板それぞれの透過軸を互いに直交させ、一方の偏光
板の透過軸をスメクティック層の法線方向ほぼ一致させ
た光学配置)の透過率が高くなる現象を指しており、透
過率の上昇は、液晶分子が相転移前に挙動することを意
味している。そして、この相転移前の液晶分子の挙動
は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの
障壁が小さいことを意味している
【0039】このような反強誘電性液晶は、バルクの状
態では、分子配列の層構造と螺旋構造を有しており、隣
接する液晶分子は層毎に仮想的なコーン上でほぼ180
゜シフトして螺旋を描いた二重螺旋構造を有し、隣接す
るスメクティック層の液晶分子同士でその自発分極がキ
ャンセルされている。基板11,12間に封入された前
記反強誘電性液晶は、基板間のギャツプ(液晶表示素子
25のセルギャップ)が、1.5μ程度であり、液晶の
螺旋構造の1ピッチ(ナチュラルピッチ)とほぼ等し
い。このため、液晶分子の二重螺旋構造が消失する。
態では、分子配列の層構造と螺旋構造を有しており、隣
接する液晶分子は層毎に仮想的なコーン上でほぼ180
゜シフトして螺旋を描いた二重螺旋構造を有し、隣接す
るスメクティック層の液晶分子同士でその自発分極がキ
ャンセルされている。基板11,12間に封入された前
記反強誘電性液晶は、基板間のギャツプ(液晶表示素子
25のセルギャップ)が、1.5μ程度であり、液晶の
螺旋構造の1ピッチ(ナチュラルピッチ)とほぼ等し
い。このため、液晶分子の二重螺旋構造が消失する。
【0040】そして、反強誘電性液晶に電界が印加され
ると、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が小さいため、その電界の強さに応じて、反強誘
電相の液晶分子がその電界の強さに応じて前記仮想的な
コーンの沿って挙動する。従って、反強誘電性液晶のダ
イレクタの水平方向成分は印加電圧に応じて連続的に変
化する。
ると、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が小さいため、その電界の強さに応じて、反強誘
電相の液晶分子がその電界の強さに応じて前記仮想的な
コーンの沿って挙動する。従って、反強誘電性液晶のダ
イレクタの水平方向成分は印加電圧に応じて連続的に変
化する。
【0041】次に、配向膜18、19に施された配向処
理の方向、偏光板23、24の光学軸と液晶21の液晶
分子の配向方向との関係を図3を参照して説明する。
理の方向、偏光板23、24の光学軸と液晶21の液晶
分子の配向方向との関係を図3を参照して説明する。
【0042】図3において、符号21Cは配向膜18、
19に施された配向処理の方向を示し、液晶21は、電
圧が印加されていない状態では、カイラルスメクティッ
クC相又はCA相が有する層構造の層の法線を、±2°
程度の誤差範囲内で配向処理の方向21Cに向けて配向
している。
19に施された配向処理の方向を示し、液晶21は、電
圧が印加されていない状態では、カイラルスメクティッ
クC相又はCA相が有する層構造の層の法線を、±2°
程度の誤差範囲内で配向処理の方向21Cに向けて配向
している。
【0043】負極性の所定の電圧−VSより低い電圧を
液晶21に印加した時、液晶21は、第1の配向状態
(強誘電相)となり、液晶分子の配向方向はほぼ第1の
方向21Aとなる。正極性の所定の電圧+VSより高い
電圧を液晶21に印加したとき、液晶21は第2の配向
状態となり、液晶分子の配向方向はほぼ第2の方向21
Bとなる。一方、印加電圧が0のとき、液晶分子の平均
的な配向方向は液晶のスメクティック相の層のほぼ法線
方向、即ち、第1と第2の方向21Aと21Bのほぼ中
間の方向(ほぼ配向処理の方向)21Cとなる。
液晶21に印加した時、液晶21は、第1の配向状態
(強誘電相)となり、液晶分子の配向方向はほぼ第1の
方向21Aとなる。正極性の所定の電圧+VSより高い
電圧を液晶21に印加したとき、液晶21は第2の配向
状態となり、液晶分子の配向方向はほぼ第2の方向21
Bとなる。一方、印加電圧が0のとき、液晶分子の平均
的な配向方向は液晶のスメクティック相の層のほぼ法線
方向、即ち、第1と第2の方向21Aと21Bのほぼ中
間の方向(ほぼ配向処理の方向)21Cとなる。
【0044】第1の方向21Aと第2の方向21Bとの
ずれ角2θは、45゜以上であり、望ましくは50°以
上、さらに望ましくは60゜以上である。
ずれ角2θは、45゜以上であり、望ましくは50°以
上、さらに望ましくは60゜以上である。
【0045】偏光板23の透過軸23Aは、第1の方向
21Aと配向処理方向21Cとにより挟まれる角度範囲
に設定され、配向処理方向21Cに対して45°/2の
角度で交差するように設定されることが望ましく、この
実施の形態では、配向処理方向21Cに対しほぼ22.
5°の方向に設定されている。偏光板24の透過軸24
Aは、偏光板23の透過軸23Aとほぼ直交する方向に
設定されている。つまり、一方の偏光板の光学軸(透過
軸)は、一対の偏光板の光学軸の交角の1/2の角度で
液晶のスメクティック層の層法線と交差するように配置
するのが望ましい。
21Aと配向処理方向21Cとにより挟まれる角度範囲
に設定され、配向処理方向21Cに対して45°/2の
角度で交差するように設定されることが望ましく、この
実施の形態では、配向処理方向21Cに対しほぼ22.
5°の方向に設定されている。偏光板24の透過軸24
Aは、偏光板23の透過軸23Aとほぼ直交する方向に
設定されている。つまり、一方の偏光板の光学軸(透過
軸)は、一対の偏光板の光学軸の交角の1/2の角度で
液晶のスメクティック層の層法線と交差するように配置
するのが望ましい。
【0046】そして、偏光板23の透過軸23Aと第1
の方向21Aとは、前記ずれ角2θから45°を差し引
いた角度の1/2の角度で交差するように設定される。
すなわち、前記ずれ角2θが50°以上の場合、偏光板
23の透過軸23Aと第1の方向21Aとは、2.5°
或はそれより大きい角度で交差させるように設定し、ま
た前記ずれ角2θが60°以上の場合、偏光板23の透
過軸23Aと第1の方向21Aとは、7.5°或はそれ
より大きい角度で交差させるように設定するのが好まし
い。
の方向21Aとは、前記ずれ角2θから45°を差し引
いた角度の1/2の角度で交差するように設定される。
すなわち、前記ずれ角2θが50°以上の場合、偏光板
23の透過軸23Aと第1の方向21Aとは、2.5°
或はそれより大きい角度で交差させるように設定し、ま
た前記ずれ角2θが60°以上の場合、偏光板23の透
過軸23Aと第1の方向21Aとは、7.5°或はそれ
より大きい角度で交差させるように設定するのが好まし
い。
【0047】図3に示すように偏光板23、24の透過
軸23A,24Aを設定した表示素子は、液晶分子の平
均的な配向方向を偏光板23の透過軸23Aに平行に設
定した時に透過率が最も低く(表示が最も暗く)なり、
液晶分子の平均的な配向方向を偏光板23の透過軸23
Aに対し45°の方向21Dに設定した時に透過率が最
も高く(最も明るく)なる。
軸23A,24Aを設定した表示素子は、液晶分子の平
均的な配向方向を偏光板23の透過軸23Aに平行に設
定した時に透過率が最も低く(表示が最も暗く)なり、
液晶分子の平均的な配向方向を偏光板23の透過軸23
Aに対し45°の方向21Dに設定した時に透過率が最
も高く(最も明るく)なる。
【0048】すなわち、液晶分子の平均的な配向方向が
透過軸23Aの方向を向いた状態では、入射側の偏光板
23を通った直線偏光は液晶21の偏光作用をほとんど
受けず、直線偏光のまま液晶21の層を通過し、直角方
向に透過軸24Aが設定されている偏光板24で吸収さ
れ、表示が暗くなる。
透過軸23Aの方向を向いた状態では、入射側の偏光板
23を通った直線偏光は液晶21の偏光作用をほとんど
受けず、直線偏光のまま液晶21の層を通過し、直角方
向に透過軸24Aが設定されている偏光板24で吸収さ
れ、表示が暗くなる。
【0049】一方、液晶分子の平均的な配向方向が透過
軸23Aに対して45°の方向21Dを向いた状態で
は、入射側の偏光板23を通過した直線偏光は液晶21
の複屈折作用により偏光状態が変化(円偏光または楕円
偏光)する。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は最も明るくなる。
軸23Aに対して45°の方向21Dを向いた状態で
は、入射側の偏光板23を通過した直線偏光は液晶21
の複屈折作用により偏光状態が変化(円偏光または楕円
偏光)する。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は最も明るくなる。
【0050】その他の配向状態では、その配向状態に応
じた複屈折作用により、その配向状態に応じて変化し偏
光光となる。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は配向状態に応じた明るさになる。
じた複屈折作用により、その配向状態に応じて変化し偏
光光となる。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は配向状態に応じた明るさになる。
【0051】画素電極13と対向電極17との間に印加
する電圧に応じて、液晶分子はその配向方向を変化させ
る。このため、図4に示すように、画素電極13と対向
電極17の間に比較的低周波(0.1Hz程度)の鋸波
状の電圧を印加した場合の透過率は、連続的に変化す
る。
する電圧に応じて、液晶分子はその配向方向を変化させ
る。このため、図4に示すように、画素電極13と対向
電極17の間に比較的低周波(0.1Hz程度)の鋸波
状の電圧を印加した場合の透過率は、連続的に変化す
る。
【0052】この表示素子は、アクティブマトリクス方
式のものであるため、非選択期間中も液晶21を任意の
配向状態に維持する電圧を保持しておくことができる。
このため、上記構成の表示素子は、透過率を変化させて
階調のある表示を行わせることが可能である。
式のものであるため、非選択期間中も液晶21を任意の
配向状態に維持する電圧を保持しておくことができる。
このため、上記構成の表示素子は、透過率を変化させて
階調のある表示を行わせることが可能である。
【0053】この液晶素子の透過率は液晶のダイレクタ
が偏光板23の透過軸23Aと平行のとき最小、45°
で交差するとき最大となる。この表示素子は、透過率が
TminとTmaxを示す配向状態の間で使用することによ
り、液晶21を第1及び第2の配向状態に配向させるこ
となく駆動することができる。第1及び第2の配向状態
は、液晶層内の全ての分子が完全に同一方向に揃った強
誘電相を示す状態であり、自発分極による電荷が保持さ
れやすく、分子の反転が起こりづらくなり、焼き付きや
すくなる。
が偏光板23の透過軸23Aと平行のとき最小、45°
で交差するとき最大となる。この表示素子は、透過率が
TminとTmaxを示す配向状態の間で使用することによ
り、液晶21を第1及び第2の配向状態に配向させるこ
となく駆動することができる。第1及び第2の配向状態
は、液晶層内の全ての分子が完全に同一方向に揃った強
誘電相を示す状態であり、自発分極による電荷が保持さ
れやすく、分子の反転が起こりづらくなり、焼き付きや
すくなる。
【0054】しかし、液晶分子が完全に揃っていない強
誘電相を示さない配向状態であれば、自発分極による電
荷が基板11、12の内側表面にたまりにくい。また、
液晶分子は、揃っていない分子を核にして反転が起こり
やすく、焼き付きが軽減される。即ち、画素電極13と
対向電極17との間に印加する駆動電圧をVTmaxとVTm
inの範囲内で変化させることにより、強誘電相を使用す
ることなく液晶21を駆動し、この液晶表示素子に連続
階調を表示させることができる。
誘電相を示さない配向状態であれば、自発分極による電
荷が基板11、12の内側表面にたまりにくい。また、
液晶分子は、揃っていない分子を核にして反転が起こり
やすく、焼き付きが軽減される。即ち、画素電極13と
対向電極17との間に印加する駆動電圧をVTmaxとVTm
inの範囲内で変化させることにより、強誘電相を使用す
ることなく液晶21を駆動し、この液晶表示素子に連続
階調を表示させることができる。
【0055】次に、上記構成の液晶素子の駆動方法を図
5を参照して説明する。この実施の形態の表示素子は、
各画素の選択期間に、VTmaxとVTminとの間で、表示し
たい透過率に対応する電圧を電極間に印加することによ
り駆動可能である。しかし、このような単純な駆動方法
では、液晶21が、印加電圧に対する透過率の変化を示
す電気光学特性に大きなヒステリシスを有している場
合、印加電圧に対する表示階調が一義的に定まらない。
5を参照して説明する。この実施の形態の表示素子は、
各画素の選択期間に、VTmaxとVTminとの間で、表示し
たい透過率に対応する電圧を電極間に印加することによ
り駆動可能である。しかし、このような単純な駆動方法
では、液晶21が、印加電圧に対する透過率の変化を示
す電気光学特性に大きなヒステリシスを有している場
合、印加電圧に対する表示階調が一義的に定まらない。
【0056】そこで、この実施の形態では、図5に示す
駆動方法を採用する。図5(A)は行ドライバ31が任
意の行のゲートライン15に印加するゲート信号を、図
5(B)は列ドライバ32がゲート信号に同期して各デ
ータライン16に印加するデータ信号を示す。図5
(C)は、図5(B)に示すデータ信号が印加された時
の透過率の変化を示す。
駆動方法を採用する。図5(A)は行ドライバ31が任
意の行のゲートライン15に印加するゲート信号を、図
5(B)は列ドライバ32がゲート信号に同期して各デ
ータライン16に印加するデータ信号を示す。図5
(C)は、図5(B)に示すデータ信号が印加された時
の透過率の変化を示す。
【0057】選択期間TSの間、ゲートパルスがオンす
ることにより選択行のTFT14がオンする。列ドライ
バ32から各データライン16に印加されたデータパル
スは、オンしたTFT14を介して画素電極13と対向
電極17との間に印加される。データパルスは、タイム
スロットt1において印加される液晶分子を所定の配向
状態に配向させるための設定パルスVHと、タイムスロ
ットt2において印加されるこの設定パルスの直流成分
を相殺するためのリセットパルスVLと、タイムスロッ
トt3において印加される表示階調に対応する階調パル
スVDからなる。
ることにより選択行のTFT14がオンする。列ドライ
バ32から各データライン16に印加されたデータパル
スは、オンしたTFT14を介して画素電極13と対向
電極17との間に印加される。データパルスは、タイム
スロットt1において印加される液晶分子を所定の配向
状態に配向させるための設定パルスVHと、タイムスロ
ットt2において印加されるこの設定パルスの直流成分
を相殺するためのリセットパルスVLと、タイムスロッ
トt3において印加される表示階調に対応する階調パル
スVDからなる。
【0058】ゲートパルスがオフするとTFT14がオ
フする。TFT14がオフしたとき、画素電極13と対
向電極17との間に印加されていた階調パルスVDの電
圧が、画素電極13と対向電極17とその間の液晶21
とにより形成される画素容量に保持される。このため、
図5(C)に示すように、この保持電圧に対応する表示
階調がこの行の次の選択期間まで保持される。従って、
この駆動方法によれば、データパルスの電圧を制御する
ことにより任意の階調画像を上記構成の液晶表示素子に
表示させることができる。しかも、リセットパルスVL
を印加しているので、液晶21に印加される不必要な直
流成分を相殺することができる。このため、基板11、
12の内側表面に電荷が蓄積されて液晶分子の反転が起
こりづらくなることがなく、表示の焼き付きを低減する
ことができる。
フする。TFT14がオフしたとき、画素電極13と対
向電極17との間に印加されていた階調パルスVDの電
圧が、画素電極13と対向電極17とその間の液晶21
とにより形成される画素容量に保持される。このため、
図5(C)に示すように、この保持電圧に対応する表示
階調がこの行の次の選択期間まで保持される。従って、
この駆動方法によれば、データパルスの電圧を制御する
ことにより任意の階調画像を上記構成の液晶表示素子に
表示させることができる。しかも、リセットパルスVL
を印加しているので、液晶21に印加される不必要な直
流成分を相殺することができる。このため、基板11、
12の内側表面に電荷が蓄積されて液晶分子の反転が起
こりづらくなることがなく、表示の焼き付きを低減する
ことができる。
【0059】次に、図5に示す駆動方法によって表示素
子を駆動する列ドライバ32の構成例を図6を参照して
説明する。図5の駆動方法を実現する列ドライバ32
は、図6に示すように、第1のサンプル・ホールド回路
41と、第2のサンプル・ホールド回路42と、A/D
(アナログ/ディジタル)変換器43と、電圧データ発
生回路44と、タイミング回路45と、マルチプレクサ
46と、電圧変換回路47とから構成される。
子を駆動する列ドライバ32の構成例を図6を参照して
説明する。図5の駆動方法を実現する列ドライバ32
は、図6に示すように、第1のサンプル・ホールド回路
41と、第2のサンプル・ホールド回路42と、A/D
(アナログ/ディジタル)変換器43と、電圧データ発
生回路44と、タイミング回路45と、マルチプレクサ
46と、電圧変換回路47とから構成される。
【0060】第1のサンプル・ホールド回路41は、外
部から供給される画像データのうち、対応する画素の信
号成分(1つの画像データ)VD’をサンプル・ホール
ドする。第2のサンプル・ホールド回路42は第1のサ
ンプル・ホールド回路41から出力されたホールド信号
VD’をサンプル・ホールドする。A/D変換器43
は、第2のサンプルホールド回路42のホールド信号V
D’をアナログ/ディジタル変換し、ディジタル階調デ
ータDGに変換する。電圧データ発生回路44は、設定
パルスVHに対応する設定パルスデータDHと、リセッ
トパルスVLに対応するリセットパルスデータDLを生
成する。
部から供給される画像データのうち、対応する画素の信
号成分(1つの画像データ)VD’をサンプル・ホール
ドする。第2のサンプル・ホールド回路42は第1のサ
ンプル・ホールド回路41から出力されたホールド信号
VD’をサンプル・ホールドする。A/D変換器43
は、第2のサンプルホールド回路42のホールド信号V
D’をアナログ/ディジタル変換し、ディジタル階調デ
ータDGに変換する。電圧データ発生回路44は、設定
パルスVHに対応する設定パルスデータDHと、リセッ
トパルスVLに対応するリセットパルスデータDLを生
成する。
【0061】タイミング回路45は、第1と第2のサン
プルホールド回路41、42にタイミング制御信号を供
給すると共に、各画素行の選択期間(ゲートパルスがオ
ンしている期間)TSを構成する3つのタイムスロット
t1,t2,t3にそれぞれタイミング信号T1,T
2,T3をオンする。マルチプレクサ46は、タイミン
グ信号T1〜T3に応答して、各選択期間TS内に、リ
セットパルスデータDLと、設定パルスデータDHと、
A/D変換器43からのディジタル階調データDGとを
順次選択して出力する。
プルホールド回路41、42にタイミング制御信号を供
給すると共に、各画素行の選択期間(ゲートパルスがオ
ンしている期間)TSを構成する3つのタイムスロット
t1,t2,t3にそれぞれタイミング信号T1,T
2,T3をオンする。マルチプレクサ46は、タイミン
グ信号T1〜T3に応答して、各選択期間TS内に、リ
セットパルスデータDLと、設定パルスデータDHと、
A/D変換器43からのディジタル階調データDGとを
順次選択して出力する。
【0062】電圧変換回路47は、マルチプレクサ46
の出力データを駆動系の高電圧に変換してデータライン
に出力する。即ち、電圧変換回路47は、リセットパル
スデータDLをリセットパルスVLに、設定パルスデー
タDHを設定パルスVHに、ディジタル階調データDG
を画像データにより指示された階調を表示するための書
き込み電圧VDに変換してデータライン16に出力す
る。この電圧変換回路47により、信号処理系の電源系
統と駆動系の電源系統とが分離されている。電圧変換回
路47の出力する駆動電圧VL、VH、VDは、対応す
る行のTFT14がオンしている書き込み期間のうちタ
イムスロットt1、t2、t3でそれぞれ画素電極13
に書き込まれ、液晶21に印加される。TFT14がオ
フしている間は、タイムスロットt3で印加された書き
込み電圧VDが画素電極13と対向電極17との間に保
持される。
の出力データを駆動系の高電圧に変換してデータライン
に出力する。即ち、電圧変換回路47は、リセットパル
スデータDLをリセットパルスVLに、設定パルスデー
タDHを設定パルスVHに、ディジタル階調データDG
を画像データにより指示された階調を表示するための書
き込み電圧VDに変換してデータライン16に出力す
る。この電圧変換回路47により、信号処理系の電源系
統と駆動系の電源系統とが分離されている。電圧変換回
路47の出力する駆動電圧VL、VH、VDは、対応す
る行のTFT14がオンしている書き込み期間のうちタ
イムスロットt1、t2、t3でそれぞれ画素電極13
に書き込まれ、液晶21に印加される。TFT14がオ
フしている間は、タイムスロットt3で印加された書き
込み電圧VDが画素電極13と対向電極17との間に保
持される。
【0063】第1のサンプル・ホールド回路41と、第
2のサンプル・ホールド回路42と、A/D変換器43
と、マルチプレクサ46と、電圧変換回路47は、画素
の列毎に配置され、タイミング回路44と電圧データ発
生回路44とは複数列に共通に配置される。
2のサンプル・ホールド回路42と、A/D変換器43
と、マルチプレクサ46と、電圧変換回路47は、画素
の列毎に配置され、タイミング回路44と電圧データ発
生回路44とは複数列に共通に配置される。
【0064】なお、図5に示す駆動方法を実現するため
の列ドライバ32の構成は、図6の構成に限定されるも
のではない。例えば、A/D変換器43が内蔵するサン
プルホールド回路を第2のサンプルホールド回路42と
して使用しても良い。さらに、A/D変換器43の出力
データに一定の処理を行った後、処理後のデータをマル
チプレクサ46に供給してもよい。また、マルチプレク
サ46の出力データを一旦信号処理系の電圧を有する階
調信号に変換した後、電圧変換回路で駆動系の電圧に変
換してもよい。さらに、各種タイミング信号を列ドライ
バ32の外部から供給してもよい。また、画像データ自
体をディジタルデータで構成してもよい。各種タイミン
グ信号を列ドライバ32の外部から供給してもよい。
の列ドライバ32の構成は、図6の構成に限定されるも
のではない。例えば、A/D変換器43が内蔵するサン
プルホールド回路を第2のサンプルホールド回路42と
して使用しても良い。さらに、A/D変換器43の出力
データに一定の処理を行った後、処理後のデータをマル
チプレクサ46に供給してもよい。また、マルチプレク
サ46の出力データを一旦信号処理系の電圧を有する階
調信号に変換した後、電圧変換回路で駆動系の電圧に変
換してもよい。さらに、各種タイミング信号を列ドライ
バ32の外部から供給してもよい。また、画像データ自
体をディジタルデータで構成してもよい。各種タイミン
グ信号を列ドライバ32の外部から供給してもよい。
【0065】図5に示す液晶表示素子の駆動方法によっ
て、液晶21の電気光学特性に大きなヒステリシスがあ
る場合でも、データパルスに対応する表示階調を一義的
に定められた。しかしながら、最大(明)または最小
(暗)の階調の画像のみが長時間継続的に表示される場
合には、データパルスに対応する画像信号の直流成分に
よって表示の焼き付け現象が生じる得る。一方、リセッ
トパルスVLを設定パルスVHと階調パルスVDとの和
の逆極性の電圧とした場合には、リセットパルスの電圧
が大きくなりすぎ、液晶21が強誘電相を示す場合があ
る。
て、液晶21の電気光学特性に大きなヒステリシスがあ
る場合でも、データパルスに対応する表示階調を一義的
に定められた。しかしながら、最大(明)または最小
(暗)の階調の画像のみが長時間継続的に表示される場
合には、データパルスに対応する画像信号の直流成分に
よって表示の焼き付け現象が生じる得る。一方、リセッ
トパルスVLを設定パルスVHと階調パルスVDとの和
の逆極性の電圧とした場合には、リセットパルスの電圧
が大きくなりすぎ、液晶21が強誘電相を示す場合があ
る。
【0066】そこで、このような問題に対処するため、
図7(A)〜図7(C)に示すように、リセットパルス
VLを印加する前のタイムスロットt0で階調パルスV
Dと電圧の絶対値が同一で極性が反対の電圧を有する補
償パルス−VDを印加すればよい。もっとも、この4パ
ルス駆動法において、リセットパルスVLと補償パルス
−VDを印加する順序を逆にしてもよい。
図7(A)〜図7(C)に示すように、リセットパルス
VLを印加する前のタイムスロットt0で階調パルスV
Dと電圧の絶対値が同一で極性が反対の電圧を有する補
償パルス−VDを印加すればよい。もっとも、この4パ
ルス駆動法において、リセットパルスVLと補償パルス
−VDを印加する順序を逆にしてもよい。
【0067】次に、図7に示す駆動方法によって表示素
子を駆動する列ドライバ32の構成例を図8を参照して
説明する。この駆動方法を実現する列ドライバ32は、
図6に示す列ドライバ32とは、A/D(アナログ/デ
ィジタル)変換器43’と、タイミング回路45’と、
マルチプレクサ46’の構成が異なる。
子を駆動する列ドライバ32の構成例を図8を参照して
説明する。この駆動方法を実現する列ドライバ32は、
図6に示す列ドライバ32とは、A/D(アナログ/デ
ィジタル)変換器43’と、タイミング回路45’と、
マルチプレクサ46’の構成が異なる。
【0068】A/D変換器43’は、第2のサンプルホ
ールド回路42から出力されたホールド信号VD’をア
ナログ/ディジタル変換し、ディジタル階調データDG
に変換する。また、ディジタル階調データDGと絶対値
が同じで、極性が逆の補償データ−DGを出力する。
ールド回路42から出力されたホールド信号VD’をア
ナログ/ディジタル変換し、ディジタル階調データDG
に変換する。また、ディジタル階調データDGと絶対値
が同じで、極性が逆の補償データ−DGを出力する。
【0069】タイミング回路45’は、第1と第2のサ
ンプルホールド回路41、42にタイミング制御信号を
供給すると共に、各行の選択期間(ゲートパルスがオン
している期間)TSを構成する3つのタイムスロットt
0,t1,t2,t3でそれぞれタイミング信号T0,
T1,T2,T3をオンする。マルチプレクサ46’
は、タイミング信号T0〜T3に応答して、各選択期間
TS内に、A/D変換器43’からの補償データ−DG
と、リセットパルスデータDLと、設定パルスデータD
Hと、A/D変換器43’からのディジタル階調データ
DGとを順次選択して出力する。
ンプルホールド回路41、42にタイミング制御信号を
供給すると共に、各行の選択期間(ゲートパルスがオン
している期間)TSを構成する3つのタイムスロットt
0,t1,t2,t3でそれぞれタイミング信号T0,
T1,T2,T3をオンする。マルチプレクサ46’
は、タイミング信号T0〜T3に応答して、各選択期間
TS内に、A/D変換器43’からの補償データ−DG
と、リセットパルスデータDLと、設定パルスデータD
Hと、A/D変換器43’からのディジタル階調データ
DGとを順次選択して出力する。
【0070】なお、この発明の駆動方法は、図5または
図7にに示すものに限定されるものではない。例えば、
図5の例では、各TFT14がオンしている書き込み期
間に、3つのパルス(リセットパルス、設定パルス、階
調パルス)を順次印加したが、例えば、設定パルスVH
と階調パルスVDのみを印加してもよい。リセットパル
スVLと設定パルスVHとを逆極性で電圧の絶対値が同
一のパルスとしたが、リセットパルスVLを設定パルス
VHと階調パルスVDの電圧の和の逆極性の電圧として
もよい。さらには、設定パルスをVL、リセットパルス
をVHとしてもよい。また、第0〜第3のタイムスロッ
トt0〜t3は等しい長さである必要はなく、異なった
長さでも良い。
図7にに示すものに限定されるものではない。例えば、
図5の例では、各TFT14がオンしている書き込み期
間に、3つのパルス(リセットパルス、設定パルス、階
調パルス)を順次印加したが、例えば、設定パルスVH
と階調パルスVDのみを印加してもよい。リセットパル
スVLと設定パルスVHとを逆極性で電圧の絶対値が同
一のパルスとしたが、リセットパルスVLを設定パルス
VHと階調パルスVDの電圧の和の逆極性の電圧として
もよい。さらには、設定パルスをVL、リセットパルス
をVHとしてもよい。また、第0〜第3のタイムスロッ
トt0〜t3は等しい長さである必要はなく、異なった
長さでも良い。
【0071】以上説明したように、上記表示素子及び図
5または図7に示した駆動方法によれば、液晶21を強
誘電相に配向させることなく、最低階調から最大階調ま
で階調を連続的に変化させて任意の階調画像を表示する
ことができる。強誘電相では、液晶分子の有する自発分
極PSの向きが揃うため、表示の焼き付きが起こりやす
い。この実施の形態の液晶表示素子の駆動方法では、自
発分極PSが完全に揃うことがない。従って、表示の焼
き付きが起こりにくく、高品質の画像を表示することが
できる。
5または図7に示した駆動方法によれば、液晶21を強
誘電相に配向させることなく、最低階調から最大階調ま
で階調を連続的に変化させて任意の階調画像を表示する
ことができる。強誘電相では、液晶分子の有する自発分
極PSの向きが揃うため、表示の焼き付きが起こりやす
い。この実施の形態の液晶表示素子の駆動方法では、自
発分極PSが完全に揃うことがない。従って、表示の焼
き付きが起こりにくく、高品質の画像を表示することが
できる。
【0072】この実施の形態の液晶表示素子は、液晶2
1として自発分極PSを有するカイラルスメクティック
相の液晶を使用しているので、応答速度が速く、視野角
が広い。この実施の形態の液晶表示素子は、直流駆動す
ることが可能となる。この実施の形態の液晶表示素子
は、交流駆動のように1つの階調に対して極性が異なる
2つの電圧を印加する場合と異なり、1つの階調に対し
て1つの電圧(同一極性)を印加するため、フリッカを
低減することができる。
1として自発分極PSを有するカイラルスメクティック
相の液晶を使用しているので、応答速度が速く、視野角
が広い。この実施の形態の液晶表示素子は、直流駆動す
ることが可能となる。この実施の形態の液晶表示素子
は、交流駆動のように1つの階調に対して極性が異なる
2つの電圧を印加する場合と異なり、1つの階調に対し
て1つの電圧(同一極性)を印加するため、フリッカを
低減することができる。
【0073】この実施の形態の液晶表示素子を図5或い
は図7に示す駆動方法によって駆動した場合、液晶21
は、タイムスロットt2おいて印加される設定パルスV
Hによりほぼ一定の状態に配向させられる。従って、液
晶21の電気光学特性にヒステリシスがある場合でも、
階調パルスVDに対応する表示階調が一義的に定まる。
特に、図7に示す駆動方法によって液晶表示素子を駆動
した場合、階調パルスVDの直流成分をも相殺すること
ができるので、明または暗の画像を継続的に表示する場
合でも、表示の焼き付け現象を防ぐことができる。
は図7に示す駆動方法によって駆動した場合、液晶21
は、タイムスロットt2おいて印加される設定パルスV
Hによりほぼ一定の状態に配向させられる。従って、液
晶21の電気光学特性にヒステリシスがある場合でも、
階調パルスVDに対応する表示階調が一義的に定まる。
特に、図7に示す駆動方法によって液晶表示素子を駆動
した場合、階調パルスVDの直流成分をも相殺すること
ができるので、明または暗の画像を継続的に表示する場
合でも、表示の焼き付け現象を防ぐことができる。
【0074】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、液晶
のダイレクターが電界により変化する最大の角度範囲よ
りも小さい角度範囲で、液晶を駆動しても液晶が強誘電
相にならないようにすることができ、また液晶分子を強
誘電相に配向させることなく駆動するならば、液晶のダ
イレクターの振れ角を45°に達しない角度範囲で駆動
するようにしても良い。しかし、この場合は最大透過率
と最小透過率を得ることができない。従って、最大のコ
ントラストを得るためには、液晶のダイレクターを強誘
電相にならない範囲で45°の振れ角で駆動するのが好
ましい。また、液晶のダイレクタを45°の角度範囲内
で強誘電相にならないように駆動する場合、一方の偏光
板の透過軸は、45°より大きい角度範囲を持った液晶
のずれ角2θの範囲内の内で、強誘電相となるダイレク
ターの方向を除く任意の方向に設定すことができる。例
えば、液晶のずれ角2θが60°以上の場合に前記第1
の方向と第2の方向のいずれかに対して、前記交角より
45°を差し引いた角度の1/2から、前記交角より4
5°を差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方向が配
置される。例えば、ずれ角2θが60°のとき、偏光板
23の透過軸23Aを第1の方向21Aから7.5°以
上、15°未満の角度範囲に設定し、偏光板24の透過
軸24Aを透過軸23Aに直交又は平行になるように設
定し、液晶21のダイレクタを偏光板23の透過軸23
Aの方向とこの方向に対して45°傾いた方向との間で
駆動するようにしてもよい。
れず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、液晶
のダイレクターが電界により変化する最大の角度範囲よ
りも小さい角度範囲で、液晶を駆動しても液晶が強誘電
相にならないようにすることができ、また液晶分子を強
誘電相に配向させることなく駆動するならば、液晶のダ
イレクターの振れ角を45°に達しない角度範囲で駆動
するようにしても良い。しかし、この場合は最大透過率
と最小透過率を得ることができない。従って、最大のコ
ントラストを得るためには、液晶のダイレクターを強誘
電相にならない範囲で45°の振れ角で駆動するのが好
ましい。また、液晶のダイレクタを45°の角度範囲内
で強誘電相にならないように駆動する場合、一方の偏光
板の透過軸は、45°より大きい角度範囲を持った液晶
のずれ角2θの範囲内の内で、強誘電相となるダイレク
ターの方向を除く任意の方向に設定すことができる。例
えば、液晶のずれ角2θが60°以上の場合に前記第1
の方向と第2の方向のいずれかに対して、前記交角より
45°を差し引いた角度の1/2から、前記交角より4
5°を差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方向が配
置される。例えば、ずれ角2θが60°のとき、偏光板
23の透過軸23Aを第1の方向21Aから7.5°以
上、15°未満の角度範囲に設定し、偏光板24の透過
軸24Aを透過軸23Aに直交又は平行になるように設
定し、液晶21のダイレクタを偏光板23の透過軸23
Aの方向とこの方向に対して45°傾いた方向との間で
駆動するようにしてもよい。
【0075】また、例えば、ずれ角2θが90°以上の
液晶を使用してもよい。この場合、例えば、偏光板23
の透過軸23Aをスメクティック層の法線方向に設定
し、偏光板24の透過軸24Aを透過軸23Aに直交又
は平行に設定してもよい。
液晶を使用してもよい。この場合、例えば、偏光板23
の透過軸23Aをスメクティック層の法線方向に設定
し、偏光板24の透過軸24Aを透過軸23Aに直交又
は平行に設定してもよい。
【0076】また、上記実施の形態においては、液晶2
1の螺旋構造を解いた状態で液晶21を液晶セル25に
封入したが、螺旋構造を維持したまま液晶21を液晶セ
ルに封入してもよい。この場合も、上述の化学式1に示
した基本構成を有する液晶を使用することができる。
1の螺旋構造を解いた状態で液晶21を液晶セル25に
封入したが、螺旋構造を維持したまま液晶21を液晶セ
ルに封入してもよい。この場合も、上述の化学式1に示
した基本構成を有する液晶を使用することができる。
【0077】液晶21としては、コーン角2θが45°
以上のDHF(Deformed Helical Ferroelectric)液晶
を使用することも可能である。DHF液晶は、螺旋ピッ
チが基板間隔より十分小さく、自発分極を持ち、且つ強
誘電相を示す液晶であり、基板11と12の間に、液晶
分子の螺旋構造を維持した状態で封入される。
以上のDHF(Deformed Helical Ferroelectric)液晶
を使用することも可能である。DHF液晶は、螺旋ピッ
チが基板間隔より十分小さく、自発分極を持ち、且つ強
誘電相を示す液晶であり、基板11と12の間に、液晶
分子の螺旋構造を維持した状態で封入される。
【0078】一方の極性で且つ絶対値が所定の値以上の
電圧を印加した時、DHF液晶は、螺旋が解けた第1の
強誘電相となり、液晶分子は図3に示す第1の方向21
Aにほぼ配向する。他方の極性で且つ絶対値が所定の値
以上の電圧を印加したとき、DHF液晶は螺旋が解けた
第2の強誘電相となり、液晶分子は図3に示す第2の方
向21Bにほぼ配向する。
電圧を印加した時、DHF液晶は、螺旋が解けた第1の
強誘電相となり、液晶分子は図3に示す第1の方向21
Aにほぼ配向する。他方の極性で且つ絶対値が所定の値
以上の電圧を印加したとき、DHF液晶は螺旋が解けた
第2の強誘電相となり、液晶分子は図3に示す第2の方
向21Bにほぼ配向する。
【0079】中間の電圧が印加されると、液晶分子の描
く螺旋構造が印加電圧に応じて歪み、液晶分子の長軸方
向の平均的な方向が前記第1の方向21Aと第2の方向
21Bの間の任意の方向となる中間配向状態に設定され
る。
く螺旋構造が印加電圧に応じて歪み、液晶分子の長軸方
向の平均的な方向が前記第1の方向21Aと第2の方向
21Bの間の任意の方向となる中間配向状態に設定され
る。
【0080】このため、DHF液晶を使用した液晶表示
素子でも、図3に示すように一対の偏光板を配置し、印
加電圧を変化させると、透過率は図4に示すように変化
する。そこで、液晶21としてDHF液晶を使用する場
合にも、液晶21が強誘電相を示さないように、印加電
圧をVTminとVTmaxの間で制御し、液晶21のダイレク
タを透過軸23Aと透過軸23Aに対し45°の方向2
1Dの間で制御することにより、表示の焼き付き等を防
止し、しかも、最大の階調幅を表示することができる。
素子でも、図3に示すように一対の偏光板を配置し、印
加電圧を変化させると、透過率は図4に示すように変化
する。そこで、液晶21としてDHF液晶を使用する場
合にも、液晶21が強誘電相を示さないように、印加電
圧をVTminとVTmaxの間で制御し、液晶21のダイレク
タを透過軸23Aと透過軸23Aに対し45°の方向2
1Dの間で制御することにより、表示の焼き付き等を防
止し、しかも、最大の階調幅を表示することができる。
【0081】また、偏光板24の透過軸24Aと偏光板
23の透過軸23Aとを平行に設定しても良い。この場
合、表示される画像の階調は、明と暗とが上記の場合と
逆になる。偏光板23、24は、透過軸の代わりに吸収
軸を使用したものでもよい。
23の透過軸23Aとを平行に設定しても良い。この場
合、表示される画像の階調は、明と暗とが上記の場合と
逆になる。偏光板23、24は、透過軸の代わりに吸収
軸を使用したものでもよい。
【0082】この発明は、赤、緑、青の各波長成分の光
のみを選択透過するカラーフィルタを所定の順序で配置
し、フルカラー画像を表示するカラー液晶表示素子にも
適用可能である。
のみを選択透過するカラーフィルタを所定の順序で配置
し、フルカラー画像を表示するカラー液晶表示素子にも
適用可能である。
【0083】また、本発明はTFTをアクティブ素子と
する表示素子に限らず、MIM(Metal Insulator Meta
l)をアクティブ素子とする表示素子にも適用可能であ
る。さらに、この発明は、図9に示すように、対向する
基板11と12のそれぞれの対向面に走査電極71と、
走査電極71に直交する信号電極72を配置した単純マ
トリクス型(パッシブマトリクス型)の表示素子にも適
用可能である。また、この発明は、スタティック駆動に
よって駆動される液晶表示素子にも適用可能である。
する表示素子に限らず、MIM(Metal Insulator Meta
l)をアクティブ素子とする表示素子にも適用可能であ
る。さらに、この発明は、図9に示すように、対向する
基板11と12のそれぞれの対向面に走査電極71と、
走査電極71に直交する信号電極72を配置した単純マ
トリクス型(パッシブマトリクス型)の表示素子にも適
用可能である。また、この発明は、スタティック駆動に
よって駆動される液晶表示素子にも適用可能である。
【0084】
【実施例】化学式1に示す基本骨格を有する液晶化合物
を用いて、表1に示す物性を有する反強誘電性液晶組成
物を調整し、この液晶組成物を用いて図1〜図3に示す
構成の表示素子を形成し、各画素の選択期間に表示階調
に対応する1つの電圧を印加する駆動方法(1パルス駆
動法)と図5に示す駆動方法(3パルス駆動法)との比
較実験を行った。
を用いて、表1に示す物性を有する反強誘電性液晶組成
物を調整し、この液晶組成物を用いて図1〜図3に示す
構成の表示素子を形成し、各画素の選択期間に表示階調
に対応する1つの電圧を印加する駆動方法(1パルス駆
動法)と図5に示す駆動方法(3パルス駆動法)との比
較実験を行った。
【0085】
【表1】 コーン角(2θ)[°] : 60 ISO−SA転移温度[℃] : 85 SA−SCA*転移温度 [℃]: 70 {以下の測定温度[℃]} : 25 自発分極(PS)[nc/cm2]: 250 チルト角(θ)[°] : 30
【0086】この実験においては、表示素子の一方の偏
光板を、その透過軸がスメクティック相の有する層構造
の層(スメクティック層)の法線に対して22.5°傾
けて配置し、他方の偏光板をその透過軸が一方の偏光板
の透過軸と直交するように配置した。
光板を、その透過軸がスメクティック相の有する層構造
の層(スメクティック層)の法線に対して22.5°傾
けて配置し、他方の偏光板をその透過軸が一方の偏光板
の透過軸と直交するように配置した。
【0087】次に、各画素の選択期間60μ秒、1/2
20デューティでこの液晶表示素子を1パルス駆動法と
3パルス駆動法のそれぞれについて以下に示すように駆
動した。1パルス駆動法では、各選択期間に、画素電極
13と共通電極17との間にパルス電圧を+5Vから−
5Vまで0.5V刻みで印加し、各パルス電圧における
透過率を測定する。−5Vまでの透過率の測定が終了し
たら、逆に、画素電極13と共通電極17との間にパル
ス電圧を−5Vから+5Vまで0.5V刻みで印加し、
各設定パルス電圧における透過率を測定する。
20デューティでこの液晶表示素子を1パルス駆動法と
3パルス駆動法のそれぞれについて以下に示すように駆
動した。1パルス駆動法では、各選択期間に、画素電極
13と共通電極17との間にパルス電圧を+5Vから−
5Vまで0.5V刻みで印加し、各パルス電圧における
透過率を測定する。−5Vまでの透過率の測定が終了し
たら、逆に、画素電極13と共通電極17との間にパル
ス電圧を−5Vから+5Vまで0.5V刻みで印加し、
各設定パルス電圧における透過率を測定する。
【0088】3パルス駆動法では、各選択期間に、画素
電極13と共通電極17との間にパルス電圧を−5Vと
+5Vのパルスを20μ秒ずつ印加した後、設定パルス
を印加する。設定パルスは、+5Vから−5Vまで0.
5V刻みで変化させ、各設定パルス電圧における透過率
を測定する。−5Vまでのパルス電圧における透過率の
測定が終了したら、逆に、画素電極13と共通電極17
との間にパルス電圧を−5Vから+5Vまで0.5V刻
みで印加し、各パルス電圧における透過率を測定する。
電極13と共通電極17との間にパルス電圧を−5Vと
+5Vのパルスを20μ秒ずつ印加した後、設定パルス
を印加する。設定パルスは、+5Vから−5Vまで0.
5V刻みで変化させ、各設定パルス電圧における透過率
を測定する。−5Vまでのパルス電圧における透過率の
測定が終了したら、逆に、画素電極13と共通電極17
との間にパルス電圧を−5Vから+5Vまで0.5V刻
みで印加し、各パルス電圧における透過率を測定する。
【0089】図10(A)は、1パルス駆動法による液
晶表示素子の電気光学特性を、図10(B)は、3パル
ス駆動法による電気光学特性をそれぞれ示す。図10
(A)に示すように、1パルス駆動法によりヒステリシ
スが発生する。これに対し、図10(B)に示すよう
に、3パルス駆動法を使用することにより、ヒステリシ
スの影響を低減し、安定した階調表示を行うことができ
る。
晶表示素子の電気光学特性を、図10(B)は、3パル
ス駆動法による電気光学特性をそれぞれ示す。図10
(A)に示すように、1パルス駆動法によりヒステリシ
スが発生する。これに対し、図10(B)に示すよう
に、3パルス駆動法を使用することにより、ヒステリシ
スの影響を低減し、安定した階調表示を行うことができ
る。
【0090】なお、図7に示した階調パルスVD、設定
パルスVH及びリセットパルスVLに加えて補償パルス
−VDを印加する4パルス駆動法によって液晶表示素子
を駆動した場合でも、上記の3パルス駆動法の場合とほ
ぼ同様の結果が得られる。また、階調パルスVDの他に
設定パルスVHのみを印加する2パルス駆動法によって
液晶表示素子を駆動した場合でも、上記の3パルス駆動
法の場合とほぼ同様の結果が得られる。
パルスVH及びリセットパルスVLに加えて補償パルス
−VDを印加する4パルス駆動法によって液晶表示素子
を駆動した場合でも、上記の3パルス駆動法の場合とほ
ぼ同様の結果が得られる。また、階調パルスVDの他に
設定パルスVHのみを印加する2パルス駆動法によって
液晶表示素子を駆動した場合でも、上記の3パルス駆動
法の場合とほぼ同様の結果が得られる。
【0091】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
強誘電相を使用することなく、液晶を駆動するので、自
発分極による表示の焼き付きの少ない表示素子を得るこ
とができる。しかも、広視野角、高速応答性が得られ
る。
強誘電相を使用することなく、液晶を駆動するので、自
発分極による表示の焼き付きの少ない表示素子を得るこ
とができる。しかも、広視野角、高速応答性が得られ
る。
【0092】さらに、表示階調に対応する電圧を印加す
る前に、固定の電圧を印加しているので、液晶の電気光
学特性に大きなヒステリシスがある場合でも、表示階調
を一義的に定めることができる。
る前に、固定の電圧を印加しているので、液晶の電気光
学特性に大きなヒステリシスがある場合でも、表示階調
を一義的に定めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる表示素子の構造
を示す断面図である。
を示す断面図である。
【図2】図1に示す表示素子の下基板の構成を示す平面
図である。
図である。
【図3】偏光板の透過軸と液晶分子の配向方向の関係を
示す図である。
示す図である。
【図4】液晶の印加電圧と透過率との関係を示す図であ
る。
る。
【図5】この発明の実施の形態にかかる表示素子の駆動
方法により画素に印加される電圧の波形を示すタイミン
グチャートである。
方法により画素に印加される電圧の波形を示すタイミン
グチャートである。
【図6】図5に示す駆動方法を実現するための列ドライ
バの構成例を示す図である。
バの構成例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態にかかる表示素子の駆動
方法により画素に印加される電圧の波形を示すタイミン
グチャートである。
方法により画素に印加される電圧の波形を示すタイミン
グチャートである。
【図8】図7に示す駆動方法を実現するための列ドライ
バの構成例を示す図である。
バの構成例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態にかかる表示素子の構造
の他の例を示す断面図である。
の他の例を示す断面図である。
【図10】(A)はこの発明の実施例の1パルス駆動法
による光学特性を、(B)はこの発明の実施例の3パル
ス駆動法による光学特性をそれぞれ示す。
による光学特性を、(B)はこの発明の実施例の3パル
ス駆動法による光学特性をそれぞれ示す。
11・・・透明基板(下基板)、12・・・透明基板(上基
板)、13・・・画素電極、14・・・アクティブ素子(TF
T)、15・・・ゲートライン(走査ライン)、16・・・デ
ータライン(階調信号ライン)、17・・・対向電極、1
8・・・配向膜、19・・・配向膜、20・・・シール材、21・
・・液晶、22・・・ギャップ材、23・・・偏光板(下偏光
板)、24・・・偏光板(上偏光板)、31・・・行ドライ
バ、32・・・列ドライバ、41・・・サンプル・ホールド回
路、42・・・サンプル・ホールド回路、43・・・A/D変
換器、44・・・電圧データ発生回路、45・・・タイミング
回路、46・・・マルチプレクサ、47・・・電圧変換回路
板)、13・・・画素電極、14・・・アクティブ素子(TF
T)、15・・・ゲートライン(走査ライン)、16・・・デ
ータライン(階調信号ライン)、17・・・対向電極、1
8・・・配向膜、19・・・配向膜、20・・・シール材、21・
・・液晶、22・・・ギャップ材、23・・・偏光板(下偏光
板)、24・・・偏光板(上偏光板)、31・・・行ドライ
バ、32・・・列ドライバ、41・・・サンプル・ホールド回
路、42・・・サンプル・ホールド回路、43・・・A/D変
換器、44・・・電圧データ発生回路、45・・・タイミング
回路、46・・・マルチプレクサ、47・・・電圧変換回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−214261(JP,A) 特開 平8−54605(JP,A) 特開 平6−289367(JP,A) 特開 平1−288826(JP,A) 特開 昭63−226624(JP,A) 特開 平5−297350(JP,A) 特開 平5−303081(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 G02F 1/1335 G02F 1/141 G09G 3/36
Claims (14)
- 【請求項1】対向面に電極がそれぞれ形成された一対の
基板と、 前記一対の基板の間に配置され、前記電極間に印加され
た一方極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第1の方向
にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態
と、前記電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応
じて液晶分子が第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電
相を示す第2の配向状態と、前記第1の電圧と第2の電
圧との中間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子
がそのダイレク夕を前記第1の方向と前記第2の方向と
の間の方向に向けて配向する強誘電相を示す液晶と、 前記一対の基板を挟んで配置され、いずれか一方の光学
軸が前記第1と第2の方向のいずれか一方と前記第3の
方向とにより挟まれる角度範囲に設置され、他方の光学
軸が前記一方の光学軸と実質的に垂直または平行にそれ
ぞれ配置された一対の偏光板と、 前記電極に接続され、対向する電極領域とその間の前記
液晶を含む各画素を順次選択し、選択した画素の前記液
晶に、液晶のダイレクタを前記第1の方向と第2の方向
により挟まれる角度範囲であって、この角度範囲よりも
狭い角度の範囲で変化させ、且つ、固定の第1の駆動電
圧と、該第1の駆動電圧を印加した後に印加され、表示
階調に対応する第2の駆動電圧を含む駆動電圧を印加す
る駆動手段と、 を備える強誘電性相を示す液晶を用いた表示素子装置。 - 【請求項2】前記駆動手段は、前記第1の駆動電圧と絶
対値が同一で極性が反対の第3の駆動電圧、又は、前記
第1の駆動電圧と前記第2の駆動電圧の和と絶対値が同
一で極性が反対の第4の駆動電圧の一方を、選択した画
素の前記液晶に前記第1の駆動電圧を印加する前に印加
する手段を備える、 ことを特徴とする請求項1に記載の表示素子装置。 - 【請求項3】前記駆動手段は、前記第1の駆動電圧と絶
対値が同一で極性が反対の第5の駆動電圧と、前記第2
の駆動電圧と絶対値が同一で極性が反対の第6の駆動電
圧とを、選択した画素の前記液晶に前記第1の駆動電圧
を印加する前に印加する手段を備える、 ことを特徴とする請求項1に記載の表示素子装置。 - 【請求項4】前記液晶は、前記第1の方向と第2の方向
とのなす交角が45°より大きい角度で夫々配向する強
誘電性相をもっており、 前記駆動手段は、液晶のダイレクタを前記第1の方向と
第2の方向とにより挟まれる角度範囲内のほぼ45°の
角度範囲で変化させる電圧を印加する、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項5】前記一対の偏光板の一方は、前記第1の方
向と第2の方向のいずれかに対して、前記交角より45
°を差し引いた角度の1/2から、前記交角より45°
を差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方向を配置し
たことを特徴とする請求項1乃至4に記載の表示素子装
置。 - 【請求項6】前記液晶は、前記第1の方向と第2の方向
とのなす交角がほぼ60°より大きい角度で夫々配向す
る強誘電性相をもっており、 前記一対の偏光板の一方は、前記第1の方向と第2の方
向のいずれかに対して、ほぼ7.5°以上の角度でその
光学軸の方向を配置した、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項7】前記一対の偏光板は、いずれか一方の光学
軸を、前記駆動手段によって変化させられるダイレクタ
の角度範囲の一方の側の方向と実質的に平行に配置し
た、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項8】前記液晶は、前記第1の方向と第2の方向
とのなす交角が90°より大きい角度で夫々配向する強
誘電性相をもっており、 前記一対の偏光板の一方は、前記液晶のスメクティック
層の法線方向とほぼ平行に、その光学軸の方向を配置し
た、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項9】前記液晶は、対向する電極間に電圧が印加
されていないときに、液晶のダイレクタが前記第1の方
向と第2の方向とでなす角度のほぼ2等分線と平行な方
向に向いた反強誘電性相を示す反強誘電性液晶である、 ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項10】前記駆動手段は、前記第1と第2の電圧
の絶対値よりも小さい前記第1の駆動電圧を印加した後
に、各前記画素の表示状態を定めるための画像データに
対応した電圧を各前記画素の前記液晶に印加する駆動回
路を備えている、 ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1つに記載
の表示素子装置。 - 【請求項11】前記一対の基板は、 画素電極と該画素電極に接続されたアクティブ素子がマ
トリックス状に配列された一方の基板と、 前記画素電極に対向する対向電極が形成された他方の基
板と、 より構成されていることを特徴とする請求項1乃至10
のいずれか1つに記載の表示素子装置。 - 【請求項12】前記アクティブ素子は、薄膜トランジス
タから構成され、 前記駆動手段は、各前記画素の前記薄膜トランジスタに
ゲート信号を印加してオンさせるゲート駆動回路と、各
前記画素の表示状態を定めるための1つの画像データに
対応した前記第2の駆動電圧を有するパルスを、ゲート
信号により前記薄膜トランジスタがオンして各書き込み
期間に、各前記画素の前記液晶に印加するデータ駆動回
路と、を備えている、 ことを特徴とする請求項11に記載の表示素子装置。 - 【請求項13】前記一対の基板は、 走査電極が形成された一方の基板と、 前記走査電極に対し垂直方向に延びる信号電極が形成さ
れた他方の基板と、 より構成されていることを特徴とする請求項1乃至10
のいずれか1つに記載の表示素子装置。 - 【請求項14】対向面に電極がそれぞれ形成された一対
の基板と、前記一対の基板の間に配置され、前記電極間
に印加された一方極性の第1の電圧に応じて液晶分子が
第1の方向にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の
配向状態と、前記電極間に印加された他方極性の第2の
電圧に応じて液晶分子が第2の方向にほぼ配列した第2
の強誘電相を示す第2の配向状態と、前記電極間に電圧
を印加していないときにスメクティック相の層の法線方
向とほぼ一致する第3の方向に液晶分子がそのダイレク
タを向けて配向する第8の配向状態とを有し、前記第1
の電圧と第2の電圧との中間の任意の第3の電圧の印加
に応じて液晶分子がそのダイレク夕を前記第1の方向と
前記第2の方向との間の方向に向けて配向する強誘電相
を示す液晶と、前記一対の基板を挟んで配置され、いず
れか一方の光学軸が前記第1と第2の方向のいずれか一
方と前記第3の方向とにより挟まれる角度範囲に設置さ
れ、他方の光学軸が前記一方の光学軸と実質的に垂直ま
たは平行にそれぞれ配置された一対の偏光板と、を備え
る表示素子の駆動方法であって、 対向する電極とこれらの電極が互いに対向する領域の前
記液晶とにより形成される各画素を順次選択する選択ス
テップと、 該選択ステップで選択した画素の前記液晶に、固定の電
圧を有する第1のパルスを印加する第1の駆動ステップ
と、 該第1の駆動ステップで前記第1のパルスを印加した画
素の前記液晶に、前記第1の方向と第2の方向により挟
まれる角度範囲であって、この角度範囲よりも狭い角度
の範囲で液晶のダイレクタを変化させ、且つ、表示階調
に対応する電圧を有する第2のパルスを印加する第2の
駆動ステップとを、含むことを特徴とする表示素子の駆
動方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9184608A JP2984788B2 (ja) | 1996-06-28 | 1997-06-26 | 表示素子装置及び表示素子の駆動方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18689796 | 1996-06-28 | ||
JP8-186897 | 1996-06-28 | ||
JP9184608A JP2984788B2 (ja) | 1996-06-28 | 1997-06-26 | 表示素子装置及び表示素子の駆動方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1073803A JPH1073803A (ja) | 1998-03-17 |
JP2984788B2 true JP2984788B2 (ja) | 1999-11-29 |
Family
ID=26502588
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9184608A Expired - Fee Related JP2984788B2 (ja) | 1996-06-28 | 1997-06-26 | 表示素子装置及び表示素子の駆動方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2984788B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7348953B1 (en) | 1999-11-22 | 2008-03-25 | Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. | Method of driving liquid crystal display device |
JP2002236472A (ja) | 2001-02-08 | 2002-08-23 | Semiconductor Energy Lab Co Ltd | 液晶表示装置およびその駆動方法 |
-
1997
- 1997-06-26 JP JP9184608A patent/JP2984788B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH1073803A (ja) | 1998-03-17 |
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