JP3551699B2 - 液晶表示素子とその駆動方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は反強誘電性液晶(AFLC、Antiferroelectric Liquid Crystal)を用いた液晶表示素子に関し、特に、階調表示が可能な反強誘電性液晶表示素子及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
強誘電性液晶を用いる強誘電性液晶表示素子は、ネマティック液晶を用いるTNモードの液晶表示素子と比較して、高速応答、広い視野角が得られる等の点で注目されている。
強誘電性液晶表示素子としては、強誘電性液晶を用いた強誘電性液晶表示素子と反強誘電性液晶を用いた反強誘電性液晶表示素子とが知られている。
反強誘電性液晶表示素子は、反強誘電性液晶が備える配向状態の安定性を利用して画像を表示するものである。
【0003】
より詳しく説明すると、反強誘電性液晶は、液晶分子の配向に3つの安定状態を有し、(1)第1のしきい値以上の電圧を該液晶に印加したとき、印加電圧の極性に応じて液晶分子が第1の方向に配列する第1の強誘電相または第2の方向に配列する第2の強誘電相に配向し、(2)前記第1のしきい値より低い第2のしきい値以下の電圧を印加したとき、第1と第2の強誘電相とは異なる配列状態である反強誘電相に配向する。液晶表示素子の両側に配置された一対の偏光板の透過軸の方向を反強誘電相における光学軸を基準にして設定することにより、印加電圧により光の透過率を制御して画像を表示することができる。
【0004】
反強誘電性液晶は、印加電圧が変化しても、上記第1と第2のしきい値の間の範囲であれば、第1または第2の強誘電相または反強誘電相に配向した状態を維持する。即ち、メモリ性を有している。従来の反強誘電性液晶表示素子は、このメモリ性を利用して単純マトリクス駆動されている。
【0005】
反強誘電性液晶のメモリ性は、液晶が第1または第2の強誘電相から反強誘電相に相転移する電圧と、反強誘電相から第1または第2の強誘電相に相転移する電圧との電圧差によって定まる。そして、この電圧差が大きいほど、配向状態のメモリ性が高い。即ち、光学特性のヒステリシスが大きい程メモリ性が高い。
【0006】
このため、従来の単純マトリクス駆動される反強誘電性液晶表示素子では、反強誘電性液晶として、上記電圧差が大きい液晶を用いている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、メモリ性の高い反強誘電性液晶を用いる従来の反強誘電性液晶表示素子は、光の透過率を任意に制御することができない。即ち、表示階調の制御がほとんど不可能で、階調表示を実現することはできなかった。
【0008】
この発明は上記実状に鑑みてなされたもので、明確な階調表示を実現できる反強誘電性液晶表示素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明の第1の観点にかかる液晶表示素子は、
画素電極と画素電極に接続されたアクティブ素子がマトリクス状に複数配列され、且つ前記画素電極を覆って形成された一方の配向膜の表面に配向処理が施された一方の基板と、
前記画素電極に対向する共通電極と、この共通電極を覆い、その表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板と、
前記基板の間に、前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態でカイラルスメクティックC 相を形成する液晶材料が封入されてなる液晶層とを備え、
前記液晶層は、前記一方の基板と前記他方の基板間において、前記画素電極と前記共通電極間に電圧が印加されていない無電界状態で、前記液晶分子の分子間力によって反強誘電相を形成し、前記画素電極と前記共通電極間に電圧が印加された電界印加状態で、前記電界によって反強誘電相と強誘電相とその他の状態に配向した中間相とが混する混合相を形成する
ことを特徴とする。
【0010】
この液晶表示素子に使用される液晶は混合相を示す。即ち、強誘電相の液晶分子と、反強誘電相の液晶分子と、液晶分子が自己の描くコーンに沿って挙動して(コーンを描いて挙動して)基板に対してチルトをもって配向した中間状態の液晶分子が混合した混合相を呈する。この混合相における、強誘電相の液晶と反強誘電相の液晶の分子の割合及び基板面に対してチルトをもって配向した状態の液晶分子の平均的な配向方向は、印加電圧に応じて連続的に変化する。
このため、この反強誘電性を示す液晶を用いた液晶表示素子は、表示階調を連続的に変化させて、任意の階調で画像を表示することができる。
【0011】
上記目的を達成するため、この発明の第2の観点に係る液晶表示素子は、
電極と、この電極を覆って表面に配向処理が施された一方の配向膜が形成された一方の基板と、
前記電極に対向する電極と、この電極を覆ってその表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板と、
前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態で二重螺旋構造を描いて配列する反強誘電相を形成する液晶材料が前記基板の間に封入されてなり、前記液晶材料のスメクティック相を形成する液晶分子が自発分極を有する液晶層とを備え、
この液晶層は、前記一方の基板と他方の基板との間において、電界が印加されない無電界状態で、螺旋構造が解け、且つ前記液晶分子の分子間力によって、第1の方向を向いた液晶分子と第2の方向を向いた液晶分子が交互に配列することにより隣接するスメクティック層の液晶分子の自発分極が相互に相殺する反強誘電相を形成し、十分大きな電界が印加された状態で、その極性に応じて液晶分子が第1の方向又は第2の方向を向いた強誘電相を示し、中間の電圧が印加された状態で、前記電界によって、前記第1の方向を向いた状態の液晶分子と、前記第2の方向を向いた液晶分子と、前記液晶分子の描くコーンに沿って挙動して前記一方と他方の基板の主面に対し傾きを有した状態に配向した液晶分子とが混在する混合相を形成する、
ことを特徴とする
【0012】
この構成においても、強誘電相の液晶と反強誘電相の液晶の分子の割合及び基板面に対してチルトをもって配向した状態の液晶分子の平均的な配向方向は、印加電圧に応じて連続的に変化する。このため、表示階調を連続的に変化させて、任意の階調で画像を表示することができる。
【0013】
前記液晶層に形成される反強誘電相と、混合相は、バルクの状態でカイラルスメクティックCA相を形成し、反強誘電相から強誘電相に相転移する際の相転移前駆現象が大きい液晶材料を用いることにより得られる。
即ち、バルクの状態でカイラルスメクティックCA相を形成する液晶は、前記一方の基板と前記他方の基板間に封入された状態で、配向膜の配向処理による配向規制力を受けが、液晶の分子間力が前記配向処理による配向規制力よりも大きく、且つカイラルスメクティックCA相の螺旋ピッチに比べて液晶層の層厚が等しいか或は比較的大きいため、螺旋がほどけた反強誘電相に配向する。
そして、対向する電極間に電圧が印加されると、相転移前駆現象が大きい液晶は、反強誘電相と強誘電相との相転移エネルギーのギャップが小さいため、前記カイラルスメクティックCAの仮想的なコーンに沿って移動して(傾いて)中間状態に配向する液晶分子が発生する。そのため液晶層のダイレクタが連続的に変化し、階調表示素子が可能になる。
【0014】
また、この発明の第3の観点にかかる液晶表示素子の駆動方法は、
電極と、この電極を覆って形成され、表面に配向処理が施された一方の配向膜とが形成された一方の基板と前記電極に対向する電極と、この電極を覆い、その表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板との間に、前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態でカイラルスメクティックCA相を形成する液晶材料が封入されてなり、前記一方の基板と他方の基板間において、対向する前記電極間に電圧が印加されていない無電界状態で、前記液晶分子の分子間力によって反強誘電相が形成され、対向する前記電極間に電圧が印加された電界印加状態で、反強誘電相と強誘電相とその他の状態に配向した中間相とが混する混合相を形成する液晶層を設け、
対向する前記電極間に電圧を印加することにより、前記混合相を生じさせて、液晶のダイレクタを変化させることにより、階調表示を行うことを特徴とする。
この駆動方法によれば、混合相を生ずる液晶を使用し、そのダイレクタを変化させているので、任意の階調を表示することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態に係る中間調を表示することができる反強誘電性液晶表示素子について図面を参照して説明する。
【0016】
この反強誘電性液晶表示素子は、アクティブマトリクス方式のものであり、一対の透明基板(例えば、ガラス基板)11、12を備える。図1において下側の基板(以下、下基板)11には透明な画素電極13と画素電極13に接続されたアクティブ素子14とがマトリクス状に配列形成されている。
【0017】
アクティブ素子14は、例えば、薄膜トランジスタ(以下、TFT)から構成される。TFT14は、基板11上に形成されたゲート電極と、ゲート電極を覆うゲート絶縁膜と、ゲート絶縁膜の上に形成された半導体層と、半導体層の上に形成されたソース電極及びドレイン電極と、から構成される。
【0018】
さらに、下基板11には、図2に示すように、画素電極13の行間にゲートライン(走査ライン)15が配線されている。また、画素電極13の列間にデータライン(階調信号ライン)16が配線されている。各TFT14のゲート電極は対応するゲートライン15に接続され、ドレイン電極は対応するデータライン16に接続されている。
【0019】
ゲートライン15は、端部15aを介して行ドライバ(行駆動回路)31に接続されている。データライン16は端部16aを介して列ドライバ(列駆動回路)32に接続される。行ドライバ31は、後述するゲート信号を印加して、ゲートライン15をスキャンする。一方、列ドライバ32は、表示データ(階調データ)を受け、データライン16に表示データに対応するデータ信号を印加する。
【0020】
ゲートライン15は端子部15aを除いてTFT14のゲート絶縁膜(透明膜)で覆われている。データライン16はゲート絶縁膜の上に形成されている。画素電極13は、ITO等からなり、ゲート絶縁膜の上に形成されており、その一端部においてTFT14のソース電極に接続されている。
【0021】
図1において、上側の基板(以下、上基板)12には、下基板11の各画素電極13と対向する透明な共通電極17が形成されている。共通電極17は、ITO等から構成され、表示領域全体にわたる面積の1枚の電極から構成され、基準電圧V0が印加されている。画素電極13と共通電極17は、その間の液晶層21に電圧を印加することにより液晶分子の配向方向を制御して、そのダイレクタ(液晶分子の長軸の平均的な方向)の方向を連続的に変化させ、これにより液晶層の光学軸を連続的に制御させ、これにより表示階調を制御する。
【0022】
下基板11と上基板12の電極形成面には、それぞれ配向膜18、19が設けられている。
配向膜18、19は水平配向膜であり、同一方向(後述する図3の第3の方向21C)にラビングによる配向処理が施されており、近傍の液晶分子を配向処理の方向21Cに配列させようとする配向規制力を有する。
配向膜18、19は、表面エネルギーが小さく、配向規制力が比較的小さいことが望ましく、例えば、厚さが25〜35nm程度のポリイミド等の有機高分子化合物からなり、ラビングが施されている。この配向膜18,19としては、分散力esdが38〜41,極性力espが比較的弱く4〜10程度のものが望ましい。
【0023】
下基板11と上基板12は、その外周縁部において枠状のシール材20を介して接着されている。基板11、12間のシール材20で囲まれた領域には液晶層21が封入されている。液晶層21の層の厚さは、透明なスペーサ22により規制されている。スペーサ22は液晶封入領域内に点在状態で配置されている。
【0024】
液晶層21は、(1)バルクの状態でカイラルスメクティックCA(SmCA)相、(2)基板11と12の間に封入され、電圧が印加されていない無電界状態で反強誘電相、(3)十分大きい電圧が印加された状態では、印加電圧の極性に応じて、液晶分子が図3及び図4に示す第1の方向21A又は第2の方向21Bをほぼ向いた強誘電相、(4)中間の電界が印加された状態で、反強誘電相と強誘電相とこれらの相とは異なる中間相の液晶分子が混在する混合相をそれぞれ形成する液晶材料から構成される。
液晶層21の詳細については後述する。
【0025】
液晶表示素子の上下には、一対の偏光板23、24が配置されている。図3に示すように、下側の偏光板23の光学軸(以下、透過軸とする)23Aは第3の方向21Cにほぼ一致するスメクティック層の法線方向とほぼ平行に設定されている。上偏光板24の光学軸(以下、透過軸とする)24Aは下偏光板23の透過軸23Aにほぼ直角に設定されている。
【0026】
偏光板23、24の透過軸を図3に示すように設定した反強誘電性液晶表示素子は、液晶層21のダイレクタが第1又は第2の配向方向21A、21Bにほぼ配向した強誘電相の時に透過率がほぼ最大(表示が最も明るく)になる。また、液晶層21のダイレクタが第3の方向21Cに向くようにほぼ配向した反強誘電相の時に透過率がほぼ最小(表示が最も暗く)になる。
【0027】
即ち、液晶分子が第1または第2の方向21A、21Bを向いた状態では、入射側の偏光板23の透過軸23Aを通過した直線偏光状態の光は液晶層21の複屈折作用により偏光状態が変化して出射側偏光板24に入射し、出射側偏光板24の透過軸24Aと平行な成分の光が透過し、表示は明るくなる。
ダイレクタが第3の方向21Cを向いた状態では、入射側の偏光板23の透過軸23Aを通った直線偏光は液晶層21の複屈折作用をほとんど受けない。このため、入射側の偏光板23を通った直線偏光は、直線偏光のまま液晶層21を通過し、出射側の偏光板14でほとんど吸収され、表示が暗くなる。
また、液晶層21が光学的中間状態の時は、ダイレクタの方向に応じた階調が得られる。
【0028】
次に、配向膜18、19と液晶層21についてより詳細に説明する。
液晶層21は、例えば、化学式1に示す骨格構造を有する液晶組成物を主成分とする液晶であり、表1に示すような物性を有する。
【0029】
【化1】
Figure 0003551699
【0030】
【表1】
相系列
結晶−30℃−SmCA−69℃−SmA−80℃−ISO
自発分極 229nC/cm
コーン角θ 32゜
螺旋ピッチ 1.5ミクロン
【0031】
ここで、コーン角とは、液晶が描くコーンの軸とコーンのなす角度であり、第1の方向21Aと第2の方向21Bとの交差角はコーン角θの2倍の2θに相当する。
【0032】
このような構成及び物性を有する液晶は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの障壁が小さく、通常の反強誘電性液晶に比較して、反強誘電相の秩序が乱れやすく、相転移前駆現象が大きいという特徴を有する。相転移前駆現象は、反強誘電相を形成している液晶分子に印加する電界強度を徐々に強くしたとき、反強誘電相から強誘電相に相転移が起こる前に、図3に示した光学配置の液晶素子の透過率が高くなる現象を指しており、透過率の上昇は、液晶分子が相転移前に挙動することを意味している。そして、この相転移前の液晶分子の挙動は、反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの障壁が小さいことを意味している。
【0033】
液晶層21の液晶材料は、バルクの状態では、図4に示すように、分子配列の層構造と螺旋構造を有しており、隣接する液晶分子は層毎に仮想的なコーン上でほぼ180゜シフトして螺旋を描いた二重螺旋構造を有し、隣接するスメクティック層の液晶分子同士でその自発分極をキャンセルする。
【0034】
液晶層21の層厚(セルギャップ)は、液晶材料の螺旋構造の1ピッチ(ナチュラルピッチ)とほぼ等しい(1.5ミクロン)。また、液晶分子は配向膜18、19の配向処理による配向規制力を受けるが、液晶の分子間力が配向処理による配向規制力よりも大きい。このため、液晶分子は、図5及び図6(A)に模式的に示すように、二重螺旋構造が消失した状態の反強誘電相を形成して基板11、12間に封止されている。
【0035】
ここで、液晶分子は反強誘電相を維持しようとする分子間力を有し、一方、配向膜18,19は近傍の液晶を配向処理の方向21Cに向かせようとする配向規制力を有する。
このため、液晶分子が反強誘電相を維持するための分子間力に比べて、界面の効果による配向規制力が小さい場合には、液晶は、バルクの時と同様に反強誘電相を維持する。また、前記分子間力に比べて配向規制力が十分大きい場合には、液晶分子はフェリ相を形成する。また、前記分子間力に比べて配向規制力が大きく、且つ前記フェリ相を形成する配向規制力よりも小さい場合には、後述する混合相を形成する。
【0036】
この実施の形態では、液晶層21の液晶分子の反強誘電相を維持するための分子間力が配向規制力よりも大きく、電圧が無印加のとき、隣接するスメクティック層の液晶分子が図3の第1の方向21Aと第2の方向21Bとを交互に向く。この状態では、ダイレクタ(液晶分子の長軸の平均的な方向)がSmCA相が形成する層(スメクティック層)の法線方向(又は第3の方向21C)にほぼ揃った状態になる。隣接するスメクティック層の液晶分子の自発分極Psは、図5に示すように互いに反対方向を向き、隣接するスメクティック層の自発分極同士が互いにキャンセルする。また、空間的に平均された液晶層21の光学軸は、スメクティック層の法線方向(又は第3の方向21C)にほぼ一致する。
【0037】
一方、液晶層21に、正極性で十分高い電圧(飽和電圧以上の電圧)を印加することにより、図6(B)に示すように、液晶分子が第1の方向21Aにほぼ配列した状態に配向する。この状態では、液晶分子の自発分極はほぼ同一方向を向き、液晶は第1の強誘電相を示す。一方、液晶層21に、負極性で十分高い電圧(飽和電圧以下の電圧)を印加することにより、図6(C)に示すように、液晶分子が第2の方向21Bにほぼ配列した状態に配向する。この状態では、液晶分子の自発分極はほぼ同一方向を向き、液晶は第2の強誘電相を示す。これらの状態では、液晶層21の光学軸は第1の方向21A又は第2の方向21Bにほぼ一致する。
【0038】
前述のように、液晶層21の液晶分子は、配向膜18、19の配向規制力により液晶層21との界面で分子配列の秩序が弱められ、図7に示すように、液晶分子を仮想的なコーンに沿って動き易くなっており、一方、液晶層21の反強誘電相と強誘電相のポテンシャルエネルギーの障壁が小さく、反強誘電相の分子配列の秩序は配向膜18、19との界面の作用により比較的乱れ易い。従って、液晶層21に中間の電圧が印加されると、図7に示すように、液晶分子の一部は、カイラルスメクティックCA相の仮想的なコーンに沿って挙動し(動き)、図7に示すように、基板11、12の主面に対して傾いた状態(チルトを持った状態)になる。
【0039】
このため、低電圧が印加された状態では、反強誘電相の液晶分子(図5に示す反強誘電相的な配列秩序を維持した液晶)と、図8及び図6(D)及び(E)に示すように基板面に対してチルトを持った液晶が混在する状態となる。
【0040】
さらに、印加電圧を上昇させると、反強誘電相の液晶分子(図6(A)に示す反強誘電相的な配列秩序を維持した液晶分子)が減少し、基板面に対してチルトを持った液晶分子の数が増加する。さらに、一部の分子は配向方向が反転して、強誘電相(強誘電相的な配列秩序を持った液晶分子)になる。このため、反強誘電相の液晶と強誘電相の液晶とチルトを持って配向した中間相の液晶が混在する状態となる。
【0041】
この状態では、可視光の波長サイズの領域に、反強誘電相の液晶からなる微小領域、強誘電相の液晶からなる微小領域、中間相の液晶からなる微小領域が混在する。光学的にはこれらのドメインの特性が平均化された特性が得られる。
【0042】
この明細書では、この中間の電圧を印加した状態を、反強誘電相と、強誘電相と、中間配向状態の液晶分子とが混在するという意味で混合相と呼ぶ。
【0043】
この混合相において、第1の方向21Aと第2の配向方向21Bと、基板面に対してチルトを持った状態の液晶分子が混在する状態を、図8に模式的に示す。
【0044】
この混合相における、反強誘電相の液晶分子と強誘電相の液晶分子と中間状態の液晶分子の割合、及び、中間状態の液晶分子の平均的な配向方向(基板主面に投影した配向方向)は、印加電圧の極性及び値に応じて連続的に変化する。
このため、この液晶のダイレクタ(液晶分子の平均的な配向方向)は、図6(A)〜(E)に示すように、印加電圧に応じて第1の方向21Aと第2の方向21Bとの間で連続的に変化する。
【0045】
このため、上記構成の液晶表示素子の光学特性は、印加電圧0V近傍において平坦な部分がなく、印加電圧の絶対値の上昇に伴って光学特性も連続的になめらかに変化するものとなる。さらに、印加電圧の極性に対して透過率のカーブも対称となる。また、絶対値が飽和電圧以上の電圧が印加されると、透過率は飽和する。さらに、ヒステリシスが非常に小さい。
【0046】
一例として、化学式1に示す骨格構造を有する液晶を主成分とし、表1に示すような物性を有する液晶組成物を調整し、この液晶組成物を液晶層21として用い、セルギャップを1.5ミクロンとして、液晶層21の分子の描く螺旋構造を解いたときの液晶表示素子(実施例1)の印加電圧に対する透過率の関係を図9(A)に示す。
比較例として、セルギャップを5ミクロンとして、液晶分子の描く螺旋構造を維持した状態で液晶を封入した液晶表示素子(比較例1)の印加電圧に対する透過率の関係を図9(B)に示す。
【0047】
図9(A)、(B)の特性は、対向する電極13と17との間に三角波を印加して得られたものである。
図9(A)に示すように、実施例1の液晶表示素子の印加電圧−透過率特性は、明確なしきい値を有さず、透過率が連続的に変化し、印加電圧の極性に対して対称であり、ヒステリシスが非常に小さく、コントラストが大きい。従って、印加電圧に対する透過率がほぼ一義的に定まり、中間階調を安定的に表示でき、しかも、コントラストの高い画像を安定的に表示することができることが理解できる。
【0048】
一方、 図9(B)に示すように、比較例1では、配向膜18、19と液晶層21の層厚方向の中間の液晶分子との相互作用が弱く、液晶層の全厚に渡って混合相が形成されないため、印加電圧−透過率特性がしきい値を持つと共にヒステリシスが大きく、滑らかな印加電圧−透過率特性が得られない。また、コントラストが小さい。
【0049】
実施例1の液晶表示素子において、印加電圧に応じて、液晶分子が上述のように挙動していることは、例えば、図10に示すコノスコープ像及び図11(A)〜11(C)に示す、表示面の拡大図から判別することができる。
【0050】
図10はバルクの状態の液晶材料のコノスコープ像を示す。この図では、メラノープ(輝点)が、電界Eにほぼ垂直な方向に2つ発生しており、さらに、ほぼ左右対称である。このことは、液晶分子が二重螺旋構造を有する反強誘電相であることを示している。
【0051】
一方、液晶材料を基板間に封入した状態の液晶層21では、無電界状態で、図11(A)に示すように、ほぼ全体が黒く表示される。次に、電圧を高くすると、図11(C)に示すように、ほぼ全体が白くなり、液晶分子が第1又は第2の方向に揃っていることがわかる。一方、中間の状態では、図11(B)に示すように、印加電圧に応じて全体的に暗くなったり又は明るくなったりする。従って、中間の電圧で混合相が生成されていることがわかる。
【0052】
このように、この実施の形態の液晶層21の液晶分子は、印加電圧に応じて、第1又は第2の配向状態から第2又は第1の配向状態にコーンに沿って挙動する。従って、液晶層21の平均的な配向方向が印加電圧に応じて連続的に変化し、透過率が連続的に変化する。従って、任意の階調を表示することができる。
【0053】
図3では、下偏光板23の透過軸23Aを液晶層21のスメクティック層の法線方向とほぼ平行に、上偏光板24の透過軸24Aを透過軸23Aに直角に配置したが、例えば、下偏光板23の透過軸23A及び上偏光板24の透過軸24Aは、要求される液晶表示素子の電気光学特性に応じて種々の配置に決定される。
【0054】
例えば、図12(A)に示すように、下偏光板23の透過軸23Aを第2の方向21Bに平行とし、上偏光板24の透過軸24Aを下偏光板23の透過軸23Aに直交するように配置してもよい。この構成では、液晶層21に負極性の十分大きい(しきい値以上の)電圧を印加した時に、ダイレクタが第2の方向21Bを向くため、表示が最も暗くなる。一方、正極性の十分大きい(しきい値以上の)電圧を印加した時に、ダイレクタが第1の方向21Aを向くため、表示が最も明るくなる。
【0055】
また、コーン角が22.5°より大きい液晶材料を用いる場合は、下偏光板23の透過軸23A及び上偏光板24の透過軸24Aの一方を、液晶層21のスメクティック層の法線に対してコーン角θより小さい角度の範囲内に配置し、他方の光学軸を一方の光学軸とほぼ直交させて配置させてもよい。このような光学配置を使用することにより、液晶を強誘電相に設定することなく、駆動することが可能となり、表示の焼き付き等を防止し、フリッカを抑えることができる。
【0056】
例えば、化学式1に示したようにコーン角が32°の液晶材料を用いる場合は、図12(B)に示したように、下偏光板23の透過軸23Aを、液晶層21のスメクティック層の法線方向(ほぼ21Cの方向)に対して例えば22.5°で交差する方向に配置する。また、上偏光板24の透過軸24Aを透過軸23Aにほぼ直交させて配置する。
【0057】
そして、この液晶材料により形成された液晶層のダイレクタが、スメクティック層の法線方向(ほぼ21Cの方向)に対してそれぞれ22.5°の角度範囲(23A及び21Dの間の範囲の)で変化するように、対向する電極間に前記液晶層が強誘電相を形成するよりも低い電圧範囲の電圧を印加することにより、透過光量を制御する。
この構成とすれば、ダイレクタが透過軸の方向23Aに一致した時に表示が最も暗くなり、ダイレクタが方向23Aに対して45°傾いた方向21Dを向いた時に最も明るくなる。従って、最小階調から最大階調を得るためにダイレクタを第1の方向21Aと21Bに設定する必要がない。即ち、液晶を強誘電相に設定することなく、駆動することができる。
【0058】
この光学配置を採用した場合でも、印加電圧に対する液晶層21内での分子の挙動及び相変化等は上述の通りであり、液晶層21のダイレクタは第1の方向21Aと第2の方向21Bとの間で、連続的に変化する。従って、任意の階調を表示することができる。また、図3の光学配置に比較して、フリッカが少なくなり、しかも液晶層21に強誘電相が形成されないので、画面の焼き付きが抑制され、表示画面のコントラストを高く且つ表示品質を高くすることができる。
【0059】
上述の液晶セル(化学式1に示す骨格構造を有する液晶を主成分とし、表1に示す物性を有する液晶組成物を1.5ミクロンのセルギャップに封入したセル)に図12(B)に示す光学配置を適用した液晶表示素子(実施例2)の印加電圧に対する透過率の関係を図13(A)に示す。
比較例として、セルギャップを5ミクロンとした点以外は実施例2と同一構成の液晶表示素子(比較例2)の印加電圧に対する透過率の関係を図13(B)に示す。
【0060】
図13(A)、(B)の特性は、対向する電極13と17との間に三角波を印加して得られたものである。
図13(A)に示すように、実施例2の液晶表示素子の印加電圧−透過率特性は、明確なしきい値を有さず、透過率が連続的に変化し、印加電圧の極性に対して対象であり、ヒステリシスが小さく、コントラストが大きい。これに対し、図13(B)に示すように、比較例2では、印加電圧−透過率特性がしきい値を持つと共にヒステリシスが大きく、滑らかな印加電圧−透過率特性が得られない。また、コントラストが小さい。
【0061】
図13(A)、(B)からも、この実施の形態の液晶表示素子が優れた階調表示能力を有することが確認できる。
【0062】
次に、上記構成の表示素子の駆動方法を図14(A)〜(C)を参照して説明する。
図14(A)は行ドライバ31が任意の行のゲートライン15に印加するゲート信号を、図14(B)は列ドライバ32がゲートパルスに同期して各データライン16に印加するデータ信号を示す。データ信号の電圧は液晶層21を強誘電相に配向させない電圧、即ち、VTmaxとVTminとの間で、表示したい透過率に対応する電圧に設定されている。図14(C)は、図14(B)に示すデータパルスが印加された時の透過率の変化を示す。
【0063】
各ゲート信号は、対応する行の選択期間にゲートパルスとしてオンする。このゲートパルスにより選択された行のTFT14がオンする。TFT14がオンしている期間、即ち、書き込み期間に、そのTFT14を介して表示階調に対応するデータ信号が画素電極13と対向電極17との間に印加される。ゲートパルスがオフするとTFT14がオフし、それまで画素電極13と対向電極17との間に印加されていた電圧が、画素電極13と対向電極17とその間の液晶層21により形成される画素容量に保持される。このため、図14(C)に示すように、この保持電圧に対応する表示階調がこの行の次の選択期間まで保持される。従って、この駆動方法によれば、データパルスの電圧を制御することにより任意の階調画像を表示することができる。
【0064】
実施例2の液晶表示素子を図14(A)、(B)に示す駆動方法で駆動し、データ信号の電圧を−5Vから+5Vに順次増加し、さらに、+5Vから−5Vに順次低下させたときの、透過率の変化を図15に示す。図15から、図14の駆動方法を使用することにより、任意の階調を安定的に表示できることが理解できる。
【0065】
次に、このような駆動を可能とする列ドライバ32の構成例を図16を参照して説明する。
列ドライバ32は、図16に示すように、第1のサンプル・ホールド回路41と、第2のサンプル・ホールド回路42と、A/D(アナログ/ディジタル)変換器43と、タイミング回路44と、電圧変換回路45とから構成される。
【0066】
第1のサンプル・ホールド回路41は、外部から供給されるアナログ表示信号のうち対応する画素用の信号成分(1つの画像データ)VD’をサンプル・ホールドする。第2のサンプル・ホールド回路42は第1のサンプル・ホールド回路41のホールド信号VD’をサンプル・ホールドする。
A/D変換器43は、第2のサンプルホールド回路42のホールド信号をA/D変換してディジタル階調データに変換する。
タイミング回路44は、各選択期間TSに、第1と第2のサンプルホールド回路41、42にサンプリング及びホールディングを指示するタイミング制御信号を供給する。
【0067】
電圧変換回路45は、A/D変換器43が出力するディジタル階調データを対応する電圧(該ディジタル階調データが指示する階調を表示するために必要な駆動系の電圧)VDを有するデータパルスに変換して、対応するデータライン16に出力する。この電圧変換回路45により、信号処理系の電源系統と駆動系の電源系統とが分離されている。電圧変換回路45の出力電圧VDは対応する行のTFT14がオンしている書き込み期間に液晶層21に印加され、TFT14がオフしている間は対向する電極13と17の間に保持される。
【0068】
第1のサンプル・ホールド回路41と、第2のサンプル・ホールド回路42と、A/D変換器43と、電圧変換回路45は、画素の列毎に配置され、タイミング回路44は複数列に共通に配置される。
【0069】
なお、列ドライバ32の構成は、図16の構成に限定されるものではない。例えば、A/D変換器43が内蔵するサンプルホールド回路を第2のサンプルホールド回路42として使用しても良い。さらに、A/D変換器43の出力データに一定の処理を行った後、処理後のデータを電圧変換回路45に供給して駆動系の電圧に変換してもよい。また、処理後のデータを一旦信号処理系の電圧を有する階調信号に変換した後、電圧変換回路45で駆動系の電圧に変換してもよい。
各種タイミング信号を列ドライバ32の外部から供給してもよい。また、画像データ自体をディジタルデータで構成してもよい。
【0070】
この発明は上記実施の形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。例えば、この発明の反強誘電性液晶は、化学式1に示した骨格構造を有するものを主成分とするものに限定されず、他の混合相を形成する任意の液晶を使用できる。その物性についても同様である。また、配向膜の材質、厚さ等も適宜変更可能である。
液晶材料と配向膜の組合せは、前記液晶層を形成する液晶分子の分子間力より配向規制力が小さくなるような組合せで、且つ、混合相が形成できるならば、任意である。
液晶層21の厚さも、混合相が全厚に渡って形成できる範囲ならば、任意である。さらに、一部に混合相にならない領域が発生しても、表示に実質的に影響を与えない程度ならば、差し支えない。
【0071】
また、実施の形態では、偏光板23の透過軸23Aと偏光板24の透過軸24Aを直角に配置したが、これらが平行になるように偏光板23と24を配置してもよい。また、偏光板の光学軸は吸収軸でもよい。
【0072】
また、本発明はTFTをアクティブ素子とする反強誘電性液晶表示素子に限らず、MIMをアクティブ素子とする反強誘電性液晶表示素子にも適用可能である。
さらに、この発明は、図17に示すように、対向する基板11と12の対向面に走査電極71と、走査電極71に直交する信号電極72を配置した単純マトリクス型(パッシブマトリクス型)の表示素子にも適用可能である。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、反強誘電性を示す液晶を用いた液晶表示素子でありながら、表示階調を連続的に変化させて、任意の階調で画像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の実施の形態にかかる液晶表示素子の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す液晶表示素子の下基板の構成を示す平面図である。
【図3】偏光板の透過軸と液晶分子の配向方向の関係を示す図である。
【図4】バルクの状態の液晶の液晶分子の描く二重螺旋構造を説明するための図である。
【図5】基板間に封止された液晶分子の配向状態を説明するための図である。
【図6】(A)〜(E)は、印加電圧と液晶分子の配向との関係を示す図である。
【図7】中間電圧を印加したときの液晶分子の挙動を説明するための図である。
【図8】中間電圧を印加したときの液晶分子の配向状態を説明するための図である。
【図9】(A)は、図3の光学配置を採用した実施例1の反強誘電性液晶表示素子に低周波の三角波電圧を印加した時の、印加電圧−透過率特性を示すグラフであり、(B)は、ギャップ長を5ミクロンとした比較例1の印加電圧−透過率特性を示すグラフである。
【図10】バルクの状態の液晶のコノスコープ像である。
【図11】(A)〜(C)は、液晶表示素子の顕微鏡写真を示す図である。
【図12】(A)と(B)は、偏光板の透過軸と液晶分子の配向方向の関係の他の例を示す図である。
【図13】(A)は、図12の光学配置を採用した実施例2の反強誘電性液晶表示素子に低周波の三角波電圧を印加した時の、印加電圧−透過率特性を示すグラフであり、(B)は、ギャップ長を5ミクロンとした比較例2の印加電圧−透過率特性を示すグラフである。
【図14】(A)〜(C)は、この発明の反強誘電性液晶表示素子の駆動方法を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】図14(A)〜(C)に示す駆動方法を用いて実施例2の液晶表示素子を駆動した時の印加電圧−透過率特性を示す図である。
【図16】図14(A)〜(C)に示す駆動方法を実現するためのドライバ回路の構成例を示すブロック図である。
【図17】単純マトリクスタイプの液晶表示素子の構成を示す図である。
【符号の説明】
11・・・透明基板(下基板)、12・・・透明基板(上基板)、13・・・画素電極、14・・・アクティブ素子(TFT)、15・・・ゲートライン(走査ライン)、16・・・データライン(階調信号ライン)、17・・・共通電極、18・・・配向膜、19・・・配向膜、20・・・シール材、21・・・液晶層、22・・・スペーサ、23・・・偏光板(下偏光板)、24・・・偏光板(上偏光板)、25・・・液晶セル、31・・・行ドライバ、32・・・列ドライバ、71・・・走査電極、72・・・信号電極

Claims (7)

  1. 画素電極と画素電極に接続されたアクティブ素子がマトリクス状に複数配列され、且つ前記画素電極を覆って形成された一方の配向膜の表面に配向処理が施された一方の基板と、
    前記画素電極に対向する共通電極と、この共通電極を覆い、その表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板と、
    前記基板の間に、前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態でカイラルスメクティックC 相を形成する液晶材料が封入されてなる液晶層とを備え、
    前記液晶層は、前記一方の基板と前記他方の基板間において、前記画素電極と前記共通電極間に電圧が印加されていない無電界状態で、前記液晶分子の分子間力によって反強誘電相を形成し、前記画素電極と前記共通電極間に電圧が印加された電界印加状態で、前記電界によって反強誘電相と強誘電相とその他の状態に配向した中間相とが混する混合相を形成する
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  2. 前記液晶層は、強誘電相の液晶と、反強誘電相の液晶と、液晶分子が前記一方及び他方の基板の主面に対しチルトを持って配列した状態の中間相の液晶とが混在した混合相を形成する液晶材料からなる、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子。
  3. 前記液晶層は、電界の印加により、液晶分子が、カイラルスメクティックCA相の分子の描くコーンに沿って移動することにより、中間相の配向状態が形成される液晶材料からなる液晶から構成される、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶表示素子。
  4. 電極と、この電極を覆って表面に配向処理が施された一方の配向膜が形成された一方の基板と、
    前記電極に対向する電極と、この電極を覆ってその表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板と、
    前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態で二重螺旋構造を描いて配列する反強誘電相を形成する液晶材料が前記基板の間に封入されてなり、前記液晶材料のスメクティック相を形成する液晶分子が自発分極を有する液晶層とを備え、
    この液晶層は、前記一方の基板と他方の基板との間において、電界が印加されない無電界状態で、螺旋構造が解け、且つ前記液晶分子の分子間力によって、第1の方向を向いた液晶分子と第2の方向を向いた液晶分子が交互に配列することにより隣接するスメクティック層の液晶分子の自発分極が相互に相殺する反強誘電相を形成し、十分大きな電界が印加された状態で、その極性に応じて液晶分子が第1の方向又は第2の方向を向いた強誘電相を示し、中間の電圧が印加された状態で、前記電界によって、前記第1の方向を向いた状態の液晶分子と、前記第2の方向を向いた液晶分子と、前記液晶分子の描くコーンに沿って挙動して前記一方と他方の基板の主面に対し傾きを有した状態に配向した液晶分子とが混在する混合相を形成する、
    ことを特徴とする液晶表示素子。
  5. 前記一方の基板と前記他方の基板の各対向面に形成された前記配向膜は、前記液晶層の分子間力より小さい配向規制力を前記液晶層の液晶分子に与える表面エネルギーを有する、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  6. 前記一方の基板と前記他方の基板の各対向面に形成された配向膜は、液晶の分子間力より小さい配向規制力を前記液晶層に与える配向処理が施されている、
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の液晶表示素子。
  7. 電極と、この電極を覆って形成され、表面に配向処理が施された一方の配向膜とが形成された一方の基板と前記電極に対向する電極と、この電極を覆い、そ の表面に配向処理が施された他方の配向膜とが形成された他方の基板との間に、前記配向膜による配向規制力よりも大きい分子間力を有し、バルクの状態でカイラルスメクティックCA相を形成する液晶材料が封入されてなり、前記一方の基板と他方の基板間において、対向する前記電極間に電圧が印加されていない無電界状態で、前記液晶分子の分子間力によって反強誘電相が形成され、対向する前記電極間に電圧が印加された電界印加状態で、反強誘電相と強誘電相とその他の状態に配向した中間相とが混する混合相を形成する液晶層を設け、
    対向する前記電極間に電圧を印加することにより、前記混合相を生じさせて、液晶のダイレクタを変化させることにより、階調表示を行うことを特徴とする液晶表示素子の駆動方法。
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