JP2018092046A - 液晶電気光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い安定性を有する液晶電気光学素子を提供する。【解決手段】本発明に係る液晶電気光学素子1は、液晶セル31と、液晶セル31の背面側に配置された第1の偏光板3と、液晶セル31の前面側に配置された第2の偏光板4と、位相差板(光学補償セル)5と、を有する。位相差板5は、第1の偏光板3及び第2の偏光板4と液晶セル31との間のうち少なくとも一方の間に配置され、電圧制御によって異常光線軸の向きを調整可能に構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、液晶電気光学素子に関する。
液晶電気光学パネルは、テレビ、コンピュータのディスプレイ、光変調器などを一例として、広く用いられている。
液晶電気光学パネルなどを構成する液晶電気光学素子の代表的な駆動方式としては、例えば、TN(ツイステッド−ネマチック)モード、STN(スーパー・ツイステッド・ネマチック)モード、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)モードなどがある。また、TFT(薄膜トランジスタ)を用いたアクティブマトリクス型の液晶表示素子では、液晶分子を垂直配向させるVA(垂直配向)モードや、液晶分子を水平配向させるIPS(イン・プレーン・スイッチング) モード又はFFS(フリンジ・フィールド・スイッチング)モードなどの駆動方式が採用されている。IPSモードの駆動方式では、液晶分子の垂直方向の傾きが発生しないため、視野角による輝度変化や色変化が少ない。このような特徴を有することから、IPSモードの駆動方式は、観賞用や医療用のディスプレイに多く採用されている。その他に、連続階調を表示可能なHalf V−FLCD(強誘電性液晶ディスプレイ)も知られている。
近年、液晶電気光学素子においては、高精細化、高解像度化や、表示容量の増加を図るために、広視野角化や色再現性などの改善が求められている。広視野角化や色再現性などを改善する方法として、例えば、ネガAプレートや、ポジAプレー卜、ネガCプレート、ポジCプレート、二軸性プレート、1/2波長板、1/4波長板などの位相差板(光学補償セル)を液晶電気光学素子に用いる方法がある。
特開平11−249126号公報 特開2007−78854号公報 特開2008−139769号公報 特開2010−72658号公報
しかしながら、実際に液晶電気光学素子を使用すると、液晶電気光学素子を駆動させるための電源や周辺機器からの熱によって位相差板の位相が設計値からずれる場合がある。その場合、液晶電気光学素子の動作が不安定になる虞がある。
本発明は、このような従来の事情に鑑みて提案されたものであり、高い安定性を有する液晶電気光学素子を提供する。
上述の目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
〔1〕液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償セルと、を有する液晶電気光学素子であって、前記液晶セルは、互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持された第1の液晶層と、前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記第1の液晶層の配向状態を制御する第1の配向層と、前記第1の液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる第1の電極と、を備え、前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、前記光学補償セルは、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置される。本発明においては、光学補償された液晶電気光学デバイスには第一の様態と第二の様態がある。第一の様態は、例えば、光学補償で得られたECB液晶電気光学デバイスで、第二の様態は、例えば、光学補償された、IPS,FFS,HV−FLC電気光学デバイスである。
第一の様態においては光学補償板もECB液晶セルで それに電圧を印加することにより、その傾きを変えて光学遅れを制御して全体系の温度変化に対応する様にする。このようにして後述する(1)式の値を変えることができる。光学補償板の異常光線軸の向きを、水平から傾けることで、光学遅れを小さくすることができる。そして、第二の様態では、光学補償板はIPS、FFSタイプで、電圧印加によって、方位角(後述する(2)式参照)を変えることによって、全体系の温度変化に対応させる。このような二種類の対応は、温度変化があっても暗状態の実現と電気光学効果の動作を安定にする。
前記光学補償セルは、電圧制御によって異常光線軸の向きを調整可能に構成されている液晶電気光学素子である。
〔2〕前記光学補償セルは、互いに対向して配置された第3の基板及び第4の基板と、前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持された第2の液晶層と、前記第3の基板及前記第4の基板の間で前記第2の液晶層の配向状態を制御する第2の配向層と、前記第2の液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる第2の電極と、を備えている前記〔1〕に記載の液晶電気光学素子。
〔3〕前記第2の液晶層は、前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持され、前記第3の基板及び前記第4の基板と平行な面とこの面に直交する向きとの間で回転する液晶を含む前記〔2〕に記載の液晶電気光学素子。
〔4〕第一の様態では、前記第1の偏光板の透過軸に対する前記光学補償セルの前記第2の液晶層に含まれる液晶の位相差の半値(Γ/2)は、以下の(1)式で表され、α=0.05〜0.3[rad]である前記〔3〕に記載の液晶電気光学素子。
Figure 2018092046
〔5〕前記第2の液晶層は、前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持され、前記第3の基板及び前記第4の基板と平行な面内で回転する液晶を含む前記〔2〕に記載の液晶電気光学素子。
〔6〕第二の様態では、前記液晶セルの配置角度φが0[rad]からπ/4[rad]までの間で変化し、前記光学補償セルの遅相軸の配置角度φは、以下の(2)式で表され、α=0.05〜0.20[rad]である前記〔5〕に記載の液晶電気光学素子。
Figure 2018092046
なお、前記第1の偏光板の透過軸の向く方向は0[rad]であり、前記第二の偏光板の透過軸の向く方向はπ/2[rad]である。
以上のように、本発明によれば、光学補償セルの異常光線軸の角度を電圧制御によって動的かつ幾何学的に調節することが可能になる。例えば、周囲の温度変化によって液晶セルと光学補償セルとの位相差値が変化しても、光学補償セルに電圧を印加することで、前述のように異常光線軸の角度を調整することができ、高い安定性を有する液晶光学素子を提供することができる。
本発明に係る液晶電気光学素子の構成の一例を示す模式図である。 第二の様態において図1に示す液晶電気光学素子を構成する各部の光学配置の一例を示す模式図である。 第一の様態において図1に示す液晶電気光学素子の第1の態様の二次元的な光学配置を示す模式図である。 第一の様態において図1に示す液晶電気光学素子のスイッチ角に対する透過率の特性曲線を示すシミュレーション結果である。 第一の様態において印加電圧に対する応答速度の実測値を示すグラフであり、液晶層の厚みが3.29[μm]である場合のグラフである。 第一の様態において印加電圧に対する応答速度の実測値を示すグラフであり、液晶層の厚みが4.78[μm]である場合のグラフである。 図1に示す液晶電気光学素子の第2の態様の二次元的な光学配置を示す模式図である。 図7に示す光学配置で実施した、電気光学素子の透過率に対する印加電圧依存性を示すグラフである。 図1に示す液晶電気光学素子の第2の態様における透過率の配置角度φによる変化の一例について、(11)式および(13)式を用いて規格化透過率を計算した結果を示すグラフである。 図1に示す液晶電気光学素子の第2の態様におけるF値を計算した結果を示すグラフである。 図1に示す液晶電気光学素子の第2の態様の動作を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を模式的に示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。また、以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
(第1の態様)
図1に示すように、本発明を適用した液晶電気光学素子1は、液晶セル31,32と、第1の偏光板3と、第2の偏光板4と、を備えている。
液晶セル31は、厚み方向に間隔をあけて対向するように配置された一対の10A,10Bと、一対の基板10A,10Bの外周部を封止する封止材13と、一対の基板10A,10Bおよび封止材13で囲まれた空間内に設けられた液晶(第1の液晶層)2と、を備えている。基板10Aにおいて基板10B側かつ封止材13で囲まれた面には、互いに間隔をあけて複数設けられた透明電極(第1の電極)11Aと、配向膜(第1の配向膜)12Aが基板10Aの厚み方向に積層されている。また、基板10Bにおいて基板10A側かつ封止材13で囲まれた面には、透明電極11Bと、配向膜(第1の配向膜)12Bが基板10Bの厚み方向に積層されている。液晶2には、配向膜12A,12Bの間で電圧駆動される液晶分子14が含まれている。
液晶2は、基板(第1の基板)10Aおよび基板(第2の基板)10Bとの間に挟持されている。液晶2としては、ECBモードやIPSモード、FFSモードなどの種々の公知モードで駆動可能な液晶などが挙げられる。
液晶セル32は、液晶セル31とほぼ同様の構成を備えている。すなわち、液晶セル32は、厚み方向に間隔をあけて対向するように配置された一対の基板20A,20Bと、一対の基板20A,20Bの外周部を封止する封止材23と、一対の基板20A,20Bおよび封止材23で囲まれた空間内に設けられた液晶(第2の液晶層)9と、を備えている。基板20Aにおいて基板20B側かつ封止材23で囲まれた面には、互いに間隔をあけて複数設けられた透明電極(第2の電極)21Aと、配向膜(第2の配向膜)22Aが基板20Aの厚み方向に積層されている。また、基板20Bにおいて基板20A側かつ封止材23で囲まれた面には、透明電極21Bと、配向膜(第2の配向膜)22Bが設けられている。液晶5には、配向膜22A,22Bの間で電圧駆動される液晶分子24が含まれている。
液晶9は、基板(第3の基板)20Aと基板(第4の基板)20Bと平行な面M10と面M10に直交する向きD10との間で回転する。このような液晶9としては、例えばECBモードで駆動可能な液晶などが挙げられる。
第1の偏光板3は、偏光子Pとして液晶セル31における基板10A側に配置されている。第2の偏光板4は、検光子Aとして液晶セル32における基板20B側に配置されている。以下、液晶電気光学素子1における第1の偏光板3側を背面側とし、液晶電気光学素子1における第2の偏光板4側を前面側とする。
図2は、第1の態様の液晶電気光学素子1における主要な光学配置を示したものである。
第1の偏光板3の透過軸と第2の偏光板4の透過軸とは、それぞれの透過軸が法線方向(すなわち、向きD10)から見て互い直交した位置関係にある。なお、図2では、第1の偏光板3及び第2の偏光板4の法線方向をXYZ座標のZ軸方向とし、第1の偏光板3の透過軸をXYZ座標のX軸方向と一致させ、第2の偏光板4の透過軸をXYZ座標のY軸方向と一致させている。
液晶セル32は、位相差板(光学補償セル)5として機能する。本発明では、位相差板5の異常光線軸の向きは、電圧制御によって調整可能に構成されている。具体的には、位相差板5としてアクティブ素子である液晶セル32を用いて位相差板5の異常光線軸の角度を電圧制御によって動的かつ幾何学的に調節可能とされている。
図2に示すように、ECBモードで駆動される液晶2の異常光線軸と位相差板5の液晶9の異常光線軸とが直交し、上述のように透過軸が互いに直交するように配置されている第1の偏光板3と第2の偏光板4との間に液晶2と位相差板5が挟まれている場合、透過光量は減じられる。(図3の中央の黒い部分が透過光量の減少を示している。なお、図3において、n(1),no(1)はそれぞれ液晶2の異常光線軸、常光線軸を表す。また、同図において、n(2),no(2)はそれぞれ液晶9の異常光線軸、常光線軸を表す。)
ここで、液晶電気光学素子1の第1の偏光板3の透過軸を基準として液晶セル31における液晶2の位相差をΓとし、位相差板5の液晶9の位相差をΓとすると、位相差板5の液晶9の位相差の半値(Γ/2)は、前述の(1)式で表される。そこで、位相角度αを、α=0.05〜0.30[rad]とし、好ましくはα=0.10〜0.30[rad]とし、より好ましくはα=0.30[rad]とする。位相角度αは、位相角度αが増大すると液晶電気光学素子1の光学応答が高速になること、図2に示す位相差板5を含まない光学配置における透過光量Iなどを考慮して決定されることが好ましい。
図1に示す液晶電気光学素子1において、背面側から前面側への入射光量をIとする。液晶セル31がいわゆるSingle−ECBモードで駆動される場合、図2に示す構成のうち位相差板5を含まない光学配置における透過光量をIとすると、入射光量と透過光量との比は、次に示す(3)式で表される。なお、Iは、液晶電気光学素子1への入射光量を表す。
Figure 2018092046
また、液晶セル31が第一の様態において光学補償されたTB(Optically Compensated(OC)−TB)モードで駆動される場合、液晶電気光学素子1の背面側の透過光量をIとすると、入射光量と透過光量との比は、次に示す(4)式で表される。
Figure 2018092046
上述の(1)式は、以下の(5)式および(6)式のように変形される。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
上述の(5)式および(6)式では、液晶セル31のスイッチ角(図2においてz軸からxy平面に向かって傾斜する角度)をθとしている。液晶セル31に電圧が印加されていない場合は、θ=0[deg]である。
リタデーションR(θ)は、Δn(θ)×dである。例えば、550nmのような観測波長λを適用すれば、次に示す(7)式が成り立つ。また、αは位相角度である。
Figure 2018092046
なお、上述の(6)式において、RはΔn(θ)dまたはΔn(θ)d のいずれかから求められる。
上述の(7)式に基づき、次に示す(8)式および(9)式が得られる。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
(8)式は、いわゆるNormally white(以下、NWとする)の状態を示す式である。一方、(9)式は、いわゆるNormally black(以下、NBとする)の状態を示す式である。
上述の(8)式および(9)式に対して、リタデーションR=0.222、繰り込みΔn=0.062、R繰り込み厚d=3.588[μm]の条件を適用することで、液晶セル32に電圧が印加されていないときにNBの状態(暗状態)が実現される。このとき、(8)式および(9)式に示されているように、α分の位相進みがみられる。この位相進みは、液晶電気光学素子1におけるスイッチングオフ時の応答速度の向上につながる。また、上述の構成において、液晶セル32に電圧が印加しながら、位相差板5の異常光線軸の角度θ(図2においてz軸からxy平面に向かって傾斜する角度)を調整することによって、スイッチングオフ時の応答度速度の向上が図られる。
図4には、上述のようにα=0.3[rad]、d=3.588[μm]、Δn=0.062とした際のスイッチ角θに対する透過率の変化を数値シミュレーションによって算出した結果を示す。なお、図4のグラフにおけるT1,T2はそれぞれ、位相差板5を含まない光学配置において、スイッチ角θに対して規格化された透過率、位相差板5を含む光学配置における、スイッチ角θに対して規格化された透過率を表す。
また、上述の好適な位相角度αの条件では、液晶セル31の液晶2及び位相差板5(即ち、光学補償板)は、駆動電圧がオフ状態となるときのそれぞれのリタデーションRにより与えられる位相差を等しくし、且つ、π/2[rad]よりも小さい。
位相差板5をいわゆる正のAプレート板として機能させる場合は、位相差板5の異常光線軸を位相角度αだけ傾けると、次に示す(10)式が近似的に成り立つ。
Figure 2018092046
上述の(10)式における位相差の半値(Γ/2)は、いわゆる繰り込み位相差となっている。上述の好適な条件をふまえ、位相角度αの値と位相角度αの発生時間の制御を行うことで、位相板5の異常光線軸の角度を電圧制御によって動的かつ幾何学的に調節することができる。
つまり、上述のように、位相差板5(即ち、光学補償セル)としてECBモードの液晶セルを用い、液晶セル31への印加電圧および動作状態に応じ、位相差板5として機能する液晶セル32に印加する電圧とタイミングを変えることによって、幾何学的な位相角度αの値と位相角度αの発生時間とを制御する。このような位相角度αの値と位相角度αの発生時間の制御を行うことで、位相板5の異常光線軸の角度を電圧制御によって動的かつ幾何学的に調節することができる。
上述のように、液晶セル32の異常光線軸をスイッチ角θだけ傾けることによって、液晶セル32の異常光線軸がx−y平面に対して平行である対称性を失う。これにより、暗状態において、第1に、光電界面はx−y面と平行であり、これらの面と2つの光学媒質(即ち、液晶2,9)の楕円面とが一致する。また、液晶セル32の異常光線軸が上述の対称性を失うことにより、第2に、2つの光学媒質の遅相軸が互いに直交し、第3に、y軸を基準とする2つの光学媒質の位相差が互いに一致する。これによって暗状態が実現する。ECB 液晶セルの電圧を印加すると、暗状態が失われて明るい状態になる。この時2つの光学媒質のそれぞれに発生する電界に干渉が生じ、光出力が得られ、なおかつスイッチングオフ(立ち下がり)時の高速度応答が実現されると考えられる。
また、液晶セル31及び液晶セル32は、前述のように駆動電圧がオフ状態となるときのそれぞれのリタデーションRにより与えられる位相差を等しくし、且つ、π/2[rad]よりも小さいという条件を満たし、同じ設計の二つの液晶セルを直交させて積層されている。このような設定では、液晶2,9に同じ種類の液晶が用いられ、セル厚も同じならば、温度環境などが変化してもそれぞれのリタデーションの温度変化は同じなる。その結果、暗状態を実現するために光学補償用の液晶セル32に電圧を加え、液晶の配向は印加電圧ゼロに保つ。温度変化に対して液晶セル32に印加する電圧は、温度補償センサーを用いて光学補償板に印加する電圧値を決める。電気光学デバイスとして動作させるときは、液晶セル32に電圧を印加して動作させる、この場合も温度変化に対しては温度補償素子を用いて対応する。
(第1の態様に関する試験例)
上述の内容をふまえて液晶光学素子1と同様の光学配置を想定し、応答速度に関するシミュレーションを行った。シミュレーションに関する詳細な条件については、特許第5866068号明細書の図12等を参照することができる。
ECBモードで駆動される液晶2の異常光線軸と位相差板5の液晶9の異常光線軸とが直交するように液晶セル31,32を積層させた光学配置では、液晶層の厚みを3.29[μm]とすると、図5に示すように、位相差がπ/2よりも小さく、α≒0.3[rad]であると立ち下がり時間が短くなることがわかる。すなわち、幾何学的な位相角度αの値を前述の好適な条件に電圧制御によって動的に制御することで、第1の態様の液晶電気光学素子1の応答速度が高くなることが読み取れる。
液晶層の厚みを4.78[μm]に変更した場合であっても、図6に示すように、実際の応用速度は異なるが、前述と同様の傾向が得られ、幾何学的な位相角度αの値を前述の好適な条件に電圧制御によって動的に制御することで、第1の態様の液晶電気光学素子1の応答速度が高くなることが読み取れる。
(第2の態様)
次いで、本発明を適用した液晶電気光学素子1の第二の態様について説明する。
第二の態様の液晶電気光学素子1は、第一の態様の液晶電気光学素子1と同様の構成を備えている。但し、液晶9は、一対の基板20A,20Bと平行な面内で回転する。このような液晶9としては、例えば、IPSモード又はFFSモード、Half V−FLCDモードで駆動する液晶等が挙げられる。
図7は、第2の態様の液晶電気光学素子1における主要な光学配置を示したものである。ここで、液晶セル31のスイッチ角(図2においてxy平面内で回転する角度)φをπ/4[rad]から0[rad]までの間で変化させる。液晶セル31への印加電圧が0(零)であるときには、φ=π/4[rad]とし、位相差板5の遅相軸の配置角度φを前述の(2)式のように定義する。なお、図7において、e,oはそれぞれ液晶2の異常光線軸、常光線軸を表す。また、同図において、e,oはそれぞれ液晶9の異常光線軸、常光線軸を表す。
上述の条件を達成するために、位相差板5(即ち、光学補償セル)としてIPSモードの液晶セルを用い、液晶セル31への印加電圧および動作状態に応じ、位相差板5として機能する液晶セル32に印加する電圧とタイミングを変えることによって、幾何学的な位相角度αの値と位相角度αの発生時間とを制御する。このような位相角度αの値と位相角度αの発生時間の制御を行うことで、位相板5の異常光線軸の角度を電圧制御によって動的かつ幾何学的に調節することができる。
第2の態様においても、液晶セル31及び液晶セル32は、前述のように駆動電圧がオフ状態となるときのそれぞれのリタデーションRにより与えられる位相差を等しくし、且つ、π/2[rad]よりも小さいという条件を満たし、同じ設計の二つの液晶セルを直交させて積層されている。このような設定では、液晶2,9に同じ種類の液晶が用いられ、セル厚も同じならば、温度環境などが変化してもそれぞれのリタデーションの温度変化は同じなる。その結果、光学補償用の液晶セル32に電圧を加え、液晶の配向を変形させる必要がない。
液晶9として、例えば、第二の様態においてIPSモード又はFFSモード、Half V−FLCDモードで駆動する液晶が用いられた場合、位相差板5を含まない光学配置における透過光量Iと位相差板5を含む光学配置におけるIについて、それぞれ次に示す(11)式から(14)式が成り立つ。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
Figure 2018092046
Figure 2018092046
上述の(13)式が示すNBの状態は、(11)式が示すNWの状態に比べて位相角度αだけ位相が進んでいる。このような位相の進みは、位相角度αが幾何学的に法線方向を軸として右回り(即ち、時計と反対回り)に回転させると、生じるものであり、スイッチングオフ(立ち下がり)時の液晶電気光学素子1の高速度応答につながる。そこで、位相角度αは、α=0.05〜0.20[rad]とし、好ましくはα=0.1〜0.12[rad]とし、より好ましくはα=0.12[rad]とする。
図8は、液晶電気光学素子1の第2の態様におけるV−T曲線を示している。このとき、液晶電気光学素子1の暗状態を得るために、液晶セル31には4[V]のバイアス電圧が印加されているものと想定した。
図9は、液晶電気光学素子1の第2の態様における透過率の配置角度φによる変化を調べるために、(11)式および(13)式を用いて透過率を計算した結果を示すグラフである。配置角度φが0(零)であるときには、図9に示すように、透過光量Iも略0(零)となる。一方、透過光量Iは、透過光量Iの立ち下がりと同様に立ち下がるとともに、グラフ上で左側にシフトしている。このようなシフトは、液晶電気光学素子1の背面側の透過光が前面側の透過光より位相角度α=6.8[deg]だけ進んでいることを示している。なお、第1の態様と第2の態様の双方において、法線方向を軸として位相角度αをマイナス方向、左回り(即ち、時計回り)に回転させると、スイッチングオフ(立ち下がり)時の液晶電気光学素子1の応答は遅くなる。
第2の態様では、液晶セル32の配置角度φをφ=135°から位相角度αだけ小さくすることで、従来のように異常光線軸の向きが固定されているような正のAプレートの異常光線軸の向きにあたる向きが時計回りに回転する。その結果、液晶セル32における異常光線軸の向きとy軸との対象性がなくなり、スイッチングオフ(立ち下がり)時の液晶電気光学素子1の高速度応答が得られると考えられる。
また、上述のように、液晶セル32の異常光線軸を傾ける(方位角を時計的に傾ける)ことによって、液晶セル32の異常光線軸がy軸に対して180°を回転していた対称性を失う。これにより、第1の態様と同じように、暗状態において、第1に、光電界面はx−y面と平行であり、これらの面と2つの光学媒質(即ち、液晶2,9)の楕円面とが一致する。また、液晶セル32の異常光線軸が上述の対称性を失うことにより、第2に、2つの光学媒質の遅相軸が互いに直交し、第3に、y軸を基準とする2つの光学媒質の位相差が互いに一致する。これらの3つの現象が生じることで、2つの光学媒質のそれぞれに発生する電界に干渉が生じ、光出力が得られ、なおかつスイッチングオフ(立ち下がり)時の高速度応答が実現されると考えられる。第一及び第二の様態の場合、用いられた位相差版5(光学補償板)は幾何学的非対称光学遅れ板と呼ぶことができる。
上述した複数の式により、透過光量I,Iのそれぞれにおける配置角度φの微分は、次に示す(15)式および(16)式のように表される。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
上述の(15)式及び(16)式によって、次に示す(17)式、(18)式が得られる。(17)式、(18)式の関係は、OC−TBモードのみならず、OC−IPSモードやFFSモードの液晶セル32についても成り立つ。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
図10には、液晶電気光学素子1のスイッチングオフの過程における(17)式のF値の液晶セル31の配置角度φ依存性の計算結果である。図10に示されているように、配置角度φが無限大から減少し、45°から緩和減少すると、F値は減少し、Γ=90°において液晶2の液晶分子の緩和は終了している。
なお、本発明における幾何学的な位相は、いわゆるPANCHARATNAM位相(1956)における暗状態と同様の発生機構によることが計算および図11の作図からもわかる。
(第2の態様に関する試験例)
第2の態様で説明した光学配置(図7参照)を想定したときの液晶電気光学素子1の応答時間について試験的に実測を行った結果を表1および表2に示す。表1は、液晶9として、IPSモードで駆動される液晶が使用されることを想定した結果である。また、表2は、液晶9として、FFSモードで駆動される液晶が使用されることを想定した結果である。なお、表1および表2において、(1)の「Single n-IPS/n-FFS」は、図7に示す構成のうち位相差板5を含まない光学配置における結果を示す。一方、(2),(3)の「n-OC-IPS/FFS」は、図7に示す構成のうち位相差板5を含む光学配置における結果を示す。
Figure 2018092046
Figure 2018092046
表1および表2からわかるように、位相差板5を含まない光学配置に比べて、位相差板5を含む光学配置において応答速度が高くなり、α=0[deg]の場合に比べてα=0−6.8[deg]とした場合には、液晶電気光学素子1の応答速度が著しく高く(立ち下がり時間τが著しく短く)なる。したがって、幾何学的な位相角度αの値を前述の好適な条件に電圧制御によって動的に制御することで、第2の態様の液晶電気光学素子1の応答速度が高くなることが読み取れる。
以上、本発明の好ましい形態について詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
図1に示す液晶電気光学素子1の構成に基づき、水平配向され、縦電界駆動される液晶セル(Half−V FLCDセル)31の印加電圧に対する透過率の特性曲線を、電気光学測定装置(型番:DMS 703、Autronic Melchers、GmbH社製)で測定した。測定温度は25℃と60℃とした。
この際、透過率特性曲線の測定における座標系を右手座標系で定義した。X軸方向を偏光子の透過軸方向とし、Y軸方向を検光子(即ち、第2の偏光板4)の透過軸方向とした。また、XY平面を液晶セル31および位相差板5(即ち、液晶セル32)の面内方向、Z軸方向を液晶セル31および位相差板5の厚み方向とした。液晶セル31および位相差板5は、偏光子(即ち、第1の偏光板3)と検光子との間に配置した。
液晶セル31および位相差板5を机などに置いて上(即ち、法線方向)から眺めた場合、右手側をX軸正方向、上側をY軸正方向、机の下から上に向かう方向を正とした。光は、常にZ軸の小さい方から入射し、Z軸の大きい方に通り抜けていくものとした。
液晶セル31の配置角度φは、液晶2への電圧無印加状態における液晶層の遅相軸とX軸とのなす角度で表し、反時計回り方向を正と定義した。同様に、位相差板5の配置角度φは、位相差板5の遅相軸とX軸とのなす角度で表した。
(液晶セル31;(表示用)Half−V FLCモード液晶セル)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmのITO透明電極付きのガラス基板に、ポリイミド配向膜(型番:RN−1199、日産化学工業(株)製)を30nmの厚さで形成した後、ラビング処理又は光配向処理を施して方位角アンカリングエネルギーの異なる複数のポリイミド配向膜付きガラス基板を得た。これらの基板を1枚ずつ、配向膜が形成された面同士が対向するようにし、1.8μmの間隔をあけて、ラビング方向がアンチパラレル配向になるように配置させた。対向配置させた一対の基板間のギャップに強誘電液晶R2301(屈折率Δn:0.20(波長550nmで測定)、単位面積あたりの自発分極の大きさPs:3.2nC/cm、カイラルスメクティックC−カイラルネマティック相転移温度:66℃、カイラルネマティック−等方性液体相転移温度:87℃から90℃、クラリアント社製)を100℃に保ちながら等方性液体相のまま注入した。このセルにカイラルネマティック相からカイラルスメクティックC相にかけて5Vの直流電圧を印加し、均一配向を確認後、直流電圧の印加を止めて室温まで温度を下げることにより、Half−V FLCモードで駆動可能な液晶セル31を作製した。
(光学補償用の液晶セル32;ECBモード液晶セル)
縦25mm×横20mm×厚み1.1mmのITO透明電極付きのガラス基板に、ポリイミド配向膜(型番:SE−510、日産化学工業(株)製)を60nmの厚さで形成した後、ラビング処理を施し、複数のポリイミド配向膜付きガラス基板を得た。これらの基板1枚ずつを、それぞれ配向膜が形成された対向するようにし、5μmの間隔をあけて、ラビング方向がアンチパラレル配向になるように配置した。一対の基板間のギャップにネマチック液晶(誘電率異方性:Δε=6.2(25℃)、屈折率異方性:Δn=0.086(波長550nm、25℃))を注入し、ECBモードで駆動可能な液晶セルを作製した。液晶9への電圧無印加状態では、液晶層の遅相軸はラビング方向と一致する。
(従来の光学補償板;正のAプレート板)
<光配向膜の作製>
次に示す化学式(A)で表される化合物0.5重量部を2−(2−エトキシエトキシ)エタノール49.5重量部に溶解させた後、2−ブトキシエタノール49重量部を加えて、光配向膜用組成物〔A〕の溶液を得た。この溶液を0.45μmのメンブランフィルターでろ過し、光配向膜用組成物〔1〕を得た。
Figure 2018092046
光配向膜用組成物〔1〕をスピンコーターで基材である80μmのトリアセチルセルロース誘導体からなるフィルム上に塗布し、80℃で2分間乾燥させた。このときの乾燥膜厚は15nmであった。次に超高圧水銀ランプに波長カットフィルター、バンドパスフィルター、及び、偏光フィルターを介して、波長365nm付近の可視紫外光(照射強度:20mW/cm)の直線偏光の平行光を、基材に対して垂直方向から照射し、光配向膜を得た。照射量は100mJ/cmであった。
<位相差膜の作製>
位相差膜を作製するためのサンプル溶液(重合性液晶組成物)の内訳は、
*重合性液晶モノマー(DIC社製、UCL008):29.7質量部
*シクロヘキサノン:69.3質量部
*光重合開始剤(BASF社製、IRGACURE907):0.9質量部
*流動パラフィン:0.06質量部、p−メトキシフェノール:0.03質量部
とした。
作製した光配向膜上に、サンプル溶液(重合性液晶組成物)を塗布し、80℃で2分間乾燥させ、室温で1分間冷却した後、UV照射して、波長550nmで測定したときの正面位相差が360nmである位相差膜(正のAプレート板)を作製した。
(実施例1)
25℃の測定環境において、上述のHalf−V FLCモードの液晶セル31の配向軸はφ=45°とし、上述のECB液晶セル32の遅相軸はφ=128.2°(即ち、α=−6.8[deg]≒−0.12[rad])となるように配置した。Half−V FLCモードの液晶セル32への印加電圧を上昇させることで、液晶セル32における配向軸はφ=45°から0°に向かって配向方向が変化した。一方、ECBモードの液晶セル32に2.2Vの電圧印加することで、液晶セル32における正面位相差は波長550nmにおいて360nmとした。印加電圧に対する波長550nmでの透過率の特性曲線を描いたところ、高速度応答を示すとともにコントラスト比は970であった。
続いて、60℃の測定環境において、上述のHalf−V FLCモードの液晶セル31の配向軸はφ=45°とし、上述のECBモードの液晶セル32の遅相軸はφ=128.2°(即ち、α=−6.8[deg]≒−0.12[rad])となるように配置した。Half−V FLCモードの液晶セル31には、印加電圧を上昇させることで配向軸はφ=45°から0°に向かって配向方向が変化した。一方、ECB液晶セルには、2.8Vの電圧印加することで、正面位相差は324nm(550nm)とした。印加電圧に対する波長550nmでの透過率の特性曲線を描いたところ、高速度応答を示すとともにコントラスト比は836であった。
(比較例1)
25℃の測定環境において、上述のHalf−V FLCモードの液晶セル31の配向軸はφ=45°とし、上述の正のAプレート板の遅相軸はφ=128.2°(即ち、α=−6.8[deg]≒−0.12[rad])となるように配置した。Half−V FLCモードの液晶セル31には、印加電圧を上昇させることで配向軸はφ=45°から0°に向かって配向方向が変化した。一方、正のAプレート板の正面位相差は波長550nmにおいて360nmであった。印加電圧に対する波長550nmでの透過率の特性曲線を描いたところ、高速度応答を示すとともにコントラストは970であった。
続いて、測定環境は60℃において、Half−V FLCモードの液晶セル31の配向軸はφ=45°、上述の正のAプレート板の遅層軸はφ=128.2°(即ち、α=−6.8[deg]≒−0.12[rad])の条件で配置した。Half−V FLCモードの液晶セル31には、印加電圧を上昇させることで配向軸はφ=45°から0°に向かって配向方向が変化していく。一方、正のAプレート板の正面位相差は波長550nmにおいて360nmであった。印加電圧に対する波長550nmでの透過率の特性曲線を描いたところ、高速度応答を示すものの、暗状態の透過率が高くなってしまいコントラストは31に低下した。
上述の実施例1および比較例1で説明したように、本発明を適用した液晶電気光学素子1によれば、入射側偏光板(第1の偏光板3)の透過軸が測定環境の温度変化などの影響によって本来の方向からずれた場合であっても、入射側偏光板の透過軸のずれに応じて光学補償セルである液晶セル32の異常光線軸の角度を電圧制御によって調整することができる。その結果、入射側偏光板の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度を、良好なコントラストで液晶電気光学素子1から所望の強度(あるいは透過率)で光を出力可能とする最適な角度とすることができる。
一方、従来のように異常光線軸の角度が固定されている正のAプレート板を備えた液晶光学素子では、25℃の測定環境において入射側偏光板の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度を良好なコントラストで光を出力可能とする最適な角度とすることができても、60°の測定環境においては、入射側偏光板の透過軸と光学補償板の異常光線軸とのなす角度が好適な条件から外れてしまい、暗状態でのコントラストの低下が発生した。
以上から、本発明を適用した液晶電気光学素子1の有用性を確認した。
1・・・液晶電気光学素子
2・・・液晶(第1の液晶層)
3・・・偏光板(第1の偏光板)
4・・・検光板(第2の偏光板)
10A・・・基板(第1の基板)
10B・・・基板(第2の基板)
20A・・・基板(第3の基板)
20B・・・基板(第4の基板)
31,32・・・液晶セル

Claims (6)

  1. 液晶セルと、第1の偏光板及び第2の偏光板と、光学補償セルと、を有する液晶電気光学素子であって、
    前記液晶セルは、
    互いに対向して配置された第1の基板及び第2の基板と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間に挟持された第1の液晶層と、
    前記第1の基板及び前記第2の基板の間で前記第1の液晶層の配向状態を制御する第1の配向層と、
    前記第1の液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる第1の電極と、を備え、
    前記第1の偏光板は、前記液晶セルの背面側に配置され、
    前記第2の偏光板は、前記液晶セルの前面側に配置され、
    前記光学補償セルは、前記第1の偏光板及び前記第2の偏光板と前記液晶セルとの間のうち少なくとも一方の間に配置され、
    前記光学補償セルは、電圧制御によって異常光線軸の向きを調整可能に構成されている液晶電気光学素子。
  2. 前記光学補償セルは、
    互いに対向して配置された第3の基板及び第4の基板と、
    前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持された第2の液晶層と、
    前記第3の基板及び前記第4の基板の間で前記第2の液晶層の配向状態を制御する第2の配向層と、
    前記第2の液晶層の配向状態を駆動電圧の印加により発生する電界によって変化させる第2の電極と、を備えている請求項1に記載の液晶電気光学素子。
  3. 前記第2の液晶層は、前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持され、前記第3の基板及び前記第4の基板と平行な面とこの面に直交する向きとの間で回転する液晶を含む請求項2に記載の液晶電気光学素子。
  4. 前記第1の偏光板の透過軸に対する前記光学補償セルの前記第2の液晶層に含まれる液晶の位相差の半値(Γ/2)[rad]は、次に示す(1)式で表され、α=0.05〜0.3[rad]である請求項3に記載の液晶電気光学素子。
    Figure 2018092046
  5. 前記第2の液晶層は、前記第3の基板及び前記第4の基板の間に挟持され、前記第3の基板及び前記第4の基板と平行な面内で回転する液晶を含む請求項2に記載の液晶電気光学素子。
  6. 前記液晶セルの配置角度φがπ/4[rad]であり、
    前記光学補償セルの遅相軸の配置角度φは、次に示す(2)式で表され、α=0.05〜0.20[rad]である請求項5に記載の液晶電気光学素子。
    Figure 2018092046
    なお、前記第1の偏光板の透過軸の向く方向は0[rad]であり、前記第二の偏光板の透過軸の向く方向はπ/2[rad]である。
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