JP2984789B2 - 表示素子装置及び表示素子の駆動方法 - Google Patents

表示素子装置及び表示素子の駆動方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、強誘電相を有す
る液晶を用いた表示素子装置及び表示素子の駆動方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より広く使用されているネマチック
液晶を用いた液晶表示素子に代えて、高速応答特性及び
広い視野角特性が期待される強誘電性液晶、反強誘電性
液晶等を用いた液晶表示素子が開発されている。これら
の液晶表示素子は、対向面に電極を形成した一対の基板
間に、強誘電性液晶或いは反強誘電性液晶を介在させた
ものである。
【0003】強誘電性液晶を用いたものでは、対向する
電極間に一方の極性の所定の電圧を印加することにより
液晶分子を一方の強誘電相に配向させた第1の配向安定
状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を印加するこ
とにより液晶分子を他方の強誘電相に配向させた第2の
配向安定状態との双安定性を利用して駆動することによ
り所望の画像を表示させるものである。
【0004】また、反強誘電性液晶を用いたものでは、
対向する電極間に一方の極性の所定の電圧を印加するこ
とにより液晶分子を一方の強誘電相に配向させた第1の
配向安定状態と、電極間に他方の極性の所定の電圧を印
加することにより液晶分子を他方の強誘電相に配向させ
た第2の配向安定状態と、さらに電界を印加しないとき
の反強誘電相に配向した第3の配向安定状態との3安定
性を利用して駆動することにより所望の画像を表示させ
るものである。
【0005】これらの液晶表示素子は、液晶分子を、強
誘電相或いは反強誘電相の安定した状態に配向させて、
そのメモリ効果を利用して2値表示を行うものであり、
再現性の良い階調表示を行うことは困難である。
【0006】階調表示が可能な強誘電性液晶表示素子と
して、DHF液晶(Deformed Helical Ferroelectric L
iquid Crystal)を使用した液晶表示素子が提案されてい
る。DHF液晶表示素子は、分子が描く螺旋が存在する
状態で強誘電性液晶を基板間に介在させ、電界に応じて
螺旋を歪ませることにより、一方の強誘電相から他方の
強誘電相まで液晶のダイレクタを連続的に変化させるも
のである。
【0007】また、近時、一部の反強誘電性液晶が示す
中間配向状態を用いて階調表示を行う反強誘電性液晶表
示素子等も提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した強誘電性液晶
及び反強誘電性液晶は、液晶分子が分子長軸とほぼ直交
する方向に永久双極子を持ち、この永久双極子と電界と
の直接的な相互作用により液晶分子が挙動する。このた
め、応答速度が速く、又液晶のダイレクタの変化が基板
と平行な面内で動くので、視野角が広くなる。
【0009】しかし、これらの液晶は、液晶分子の永久
双極子による自発分極を持っているため、基板側にその
自発分極と逆極性の電荷が蓄積されて基板との相互作用
が大きくなって、液晶分子が電界に応じて十分自由に挙
動できなくなり、画像が残像として残ってしまうとい
う、表示の焼き付き現象が生じる。
【0010】表示の焼き付き現象を低減する方法とし
て、液晶に印加する電圧の極性をフレーム毎に或いはラ
イン毎に反転させる駆動方法が提案されている。また、
駆動パルス毎に逆極性の補償パルスを印加する駆動方法
も提案されている。
【0011】しかし、これらの方法では、電荷の片寄り
を十分無くすことができず、焼き付きを無くすことがで
きない。また、正極性と逆極性のパルスに対する液晶の
応答が異なるためにフリッカが発生するという問題があ
る。
【0012】また、自発分極を有する液晶はその温度に
応じて、配向状態が変化する。このため、同一の駆動電
圧を印加した場合でも、液晶の温度変化に応じて表示階
調が変動してしまい、コントラストが低下し、表示画像
の画質が劣化するという問題があった。
【0013】この発明は上記実状に鑑みてなされたもの
で、表示の焼き付き現象を低減でき、さらに、高画質の
画像を表示することができる強誘電相を有する液晶を用
いた表示素子装置及び表示素子の駆動方法を提供するこ
とを目的とする。また、この発明は、温度変化にかかわ
らず、高画質画像を表示することができる、強誘電相を
示す液晶を用いた表示素子装置及び表示素子の駆動方法
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明の第1の観点にかかる表示素子装置は、対
向面に電極がそれぞれ形成された一対の基板と、前記一
対の基板の間に配置され、前記電極間に印加された一方
極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ
配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記
電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応じて液晶
分子が第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す
第2の配向状態と、前記第1の電圧と第2の電圧との中
間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダ
イレクタを前記第1の方向と前記第2の方向との間の方
向に向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の
基板を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第
1と第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とによ
り挟まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一
方の光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置さ
れた一対の偏光板と、前記電極間の前記液晶に、液晶の
ダイレクタを前記第1の方向と第2の方向とにより挟ま
れる角度範囲で、且つこの角度範囲より狭い角度範囲
で変化させる電圧を印加する駆動手段と、前記液晶のダ
イレクタを変化させることによって表示される画像のコ
ントラストを、前記駆動手段が前記液晶に印加する電圧
を制御することによって補償するコントラスト補償手段
と、を備えることを特徴とする。
【0015】この構成によれば、駆動手段は、液晶を強
誘電相に配向させることなく駆動する。従って、表示の
焼き付き現象を抑えることができる。また、印加電圧に
応じて表示階調が一義的に定まるため、フリッカを抑え
ることができる。さらに、強誘電相を示す液晶を使用す
ることにより、高速応答性及び広視野角特性を確保する
ことができる。さらに、温度や磁界等の変化に応じて変
化する液晶のコーンアングル(液晶分子が描くコーンと
軸の成す角の2倍)に応じて印加電圧を調整するので、
適切な階調を表示することができる。
【0016】前記液晶は、前記第1の方向と前記第2の
方向とのなす交角が45°より大きい角度で夫々配向す
る強誘電相をもつことが望ましい。この場合、前記一方
の偏光板の光学軸を、前記第1の方向と前記第2の方向
のいずれかに対して、前記交角より45°を差し引いた
角度の範囲に配置する。このような構成とすることによ
り、液晶を強誘電相に設定することなく、最大階調と最
小階調を表示することができる。この場合、前記コント
ラスト補償手段は、液晶のダイレクタを前記45°の角
度範囲で変化させるように前記駆動手段の印加電圧を補
償する。
【0017】ここで、前記コントラスト補償手段は、例
えば、前記液晶の温度を検出する温度検出手段と、前記
温度検出手段により検出された温度に応じて前記駆動手
段が前記液晶に印加する電圧を補償する電圧補償手段
と、から構成されるものとすることができる。この場合
の温度検出手段による液晶の温度の検出は、周囲の温度
(例えば、基板)の温度を検出することによって間接的
に行ってもよい。
【0018】前記駆動手段は、例えば、「最も暗い」像
と「最も明るい」像の一方を表示するために、前記液晶
のダイレクタを前記一方の偏光板の光学軸の方向に設定
するための第1の所定電圧を印加し、「最も暗い」像と
「最も明るい」像の他方を表示するために、前記液晶の
ダイレクタを前記一方の偏光板の光学軸の方向に対し4
5°の方向に設定するための第2の所定電圧を印加す
る。この場合、前記温度補償手段は、前記液晶のダイレ
クタが所望の方向に設定されるように、前記駆動手段の
第1と第2の所定電圧を補償する。
【0019】前記電圧補償手段は、例えば、前記液晶の
温度に応じて、印加電圧の値の範囲とオフセット電圧を
補償する手段を備える。
【0020】また、この発明の第2の観点にかかる表示
素子装置は、対向面に電極がそれぞれ形成された一対の
基板と、前記一対の基板の間に配置され、前記電極間に
印加された一方極性の第1の電圧に応じて液晶素子が第
1の方向にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の配
向状態と、前記電極間に印加された他方極性の第2の電
圧に応じて液晶分子が前記第1の方向と45゜より大き
い交角で交差する第2の方向にほぼ配列した第2の強誘
電相を示す第2の配向状態と、前記電極間に電圧を印加
していないときにスメクティック相の層の法線方向とほ
ぼ一致する第3の方向に液晶分子がそのダイレクタを向
けて配向する第3の配向状態とを有し、前記第1の電圧
と第2の電圧との中間の任意の第3の電圧の印加に応じ
て液晶分子がそのダイレクタを前記第1の方向と前記第
2の方向との間の方向に向けて配向する強誘電相を示す
液晶と、前記一対の基板を挟んで配置され、前記一対の
偏光板の一方は、前記第1の方向と前記第2の方向のい
ずれかに対して、前記交角より45゜を差し引いた角度
未満の範囲に、その光学軸の方向が配置され、他方の偏
光板の光学軸が前記一方の偏光板の光学軸と実質的に直
交または平行に配置された一対の偏光板と、前記液晶の
温度を測定する温度測定手段と、前記温度測定手段の測
定温度と画像データに応答し、測定温度に応じて、液晶
のダイレク夕を前記一方の偏光板の光学軸と該光学軸に
45゜の方向の範囲内で変化させるように、前記画像デ
ータに対応する電圧の値を制御して前記液晶に印加する
駆動手段と、を備えることを特徴とする。
【0021】この構成によれば、液晶が強誘電相に配向
させることなく、表示の焼き付き現象が防止される。さ
らに、温度変化に応じて印加電圧を調整するので、温度
にかかわらず適切な階調を表示することができる。
【0022】上記目的を達成するため、この発明の第3
の観点にかかる表示素子の駆動方法は、対向面に電極が
それぞれ形成された一対の基板と、前記一対の基板の間
に配置され、前記電極間に印加された一方極性の第1の
電圧に応じて液晶分子が第1の方向にほぼ配列した第1
の強誘電相を示す第1の配向状態と、前記電極間に印加
された他方極性の第2の電圧に応じて液晶分子が第2の
方向にほぼ配列した第2の強誘電相を示す第2の配向状
態と、前記電極間に電圧を印加していないときにスメク
ティック相の層の法線方向とほぼ一致する第3の方向に
液晶分子がそのダイレクタを向けて配向する第3の配向
状態とを有し、前記第1の電圧と第2の電圧との中間の
任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子がそのダイレ
クタを前記第1の方向と前記第2の方向との間の方向に
向けて配向する強誘電相を示す液晶と、前記一対の基板
を挟んで配置され、いずれか一方の光学軸が前記第1と
第2の方向のいずれか一方と前記第3の方向とにより挟
まれる角度範囲に設置され、他方の光学軸が前記一方の
光学軸と実質的に垂直または平行にそれぞれ配置された
一対の偏光板と、を備える表示素子の駆動方法であっ
て、前記電極間の前記液晶に、液晶のダイレクタを前記
第1の方向と第2の方向とにより挟まれる角度範囲で、
且つこの角度範囲より狭い角度範囲で変化させる電圧
を印加する駆動ステップと、前記液晶の温度を検出する
温度検出ステップと、該温度検出ステップで検出した前
記温度に応じて、前記第1の方向と前記第2の方向との
交角の変化を補償する電圧を前記駆動ステップで前記液
晶に印加させるための電圧補償ステップと、を含むこと
を特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して説明する。図1はこの実施の形態の表示素
子の断面図、図2は画素電極とアクティブ素子を形成し
た透明基板の平面図である。この表示素子は、アクティ
ブマトリクス方式のものであり、図1に示すように、一
対の透明基板(例えば、ガラス基板)11、12と、透
明基板11、12の間に配置された液晶21と、透明基
板11、12を挟んで配置された一対の偏光板23、2
4と、から構成されている。
【0024】図1において下側の透明基板(以下、下基
板)11には、ITO等の透明導電材料から構成された
画素電極13と画素電極13にソースが接続された薄膜
トランジスタ(以下、TFT(Thin Film Transisto
r))14とがマトリクス状に形成されている。
【0025】図2に示すように、画素電極13の行間に
ゲートライン(走査ライン)15が配線され、画素電極
13の列間にデータライン(階調信号ライン)16が配
線されている。各TFT14のゲート電極は対応するゲ
ートライン15に接続され、ドレイン電極は対応するデ
ータライン16に接続されている。
【0026】ゲートライン15は、行ドライバ31に接
続され、データライン16は列ドライバ32に接続され
ている。行ドライバ31は、後述するゲート電圧を印加
して、ゲートライン15をスキャンする。一方、列ドラ
イバ32は、画像データ(階調信号)を受け、データラ
イン16に画像データに対応するデータ信号を印加す
る。行ドライバ31と列ドライバ32は、例えば、CO
G(チップオングラス)方式により、下基板11上に配
置されても良い。
【0027】また、下基板11の非表示領域には、温度
センサ33が配置されている。温度センサ33は、温度
センサ33は、下基板11の温度を検出することによ
り、液晶21の温度を間接的に検出する。温度センサ3
3は、データ信号を温度補償するためのコントローラ3
4に接続されている。コントローラ34の出力信号は、
列ドライバ34に供給される。
【0028】TFT14は、図3(A)に拡大して示す
ように、下基板11上に形成されたゲート電極311
と、下基板11全体を覆って形成されたゲート絶縁膜3
12と、ゲート絶縁膜312上に形成された真性(イン
トリンシック)半導体層313と、該真性半導体層31
3のチャネル領域上に形成されたブロッキング層314
と、真性半導体層313のソース領域とドレイン領域上
に形成されたコンタクト層315と316と、該コンタ
クト層315と316に接続されたソース電極317と
ドレイン電極318とより構成されている。ソース電極
317には、画素電極13が接続されている。
【0029】温度センサ33は、図3(B)に示すよう
に、ゲート絶縁膜312上に形成された真性半導体層3
21と、真性半導体層321の両端部に、コンタクト層
322、323を介して接続された電極324と325
とより構成されている。
【0030】真性半導体層313と321は、例えば、
不純物をほとんど含まない、アモルファスシリコン、多
結晶シリコン、単結晶シリコン等から構成されている。
また、コンタクト層322と323は、例えば、n型不
純物が添加されたアモルファスシリコン、多結晶シリコ
ン、単結晶シリコン等から構成されている。
【0031】真性半導体層321内のキャリアの移動度
はその温度に応じて変化し、真性半導体層321の実質
的な抵抗率も温度に応じて変化する。このため、真性半
導体層321の抵抗値を判別することにより、その温度
を判別することができる。
【0032】図1において、上側の透明基板(以下、上
基板)12には、下基板11の各画素電極13と対向
し、基準電圧V0が印加されている対向(共通)電極1
7が形成されている。対向電極17は、例えば、ITO
等から形成された透明電極である。下基板11と上基板
12の電極形成面には、それぞれ配向膜18、19が設
けられている。配向膜18、19は、例えば、厚さが2
5〜35nm程度のポリイミド等の有機高分子化合物か
らなる水平配向膜であり、分散力esdが30〜50、
極性力espが比較的弱く3〜20程度のものが使用さ
れる。これらの配向硬膜18、19の対向する面の少な
くとも一方には、互いに平行で且つ逆方向に1回ずつラ
ビングする配向処理が施されている。
【0033】下基板11と上基板12は、その外周縁部
において枠状のシール材20を介して接着され、液晶セ
ル25を構成している。配向膜18、19の間隔は、シ
ール材20及びギャップ材22により、例えば、1.4
μm〜2.4μmの一定間隔に規制されている。液晶2
1は、基板11、12とシール材20で囲まれた領域に
封入されている。
【0034】液晶21の分子(以下、液晶分子という)
は、バルクの状態では、一重螺旋構造(強誘電性液晶の
場合)又は二重螺旋構造(反強誘電性液晶の場合)を有
し、液晶セルのギャップ長が螺旋ピッチよりも短いた
め、螺旋が解けた状態で液晶セル25に封入されてい
る。また、液晶21は、各分子が自発分極Psを有し、
分子が描くコーンの軸とコーンの成す角(チルト角)θ
の2倍(コーンアングル)2θが45゜より大きい(望
ましくは、60゜以上)カイラルスメクティックC相又
はCA相(SmC*又はSmCA*)の液晶組成物(強誘
電性液晶又は反強誘電性液晶)からなる。
【0035】液晶21のダイレクタ(液晶21を構成す
る複数の液晶分子の長軸の平均的な配向方向)の水平方
向成分(基板11、12の主面に平行な面上に投影した
方向)は印加電圧に応じて連続的に変化する。
【0036】このよう特性を有する液晶としては、例え
ば、化学式1に示す骨格構造を有する液晶物質I〜III
をそれぞれ20重量%、40重量%、40重量%の割合
で混合することにより得られる反強誘電性液晶がある。
【0037】
【化1】
【0038】これらの液晶化合物は、エーテル結合され
たカイラル末端鎖を有し、オプショナリーにフッ素置換
されたフェニル環を有する反強誘電性液晶化合物であ
る。このような反強誘電性液晶化合物を用いた液晶表示
素子は、反強誘電性液晶の電場誘起転移のしきい値を低
下させ、前駆現象が顕著に現れる。その結果、液晶21
は、その電気光学特性において明確なしきい値を有して
いない。
【0039】また、このような構成及び物性を有する液
晶は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が通常の反強誘電性液晶に比較して小さく、通常
の反強誘電性液晶に比較して、反強誘電相の秩序が乱れ
やすく、相転移前駆現象が大きいという特徴を有する。
相転移前駆現象は、反強誘電相を形成している液晶分子
に印加する電界強度を徐々に強くしたとき、反強誘電相
から強誘電相に相転移が起こる前に、液晶素子(一対の
偏光板それぞれの透過軸を互いに直交させ、一方の偏光
板の透過軸をスメクティック層の法線方向ほぼ一致させ
た光学配置)の透過率が高くなる現象を指しており、透
過率の上昇は、液晶分子が相転移前に挙動することを意
味している。そして、この相転移前の液晶分子の挙動
は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの
障壁が小さいことを意味している
【0040】このような反強誘電性液晶は、バルクの状
態では、分子配列の層構造と螺旋構造を有しており、隣
接する液晶分子は層毎に仮想的なコーン上でほぼ180
゜シフトして螺旋を描いた二重螺旋構造を有し、隣接す
るスメクティック層の液晶分子同士でその自発分極がキ
ャンセルされている。基板11,12間に封入された前
記反強誘電性液晶は、基板間のギャツプ(液晶表示素子
25のセルギャップ)が、1.5μ程度であり、液晶の
螺旋構造の1ピッチ(ナチュラルピッチ)とほぼ等し
い。このため、液晶分子の二重螺旋構造が消失する。
【0041】そして、反強誘電性液晶に電界が印加され
ると、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギー
の障壁が小さいため、その電界の強さに応じて、反強誘
電相の液晶分子がその電界の強さに応じて前記仮想的な
コーンの沿って挙動する。従って、反強誘電性液晶のダ
イレクタの水平方向成分は印加電圧に応じて連続的に変
化する。
【0042】次に、配向膜18、19に施された配向処
理の方向、偏光板23、24の光学軸と液晶21の液晶
分子の配向方向との関係を図4を参照して説明する。
【0043】図4において、符号21Cは配向膜18、
19に施された配向処理の方向を示し、液晶21は、電
圧が印加されていない状態では、カイラルスメクティッ
クC相又はCA相が有する層構造の層の法線を、±2°
程度の誤差範囲内で配向処理の方向21Cに向けて配向
している。
【0044】負極性の所定の電圧−VSより低い電圧を
液晶21に印加した時、液晶21は、第1の配向状態
(強誘電相)となり、液晶分子の配向方向はほぼ第1の
方向21Aとなる。正極性の所定の電圧+VSより高い
電圧を液晶21に印加したとき、液晶21は第2の配向
状態となり、液晶分子の配向方向はほぼ第2の方向21
Bとなる。一方、印加電圧が0のとき、液晶分子の平均
的な配向方向は液晶のスメクティック相の層のほぼ法線
方向、即ち、第1と第2の方向21Aと21Bのほぼ中
間の方向(ほぼ配向処理の方向)21Cとなる。
【0045】第1の方向21Aと第2の方向21Bとの
ずれ角2θは、45゜以上であり、望ましくは50°以
上、さらに望ましくは60゜以上である。
【0046】偏光板23の透過軸23Aは、第1の方向
21Aと配向処理方向21Cとにより挟まれる角度範囲
に設定され、配向処理方向21Cに対して45°/2の
角度で交差するように設定されることが望ましく、この
実施の形態では、配向処理方向21Cに対しほぼ22.
5°の方向に設定されている。偏光板24の透過軸24
Aは、偏光板23の透過軸23Aとほぼ直交する方向に
設定されている。つまり、一方の偏光板の光学軸(透過
軸)は、一対の偏光板の光学軸の交角の1/2の角度で
液晶のスメクティック層の層法線と交差するように配置
するのが望ましい。
【0047】そして、偏光板23の透過軸23Aと第1
の方向21Aとは、前記ずれ角2θから45°を差し引
いた角度の1/2の角度で交差するように設定される。
すなわち、前記ずれ角2θが50°以上の場合、偏光板
23の透過軸23Aと第1の方向21Aとは、2.5°
或はそれより大きい角度で交差させるように設定し、ま
た前記ずれ角2θが60°以上の場合、偏光板23の透
過軸23Aと第1の方向21Aとは、7.5°或はそれ
より大きい角度で交差させるように設定するのが好まし
い。
【0048】図4に示すように偏光板23、24の透過
軸23A,24Aを設定した表示素子は、液晶分子の平
均的な配向方向を偏光板23の透過軸23Aに平行に設
定した時に透過率が最も低く(表示が最も暗く)なり、
液晶分子の平均的な配向方向を偏光板23の透過軸23
Aに対し45°の方向21Dに設定した時に透過率が最
も高く(最も明るく)なる。
【0049】すなわち、液晶分子の平均的な配向方向が
透過軸23Aの方向を向いた状態では、入射側の偏光板
23を通った直線偏光は液晶21の偏光作用をほとんど
受けず、直線偏光のまま液晶21の層を通過し、直角方
向に透過軸24Aが設定されている偏光板24で吸収さ
れ、表示が暗くなる。
【0050】一方、液晶分子の平均的な配向方向が透過
軸23Aに対して45°の方向21Dを向いた状態で
は、入射側の偏光板23を通過した直線偏光は液晶21
の複屈折作用により偏光状態が変化(円偏光または楕円
偏光)する。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は最も明るくなる。
【0051】その他の配向状態では、その配向状態に応
じた複屈折作用により、その配向状態に応じて変化し偏
光光となる。この偏光光のうちの出射側偏光板24の透
過軸24Aと平行な成分が偏光板24を透過して出射す
る。このため、表示は配向状態に応じた明るさになる。
【0052】従って、画素電極13と共通電極17の間
に比較的低周波(0.1Hz程度)の鋸波状の電圧を印
加した場合の透過率の変化は、図5に実線で示すよう
に、連続的に変化する。そして、この透過率は、液晶の
ダイレクタが偏光板23の透過軸23Aと平行の時最小
のTminとなり、これを超えると再び明るくなる。ま
た、透過率は液晶のダイレクタが偏光板23の透過軸2
3Aと45°で交差するとき最大のTmaxとなり、これ
を超えると再び暗くなる。
【0053】この表示素子は、アクティブマトリクス方
式のものであるため、非選択期間中も液晶21を任意の
配向状態に維持する電圧を保持しておくことができる。
このため、上記構成の表示素子は、透過率を変化させて
階調のある表示を行わせることが可能である。
【0054】この液晶素子の透過率は液晶のダイレクタ
が偏光板23の透過軸23Aと平行のとき最小、45°
で交差するとき最大となる。この表示素子は、透過率が
TminとTmaxを示す配向状態の間で使用することによ
り、液晶21を第1及び第2の配向状態に配向させるこ
となく駆動することができる。第1及び第2の配向状態
は、液晶層内の全ての分子が完全に同一方向に揃った強
誘電相を示す状態であり、自発分極による電荷が保持さ
れやすく、分子の反転が起こりづらくなり、焼き付きや
すくなる。
【0055】しかし、液晶分子が完全に揃っていない強
誘電相を示さない配向状態であれば、自発分極による電
荷が基板11、12の内側表面にたまりにくい。また、
液晶分子は、揃っていない分子を核にして反転が起こり
やすく、焼き付きが軽減される。即ち、画素電極13と
対向電極17との間に印加する駆動電圧をVTmaxとVTm
inの範囲内で変化させることにより、強誘電相を使用す
ることなく液晶21を駆動し、この液晶表示素子に連続
階調を表示させることができる。
【0056】一方、液晶21のコーンアングル2θは温
度に応じて変化し、その変化の大きさは、液晶21の材
質により異なっている。即ち、液晶21のチルト角(液
晶分子が描くコーンの軸に対する液晶分子の傾き角)θ
は、液晶21の温度が高くなると液晶分子の揺動が大き
くなるために自発分極が小さくなり、その結果、前記チ
ルト角θが小さくなり、コーンアングル2θも小さくな
る。また、温度が高いと液晶分子が動き易くなるため、
低い電圧で液晶21のダイレクタを大きな角度で振るこ
とができる。
【0057】このような液晶21の温度変化による電気
光学特性の変動の例を図5に示す。図5中、実線は液晶
の温度が常温(25℃)の場合の電気光学特性、一点鎖
線は液晶の温度が常温より低い低温(10℃)における
電気光学特性、二点鎖線は液晶の温度が通常より高い高
温(50℃)における電気光学特性をそれぞれ示してい
る。これらの電気光学特性において、透過率が極小値を
示す電圧VTminを印加したとき液晶のダイレクタは偏光
板23の透過軸23Aの方向にほぼ一致し、透過率が最
大値を示す電圧VTmaxを印加したとき液晶のダイレクタ
は偏光板23の透過軸23Aの方向とほぼ45°で交差
する方向21Dに向いており、電圧VTminから電圧VTm
axに印加電圧を変化させることにより、液晶のダイレク
タはほぼ45°その向きを変える。
【0058】図5から明らかなように、液晶21の温度
が低いときは、コーンアングル2θが大きくなり、透過
率TminとTmaxとを得るための電圧の絶対値が大きく、
且つ、電圧変調範囲も広くなる。また、液晶21の温度
が高い時は、コーンアングル2θが小さくなり、透過率
TminとTmaxとを得るための電圧の絶対値が小さく、且
つ、電圧変調範囲が狭くなる。このように、同一の印加
電圧に対する透過率が温度に応じて変化するため、温度
変化により表示すべき階調がずれ、正しい階調表示が困
難となる。
【0059】そこで、この実施の形態においては、温度
センサ33により検出された温度に応じて、最も低い透
過率を指定する画像データに対応させて透過率Tminが
得られる電圧VTminを液晶21に印加するようにデータ
信号の電圧を調整し、また、最も高い透過率を指定する
画像データに対応させて透過率Tmaxが得られる電圧VT
maxを液晶21に印加するようにデータ信号の電圧を調
整する。即ち、温度センサ33により検出された温度に
応じて、最も低い透過率を指定する画像データに対応さ
せて液晶のダイレクタを偏光板23の透過軸23Aの方
向とほぼ一致する方向に向けるようにデータ信号の電圧
を調整し、また、最も高い透過率を指定する画像データ
に対応させて液晶のダイレクタを偏光板23の透過軸2
3Aの方向とほぼ45°で交差する方向21Dに向ける
ようにデータ信号の電圧を調整する。
【0060】そのためには、液晶に印加するデータ信号
の電圧を変移させることにより、最も低い透過率、或い
は、高い透過率を指定する画像データに対応するデータ
信号の一方によって配列する液晶のダイレクタを偏光板
23の透過軸23Aの方向と、或いは、その透過軸23
Aの方向とほぼ45°の方向21Dとのいずれか一方の
方向にほぼ一致させる。そして、他方のデータ信号によ
って配列する液晶のダイレクタを他方の方向に向けるた
めに、印加するデータ信号の電圧変調範囲を調整する。
【0061】図6は、データ信号の電圧を温度に応じて
調整することができる列ドライバ32の構成例を示す。
この列ドライバ32は、第1のサンプル・ホールド回路
41と、第2のサンプル・ホールド回路42と、A/D
(アナログ/ディジタル)変換器43と、タイミング回
路44と、電圧変換回路45と、ドライバ回路46から
構成される。
【0062】第1のサンプル・ホールド回路41は、外
部から供給されるアナログ表示信号のうち対応する画素
用の信号成分(1つの画像データ)VD’をサンプル・
ホールドする。第2のサンプル・ホールド回路42は第
1のサンプル・ホールド回路41のホールド信号VD’
をサンプル・ホールドする。A/D変換器43は、第2
のサンプルホールド回路42のホールド信号をA/D変
換してディジタル階調データに変換する。タイミング回
路44は、各選択期間TSに、第1と第2のサンプルホ
ールド回路41、42にサンプリング及びホールディン
グを指示するタイミング制御信号を供給する。
【0063】電圧変換回路45は、A/D変換器43が
出力するディジタル階調データDGを、該ディジタル階
調データが指示する階調を基準温度Trで表示するため
に必要な電圧を有するパルス信号VD”に変換して出力
する。この電圧変換回路45により、信号処理系の電源
系統と駆動系の電源系統とが分離されている。ドライバ
回路46は、比較的大きな駆動能力を有する演算増幅器
(オペアンプ)等から構成され、パルス信号VD”を増
幅し、バイアス電圧を付加してデータライン16を駆動
する。コントローラ34は、例えば、ドライバ回路46
の増幅率αを数式1に従って設定し、バイアス電圧Vb
を数式2に従って設定する。
【0064】
【数1】α = A(1+B(t−tr)/tr) ここで、AとBは定数、tは測定温度、trは基準温度
である。
【数2】Vb=(VTmax(t)+VTmin(t))/2 ここで、VTmax(t)は測定温度tにおける最大階調Tmax
が得られる時の印加電圧、VTmin(t)は測定温度tにお
ける最小階調Tmin(t)が得られる時の印加電圧を表す。
【0065】定数A及びB、印加電圧VTmax(t)、VTmi
n(t)は予め実験などにより求め、コントローラ34に設
定しておく。
【0066】電圧変換回路45の出力電圧VD”は、ド
ライバ回路46を介して対応する行のTFT14がオン
している書き込み期間に液晶21に印加され、TFT1
4がオフしている間は対向する電極13と17の間に保
持される。
【0067】第1のサンプル・ホールド回路41と、第
2のサンプル・ホールド回路42と、A/D変換器43
と、電圧変換回路45と、ドライバ回路46とは、列毎
に配置され、タイミング回路44は複数列に共通に配置
される。
【0068】温度センサ33の出力に応じて、コントロ
ーラ34はドライバ回路46のオフセット電圧と増幅率
を調整する。即ち、温度変化に応じて、増幅率αとバイ
アスVbを調整し、最低階調の「黒」の表示時に液晶の
ダイレクタを偏光板23の透過軸23Aにほぼ一致さ
せ、最高階調の「白」の表示時に液晶のダイレクタを方
向21Dにほぼ一致させる。その他のダイレクタもそれ
ぞれ所望の位置に合わせる。
【0069】次に、上記構成の表示素子の駆動方法を図
7を参照して説明する。図7(A)は行ドライバ31が
任意の行のゲートライン15に印加するゲート信号を、
図7(B)は、図6に示す構成を有する列ドライバ32
がゲート信号に同期して各データライン16に印加する
データ信号を示す。データパルスの電圧は液晶21を強
誘電相に配向させない電圧、即ち、VTmaxとVTminとの
間で、表示したい透過率に対応する電圧に設定されてい
る。図7(C)は、図7(B)に示すデータパルスが印
加された時の透過率の変化を示す。
【0070】列ドライバ32には、外部より表示画像を
定義するアナログ表示信号が供給される。第1のサンプ
ル・ホールド回路41は、タイミング回路44からのタ
イミング信号に従って、外部から供給されるアナログ表
示信号のうち対応する画素用の信号成分(1つの画像デ
ータ)VD’をサンプル・ホールドする。次の水平走査
期間になると、第1のサンプルホールド回路41のホー
ルド信号は、第2のサンプル・ホールド回路42に転送
され、サンプル・ホールドされる。A/D変換器43
は、第2のサンプルホールド回路42のホールド信号を
A/D変換してディジタル階調データに変換する。
【0071】電圧変換回路45は、A/D変換器43が
出力するディジタル階調データを対応する電圧(該ディ
ジタル階調データが指示する階調を、基準温度におい
て、表示するために必要な駆動系の電圧)VD”を有す
るデータパルスに変換して出力する。ドライバ回路46
は、電圧変換回路45の出力電圧VD”をα倍に増幅
し、さらに、Vbだけバイアス電圧を加算して、図7
(B)に示すように、対応するデータライン16に印加
する。
【0072】ドライバ回路46がデータライン16にパ
ルス電圧VDを印加するのにほぼ同期して、行ドライバ
31は、図7(A)に示すように、ゲートパルスを選択
行のゲートラインに印加する。パルス電圧VDは、ゲー
トパルスにより対応する行のTFT14がオンしている
書き込み期間に、液晶21に印加され、TFT14がオ
フしている間は対向する電極13と17の間に保持され
る。このため、図7(C)に示すように、この保持電圧
に対応する透過率がこの行の次の選択期間まで保持され
る。このような動作を繰り返すことにより、画像が順次
表示される。
【0073】この駆動回路によれば、温度変化によるに
よるVTminとVTmaxの変化を考慮して駆動パルスの電圧
VDを設定するので、温度変化の影響を受けずに、アナ
ログ表示信号により指示される階調を表示することがで
きる。例えば、アナログ表示信号により表示階調として
最低、即ち、「黒」の表示が指示された際には、温度に
よらず、液晶のダイレクタは、偏光板23の透過軸の方
向23Aにほぼ平行に設定される。従って、最低階調の
「黒」が表示可能となる。同様に、アナログ表示信号に
より表示階調として最高、即ち、「白」の表示が指示さ
れた際には、温度によらず、液晶のダイレクタは、偏光
板23の透過軸の方向23Aに対し45°の方向21D
にほぼ平行に設定される。従って、最高階調の「白」が
表示可能となる。最低階調の「黒」と最高階調の「白」
を表示することにより、表示画像のコントラストが高く
なり、クリアな画像が表示可能になる。
【0074】以上説明したように、この実施の形態によ
れば、コーンアングルが2θが45°よりも大きい液晶
21を使用し、液晶21を強誘電相に設定することなく
駆動するので、表示の焼き付きを防止できる。さらに、
温度に応じて駆動電圧を調整しているので、「暗」と
「明」を適切に表示してコントラストの高い画像を表示
することができる。また、コーンアングル2θが45°
よりも大きい液晶21を使用しているので、温度変化に
より、コーンアングル2θが若干小さくなった場合で
も、ダイレクタの移動範囲を45°に確保することがで
き、最高階調と最低階調を表示することができる。
【0075】液晶21が、その電気光学特性に大きなヒ
ステリシスを有している場合、図7に示す駆動方法で
は、過去の印加電圧の影響を受けて、同一印加電圧に対
する表示階調が一義的に定まらない虞がある。このよう
な場合には、例えば、図8に示す駆動方法を採用すれば
よい。図8(A)は行ドライバ31が任意の行のゲート
ライン15に印加するゲート信号を、図8(B)は列ド
ライバ32がゲート信号に同期して各データライン16
に印加するデータ信号を示す。図8(C)は、図8
(B)に示すデータ信号が印加された時の透過率の変化
を示す。
【0076】選択期間の間、ゲートパルスがオンするこ
とにより選択行のTFT14がオンする。列ドライバ3
2から各データライン16に印加されたデータパルス
は、オンしたTFT14を介して画素電極13と対向電
極17との間に印加される。データパルスは、液晶分子
を所定の配向状態に配向させるための設定パルスVH
と、この設定パルスの直流成分を相殺するためのリセッ
トパルスVLと、表示階調に対応する階調パルスVDか
らなる。
【0077】ゲートパルスがオフするとTFT14がオ
フする。TFT14がオフしたとき、画素電極13と対
向電極17との間に印加されていた階調パルスVDの電
圧が、画素電極13と対向電極17とその間の液晶21
とにより形成される画素容量に保持される。このため、
図8(C)に示すように、この保持電圧に対応する表示
階調がこの行の次の選択期間まで保持される。従って、
この駆動方法によれば、データパルスの電圧を制御する
ことにより任意の階調画像を上記構成の液晶表示素子に
表示させることができる。しかも、設定パルスVHを印
加することにより、液晶21をほぼ一定の状態に配向さ
せているので、液晶21の電気光学特性にヒステリシス
がある場合でも、階調パルスVDに対する表示階調を一
義的に定めることができる。また、リセットパルスVL
を印加しているので、液晶21に印加される不必要な直
流成分を相殺することができる。このため、基板11、
12の内側表面に電荷が蓄積されて液晶分子の反転が起
こりづらくなることがなく、表示の焼き付きを低減する
ことができる。
【0078】この駆動方法の場合も、リセットパルスV
Lの電圧及び設定パルスVHの電圧を温度に応じて調整
することにより、コントラストの高い画像を表示でき、
しかも、表示の焼き付きを防止できる。
【0079】図8に示す駆動方法を実現するための列ド
ライバ32の回路構成を図9に示す。なお、図9におい
て、図6と同一部分には同一符号を付す。この列ドライ
バ32は、第1のサンプル・ホールド回路41と、第2
のサンプル・ホールド回路42と、A/D(アナログ/
ディジタル)変換器43と、電圧変換回路45と、ドラ
イバ回路46と、電圧データ発生回路47と、タイミン
グ回路48と、マルチプレクサ49と、より構成され
る。
【0080】第1のサンプル・ホールド回路41は、ア
ナログ表示信号のうち、対応する画素の信号成分VD’
をサンプル・ホールドする。第2のサンプル・ホールド
回路42は第1のサンプル・ホールド回路41のホール
ド信号をサンプル・ホールドする。A/D変換器43
は、第2のサンプルホールド回路42のホールド信号を
アナログ/ディジタル変換し、ディジタル階調データD
Gに変換する。電圧データ発生回路47は、設定パルス
VHに対応する設定パルスデータDHと、リセットパル
スVLに対応するリセットパルスデータDLを生成す
る。
【0081】タイミング回路48は、第1と第2のサン
プルホールド回路41、42にタイミング制御信号を供
給すると共に、各画素行の選択期間(ゲートパルスがオ
ンしている期間)TSを構成する3つのタイムスロット
t1,t2,t3にそれぞれタイミング信号T1,T
2,T3をオンする。マルチプレクサ49は、タイミン
グ信号T1〜T3に応答して、各選択期間TS内に、リ
セットパルスデータDLと、設定パルスデータDHと、
ディジタル階調データDGと、を順次選択して出力す
る。
【0082】電圧変換回路45は、マルチプレクサ49
の出力データを駆動系の高電圧に変換して出力する。ド
ライバ回路46は、電圧変換回路45から出力される電
圧を温度に応じた増幅率で増幅し、温度に応じたバイア
スを付加し、パルス電圧VL、VH、VDとして、デー
タライン16に印加する。
【0083】図8に示した液晶表示素子の駆動方法にお
いては、リセットパルスVLと設定パルスVHとを逆極
性で電圧の絶対値が同一のパルスとしたが、リセットパ
ルスVLを設定パルスVHと階調パルスVDの電圧の和
の逆極性の電圧としてもよい。設定パルスをVL、リセ
ットパルスをVHとしてもよい。各TFT14がオンし
ている選択期間TSに、リセットパルスVL、設定パル
スVH、階調パルスVDを順次印加したが、設定パルス
VHと階調パルスVDのみを印加してもよい。また、リ
セットパルスVLを印加する前に階調パルスVDと電圧
の絶対値が同一で極性が反対の電圧を有する補償パルス
−VDを印加してもよい。リセットパルスVLと補償パ
ルス−VDを印加する順序を逆にしてもよい。
【0084】なお、この発明は上記実施の形態に限定さ
れず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、液晶
のダイレクタが電界により変化する最大の角度範囲より
も小さい角度範囲で、液晶を駆動しても液晶が強誘電相
にならないようにすることができ、また液晶分子を強誘
電相に配向させることなく駆動するならば、液晶のダイ
レクタの振れ角を45°に達しない角度範囲で駆動する
ようにしても良い。しかし、この場合は最大透過率と最
小透過率を得ることができない。従って、最大のコント
ラストを得るためには、液晶のダイレクタを強誘電相に
ならない範囲で45°の振れ角で駆動するのが好まし
い。また、液晶のダイレクタを45°の角度範囲内で強
誘電相にならないように駆動する場合、一方の偏光板の
透過軸は、45°より大きい角度範囲を持った液晶のず
れ角2θの範囲内の内で、強誘電相となるダイレクタの
方向を除く任意の方向に設定すことができる。例えば、
液晶のずれ角2θが60°以上の場合に前記第1の方向
と第2の方向のいずれかに対して、前記交角より45°
を差し引いた角度の1/2から、前記交角より45°を
差し引いた角度の範囲に、その光学軸の方向が配置され
る。例えば、ずれ角2θが60°のとき、偏光板23の
透過軸23Aを第1の方向21Aから7.5°以上、1
5°未満の角度範囲に設定し、偏光板24の透過軸24
Aを透過軸23Aに直交又は平行になるように設定し、
液晶21のダイレクタを偏光板23の透過軸23Aの方
向とこの方向に対して45°傾いた方向との間で駆動す
るようにしてもよい。
【0085】また、例えば、ずれ角2θが90°以上の
液晶を使用してもよい。この場合、例えば、偏光板23
の透過軸23Aをスメクティック層の法線方向に設定
し、偏光板24の透過軸24Aを透過軸23Aに直交又
は平行に設定してもよい。
【0086】また、上記実施の形態においては、液晶2
1の螺旋構造を解いた状態で液晶21を液晶セル25に
封入したが、螺旋構造を維持したまま液晶21を液晶セ
ルに封入してもよい。この場合も、上述の化学式1に示
した基本構成を有する液晶を使用することができる。
【0087】液晶21としては、コーン角2θが45°
以上のDHF(Deformed Helical Ferroelectric)液晶
を使用することも可能である。DHF液晶は、螺旋ピッ
チが基板間隔より十分小さく、自発分極を持ち、且つ強
誘電相を示す液晶であり、基板11と12の間に、液晶
分子の螺旋構造を維持した状態で封入される。
【0088】一方の極性で且つ絶対値が所定の値以上の
電圧を印加した時、DHF液晶は、螺旋が解けた第1の
強誘電相となり、液晶分子は図3に示す第1の方向21
Aにほぼ配向する。他方の極性で且つ絶対値が所定の値
以上の電圧を印加したとき、DHF液晶は螺旋が解けた
第2の強誘電相となり、液晶分子は図4に示す第2の方
向21Bにほぼ配向する。
【0089】中間の電圧が印加されると、液晶分子の描
く螺旋構造が印加電圧に応じて歪み、液晶分子の長軸方
向の平均的な方向が前記第1の方向21Aと第2の方向
21Bの間の任意の方向となる中間配向状態に設定され
る。
【0090】このため、DHF液晶を使用した液晶表示
素子でも、図4に示すように一対の偏光板を配置し、印
加電圧を変化させると、透過率は図5に示すように変化
する。そこで、液晶21としてDHF液晶を使用する場
合にも、液晶21が強誘電相を示さないように、温度セ
ンサ33の検出結果に基づいて、印加電圧を制御し、液
晶21のダイレクタを透過軸23Aと透過軸23Aに対
し45°の方向21Dの間で制御することにより、表示
の焼き付き等を防止し、しかも、最大の階調幅を表示す
ることができる。
【0091】また、印加電圧を温度に応じて調整するた
めに、ドライバ回路46の増幅率αとオフセット電圧V
bを数式1と2に従って温度に応じて調整したが、例え
ば、電圧変換回路45の変換出力電圧を温度に応じて調
整しても良い。
【0092】また、液晶21の温度を検出して印加電圧
を制御する以外の方法でも、表示される画像のコントラ
ストを調整することができる。例えば、表示される画像
の明るさを検出し、検出した明るさを本来表示されるべ
き画像の明るさと比較し、この比較結果に基づいて液晶
21に印加する電圧を制御して表示される画像のコント
ラストを調整してもよい。また、液晶21の電気光学特
性は磁界によっても変化するので、磁界を検出し、この
検出結果に基づいて液晶21に印加する電圧を制御して
表示される画像のコントラストを調整してもよい。
【0093】また、コントラストを補償するため、液晶
21に印加する電圧を制御する方法は、ドライバ回路4
6の増幅率を調整することだけに限らない。例えば、デ
ジタルの画像データであれば、温度センサ33が検出し
た温度と変換する電圧との関係を記憶したテーブルをル
ックアップして、液晶21に印加する電圧を制御しても
よい。
【0094】また、偏光板24の透過軸24Aと偏光板
23の透過軸23Aとを平行に設定しても良い。この場
合、表示される画像の階調は、明と暗とが上記の場合と
逆になる。偏光板23、24は、透過軸の代わりに吸収
軸を使用したものでもよい。
【0095】この発明は、赤、緑、青の各波長成分の光
のみを選択透過するカラーフィルタを所定の順序で配置
し、フルカラー画像を表示するカラー液晶表示素子にも
適用可能である。
【0096】また、本発明はTFTをアクティブ素子と
する表示素子に限らず、MIM(Metal Insulator Meta
l)をアクティブ素子とする表示素子にも適用可能であ
る。さらに、この発明は、図7に示すように、対向する
基板11と12のそれぞれの対向面に走査電極71と、
走査電極71に直交する信号電極72を配置した単純マ
トリクス型(パッシブマトリクス型)の表示素子にも適
用可能である。また、この発明は、スタティック駆動に
よって駆動される液晶表示素子にも適用可能である。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の表示素子
装置によれば、強誘電相を使用することなく、液晶を駆
動するので、自発分極による表示の焼き付きの少ない表
示素子を得ることができる。しかも、駆動電圧を制御し
てコントラストを補償するので、液晶分子を最も暗い像
が得られる方向と最も明るい像が得られる方向との間で
駆動することができ、高いコントラストの画像を得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態にかかる表示素子の構造
を示す断面図である。
【図2】図1に示す表示素子の下基板の構成を示す平面
図である。
【図3】(A)と(B)は、図1に示す表示素子のTF
Tと温度センサの構成を示す断面図である。
【図4】偏光板の透過軸と液晶分子の配向方向の関係を
示す図である。
【図5】この実施の形態の液晶表示素子の駆動方法と透
過率のとの関係を示す図である。
【図6】列ドライバの構成の一例を示す回路ブロックで
ある。
【図7】図6の列ドライバを用いた駆動方法により画素
に印加される電圧の波形と透過率を示すタイミングチャ
ートである。
【図8】この実施の形態の液晶表示素子の駆動方法の他
の例と透過率の変化を示すタイミングチャートである。
【図9】図8に示す駆動方法を実現するための列ドライ
バの構成の一例を示す回路ブロックである。
【図10】この発明の実施の形態にかかる表示素子の構
造の他の例を示す断面図である。
【符号の説明】
11・・・透明基板(下基板)、12・・・透明基板(上基
板)、13・・・画素電極、14・・・アクティブ素子(TF
T)、15・・・ゲートライン(走査ライン)、16・・・デ
ータライン(階調信号ライン)、17・・・共通電極、1
8・・・配向膜、19・・・配向膜、20・・・シール材、21・
・・液晶、22・・・スペーサ、23・・・偏光板(下偏光
板)、24・・・偏光板(上偏光板)、31・・・行ドライ
バ、32・・・列ドライバ、33・・・温度センサ、34・・・
コントローラ、41、42・・・サンプルホールド回路、
43・・・アナログ・ディジタル変換器、44・・・タイミン
グ回路、45・・・電圧変換回路、46・・・ドライバ回路、
47・・・電圧データ発生回路、48・・・タイミング回路、
49・・・マルチプレクサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−214261(JP,A) 特開 平3−274090(JP,A) 特開 平1−288826(JP,A) 特開 昭63−226624(JP,A) 特開 平5−297350(JP,A) 特開 平5−303081(JP,A) 特開 平6−289367(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 G02F 1/1335 G02F 1/141 G09G 3/36

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対向面に電極がそれぞれ形成された一対の
    基板と、 前記一対の基板の間に配置され、前記電極間に印加され
    た一方極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第1の方向
    にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態
    と、前記電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応
    じて液晶分子が第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電
    相を示す第2の配向状態と、前記第1の電圧と第2の電
    圧との中間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶分子
    がそのダイレクタを前記第1の方向と前記第2の方向と
    の間の方向に向けて配向する強誘電相を示す液晶と、 前記一対の基板を挟んで配置され、いずれか一方の光学
    軸が前記第1と第2の方向のいずれか一方と前記第3の
    方向とにより挟まれる角度範囲に設置され、他方の光学
    軸が前記一方の光学軸と実質的に垂直または平行にそれ
    ぞれ配置された一対の偏光板と、 前記電極間の前記液晶に、液晶のダイレクタを前記第1
    の方向と第2の方向とにより挟まれる角度範囲で、且つ
    この角度範囲より狭い角度の範囲で変化させる電圧を印
    加する駆動手段と、 前記液晶のダイレクタを変化させることによって表示さ
    れる画像のコントラストを、前記駆動手段が前記液晶に
    印加する電圧を制御することによって補償するコントラ
    スト補償手段と、 を備える強誘電相を示す液晶を用いた表示素子装置。
  2. 【請求項2】前記液晶は、前記第1の方向と前記第2の
    方向とのなす交角が45°より大きい角度で夫々配向す
    る強誘電相をもっており、 前記一方の偏光板は、前記第1の方向と前記第2の方向
    のいずれかに対して、前記交角より45°を差し引いた
    角度の範囲に、その光学軸の方向が配置されており、 前記駆動手段は、液晶のダイレクタを前記第1の方向と
    第2の方向とにより挟まれる角度範囲の内のほぼ45°
    の角度範囲で変化させる電圧を印加し、 前記コントラスト補償手段は、液晶のダイレクタを前記
    45°の角度範囲で変化させるように前記駆動手段の印
    加電圧を補償する、 ことを特徴とする請求項1に記載の表示素子装置。
  3. 【請求項3】前記コントラスト補償手段は、 前記液晶の温度を検出する温度検出手段と、 前記温度検出手段により検出された温度に応じて前記駆
    動手段が前記液晶に印加する電圧を補償する電圧補償手
    段と、から構成される、 ことを特徴とする請求項1または2に記載の表示素子装
    置。
  4. 【請求項4】前記駆動手段は、最も暗い像と最も明るい
    像の一方を表示するために、前記液晶のダイレクタを前
    記一方の偏光板の光学軸の方向に設定するための第1の
    所定電圧を印加し、最も暗い像と最も明るい像の他方を
    表示するために、前記液晶のダイレクタを前記一方の偏
    光板の光学軸の方向に対し45°の方向に設定するため
    の第2の所定電圧を印加する手段を備え、 前記電圧補償手段は、温度変化に応じて前記液晶のダイ
    レクタが前記一方の偏光板の光学軸の方向に設定される
    ように、前記駆動手段の印加電圧を補償する手段を備え
    る、 ことを特徴とする請求項3に記載の表示素子装置。
  5. 【請求項5】前記電圧補償手段は、前記液晶の温度に応
    じて、印加電圧の値の範囲とオフセット電圧を補償する
    手段を備える、 ことを特徴とする請求項3又は4に記載の表示素子装
    置。
  6. 【請求項6】対向面に電極がそれぞれ形成された一対の
    基板と、 前記一対の基板の間に配置され、前記電極間に印加され
    た一方極性の第1の電圧に応じて液晶素子が第1の方向
    にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の配向状態
    と、前記電極間に印加された他方極性の第2の電圧に応
    じて液晶分子が前記第1の方向と45゜より大きい交角
    で交差する第2の方向にほぼ配列した第2の強誘電相を
    示す第2の配向状態と、前記電極間に電圧を印加してい
    ないときにスメクティック相の層の法線方向とほぼ一致
    する第3の方向に液晶分子がそのダイレクタを向けて配
    向する第3の配向状態とを有し、前記第1の電圧と第2
    の電圧との中間の任意の第3の電圧の印加に応じて液晶
    分子がそのダイレクタを前記第1の方向と前記第2の方
    向との間の方向に向けて配向する強誘電相を示す液晶
    と、 前記一対の基板を挟んで配置され、前記一対の偏光板の
    一方は、前記第1の方向と前記第2の方向のいずれかに
    対して、前記交角より45゜を差し引いた角度未満の範
    囲に、その光学軸の方向が配置され、他方の偏光板の光
    学軸が前記一方の偏光板の光学軸と実質的に直交または
    平行に配置された一対の偏光板と、 前記液晶の温度を測定する温度測定手段と、 前記温度測定手段の測定温度と画像データに応答し、測
    定温度に応じて、液晶のダイレク夕を前記一方の偏光板
    の光学軸と該光学軸に45゜の方向の範囲内で変化させ
    るように、前記画像データに対応する電圧の値を制御し
    て前記液晶に印加する駆動手段と、 を備える強誘電相を示す液晶を用いた表示素子装置。
  7. 【請求項7】対向面に電極がそれぞれ形成された一対の
    基板と、前記一対の基板の間に配置され、前記電極間に
    印加された一方極性の第1の電圧に応じて液晶分子が第
    1の方向にほぼ配列した第1の強誘電相を示す第1の配
    向状態と、前記電極間に印加された他方極性の第2の電
    圧に応じて液晶分子が第2の方向にほぼ配列した第2の
    強誘電相を示す第2の配向状態と、前記電極間に電圧を
    印加していないときにスメクティック相の層の法線方向
    とほぼ一致する第3の方向に液晶分子がそのダイレクタ
    を向けて配向する第3の配向状態とを有し、前記第1の
    電圧と第2の電圧との中間の任意の第3の電圧の印加に
    応じて液晶分子がそのダイレクタを前記第1の方向と前
    記第2の方向との間の方向に向けて配向する強誘電相を
    示す液晶と、前記一対の基板を挟んで配置され、いずれ
    か一方の光学軸が前記第1と第2の方向のいずれか一方
    と前記第3の方向とにより挟まれる角度範囲に設置さ
    れ、他方の光学軸が前記一方の光学軸と実質的に垂直ま
    たは平行にそれぞれ配置された一対の偏光板と、を備え
    る表示素子の駆動方法であって、 前記電極間の前記液晶に、液晶のダイレクタを前記第1
    の方向と第2の方向とにより挟まれる角度範囲で、且つ
    この角度範囲より狭い角度範囲で変化させる電圧を印
    加する駆動ステップと、 前記液晶の温度を検出する温度検出ステップと、 該温度検出ステップで検出した前記温度に応じて、前記
    第1の方向と前記第2の方向との交角の変化を補償する
    電圧を前記駆動ステップで前記液晶に印加させるための
    電圧補償ステップと、を含むことを特徴とする表示素子
    の駆動方法。
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